JP5455577B2 - コモンモードノイズ低減装置 - Google Patents

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Description

本発明は、コモンモードノイズ低減装置に関する。
特許文献1には、トランスの1次巻線を一対の給電ライン上に配置し、2次巻線をYコンデンサの中間接地線上に配置したコモンモードノイズ低減装置が開示されている。
特許第3656705号公報
上記従来技術では、Yコンデンサとトランスの2次巻線を接続しているため、トランス側から見たYコンデンサの駆動点インピーダンスが大きい場合、トランスの2次巻線に電流が流れにくくなる。このため、電源側に流れ込むコモンモード電流を低減できず、コモンモードノイズが大きくなるという問題があった。
本発明の目的は、電源側に流れ込むコモンモード電流を低減できるコモンモードノイズ低減装置を提供することにある。
上述の課題を解決するために、本発明では、Yコンデンサの中間接地線側に、トランスの2次巻線に誘起された電流に基づいて電源側に流れ込むコモンモード電流を打ち消す電流をYコンデンサに流す電流出力手段を設け、この電流出力手段が、第2巻線に流れる電流により参照電流を増減させ、当該増減分に応じた複製電流を生成し、中間接地線に流すカレントミラー回路を備えるようにした。

よって、本発明にあっては、トランス側から見たYコンデンサの駆動点インピーダンスにかかわらず、電源側に流れ込むコモンモード電流を打ち消す電流をYコンデンサに流すことができる。この結果、電源側に流れ込むコモンモード電流を低減できる。
実施例1のコモンモードノイズ低減装置を適用したモータ駆動回路図である。 実施例1のコモンモードノイズ低減装置4の回路図である。 実施例1の電流トランス7である。 実施例2のコモンモードノイズ低減装置21の回路図である。 実施例2の電流トランス22である。 実施例3のコモンモードノイズ低減装置31の回路図である。 他の実施例のコモンモードノイズ低減装置51の回路図である。 定電流負荷の一例を示す回路図である。
以下、本発明のコモンモードノイズ低減装置を実施するための形態を、図面に示す各実施例に基づいて説明する。
〔実施例1〕
まず、構成を説明する。
図1は、実施例1のコモンモードノイズ低減装置を適用したモータ駆動回路図である。実施例1のモータ駆動回路は、電源1、電力変換装置であるインバータ(電力変換装置)2、インバータ2により駆動されるモータ3およびコモンモードノイズ低減装置4を備える。
電源1は、車両の強電バッテリである。なお、実施例1の車両は、電動車両またはハイブリッド車両とし、電源1は、車両後方側に配置されている。
インバータ2は、電源1から入力された直流電力を交流電力に変換してモータ3へ出力する。電源1とインバータ2は一対の給電ライン5a,5bで接続されている。一対の給電ライン5a,5bの途中には、後述するコモンモードノイズ低減装置4の電流トランス7が設けられている。インバータ2とモータ3は一対の給電ライン6a,6bで接続されている。インバータ2は、車両後方側であって電源1の近傍に配置されている。
モータ3は、駆動輪である前輪を駆動するためのモータ・ジェネレータであり、車両前方側に配置されている。
コモンモードノイズ低減装置4は、インバータ2のスイッチングに起因するコモンモードノイズを低減するためのもので、電流トランス7と、Yコンデンサ8と、電流出力手段9とを備える。コモンモードノイズ低減装置4は、車両前方側に配置されている。コモンモード電流は、モータ3の浮遊容量C2とインバータ2のスイッチングにより生じるコモンモード電圧によってモータ3と電源1との間の給電ライン5a,5bと車両ボディをループする電流であり、ループする経路が長いほどコモンモードノイズは大きくなり、ラジオノイズ等に大きな影響を与える。コモンモードノイズ低減装置4は、Yコンデンサ8により電源1側の浮遊容量C1に流れるコモンモード電流を低減し、コモンモード電流のループ経路を小さくすることで、コモンモードノイズを低減する。
電流トランス7は、給電ライン5a,5b上に流れるコモンモード電流を検出し、コモンモード電流に応じた検出電流を出力ライン10に出力する。
Yコンデンサ8は、コモンモード電流のループ経路を短くするためのEMIフィルタであり、2つのコンデンサ素子8a,8bを備える。Yコンデンサ8は、一対の給電ライン5a,5bと電流出力手段9を介して終端が接地された中間接地線8cの始端とをそれぞれコンデンサ素子8a,8bを介してY字型に接続したものである。
電流出力手段9は、電流トランス7の検出電流に基づいて、電源1側の浮遊容量C1に流れるコモンモード電流を打ち消す電流をYコンデンサ8に流すものである。電流出力手段9は、中間接地線8c上に配置され、かつ、電流トランス7の出力ライン10と接続されている。
図2に示すコモンモードノイズ低減装置4の回路図を加えて、実施例1の電流トランス7と電流出力手段9の構造を詳細に説明する。
電流トランス7は、図3に示すように、磁気コア7aと1次巻線7b,7cと2次巻線7dを有する。1次巻線7b,7cは、一対の給電ライン5a,5b上に設けられている。2次巻線7dは、一端を電流出力手段9のグランド側と接続され、他端を出力ライン10と接続されている。電流出力手段9のグランド側は、モータ3の筐体3aの近くの共通グランド電位(車体ボディ)と接続されている。出力ライン10には、コンデンサ11が介装されている。実施例1では、各巻線7b,7c,7dは、磁気コア7aに対して同一巻数(例えば、2回)で巻回されている。ここで、巻数とは、巻線が磁気コア内側を通る回数である。なお、各巻線7b,7c,7dの極性は図2に示したドット表示(極性表示)の通りである。
実施例1の電流トランス7は、ノーマルモード電流を検出せず、コモンモード電流のみを検出する。以下にその理由を示す。
1次巻線7b,7cに流れるノーマルモード電流により、磁気コア7aには2つの磁界が発生するが、両1次巻線7b,7cに流れるノーマルモード電流は、互いに逆向きに流れているため、1次巻線7bに流れる電流によって発生する磁界と1次巻線7cに流れる電流によって発生する磁界とが互いに打ち消し合うことで、電磁誘導は生じず、2次巻線7dには電流が流れない。
一方、コモンモード電流は1次巻線7b,7cを同一方向に流れるため、コモンモード電流によって磁気コア7aに発生する磁界により、電磁誘導が起き、2次巻線に電流が誘起される。
電流出力手段9は、カレントミラー回路を備える。このカレントミラー回路において、NPN型のトランジスタ12のコレクタ12aは、定電流負荷である直流電流負荷13を介して正電源14に接続され、エミッタ12bはモータ3の筐体3aに接続されている。ここで、正電源14の電圧は、実施例1のモータ駆動回路において発生するコモンモード電流のピーク値よりも若干高い電圧とする。コレクタ12aと直流電流負荷13との間には、電流トランス7の出力ライン10が接続されている。また、NPN型のトランジスタ15のコレクタ15aは、定電流負荷である直流電流負荷16を介して正電源14に接続され、エミッタ15bはモータ3の筐体3aに接続されている。コレクタ15aと直流電流負荷16との間には、中間接地線8cが接続されている。そして、トランジスタ12,15のベース12c,15c間が直接接続されると共に、トランジスタ12のベース12cとコレクタ12aとの間は短絡されている。2つのトランジスタ12,15において、エミッタ12bとエミッタ15bの面積は同一である。
次に、作用を説明する。
まず、実施例1のコモンモードノイズ低減装置4の動作について説明する。
コモンモード電流がゼロのとき、電流出力手段9では、常時、直流電流負荷13,16から電流が流れている。このとき、直流電流負荷13,16からの電流と、トランジスタ12,15を流れる電流とが等しいため、電流トランス7やYコンデンサ8からの電流の出入りはない。
コモンモード電流がグランド(モータ3の筐体3a)からモータ3に向かって流れるとき、電流トランス7の1次巻線7b,7cには、図2の矢印の方向にコモンモード電流が流れる。このとき、電流トランス7の2次巻線7dには、誘起電圧によりグランドから出力ライン10に向かってコモンモード電流に応じた検出電流が流れる。実施例1では、電流トランス7の1次側(1次巻線7b,7c)と2次側(2次巻線7d)の巻数比が1:1であるため、検出電流はコモンモード電流と同じ大きさとなる。電流トランス7の2次巻線7dを流れる検出電流は、電流出力手段9のコレクタ12aに入力し、これによりエミッタ12bの電流が増加する。この参照電流の増加に応じて、トランジスタ15側に流れる複製電流は増加する。複製電流の増加分は、Yコンデンサ8を介して給電ライン5a,5bから供給される。これにより、給電ライン5a,5bからグランドにコモンモード電流を還流させることができる。
コモンモード電流がモータ3からグランドに向かって流れる場合は、上記と逆の動作となる。すなわち、電流トランス7の2次巻線7dには、誘起電圧により出力ライン10からグランドに向かって検出電流が流れる。このため、電流出力手段9では、参照電流が減少し、これに応じて複製電流は減少する。複製電流の減少分は、Yコンデンサ8を介してグランドから供給される。つまり、グランドから給電ライン5a,5bにコモンモード電流を還流させることができる。
従来のコモンモードノイズ低減装置では、Yコンデンサとトランスの2次巻線を接続しているため、トランス側から見たYコンデンサの駆動点インピーダンスが大きい場合、トランスの2次巻線に電流が流れにくくなる。理由は、Yコンデンサの駆動点インピーダンスが大きいほど、トランスの励磁アドミタンスに電流が流れるため、1次巻線および2次巻線に電流を流すことができないからである。ここで、励磁アドミタンスとは、磁気コアの鉄損を考慮した励磁コンダクタンスと励磁インダクタンスの合成アドミタンスをいう。したがって、従来のコモンモードノイズ低減装置では、電源側に流れ込むコモンモード電流を低減できず、コモンモードノイズを低減できない。
上記従来技術において、トランスの要求性能を高くすることで、Yコンデンサにより多くの電流を流すことが可能となるが、巻数増や磁気コアの大型化が必要となるため、トランスの大型化および重量増を招き、車載性が著しく阻害されるため、採用し難い。なお、Yコンデンサを構成するコンデンサ素子の静電容量を大きくすることで、インピーダンスを小さくできるが、Yコンデンサは車両ボディと接続されており、かつ、車両駆動用モータの浮遊容量は大きいため、コンデンサの大容量化は制限される。
これに対し、実施例1のコモンモードノイズ低減装置4では、Yコンデンサ8の静電容量にかかわらず、電流出力手段9によってYコンデンサ8に電源1側の浮遊容量C1に流れるコモンモード電流を打ち消す電流、すなわち、コモンモード電流と同等の大きさの電流を流すことができる。つまり、電流トランス7では、1次側に流れるコモンモード電流と同じ大きさの検出電流を出力でき、電流出力手段9では、検出電流とほぼ同じ大きさの電流をYコンデンサ8に流すことができる。よって、電源1側の浮遊容量C1に流れるコモンモード電流を打ち消す電流をYコンデンサ8に流すことができ、コモンモードノイズを低減できる。また、Yコンデンサ8に流す電流は、Yコンデンサ8の各コンデンサ素子8a,8bの静電容量に左右されることがないため、各コンデンサ素子8a,8bの静電容量を小さく抑え、小型化を図ることができる。
また、実施例1の電流出力手段9では、カレントミラー回路を用いて電流トランス7の検出電流からYコンデンサ8に供給する電流を生成しているため、簡単な回路でもって検出電流に基づいてYコンデンサ8にコモンモード電流を流す構成を実現できる。また、カレントミラー回路の特性により、Yコンデンサ8とグランドは、コモンモード電流が流れたときにのみ接続され、かつ、グランド側に流れる電流は、コモンモード電流の大きさ以下に制限される。よって、放電により大電流が車体ボディに流れるのを防止できる。
実施例1では、電流トランス7の2次巻線7dを、出力ライン10を介してカレントミラー回路の参照側の系における直流電流負荷13とトランジスタ12のコレクタ12aとの間に接続している。このため、電流トランス7の負荷インピーダンスを、2次巻線7dにYコンデンサ8を直接接続した場合よりも小さくでき、電流トランス7の2次巻線7dにコモンモード電流と同等の大きさの電流を励起させることができる。つまり、電流トランス7におけるコモンモード電流の検出精度を高めることができる。
実施例1では、コモンモードノイズ低減装置4を車両前方側に配置しているため、インバータ2のスイッチングにより発生するコモンモード電流の大部分を、車両前方側でループさせることができる。特に、実施例1では、電源1を車両後方側に配置しているため、コモンモード電流が車両ボディを伝って車両後方側まで到達すると、ループ経路が非常に長くなるため、コモンモードノイズが大きくなってしまう。コモンモード電流を車両前方側でループさせるようにすることで、コモンモード電流のループ経路を短くでき、コモンモードノイズを効果的に低減できる。また、実施例1では、電流トランス7の2次巻線7dおよび電流出力手段9のエミッタ12bをモータ3の筐体3aに接続しているため、2次巻線7dに励起された電流(検出電流)を筐体3a内でループさせることができる。
次に、効果を説明する。
実施例1のコモンモードノイズ低減装置4にあっては、以下に列挙する効果を奏する。
(1) モータ3と電源1との間の一対の給電ライン5a,5b上に1次巻線7b,7cを配置すると共に2次巻線7dの始端を接地させ、1次巻線7b,7cを流れるコモンモード電流に応じた電流を2次巻線に励起させる電流トランス7と、一対の給電ライン5a,5bと終端が接地された中間接地線8cの始端とをそれぞれコンデンサ素子8a,8bを介してY字型に接続したYコンデンサ8と、中間接地線8c上に配置すると共に2次巻線7dの終端と接続し、2次巻線7dに誘起された電流に基づいて電源1側の浮遊容量C1に流れるコモンモード電流を打ち消す電流をYコンデンサ8に流す電流出力手段9と、を備えた。これにより、電流トランス7側から見たYコンデンサ8の駆動点インピーダンスにかかわらず、電源1側の浮遊容量C1に流れるコモンモード電流を打ち消す電流をYコンデンサ8に流すことができる。この結果、電源側に流れ込むコモンモード電流を低減できる。
(2) 電流出力手段9は、Yコンデンサ8よりも電流トランス7に対するインピーダンスが低いため、電流トランス7の負荷インピーダンスを、2次巻線7dにYコンデンサ8を直接接続した場合よりも小さくでき、電流トランス7の2次巻線7dにコモンモード電流と同等の大きさの電流を励起させることができる。
(3) 電流出力手段9は、2次巻線7dに電流が誘起されていないとき、中間接地線8cを遮断するため、グランド側に流れる電流を、コモンモード電流の大きさ以下に制限できる。よって、放電により大電流が車体ボディに流れるのを防止できる。
(4) 電流出力手段9は、第2巻線7dに流れる電流により参照電流が増減させ、当該増減分に応じた複製電流を生成し、中間接地線8cに流すカレントミラー回路を備える。これにより、簡単な回路でもって検出電流に基づきYコンデンサ8にコモンモード電流を流す構成を実現できる。
〔実施例2〕
図4は、実施例2のコモンモードノイズ低減装置21の回路図である。
実施例2のコモンモードノイズ低減装置21は、電流トランス22と電流出力手段23の構成が実施例1と異なる。
実施例2の電流トランス22は、図5に示すように、1次巻線7b,7cは磁気コア7aの内側を通過させただけであり、2次巻線7dは磁気コア7aに4回巻回している。このため、実施例2では、1次側(1次巻線7b,7c)と2次側(2次巻線7d)の巻数比は1:4となる。
実施例2の電流出力手段23は、参照電流と複製電流の比、すなわち、入力出力電流比を1:4としたカレントミラー回路である。なお、図4では、NPN型のトランジスタ15と直流電流負荷16とにより複製側の系を4列としているが、複製側の系を1列とし、トランジスタ15のトランジスタサイズをトランジスタ12のトランジスタサイズの4倍としてもよい。
他の構成は実施例1と同じであるため、説明を省略する。
次に、作用を説明する。
実施例2の電流トランス22では、1次側と2次側の巻数比を1:4としているため、電流トランス22の1次巻線7b,7bにコモンモード電流が流れたとき、電流トランス22の2次巻線7dに誘起される電流の大きさは、コモンモード電流の約1/4となる。よって、出力ライン10を流れる電流の大きさは、コモンモード電流の約1/4となる。
電流出力手段23では、例えば、検出電流がコレクタ12aに入力したとき、参照電流の増加に応じて、各トランジスタ15側に流れる複製電流が参照電流の増加分だけそれぞれ増加する。このため、複製電流を合計した電流の大きさは、検出電流の4倍、すなわち、コモンモード電流の大きさと略一致し、実施例1と同様、給電ライン5a,5bからグランドにコモンモード電流を還流させることができる。
実施例2では、電流トランス22の1次巻線7b,7cを磁気コア7aに巻回せず、磁気コア7aの内側を通過させているため、給電ライン5a,5bを磁気コア7aに巻回する手間を省くことができる。強電バッテリである電源1からモータ3に電力を供給する給電ライン5a,5bは、大きな電流容量が必要であるため、非常に太い電線が用いられる。このため、仮に給電ライン5a,5bを磁気コア7aに巻き付ける構成とした場合、作業性が悪く、非常に手間が掛かる。よって、実施例2では、1次巻線7b,7cを磁気コア7aに巻回させないことで、組み付け性の向上を図ることができる。また、巻数を少なくすることで、電流トランス22への要求性能(磁気コア7aの材料、大きさ、重量)を抑えることができ、小型化を実現できる。
実施例2では、電流トランス22の2次巻線7dを磁気コア7aに4回巻回した。つまり、実施例1に対して2次巻線7dの巻数を増加させたため、検出電流の電流値は減少するものの、実施例1よりも励磁アドミタンスをより小さくできる。したがって、より正確な(コモンモード電流の1/4に近い)検出電流を得ることができ、理想的な動作状態に近づけることができる。
次に、効果を説明する。
実施例2のコモンモードノイズ低減装置21にあっては、実施例1の効果(1)〜(4)に加え、以下の効果を奏する。
(5) 1次巻線7b,7cの巻数を1、2次巻線7dの巻数を4とし、カレントミラー回路の参照電流と複製電流の比を1:4としたため、電流トランス22をより理想的な動作状態に近づけることができる。また、給電ライン5a,5bを磁気コア7aに巻き付ける必要がないため、組み付け性の向上および小型化を実現できる。
〔実施例3〕
図6は、実施例3のコモンモードノイズ低減装置31の回路図であり、コモンモードノイズ低減装置31は、電流出力手段32の構成が実施例1と異なる。
電流出力手段32は、2つのカレントミラー回路33,34を用いた多段型である。第1カレントミラー回路33は、参照側と複製側にNPN型のトランジスタ35,36を用い、第2カレントミラー回路34は、参照側と複製側にPNP型のトランジスタ37,38を用いている。
トランジスタ35のコレクタ35aは、トランジスタ37のコレクタ37aと接続され、エミッタ35bは負電源39と接続されている。コレクタ35aとコレクタ37aとの間には、電流トランス7の出力ライン10が接続されている。トランジスタ36のコレクタ36aは、トランジスタ38のコレクタ38aと接続され、エミッタ36bは負電源39と接続されている。コレクタ36aとコレクタ38aとの間には、中間接地線8cが接続されている。トランジスタ35,36のベース35c,36c間が直接接続されると共に、トランジスタ35のベース35cとコレクタ35aとの間は短絡されている。2つのトランジスタ36,37において、エミッタ36bとエミッタ37bの面積は同一である。
トランジスタ37,38のエミッタ37b,38bは、正電源40と接続されている。トランジスタ37のベース37cとコレクタ37aとの間は短絡されている。負電源39と正電源40との間には、2つのコンデンサ41,42が配置されている。2つのコンデンサ41,42との間には、電流トランス7の2次巻線7dの一端側が接続されている。2つのトランジスタ37,38において、エミッタ37bとエミッタ38bの面積は同一である。
他の構成は実施例1と同一であるため、説明を省略する。
次に、作用を説明する。
コモンモード電流による誘起電圧によって電流トランス7の2次巻線7dに図6の矢印方向へ検出電流が流れるとき、当該検出電流は第1カレントミラー回路33のトランジスタ35側のコレクタ35cに入力し、これによりエミッタ35bの電流が増加する。この参照電流の増加に応じて、トランジスタ36側に複製電流が流れる。この複製電流は、Yコンデンサ8を介して給電ライン5a,5bから供給される。これにより、給電ライン5a,5bからグランド(モータ3の筐体3a)にコモンモード電流を還流させることができる。
コモンモード電流による誘起電圧によって電流トランス7の2次巻線7dに図6の矢印と反対方向へ検出電流が流れるとき、当該検出電流は第2カレントミラー回路34のトランジスタ37側から供給される。これによりトランジスタ38側に複製電流が流れ、Yコンデンサ8を介して給電ライン5a,5bにコモンモード電流を還流させることができる。
実施例3の電流出力手段32では、コモンモード電流がゼロのとき、第1カレントミラー回路33および第2カレントミラー回路34に電流が流れない。つまり、スタンバイ電流をゼロにできるため、一定のスタンバイ電流を流す実施例1,2の電流出力手段と比較して、消費電力を大幅に低減できる。
他の作用効果は実施例1と同一であるため、説明を省略する。
〔他の実施例〕
本発明は上述の実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
例えば、実施例1では、電源と電力変換装置とを結ぶ一対の給電ラインにトランスを配置し、かつ、Yコンデンサを接続した例を示したが、電力変換装置と負荷とを結ぶ一対の給電ラインにトランスを配置し、かつ、Yコンデンサを接続してもよい。
電流出力手段におけるカレントミラー回路は、第2巻線に流れる電流により参照電流を増減させ、当該増減分に応じた複製電流を生成し、中間接地線にコモンモード電流相当の電流を流す構成であればよい。図7は、他の実施例のコモンモードノイズ低減装置の回路図である。図7のコモンモードノイズ低減装置51において、電流出力手段52のカレントミラー回路は、PNP型のトランジスタ53,54と負電源55とを用いている。このため、直流電流負荷56,57は、トランジスタ53,54から負電源55側に向かって供給される。
また、定電流負荷の構成も任意である。図8に定電流負荷である直流電流負荷13の一例を示す。図8において、抵抗60の抵抗値を変えることで、直流電流負荷13,16に流れる電流値を調整できる。
1 電源
2 インバータ(電力変換装置)
3 モータ(負荷)
4 コモンモードノイズ低減装置
5a,6a 給電ライン
7 電流トランス
7a 磁気コア
7b,7c 1次巻線
7d 2次巻線
8 Yコンデンサ
8a,8b コンデンサ素子
8c 中間接地線
21 コモンモードノイズ低減装置
22 電流トランス
23 電流出力手段
C1 電源側浮遊容量

Claims (4)

  1. 負荷と電源との間に配置された電力変換装置のスイッチングに起因するコモンモードノイズを低減するコモンモードノイズ低減装置であって、
    前記負荷と前記電源との間の一対の給電ライン上に1次巻線を配置すると共に2次巻線の始端を接地させ、1次巻線を流れるコモンモード電流に応じた電流を2次巻線に励起させるトランスと、
    前記一対の給電ラインと終端が接地された中間接地線の始端とをそれぞれコンデンサ素子を介してY字型に接続したYコンデンサと、
    前記中間接地線上に配置すると共に前記2次巻線の終端と接続し、2次巻線に誘起された電流に基づいて前記電源側に流れ込むコモンモード電流を打ち消す電流を前記Yコンデンサに流す電流出力手段と、
    を備え
    前記電流出力手段は、前記第2巻線に流れる電流により参照電流を増減させ、当該増減分に応じた複製電流を生成し、前記中間接地線に流すカレントミラー回路を備えることを特徴とするコモンモードノイズ低減装置。
  2. 請求項1に記載のコモンモードノイズ低減装置において、
    前記電流出力手段は、前記Yコンデンサよりも前記トランスに対するインピーダンスが低いことを特徴とするコモンモードノイズ低減装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載のコモンモードノイズ低減装置において、
    前記電流出力手段は、前記2次巻線に電流が誘起されていないとき、前記中間接地線を遮断することを特徴とするコモンモードノイズ低減装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のコモンモードノイズ低減装置において、
    前記トランスの前記1次巻線と前記2次巻線の巻数比を1:nとし、
    前記カレントミラー回路の前記参照電流と前記複製電流の比を1:nとしたことを特徴とするコモンモードノイズ低減装置。
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