JP5455386B2 - スクロール圧縮機 - Google Patents
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Description
すなわち、本発明にかかるスクロール圧縮機は、端板上に立設された渦巻き状ラップを有し、互いに噛合されて圧縮室を形成する一対の固定スクロールおよび旋回スクロールと、該旋回スクロールの自転を阻止する自転阻止機構と、前記旋回スクロールを公転旋回駆動するクランク軸と、該クランク軸と前記旋回スクロールとの間に介在されるスイングリンク式の従動クランク機構とを備えたスクロール圧縮機において、前記従動クランク機構は、前記クランク軸の軸端に設けられたクランクピンに、偏心位置に設けられているクランクピン穴を介して回動可能に嵌合されるドライブブッシュを有し、該ドライブブッシュに前記旋回スクロールが回転自在に嵌合された構成とされ、前記クランクピン穴が前記圧縮室の内圧逆転時のガス荷重方向と反対方向に長くされた長穴とされていることを特徴とする。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について、図1ないし図5を用いて説明する。
スクロール圧縮機1は、その概略外形を構成するハウジング3を有する。このハウジング3は、フロントハウジング5とリアハウジング7とをボルト9により一体的に締め付け固定することによって構成されている。フロントハウジング5およびリアハウジング7には、円周上の複数箇所、例えば4箇所に等間隔で締め付け用のフランジ5A,7Aが一体に形成され、このフランジ5A,7A同士をボルト9で締め付けることによって、フロントハウジング5とリアハウジング7とが一体に結合されている。
ハウジング3内には、スクロール圧縮機構23を構成する一対の固定スクロール25と旋回スクロール27が組み込まれている。固定スクロール25は、端板25Aと該端板25Aから立設された渦巻き状ラップ25Bとから構成され、旋回スクロール27は、端板27Aと該端板27Aから立設された渦巻き状ラップ27Bとから構成されている。
クランク軸11の大径軸部11Bには、クランク軸11の中心Osより所定寸法だけ偏心した位置にクランクピン11Cが一体に設けられている。図2に示されるように、クランクピン11Cに嵌合されるドライブブッシュ19には、ブッシュ中心Obより、Obを原点、Os−ObをX軸としたX−Y座標系において、第4象限方向へ所定寸法だけ偏心した位置にクランクピン穴19Bが設けられ、このクランクピン穴19Bがクランクピン11Cに嵌合されることにより、ドライブブッシュ19がクランクピン11Cの中心Op周りに回動可能(スイング可能)とされている。
また、ドライブブッシュ19と一体をなすバランスウェイト19Aとクランク軸11の大径軸部11Bとの間には、ドライブブッシュ19の回動範囲(スイング範囲)を規制するため、バランスウェイト19A側に規制ピン57が設けられ、大径軸部11B側に規制ピン57が遊嵌される規制穴59が設けられている。なお、この規制ピン57および規制穴59は、クランクピン11Cの中心Opからオフセットされた位置に設けられている。
外部駆動源から図示省略のプーリーおよび電磁クラッチを介して回転駆動力をクランク軸11に伝達し、クランク軸11を回転すると、そのクランクピン11Cに従動クランク機構55を介して旋回半径ρが可変に連結されている旋回スクロール27が、ピンリング式の自転阻止機構33により自転を阻止されながら、固定スクロール25に対して旋回半径ρで公転旋回駆動される。
圧縮作用により旋回スクロール27に対して、その端板27Aの中心に、図5(A)に示されるように、ガス荷重(圧縮反力)Fyがかかるため、旋回スクロール27およびドライブブッシュ19には、クランクピン11C周りのモーメントMが作用する。
しかるに、本実施形態では、クランクピン穴19Bがガス荷重方向と反対方向に長くされた長穴とされているため、圧縮室29内の内圧逆転時に、ドライブブッシュ19は長穴とされているクランクピン穴19Bに沿って動き、渦巻き状ラップ25B,27B同士を接触状態とすることから、ドライブブッシュ19はそれ以上回動不能(スイング不能)の状態となる。
次に、本発明の第2実施形態について、図6を用いて説明する。
本実施形態は、上記した第1実施形態に対して、長穴とされているクランクピン穴19Bの長さを制限している点が異なっている。その他の点については、第1実施形態と同様であるので説明は省略する。
本実施形態において、クランクピン穴19Bは、図6に示されるように、中心間距離が寸法L1だけ離れた長穴とされ、クランクピン11Cとの間に長穴方向に沿う寸法L1の隙間が形成されるように構成されており、この寸法L1が規制ピン57と規制穴59との間形成されている隙間L(図2参照)に対して、L1<Lの関係を満たすように設定されている。例えば、隙間Lが0.8mmとされている場合、寸法L1は0.2〜0.3mm程度とされる。
次に、本発明の第3実施形態について、図7を用いて説明する。
本実施形態は、上記した第1実施形態に対して、ドライブブッシュ19を押圧する弾性体63が介装されている点が異なっている。その他の点については、第1実施形態と同様であるので説明は省略する。
本実施形態では、図7に示されるように、クランクピン11Cの先端にスナップリング等のリング部材61を設け、このリング部材61とクランクピン11Cに嵌合されているドライブブッシュ19の端面との間に、ドライブブッシュ19をクランク軸11の大径軸部11B側の軸端面に対して押圧するOリング等からなる弾性体63を介装した構成とされている。
次に、本発明の第4実施形態について、図8を用いて説明する。
本実施形態は、上記した第1実施形態に対して、ドライブブッシュ19の回動範囲を規制する規制穴59Aの形状が異なっている。その他の点については、第1実施形態と同様であるので説明は省略する。
本実施形態では、ドライブブッシュ19の回動範囲(スイング範囲)を規制するため、クランク軸11の大径軸部11B側に設けられている規制穴59Aを、図8に示されるように、ドライブブッシュ19が長穴とされているクランクピン穴19Bに沿って移動される内圧逆転時のガス荷重方向側において、半径が小さくされた突出部を形成し、規制穴59Aに遊嵌されている規制ピン57との間に形成される隙間Lが狭くなるようにされた変形形状の穴としている。
11 クランク軸
11C クランクピン
19 ドライブブッシュ
19B 長穴とされているクランクピン穴
25 固定スクロール
25A 端板
25B 渦巻き状ラップ
27 旋回スクロール
27A 端板
27B 渦巻き状ラップ
29 圧縮室
33 自転防止機構
55 従動クランク機構
57 規制ピン
59,59A 規制穴
61 リング部材
63 弾性体
L 規制ピンと規制穴との隙間
L1 長穴方向の隙間
Claims (4)
- 端板上に立設された渦巻き状ラップを有し、互いに噛合されて圧縮室を形成する一対の固定スクロールおよび旋回スクロールと、該旋回スクロールの自転を阻止する自転阻止機構と、前記旋回スクロールを公転旋回駆動するクランク軸と、該クランク軸と前記旋回スクロールとの間に介在されるスイングリンク式の従動クランク機構とを備えたスクロール圧縮機において、
前記従動クランク機構は、前記クランク軸の軸端に設けられたクランクピンに、偏心位置に設けられているクランクピン穴を介して回動可能に嵌合されるドライブブッシュを有し、該ドライブブッシュに前記旋回スクロールが回転自在に嵌合された構成とされ、前記クランクピン穴が前記圧縮室の内圧逆転時のガス荷重方向と反対方向に長くされた長穴とされていることを特徴とするスクロール圧縮機。 - 前記長穴とされている前記クランクピン穴と、前記クランクピンとの間に形成される長穴方向の隙間が、ドライブブッシュの回動範囲を規制する規制穴と、該規制穴に遊嵌する規制ピンとの間に形成される隙間よりも小さくされていることを特徴とする請求項1に記載のスクロール圧縮機。
- 前記規制穴は、前記ドライブブッシュが前記長穴とされている前記クランクピン穴に沿って移動される内圧逆転時のガス荷重方向側において、前記規制ピンとの間に形成される前記隙間が狭くなるようにされた変形形状の穴とされていることを特徴とする請求項2に記載のスクロール圧縮機。
- 前記クランクピンの先端にリング部材を設け、該リング部材と前記ドライブブッシュの端面との間に、前記ドライブブッシュを前記クランク軸の軸端面側に押圧する弾性体が介装されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のスクロール圧縮機。
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