JP5455386B2 - スクロール圧縮機 - Google Patents

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Description

本発明は、スイングリンク式の従動クランク機構を備えたスクロール圧縮機に関するものである。
スクロール圧縮機では、固定スクロールおよび旋回スクロールが微小な加工誤差や組み立て誤差を有していても、それに追従して渦巻き状ラップ同士が確実に接触され、圧縮ガス漏れを最少化して圧縮効率を確保できるようにするため、従動クランク機構を採用している。従動クランク機構は、旋回スクロールの旋回半径を可変にし、遠心力やガスの圧縮反力等を利用して旋回スクロールの渦巻き状ラップを固定スクロールの渦巻き状ラップに押し付け、ラップ間をシールするように構成されるものである。
従動クランク機構の一例として、クランク軸のクランクピンに、偏心位置に設けられているクランクピン穴を介してドライブブッシュを回動可能に嵌合し、このドライブブッシュに旋回スクロールが回転自在に嵌合された構成のスイングリンク式の従動クランク機構が知られている。かかるスイングリンク式従動クランク機構では、一般にクランクピンに回動可能に嵌合されているドライブブッシュまたはドライブブッシュに一体に設けられているバランスウェイトとクランク軸側との間の一方に規制ピンを設け、他方に該規制ピンが遊嵌される規制穴を設けることにより、ドライブブッシュの回動範囲(スイング範囲)を規制するようにしている(例えば、特許文献1参照)。
上記スクロール圧縮機においては、例えば、圧縮機の運転停止時、圧縮室内の残留ガスが膨張することにより旋回スクロールが逆方向に旋回し、膨張完了後も回転慣性により逆旋回を続ける。これによって、圧縮室内の圧力が吸入チャンバー側の圧力よりも低くなって圧力関係が逆転し、その結果、スクロールの力学関係が逆転されて旋回スクロールが正方向に旋回されるとともに、歯面荷重(旋回側渦巻き状ラップを固定側渦巻き状ラップに押し付ける荷重)が負となる。この際に、スイングリンク式従動クランク機構は、旋回スクロールの公転旋回半径が小さくなる方向に回動(スイング)するとともに、旋回スクロールに作用している捩りモーメントは逆回りとなる。
このため、従動クランク機構の回動範囲を規制している規制ピンや旋回スクロールの自転を阻止している自転防止機構が、規制穴やリング、溝等に衝突し、衝突音および振動を発生するという問題があった。そこで、規制ピンと規制穴との間に、弾性部材を介在させることによって、衝突時の衝撃を緩和し、衝突音および振動を低減できるようにした技術が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2001−73965号公報 特開2008−208717号公報
しかしながら、特許文献2に示される技術では、新たに追加部品として緩衝部材を設ける必要があるとともに、該緩衝部材の脱落を防止する必要があることから、その構成が複雑化すると同時に、組み立て工数の増加およびコストアップは避けられないという問題があった。また、仮に従動クランク機構の回動範囲を規制する規制ピンと規制穴との間での衝突による音や振動を低減することができたとしても、自転防止機構での衝突音等までは低減することはできなかった。これらの衝突音は、スクロール圧縮機を車両空調装置用の圧縮機として搭載した場合に、圧縮機に動力を伝達するクラッチがオフされる度に発生する可能性があり、乗員にとっては不快な騒音となるおそれがあった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、圧縮機停止時等における圧縮室の内圧逆転により発生する、スイングリンク式従動クランク機構の回動範囲を規制する規制ピンと規制穴間での衝突音や自転防止機構での衝突音を抑制できるスクロール圧縮機を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のスクロール圧縮機は、以下の手段を採用する。
すなわち、本発明にかかるスクロール圧縮機は、端板上に立設された渦巻き状ラップを有し、互いに噛合されて圧縮室を形成する一対の固定スクロールおよび旋回スクロールと、該旋回スクロールの自転を阻止する自転阻止機構と、前記旋回スクロールを公転旋回駆動するクランク軸と、該クランク軸と前記旋回スクロールとの間に介在されるスイングリンク式の従動クランク機構とを備えたスクロール圧縮機において、前記従動クランク機構は、前記クランク軸の軸端に設けられたクランクピンに、偏心位置に設けられているクランクピン穴を介して回動可能に嵌合されるドライブブッシュを有し、該ドライブブッシュに前記旋回スクロールが回転自在に嵌合された構成とされ、前記クランクピン穴が前記圧縮室の内圧逆転時のガス荷重方向と反対方向に長くされた長穴とされていることを特徴とする。
スクロール圧縮機では、停止時に発生する圧縮室の内圧逆転により、スクロールの力学関係が逆転して旋回スクロールが正方向に旋回するとともに、歯面荷重(旋回側渦巻き状ラップを固定側渦巻き状ラップに押し付ける荷重)が負となることがあり、この際、スイングリンク式従動クランク機構は、旋回スクロールの公転旋回半径を小さくする方向に回動(スイング)するとともに、旋回スクロールに作用している捩りモーメントは逆回りとなり、これによって、従動クランク機構の回動範囲を規制している規制ピンや自転防止機構が、規制穴やリング、溝等に衝突し、騒音および振動を発生するという問題があった。しかるに、本発明では、スイングリンク式の従動クランク機構にあって、クランクピンが嵌合されるドライブブッシュの偏心位置に設けられているクランクピン穴が、圧縮室内の内圧逆転時のガス荷重方向と反対方向に長くされた長穴とされているため、上記した圧力関係の逆転時に、ドライブブッシュは長穴とされたクランクピン穴に沿って動き、渦巻き状ラップ同士を接触状態とすることから、ドライブブッシュはそれ以上回動不能(スイング不能)となり、従動クランク機構としての機能を満たすことが困難となる。従って、上記した圧縮室の内圧逆転時に、従動クランク機構が旋回スクロールの公転旋回半径を小さくする方向にスイング動作されることがなく、それに起因して発生する規制ピンや自転防止機構の衝突による騒音、振動を防止することができる。
さらに、本発明のスクロール圧縮機は、上記のスクロール圧縮機において、前記長穴とされている前記クランクピン穴と、前記クランクピンとの間に形成される長穴方向の隙間が、ドライブブッシュの回動範囲を規制する規制穴と、該規制穴に遊嵌する規制ピンとの間に形成される隙間よりも小さくされていることを特徴とする。
本発明によれば、長穴とされているクランクピン穴と、クランクピンとの間に形成される長穴方向の隙間が、ドライブブッシュの回動範囲を規制する規制穴と、該規制穴に遊嵌する規制ピンとの間に形成される隙間よりも小さくされているため、ドライブブッシュの長穴に沿う移動が、その回動範囲を規制する規制ピンおよび規制穴によって制約されることがなく、また、ドライブブッシュの長穴に沿う移動によって規制ピンと規制穴とが干渉することもない。従って、クランクピン穴を長穴としても、従動クランク機構の機能およびその回動範囲を規制する機能が損なわれることはなく、それぞれを正常に機能させることができる。
さらに、本発明のスクロール圧縮機は、上記のスクロール圧縮機において、前記規制穴は、前記ドライブブッシュが前記長穴とされている前記クランクピン穴に沿って移動される内圧逆転時のガス荷重方向側において、前記規制ピンとの間に形成される前記隙間が狭くなるようにされた変形形状の穴とされていることを特徴とする。
本発明によれば、規制穴が、ドライブブッシュが長穴とされているクランクピン穴に沿って移動される内圧逆転時のガス荷重方向側において、規制ピンとの間に形成される隙間が狭くなるようにされた変形形状の穴とされているため、従動クランク機構が上記した圧縮室の内圧逆転時に、仮に旋回スクロールの公転旋回半径を小さくする方向にスイング動作されたとしても、隙間が小さくされている分だけスイング動作時に規制ピンが規制穴に衝突した際の速度を小さくすることができ、その衝突音、振動を低く抑えることが可能となる。
さらに、本発明のスクロール圧縮機は、上述のいずれかのスクロール圧縮機において、前記クランクピンの先端にリング部材を設け、該リング部材と前記ドライブブッシュの端面との間に、前記ドライブブッシュを前記クランク軸の軸端面に押圧する弾性体が介装されていることを特徴とする。
本発明によれば、クランクピンの先端にリング部材を設け、該リング部材とドライブブッシュの端面との間に、ドライブブッシュをクランク軸の軸端面に押圧する弾性体が介装されているため、弾性体の押圧力によってドライブブッシュの端面をクランク軸の軸端面に押し付けることができる。従って、クランクピン穴が長孔とされたことに起因するドライブブッシュのクランクピンに対するガタ付きを抑制することができる。
本発明によると、圧縮室の内圧逆転時、ドライブブッシュは長穴とされたクランクピン穴に沿って動き、渦巻き状ラップ同士を接触状態とすることから、ドライブブッシュはそれ以上回動不能(スイング不能)となり、従動クランク機構としての機能を満たすことが困難となるため、圧縮機停止時に発生する圧縮室の内圧逆転時に、従動クランク機構が旋回スクロールの公転旋回半径を小さくする方向に回動動作されることがなく、それに起因して発生する規制ピンや自転防止機構の衝突による騒音、振動を防止することができる。
本発明の第1実施形態に係るスクロール圧縮機の縦断面図である。 図1に示すスクロール圧縮機の従動クランク機構をクランク軸側から見た正面図である。 図2に示す従動クランク機構を構成するドライブブッシュの正面図である。 図2に示す従動クランク機構を構成するクランク軸の正面図である。 図2に示す従動クランク機構の圧縮動作時の状態(A)および内圧逆転時の状態(B)をクランク軸側から見た模式図である。 本発明の第2実施形態に係る従動クランク機構を構成するドライブブッシュの正面図である。 本発明の第3実施形態に係る従動クランク機構の側面図である。 本発明の第4実施形態に係る従動クランク機構を構成するクランク軸のクランクピン側端面図である。
以下に、本発明にかかる実施形態について、図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について、図1ないし図5を用いて説明する。
スクロール圧縮機1は、その概略外形を構成するハウジング3を有する。このハウジング3は、フロントハウジング5とリアハウジング7とをボルト9により一体的に締め付け固定することによって構成されている。フロントハウジング5およびリアハウジング7には、円周上の複数箇所、例えば4箇所に等間隔で締め付け用のフランジ5A,7Aが一体に形成され、このフランジ5A,7A同士をボルト9で締め付けることによって、フロントハウジング5とリアハウジング7とが一体に結合されている。
フロントハウジング5の内部には、クランク軸(駆動軸)11がメイン軸受13およびサブ軸受15を介して軸線L回りに回転自在に支持されている。クランク軸11の一端側(図1において左側)は小径軸部11Aとされ、この小径軸部11Aはフロントハウジング5を貫通して図1の左側に突出されている。小径軸部11Aの突出部には、公知の如く動力を受ける図示省略の電磁クラッチ、プーリー等が設けられ、エンジン等の駆動源からVベルト等を介して動力が伝達されるようになっている。メイン軸受13とサブ軸受15との間には、メカニカルシール(リップシール)17が設置されており、ハウジング3内と大気との間を気密にシールしている。
クランク軸11の他端側(図1において右側)には、大径軸部11Bが設けられ、この大径軸部11Bには、クランク軸11の軸線Lより所定寸法だけ偏心した状態でクランクピン11Cが一体に設けられている。クランク軸11は、上記の大径軸部11Bと小径軸部11Aがメイン軸受13と軸受15で支持されることにより、フロントハウジング5に回転自在に支持されている。クランクピン11Cには、ドライブブッシュ19およびドライブ軸受21を介して後述する旋回スクロール27が連結され、クランク軸11が回転されることによって、旋回スクロール27が旋回駆動されるようになっている。
ドライブブッシュ19には、旋回スクロール27が旋回駆動されることにより発生するアンバランス荷重を除去するためのバランスウェイト19Aが一体に形成され、旋回スクロール27の旋回駆動と共に旋回されるようになっている。
ハウジング3内には、スクロール圧縮機構23を構成する一対の固定スクロール25と旋回スクロール27が組み込まれている。固定スクロール25は、端板25Aと該端板25Aから立設された渦巻き状ラップ25Bとから構成され、旋回スクロール27は、端板27Aと該端板27Aから立設された渦巻き状ラップ27Bとから構成されている。
本実施形態の固定スクロール25および旋回スクロール27は、それぞれ渦巻き状ラップ25B,27Bの先端面とボトム面の渦巻き方向に沿う所定位置に、それぞれ段部を備えている。この段部を境に、ラップ先端面においては、軸線L方向に外周側の先端面が高く、内周側の先端面が低くされている。また、ボトム面においては、軸線L方向に外周側のボトム面が低く、内周側のボトム面が高くされている。これによって、渦巻き状ラップ25B,27Bは、その外周側におけるラップ高さが内周側のラップ高さよりも高くされている。
固定スクロール25と旋回スクロール27とは、その中心を旋回半径分だけ離すとともに、渦巻き状ラップ25B,27Bの位相を180度ずらして噛合され、該渦巻き状ラップ25B,27Bの先端面とボトム面との間に常温で僅かなラップ高さ方向の隙間(数十〜数百ミクロン)を有するように組み付けられている。これによって、図1に示されるように、両スクロール25,27間には、端板25A,27Aと渦巻き状ラップ25B,27Bとにより限界される一対の圧縮室29がスクロール中心に対して対称に形成されるとともに、旋回スクロール27が固定スクロール25の周りをスムーズに旋回できるように構成されている。
圧縮室29は、軸線L方向高さが渦巻き状ラップ25B,27Bの外周側において内周側の高さよりも高くされることによって、渦巻き状ラップ25B,27Bの周方向およびラップ高さ方向にガスを圧縮できる三次元圧縮が可能なスクロール圧縮機構23を構成している。固定スクロール25および旋回スクロール27の渦巻き状ラップ25B,27Bの先端面には、相手方スクロールのボトム面との間に形成されるチップシール面をシールするためのチップシール51,52,53,54が、先端面に設けられた溝に嵌合されて設けられている。
固定スクロール25は、リアハウジング7の内面にボルト31を介して固定設置されている。また、旋回スクロール27は、端板27Aの背面に設けられているボス部27Cに対して、上述のとおり、クランク軸11の一端側に設けられているクランクピン11Cがドライブブッシュ19およびドライブ軸受21を介して連結され、旋回駆動されるように構成されている。更に、旋回スクロール27は、フロントハウジング5に形成されているスラスト受け面5Bに端板27Aの背面が支持され、このスラスト受け面5Bと端板27Aの背面との間に設けられるピンリング式の自転阻止機構33によって、自転が阻止されながら固定スクロール25に対して公転旋回駆動されるように構成されている。
ピンリング式の自転阻止機構33は、旋回スクロール27の端板27Aに設けられたリング穴に組み込まれている自転防止リング33Aの内周面に、フロントハウジング5に設けられたピン穴に組み込まれている自転防止ピン33Bを摺動自在に嵌合することによって構成されている。
固定スクロール25の端板25A中央部には、圧縮された冷媒ガスを吐出する吐出ポート25Kが開口され、この吐出ポート25Kには、端板25Aにリテーナ35を介して取り付けられる吐出リード弁37が設けられている。また、固定スクロール25の端板25A背面には、リアハウジング7の内面に密接されるようOリング等のシール材39が介装され、リアハウジング7との間にハウジング3の内部空間から区画された吐出チャンバー41を形成している。これによって、吐出チャンバー41を除くハウジング3の内部空間が、吸入チャンバー43として機能するように構成されている。
吸入チャンバー43には、フロントハウジング5に設けられている吸入口45を介して冷凍サイクルから戻ってくる冷媒ガスが吸入され、この吸入チャンバー43を経て圧縮室29に冷媒ガスが吸い込まれるようになっている。フロントハウジング5とリアハウジング7との間の接合面には、Oリング等のシール材47が介装され、ハウジング3内に形成される吸入チャンバー43を大気に対して気密にシールしている。
また、上記スクロール圧縮機1では、クランク軸11と旋回スクロール27のボス部27Cに嵌合されたドライブブッシュ19との間に、スイングリンク式の従動クランク機構55が組み込まれている。この従動クランク機構55の構成を以下に説明する。
クランク軸11の大径軸部11Bには、クランク軸11の中心Osより所定寸法だけ偏心した位置にクランクピン11Cが一体に設けられている。図2に示されるように、クランクピン11Cに嵌合されるドライブブッシュ19には、ブッシュ中心Obより、Obを原点、Os−ObをX軸としたX−Y座標系において、第4象限方向へ所定寸法だけ偏心した位置にクランクピン穴19Bが設けられ、このクランクピン穴19Bがクランクピン11Cに嵌合されることにより、ドライブブッシュ19がクランクピン11Cの中心Op周りに回動可能(スイング可能)とされている。
一方、ドライブブッシュ19には、ブッシュ中心Obに旋回スクロール27の端板27A中心が一致するように旋回スクロール27がドライブ軸受21を介して回転自在に嵌合され、このブッシュ中心Obとクランク軸11の中心Osとの距離が旋回スクロール27の旋回半径ρ(図5(A)参照)となるように構成されている。この構成によって、ドライブブッシュ19がクランクピン11Cの中心Op周りに回動(スイング)すると、ブッシュ中心Obとクランク軸中心Os間の距離が変化するため、旋回スクロール27の旋回半径ρが可変されることになる。
つまり、クランク軸11のN方向(図5(A)参照)への回転によりクランクピン11Cも同方向に回転し、クランクピン11Cに嵌合されているドライブブッシュ19がクランク軸11の中心Os周りに旋回される。このドライブブッシュ19の中心Ob、即ち旋回スクロール27の端板27A中心の旋回軌跡Sが破線で示されている。旋回スクロール27の端板27A中心には、圧縮時、ガス荷重(圧縮反力)Fyが作用するので、旋回スクロール27は、ガス荷重Fyによってクランクピン11Cの中心Op周りに矢印M方向のモーメントを受け、同方向にスイングされる。このため、旋回スクロール27の旋回半径ρが可変されることになる。
この従動クランク機構55により、旋回スクロール27の渦巻き状ラップ27Bが固定スクロール25の渦巻き状ラップ27Bにガス荷重(圧縮反力)で押し付けられ、渦巻き状ラップ25B,27B間がシールされることになる。
また、ドライブブッシュ19と一体をなすバランスウェイト19Aとクランク軸11の大径軸部11Bとの間には、ドライブブッシュ19の回動範囲(スイング範囲)を規制するため、バランスウェイト19A側に規制ピン57が設けられ、大径軸部11B側に規制ピン57が遊嵌される規制穴59が設けられている。なお、この規制ピン57および規制穴59は、クランクピン11Cの中心Opからオフセットされた位置に設けられている。
さらに、本実施形態では、ドライブブッシュ19に設けられているクランクピン穴19Bが、図5に示されるように、圧縮室の内圧逆転時のガス荷重方向と反対方向に長くされた長穴とされている。このため、ドライブブッシュ19は、クランクピン穴19Bに嵌合されているクランクピン11Cに対して、長穴とされたクランクピン穴19Bの長穴方向に沿って移動可能とされている。なお、図5には、クランクピン穴19Bを構成する長穴が誇張された状態で示されている。
以上に説明の構成により、本実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
外部駆動源から図示省略のプーリーおよび電磁クラッチを介して回転駆動力をクランク軸11に伝達し、クランク軸11を回転すると、そのクランクピン11Cに従動クランク機構55を介して旋回半径ρが可変に連結されている旋回スクロール27が、ピンリング式の自転阻止機構33により自転を阻止されながら、固定スクロール25に対して旋回半径ρで公転旋回駆動される。
つまり、ピンリング式の自転阻止機構33を構成している自転防止リング33Aおよび自転防止ピン33Bは、円周上の4箇所に設けられている自転防止リング33Aおよび自転防止ピン33Bが担う90deg毎の自転阻止区間において、自転防止ピン33Bが自転防止リング33Aの内周面に順次接触されることにより、旋回スクロール27の自転モーメントを支持する。これによって、旋回スクロール27の自転が阻止され、旋回スクロール27は固定スクロール25の周りに公転旋回駆動されることになる。
この旋回スクロール27の公転旋回駆動によって、半径方向最外方に形成される圧縮室29内に、吸入チャンバー43内の冷媒ガスが吸い込まれる。圧縮室29は、所定の旋回角位置で吸入締め切りされた後、その容積が周方向およびラップ高さ方向に減少されながら中心側へと移動される。この間に冷媒ガスは圧縮され、当該圧縮室29が吐出ポート25Kに連通する位置に達すると、吐出リード弁37が開かれる。この結果、圧縮された高温高圧のガスは吐出チャンバー41内に吐き出され、吐出チャンバー41を経て圧縮機1の外部へと送出される。
この圧縮動作の間、従動クランク機構55は、以下の通り作用する。
圧縮作用により旋回スクロール27に対して、その端板27Aの中心に、図5(A)に示されるように、ガス荷重(圧縮反力)Fyがかかるため、旋回スクロール27およびドライブブッシュ19には、クランクピン11C周りのモーメントMが作用する。
これによって、ドライブブッシュ19がクランクピン11C周りに回動(スイング)され、旋回スクロール27の旋回半径(クランク軸11の中心Osと旋回スクロール27の端板中心/ドライブブッシュ19の中心Obとの間の距離)ρが可変される。その結果、旋回スクロール27の渦巻き状ラップ27Bが固定スクロール25の渦巻き状ラップ27Bにガス荷重(圧縮反力)によって押し付けられ、渦巻き状ラップ25B,27B間がシールされるため、ガス漏れが低減されて圧縮効率が向上される。
一方、電磁クラッチがオフされ、スクロール圧縮機1が停止された時、圧縮室29内に残留している圧縮ガスが膨張される。これによって、旋回スクロール27が逆方向に旋回され、膨張完了後も回転慣性により逆旋回を続ける。その結果、図5(B)に示されるように、圧縮室29内の圧力が吸入チャンバー43側の圧力よりも低圧となって圧力関係が逆転され、スクロールの力学関係が逆転し、旋回スクロール27は正方向に旋回する。
この際、図5(B)に示されるように、従動クランク機構55に対しては、旋回スクロール27の公転旋回半径ρを小さくする方向のモーメントM1が作用するとともに、旋回スクロール27に対しては、逆回りの捩りモーメント(左捩りモーメント)が作用する。
しかるに、本実施形態では、クランクピン穴19Bがガス荷重方向と反対方向に長くされた長穴とされているため、圧縮室29内の内圧逆転時に、ドライブブッシュ19は長穴とされているクランクピン穴19Bに沿って動き、渦巻き状ラップ25B,27B同士を接触状態とすることから、ドライブブッシュ19はそれ以上回動不能(スイング不能)の状態となる。
このため、従動クランク機構55は、その機能を満たすことが困難となり、これによって、従動クランク機構55が圧縮室29内の内圧逆転時に、旋回スクロール27の公転旋回半径ρを小さくする方向にスイング動作されることがなく、それに起因して発生する規制ピン57と規制穴59の衝突による衝突音、振動を防止することができる。また、ピンリング式自転防止機構33の自転防止リング33Aと自転防止ピン33Bとの間の左捩り方向の隙間を小さくして衝突速度を小さくできることから、その衝突音をも抑制することができる。
また、従動クランク機構55のスイング範囲を規制する規制ピン57の回りに、衝突時の衝突を緩和して騒音、振動を低減するための緩衝部材を追加設置する必要がなく、従動クランク機構55の構成の複雑化やそれに伴う組み立て工数の増加、コストアップ等を抑えることができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について、図6を用いて説明する。
本実施形態は、上記した第1実施形態に対して、長穴とされているクランクピン穴19Bの長さを制限している点が異なっている。その他の点については、第1実施形態と同様であるので説明は省略する。
本実施形態において、クランクピン穴19Bは、図6に示されるように、中心間距離が寸法L1だけ離れた長穴とされ、クランクピン11Cとの間に長穴方向に沿う寸法L1の隙間が形成されるように構成されており、この寸法L1が規制ピン57と規制穴59との間形成されている隙間L(図2参照)に対して、L1<Lの関係を満たすように設定されている。例えば、隙間Lが0.8mmとされている場合、寸法L1は0.2〜0.3mm程度とされる。
上記のように、長穴とされているクランクピン穴19Bと、クランクピン11Cとの間に形成される長穴方向の隙間寸法L1が、ドライブブッシュ19の回動範囲を規制する規制ピン57と規制穴59との間に形成されている隙間Lよりも小さく、L1<Lを満たすように構成されているため、ドライブブッシュ19の長穴に沿う移動が、その回動範囲を規制する規制ピン57および規制穴59によって制約されることがなく、また、ドライブブッシュ19の長穴に沿う移動によって規制ピン57と規制穴59とが互いに干渉することもない。従って、クランクピン穴19Bを長穴としても、従動クランク機構55の機能およびその回動範囲を規制する機能が損なわれることはなく、それぞれを正常に機能させることができる。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態について、図7を用いて説明する。
本実施形態は、上記した第1実施形態に対して、ドライブブッシュ19を押圧する弾性体63が介装されている点が異なっている。その他の点については、第1実施形態と同様であるので説明は省略する。
本実施形態では、図7に示されるように、クランクピン11Cの先端にスナップリング等のリング部材61を設け、このリング部材61とクランクピン11Cに嵌合されているドライブブッシュ19の端面との間に、ドライブブッシュ19をクランク軸11の大径軸部11B側の軸端面に対して押圧するOリング等からなる弾性体63を介装した構成とされている。
上記のように、クランクピン11Cの先端にリング部材61を設け、このリング部材61とドライブブッシュ19の端面との間に、ドライブブッシュ19をクランク軸11の軸端面に対して押圧する弾性体63を介装した構成とすることにより、弾性体63の押圧力によってドライブブッシュ19の端面をクランク軸11の軸端面に対して押し付けることができる。従って、クランクピン穴19Bを上記の如く長孔としても、ドライブブッシュ19が長穴とされたクランクピン穴19Bを介してクランクピン11Cに対し、ガタ付きを生じるのを抑制することができる。
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態について、図8を用いて説明する。
本実施形態は、上記した第1実施形態に対して、ドライブブッシュ19の回動範囲を規制する規制穴59Aの形状が異なっている。その他の点については、第1実施形態と同様であるので説明は省略する。
本実施形態では、ドライブブッシュ19の回動範囲(スイング範囲)を規制するため、クランク軸11の大径軸部11B側に設けられている規制穴59Aを、図8に示されるように、ドライブブッシュ19が長穴とされているクランクピン穴19Bに沿って移動される内圧逆転時のガス荷重方向側において、半径が小さくされた突出部を形成し、規制穴59Aに遊嵌されている規制ピン57との間に形成される隙間Lが狭くなるようにされた変形形状の穴としている。
上記のように、規制穴59Aを、ドライブブッシュ19が長穴とされているクランクピン穴19Bに沿って移動される側において、規制ピン57との間に形成される隙間Lが狭くなるようにされた変形形状の穴とすることにより、従動クランク機構55が上記した圧縮室29内の内圧逆転時に、仮に旋回スクロール27の公転旋回半径ρを小さくする方向にスイング動作されたとしても、隙間Lが小さくされている分だけスイング動作時に規制ピン57が規制穴59に衝突した際の速度を小さくすることができる。このため、規制ピン57が規制穴59Aに衝突したとしても、その衝突音、振動を低く抑えることが可能となる。
なお、本発明は、上記実施形態にかかる発明に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、適宜変形が可能である。例えば、上記実施形態では、開放型スクロール圧縮機1を例に説明したが、モータを内蔵している密閉型スクロール圧縮機等にも適用できることはもちろんである。また、固定スクロール25および旋回スクロール27について、渦巻き方向に段部を有するスクロール圧縮機を例に説明したが、このような段部を有しない一般的なスクロール圧縮機に適用してもよいことは云うまでもない。
また、ピンリング式の自転防止機構33は、自転防止リング65をフロントハウジング5側に設け、自転防止ピン63を旋回スクロール27側に設けてもよく、更に、自転防止機構33は、固定スクロール25と旋回スクロール27との間に設けてもよい。また、自転防止機構33は、ピンリング式に限らず、他のオルダムリング式、ボールカップリング式等の自転防止機構としてもよいことはもちろんである。
1 スクロール圧縮機
11 クランク軸
11C クランクピン
19 ドライブブッシュ
19B 長穴とされているクランクピン穴
25 固定スクロール
25A 端板
25B 渦巻き状ラップ
27 旋回スクロール
27A 端板
27B 渦巻き状ラップ
29 圧縮室
33 自転防止機構
55 従動クランク機構
57 規制ピン
59,59A 規制穴
61 リング部材
63 弾性体
L 規制ピンと規制穴との隙間
L1 長穴方向の隙間

Claims (4)

  1. 端板上に立設された渦巻き状ラップを有し、互いに噛合されて圧縮室を形成する一対の固定スクロールおよび旋回スクロールと、該旋回スクロールの自転を阻止する自転阻止機構と、前記旋回スクロールを公転旋回駆動するクランク軸と、該クランク軸と前記旋回スクロールとの間に介在されるスイングリンク式の従動クランク機構とを備えたスクロール圧縮機において、
    前記従動クランク機構は、前記クランク軸の軸端に設けられたクランクピンに、偏心位置に設けられているクランクピン穴を介して回動可能に嵌合されるドライブブッシュを有し、該ドライブブッシュに前記旋回スクロールが回転自在に嵌合された構成とされ、前記クランクピン穴が前記圧縮室の内圧逆転時のガス荷重方向と反対方向に長くされた長穴とされていることを特徴とするスクロール圧縮機。
  2. 前記長穴とされている前記クランクピン穴と、前記クランクピンとの間に形成される長穴方向の隙間が、ドライブブッシュの回動範囲を規制する規制穴と、該規制穴に遊嵌する規制ピンとの間に形成される隙間よりも小さくされていることを特徴とする請求項1に記載のスクロール圧縮機。
  3. 前記規制穴は、前記ドライブブッシュが前記長穴とされている前記クランクピン穴に沿って移動される内圧逆転時のガス荷重方向側において、前記規制ピンとの間に形成される前記隙間が狭くなるようにされた変形形状の穴とされていることを特徴とする請求項2に記載のスクロール圧縮機。
  4. 前記クランクピンの先端にリング部材を設け、該リング部材と前記ドライブブッシュの端面との間に、前記ドライブブッシュを前記クランク軸の軸端面側に押圧する弾性体が介装されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のスクロール圧縮機。
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