JP5453649B2 - 電動式マスカラアプリケータ - Google Patents

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Description

本発明は、まつげにマスカラ剤を塗布するための電動式マスカラアプリケータに関するものである。
従来、このような分野の技術として特開2005−95531号公報がある。この公報に記載された電動マスカラにおいては、モータと、減速機構としての多段遊星歯車との協働によりブラシが回転する。このような電動マスカラは、ブラシ及びブラシシャフトをキャップから抜差しすることにより、キャップ内に充填されているマスカラ剤をブラシに付着させ、ブラシシャフトを回転させながら、まつげにマスカラ剤を塗布させることができる。
特開2005−95531号公報
しかしながら、従来の電動マスカラでは、モータ及び減速機構が、筐体内に収容されてはいるが、ブラシシャフトを伝って流れるマスカラ剤が、仕切壁部とブラシシャフトとの間の空隙から機構部の中に侵入して、モータ及び減速機構に付着し易い。マスカラ剤は、通常、水性エマルション、揮発性油脂等の揮発性物質であり、機構部内にマスカラ剤が侵入すると、時間の経過とともにマスカラ剤が固化して、モータや減速機構を動かなくしてしまう虞があった。
本発明は、モータが収容された機構収容領域内へのマスカラ剤の流入を防止するようにした電動式マスカラアプリケータを提供することを目的とする。
本発明は、先端にブラシが設けられたブラシシャフトがモータによって動作する電動式マスカラアプリケータにおいて、
モータが収容されると共に、ブラシを包囲するキャップが嵌め込まれる開口部を有する筐体と、
筐体に形成されて、モータが収容される機構収容領域と開口部に連通する開放領域とを仕切ると共に、ブラシシャフトが貫通する仕切壁部と、
ブラシシャフトに設けられて、キャップのブラシ挿入口内に挿入される筒状部と、
筒状部の外周面からブラシシャフトの軸線に対して略直角に突出するリング状のフランジ部と、を有することを特徴とする。
この電動式マスカラアプリケータにおいて、フランジ部は、ブラシシャフトを伝って流れ落ちるマスカラ剤の障害物として機能するので、マスカラ剤を機構収容領域内に流入させ難くする。そして、電動式マスカラアプリケータにキャップを嵌めたとき、ブラシシャフトに設けられた筒状部は、キャップのブラシ挿入口内に挿入されるので、キャップ内のマスカラ剤がブラシ挿入口から流出し難くなる。しかも、筒状部の採用は、ブラシ挿入口を大きくすることができ、これによって、ブラシを痛めることなく、キャップからブラシをスムーズに出し入れすることができる。
また、仕切壁部には、筐体の開口部に向けて突出して、ブラシシャフトを包囲する筒状のシャフト支持部が設けられ、筒状部の内周面には、シャフト支持部が差し込まれる拡径部が形成されていると好適である。
このシャフト支持部は、長いブラシシャフトの基端側の折れや曲がりを防止して、ブラシシャフトの回転を安定させることができる。このようなシャフト支持部の先端は、筒状部内に入り込むようになっているので、フランジ部によって流動を阻止できなかったマスカラ剤が、シャフト支持部の先端に達するまでの通路を、細く長くすることができる。その結果、フランジ部の採用と相俟って、マスカラ剤がシャフト支持部の先端に達し難くなり、シャフト支持部とブラシシャフトとの隙間を伝って、マスカラ剤が機構収容領域内に流入するような事態を無くすことができる。
また、フランジ部には、キャップのブラシ挿入口側の端面が当接するリング状のパッキンが固定され、パッキンは、筐体に非接触であると好適である。
このような構成を採用すると、フランジ部をパッキンの固定部として有効利用することができ、パッキンを備えることで、ブラシ挿入口からマスカラ剤を流出させ難くできる。また、パッキンが筐体に当接していると、ブラシシャフトと一緒に回転や移動するパッキンが摩擦力に抗して回転や移動することになるので、モータのパワーが必要になり、モータを小型化できずに電池も大型化して、電動マスカラの小型化(スリム化)を図り難い。そこで、本発明は、パッキンを筐体に対して非接触状態にしている。
本発明によれば、モータが収容された機構収容領域内へのマスカラ剤の流入を防止することができる。
本発明に係る電動式マスカラアプリケータの一実施形態を示す断面図である。 電動マスカラのキャップを外した状態を示す断面図である。 図1の要部拡大断面図である。
以下、図面を参照しつつ本発明に係る電動式マスカラアプリケータの好適な実施形態について詳細に説明する。
図1〜図3に示すように、電動マスカラ1は、まつげを濃くし、まつげをカールするように持ち上げる、或いは、まつげを長く見せる目的で、まつげにマスカラ剤を塗布するための化粧用品であって、マスカラ剤が充填されたキャップ2と、先端にブラシ3が設けられたブラシシャフト4がモータ7によって回転する電動式マスカラアプリケータ5Aとからなる。
電動式マスカラアプリケータ5Aは、キャップ2に充填されたマスカラ剤をまつげに塗布するためのブラシ3と、ブラシ3が先端に設けられたブラシシャフト4と、モータ7及び減速部8を収容するための筐体5と、モータ7を駆動させるためのボタン電池6とを備えている。
なお、以下の説明において、ブラシ3側を「上」と表現し、筐体5の底側を「下」として表現する。
筐体5の底部には、電力を供給するボタン電池6が収容され、ボタン電池6の上方には、直径に対して軸方向の長さが短い偏平型すなわちコイン型のモータ7が収容される。このモータ7は、モータケース内のロータ7bに固定された偏心錘7cを備え、回転力及び振動力を発生させることができる。偏平なモータを採用することで、電動マスカラ1の全長を短くできる。
更に、筐体5の内部において、モータ7の上方には、モータ7の出力軸7aに連結される減速部8が配置されている。減速部8の上端から突出する出力軸8aは、ブラシシャフト4の下端に連結されている。減速部8は、多段遊星歯車であり、小型でありながら大きな減速比を有し、電動マスカラ1の小型化に寄与している。ブラシシャフト4の基端は、筐体5内に設けられた軸受9によって回転自在に支持されている。
キャップ2には、ブラシ挿入口2cを有する雄ねじ部2aが設けられ、この雄ねじ部2aは、キャップ本体部2bに対して縮径されている。電動マスカラ1を使用していないとき、このキャップ2は、筐体5の開口部5a側に設けられた雌ねじ部5bに螺着されて、ブラシ3及びブラシシャフト4を保護している。キャップ本体部2b内には、揮発性のマスカラ剤が充填されており、キャップ2のブラシ挿入口2cからブラシ3及びブラシシャフト4を抜き差しすることで、ブラシ3にマスカラ剤を付着させることができる。この時、マスカラ剤はブラシ3のみならずブラシシャフト4にも付着する。
電動マスカラ1の利用者がスイッチ15を押すと、ボタン電池6からモータ7に電力が供給され、モータ7から振動力及び回転力が発生する。モータ7によって発生させられた振動は、ブラシシャフト4を介してブラシ3に伝えられる。ブラシ3を振動させることにより、まつげの絡まりをほぐしながら、マスカラ剤がダマやムラになるのを防ぐことができる。
また、モータ7によって発生させられた回転は、減速部8によって所定の速度まで減速させられ、ブラシシャフト4を介してブラシ3に伝えられる。ブラシ3を回転させることにより、マスカラ剤をしっかりと分散させ、ダマを作らず長くてボリュームのあるまつげに仕上げることができ、ビューラーやカーラーを使わずとも、まつげをカールするように容易に持ち上げることができ、まつげの見栄えを良くすることができる。
筐体5の内部には、モータ7や減速部8が収容される機構収容領域Aと、キャップ2の雄ねじ部2aが挿入される開放領域Bと、を仕切るための中蓋12が固定されている。この中蓋12の上端部には仕切壁部10が形成され、仕切壁部10の中央には、ブラシシャフト4が貫通する貫通孔10aが設けられている。
この中蓋12内には軸受9が固定され、この軸受9によって、ブラシシャフト4の基端が回動自在に支持され、ブラシシャフト4のスムーズな回転を可能にしている。そして、この中蓋12には、スイッチ15が固定され、スイッチ15は、カバー15aで覆われている。
仕切壁部10には、筐体5の開口部5aに向けて突出する筒状のシャフト支持部13が形成され、このシャフト支持部13は、ブラシシャフト4を包囲すると共に、ブラシシャフト4に沿って延在している。このシャフト支持部13は、長いブラシシャフト4の基端側の折れや曲がりを防止して、ブラシシャフト4の回転を安定させることができる。
さらに、ブラシシャフト4には、開放領域B内において筒状部11が固定されている。この筒状部11の基部11aは、内周面側が接着剤によりブラシシャフト4に固定されると共に、キャップ2のブラシ挿入口2c内に挿入される。筒状部11の下端には、ブラシシャフト4の軸線Lに対して外周面から略直角に突出するリング状のフランジ部11bが設けられている。そして、このフランジ部11bは、仕切壁部10及びキャップ2のブラシ挿入口2cの端面2aAに対して平行に延在している。
この電動マスカラ1において、フランジ部11bは、ブラシシャフト4を伝って流れ落ちるマスカラ剤の障害物として機能するので、マスカラ剤を機構収容領域A内に流入させ難くする。そして、電動式マスカラアプリケータ5Aにキャップ2を螺着させたとき、ブラシシャフト4に固定された筒状部11は、キャップ2のブラシ挿入口2c内に挿入されるので、キャップ2内のマスカラ剤がブラシ挿入口2cから流出し難くなる。しかも、筒状部11の採用は、ブラシ挿入口2cを大きくすることができ、これによって、ブラシ3を痛めることなく、キャップ2からブラシ3をスムーズに出し入れすることができる。
更に、筒状部11の内周面の下端側には、シャフト支持部13が差し込まれる拡径部11cが形成されている。このシャフト支持部13の先端13aは、筒状部11内に入り込むようになっているので、フランジ部11bによって流動を阻止できなかったマスカラ剤が、シャフト支持部13の先端13aに達するまでの通路を、細く長くすることができる。その結果、フランジ部11bの採用と相俟って、マスカラ剤がシャフト支持部13の先端13aに達し難くなり、シャフト支持部13とブラシシャフト4との隙間を伝って、マスカラ剤が機構収容領域A内に流入するような事態を無くすことができる。
更に、フランジ部11bには、キャップ2のブラシ挿入口2c側の端面2aAが当接するリング状のパッキン14が固定され、パッキン14は、筐体5に非接触である。このような構成を採用すると、フランジ部11bをパッキン14の固定部として有効利用することができ、パッキン14を備えることで、ブラシ挿入口2cからマスカラ剤を流出させ難くできる。また、パッキン14が筐体5に当接していると、ブラシシャフト4と一緒に回転するパッキン14が摩擦力に抗して回転することになるので、モータ7のパワーが必要になり、モータ7を小型化できずに電池も大型化して、電動マスカラ1の小型化(スリム化)を図り難い。このような理由により、パッキン14を筐体5に非接触状態にしている。
キャップ2が筐体5に螺着されると、キャップ2の端面2aAがパッキン14を僅かに押し潰す。これにより、キャップ2の端面2aAは、パッキン14に対して隙間なく当接され、キャップ2からマスカラ剤が流出することを防ぐと共に、キャップ2内に充填されたマスカラ剤が揮発することを防ぐことができる。
また、パッキン14の周縁が筐体5の内壁面に接近しているので、マスカラ剤の多くは、パッキン14の周縁と筐体5の内壁面との間に留まることになり、利用者は、開口部5aから綿棒等を差し込んで、留まったマスカラ剤を容易に除去することができる。
尚、ブラシシャフト4が回転動作する電動式マスカラアプリケータ5Aについて説明したが、本発明は、電動式マスカラアプリケータの筐体とブラシシャフトとが相対的に移動する電動マスカラに対して特に有効であって、例えば、筐体に対してブラシシャフトがその軸線方向に往復動作する電動式マスカラアプリケータに適用することもできる。
1…電動マスカラ、2…キャップ、2c…ブラシ挿入口、3…ブラシ、4…ブラシシャフト、5…筐体、5A…電動式マスカラアプリケータ、5a…開口部、7…モータ、10…仕切壁部、11…筒状部、11b…フランジ部、11c…拡径部、13…シャフト支持部、14…パッキン、A…機構収容領域、B…開放領域、L…軸線。

Claims (3)

  1. 先端にブラシが設けられたブラシシャフトがモータによって動作する電動式マスカラアプリケータにおいて、
    前記モータが収容されると共に、前記ブラシを包囲するキャップが嵌め込まれる開口部を有する筐体と、
    前記筐体に形成されて、前記モータが収容される機構収容領域と前記開口部に連通する開放領域とを仕切ると共に、前記ブラシシャフトが貫通する仕切壁部と、
    前記ブラシシャフトに設けられて、前記キャップのブラシ挿入口内に挿入される筒状部と、
    前記筒状部の外周面から前記ブラシシャフトの軸線に対して略直角に突出するリング状のフランジ部と、を有することを特徴とする電動式マスカラアプリケータ。
  2. 前記仕切壁部には、前記筐体の前記開口部に向けて突出して、前記ブラシシャフトを包囲する筒状のシャフト支持部が設けられ、前記筒状部の内周面には、前記シャフト支持部が差し込まれる拡径部が形成されていることを特徴とする請求項1記載の電動式マスカラアプリケータ。
  3. 前記フランジ部には、前記キャップの前記ブラシ挿入口側の端面が当接するリング状のパッキンが固定され、前記パッキンは、前記筐体に非接触であることを特徴とする請求項1又は2記載の電動式マスカラアプリケータ。
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