以下、この発明の実施形態1を図面に基づいて説明する。
図1、2、3において、11は観賞魚、甲殻類等の飼育を行う水槽であり、この水槽11の内部には所定量の水Wが貯留されている。12は載置台であり、この載置台12上には前記水槽11が載置されている。13は前記載置台12の底壁に支持された濾過ユニットであり、この濾過ユニット13には上下方向に延びる吸込みパイプ14の一端(下端)が連結され、この吸込みパイプ14は載置台12の上壁および水槽11の底壁を貫通して水槽11内まで延びている。そして、この吸込みパイプ14の他端(上端)には水槽11の水W内において開口している取水口15が取り付けられている。
前記濾過ユニット13にはウールマット、ロックマット等からなる濾過材18が内蔵され、この濾過材18は水槽11から濾過ユニット13内に吸い込まれた水Wから塵埃、汚れ等を除去することで水Wを濾過する。また、前記濾過ユニット13内には濾過材18によって濾過された後の水Wを濾過ユニット13に接続された連結パイプ19に吐出供給するポンプ20が内蔵されている。
23は前記濾過ユニット13より一側において載置台12の底壁に支持された水槽用外付け温度制御装置であり、この温度制御装置23はケース22の一部を構成するケース本体25を有し、このケース本体25の内部には水Wが流れる通路24の一部を構成する収納室25aが形成されている。このケース本体25は両端が閉止された略円筒状を呈するとともに、載置台12上で転動しないよう外周に複数の脚26が設けられている。27は前記ケース本体25の周壁に取り付けられた半径方向に延びる水平な流入パイプであり、この流入パイプ27の基端(半径方向内端)はケース本体25の他側壁に形成され前記収納室25aに連通した連通路28に接続されている。
また、前記流入パイプ27には前記連結パイプ19が連結されており、この結果、前記流入パイプ27の先端が通路24に連通したケース22の流入口30となる。そして、水槽11の水Wは濾過ユニット13内を通過した後、流入口30から収納室25a(通路24)内に供給されると、該水Wは収納室25a(通路24)内を他側から一側に向かって流れることができる。31は中空の排出パイプであり、この排出パイプ31は軸方向に延びる水平な水平部31aと、該水平部31aの他端から上方に向かって延びる堰としての垂直部31bとから構成され、前記水平部31aはケース本体25の一側壁にその一端部が一側に向かって突出した状態で固定されている。前述したケース本体25、流入、排出パイプ27、31は全体として前記ケース22を構成し、また、前記収納室25a、流入、排出パイプ27、31の中空孔および連通路28は全体として、水Wが流れる前記通路24を構成する。この結果、前記排出パイプ31(水平部31a)の一端が通路24に連通したケース22の排出口32となる。
35は略L字形をした環流パイプであり、この環流パイプ35の水平部35aの他端はケース本体25から一側に突出した水平部31aの一端部に接続され、一方、該環流パイプ35の垂直部35bは載置台12の上壁および水槽11の底壁を貫通して水槽11内まで延びている。この結果、通路24内を通過した水Wは排出口32から環流パイプ35に排出され、その後、環流パイプ35を通じて水槽11内に戻される。このようなことから水槽11の水Wは吸込みパイプ14、濾過ユニット13、連結パイプ19、温度制御装置23の通路24および環流パイプ35を次々と通過して循環することができる。
38は基端部(他端部)がケース本体25の他側壁に支持された複数、ここでは3個の加熱体としてのヒーターであり、これらのヒーター38は収納室25a(通路24)内において一側に向かって軸方向に延びている。ここで、各ヒーター38は、通常、通電により発熱する鉄クロム線等の電熱線と、該電熱線を密閉収納するセラミック管と、該セラミック管内に充填された絶縁砂とから構成されている。
39はプラグであり、このプラグ39には一対の電源コード40の一端が接続され、これら電源コード40の他端には前記3個のヒーター38a、38b、38cが並列で接続されている。このように3個のヒーター38は通路24内に設置されているが、これらヒーター38に通電されると、該ヒーター38の電熱線が発熱して通路24を流れる水Wを加熱する。
43はヒーター38より流入口30側(上流側)の通路24、ここでは連通路28に露出するよう、ケース本体25の他側壁に設置された、例えばサーミスタ等の第1温度センサであり、この第1温度センサ43は設置位置における水Wの温度、即ち、ヒーター38により加熱される前の通路24(連通路28内)における水Wの温度を検出し、その検出結果をIC、CPU等からなる第1コントローラ44および後述の第2コントローラ50に出力する。
ここで、前記第1コントローラ44は、第1温度センサ43により検出された水Wの温度が設定温度より低い場合には、電源コード40の途中に介装されたサイリスタ、トライアック等からなる通電制御体45に通電信号を出力してヒーター38に対し通電し、一方、水Wの温度が設定温度以上の場合には、通電制御体45に遮断信号を出力してヒーター38に対する通電を遮断する。
このように通路24内には水槽11から流入口30を通じて水Wが供給される一方、ヒーター38により温度がコントロールされた通路24内の水Wが排出口32から水槽11に戻されることで、該水槽11内の水Wの温度が設定温度付近に制御される。これにより、観賞魚等の飼育に適した環境が提供される。
このとき、前記第1温度センサ43により検出される水Wの温度は吸込みパイプ14、濾過ユニット13、連結パイプ19を通過した後の水Wの温度であるため、水槽11内の水Wの温度より若干低下しているが、第1コントローラ44においてこのような温度低下分を補正している。前述した第1コントローラ44、通電制御体45は全体として、前記第1温度センサ43によって検出された水温に基づいてヒーター38の発熱を制御(ヒーター38が発熱するか否かを制御)する第1制御部46を構成する。
49a、49b、49cは3本に分岐した電源コード40にそれぞれ介装されたリレーであり、これらのリレー49a、49b、49cは第2コントローラ50の制御によりオン・オフされ、対応するヒーター38a、38b、38cに対し通電あるいは通電遮断を行う。51は例えばサーミスタ等からなる第2温度センサであり、この第2温度センサ51はケース本体25の一側壁より他側に位置する排出パイプ31の水平部31aに設置されており、この結果、該第2温度センサ51はヒーター38より排出口32側(下流側)の通路24に配置されていることになる。そして、この第2温度センサ51は設置位置における水Wの温度、即ち、ヒーター38により加熱された後の通路24(排出パイプ31内)における水Wの温度を検出し、その検出結果を前記第2コントローラ50に出力する。
ここで、ヒーター38の発熱により通路24を流れる水Wが加熱されている状態において、濾過材18の詰まり、ポンプ20の不調、吸込みパイプ14、連結パイプ19の外れ、詰まり、環流パイプ35の詰まり等により前記通路24を流れる水Wの流量がポンプ20による定格流量より減少すると、加熱後の水Wの温度が異常上昇して他の機器の故障を招くおそれが生じるが、この実施形態においては、前記第1温度センサ43により検出された水Wの水温と第2温度センサ51により検出された水Wの水温とを第2コントローラ50により比較するとともに、前記水温差が所定値以上となったときには、水槽11内の水Wの水温が設定温度未満まで低下していても、第2コントローラ50によりいずれかのリレー49をオフとすることで、対応するヒーター38への通電を遮断し、ヒーター38全体での発熱量(消費電力)を低下させるようにしている。
前述したリレー49、第2コントローラ50は全体として、ヒーター38により通路24を流れる水が加熱されている状態において、第1温度センサ43により検出された水温と第2温度センサ51により検出された水温とを比較してその差が所定値以上となったとき、ヒーター38の発熱量を低下させる第2制御部54を構成する。これにより、通路24を流れる水Wの温度の異常上昇が容易に抑制され、他の機器の故障や空焚きを容易に抑制することができる。
また、前述のようにヒーター38の前後での水温差が所定値以上となったとき、直ちにヒーター38全体への通電を停止して発熱を停止させることも考えられるが、このようにすると、水槽11の水Wの温度が早期に低下して飼育環境が急速に悪化する。しかしながら、この実施形態では、前述のようにヒーター38の発熱量を低下させることで対処しているため、水Wに対してある程度の加熱は継続して行われ、水槽11に良好な飼育環境を残すことができる。
そして、通路24における水Wの流量がさらに減少すると、第1、第2温度センサ43、51による検出水温差が増大するが、このときには該水温差の増大に追従して第2コントローラ50によりリレー49を次々とオフに切換えてヒーター38に対する通電を1個ずつ減少、即ち通電されているヒーター38の個数を徐々に減少させ、ヒーター38全体の発熱量を第2制御部54によって徐々に低下させることが好ましい。その理由は、前述のように第1、第2温度センサ43、51による検出水温差の増大に追従してヒーター38の発熱量を徐々に低下させるようにすれば、流量減少が進んだ場合においてもヒーター38により問題が生じない程度に水を加熱することで、水槽11内の水Wの急激な温度低下を抑制することができるからである。
また、前記排出パイプ31の垂直部(堰)31bの上端全域は全てのヒーター38の上端より上方に位置しており、この結果、前記垂直部31bの上端から排出パイプ31内に流入する水Wの水面は垂直部31bの上端より常に上方に位置することになる。この実施形態では、通常、通路24の全空間は水Wで満たされており、空気は存在していない。これにより、通路24内における水Wの流れが停止したときでも、ヒーター38全体を常時水中に没入させておくことができ、これにより、空炊きを確実に回避することができる。
56は電源コード40の途中に介装されたバイメタル等からなるサーマルプロテクタであり、このサーマルプロテクタ56はヒーター38の長手方向中央部を囲む位置のケース本体25に設けられている。そして、このサーマルプロテクタ56は、該サーマルプロテクタ56自身の温度が、流量の異常減少、流れの停止、気泡の混入、水蒸気の発生等により、例えば70度Cを超えると、作動して、ヒーター38に対する通電を遮断し、水温の異常上昇に対し二重の安全を図っている。
次に、前記実施形態1の作用について説明する。
前述のような外付け温度制御装置23を用いて水槽11の水Wの温度を設定温度付近に制御する場合には、第1温度センサ43により通路24を流れる水Wの温度を検出するが、この検出した温度が設定温度(補正済み)より低い場合には、第1コントローラ44から通電制御体45に通電信号を出力してヒーター38に通電し、該ヒーター38を発熱させる。この結果、水槽11の水Wが加熱されて温度が上昇するが、該水Wの温度が設定温度以上まで上昇すると、第1コントローラ44は通電制御体45に遮断信号を出力してヒーター38に対する通電を遮断する。このようにして通常時には水槽11内の水Wの温度は設定温度付近に制御される。
ここで、前述した水槽11内の水Wの温度は、通常±1度Cの範囲内で制御されているが、水槽11に貯留されている水Wの量に対しヒーター38の発熱量が大き過ぎたり、あるいは、外気温が急激に大幅下降した場合には、前記±1度Cの温度範囲を超えて水Wの温度が変化することがある。このような場合には、第2コントローラ50を手動で作動させて、いずれかのリレー49をオフに切換え、発熱するヒーター38の個数を減少させたり、または、オフであったリレー49をオンに切換えて発熱可能なヒーター38の個数を増加させ、これにより、水Wが前記温度範囲に収まるようにする。
例えば、水槽11の清掃終了後、温度の低い水槽11内の水Wを設定温度まで加熱する間は、ヒーター38全体の発熱量が大きな値である方がよい(ヒーター38a、38b、38c全てを発熱させる方がよい)が、その後、設定温度付近で制御する場合には、前述の発熱量では大き過ぎて水Wの温度が前記温度範囲を超えてしまうことがある。このような場合には前述のようにいずれかのヒーター38、例えばヒーター38cを回路から切り離して、2個のヒーター38a、38bで水Wを加熱すれば、オーバーシュートを効果的に抑制することができる。
次に、濾過材18の詰まり、ポンプ20の不調等により通路24を流れる水Wの流量が減少し、第1、第2温度センサ43、51により検出された水温差が所定値以上となると、第2コントローラ50がいずれかのリレー49をオフに切換えていずれかのヒーター38を回路から切り離し、これにより、ヒーター38全体の発熱量(消費電力)を低下させ、通路24を流れる水Wの温度の異常上昇を抑制して、他の機器の故障や空焚きを抑制するようにしている。
次に、濾過材18の目詰まり等がさらに悪化して通路24における水Wの流量が減少し、第1、第2温度センサ43、51による検出水温差が増大すると、これに追従して第2コントローラ50が通電可能なヒーター38の個数を徐々に減少させ、これにより、ヒーター38全体の発熱量を徐々に低下させる。そして、前記検出温度差が設定値を超えると、全てのリレー49をオフに切換えて全てのヒーター38に対する通電を遮断し、これにより、ヒーター38における発熱を停止させる。
図4、5は、この発明の実施形態2を示す図である。この実施形態においては、水槽11の上面に濾過装置 110を設置しているが、この濾過装置 110内に外付け温度制御装置 111を内蔵させている。ここで、前記濾過装置 110は開閉可能な蓋 113が設けられたボックス状のハウジング 114を有する。前記ハウジング 114の一側部には上下方向に延び両側端および下端がハウジング 114に固定された縦仕切り壁 115が、また、他側部には前記縦仕切り壁 115より高さが高く上下方向に延びるとともに、両側端および下端がハウジング 114に固定された縦仕切り壁 116が設けられ、この結果、これら縦仕切り壁 115、 116間のハウジング 114内には空間 117が画成される。
119は両側端および他端がハウジング 114および縦仕切り壁 116にそれぞれ固定されたほぼ水平な横仕切り壁であり、この横仕切り壁 119により前記空間 117は該横仕切り壁 119より上側の濾過室 120と、下側の通路 121とに区画される。また、この横仕切り壁 119の一端と縦仕切り壁 115との間には通路 121に連通する所定幅の流入口 122が形成されている。前記濾過室 120内には上下に重ね合わされた2層の濾過材 123が収納され、上側の濾過材 123aは、例えば目の細かいウールマットからなり、下側の濾過材 123bは、例えば目の粗いロックマットから構成されている。
前記濾過材 123の直上で濾過室 120内には水平な分配樋 126が設置され、この分配樋 126の底壁には貫通した多数の分配孔 127が形成されている。この結果、前記分配樋 126に水Wが供給されると、該水Wは分配孔 127を通じて濾過材 123の全域にほぼ均一に分配供給される。このようにして濾過材 123に水Wが供給されると、該水Wは濾過材 123a、 123bにより塵埃、汚れ等が除去されて濾過され、その後、流入口 122を通じて通路 121の一端に流入する。
130は前記縦仕切り壁 115より一側のハウジング 114に取り付けられたポンプであり、 132は水槽11の水W内において開口している取水口 131を下端に有し、上端が分配樋 126の一端部直上で開口している揚水パイプ 132である。そして、前記ポンプ 130が作動すると、揚水パイプ 132を通じて水槽11内の水Wが吸い込まれ、分配樋 126に連続的に供給される。
133はハウジング 114の底壁に固定された上下方向に延びる環流パイプであり、この環流パイプ 133の上端は前記通路 121の他端に連通し、その下端は水槽11内の水Wの水面より下方で開口している。この結果、前記通路 121内の水Wは、前記ハウジング 114と環流パイプ 133との接続部に形成され通路 121に連通する排出口 134から環流パイプ 133を通じて水槽11内に戻される。前述したハウジング 114の底壁、縦仕切り壁 115、 116、横仕切り壁 119は全体として、内部に水Wが流れる通路 121が形成されるとともに、該通路 121に連通する流入口 122および排出口 134が形成されたケース 135を構成する。
そして、前記ポンプ 130が作動すると、水槽11の水Wは取水口 131から吸い込まれた後、濾過材 123を通過することで、塵埃、汚れ等が除去されて濾過され、次に、濾過された水Wは流入口 122を通じて通路 121内に流入した後、該通路 121内を排出口 134に向かって一側から他側に流れ、その後、排出口 134から環流パイプ 133に排出されて水槽11内に戻され、循環する。ここで、前記濾過装置 110は、水槽内でその背面側に設置してもよく、あるいは、水槽の底壁と砂との間に設置してもよい。
また、前述の実施形態においては、濾過材 123としてウールマット、ロックマットからなるウエットタイプ濾過材を用いるようにしたが、この発明においては、活性炭、珊瑚等の他のウエットタイプ濾過材を用いてもよく、また、ドライボール等のドライタイプ濾過材を用いるようにしてもよい。また、前述の実施形態においては、水槽11内の水Wを水槽11の上方に設置されたポンプ 130により吸い上げて濾過室 120、通路 121に供給するようにしたが、この発明においては、揚水パイプの下端部に水中ポンプを設置し、該ポンプの作動により水槽内の水Wを吸い込んで濾過室、通路に供給するようにしてもよい。
137はケース 135(ハウジング 114)の底壁に固定された堰としての取付けブロックであり、この取付けブロック 137の一側面には前記ヒーター38と同様の構成をした、少なくとも1個、ここでは2個の加熱体としてのヒーター 138の基端部(他端部)が支持されている。 139はプラグであり、このプラグ 139には一対の電源コード 140の一端が接続され、これら電源コード 140の他端には前記2個のヒーター 138が並列で接続されている。
このように前記ヒーター 138は通路 121内に設置されているが、これらヒーター 138に通電されると、該ヒーター 138の電熱線が発熱して通路 121を流れる水Wを加熱し、結果として、水槽11内の水Wを加熱する。 141はリレーであり、このリレー 141は、後述する第2制御部 153の制御によりオン、オフすることで、一方のヒーター 138aに対し通電あるいは通電遮断を行うことができる。
143はヒーター 138より流入口 122(上流側)側の通路 121に露出するようケース 135の底壁に設置された第1温度センサであり、この第1温度センサ 143は設置位置における通路 121の水Wの温度、即ち、ヒーター 138により加熱される前の水Wの温度を検出し、その検出結果をIC、CPU等のコントローラ 144に出力する。このとき、該コントローラ 144は電源コード 140の途中に介装された通電制御体 145に信号を出力してヒーター 138を前記第1コントローラ44と同様にコントロールする。
前述したコントローラ 144、通電制御体 145は全体として、第1温度センサ 143によって検出された水温に基づいてヒーター 138に対する通電を制御する第1制御部 146を構成し、この第1制御部 146はハウジング 114の他側壁と縦仕切り壁 116との間のハウジング 114内に設置された制御部 147に内蔵されている。 152はヒーター 138より排出口 134側(下流側)の通路 121に露出するよう設置された第2温度センサであり、この第2温度センサ 152は前記取付けブロック 137の上端部に取り付けられている。そして、この第2温度センサ 152は設置位置における通路 121の水Wの水温、ここではヒーター 138により加熱された後の水Wの水温を検出し、前記コントローラ 144に検出結果を出力する。
このように第2温度センサ 152から検出結果(水温)がコントローラ 144に出力されると、該コントローラ 144は第1温度センサ 143からの検出結果(水温)と比較するとともに、その比較結果に基づいて通電制御体 145を制御し、ヒーター 138の発熱量を制御する。前述したコントローラ 144、通電制御体 145は全体として、第2温度センサ 152からの検出結果に基づいてヒーター 138の発熱量を変化(低下)させる第2制御部 153を構成するが、この実施形態では、第2制御部 153と前記第1制御部 146とを共用している。
ここで、濾過材 123の詰まり等により通路 121を流れる水Wの流量が減少し、第1、第2温度センサ 143、 152によって検出された水Wの水温差が所定値以上となると、コントローラ 144は通電制御体 145を制御し、これにより、電源コード 140を流れる交流電気の1波長中での通電時間を短縮させ、ヒーター 138全体の発熱量(消費電力)を低下させる。これにより、通路 121を流れる水Wの温度の異常上昇が容易に抑制され、他の機器の故障や空焚きを容易に抑制することができる。なお、前記水温差が所定値以上となったとき、コントローラ 144によりリレー 141をオフに切換えてヒーター 138aに対する通電を遮断することで、ヒーター 138全体の発熱量を低下させることもできる。
そして、前記通路 121における水Wの流量が徐々に減少し、第1、第2温度センサ 143、 152による検出水温差が所定値より徐々に増大すると、前述と同様の理由により、電源コード 140を流れる交流電気の1波長中での通電時間を徐々に追従減少させ、これにより、ヒーター 138の発熱量を徐々に低下させることが好ましい。このとき、前記流量の減少量(%)を発熱量の低下量(%)で除した値が0.85〜1.15の範囲内とすれば、通路 121における水Wの温度上昇を制限しながら、水槽11における水Wの温度低下を効果的に抑制することができるので、好ましい。
また、前記第1、第2温度センサ 143、 152による検出水温差が設定値以上となったときには、1波長中での通電時間を零と、即ち、ヒーター 138に対する通電を遮断し、これにより、ヒーター 138における発熱を停止させることが好ましい。また、この実施形態においては、ヒーター 138より排出口 134側の通路 121に設けられた取付けブロック(堰) 137の上端全域を、全てのヒーター 138の上端より上方に位置させたので、前記取付けブロック 137より上方の通路 121を通過する水Wの水面は前記ヒーター 138より常に上方に位置することになり、これにより、通路 121内における水Wの流れが停止したときでも、ヒーター 138全体を常時水中に没入させておくことができる。
154は電源コード 140の途中に介装されたサーマルプロテクタであり、このサーマルプロテクタ 154はヒーター 138の長手方向中央部を囲む位置のケース 135に設けられている。そして、このサーマルプロテクタ 154は、自身の温度が、例えば70度Cを超えると、作動して、ヒーター 138に対する通電を遮断し、水温の異常上昇に対し二重の安全を図っている。
次に、前記実施形態2の作用について説明する。
この実施形態の外付け温度制御装置 111を用いて水槽11の水Wを設定温度に制御する場合には、前記実施形態1と同様に行う。ここで、前述した水槽11内の水Wの温度が±1度Cの温度範囲を超えて変化することがあるが、このような場合には、第2制御部 153によりリレー 141を切換えてヒーター 138aを回路から切り離したり、復帰させたり、あるいは、第2制御部 153により交流電気の1波長中での通電時間を増減し、これにより、水Wが前記温度範囲に収まるようにするとよい。
次に、例えば、濾過材 123が若干目詰まりすると、通路 121を流れる水Wの流量が若干減少するが、ヒーター 138の発熱量に変化はないので、ヒーター 138により水Wは定格流量時より若干高温に加熱される。この結果、ヒーター 138から環流パイプ 133の下端開口までの間における水Wの温度が若干高温となり、これにより、ヒーター 138の位置から環流パイプ 133の下端開口まで流れる間に水Wから放出される熱量が、場合により多くなることがある。
このような場合には、通路 121を通じて水槽11に流れ込む水Wによって水槽11の水Wに供給される単位時間当たりの熱量が低下し、水槽11内の水Wの温度が低下するため、第2制御部 153により交流電気の1波長中での通電時間を増加し、これにより、ヒーター 138からの発熱量を若干増大させることで、対処するようにしてもよい。
また、通路 121を流れる水Wの流量が低下して、第1、第2温度センサ 143、 152による検出水温差が所定値以上となると、第2制御部 153により交流電気の1波長中での通電時間を減少し、これにより、ヒーター 138全体の発熱量(消費電力)を低下させる。さらに、通路 121における流量がさらに減少して、第1、第2温度センサ 143、 152による検出水温差が設定値以上となると、1波長中での通電時間を零と、即ち、ヒーター 138に対する通電を遮断し、これにより、ヒーター 138における発熱を停止させる。
図6は、この発明の実施形態3を示す図である。この実施形態においては、第2制御部 155を前記第1制御部 146と別個に設けるとともに、該第2制御部 155を、電源コード 140の途中に介装された負荷時タップ切換器付き変圧器 156と、第1、第2温度センサ 143、 152からの検出水温を比較して、これらの水温差を求めるともに、該水温差に基づいて図示していないリレー等を制御することで前記変圧器 156におけるタップ 157を切換えるIC、CPU等からなるコントローラ 158とから構成している。
そして、この実施形態では、前記コントローラ 158により変圧器 156に設置されたタップ 157が切換えられると、ヒーター 138を流れる電圧が変化し、これにより、ヒーター 138の消費電力が変化して該ヒーター 138全体における発熱量が変化する。また、この実施形態のように第2制御部 155を第1制御部 146と別個に設けた場合には、第1制御部 146を構成するコントローラ 144はコンパレータを含む制御回路から構成してもよい。なお、他の構成、作用は前記実施形態2と同様である。
図7は、この発明の実施形態4を示す図である。この実施形態においては、載置台12の底壁に水槽用外付け温度制御装置 161を支持させている。ここで、前記温度制御装置 161は内部に収納室 162が形成されたケース本体 163を有し、このケース本体 163はプラスチック等の絶縁材料から構成され、有底円筒状を呈している。また、このケース本体 163の上端には蓋 165が着脱可能に取り付けられ、この結果、前記ケース本体 163の上端開口は前記蓋 165により閉止されている。前記収納室 162には複数種類、ここでは4種類の濾過材 164が収納され、これらの濾過材 164は下側から上側に向かって順次配置された例えば、セラミック製リング状濾過材、粗目のフィルターパッド、バクテリアを用いた生物濾過材、活性炭等を用いた吸着濾過材から構成されている。
167は前記ケース本体 163の内周面に接触した状態でケース本体 163内に挿入された上下方向に延びる流入パイプであり、この流入パイプ 167の上端部は蓋 165から上方に突出し、一方、その下端はケース本体 163の底壁上面より若干上方に位置している。そして、この流入パイプ 167の上端には前記実施形態1と同様の吸込みパイプ14の一端が連結されている。なお、この実施形態においては、前記吸込みパイプ14の途中に、水槽11の水Wを吸い込んで流入パイプ 167、収納室 162に吐出供給するポンプ 168が介装されている。この結果、前記流入パイプ 167の上端開口が前記収納室 162を含む通路 169の流入口 170となる。
そして、水槽11の水Wは流入パイプ 167を通過した後、収納室 162内に供給されると、該水Wは収納室 162(通路 169)に収納された濾過材 164内を下方から上方に向かって流過し、該濾過材 164により濾過される。 173は前記蓋 165に固定された上下方向に延びる排出パイプであり、この排出パイプ 173の下端は蓋 165を貫通して収納室 162に連通している。前述したケース本体 163、蓋 165、流入パイプ 167、排出パイプ 173は全体としてケース 174を構成し、また、前記収納室 162、流入、排出パイプ 167、 173の中空孔は全体として、水Wが流れる前記通路 169を構成する。
この結果、排出パイプ 173の上端開口が通路 169の排出口 175となる。また、前記排出パイプ 173の上端には実施形態1と同様の環流パイプ35が連結されており、これにより、通路 169内を通過した水Wは排出口 175から環流パイプ35に排出され、その後、環流パイプ35を通じて水槽11内に戻される。このようなことから水槽11の水Wは吸込みパイプ14、通路 169および環流パイプ35を次々と通過して循環することができる。
178は前記通路 169(ケース 174)内に設置された板状の加熱体としての加熱プレートであり、この加熱プレート 178は、ステンレススチール等の金属(導電性材料)からなり、前記通路 169の底部、ここでは底面(ケース本体 163の底壁)との間にスペーサを介装し、間に間隙を形成した状態で水平に配置され、加熱プレート 178の発熱によりケース本体 163の底壁が溶融するのを防止している。また、前記加熱プレート 178と前記濾過材 164との間には、水Wの流れや温度分布等を安定させるため、若干の隙間が設けられている。 179は載置台12の底壁上に設置された支持台であり、この支持台 179上には前記ケース 174が載置されている。前記支持台 179内には電磁誘導コイル 180が内蔵されており、この結果、前記電磁誘導コイル 180はケース 174から分離されるとともに、加熱プレート 178の直下に配置されることになる。
そして、この電磁誘導コイル 180に高周波電流が供給されると、該電磁誘導コイル 180が作る交流磁界により加熱プレート 178に渦電流が流れてジュール熱が発生し、該加熱プレート 178が電磁誘導により発熱する。このとき、前記加熱プレート 178は通路 169を通過する水Wを加熱する。 181は加熱プレート 178より流入口 170側(上流側)の通路 169、ここでは流入パイプ 167の中空孔に露出するよう該流入パイプ 167に設置された、例えばサーミスタ等の第1温度センサであり、この第1温度センサ 181は設置位置における通路 169の水Wの温度、即ち、加熱プレート 178により加熱される前の通路 169における水Wの温度を検出し、その検出結果をIC、CPU等からなるコントローラ 182に出力する。
ここで、前記コントローラ 182は、第1温度センサ 181により検出された水Wの温度が設定温度より低い場合には、前記電磁誘導コイル 180に高周波電流を供給し、一方、水Wの温度が設定温度以上の場合には、電磁誘導コイル 180に対する高周波電流の供給を停止する。この結果、水槽11内の水Wの温度が設定温度付近に制御される。 185は例えばサーミスタ等からなる第2温度センサであり、この第2温度センサ 185は加熱プレート 178より排出口 175側(下流側)の通路 169、ここでは排出パイプ 173の中空孔に露出するよう該排出パイプ 173に設置されている。
そして、この第2温度センサ 185は設置位置における通路 169の水Wの温度、即ち、加熱プレート 178により加熱された後の通路 169における水Wの温度を検出し、その検出結果を前記コントローラ 182に出力する。このとき、コントローラ 182は前記第1温度センサ 181により検出された水Wの水温と第2温度センサ 185により検出された水Wの水温とを比較するとともに、前記水温差が所定値以上となったとき、前記電磁誘導コイル 180に供給される電力値を低下させ、加熱プレート 178の発熱量を低下させる。このように、この実施形態では1台のコントローラ 182がこの発明における第1、第2制御部に相当し、これら第1、第2制御部は共用となっている。なお、前述の水温差に基づく加熱プレート 178の発熱量の制御は前記実施形態1と同様であるため、詳細説明は省略する。
なお、この発明においては、4個以上のヒーターを設けるとともに、コントローラからの信号によりリレーを切換えることで通電されるヒーターの個数を変化させ、これにより、ヒーター全体の発熱量を制御するようにしてもよい。また、この発明においては、インバータを用いてヒーターを流れる電圧を制御し、これにより、ヒーターの発熱量を制御するようにしてもよい。さらに、この発明においては、ヒーターとして面状発熱体を用いてもよい。