JPH0724046Y2 - 網 籠 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、小鳥やリス、二十日鼠
などの小動物の飼育に用いられる網籠の改良技術に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】従来の網籠は一般に、例えば平面視で矩
形状のものを例にとってみると、図５に示すように、出
入口開閉用の扉２１を備えた周辺網部分２２を四つに折
り畳み可能に構成（あるいは左右に二つ割り二つ割りに
して、それぞれを折り畳み可能に構成）して、この周辺
網部分２２の上部開口の一側縁部に、天井網部分２３を
それに連設させたヒンジ２４を介して連結すると共に、
この天井網部分２３の遊端側を、周辺網部分２２に連設
させた係止部材２５によって係止させて、下部側を開放
させた状態の箱状の網籠本体２６を構成する一方、引出
し２７を備えた受け箱２８の立ち上がり板部２９に係止
孔３０を形成し、かつ、前記周辺網部分２２の一部に折
り曲げ形成した係止部３１を撓ませつつ当該係止部３１
を前記受け箱２８の係止孔に係入させて、必要に応じて
受け箱２８の取り外しと網籠本体２６の折り畳みを可能
にする構成としている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】しかし、周辺網部分２
２の一側縁部に対する天井網部分２３の枢着構造や、当
該周辺網部分２２の上下に対する天井網部分２３の遊端
側や受け箱２８の係止連結などの構造が特殊であって、
コスト的に高くつく上に、網籠本体２６から受け箱２８
を取り外すには、網籠本体２６を上方に持ち上げた状態
で複数個ある係止部３１を順次手指で押し付けて、当該
係止部３１を係止孔３０から順次離脱させることを繰り
返し行わねばならず、かつ、せっかく離脱させた係止部
３１が再び係止孔３０に係入してしまうことも多々あっ
て、受け箱２８の取り外しに手間と時間がかゝるもので
あった。

【０００４】また、最終的に網籠本体２６が受け箱２８
から外れた際にショックを伴い勝ちで、飼育している小
動物を驚かせたり、あるいは、網籠本体２６に備え付け
の餌箱や水入れ容器の餌や水を零したりし易く、かつ、
網籠本体２６は下部側を開放させているので、網籠本体
２６の取り外しを慎重に行わないことには小動物を逃が
してしまう懸念があった。

【０００５】更に、小動物を世話する上で、受け箱２８
の引出し２７に敷いた新聞紙などのシートを頻繁に交換
して餌の食べ滓や糞などを常に処理し、網籠内を常に清
潔にすることは必要欠かざることであるが、この引出し
２７を抜き出すに際して、その引出し２７の出入口にシ
ートが引っ掛かり易く、かつ、食べ滓などが受け箱２８
内に零れ落ちた場合の処理も困難である上に、小動物を
逃がさないように出入口を塞ぐ手間も要したのである。

【０００６】本考案は、かゝる実情に鑑みて成されたも
のであって、これまでとは全く違った形態に網籠を構成
して、上記の不都合を一切伴わせないようにすること目
的としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するに
至った本考案による網籠は、出入口開閉用の扉を備えた
周辺部の網部分と、上枠を介して前記周辺網部分の上部
開口縁部に連結される天井網部分と、下枠を介して前記
周辺網部分の下部開口縁部に連結される底網部分と、こ
れら上下の枠を介して三者で構成される網籠本体を乗載
する受け座とから成り、かつ、前記周辺網部分を少なく
とも左右に二つ割りに構成する一方、前記上下の枠を互
いに同一形状と成して、この上下の枠のそれぞれに、分
割網部分の上下の縁部を枠内方から係止させる第１係止
片と、天井網部分および底網部分の縁部を水平方向にス
ライド自在に係止させる第２係止片とを設けたことを特
徴としている。

【０００８】

【作用】上記の特徴構成によれば、少なくとも二つ割り
にした分割網部分の上下の縁部を上下の枠の第１係止片
に係止させ、かつ、この上下の枠の第２係止片に天井網
部分と底網部分をスライド係止させることによって、閉
空間と化した網籠本体が構成される。そして、この網籠
本体を単に受け座に乗載させることによって網籠が得ら
れるのである。

【０００９】

【実施例】以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明
する。図１，２は本考案の一実施例にかゝる網籠を示
す。この網籠は、出入口開閉用の網扉１を備えた平面視
で六角形を呈する周辺部の網部分２と、この周辺網部分
２の上部開口縁部に上枠３を介して連結される天井網部
分４と、下枠５を介して周辺網部分２の下部開口縁部に
連結される底網部分６と、これら上下の枠３，５を介し
て三者２，４，６で構成される網籠本体７を乗載する受
け座８とから成る。

【００１０】前記周辺網部分２は、それぞれ三面の周辺
網部分を有せしめる状態で左右に二つに分割されてお
り、かつ、この分割網部分２ａと天井網部分４および底
網部分６のそれぞれは、周囲に補強線材ａを有せしめる
状態で所定間隔置きに網線材ｂを設けると共に、この網
線材ｂを繋ぐように中間補強線材ｃを設けて成る。そし
て、一方の分割網部分２ａには網扉１が設けられ、前記
天井網部分４の中間補強線材ｃには持ち運び用の把手９
が取り付けられている。

【００１１】図１，２に照らして明らかなように、前記
上下の枠３，５は互いに同一形状であって、例えば合成
樹脂材によって成型されており、より詳しくは、上枠３
を例にとって六角形の一辺の断面形状を図３に示すよう
に、この上枠３は、分割網部分２ａ上縁の外周部に位置
する縦板部３ａと、この縦板部３ａの上端から内方に向
けて折れ曲がる上板部３ｂと、この上板部３ｂの内端か
ら下方に折れ曲がる下げ板部３ｃと、この下げ板部３ｃ
の下端から内方に向かう補強板部３ｄとから成り、か
つ、前記縦板部３ａと上板部３ｂと下げ板部３ｃの三者
によって、分割網部分２ａの上縁の補強線材ａを係入す
る溝１０が形成されている。

【００１２】そして、前記縦板部３ａの内面下部側に
は、前記補強線材ａを係止溝１０に係入させた状態で、
所謂嵌め殺しの状態で上部側の中間補強線材ｃを係止す
る２個の第１係止片（図１に示す下枠５を参照）１１が
設けられ、かつ、図４にも示すように、前記下げ板部３
ｃの内、六角形の相対峙する二辺の内面部には、天井網
部分４の縁部の補強線材ａを水平方向にスライド自在に
係止する第２係止片１２が設けられている。

【００１３】一方、前記受け座８は例えば合成樹脂製で
あって、六角形の周壁８ａの上縁部に受け皿８ｂを連設
して成り、かつ、前記受け皿８ｂは下枠５を安定的に乗
載保持できるように構成されている。

【００１４】尚、実施例では、網籠本体７を平面視で六
角形に構成しているが、四角形や八角形、その他、平面
視で凸の字状や、二つの四角形の角部を一部で重ね併せ
た角張った８の字状など、平面視形状は任意に選択可能
であり、また、周辺網部分２を左右に二分割させる構成
としているが、これを三つ以上に分割させる構成とする
もよい。

【００１５】

【考案の効果】以上説明したように本考案によれば、分
割網部分を上下の枠に係止させ且つこの上下の枠に天井
網部分と底網部分をスライド係止させる簡単な手間で閉
空間の網籠本体が構成され、この網籠本体を単に受け座
に乗載させることで網籠が得られるもので、各部の連結
構造を簡単な係止構成にしたことで、従来に比べて網籠
の製造コストを大幅にダウンさせることができる。

【００１６】そして構成的には、前記網籠本体を単に持
ち上げるだけで、小動物を驚かせたり餌や水などを零し
たりする心配を一切せずに、かつ、小動物の逃げ出しの
心配もなく、当該網籠本体を簡単に受け座から分離する
ことができるので、受け座の丸洗いや或いは受け座に敷
いたシートの始末などを簡単な手間で簡易に行うことが
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】網籠の分解斜視図である。

【図２】網籠の側面図である。

【図３】上枠に対する周辺網部分の連結部を示す断面図
である。

【図４】上枠に対する天井網部分のスライド係止の説明
図である。

【図５】従来例の網籠の正面図である。

【符号の説明】

１…扉、２…周辺網部分、２ａ…分割網部分、３…上
枠、４…天井網部分、５…下枠、６…底網部分、７…網
籠本体、８…受け座、１１…第１係止片、１２…第２係
止片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 出入口開閉用の扉を備えた周辺部の網部
   分と、上枠を介して前記周辺網部分の上部開口縁部に連
   結される天井網部分と、下枠を介して前記周辺網部分の
   下部開口縁部に連結される底網部分と、これら上下の枠
   を介して三者で構成される網籠本体を乗載する受け座と
   から成り、かつ、前記周辺網部分を少なくとも左右に二
   つ割りに構成する一方、前記上下の枠を互いに同一形状
   と成して、この上下の枠のそれぞれに、分割網部分の上
   下の縁部を枠内方から係止させる第１係止片と、天井網
   部分および底網部分の縁部を水平方向にスライド自在に
   係止させる第２係止片とを設けてあることを特徴とする
   網籠。