JP5453046B2 - 電気自動車用充電スタンド - Google Patents

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本発明は、自動車専用道路のサービスエリアや商業施設の駐車場、あるいは集合住宅の駐車場などに設置される電気自動車用充電スタンドに関するものである。
近年、二酸化炭素の排出量や石油(ガソリンや軽油など)の消費量を削減することができて地球環境に優しい自動車として、内燃機関(ガソリンエンジンやディーゼルエンジンなど)と電動機(モータ)を併用して走行するハイブリッド自動車や電動機のみで走行する電気自動車が注目を集めている。また、ハイブリッド自動車の形態として、現在は走行中に二次電池を充電するものが主流であるが、商用交流電源(AC100ボルト又は200ボルト)を用いて駐車中に二次電池を充電し、初めに電動機で走行するとともに二次電池の残容量が低下したら内燃機関で走行するものも近く市販される予定である。尚、後者の形態の自動車はプラグインハイブリッド自動車と呼ばれている。
ところで、電気自動車やプラグインハイブリッド自動車(以下では、これら2種類の自動車を合わせて「電気自動車」と呼ぶ。)が普及するためには、二次電池を充電するためのインフラを整備する必要がある。具体的には、自動車専用道路のサービスエリアや商業施設の駐車場、あるいは集合住宅の駐車場などの公共の場(パブリック・スペース)に不特定多数の人が利用可能な電源(コンセント)を多数設置しなければならない。ここで、屋外にコンセントを設置するものとして、下部が地中に埋設されたポール内にコンセントを配設し、住戸内(屋内)の住宅用分電盤から分岐された給電線を前記コンセントに接続してなるコンセント装置(電源ポールとも呼ばれる。)が従来より提供されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載されている電源ポールは、円筒状のポールの上部に扉付きのケーシングが取り付けられ、2つのコンセントがケーシング内に収納されて構成されており、ケーシングの扉を開いた状態でケーシング内のコンセントに電源プラグが差込接続されるものである。
ここで、電気自動車とコンセントの電気的な接続は、通常、それぞれの電気自動車に用意された専用の電源ケーブル(充電ケーブル)によって行われる。そのため、パブリック・スペースに設置される電気自動車用充電スタンドにおいては、悪戯や盗難を目的として充電中の電源ケーブルがコンセントから抜き取られることを防止するため、さらには充電中にコンセントやプラグに人の手が触れることを防止するため、電源ケーブルのプラグがコンセントに差込接続された状態で扉を閉じ且つ扉に設けたロック装置(錠前)を施錠して扉が不用意に開かないようにすることが望ましい。
特開平10−223339号公報
しかしながら、コンセントにプラグが接続されていない状態でロック装置が施錠されて鍵が持ち去られると、扉が開かないためにコンセントにプラグを接続できないという問題がある。また、ロック装置が解錠状態でも鍵を抜くことができるものである場合、コンセントにプラグが接続されていない状態(未使用状態)で鍵が持ち去られると、コンセントにプラグを接続することはできても扉を閉めてロック装置を施錠できないという問題がある。
本発明は上記事情に鑑みて為されたものであり、その目的は、扉のロック装置に関する不具合の発生が防止できる電気自動車用充電スタンドを提供することにある。
請求項1の発明は、上記目的を達成するために、電気自動車を充電するための電源ケーブルのプラグが挿抜自在に差込接続されるコンセントと、電気自動車を駐車する地面に立設されて前記コンセントを内部に収納するとともに当該コンセントの差込口を前面側に臨ませる開口窓が前面に設けられスタンド本体と、スタンド本体に対して開口窓を塞ぐ閉位置と当該開口窓を開放する開位置との間で回動自在に設けられた扉と、扉を閉位置で施錠する鍵付きのロック装置と、コンセントにプラグが差込接続されているか否かを検出する検出手段と、検出手段によってコンセントにプラグが差込接続されていないことが検出されているときはロック装置の施錠並びにロック装置からの鍵の抜き取りを不能とし、検出手段によってコンセントにプラグが差込接続されていることが検出されているときにロック装置の施錠並びにロック装置からの鍵の抜き取りを可能とする制御手段とを備え、検出手段は、扉の内側より開口窓内に進退自在に突出してコンセントに差込接続されたプラグに当接する当接体を有し、進退方向における当接体の位置に基づいてコンセントにプラグが差込接続されているか否かを検出することを特徴とする。
請求項1の発明によれば、コンセントにプラグが差込接続されていない状態ではロック装置を施錠することができず、また、ロック装置を施錠しなければロック装置から鍵を抜き取ることができないため、扉のロック装置に関する不具合の発生が防止できる。さらに、コンセントにプラグが差込接続されているときと差込接続されていないときで進退方向における当接体の位置が変位するので、当接体の位置に基づいてコンセントにプラグが差込接続されているか否かを検出することができる。
請求項2の発明は、上記目的を達成するために、電気自動車を充電するための電源ケーブルのプラグが挿抜自在に差込接続されるコンセントと、電気自動車を駐車する地面に立設されて前記コンセントを内部に収納するとともに当該コンセントの差込口を前面側に臨ませる開口窓が前面に設けられスタンド本体と、スタンド本体に対して開口窓を塞ぐ閉位置と当該開口窓を開放する開位置との間で回動自在に設けられた扉と、扉を閉位置で施錠する鍵付きのロック装置と、コンセントにプラグが差込接続されているか否かを検出する検出手段と、検出手段によってコンセントにプラグが差込接続されていないことが検出されているときはロック装置の施錠並びにロック装置からの鍵の抜き取りを不能とし、検出手段によってコンセントにプラグが差込接続されていることが検出されているときにロック装置の施錠並びにロック装置からの鍵の抜き取りを可能とする制御手段とを備え、検出手段は、扉の内側より開口窓内に進退自在に突出してプラグがコンセントに差込接続された電源ケーブルに当接する当接体を有し、進退方向における当接体の位置に基づいてコンセントにプラグが差込接続されているか否かを検出することを特徴とする。
請求項2の発明によれば、コンセントにプラグが差込接続されていない状態ではロック装置を施錠することができず、また、ロック装置を施錠しなければロック装置から鍵を抜き取ることができないため、扉のロック装置に関する不具合の発生が防止できる。さらに、コンセントにプラグが差込接続されているときと差込接続されていないときで進退方向における当接体の位置が変位するので、当接体の位置に基づいてコンセントにプラグが差込接続されているか否かを検出することができる。
請求項の発明は、請求項1又は2の発明において、扉の位置を検出する扉位置検出手段と、コンセントへの給電を入切する給電入切手段とを備え、制御手段は、検出手段によってコンセントにプラグが差込接続されていることが検出されるとともに扉位置検出手段によって扉が閉位置にあることが検出されているときに給電入切手段を制御してコンセントへの給電を行わせることを特徴とする。
請求項の発明によれば、コンセントにプラグが差込接続されていても、扉が閉まっていないときは給電入切手段によってコンセントへの給電が切られるので、充電中のプラグやコンセントに不用意に手が触れることを防止できる。
請求項の発明は、請求項1〜3の何れか1項の発明において、前記当接体によってプラグ又は電源ケーブルの移動を規制することを特徴とする。
請求項の発明によれば、電源ケーブルが引っ張られた場合、当接体がプラグ又は電源ケーブルに当接することでプラグがコンセントから抜けることを防止できる。
本発明によれば、扉のロック装置に関する不具合の発生が防止できる。
(a)は本発明の実施形態1におけるロック制御装置のブロック図、(b)はロック装置の一部省略した断面図である。 本発明の実施形態1を示す正面図である。 同上を示し、図2のX−X’線断面矢視図である。 同上を示し、図2のY−Y’線断面矢視図である。 同上の前方から見た外観斜視図である。 同上の右側面図である。 同上の背面図である。 同上の底面図である。 同上におけるコンセントユニットを示し、前方から見た斜視図である。 同上におけるコンセントユニットを示し、後方から見た斜視図である。 同上の一部省略した前方から見た分解斜視図である。 同上の一部省略した後方から見た分解斜視図である。 同上の背板を外した状態の一部省略した背面図である。 本発明の実施形態2におけるロック制御装置の検出部の一部省略した斜視図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
(実施形態1)
本実施形態の電気自動車用充電スタンドは、図2並びに図3に示すように電気自動車を駐車する地面に立設されるスタンド本体1と、電気自動車を充電するための電源ケーブル(以下、充電ケーブルと呼ぶ。)100のプラグ110が差込口20aに挿抜自在に差込接続されるコンセント20とを備えている。
スタンド本体1は、長尺の矩形板状に形成された3枚の金属板(左側板2,右側板3,背板4)を組み立てることで前面並びに天面、底面がそれぞれ開口した角筒状に形成され、扁平な箱形のカバー5によって天面の開口が閉塞されている。左側板2並びに右側板3の内側面には、矩形板状の金属板からなり左右方向(水平方向)の略中央部が上下方向(鉛直方向)に沿って階段状に折曲された取付板6が背板4と並行するようにして取着されている(図3及び図4参照)。すなわち、スタンド本体1の内部が取付板6によって前後に区分けされており、後述するコンセントユニット10が取付板6の前方の空間に収納され、後述する漏電遮断器200や給電用の電源ケーブル(図示せず)が取付板6の後方の空間に収納(配線)される。尚、取付板6にはコンセントユニット10や漏電遮断器200を取り付けるための複数のねじ孔6aが上下方向及び左右方向に沿って等間隔に貫設されている。
また、スタンド本体1前面における最上部及び最下部には矩形板状の上パネル7A及び下パネル7Bが取り付けられている。そして、スタンド本体1内において上パネル7Aの下端から下パネル7Bの上端までの前方空間に、コンセントユニット10をそれぞれ収納するための4つの収納空所8が上下方向に並設されている。
コンセントユニット10は、図9に示すように前面に開口窓11aを有する箱形の筐体11と、筐体11内に保持されるコンセントブロック12と、開口窓11aを塞ぐ閉位置(図5参照)と開口窓11aを開放する開位置の間で水平方向に回動自在である扉13と、筐体11の上部に被せられた合成樹脂材料製のユニットカバー16とを具備している。筐体11は、図10に示すように背板11bの左右方向略中央部が上下方向(鉛直方向)に沿って階段状に折曲されており、開口窓11aから背板11bまでの奥行きが大きい側(左側)の隅にコンセントブロック12が配設されている。
コンセントブロック12は、矩形箱状の器体20b前面に差込口20aが設けられたコンセント20と、コンセント20の前端部が嵌合する嵌合孔21aを有してコンセント20が後方から取り付けられる板状のコンセントパネル21とを具備している。コンセントパネル21は略六角形形状に形成されており、上端に対して下端が後方に位置するとともに左端に対して右端が後方に位置するように、筐体11内における左側の隅に取り付けられている。そして、筐体11の内壁面とコンセントパネル21に囲まれた空間にコンセント20が収納され、コンセントパネル21の嵌合孔21aを通してコンセント20の差込口20aが筐体11の内部空間に露出する。尚、コンセント20は従来周知のものであって、差込口20aから差し込まれるプラグ110の接触子(栓刃)を受ける刃受(図示せず)や刃受を外部の電線と接続するための端子(図示せず)が絶縁材料製の器体20bに収納されて構成されている。
而して、上端に対して下端が後方に位置するとともに左端に対して右端が後方に位置するようにコンセントパネル21が筐体11内に取り付けられているので、コンセントパネル21に取り付けられたコンセント20は、差込口20aに対するプラグ110の挿抜方向が水平方向及び鉛直方向において開口窓11aと斜めに交差する、言い換えると差込口20aの向き(コンセント20前面の法線方向)が開口窓11aの向き(開口窓11aの開口面の法線方向)に対して右斜め下方向に傾くように配設されることになる(図2参照)。
ここで、図10に示すように筐体11の背面には端子台22が取り付けられている。この端子台22は、一方の接続端子が背板11bを貫通する貫通孔(図示せず)を通してコンセント20の端子と接続される(実際には、後述するロック制御装置23を介して接続される)とともに、後述するように漏電遮断器200の2次側端子に接続された電線が他方の接続端子に接続される。つまり、コンセント20が筐体11の内壁面とコンセントパネル21に囲まれた空間に収納されるので、筐体11の外側に端子台22を取り付け、端子台22を介してコンセント20の端子と外部の電線を接続することで接続作業が容易になるものである。
扉13は扁平な矩形箱状に形成されており、図9に示すように上下一対のヒンジ部14によって左側端部が筐体11の前面側左端部に軸支されている。また、扉13の背面側にはロック装置15が取着されており、扉13の前面にロック装置15の鍵孔部15aが露出している(図2参照)。尚、扉13が閉位置にあるとき、扉13の下端と筐体11の前面側下端との間から充電ケーブル100を引き出すための隙間(引出口)が空くようになっている(図2参照)。
上述のように構成されるコンセントユニット10は、前面側からスタンド本体1内の収納空所8内に収納され、取付板6に対して筐体11がねじ止めされることでスタンド本体1に固定される。上述したようにスタンド本体1内には同一寸法の4つの収納空所8が上下方向に並設されており、これら4つの収納空所8の何れにもコンセントユニット10を収納することができる。ここで、取付板6には各収納空所8毎に矩形の窓孔6bが貫設されており、コンセントユニット10が収納空所8内に収納された状態で、筐体11の背面に取り付けられている端子台22が窓孔6bに挿通されて取付板6の後方空間(配線空間9)に露出する(図11〜図13参照)。但し、本実施形態では4つの収納空所8の全てにコンセントユニット10を収納した場合を例示しているが、必ずしも4つの収納空所8全てにコンセントユニット10を収納する必要は無く、少なくとも1つのコンセントユニット10を何れか1つの収納空所8に収納していればよい。
漏電遮断器200は、図3及び図13に示すように取付板6の前方に突出している側(図13では左側)の背面に取り付けられて配線空間9に配置されている。この配線空間9には商用交流電源から交流電力を供給するための電力ケーブル(図示せず)がスタンド本体1底面のケーブル入線口1aより入線されて立ち上げ配線される(図8参照)。そして、配線空間9に配線された電力ケーブルが漏電遮断器200の1次側に接続されるとともに、漏電遮断器200の2次側が図示しない電線により端子台22の一方の接続端子に接続され、端子台22の他方の接続端子からロック制御装置23を介してコンセント20の端子と接続される。尚、上述した配線作業はスタンド本体1の背板4を外すだけで容易に行うことができる。
次に、本発明の要旨であるロック装置15並びにロック制御装置23について説明する。
ロック装置15は、いわゆるシリンダ錠からなり、図1(b)並びに図9に示すようにシリンダ151と、シリンダ151の先端から径方向に突設されてシリンダ151と一体に回動するロック片152と、シリンダ151内に進退自在に突出するプランジャ153と、プランジャ153を変位させるソレノイド(図示せず)と、シリンダ151、ロック片152、プランジャ153、ソレノイドを内部に収納するとともにロック片152の先端部が変位自在に挿通される挿通溝150aを側面に有する箱形のハウジング150とを具備している。すなわち、ソレノイドが励磁されていないときはプランジャ153がシリンダ151内に進出して鍵孔15aに差し込まれている鍵17と係合することで鍵17の抜き取り並びにシリンダ151の回動(施錠)を規制し、ソレノイドが励磁されているときはプランジャ153がシリンダ151内から退出して鍵17と係合しないことで鍵17の抜き取り並びにシリンダ151の回動(施錠)が可能となる。
また、ロック制御装置23は、図1(a)に示すようにコンセント20の差込口20aにプラグ110が差込接続されているか否かを検出する検出部230と、ロック装置15が具備するソレノイドの励磁・非励磁を切り換えてロック装置15に対する鍵17の抜き取りを規制する鍵規制部231と、端子台22からコンセント20への給電路を開閉するリレーを有する給電入切部232と、発光ダイオードからなる表示素子を有する表示部233と、扉13の位置(閉位置)を検出する扉位置検出部234と、検出部230の検出結果並びに扉位置検出部234の検出結果に応じて鍵規制部231、給電入切部232、表示部233を制御する制御部235とを具備している。
検出部230は、赤外光を発する発光素子(例えば、赤外発光ダイオードなど)と、赤発光素子が発する赤外光を受光する受光素子(例えば、ホトダイオードやホトトランジスタなど)と、発光素子を発光させる発光回路と、受光素子の受光信号を増幅する受光回路と、受光回路から出力される出力信号をしきい値と比較する比較回路とを有し、コンセント20の差込口20aに差込接続されたプラグ110を挟んで対向する位置に発光素子と受光素子が配設されてなる。つまり、差込口20aにプラグ110が差込接続されていないときは発光素子が発する赤外光がプラグ110に遮られずに受光素子で受光されるために出力信号がしきい値を上回り、差込口20aにプラグ110が差込接続されているときは発光素子が発する赤外光がプラグ110に遮られて受光素子で受光されないために出力信号がしきい値を下回るので、比較回路の比較結果に基づいてコンセント20(差込口20a)にプラグ110が差込接続されているか否かが検出できるものである。但し、発光素子が発する赤外光がプラグ110に反射した反射光を受光可能な位置に受光素子を配置してもよい。この場合、差込口20aにプラグ110が差込接続されていないときは発光素子が発する赤外光がプラグ110で反射されずに受光素子で反射光が受光されないために出力信号がしきい値を下回り、差込口20aにプラグ110が差込接続されているときは発光素子が発する赤外光がプラグ110に反射した反射光が受光素子で受光されるために出力信号がしきい値を上回ることになる。
扉位置検出部234は、水平方向に回動する扉13の背面に設けられているコ字形の駆動片13aによって押釦234aが押駆動されるスイッチ(図示せず)からなり、扉13が閉位置にあるときに押釦234aが駆動片13aに押駆動されてスイッチがオンすることによって扉13の位置(閉位置)が検出できるものである。
表示部233は、ユニットカバー16の内側に配設されており、透光性材料からなるユニットカバー16の前壁を通して発光素子の発する光がユニットカバー16の前方へ照射されるようになっている。
制御部235は、検出部230によってコンセント20にプラグ110が差込接続されていないことが検出されているときは鍵規制部231にソレノイドを励磁させないことで鍵孔15aに差し込まれている鍵17が抜き取られず且つシリンダ151が回動しない(施錠されない)ように規制し、検出部230によってコンセント20にプラグ110が差込接続されていることが検出されているときに鍵規制部231にソレノイドを励磁させてプランジャ153をシリンダ151内から退出させることでシリンダ151の回動(施錠)並びに鍵孔15aからの鍵17の抜き取りを可能とする。さらに制御部235では、検出部230によってコンセント20にプラグ110が差込接続されていることが検出されている状況において、扉位置検出部234によって扉13が閉位置にあることが検出されているときに給電入切部232を制御してコンセント20への給電を行わせる。つまり、本実施形態においては、コンセント20の差込口20aにプラグ110を差込接続しただけではコンセント20から充電ケーブル100に給電されず、扉13を閉めたときに初めてコンセント20から充電ケーブル100に給電されるので、充電中のプラグ110や充電ケーブル100に不用意に手が触れることを防止できるものである。尚、制御部235では、給電入切部232を制御してコンセント20への給電を行わせる際、表示部233を制御して表示素子を発光させることで給電中であることを表示させる。
次に、本実施形態の電気自動車用充電スタンドの使用手順について説明する。まず、扉13を開き、充電ケーブル100のプラグ110の接触子を差込口20aに差し込むことでコンセント20にプラグ110を差込接続する。このとき、差込口20aの向きが開口窓11aの向きに対して右斜め下方向に傾くように配設されているので、筐体11内においてプラグ110の挿抜に必要なスペース(空間)が十分に確保できてプラグ110の差込作業が容易に行えるものであり、さらに、雨天時においても開口窓11aを通して筐体11内に降り込む雨水が差込口20aにかかり難くいものである。但し、コンセントユニット10を筐体11内で右側に寄せて配置し、差込口20aの向きが開口窓11aの向きに対して左斜め下方向に傾くようにコンセント20を配設しても同様の効果を奏するが、本実施形態のように差込口20aが筐体11内の左側の位置から右斜め下方向に傾くようにコンセント20を配設する方が、一般的に多いと考えられる右利きの人にはプラグ110を差し込みやすくなるという利点がある。
プラグ110をコンセント20に差込接続した後に扉13を閉め、鍵17を回してロック装置15を施錠する。ここで、特許文献1に記載されている電源ポールのように、コンセントが収められているケーシングの開口に対してコンセントの差込口が水平方向においてほぼ正対している場合、コンセントにプラグを差込接続した電源ケーブルの引き出し位置とコンセントの差込口の位置とが水平方向においてほぼ同じ位置となる。そのため、複数のコンセントを鉛直方向で並設したときに、垂れ下がった電源ケーブルと下段のコンセントの差込口とが前方から見て重なってしまうため、下段のコンセントに別の電源ケーブルのプラグを差込接続する作業が困難になるという問題がある。これに対して本実施形態では、差込口20aの向きが開口窓11aの向きに対して右斜め下方向に傾くように各コンセント20がコンセントユニット10内に配設されているので、上段のコンセント20にプラグ110が差込接続されて開口窓11aから垂れ下がった充電ケーブル100と下段のコンセント20の差込口20aとが前方から見て重ならなず、下段のコンセント20に別の充電ケーブル100のプラグ110を差込接続する作業が容易になるものである。
さらに、図2に示すようにスタンド本体1の外周面(本実施形態では右側面)に複数(3つ)のケーブル保持具(保持体)40が取り付けられている。ケーブル保持具40は、図4及び図5に示すように帯板状の金属板を断面形状が略コ字形の樋状に曲げ加工してなり、長手方向を上下方向に合わせるとともに溝が後方を向くようにしてスタンド本体1の右側板3における上から2〜4段目の収納空所8の近傍にねじ止めされている。
而して、開口窓11a(引出口)を通してスタンド本体1の外(前方)に引き出された充電ケーブル100を溝に嵌め込むことでケーブル保持具40に保持させれば、上段のコンセント20にプラグ110が接続された充電ケーブル100が邪魔にならずに下段のコンセントユニット10の扉13を開閉することができる。また、充電ケーブル100が不用意に引っ張られた場合においてもケーブル保持具40が充電ケーブル100を保持していることでプラグ110にかかる張力を緩和し、コンセント20の差込口20aからプラグ110が抜けてしまうことを防止できる。ここで、3つのケーブル保持具40が上下方向に沿ってスタンド本体1の前後にずれた位置に配置されているため、ケーブル保持具40に保持された複数の充電ケーブル100が互いに邪魔にならないものである。さらに、本実施形態では、相対的に下方にあるケーブル保持具40が、相対的に上方にあるケーブル保持具40よりもスタンド本体1の前寄りの位置に配置されているため、相対的に下方にあるケーブル保持具40が、相対的に上方にあるケーブル保持具40に保持された充電ケーブル100よりもスタンド本体1の前寄りに位置することとなるので(図6参照)、相対的に下方にあるケーブル保持具40に充電ケーブル100を保持させる際、相対的に上方にあるケーブル保持具40に保持された充電ケーブル100が邪魔にならないという利点がある。
一方、電気自動車の充電が終了すれば、鍵孔15aに鍵17を差し込んで回すことにより、ロック装置15を解錠して扉13を開き、プラグ110をコンセント20の差込口20aから引き抜く。ここで、扉13が開いているときはロック制御装置23によってコンセント20への給電がオフされているため、プラグ110をコンセント20の差込口20aに抜き差しする際の感電事故を防ぐことができる。
上述のように本実施形態によれば、コンセント20にプラグ110が差込接続されていない状態ではロック装置15を施錠することができず、また、ロック装置15を施錠しなければロック装置15から鍵17を抜き取ることができないため、扉13のロック装置15に関する不具合(鍵17の持ち去りなど)の発生が防止できるという利点がある。
(実施形態2)
本実施形態は、ロック制御装置23の検出部230の構成に特徴があり、その他の構成並びに動作は実施形態1と共通である。よって、実施形態1と共通の構成要素には同一の符号を付して図示並びに説明を省略する。
本実施形態における検出部230は、扉13の内側より開口窓11a内に進退自在に突出してコンセント20に差込接続されたプラグ110に当接する当接体236と、当接体236が開口窓11a内に進出している(プラグ110に当接していない)ときはオフであり、当接体236が開口窓11a内から退出している(プラグ110に当接してる)ときは当接体236に押操作されてオンとなるスイッチ(図示せず)とを具備し、進退方向における当接体236の位置(スイッチのオン・オフ)に基づいてコンセント20にプラグ110が差込接続されているか否かを検出するものである。
当接体236は、図14に示すように帯板状の主部236aと、主部236aの先端より下方に垂下された当接部236bとが一体に形成され、主部236aの後端部分が扉13の後面に形成されている貫通孔13bに挿通されている。図示は省略するが、貫通孔13bに挿通された主部236aの後端部分は前後方向にスライド移動自在に支持されるとともに後方に向けて弾性付勢され、主部236aが前方に移動したときにスイッチがオンされるようになっている。
当接部236bには下端側が開放された略半円形のケーブル挿通溝236cが設けられている。つまり、コンセント20にプラグ110が接続されている状態で扉13を閉じると、当接部236bがプラグ110の後端部分に当接することで主部236aが前方へ移動してスイッチがオンとなる。このとき、充電ケーブル100は当接部236bに設けられているケーブル挿通溝236cに挿通される。尚、当接部236bをプラグ110ではなく充電ケーブル100に当接させても構わない。
上述のように本実施形態によれば、コンセント20にプラグ110が接続されているか否かと、扉13の位置(閉位置)とが検出部230によって同時に検出可能であり、検出部230が検出手段と扉位置検出手段を兼ねているので、実施形態1におけるロック制御装置23と比較して構成が簡略化できるという利点がある。また、扉13を閉めた状態では当接体236の当接部236bがプラグ110(又は充電ケーブル100)に当接しているため、充電ケーブル100が引っ張られた場合にプラグ110がコンセント20から抜けることを防止できるという利点がある。
1 スタンド本体
10 コンセントユニット
11a 開口窓
15 ロック装置
20 コンセント
20a 差込口
23 ロック制御装置
230 検出部(検出手段)
231 鍵規制部
235 制御部(制御手段)

Claims (4)

  1. 電気自動車を充電するための電源ケーブルのプラグが挿抜自在に差込接続されるコンセントと、電気自動車を駐車する地面に立設されて前記コンセントを内部に収納するとともに当該コンセントの差込口を前面側に臨ませる開口窓が前面に設けられスタンド本体と、スタンド本体に対して開口窓を塞ぐ閉位置と当該開口窓を開放する開位置との間で回動自在に設けられた扉と、扉を閉位置で施錠する鍵付きのロック装置と、コンセントにプラグが差込接続されているか否かを検出する検出手段と、検出手段によってコンセントにプラグが差込接続されていないことが検出されているときはロック装置の施錠並びにロック装置からの鍵の抜き取りを不能とし、検出手段によってコンセントにプラグが差込接続されていることが検出されているときにロック装置の施錠並びにロック装置からの鍵の抜き取りを可能とする制御手段とを備え
    検出手段は、扉の内側より開口窓内に進退自在に突出してコンセントに差込接続されたプラグに当接する当接体を有し、進退方向における当接体の位置に基づいてコンセントにプラグが差込接続されているか否かを検出することを特徴とする電気自動車用充電スタンド。
  2. 電気自動車を充電するための電源ケーブルのプラグが挿抜自在に差込接続されるコンセントと、電気自動車を駐車する地面に立設されて前記コンセントを内部に収納するとともに当該コンセントの差込口を前面側に臨ませる開口窓が前面に設けられスタンド本体と、スタンド本体に対して開口窓を塞ぐ閉位置と当該開口窓を開放する開位置との間で回動自在に設けられた扉と、扉を閉位置で施錠する鍵付きのロック装置と、コンセントにプラグが差込接続されているか否かを検出する検出手段と、検出手段によってコンセントにプラグが差込接続されていないことが検出されているときはロック装置の施錠並びにロック装置からの鍵の抜き取りを不能とし、検出手段によってコンセントにプラグが差込接続されていることが検出されているときにロック装置の施錠並びにロック装置からの鍵の抜き取りを可能とする制御手段とを備え、
    検出手段は、扉の内側より開口窓内に進退自在に突出してプラグがコンセントに差込接続された電源ケーブルに当接する当接体を有し、進退方向における当接体の位置に基づいてコンセントにプラグが差込接続されているか否かを検出することを特徴とする電気自動車用充電スタンド。
  3. 扉の位置を検出する扉位置検出手段と、コンセントへの給電を入切する給電入切手段とを備え、制御手段は、検出手段によってコンセントにプラグが差込接続されていることが検出されるとともに扉位置検出手段によって扉が閉位置にあることが検出されているときに給電入切手段を制御してコンセントへの給電を行わせることを特徴とする請求項1又は2記載の電気自動車用充電スタンド。
  4. 前記当接体によってプラグ又は電源ケーブルの移動を規制することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の電気自動車用充電スタンド
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