JP5452956B2 - タイヤ用ゴム組成物および該タイヤ用ゴム組成物を用いたタイヤ - Google Patents

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本発明は、ゴム成分(以下、「エラストマー成分」と称することもある。)の使用量を低減したタイヤ用ゴム組成物(以下、「エラストマー組成物」と称することもある。)および該タイヤ用ゴム組成物を使用したタイヤに関するものである。
タイヤ等に使用するゴム組成物などのエラストマー組成物は多量のエラストマー成分(ゴム等)を原料として含んでおり、例えばゴム組成物を使用した乗用車用空気入りタイヤの場合、ゴム組成物の50質量%以上が天然ゴムと合成ゴムとを配合したゴム成分からなる。従って、これらのゴム組成物および当該ゴム組成物を使用したタイヤは、原油価格の高騰や天候不良によるゴムの不作等の影響を受け、原料コストが上昇したり、安定した製品の供給が困難となったりする恐れがある。
また、近年では世界的に環境問題が重視される傾向にあり、特に地球温暖化防止の観点からCOの排出量の規制が強化され、石油資源の使用量の低減が求められていると共に、資源循環型社会の形成が求められている。
そこで、タイヤ製造時の石油資源の使用量を低減するため、例えば特許文献1には、全重量の75重量%以上を石油外資源からなる原材料で構成した、いわゆるエコタイヤが記載されている。
特開2003−63206号公報
しかし、上記従来技術にかかるゴム組成物およびタイヤでは、石油資源の使用量は低減できるものの、製造工程が複雑になったり、石油資源の代替原料の単価が高かったりするため、必ずしも製造コストを低減できなかった。
また、代替原料について、使用に際して必要な加工エネルギー(例えば、代替原料の破砕に必要なエネルギー)や、代替原料自体の燃料・資源等としての利用可能性が高いという観点等から改良および選択の余地があった。
そのため、使用に際して必要な加工エネルギーが少なく、且つ、燃料・資源等としての利用可能性が低い代替原料であって、ゴム等の代わりに配合してもエラストマー組成物の物性(破断伸び等)を大幅に低下させることが無いものを配合した、低コストで製造できるエラストマー組成物が求められていた。また、該エラストマー組成物を用いたタイヤも求められていた。
この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、この発明のタイヤ用ゴム組成物は、ゴム成分に対して、有機物の発酵処理において生じる残滓と、植物資源を溶媒に浸漬して固液抽出を行った後に残る植物資源抽出残渣との少なくとも一方からなる代替原料を配合したタイヤ用ゴム組成物であって、温度25℃、引張速度100mm/minの条件で測定した10%、25%、50%歪における弾性率の平均値である低歪領域の弾性率に対する、温度25℃、引張速度100mm/minの条件で測定した200%、300%歪における弾性率の平均値である高歪領域の弾性率の比(高歪領域の弾性率/低歪領域の弾性率)が2.7以下であり、前記有機物の発酵処理において生じる残滓が芋焼酎粕であり、前記植物資源を溶媒に浸漬して固液抽出を行った後に残る植物資源抽出残渣が茶殻であり、前記代替原料の配合量が、前記ゴム成分100質量部に対して10質量部以下であることを特徴とする
このように、代替原料を配合すれば、ゴム組成物中のゴム成分の使用量を低減することができる。また、有機物の発酵処理において生じる残滓や、植物資源の抽出処理後に生じる残渣は安価な残物であるから、ゴム成分の代替原料として適している。よって、上記代替原料をゴム成分に配合することで、安価且つ環境負荷の低いタイヤ用ゴム組成物を提供することができる。
更に、タイヤ用ゴム組成物の低歪領域の弾性率(A)に対する高歪領域の弾性率(B)の比(B/A)が2.7以下の場合、代替原料を配合しない従来のタイヤ用ゴム組成物と比較して破断伸びが向上する。
なお、本発明において、弾性率とはJIS K6254に準拠して測定した値を指す。
ここで、本発明のタイヤ用ゴム組成物は、前記代替原料の配合量が、前記ゴム成分100質量部に対して0.5質量部以上であることが好ましく、5質量部以上であることが更に好ましい。代替原料の配合量をゴム成分100質量部に対して0.5質量部以上とすれば、本発明の目的である環境負荷の低減を十分に達成することができる
また、本発明のタイヤ用ゴム組成物は、前記代替原料の粒径が600μm以下であることが好ましく、0.02〜600μmであることが更に好ましい。配合する代替原料の最大粒径が600μm以下、好ましくは300μm以下であれば、タイヤ用ゴム組成物中で代替原料が均一に分散し易いので、タイヤ用ゴム組成物の物性が代替原料を配合しないタイヤ用ゴム組成物と比較して大幅に悪化することが無い。なお、タイヤ用ゴム組成物中で均一に分散してタイヤ用ゴム組成物の物性を低下させないという観点からは、ゴム成分に配合する代替原料の最大粒径は小さい方が好ましい。ここで、最大粒径とは、配合した代替原料の中で最も粒径が大きい代替原料の粒径を指す。そして、本発明において、粒径とは、レーザー回折による粒子径測定(JIS Z8825−1)で求められ、該レーザー回折による方法において、代替原料の長軸−短軸の平均(球形と捉えられる)を測定して得られる値である。
そして、本発明のタイヤは、少なくとも一部を、上述のタイヤ用ゴム組成物で構成したことを特徴とする。このように、従来のタイヤではゴム等のエラストマーのみで構成していた部分を、代替原料を配合したタイヤ用ゴム組成物で構成することにより、タイヤとしての性能を維持しつつゴム成分の使用量を低減した、環境負荷の低いタイヤを提供することができる。
本発明によれば、所定の代替原料をゴム成分に配合することにより、複雑な製造工程を用いることなく低コストで製造が可能で且つ環境に優しいタイヤ用ゴム組成物を、代替原料を使用しないタイヤ用ゴム組成物と比較して物性を低下させることなく提供することができる。また、当該タイヤ用ゴム組成物を用いた、製造時の環境負荷が低いタイヤを提供することができる。
本発明のタイヤの一例の断面図である。
<エラストマー組成物>
以下に、本発明のエラストマー組成物を詳細に説明する。本発明に従うエラストマー組成物は、エラストマー成分に、有機物の発酵処理において生じる残滓、または植物資源を溶媒に浸漬して固液抽出を行った後に残る植物資源抽出残渣、或いはその両方を配合したものであって、低歪領域の弾性率に対する高歪領域の弾性率の比が2.7以下であることを特徴とする。
(エラストマー成分)
ここで、エラストマー成分は、天然ゴム、合成ゴム等のゴム成分、熱可塑性エラストマー、熱硬化性エラストマー等の樹脂、或いは、それらを混合したものからなり、合成ゴムとしては、具体的には、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR)、ポリイソプレンゴム(IR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)等が挙げられる。また、熱可塑性エラストマーとしては、エチレン−メチルアクリレート共重合体、スチレン系エラストマー、ウレタン系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー等が、熱硬化性エラストマーとしては、フェノール系エラストマー、ウレア系エラストマー、メラミン系エラストマー、エポキシ系エラストマー等が挙げられる。なお、本発明のエラストマー組成物は、任意に、カーボンブラックおよびシリカ等の補強性充填剤や、アロマオイル等の軟化剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、老化防止剤等の一般に添加される添加剤等を含有しても良い。
(有機物の発酵処理において生じる残滓)
また、有機物の発酵処理において生じる残滓とは、微生物の働きで有機物を分解(発酵)した際に生じる残滓である。なお、発酵とは嫌気的発酵および好気的発酵の双方を含み、糖質等が分解されることも含む概念である。そして、一般に、発酵処理後の残滓は、発酵処理の過程で腐敗要因、例えば蛋白質や脂質の大部分が分解されているので扱い易いという利点を有している。
ここで、発酵処理される有機物としては、例えば、紙、家畜排泄物、食品廃棄物、焼酎粕(芋、米、麦焼酎の粕)、建設発生木材、黒液、余剰汚泥(例えば、下水汚泥、屎尿汚泥、メタン発酵汚泥)、飲料成分の抽出残渣(茶殻やコーヒー粕など)等の廃棄物系バイオマスと、稲わら、麦わら、籾殻、林地残材(間伐材・被害木など)等の未利用バイオマスと、飼料作物、果実、穀物、根菜類、でんぷん系作物等の資源作物バイオマスとを含む、再生可能な生物由来の有機性資源であるバイオマスが挙げられる。このようなバイオマスを用いれば、エラストマー組成物製造時の環境負荷をより低減できる。なお、資源の有効活用および環境負荷の低減という観点から、廃棄物系バイオマスを有機物として用いることが好ましい。
また、有機物の発酵処理方法としては、嫌気性微生物を用いた発酵処理として、例えばメタン生成菌を用いたメタン発酵、エタノール発酵菌を用いたエタノール発酵、水素生成菌を用いた水素発酵等があり、好気性微生物を用いた発酵処理として、例えば酢酸産生菌を用いた酢酸発酵、アンモニア酸化細菌等の各種酸化細菌を用いた排水処理等がある。ここで、好気性微生物を利用した好気性発酵処理は、残滓の臭気が少ないので、配合時の消臭処理が不要であるという点で発酵処理方法として好ましい。一方、メタン発酵処理、エタノール発酵処理、または水素発酵処理は、資源から効率的に燃料等を取り出した後の残滓を用いることができ、環境への負荷低減と共に資源の有効活用を図ることができるという点で発酵処理方法として好ましい。なお、発酵処理が嫌気性発酵処理の場合、残滓に対し、木材を熱した時に出る煙で残滓を燻すことや、残滓を800℃程度の高温で炭化処理することが含まれる燻煙処理を行うことが好ましい。燻煙処理を行うことにより、脱硫(消臭)および殺菌した取り扱いが容易な状態で残滓をエラストマー成分に配合することができるからである。
ここで、上述した通り、エラストマー成分に配合する残滓としては、例えば、好気または嫌気条件下で有機物の生物学的処理(発酵)を行った際に生じる余剰汚泥等を用いることができるが、余剰汚泥を残滓として用いる場合にはエラストマー組成物の軽量化および金属含有によるエラストマー組成物への悪影響防止という観点から、鉄系の凝集剤を含まない汚泥、例えばアルミ化合物を凝集剤として使用した汚泥が好ましく、凝集剤を含まない汚泥がより好ましい。
本発明のエラストマー組成物に配合し得る、有機物の発酵処理において生じる残滓の他の例としては、発酵菌等の細胞壁に含まれるペプチドグリカン、植物の細胞壁に含まれるセルロース粒子、ヘミセルロース粒子、リグニン、植物の細胞壁が連なった短繊維(セルロース短繊維、ヘミセルロース短繊維等)、またはそれらの混合物を含有する残滓が挙げられる。なお、残滓は、セルロース粒子およびヘミセルロース粒子の少なくとも一方を単体で含むことが好ましい。また、セルロース粒子およびヘミセルロース粒子の少なくとも一方と、短繊維との双方を含むことが更に好ましい。セルロース粒子およびヘミセルロース粒子の少なくとも一方を単体でエラストマー組成物に配合することにより、セルロース粒子およびヘミセルロース粒子がミクロな排水溝として働くことができるので、該エラストマー組成物を例えばスタッドレスタイヤに用いた場合にスタッドレスタイヤの性能(氷上性能等)を向上することができるからである。また、粒子と短繊維との双方を含むことにより、例えばエラストマー組成物をスタッドレスタイヤに使用した場合に、水分を吸収するという効果を奏することが可能だからである。更に、残滓は、ペプチドグリカン、セルロース粒子およびヘミセルロース粒子の少なくとも一方、並びにセルロース短繊維およびヘミセルロース短繊維の少なくとも一方を含むことが好ましい。ペプチドグリカンと、粒子と、短繊維とを含むことにより、例えばエラストマー組成物をスタッドレスタイヤに使用した場合に、水分を吸収するという効果を奏することが可能だからである。
ここで、セルロース粒子およびヘミセルロース粒子とは、植物の細胞壁の主成分であり、アスペクト比が1〜5のものである。またセルロース短繊維およびヘミセルロース短繊維とは、植物の細胞壁が連なったものであり、アスペクト比が6〜50のものである。
(植物資源の抽出処理後に生じる残渣)
また、植物資源を溶媒に浸漬して固液抽出を行った後に残る植物資源抽出残渣とは、溶媒中に植物資源を浸漬し、任意に、加熱、撹拌等の操作を行って植物中に含まれる所望の成分を溶媒中に抽出した後に、ろ過等の手段で抽出液(溶媒)を分離した際に残る固体成分である。そして、この植物資源抽出残渣は、カーボンニュートラルな資源である植物資源から有効成分を抽出した後に残る安価な廃棄物であるので、エラストマー成分の代替原料として適している。
ここで、植物資源の固液抽出とは、溶媒中に植物資源(固体)を浸漬することにより、植物中に含まれる所望の成分を溶媒中に抽出することを指し、任意に、加熱、撹拌、植物の破砕、および抽出剤(キレート剤、酸、アルカリ等)の添加等の操作を伴う。特に、エラストマー組成物への配合のし易さの観点からは、破砕処理を行った植物資源に対して固液抽出を行った後に残る残渣をエラストマー成分に配合するのが好ましい。
上記植物資源は、抽出操作により取り出すことが可能な任意の有効成分を含有する植物の一部であれば良く、植物資源としては、例えば、茶葉、コーヒー豆、アロエの葉、ヨモギの葉、桑の根、赤ブドウの皮、アザミの実、明日葉の葉、アセロラ、クロレラ、クズの根(葛根)、バラの花、桃の葉、そばの実、大麦の種子などが挙げられる。なお、これらの植物資源は、抽出作業の効率を高めるために、破砕機等で破砕してから抽出操作に供するのが好ましい。
抽出に使用する溶媒は、植物資源の種類、所望の有効成分および抽出液の用途に合わせて選択することができ、例えば、水や有機溶媒(エチルアルコール、油等)を溶媒として用いることができる。そして、上述した植物資源をこれらの溶媒に浸漬して植物資源中の有効成分を抽出することにより、飲料、化粧水、乳液等を得ることができる。なお、溶媒には、必要に応じてキレート剤、酸、アルカリ等の抽出剤を混合して用いても良い。
(代替原料)
本発明の代替原料は、上述した有機物の発酵処理において生じる残滓、または植物資源抽出残渣、或いはその混合物からなり、好ましくは、エラストマー成分100質量部に対して0.5〜80質量部の割合で配合される。
ここで、エラストマー組成物中における代替原料の分散性の向上およびエラストマー組成物の物性の低下防止の観点からは、代替原料の粒径は600μm以下であることが好ましく、また、代替原料の含水率は15質量%以下であることが好ましい。
なお、代替原料の粒径は、粉砕、篩い分けなど、既知の手法を用いて調整することができる。また、代替原料の含水率は、例えば熱風乾燥、ドラム乾燥、熱板乾燥等の乾燥や、フィルタープレス等の圧搾など、既知の手法を用いて調整することができる。
そして、本発明のエラストマー組成物は、上述した代替原料を、任意の充填剤(カーボンブラック等)および添加剤とともにエラストマー成分に配合して混練することにより調製することができる。なお、本発明のエラストマー組成物の調製方法に特に制限はなく、例えば、バンバリーミキサーやロール等を用いて、エラストマー成分に、代替原料と、必要に応じて適宜選択した各種配合剤とを練り込んで調製することができる。
また、このようにして調製した本発明のエラストマー組成物は、低歪領域の弾性率(A)に対する高歪領域の弾性率(B)の比(B/A)が2.7以下である。ここで、低歪領域の弾性率は、残滓または植物資源抽出残渣を配合すると低下し、高歪領域の弾性率は、残滓または植物資源抽出残渣を配合すると低下するが、その低下率は低歪領域よりも小さい。
なお、一般に、タイヤのトレッド部に用いられるエラストマー組成物は、走行時のトレッドブロックの変形を少なくするという観点からは低歪領域(10〜50%歪)における応力が大きいことが好ましく、走行中に石等の異物を踏んだ際に他の部材へ悪影響が及ぶことを防止するという観点からは高歪領域(200〜300%歪)における応力が小さいことが好ましい。
<タイヤ>
本発明のタイヤは、少なくとも一部を上記エラストマー組成物で構成したことを特徴とし、それ以外は通常のタイヤと同様の製造方法を用いて製造することができる。
次に、本発明のタイヤを、図を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明のタイヤの一例の断面図である。図1に示すタイヤは、一対のビード部1及び一対のサイドウォール部2と、両サイドウォール部2に連なるトレッド部3とを有し、上記一対のビード部1間にトロイド状に延在してこれら各部1,2,3を補強するカーカス4と、該カーカス4のクラウン部のタイヤ半径方向外側に位置するベルト5とを具える。
図示例のタイヤにおいて、カーカス4は、一枚のカーカスプライからなり、また、上記ビード部1内に夫々配設した一対のビードコア(ワイヤ)6間にトロイド状に延在する本体部と、各ビードコア6の周りでタイヤ幅方向の内側から外側に向けて半径方向外方に巻上げた折り返し部とからなる。なお、図示例のカーカス4は、一枚のカーカスプライよりなるが、本発明のタイヤにおいては、カーカスプライの枚数は複数であってもよい。
また、図示例のタイヤにおいて、ベルト5は、二枚のベルト層からなるが、本発明のタイヤにおいて、ベルトを構成するベルト層の枚数は一枚以上であればよく、これに限られるものではない。更に、本発明のタイヤは、ベルト5のタイヤ半径方向外側に、タイヤ周方向に対し実質的に平行に配列したコードのゴム引き層からなるベルト補強層を具えてもよく、ベルト5の端部と該ベルト補強層との間に更に層間ゴムを具えることもできる。
そして、図示例のタイヤは、少なくともトレッド部3に、代替原料として上述したセルロース短繊維を含む残滓を配合したエラストマー組成物を用いることを特徴とする。セルロース短繊維を配合したエラストマー組成物をトレッド部3に使用することで、セルロース短繊維と路面との相互作用により走行安定性、ウェット性能、氷雪性能の向上が可能なタイヤを提供することができる。
なお、上記エラストマー組成物を用いる部材としては、トレッドゴムの他、サイドゴム、ビードワイヤの半径方向外側に位置するビードフィラーないしスティフナー、カーカスやベルトのコーティングゴム等が挙げられる。
また、本発明のタイヤに充填する気体としては、通常の或いは酸素分圧を調整した空気の他、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスを用いることができる。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1〜4)
バンバリーミキサーを用いて、芋焼酎粕または茶殻(代替原料)を含むエラストマー組成物としてのゴム組成物を表1に示す配合処方で調製し、既知の加硫剤等を配合して通常の方法で加硫した後に以下の方法で弾性率および破断伸びを測定、評価した。結果を表1に示す。なお、表1中、代替原料の最大粒径はJIS Z8825−1に準拠して測定した。
(従来例1)
バンバリーミキサーを用いて、代替原料を含まないエラストマー組成物としてのゴム組成物を表1に示す配合処方で調製し、既知の加硫剤等を配合して通常の方法で加硫した後に以下の方法で弾性率および破断伸びを測定、評価した。結果を表1に示す。
(弾性率)
実施例1〜4および従来例1で作製したゴム組成物を160℃で15分加硫して得た加硫ゴムに対し、株式会社東洋精機製作所製のストログラフを用いて、温度25℃、引張速度100mm/minの条件で10%、25%、50%、200%、300%歪における弾性率を測定した。そして、10%、25%、50%歪における弾性率の平均値(低歪領域弾性率)と、200%、300%歪における弾性率の平均値(高歪領域弾性率)とを算出し、従来例を100.0として指数表示した。また、算出した低歪領域弾性率と高歪領域弾性率との比を求めた。
(破断伸び)
実施例1〜4および従来例1で作製したゴム組成物を160℃で15分加硫して得た加硫ゴムに対し、株式会社東洋精機製作所製のストログラフを用いて、温度25℃、引張速度100mm/minの条件で破断伸びを測定し、従来例を100.0として指数表示した。
Figure 0005452956
*1 乳化重合SBR、ゴム成分100質量部に対して37.5質量部のアロマ油で油展
*2 旭カーボン株式会社製、N110
*3 代替原料A:芋麹:米麹=4:1の割合で発酵処理を行い製造した芋焼酎の粕(粕中の固形分の組成は芋短繊維:芋細胞壁=1:4)をスプレードライヤー(大川原加工機製)にて乾燥したもの(含水率8質量%)
代替原料B:芋麹:米麹=4:1の割合で発酵処理を行い製造した芋焼酎の粕(粕中の固形分の組成は芋短繊維:芋細胞壁=1:4)をCDドライヤー(西村鐵工所製)にて乾燥した後、ワンダーブレンダー(アズワン製)により粉砕したもの(含水率8質量%)
代替原料C:飲料製造工場より排出された茶殻をオカラット(INAX製)にて乾燥した後、セレンミラー(増幸産業製)により粉砕したもの(含水率8質量%)
1 ビード部
2 サイドウォール部
3 トレッド部
4 カーカス
5 ベルト
6 ビードコア

Claims (4)

  1. ゴム成分に対して、有機物の発酵処理において生じる残滓と、植物資源を溶媒に浸漬して固液抽出を行った後に残る植物資源抽出残渣との少なくとも一方からなる代替原料を配合したタイヤ用ゴム組成物であって、
    温度25℃、引張速度100mm/minの条件で測定した10%、25%、50%歪における弾性率の平均値である低歪領域の弾性率に対する、温度25℃、引張速度100mm/minの条件で測定した200%、300%歪における弾性率の平均値である高歪領域の弾性率の比が2.7以下であり、
    前記有機物の発酵処理において生じる残滓が芋焼酎粕であり、前記植物資源を溶媒に浸漬して固液抽出を行った後に残る植物資源抽出残渣が茶殻であり、
    前記代替原料の配合量が、前記ゴム成分100質量部に対して10質量部以下であることを特徴とする、タイヤ用ゴム組成物。
  2. 前記代替原料の配合量が、前記ゴム成分100質量部に対して0.5質量部以上であることを特徴とする、請求項1に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  3. 前記代替原料の粒径が600μm以下であることを特徴とする、請求項1または2に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  4. 少なくとも一部を、請求項1〜の何れかに記載のタイヤ用ゴム組成物で構成したことを特徴とする、タイヤ。
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