図1は、実施例1におけるレーザスキャナを示した図である。ここでは、4色のトナーを用いて画像を形成する画像形成装置を一例として取り上げて説明する。なお、図中のYMCKは、トナー色であるイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックを意味する。参照番号において、各色を区別する必要がある場合には、YMCKを参照番号の末尾に付与するが、区別が必要ない場合はYMCKを省略する。
エンジンコントローラ1350は、CPU961及びGBD生成回路190とを備えている。GBDは、モータ回転基準信号の略称とする。モータ回転基準信号(GBD)は、モータ回転制御の目標状態を指し示す信号である。GBDは、繰り返し(周期)信号である。よって、GBDにおける隣り合った2つの立ち下りエッジの間隔がモータの回転周期に対応している。GBDの立下り時刻はモータの回転位相を指し示している。GBDはモータの加速または減速によりフィードバック制御を行う際の速度基準かつ位相基準となる。GBDは、回転検知信号BDと、同一周期となるように設計される。例えば、6面ポリゴンミラーであれば、GBDもBDもポリゴンミラーが1回転するたびに6回の立ち下がりを発生する。また、GBDとBDの差が極力小さくなるようにフィードバック制御が実行される。
CPU961は、エンジンコントローラ1350における主要な制御ユニットである。GBD生成回路190は、CPU961からの指示に応じてGBDを生成する回路である。CPU961は、GBD生成回路190を制御して、YMCKの各色に対応したGBDをモータ回転制御ユニット1310へ出力する。
モータ回転制御ユニット1310は、レーザ素子から出力されるレーザ光を偏向する回転多面鏡(ポリゴンミラー802)を駆動するDCブラシレスモータを制御するユニットであり、各色ごとに存在する。ポリゴンミラー802によって反射されたレーザ光は、感光ドラム708とBD検知素子803との上を走査することになる。モータ回転制御ユニット1310は、DCブラシレスモータの主な部品は、励磁用の3相励磁コイル1317と、永久磁石ローター1319である。加減速信号生成部197は、GBDと、DCブラシレスモータに取り付けられたホール素子から出力されるホール素子信号FGとに基づいて、加速信号ACCと減速信号DECとを生成して、モータドライバIC1315へ出力する。モータドライバIC1315は、回転多面鏡を駆動する駆動手段の一例であり、加速信号ACCと減速信号DECに基づいて3相信号Pを生成し、DCブラシレスモータに供給する。これにより、DCブラシレスモータの回転速度が目標回転速度へと制御される。なお、モータドライバIC1315は、DCブラシレスモータに取り付けられたホール素子から出力されるホール素子信号FGを増幅して加減速信号生成部197へ供給する。
図2は、実施例1における加減速信号生成部197の内部構成の一例を示した図である。GBD生成回路190は、高速クロックXAを発生する順序回路である第1のクロック生成部191から高速クロックXAを供給され、高速クロックXAにしたがって順序回路動作を行う。よって、GBD生成回路190は、第1クロックにしたがって順序回路動作を行い、回転多面鏡の回転基準となる回転基準信号を生成する回転基準信号生成手段の一例である。加減速信号生成部197は、低速クロックXBを生成する順序回路である第2のクロック生成部139から低速クロックXBを供給される。高速クロックXAの周波数は、文字通り、低速クロックXBの周波数よりも高い。また、低速クロックXBの周期は、1回転1発信号Bの周期よりは短い。このように、第1のクロック生成部191は、第1クロックを生成する第1クロック生成手段の一例である。また、第2のクロック生成部139は、回転基準信号の周期よりも短く、かつ、第1クロックの周期よりも長い周期の第2クロックを生成する第2クロック生成手段の一例である。
加減速信号生成部197は、主に、ダブルラッチ回路(WLFF)181、平均処理回路180、BD制御部155、FG制御回路141、第1のセレクタ144及び第2のセレクタ145を備えている。BDはビーム検出やビーム検出信号の略称である。ダブルラッチ回路181は、Dフリップフロッップを2段備え、高速クロックXAで動作しているGBD生成回路190から出力されるGBDを入力する。GBD生成回路190は高速クロックXAで動作し、加減速信号生成部197は低速クロックXBで動作している。XAとXBは非同期であるため、これを吸収するために、ダブルラッチ回路181が必要となる。
平均処理回路180は、GBDを受信し、単一信号であるGBDから、複数の状態信号を抽出することで、モータ回転制御の目標状態を正しく把握するための回路である。平均処理回路180は、第2クロックにしたがって順序回路動作を行い、回転基準信号を受信する受信手段の一例である。平均処理回路180は、主に、周期計測部192、逸脱判定部193、平均処理部194及び目標速度保持部195を備えている。周期計測部192は、GBDの周期を計測し、周期の計測値Cを、例えば、16bitのデジタルデータとして出力する。周期計測部192は、第2クロックにしたがって回転基準信号の周期を測定する周期測定手段の一例である。逸脱判定部193は、周期の計測値Cが所定の範囲内(例:GMIN=<C=<GMAX)であれば、逸脱していないことを通知するために逸脱判定信号EをLoにする。逸脱判定部193は、周期の計測値Cが所定の範囲外であれば逸脱判定信号EをHiとする。逸脱判定部193は、周期が所定範囲内であるかそれとも所定範囲を逸脱しているかを判定する判定手段の一例である。平均処理部194は、GBDをイネーブルトリガとして16bit値である計測値Cを4回累積加算する。平均処理部194は、周期測定手段が測定した複数の周期の平均値を決定して、平均値を判定手段に供給する平均値決定手段の一例である。平均処理部194は、平均化処理として4回の累積加算が終了すると、それを知らせる信号S4を目標速度保持部195へ出力する。なお、逸脱判定信号EがHiになると、平均処理部194は、累積加算をするカウンタや、累積回数を数えるカウンタをゼロにリセットする。平均処理部194は、周期に応じて回転多面鏡の回転速度の目標速度を決定する目標速度決定手段の一例である。また、平均処理部194は、周期が所定範囲を逸脱していると判定されると、保持手段に保持されている目標速度の変更を抑制する抑制手段としても機能する。目標速度保持部195は、目標速度を保持する保持手段の一例であり、4回目を知らせる信号S4に従って累積結果の下位2bitを切り捨て、上位16bitを保持する。さらに、目標速度保持部195は、上位16bitにポリゴンミラー面数(例:6面)を乗算し、1回転目標速度値を算出して保持する。1回転目標速度値とは、低速クロックXBのカウント量で示される時間に相当する多ビットデータである。この時間は、モータ1回転の目標周期時間に相当する。なお、2bitの切り捨ては「4による除算」であり、平均処理に相当する。よって、高速クロックXAによって最初に示された目標となるBD周期の500usecは、低速クロックXBの4回加算によって「4万カウント前後」の累積値となる。このように、4による除算と面数6の乗算とによって、目標速度保持部195が出力するT1は「6万カウント前後」となる。
BD制御部155は、GBDから得られる1回転目標速度値と、目標位相と、BDから得られる現在のモータ回転状態との差異から、モータの加減速信号を生成して、その差異が極力小さくなるようにフィードバック制御をするための回路である。BD制御部155は、主に、波形整形部131、分周器151、位相差検知回路152、除算器154、禁止処理回路170、加減算器166、速度差検出器164、二分周器132、立ち上がりエッジ検出器133、立ち下がりエッジ検出器134、ACC信号DEC信号幅生成第1回路135、ACC信号DEC信号幅生成第2回路136、ORゲート回路137、NANDゲート回路138を備えている。波形整形部131は、ダブルラッチによってセンサ信号を低速クロックXBに同期したパルスへと量子化する回路である。分周器151は、入力されたBDをミラー面数(例:6)で分周して、1回転1発信号Bを生成し、後段へ出力する。つまり1回転1発信号Bは、ポリゴンミラーが1回転するごとに1つのパルスとなる信号である。1回転1発信号Bは、ポリゴンミラーの回転状態を示す回転状態信号である。よって、分周器151は、回転多面鏡の回転状態を検知し、回転状態を示す回転状態信号を出力する回転状態検知手段として機能している。位相差検知回路152は、GBDとBを入力し、両者の位相差を示す位相差量T2を算出して出力する。位相差検知回路152は、第2クロックにしたがって回転状態信号と回転基準信号との位相差を測定する位相差測定手段の一例である。除算器154は、位相差量T2にゲイン調整値(例:2−7)を乗算し、ゲイン調整後位相差調整量T3を算出して出力する。除算器154は、位相差に基づいて回転多面鏡の回転位相の制御量を決定する制御量決定手段の一例である。
禁止処理回路170は、T3、E及びモータ速度差信号であるPENを入力し、もし、Eが範囲の逸脱を示していれば、位相制御量T4をゼロに設定する。Eが範囲の逸脱を示していなければ、禁止処理回路170は、ゲイン調整後位相差調整量T3を位相制御量T4として出力する。このように、禁止処理回路170は、周期が所定範囲を逸脱していると判定されると、位相差が制御量に反映されることを抑制する抑制手段として機能する。加減算器166は、T1に対してT4を加減算し、得られた位相差から求められた加減速制御量を目標速度値の調整量として計算する。例えば、GBD信号よりBD信号が遅れているために位相差が加速側の値であれば、減算調整が実行される。逆の場合には、加算調整が実行される。速度差検出器164は、1回転1発信号Bの周期を計測し、その計測値に基づいて位相制御量T4の無効判断をする。例えば、BD信号周期がT3の半周期より長い場合には、位相差が適切に検出されていないと判断する。よって、速度差検出器164は、PEN信号をLoとして出力し、位相制御量T4をゼロに設定する。立ち上がりエッジ検出器133と、立ち下がりエッジ検出器134と、二分周器132は、1回転1発信号Bごとに交互動作するトリガ信号を各々生成する。その結果、ACC信号DEC信号幅生成第1回路135およびACC信号DEC信号幅生成第2回路136が、交互動作する。ACC信号DEC信号幅生成第1回路135は、立ち上がりエッジ検出器133からのトリガ信号でゼロリセットするカウンタであり、リセット時は出力をHiにする。ACC信号DEC信号幅生成第1回路135は、次のクロックからカウントアップして行き、カウント値がT4を超えると出力をLoに変更する。ACC信号DEC信号幅生成第2回路136側も、第1回路と同等の構成であり、1回転1発信号Bにしたがって動作する。ORゲート回路137は、BD信号に基づいた加速信号を生成し、ACC信号DEC信号幅生成第1回路135および第2回路136が両方Hiの時間帯にのみ、加速指示として出力(PACC)をLoにする。NANDゲート回路138は、ACC信号DEC信号幅生成第1回路135および第2回路136が両方Loの時間帯にのみ、減速指示として出力(PDEC)をLoにする。このように、BD制御部155は、位相差に基づいて駆動手段に加速信号または減速信号を供給する制御手段の一例である。
BD信号とGBD信号の差異が無くなると、ACC信号DEC信号幅生成第1回路135の出力と第2回路136の出力とは互い違いの値へと同時に遷移するようになる。ORゲート回路137の出力とNANDゲート回路138の出力は両方ともHiを維持するため、加速指示も減速指示も行われなくなる。
FG制御回路141は、FG用1回転目標速度値と、FGから得られる現在のモータ回転状態との差異から、モータの加減速信号に生成して、その差異が極力小さくなるようにフィードバック制御をするための回路である。FG制御回路141は、分周器147、速度差検出器148を備えている。分周器147は、FGを1回転あたりのFG極パルス数で分周し、1回転1発信号Fを生成して、後段へ出力する。FG用の1目標速度値146は、CPU961からの指示に基づく固定レジスタ設定値である。速度差検出器148は、目標速度値146とFを入力し、FG回転速度を計測し、その差異が小さい場合にのみ、FG/BD選択信号SEとしてHiを出力する。なお、FG回転速度は、1回転1発信号Fの信号間隔測定により求められるクロックカウント値である。SEは、出力すべきACCを選択する第1のセレクタ144と、出力すべきDECを選択する第2のセレクタ145とに供給される。第1のセレクタ144は、SEがHiの場合、BD制御部155から出力されてきたACCを選択し、SEがLoの場合、FG制御回路141から出力されてきたACCを選択する。同様に、第2のセレクタ145は、SEがHiの場合、BD制御部155から出力されてきたDECを選択し、SEがLoの場合、FG制御回路141から出力されてきたDECを選択する。
分周器172は、1回転1発信号Fを2分周して出力する。立ち上がりエッジ検出器173および立ち下がりエッジ検出器174により、分周された1回転1発信号Fの立ち上がりと立ち下がりに対応したパルスが生成される。従って、立ち上がりエッジ検出器173と立ち下がりエッジ検出器174とから交互に1回転1発信号Fが出力される。これらの出力は、17bitカウンタ175、176に交互に入力される。17bitカウンタ175、176は、立ち上がりエッジ検出器173、立ち下がりエッジ検出器174の出力でカウント値をリセットし、基準となる低速クロックCLKを速度目標値までカウントした後、カウントを停止する。これらの出力は、リセット後カウント中はHiで、速度目標値までカウントしたときにLoとなる。17bitカウンタ175、176の出力がLoである時間が、画像形成時の1回転1発信号Fの周期と同じになるように低速クロックCLKと速度目標値とが予め設定されている。17bitカウンタ175、176の出力の論理和をOR回路177で取ることにより、速度系加速信号FACC信号が得られる。また、17bitカウンタ175、176の出力をNANDゲート回路138で取ることにより、速度系減速信号FDEC信号が得られる。
図3は、実施例1における逸脱判定部193の内部構造の一例を示した図である。逸脱判定部193は、CPU961からGMAX、GMINおよびCを設定される。GMAXおよびGMINは、回転基準信号の周期を判定するために使用される所定範囲を定義する情報である。すなわち、GMAXは、副走査倍率の微調整範囲の上限値であり、GMINは、副走査倍率の微調整範囲の下限値である。このように、所定範囲は、副走査倍率の微調整範囲に対応して決定された範囲である。一般に、用紙の裏面への画像形成は、表面に画像が形成された後に実行される。表面の定着処理によって用紙が加熱及び加圧されると、用紙が一時的に伸びる。なお、用紙の温度が下がると、用紙は縮み、再度元の大きさに戻る。なお、用紙の素材によっては、加熱と伸縮との関係が正反対の場合もある。よって、裏面と表面とで、同一の副走査倍率にて画像を形成してしまうと、用紙の温度が常温に戻ったときに、表面の画像サイズと裏面の画像サイズとが異なってしまう。用紙の伸縮を考慮して、裏面の倍率は、表面の倍率よりも大きくする必要がある。例えば、副走査倍率の微調整範囲が基準倍率(例:10000XBカウント)の±1%であれば、GMIN=9900、GMAX=10100と設定される。第1の比較器201は、CとGMAXとを比較し、比較結果を論理和回路203に出力する。同様に、第2の比較器202は、CとGMINとを比較し、比較結果を論理和回路203に出力する。論理和回路203は、GMIN=<C=<GMAXが満たされたときにゼロ(Lo)を出力し、そうでなければ1(Hi)を出力する。
図4は、実施例1の平均処理部194と目標速度保持部195の内部構造の一例を示した図である。回路185は、GBDをイネーブルトリガとして16bitのCを4回累積加算する回路である。回路186は、GBDをイネーブルトリガとして機能する4回のカウンタと比較器とを備え、4回目を知らせる回路である。回路185、186は、逸脱判定信号Eによってリセットされる。目標速度保持部195は、4回目を知らせる信号S4に従って累積結果の下位2bitを切り捨て、上位16bitを保持する。目標速度保持部195は、これにポリゴンミラー面数を乗算して、1目標速度値T1として保持する。
図5は、GBD生成回路190の全体像である。図中の参照符号の末尾に付与したxyzwは、4つのチャネルを区別するために付与した文字であり、省略されることがある。
紙先端信号ITOPは、CPU961によって生成された信号であり、スイッチ1141x、141y、141z、141wに入力される。スイッチ1141x、141y、141z、141wの各出力は、それぞれ水平同期信号カウンタチャネル1150x、1150y、1150z、1150wに入力される。これらの4つのスイッチは、4つの水平同期信号カウンタのどれか1つにITOP信号を順に入力を許可するように機能する。以下では、水平同期信号カウンタチャネルを単にチャネルと称す。1枚目の紙先端では、スイッチ1141xのみがONする。よって、チャネル1150x以降がITOPに応答して動作を開始する。2枚目以降の紙先端から、順次、チャネル1150y、1150z、1150wにITOPが伝達される。
チャネル1150x、1150y、1150z、1150wは、ITOP信号からタンデム方式の各ドラム間遅延時間を計時し、各色の先端位置信号および水平同期信号を発生する発生回路である。チャネル1150xには、さらに、1ライン以下の遅延量1111x、ポリゴン回転周期1121x、先端位置ライン数1135xが入力される。チャネル1150xは、これらに基づいて、ポリゴン位相制御信号1138x、先端位置信号1137xを後段のセレクタ140へ出力する。1ライン以下の遅延量1111xは、4色のドラム間遅延時間の各々を、当該ページのポリゴン回転周期で割った余り時間である。これは、クロックカウント値としてCPU961から指示される4つのレジスタ設定値である。ポリゴン回転周期1121xは、当該ページの主走査周期である。これは、4色共通で1つのクロックカウント値がCPU961から指示される1つのレジスタ設定値である。先端位置ライン数1135xは、4色のドラム間遅延時間を、当該ページのポリゴン回転周期で割った商の整数である。これも、CPU961から指示される4つのレジスタ設定値である。ポリゴン位相制御信号1138xは、当該ページの4色の各GBDに相当する4本の信号束である。先端位置信号1137xは、当該ページのITOP信号から、所定のドラム間遅延時間を経過した4色の各先端を指し示す4本の信号束である。なお、他のチャネル1150y、1150z、1150wも各ページの特性に対応したレジスタ設定値にて、各々同様に動作する。
セレクタ140は、各チャネルから出力されたポリゴン位相制御信号と先端位置信号1137xとに基づいて、上述したGBD信号と先端位置信号1137をモータ回転制御ユニット1310へ出力する。
例えば、1枚目を両面印刷し、2枚目は片面印刷する場合に、1枚目の表面(1面目)はチャネル1150xで処理し、1枚目の裏面(2面目)はチャネル1150yで処理し、2枚目の表面(3面目)はチャネル1150z、で処理することができる。
図6は、チャネル1150の構成例を示した図である。上述した1ライン以下の遅延量1111、信号遅延部1110、先端位置ライン数1135、及び、ポリゴン回転周期1121は、ドラム間遅延量m0、c0、k0と、両面プリントのそれぞれの副走査倍率に基づいてCPU961が決定する。なお、ドラム間遅延量m0は、感光ドラム708Yに対する感光ドラム708Mについての遅延量である。ドラム間遅延量c0は、感光ドラム708Yに対する感光ドラム708Cについての遅延量である。ドラム間遅延量k0は、感光ドラム708Yに対する感光ドラム708Kについての遅延量である。1ライン以下の遅延量1111Yは、通常、0である。
信号遅延部1110は、入力された1ライン以下の遅延量1111に応じて、紙先端信号ITOPを遅延させる回路である。水平同期信号発生部1120は、遅延処理された紙先端信号ITOPと、入力されたポリゴン回転周期1121とに応じてポリゴン位相制御信号(GBD信号)と、先端位置信号を出力する。カウンタ1130は、ポリゴン位相制御信号をカウントする。比較器1136は、カウンタ1130のカウント値と先端位置ライン数1135とを比較し、比較結果に応じて先端位置信号1137を生成して出力する。
図7(a)は、水平同期信号発生部1120の構成例を示した図である。図7(b)は、パルス整形回路303に入力される水平同期信号と水平同期信号を整形して出力した信号を示した図である。カウンタ回路301は、外部リセットかつ自己リセット付のカウンタである。コンパレータ回路302は、カウンタ回路301から出力された値と、ポリゴン回転周期1121とを比較し、モータ回転の基準となる回転基準同期信号GBDの基となる水平同期信号を生成して出力する。パルス整形回路303は、図7(b)に示すように、水平同期信号をパルス整形して出力する。
図8は、1枚目の表面(1面目)に関するチャネル1150xからの出力信号の一例を示した図である。4色作像のトリガとなる紙先端信号ITOPが、スイッチ1141xを経由してチャネル1150xに到達する。遅延が0であるから、紙先端信号ITOPを基準に水平同期信号発生部1120xのカウンタ回路301をリセットし、周期信号の発振を開始する。ポリゴン回転周期1121に基づいて、GBDが生成されて出力される。出力されたGBD_Y、GBD_M、GBD_C、GBD_Kは、セレクタ140によって選択されて後段へ出力される。図8において、水平同期信号は立ち下がり基準エッジの部分を縦線のように図示している。この縦線部分の1つ1つは、図7(b)に示すように、40クロック時間(高速クロックXA)のLoパルス信号となっている。
GBD信号150YMCKおのおのがパルス整形回路303によって整形されて出力している。パルス整形回路303で整形するのは、後段の加減速信号生成部197内のダブルラッチ回路181にて、低速クロックXBで信号の遷移タイミングを漏れなく非同期受信できるようにするためである。信号がHiからLoへ遷移するタイミングを基準として扱う設計であるので、GBD信号150は、低速クロックXBの2クロック周期より十分長い間隔で遷移する信号であることが望ましく、40クロック時間より大きくてもよい。
GBD生成回路190の順序回路は、高速クロックXAで駆動される。すなわち、高速クロックXAの周期を基本単位として、カウントによる時間計測が実行され、各種の信号が生成される。高速クロックXAは、例えば、200MHz(=5ns)であり、水晶発振器によって発振される。
目標となるBD周期は、ポリゴン回転周期1121によって表現される。ポリゴン回転周期1121は、副走査倍率に応じて定められる。プリント用紙の種類に応じて用紙の副走査方向における伸縮率は異なる。よって、CPU961は、プリント用紙の種類に応じて決定したポリゴン回転周期1121を、GBD生成回路190が備えるレジスタに設定する。
図9は、実施例1のプリントシーケンスにおけるCPU961の動作フローと各制御部への指示を示した図である。ここでは、1枚目は両面印刷を実行し、2枚目は片面印刷を実行するものと仮定する。1枚目表面の周期は、基準値の100%とし、1枚目裏面の周期は101%として、2枚目表面の周期99%と仮定する。図9中の左はCPU961が実行する各ステップを示し、図中の中央はレーザスキャナ制御の状態遷移を示し、図中の右はGBD生成回路190の状態を示している。
S201で、CPU961は、プリント指示が入力されると、作像準備をする。例えば、PWM(パルス幅変調)の設定など、作造に必要な準備を実行する。
S210で、CPU961は、4つの加減速信号生成部197にモータの回転指示を送信する。加減速信号生成部197は、CPU961の指示にしたがってDCモータの回転を開始する。すなわち、加減速信号生成部197は、モータドライバIC1315から入力されたFG信号にしたがってDCモータをフィードバック制御する。これにより、DCモータの回転速度が所望のFG信号回転速度となる。
状態0において、レーザ素子は消灯している。よって、CPU961はレーザ点灯制御を開始するためのAPC(自動光量制御)の設定を開始する。また、CPU961は、感光ドラム708の回転も開始する。
S215で、CPU961は、両面1面目の副走査倍率に相当するGBD信号を出力するようGBD生成回路190に指示する。
ここで、状態0から状態1へと移行する。状態1では、DCモータは回転しているが、レーザ素子は依然として消灯したままである。
S212で、加減速信号生成部197は、DCモータの回転速度が安定したか否かを判定する。加減速信号生成部197が備える速度差検出器148は、FG信号が所望の回転速度範囲になったことを示しているか否かを判定する。例えば、FG回転速度が安定するまでに起動からおよそ3sec程度かかる。FG回転速度が安定すると、S220に進む。この時点で状態1から状態2へ遷移する。
S220で、加減速信号生成部197は、モータドライバIC1315を使用して、初期APC制御を開始する。初期APCとは、BD検知素子803にレーザ光を入射させるに当たって、BD信号を生成することができる光量でレーザ光を出射させるために行う光量制御である。実際のAPCは、加減速信号生成部197から通知される状態情報と連動し、次の7つの制御状態を取る。
状態0・・・モータ停止・レーザ消灯
状態1・・・モータ回転・レーザ消灯
状態2・・・モータ回転・初期APC
状態3・・・モータ回転・BDサーチ用レーザ点灯
状態4・・・モータ回転・走査内APC
状態5・・・モータ回転・走査内APC
状態6・・・モータ制御・レーザ消灯準備
ここで、走査内APCとは、画像形成中に行うレーザ光の光量制御である。感光体上に静電潜像を形成するためにレーザを点灯させるが、その際に発光素子の温度が上昇する。発光素子の温度が上昇すると、その温度上昇の影響によってレーザ光の光量が低下する。レーザ光の光量が低下したまま次の走査において静電潜像を形成すると、静電潜像の電位が所望の値にならず、画像の濃度が低下してしまう。そこで、次の走査が開始される前(前の走査が終わり次の走査が始まるまでの間)に、すべての発光素子のAPCを行い、発光素子を駆動する駆動電流を調整する。このような制御を行うことによってレーザ光が走査されるごとに形成される静電潜像の電位が不均一になることを抑制する。
S221で、モータドライバIC1315は、規定時間に到達したか否かを判定する。規定時間に到達すると、初期APCを終了し、S230に進む。なお、レーザ光の強度は、BD信号の取得に十分な強度となる。規定時間は、例えば、およそ2msecである。
S230で、加減速信号生成部197は、レーザフル点灯によるBD信号サーチを実行する。これにより、状態3へ遷移する。例えば、レーザ素子がレーザA、レーザB、レーザC及びレーザDにより構成されている場合、レーザAがBDサーチに使用される。
通常、ポリゴンミラーの回転速度が安定するまではFG信号により回転速度を制御し、ポリゴンミラーの回転速度が安定してからはBD信号により回転速度を制御する。回転速度が安定する前にBD信号による回転速度の制御を行おうとすると、加減速信号生成部197は、どのタイミングでBD検知素子803にレーザ光が入射するかわからないため、常にレーザを点灯させておかなければならない。すると、感光体が無用に露光されてしまう。また、常にレーザを点灯させなければならないので、レーザの寿命という観点でもポリゴンミラーの回転速度が安定するまでは、BD信号によりポリゴンミラーの回転速度を制御するのは好ましくない。そこで、上記のとおり、ポリゴンミラーの回転速度が安定するまではFG信号により回転速度を制御し、ポリゴンミラーの回転速度が安定してからはBD信号により回転速度を制御する。
ポリゴンミラーの回転速度が安定すると、BD信号による回転速度の制御に切り替わる。その際、加減速信号生成部197は、どのようなタイミングでレーザ光を出射させればBD検知素子803にレーザ光が入射するかわからない。そのため、どのようなタイミングでレーザを点灯させればよいかを判定するため、所定時間にわたりレーザを点灯させたままにする(これをレーザフル点灯と呼ぶ)。その際に、BD検知素子803に入射するレーザ光のタイミングをBD信号から検出し、レーザ光を点灯させるタイミングを決定する(これをBDサーチと呼ぶ)。
S231で、加減速信号生成部197は、BDサーチが終了したか否かを判定する。例えば、BDサーチの開始後、BD信号が2回検知されたことによって、BDサーチは終了する。BDサーチが終了すると、S241に進む。これにより、状態4へ遷移する。
S241で、加減速信号生成部197は、BD信号が6回検知されたか否かを判定する。ポリゴンミラー802の反射面は6面あるため、BD信号の6回の検知は、ポリゴンミラー802の1回転に相当する。BD信号が6回検知されると、S250に進む。事前に6回のBD検知を行う理由は、バラツキの大きな反射面を特定し、バラツキの小さな反射面を用いて回転制御を行うためである。
モータ回転制御ユニット1310は、CPU961からの指示とFG/BD切替部(速度差検出器148)の最終判断により、FG/BD切替信号SEを遷移させて、FG制御からBD制御へと移行する。
S250で、加減速信号生成部197は、BD制御ヘ移行する。これにより、状態5へ遷移する。BD制御では、BD信号とGBD信号を用いて、モータのフィードバック制御が実行される。平均処理回路180は、BD制御へ移行する前にGBD信号の送受信を終了している。よって、BD制御では、1回転の目標速度値T1、逸脱判定信号E、GBD信号及びBD信号に基づいて、モータ回転制御が開始される。
上述したように、1回転1発信号Bを用いて加速信号ACCと減速信号DECが生成される。第1のセレクタ144および第2のセレクタ145は、FG/BD選択信号SEしたがって、それぞれ加速信号ACC、減速信号DECを選択して出力する。このときFG信号に基づく回転速度とGBD信号で指示される回転速度との差は1%以下程度である。よって、BD信号によるモータ制御およびAPCはスムーズに開始される。
FG制御とBD制御の違いについて補足する。FG制御では、FG制御回路141が速度制御(FG信号の検知周期によるフィードバック制御)を実行する。一方、BD制御では、BD制御回路155が速度制御(BD信号の検知周期によるフィードバック制御)および位相制御(BD信号とGBD信号の位相差によるフィードバック制御)を実行する。BD制御回路155の順序回路は、低速クロックXBによって動作している。よって、カウントによる時間計測や、信号生成も低速クロックXBに同期して実行される。
S251で、CPU961は、DCモータの回転速度が安定したか否かを判定する。例えば、加減速信号生成部197は、BD信号に基づいて回転速度が安定したか否かを検知できる。よって、CPU961は、加減速信号生成部197と通信して回転速度が安定したか否かを判定する。安定したことが確認できると、S252に進む。
S252で、CPU961は、描画開始準備として、現像高圧バイアスの印加を開始する。
S260で、CPU961は、プリントコントローラおよびPWM部に描画開始を指示する。これにより、1面目の画像のプリントデータがプリントコントローラから送出され、PWM部はプリントデータにしたがってレーザ素子の駆動信号を送出する。具体的には、プリントコントローラから出力されるライン単位の画像データは、BD信号を基準としてPWM部に転送される。PWM部は、画素単位で画像データをPWM変調する。これに応じて、レーザドライバは、レーザ素子を駆動する。レーザ光が感光ドラム708の表面を走査し、静電潜像が形成される。
S261で、CPU961は、1面目(1ページ目)の画像形成が終了したか否かを判定する。1面目の画像形成が終了すると、S270に進む。なお、用紙のサイズがA3(主走査297mm、副走査420mm)であれば、描画時間は約2000msecである。なお、描画時間は機種によって異なる。
S270で、CPU961は、1枚目裏面(2面目)用に画像を縮小した描画をするための準備を開始する。すなわち、CPU961は、DCモータの回転速度の変更を指示する。画像の縮小は、加熱加圧定着処理によって紙の水分が低下することで発生する用紙の縮小特性に応じて実行される。これにより、表面裏面の画像サイズを揃う。副走査方向における画像の縮小はDCモータの加速によって実現される。
このとき、1枚目裏面(2面目)の縮小率として、A3紙の経験値に基づき、1%(主走査方向で−2.97mm、副走査方向で−4.2mm相当)を適用したものと仮定する。この場合、DCモータは、1%加速し、回転速度は基準値に対して101%となる。
画像クロック基本周波数は、ポリゴン変速1%の補償に加え主走査の紙収縮1%を加え、102%の周波数アップ相当となる。画像クロック基本周波数とは、レーザプリンタの1画素を主走査する時間に対応する周波数である。画像クロック基本周波数は、レーザスキャナの光学設計とポリゴンミラーの回転速度とに基づいて決定される。本実施例では、目標回転速度に対するポリゴンミラーの回転速度が100%(ポリゴン変速0%)の場合、1200dpi解像度の1画素が40MHzで設計されている。CPU961は、PWM部の画像クロック基本周波数を高周波側へ変更する。なお、主走査方向の伸縮については本発明と直接関連の少ない従来技術であるので、その詳細な説明を省略する。
S242で、GBD生成回路190は、CPU961から受信した加速指示にしたがって、画像が1%小さくなるようなGBD信号を生成して出力する。S271で、加減速信号生成部197は、DCモータの変速を開始する。関連する遅延量など、チャネル1150xへの1面目の設定と同じ要領で、2面目の設定がチャネル1150yに対して行われる。セレクタ140の切り替え指示に伴い、500usec(=100000XAカウント)であったGBD信号の周期は、495usec(=99000XAカウント)となる。S272で、加減速信号生成部197は、DCモータの変速を終了する。その後、S280に進む。
図10は、実施例1のモータ制御における変速例を示した図である。(i)は、1面目の倍率100%から2面目の倍率101%へと変更するための、モータ変速を示している。GBDレジスタには、CPU961によって倍率が設定されている。よって、GBDレジスタの記憶内容の変更は、回転速度の切り替えトリガに相当する。GBD信号の周期(a)は100%であり、(b)は101%である。それぞれの後続部分では、周期(a)と周期(b)とが安定して継続する。1回転1回検知信号Bは、図1に示した信号である。ちょうど6回のBD信号が検知されると、加速信号ACCまたは減速信号DECが1回送出される。
GBD信号の変動を受けて、周期計測部192は計測を行う。チャネル1150xと1150yでのGBD位相関係が定義されないため、変動初期には(d)のようにGBD信号の周期が倍ほどとなってしまう。よって、回転速度が50%程度に低下してしまう場合がある。
本発明の逸脱判定部193は、これを検知し、逸脱判定信号EをHiに遷移させる。これにともない、平均処理部194は、リセットされ、T1が示すように、4回のカウントをやり直す。最終的に、T1は、101%(=9900XBカウント)となる。このように、平均値が所定範囲を逸脱していると判定されると、平均処理をリセットしてやり直させることで、目標速度保持部195に保持されている目標速度が維持されることになる。なお、逸脱判定信号EがLoであれば、平均処理部194は、平均化処理を継続する。すなわち、平均値が所定範囲を逸脱していないと判定されると、平均値にしたがって決定された目標速度によって、目標速度保持部195に保持されている目標速度が更新されることになる。
逸脱判定信号EがHiとなったため、禁止処理回路170は、目標速度値T1に加減算される前に、位相制御量T4を強制的に0に設定する。よって、目標速度切り替え時にポリゴンミラーが目標の回転速度に対して100%付近の回転速度で回転しているにも関わらず、目標の回転速度に対して50%の回転速度で回転していると誤判断されてしまうことを抑制することができる。
逸脱判定部193と平均処理部194の機能により、101%への目標の切り替えは、平均処理のやり直し開始部分を始点としてスムーズに終了する。これに伴い、BD制御部155は、S271で、GBD信号とBD信号の差異を小さくするよう、加速指示を送出する。これにより、DCモータドライバは、DCモータを加速させ、ポリゴンミラー802も徐々に加速する。
全体としては、トリガから平均やり直し開始部分を経由し(b3)のようにスムーズに、フィードバック制御が安定する。これにより、S272で、加減速信号生成部197は、変速を終了する。
図10の(b3)は目標速度値T1の変化に対してフィードバック制御が追従する様子を示した図である。この変速に要する時間(S271〜S272)は規定時間内(例:90msec)となるように設計される。
なお、従来例では、GBDの周期に従ってT1が倍程度の極端な長周期に設定され、加速とは逆の、期待しない急激な減速動作が発生する。倍周期の誤検知(S231)から6面遅れで正しい101%基準が制御に反映され、制御がやり直され。その結果、変速に要する時間は、140msecほどに遅くなる。
本実施例では、規定時間内に変速が終了する。よって、CPU961は、S270の変速開始指示から90msecにて、S280へ移行できる。
S280で、CPU961は、1枚目裏面(2面目)の描画開始指示をプリントコントローラおよびPWM部に送信する。これにより2面目のプリントデータについて描画が開始される。
S281で、CPU961は、2面目の描画が終了したか否かを判定する。例えば、2面目の描画開始から1990msec後に、2面目の描画が完了する。
S290で、CPU961は、変速の開始を指示することで、2枚目表面(3面目)用に画像を拡大して描画をするための準備を開始する。拡大するのは、1枚目と2枚目の紙種が異なるからである。例えば、樹脂系の用紙では、加熱加圧定着処理によって紙の樹脂成分が圧延するため、用紙が伸長する。よって、3面の画像サイズを、1面目及び2面目の画像サイズと一致させるためには、倍率の拡大が必要となる。
S252で、GBD生成回路190は、3面目の設定をチャネル1150zに適用する。セレクタ140の切り替え指示に伴い、495usec(=99000XAカウント)であったGBD信号の周期は、505usec(=101000XAカウント)となる。S291で、加減速信号生成部197は、DCモータの変速を開始する。
ここで、図10(ii)を参照する。CPU961からのセレクタ140への切り替え指示がモータ変速開始のトリガとなる。(ii)は、2面目の101%から3面目の99%へのモータ変速の様子を示している。GBDの周期(b)が101%に相当し、周期(c)は99%に相当する。
周期計測部192は、GBD信号の変動を検知する。変動初期には、図10(e)が示すように、GBD信号の周期が半分程度となり、回転速度が200%程度に増加してしまう場合がある。しかし、実施例1では、2面目と同じように、逸脱判定部と平均処理部194の機能により、99%への目標の切り替えがスムーズに終了する。全体としては、トリガから平均やり直し開始部分を経由し、(c3)のようにスムーズにフィードバック制御が安定する。S292で、加減速信号生成部197は変速を終了する。その後、S295に進む。本実施例では、変速時間は、90msecに収まるが、従来例では、最大で140msecほどに遅くなった。
S295で、CPU961は、2枚目表面(3面目)の描画開始指示をプリントコントローラおよびPWM部に対して行う。
S296で、CPU961は、3面目の描画が終了したか否かを判定する。例えば、3枚目の描画開始から2010msec後に3面目の描画が完了する。
S297で、CPU961は、プリント終了シーケンスを実行する。例えば、CPU961は、現像高圧バイアスの印加の解除を高圧電源部に指示する。また、CPU961は、感光ドラム708の回転を停止させる。さらに、CPU961は、ポリゴンモータ制御部に状態0への遷移を指示する。S298で、ポリゴンモータ制御部は、状態6に遷移する。その後、S299で、状態0へと遷移する。これに伴い、APCもレーザ消灯状態となる。これにより、終了シーケンスが完了する。
図10の(iii)は、S295からS296の区間のうち、GBD周期(c)[(f1)+(f2)=(c)]となる区間に、予期せぬGBDが増えた例を示している。(f1)(f2)のそれぞれで、GBD周期は、200%前後へ拡大し、異常周期となっている。
逸脱判定部193は異常周期を検知すると、逸脱判定信号Eを続けてHiに遷移させる。これに伴い、平均処理部194はリセットされる。図10のT1が示すように、平均処理部における4カウントをやり直す、禁止処理回路170が、即時に、位相調整量を0に強制する。よって、速度検知異常と位相差異常による応答が全てキャンセルされる。なお、従来例では、GBD周期(f1)、(f2)に従って描画中に異常速度が発生するので、画像不良が発生する。
本実施例によれば、GBD生成回路190が高速のクロックXAにしたがって回転基準信号を生成することで回転多面鏡における回転速度の微調整幅の高分解能化を達成できる。一方で、加減速信号生成部197は低速のクロックXBにしたがって動作するため、回路の規模の簡略化を達成できる。
さらに、回転基準信号の周期が所定範囲を逸脱したときには回転多面鏡の回転速度の目標速度を更新しないように制御することで、2種類のクロックが併設されることの弊害を低減できる。すなわち、GBD信号の送信側と受信側とが異なるクロックを使用すると、両者の非同期動作によって信号が不安定となる。その結果、制御精度が低下したり、電気的な外乱ノイズに対する耐性が低下したりして、形成される画像の品質も低下してしまう。本実施例では、GBD信号の周期にもとづいてGBD信号の信頼性を判断し、信頼性が高ければ受信したGBD信号に基づいて目標速度を更新し、信頼性が低ければ更新を抑制する。これにより、2種類のクロックが併設されることの弊害を低減できる。
また、本実施例では、回転状態信号と回転基準信号との位相差に基づいて回転位相の制御量を決定するが、回転基準信号の周期が所定範囲を逸脱したときには、位相差が制御量に反映されないようにする。これにより、信頼性の低い位相差に基づいて制御量が決定されてしまうことを抑制できる。すなわち、誤った制御に起因して発生する画質の低下を抑制できる。
また、測定した複数の周期の平均値を使用する実施例では、平均値が所定範囲を逸脱していると、平均処理をリセットしてやり直させることで、前回決定された目標速度を維持している。よって、信頼性の低い平均値に基づいた制御を抑制し、画質の低下を緩和できる。
また、副走査倍率の微調整範囲に対応して所定範囲を決定している。連続した画像形成処理中に画像の副走査倍率は微調整されることがある。例えば、両面画像形成では、1面目と2面目とでは用紙の伸縮が発生する。よって、この伸縮量に応じて副走査倍率を変えないと、1面目と2面目の画像のサイズが異なってしまう。両面画像形成だけでなく、多数枚の用紙に連続して画像を形成する場合も、徐々に画像のサイズが異なってしまうことがある。よって、副走査倍率を微調整する必要がある。また、回転基準信号の周期と副走査倍率には密接な関係がある。そこで、副走査倍率の微調整範囲に対応して所定範囲を決定することが望ましい。なお、所定範囲を画像の生産性能(単位時間あたりの画像形成枚数)としてもよい。さらに、低速クロックXBに基づいて動作するカウンタの時間単位で所定範囲を表現すると、回路構成を簡略化できるであろう。
以上、実施例1の装置によれば、高周波クロックXAにより、微細な副走査倍率調整が可能となる。高速クロックXAにより順序回路動作を行う部分をGBD生成回路190に限定することで、加減速信号生成部197側の回路規模を小さくでき、かつ、低コストを実現できる。また、実施例1によれば、装置の仕様によって決定される回転速度の変速範囲(例:±1%)に応じて逸脱判定範囲が決定される。