JP5450019B2 - コネクタ構造 - Google Patents

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Description

本発明は、端子金具とコネクタハウジングとシールドシェルとを有したシールドコネクタと、シールドコネクタが取り付けられるシールドケースと当該シールドケース内に配されて端子金具が重ねられる端子部とを有したコネクタ取付部と、を備えたコネクタ構造に関する。
移動体としての自動車には、多種多様な電子機器が搭載されている。例えば、ハイブリッドカーや電気自動車には、三相交流のモータや、このモータにバッテリからの直流電力を交流電力に変換して供給するインバータ等の電子機器が搭載されている。これらモータとインバータを接続するために、例えば、モータに接続されたケーブルを、インバータのケーブル接続部に取り付けるケーブル接続構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載されたケーブル接続構造は、複数のケーブルと、ケーブル接続部とを備えている。ケーブルは、電線と、電線の端末に接続された端子金具と、端子金具よりも電線の端末から離れた側に取り付けられた固定部と、を備えている。固定部は、電線を通して当該電線に取り付けられる筒部と、筒部の外周面から立設してボルト孔が形成されたブラケット部と、を備えている。
ケーブル接続部は、ケースと、ケース内に収容されてケーブルの端子金具が重ねられる端子部と、を備えている。ケースは、下ケースと、下ケースに取り付けられる上ケースと、上ケースに取り付けられるカバーと、を備えている。
下ケースは、絶縁性の合成樹脂で構成され、底壁と、底壁の外縁全周から立設した周壁とを備え、上ケースに向かって開口した箱状に形成されている。底壁には、端子部が重ねられている。周壁には、下ケース内に端子金具を挿入するための挿入孔が複数貫通している。また、周壁の外面でかつ挿通孔の外縁部には、ケーブルのブラッケット部がボルト固定されるソケットが取り付けられている。
上ケースは、絶縁性の合成樹脂で構成され、平板状に形成されている。上ケースには、端子部を露出させる露出孔が貫通している。上ケースは、下ケースの開口を覆うように当該下ケースに取り付けられる。
カバーは、絶縁性の合成樹脂で構成された平板状のカバー本体と、カバー本体の表面に取り付けられた複数の金属ばねとを備えている。カバー本体は、上ケースの露出孔の外形に沿った形状に形成され、外周面にパッキンが取り付けられている。また、カバー本体には、ボルトを通すボルト孔が貫通している。金属ばねは、一端部がカバー本体の表面に取り付けられ、端子部に対応する位置に設けられている。
前述したケーブル接続構造において、ケーブルをケーブル接続部に取り付ける際には、まず、下ケースの挿入孔を通して端子金具を下ケース内に挿入して端子部に重ね、この状態でブラケット部をソケットにボルト固定し、ケーブルを下ケースに固定する。そして、予め露出孔にカバーが挿入された上ケースを下ケースに重ねた後に、カバー本体のボルト孔にボルトを通して底壁にねじ込んで、カバー即ち上ケースを下ケースにボルト固定する。
すると、金属ばねは他端部が端子金具に押し付けられて弾性変形した後、弾性復元力で端子金具を端子部に向かって付勢して、端子金具を端子部に密着させる。こうして、例えば特許文献2に示すようなボルト締結を行うことなく、簡単かつ確実に端子金具と端子部を接続できる。
特開2004−199914号公報 特開平11−126661号公報
前述のようにモータに接続されたケーブルをインバータのケーブル接続部に取り付ける場合、ケーブルには高電圧が印加されるので、ケーブル等から外部に漏洩する電気的なノイズが周辺の電子機器等に悪影響を及ぼす虞がある。このため、例えばケーブル接続部の下ケースと上ケースとカバー本体を導電性の金属材料で構成することでアース経路を形成し、電気的なノイズをインバータ側でアースすることが考えられる。しかしながら、前述したケーブルの接続構造においては、カバー本体に取り付けられた金属ばねが端子金具に直接接触して端子金具を付勢するので、カバー本体と端子金具を絶縁できず、電気的なノイズをアースすることができないといった問題があった。これは、ケーブルに接続された端子金具と当該端子金具を収容したコネクタハウジングとを備えたコネクタを、コネクタ取付部に取り付ける場合にも起こり得る問題である。
本発明は、このような問題を解決することを目的としている。即ち、本発明は、端子金具と端子部を簡単かつ確実に接続でき、かつ、端子金具とシールドシェルの間を確実に絶縁してシールド性を向上させたコネクタ構造を提供することを目的としている。
前記課題を解決し目的を達成するために、請求項1に記載された発明は、端子金具とコネクタハウジングとシールドシェルとを有したシールドコネクタと、前記シールドコネクタが取り付けられるシールドケースと、前記シールドケース内に収容されて前記端子金具が重ねられる端子部と、を有したコネクタ取付部と、を備えたコネクタ構造において、前記コネクタハウジングが、中心軸が前記シールドコネクタの取付方向に沿った筒状に形成され、前記端子金具を前記取付方向と交差する方向に収容した筒部を備え、前記シールドシェルが、前記筒部の開口を覆うカバー部を備えるとともに、絶縁性材料で構成され、かつ、前記カバー部と前記端子金具の間に設けられて当該端子金具に重ねられたホルダ本体と、前記ホルダ本体に連なり当該ホルダ本体を前記取付方向に沿って移動自在に前記カバー部に取り付ける取付部と、を備えたホルダと、前記カバー部と前記ホルダ本体の間に設けられ、前記シールドコネクタが前記シールドケースに取り付けられると弾性変形して前記ホルダ本体を前記端子金具に向かって付勢して、前記端子金具を前記端子部に密着させる付勢手段と、を備えたことを特徴としたコネクタ構造である。
請求項2に記載された発明は、請求項1に記載されたコネクタ構造において、前記端子金具と前記端子部がそれぞれ複数設けられ、前記ホルダと前記付勢手段がそれぞれ1つずつ設けられたことを特徴としたコネクタ構造である。
請求項3に記載された発明は、請求項1または請求項2に記載されたコネクタ構造において、前記付勢手段が、弓状に湾曲した板ばねとされ、前記板ばねの両端部が前記ホルダ本体側に配され、中央部が前記カバー部側に配されたことを特徴としたコネクタ構造である。
請求項4に記載された発明は、請求項1に記載されたコネクタ構造において、前記端子金具と前記端子部がそれぞれ複数設けられ、前記ホルダ本体が、前記取付部に連なりかつ前記カバー部と前記端子金具の間に設けられた1つの第1ホルダ部と、前記第1ホルダ部と各前記端子金具の間にそれぞれ設けられて当該端子金具に重ねられ、前記第1ホルダ部に前記取付方向に沿って移動自在に取り付けられた複数の第2ホルダ部と、を備え、前記付勢手段が、前記カバー部と各前記第2ホルダ部の間にそれぞれ設けられたことを特徴としたコネクタ構造である。
請求項1に記載された発明によれば、シールドコネクタをコネクタ取付部に取り付けると、付勢手段が弾性変形してホルダ本体即ち端子金具を端子部に密着させるように付勢するので、端子金具と端子部にそれぞれ孔を設けてボルト留めしなくても、端子金具と端子部を確実に接続できる。さらに、付勢手段が絶縁性のホルダ本体を介して端子金具を付勢するので、付勢手段が例えば金属材料で構成された板ばねやコイルばねであっても、シールドシェルと端子金具の間を確実に絶縁できる。
請求項2に記載された発明によれば、1つのホルダと1つの付勢手段で、複数の端子金具を一括でそれぞれ対応する端子部に向かって付勢できる。したがって、シールドコネクタをより簡単な構造にすることができる。
請求項3に記載された発明によれば、弓状に湾曲した板ばねの両端部がホルダ本体側に配され、中央部がカバー部側に配されているので、ホルダ本体全体をより均一に付勢できる。したがって、端子金具と端子部をより確実に接続でき、また、端子金具が複数の場合には複数の端子金具をより均一に付勢できる。
請求項4に記載された発明によれば、各第2ホルダ部と各付勢手段が端子金具を対応する端子部に向かって個別に(独立して)付勢するので、複数の端子金具間や複数の端子部間の取付位置の誤差を吸収でき、端子金具と端子部をより確実に接続できる。
本発明の第1の実施形態にかかるコネクタ構造の分解斜視図である。 図1に示されたシールドコネクタがボルト固定された状態を示す斜視図である。 図2中のIII−III線に沿った断面図である。 図1に示されたコネクタ取付部の分解斜視図である。 図1に示されたシールドコネクタの分解斜視図である。 図1中のVI−VI線に沿った断面図である。 図6に示されたシールドコネクタが挿入孔に挿入された状態を示す断面図である。 図7に示されたシールドコネクタがボルト固定されつつある状態を示す断面図である。 図8に示されたシールドコネクタがボルト固定された状態を示す断面図である。 本発明の他の実施例を示す断面図である。 本発明の第2の実施形態にかかるコネクタ構造の分解斜視図である。 図11に示されたシールドコネクタがボルト固定された状態を示す斜視図である。 図12中のXIII−XIII線に沿った断面図である。 図11に示されたコネクタ取付部の分解斜視図である。 図11に示されたシールドコネクタの分解斜視図である。 図15中のXVI−XVI線に沿った断面斜視図である。 図16に示されたコイルばねが第2ホルダに収容され、第2ホルダが第1ホルダに取り付けられた状態を示す断面斜視図である。 図11中のXVIII−XVIII線に沿った断面図である。 図18に示されたシールドコネクタが挿入孔に挿入された状態を示す断面図である。 図19に示されたシールドコネクタがボルト固定されつつある状態を示す断面図である。 図20に示されたシールドコネクタがボルト固定された状態を示す断面図である。
以下、本発明の第1の実施形態にかかるコネクタ構造1を図1ないし図10を参照して説明する。本発明の第1の実施形態にかかるコネクタ構造1は、例えば、図2に示すように、ハイブリッドカーや電気自動車に搭載された三相交流のモータに電線23を介して接続されたシールドコネクタ2を、インバータのコネクタ取付部10に取り付ける構造である。
コネクタ構造1は、図1及び図5に示すように、コネクタ取付部10と、シールドコネクタ2と、コネクタ取付部10にシールドコネクタ2を固定する締結部材としてのボルト91と、1つのホルダ5と、1つの板ばね(付勢手段に相当する)61とを備えている。
コネクタ取付部10は、インバータの表面に設けられている。コネクタ取付部10は、図4に示すように、シールドケース11と、端子部12と、ハウジング部13と、インターロック部19と、を備えている。シールドケース11は、導電性の金属材料で構成され、箱状に形成されている。シールドケース11には、シールドコネクタ2の後述のコネクタハウジング30が挿入される挿入孔14と、ボルト91のねじ込まれるボルト挿通孔15aが形成された突部15と、が設けられている。
挿入孔14は、シールドケース11の図4中で上方に配された上面11aに開口している。挿入孔14は、図3に示すように、上面11a側に形成されてシールドコネクタ2の中央部分(カバー部42)の外形に略沿った大径部14aと、大径部14aの奥側に形成されてシールドコネクタ2の先端部分(筒部32)の外形に略沿った小径部14bと、を備えている。また、挿入孔14の外縁部には、図4に示すように、立設片14cが全周に亘って立設している。
突部15は、円柱状に形成され、上面11aから立設している。突部15は、互いの間に挿入孔14を位置付けるように一対設けられている。ボルト挿通孔15aは、突部15の上面から凹に形成されて上面11a側に開口し、内面にねじ溝が形成されている。
端子部12は、板金にプレス加工を施して得られ、複数(図示例では3つ)設けられている。複数の端子部12は、互いに間隔をあけた状態でハウジング部13に支持されてシールドケース11の挿入孔14内に収容されている。端子部12は、図3に示すようにL字板状に形成され、インバータの電気部品と接続する機器接続部16と、シールドコネクタ2と接続する接続部17とを一体に備えている。機器接続部16は、平板状に形成され、シールドコネクタ2の取付方向X(後述。矢印Xで示し、以下、単に取付方向Xという)と平行に配されている。
接続部17は、平板状に形成され、機器接続部16の端部から当該機器接続部16と直交(交差)する方向に立設している。接続部17は、その平面方向が取付方向Xに直交(交差)するように配されている。また、各端子部12の接続部17は、同一平面上に並んでいる。接続部17は、シールドコネクタ2が挿入孔14に挿入されると、シールドコネクタ2の後述の筒部32内に配され、表面17aに後述する端子金具20の電気接触部22が重ねられて電気接触部22と接続する。表面17aは、取付方向Xに直交(交差)する方向に平坦に形成されている。
ハウジング部13は、絶縁性の合成樹脂で構成されている。ハウジング部13は、挿入孔14内に配されて端子部12を支持する箱状の端子台18と、端子台18に連なりシールドケース11にボルト締結されて取り付けられる取付片(図示せず)と、を備えている。端子台18の図4中の上面は、取付方向Xに直交(交差)する方向に平坦に形成され、接続部17が重ねられる。端子台18即ちハウジング部13は、接続部17を、その平面方向が取付方向Xに直交(交差)するように支持する。
インターロック部19は、端子台18を取付方向Xに沿って貫通した通し孔18bを通って、隣り合う端子部12の間に配されている。インターロック部19は、ECUに接続された一対の端子と、この端子を収容したハウジングとを備えている。
シールドコネクタ2は、図5に示すように、端子金具20と、コネクタハウジング30と、リテーナ36と、シールドシェル40と、シールドリング46とを備えている。
端子金具20は、板金にプレス加工を施して得られ、複数(図示例では3つ)設けられている。端子金具20は、略L字状に形成され、電線23が接続される電線接続部21と、コネクタ取付部10の端子部12と接続する電気接触部22と、を一体に備えている。電線23は、導電性の芯線と、芯線を被覆する絶縁性の被覆部と、を備えた被覆電線である。電線23の端部は、皮剥きされて芯線が露出している。
電線接続部21は、図3に示すように、平板状の底板部21aと、底板部21aに連なる複数の加締め片21bとを備えている。電線接続部21は、底板部21aに電線23の端部が重ねられ、加締め片21bが底板部21aとの間に芯線(と被覆部)を挟むことで、電線23と接続する。
電気接触部22は、平板状に形成され、底板部21aから当該底板部21aと直交(交差)する方向に立設している。電気接触部22は、その平面方向が取付方向Xに直交(交差)するように配されている。また、各端子金具20の電気接触部22は、同一平面上に互いに間隔をあけて並んでいる。電気接触部22の図3中で下方の表面22aと上方の表面22bは、取付方向Xに直交(交差)する方向に平坦に形成され、接続部17の表面17aと平行である。電気接触部22は、表面22aが表面17aに重ねられて、接続部17と接続する。
コネクタハウジング30は、絶縁性の合成樹脂で構成されている。コネクタハウジング30は、ハウジング本体31と、筒部32と、ハウジング本体31と筒部32を連結する連結部33と、を備えている。ハウジング本体31は、扁平な箱状に形成されている。ハウジング本体31には、端子収容室31aと、シールドシェル40に係止する一対の突部31bと、が設けられている。
端子収容室31aは、ハウジング本体31の連結部33から離れた側の側面から凹の溝状に形成され、図3中で上下方向に延びてハウジング本体31の上面に開口している。端子収容室31aは、3つ(図3には1つのみ図示)設けられ、端子金具20の電線接続部21を収容する。端子収容室31aは、互いに平行に設けられ、同一平面上に互いに間隔をあけて並んでいる。シールドコネクタ2は、端子収容室31aの長手方向、即ち図3等の矢印Xに沿って挿入孔14に挿入された後、シールドケース11に取り付けられる。矢印Xは、取付方向Xをなしている。
突部31bは、ハウジング本体31の前記側面と直交する各側面から凸に設けられて、一対設けられている。突部31bは、シールドシェル40の後述の長孔41a内に係止して、コネクタハウジング30をシールドシェル40に取り付ける。
筒部32は、筒状に形成され、その中心軸P(図3等に二点鎖線で示す)が端子収容室31aの長手方向と平行となる向きで、連結部33を介してハウジング本体31に連なっている。このため、中心軸Pは取付方向Xと平行である。筒部32は、内側に電気接触部22の先端側を突出させて、電気接触部22の先端側を収容している。筒部32は、電気接触部22を、その平面方向が取付方向Xに直交(交差)するように収容している。また、筒部32の外周には、シールドコネクタ2とコネクタ取付部10の間を水密に保つパッキン32aが取り付けられている。
連結部33は、箱状に形成され、ハウジング本体31の図3中で下方の筒部32側の側面と、筒部32の図3中で上方のハウジング本体31側の外面と、に連なって、ハウジング本体31と筒部32を連結している。また、連結部33には、電気接触部22の基端側を通す孔部33aが貫通している。端子金具20は、電線接続部21が端子収容室31aに収容され、電気接触部22が孔部33aを通って筒部32内に突出した状態で、コネクタハウジング30内に収容される。
リテーナ36は、絶縁性の合成樹脂で構成され、端子金具20と同数設けられている。リテーナ36は、図5に示すように、電線23を通す溝が形成された箱状の本体部36aと、本体部36aに連なり端子収容室31aの内面に係止するロックアーム36bと、を備えている。リテーナ36は、端子金具20に接続された電線23をコネクタハウジング30との間に挟むことで、端子金具20をコネクタハウジング30内に係止する。
シールドシェル40は、導電性の金属材料で構成されている。シールドシェル40は、ハウジング本体31の図5中の上端部の外周に配される筒状の筒状部41と、筒状部41に連なり筒部32及び連結部33の端面に重ねられて筒部32の開口35を覆うフランジ状のカバー部42と、カバー部42に連なる固定部44と、を一体に備えている。
筒状部41には、取付方向Xに沿って延びて設けられ、ハウジング本体31の突部31bを通して当該突部31bと係合する長孔41aが貫通している。長孔41aは、互いの間に筒状部41の中心軸を位置付けるように一対設けられている。長孔41a内に突部31bが進入することで、シールドシェル40がコネクタハウジング30に取り付けられる。また、長孔41a内で突部31bが移動することで、シールドシェル40は、取付方向Xに沿って移動自在にコネクタハウジング30に取り付けられる。
カバー部42は、挿入孔14の平面形状よりも一回り大きな外形に形成されている。カバー部42の中央部には、ホルダ5の後述の取付部52を通してホルダ5をカバー部42に取り付ける取付孔42aが複数貫通している。
固定部44は、カバー部42の外縁部に連なり、互いの間にカバー部42を位置付けるように一対設けられている。固定部44は、コネクタ取付部10の各突部15に対応する位置に設けられている。固定部44の中央部には、ボルト91を通すボルト孔44aが貫通している。ボルト孔44aは、ボルト挿通孔15aと連通可能に設けられている。また、固定部44及びカバー部42の外縁部には、立設片45が全周に亘って立設している。
シールドリング46は、導電性の金属材料で構成され、円環状に形成されている。シールドリング46は、シールドシェル40の筒状部41の外周に配され、縮径するように加締められて筒状部41に取り付けられている(図示例では、加締める前のシールドリング46を示している)。また、シールドリング46と筒状部41の間には、導電性の金属材料で筒状に形成されて電線23を覆う編組線等のシールド部材(図示せず)の端部が挟まれる。
ホルダ5は、絶縁性の合成樹脂で構成されている。ホルダ5は、図5に示すように、ホルダ本体51と、ホルダ本体51に連なる取付部52と、インターロック部53とを備えている。ホルダ本体51は、略直方体状に形成され、筒部32内に挿入可能な外形に形成されている。ホルダ本体51には、ばね収容部54と、端子押圧部55と、パッキン溝56とが設けられている。
ばね収容部54は、ホルダ本体51のカバー部42と相対する表面から凹に設けられ、前記表面の中央部に設けられている。ばね収容部54は、平面視長方形状に形成され、ホルダ本体51の長手方向に沿って延びている。ばね収容部54は、内側に板ばね61を収容する。
端子押圧部55は、図6に示すように、ホルダ本体51のばね収容部54が設けられた表面の反対側の表面から凸に設けられ、端子金具20に対応して複数(3つ)設けられている。複数の端子押圧部55は、互いに間隔をあけて設けられている。端子押圧部55の下面55aは、取付方向Xに直交(交差)する方向に平坦に形成され、端子金具20の電気接触部22の表面22bと平行である。下面55aは、電気接触部22の表面22bに重ねられる。
パッキン溝56は、ホルダ本体51の外周面に設けられ、ホルダ本体51の全周に亘って形成されている。パッキン溝56には、筒部32の内面に密着して、筒部32内を水密に保つパッキン56aが取り付けられる。
取付部52は、図5に示すように、ホルダ本体51に連なるアーム部52aと、アーム部52aから突出した係止突起52bとを備えている。アーム部52aは、ホルダ本体51のばね収容部54が設けられた表面から立設し、ばね収容部54の外縁部に互いに間隔をあけて複数設けられている。アーム部52aは、取付方向Xに沿って延びた棒状に形成され、カバー部42の取付孔42aの内径よりも小さな外径に形成されている。アーム部52aは、一端部がホルダ本体51に連なり、他端部がホルダ本体51の内方向に弾性変形自在に設けられている。
係止突起52bは、アーム部52aの他端部からホルダ本体51の外方向に突出している。係止突起52bのホルダ本体51から離れた側の表面には、アーム部52aの先端にいくにしたがって徐々にアーム部52aの表面に近づくように傾斜したテーパ面が形成されている。また、係止突起52bのホルダ本体51側の表面には、取付方向Xに直交した直交面が形成されている。
前述した取付部52は、カバー部42の内面42b側から取付孔42aに挿入される。すると、係止突起52bが取付孔42aに進入し、係止突起52bのテーパ面によってアーム部52aがホルダ本体51の内方向に弾性変形する。そして、係止突起52bが取付孔42aを通り抜けると、アーム部52aが弾性復元して係止突起52bが取付孔42aに係止し、ホルダ5がカバー部42に取り付けられる。取付部52は、アーム部52aが取付孔42a内で取付方向Xに移動することで、ホルダ本体51を取付方向Xに沿って移動自在にカバー部42に取り付ける。
インターロック部53は、ホルダ本体51の端子押圧部55が設けられた表面から突出し、隣り合う端子押圧部55の間から突出している。インターロック部53は、U字状の端子と、ホルダ本体51に連なりこの端子を収容したハウジングと、を備えている。インターロック部53は、シールドコネクタ2がコネクタ取付部10に取り付けられると、コネクタ取付部10のインターロック部19とコネクタ接続する。インターロック部19、53がコネクタ接続することで、ECUは筒部32の開口35が覆われて端子部12と端子金具20の接続部分が外部に露出していないことを検知して、端子部12と端子金具20の間の通電を許容する。
板ばね61は、金属材料で構成されている。板ばね61は、ばね収容部54よりも若干狭い幅の帯状に形成され、図6に示すように弓状に湾曲している。板ばね61の両端部61aは平坦に形成されている。板ばね61は、両端部61aがホルダ本体51側に配されてばね収容部54の底面54aに重ねられ、中央部61bがばね収容部54から突出するような向きで、ばね収容部54内に収容される。板ばね61は、前述のようにホルダ5がカバー部42に取り付けられると、ホルダ本体51とカバー部42の間に配されて、中央部61bがカバー部42側に配される。なお、このとき、板ばね61は弾性変形していない中立状態であるが、弾性変形していてもよい。
前述した構成のシールドコネクタ2を組み立てる際には、まず、前述のように端子金具20をコネクタハウジング30内に収容し、コネクタハウジング30との間に電線23を挟むようにリテーナ36を取り付けて、端子金具20をコネクタハウジング30内に係止する。また、ホルダ5を筒部32内に挿入してコネクタハウジング30に取り付けてホルダ本体51を端子金具20の電気接触部22に重ねた後、板ばね61をホルダ本来51のばね収容部54内に収容する。
その後、ハウジング本体31をシールドシェル40の筒状部41内に挿入し、ハウジング本体31の突部31bをシールドシェル40の長孔41a内に進入させて、コネクタハウジング30にシールドシェル40を取り付ける。すると、カバー部42の取付孔42aにホルダ5の取付部52が挿入されて、カバー部42にホルダ5が取り付けられる。また、カバー部42が筒部32の開口35を覆うように配されて、ホルダ本体51がカバー部42と端子金具20の電気接触部22との間に配される。
また、このとき、板ばね61の中央部61bがカバー部42と接触し、板ばね61の弾性復元力がシールドシェル40とコネクタハウジング30を遠ざける方向に作用するので、ハウジング本体31の突部31bが、シールドシェル40の長孔41a内でコネクタ取付部10側に位置付けられる。こうして、シールドコネクタ2が組み立てられる。
次に、シールドコネクタ2をコネクタ取付部10に取り付ける過程について説明する。まず、図6に示すように、シールドコネクタ2をコネクタ取付部10の上面11a側に配し、矢印Xに沿ってシールドコネクタ2を挿入孔14内に挿入していく。
すると、図7に示すように、シールドコネクタ2の筒部32内にコネクタ取付部10の端子部12が位置付けられ、端子金具20の電気接触部22が端子部12の接続部17に重ねられる。また、シールドコネクタ2のボルト孔44aがコネクタ取付部10のボルト挿通孔15aと連通するので、連通したボルト孔44aとボルト挿通孔15aにボルト91を通し、ボルト挿通孔15aにボルト91をねじ込んでいく。
ボルト91をねじ込んでいくと、ハウジング本体31の突部31bが長孔41a内をコネクタ取付部10から離れる側に移動して、図8に示すように、シールドシェル40がコネクタハウジング30に近づいていき、カバー部42の内面42bがばね収容部54の底面54aに近づいていく。これによって、板ばね61が弾性変形し、弾性復元力によってホルダ本体51を矢印Xに沿って端子金具20の電気接触部22に向かって付勢し始める。
さらにボルト91をねじ込んでいくと、図9に示すように、シールドシェル40の固定部44がコネクタ取付部10の突部15に重ねられて、立設片45が立設片14c及び突部15を囲むように配されて、シールドコネクタ2がシールドケース11即ちコネクタ取付部10に取り付けられる(固定される)。このとき、板ばね61はさらに弾性変形して図8よりも強い弾性復元力でホルダ本体51を電気接触部22に向かって付勢し、電気接触部22をそれぞれ対応する端子部12の接続部17に密着させて、端子金具20と端子部12を完全に接続させる。
こうしてシールドコネクタ2がコネクタ取付部10に取り付けられると、電線23から外部に漏洩する(または内部に流入する)電気的なノイズは、電線23を覆うシールド部材、シールドシェル40、シールドケース11を順次経てアースされる。また、電気接触部22及び接続部17から外部に漏洩する(または内部に流入する)電気的なノイズは、シールドシェル40、シールドケース11を順次経てアースされる。このように、本実施形態におけるコネクタ構造1はシールド性を有しており、モータとインバータの接続のような高電圧の印加される部分の接続に特に有用である。
本実施形態によれば、シールドコネクタ2をコネクタ取付部10に取り付けると、板ばね61が弾性変形してホルダ本体51即ち端子金具20を端子部12に密着させるように付勢するので、端子金具20と端子部12にそれぞれ孔を設けてボルト留めしなくても、端子金具20と端子部12を確実に接続できる。さらに、板ばね61が絶縁性のホルダ本体5を介して端子金具20を付勢するので、板ばね61が金属材料で構成されていても、シールドシェル40と端子金具20の間を確実に絶縁できる。
また、1つのホルダ5と1つの板ばね61で複数の端子金具20を一括でそれぞれ対応する端子部12に向かって付勢できる。したがって、シールドコネクタ2をより簡単な構造にすることができる。
また、付勢手段が板ばね61であり、両端部61aがホルダ本体51側に配され、中央部61bがカバー部42側に配されているので、ホルダ本体51全体をより均一に付勢できる。したがって、複数の端子金具20をより均一に付勢できる。
また、端子押圧部55の下面55aが電気接触部22の表面22bに重ねられるので、従来例のように金属ばねで端子金具20を直接付勢する場合と比較して、端子金具20をより確実に付勢できる。
前述した第1の実施形態においては、電気接触部22と接続部17の互いに重なり合う表面22a、17aがそれぞれ平坦に形成されていたが、図10に示すように、平板状の電気接触部22の表面22aから凸の突部24を設けることで表面22aを接続部17に向かって凸に形成してもよいし、接続部17を電気接触部22に向かって凸に湾曲した板状に形成することで表面17aを電気接触部22に向かって凸に形成してもよい。こうすることで、電気接触部22と接続部17をより確実に接触させて接続できる。
なお、電気接触部22を接続部17に向かって凸に湾曲した板状に形成し、接続部17を平板状にして突部24を設けてもよい。また、電気接触部22または接続部17のうちいずれか一方に突部24を設けるだけでもよいし、いずれか一方を湾曲した板状に形成するだけでもよい。
また、前述した実施形態においては、付勢手段が板ばね61であったが、コイルばね等であってもよい。また、端子金具20が3つ設けられていたが、3つ以外の複数であってもよく、1つであってもよい。また、前述した実施形態においては、シールドシェル40が取付方向Xに沿って移動自在にコネクタハウジング30に取り付けられていたが、必ずしもそうでなくてもよい。
次に、本発明の第2の実施形態にかかるコネクタ構造101を、図11ないし図21を参照して説明する。なお、前述した第1の実施形態と同一構成部分には、同一符号を付して説明を省略する。
本発明の第2の実施形態にかかるコネクタ構造101は、図12に示すように、シールドコネクタ102をコネクタ取付部110に取り付ける構造である。コネクタ構造101は、図11及び図15に示すように、コネクタ取付部110と、シールドコネクタ102と、ボルト91と、1つのホルダ7と、複数のコイルばね(付勢手段に相当する)62とを備えている。
コネクタ取付部110は、図14に示すように、シールドケース111と、端子部12と、ハウジング部113とを備えている。シールドケース111には、挿入孔14と、ボルト挿通孔15aが形成された突部15と、が設けられている。ハウジング部113は、端子台18と、端子台18に連なりシールドケース111にボルト92で締結される取付片18aと、を備えている。
シールドコネクタ102は、図15に示すように、端子金具120と、コネクタハウジング30と、リテーナ36と、シールドシェル40と、シールドリング46と、を備えている。端子金具120は、電線接続部21と、電気接触部122とを一体に備えている。電気接触部122の接続部17に重ねられる表面122aには、図18に示すように、表面122aから凸の突部124が複数設けられている。
ホルダ7は、1つの第1ホルダ71と、第1ホルダ71と別体の3つの第2ホルダ(第2ホルダ部に相当する)76と、から構成されている。第1ホルダ71は、絶縁性の合成樹脂で構成されている。第1ホルダ71は、第1ホルダ部72と、第1ホルダ部72に連なる取付部73と、第1ホルダ部72に連なるインターロック部53と、を備えている。第1ホルダ部72と第2ホルダ76は、特許請求の範囲に記載のホルダ本体70に相当する。
第1ホルダ部72は、略直方体状に形成され、筒部32内に挿入可能な外形に形成されている。第1ホルダ部72には、図16に示すように、パッキン溝56と、ホルダ収容部74が設けられている。ホルダ収容部74は、第1ホルダ部72を取付方向Xに沿って貫通した孔状に形成され、3つ(図16中には2つのみ図示)設けられている。3つのホルダ収容部74は、第1ホルダ部72の長手方向に沿って間隔をあけて並んで設けられ、互いに平行に設けられている。ホルダ収容部74は、一方の開口74a側から第2ホルダ76が挿入され、内側に第2ホルダ76を収容する。ホルダ収容部74の内面には、第2ホルダ76を係止する係止突部75が設けられている。
係止突部75は、互いの間にホルダ収容部74の中心軸を位置付けるように一対設けられている。係止突部75の開口74a側の表面には、開口74aに近づくにしたがって徐々にホルダ収容部74の内面に近づくように傾斜したテーパ面が形成されている。また、係止突部75の開口74aから離れた側の表面には、取付方向Xに直交した直交面が形成されている。
取付部73は、アーム部73aと、アーム部73aに連なる係止突起73bとを備えている。アーム部73aは、第1ホルダ部72のカバー部42と相対する側の表面から立設し、ホルダ収容部74の間にそれぞれ一対ずつ(計2対)設けられている。アーム部73aは、第1ホルダ部72の長手方向に沿って並んで設けられている。アーム部73aは、取付方向Xに沿って延びた棒状に形成され、カバー部42の取付孔42aの内径よりも小さな外径に形成されている。一対のアーム部73aは、一端部が第1ホルダ部72に連なり、他端部が互いに近づく方向に弾性変形自在に設けられている。
係止突起73bは、一対のアーム部73aの外面から互いに離れる方向に突出している。係止突起73bの第1ホルダ部72から離れた側の表面には、アーム部73aの先端にいくにしたがって徐々にアーム部73aの表面に近づくように傾斜したテーパ面が形成されている。また、係止突起73bの第1ホルダ部72側の表面は、取付方向Xに直交した直交面が形成されている。
前述した取付部73は、シールドシェル40のカバー部42の内面42b側から取付孔42aに挿入される。すると、係止突起73bが取付孔42aに進入し、係止突起73bのテーパ面によってアーム部73aが隣接するアーム部73aに近づく方向に弾性変形する。そして、係止突起73bが取付孔42aを通り抜けると、アーム部73aが弾性復元して係止突起73bが取付孔42aに係止し、第1ホルダ部72がカバー部42に取り付けられる。取付部73は、アーム部73aが取付孔42a内で取付方向Xに移動することで、第1ホルダ部72を取付方向Xに沿って移動自在にカバー部42に取り付ける。
第2ホルダ76は、絶縁性の合成樹脂で構成されている。第2ホルダ76は、底板部77と、底板部77から立設した筒状部78と、を備えている。底板部77は、円板状に形成されている。底板部77の中央部には、筒状部78と同方向に立設して筒状部78内に配された円柱状のばね支持部77aが立設している。底板部77の図16中の外面77bは、取付方向Xに直交(交差)する方向に平坦に形成され、端子金具120の電気接触部122の表面122bと平行である。外面77bは、電気接触部122の表面122bに重ねられる。
筒状部78は、底板部77の外径よりも小さな外径の筒状に形成され、底板部77に同軸的に連なっている。筒状部78は、第1ホルダ部72のホルダ収容部74内に収容される。筒状部78は、内側にコイルばね62を収容する。筒状部78には、係止アーム79と、係止アーム79を貫通した係止孔79aと、パッキン溝80と、が設けられている。
係止アーム79は、筒状部78の端部から底板部77に向かって筒状部78を切り欠いた一対の切り欠きの間に形成されている。係止アーム79は、互いの間に筒状部78の中心軸を位置付けるように一対設けられている。一対の係止アーム79は、互いに近づく方向に弾性変形自在に設けられている。また、係止アーム79の先端部の外面は、係止アーム79の先端にいくにしたがって徐々に筒状部78の中心軸に近づくように傾斜したテーパ面となっている。係止孔79aは、筒状部78の中心軸(即ち、取付方向X)に沿って延びた長孔状に形成され、第1ホルダ71の係止突部75を取付方向Xに沿って移動自在に収容する。
パッキン溝80は、筒状部78の底板部77寄りの外周面に設けられ、筒状部78の全周に亘って形成されている。パッキン溝80には、ホルダ収容部74の内面に密着して、第1ホルダ71と第2ホルダ76の間を水密に保つパッキン80aが取り付けられる。
前述した第2ホルダ76は、筒状部78側から開口74aを通して第1ホルダ71のホルダ収容部74に挿入される。すると、係止アーム79のテーパ面がホルダ収容部74内に突出した係止突部75のテーパ面に乗り上げていき、一対の係止アーム79が互いに近づく方向に弾性変形する。そして、係止孔79a内に係止突部75が進入すると、係止アーム79が弾性復元して係止孔79aに係止突部75が係止し、第2ホルダ76が第1ホルダ71に取り付けられる。第2ホルダ76は、係止孔79a内で係止突部75が取付方向Xに沿って移動することで、第1ホルダ71に取付方向Xに沿って移動自在に取り付けられる。
コイルばね62は、金属材料で構成されている。コイルばね62は、端子金具120と同数設けられ、3つ設けられている。コイルばね62は、図17に示すように、第2ホルダ76の筒状部78内に収容される。コイルばね62は、長手方向の一端部62aが筒状部78から突出し、他端部62bが底板部77の内面77cと接触した状態で、筒状部78内に収容される。また、コイルばね62は、前述のように第2ホルダ76の取り付けられた第1ホルダ71がカバー部42に取り付けられると、第2ホルダ76とカバー部42の間に配されて、一端部62aがカバー部42と接触する。なお、このとき、コイルばね62は弾性変形していない中立状態であるが、弾性変形していてもよい。
前述した構成のシールドコネクタ102を組み立てる際には、まず、第1の実施形態と同様に、端子金具120をコネクタハウジング30内に係止する。また、前述のように第1ホルダ71に第2ホルダ76を取り付け、第2ホルダ76の筒状部78内にコイルばね62を挿入する。そして、第1ホルダ71を筒部32内に挿入してコネクタハウジング30に取り付けて各第2ホルダ76を各端子金具120の電気接触部122に重ねる。
その後、コネクタハウジング30にシールドシェル40を取り付けると、カバー部42の取付孔42aに第1ホルダ71の取付部73が挿入されて、カバー部42に第1ホルダ71が取り付けられる。また、第2ホルダ76が第1ホルダ71と各端子金具120の電気接触部122との間に配される。
また、このとき、各コイルばね62の一端部62aがカバー部42と接触し、コイルばね62の弾性復元力がシールドシェル40とコネクタハウジング30を遠ざける方向に作用するので、ハウジング本体31の突部31bがシールドシェル40の長孔41a内でコネクタ取付部110側に位置付けられる。こうして、シールドコネクタ102が組み立てられる。
次に、シールドコネクタ102をコネクタ取付部110に取り付ける過程について説明する。まず、図18に示すように、シールドコネクタ102をコネクタ取付部110の上面111a側に配し、矢印Xに沿ってシールドコネクタ102を挿入孔14内に挿入していく。
すると、図19に示すように、シールドコネクタ102の筒部32内にコネクタ取付部110の端子部12が位置付けられ、端子金具120の電気接触部122が端子部12の接続部17に重ねられる。また、シールドコネクタ102のボルト孔44aがコネクタ取付部110のボルト挿通孔15aと連通するので、連通したボルト孔44aとボルト挿通孔15aにボルト91を通し、ボルト挿通孔15aにボルト91をねじ込んでいく。
ボルト91をねじ込んでいくと、ハウジング本体31の突部31bが長孔41a内をコネクタ取付部110から離れる側に移動して、図20に示すように、シールドシェル40がコネクタハウジング30に近づいていき、カバー部42の内面42bが第2ホルダ76の底板部77の内面77cに近づいていく。これによって、各コイルばね62が弾性変形し、弾性復元力によって対応する第2ホルダ76を端子金具120の電気接触部122に向かって付勢し始める。
さらにボルト91をねじ込んでいくと、図21に示すように、シールドシェル40の固定部44がコネクタ取付部110の突部15に重ねられて、シールドコネクタ102がシールドケース111即ちコネクタ取付部110に取付けられる(固定される)。このとき、各コイルばね62はさらに弾性変形して図20よりも強い弾性復元力で対応する第2ホルダ76を電気接触部122に向かって付勢し、電気接触部122をそれぞれ対応する端子部12の接続部17に密着させて、端子金具120と端子部12を完全に接続させる。
本実施形態においても、シールドコネクタ102をコネクタ取付部110に取り付けると、各コイルばね62が弾性変形して対応する第2ホルダ76即ち端子金具120を端子部12に密着させるように付勢するので、端子金具120と端子部12にそれぞれ孔を設けてボルト留めしなくても、端子金具120と端子部12を確実に接続できる。さらに、コイルばね62が絶縁性の第1ホルダ71及び第2ホルダ76を介して端子金具120を付勢するので、コイルばね62が金属材料で構成されていても、シールドシェル40と端子金具120の間を確実に絶縁できる。
また、各第2ホルダ76と各コイルばね62が端子金具120を対応する端子部12に向かって個別に(独立して)付勢するので、複数の端子金具120間や複数の端子部12間の取付位置の誤差を吸収でき、端子金具120と端子部12をより確実に接続できる。
また、電気接触部122の表面122aから凸の突部124を設けることで表面122aを端子部12に向かって凸に形成しているので、端子金具120と端子部12をより確実に接触させて接続できる。
前述した第2の実施形態においては、端子金具120が3つ設けられて第2ホルダ76とコイルばね62が端子金具120と同数設けられていたが、第2ホルダ76とコイルばね62の数は端子金具120の数に合わせて適宜変更可能である。
なお、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
1 コネクタ構造
2 シールドコネクタ
5 ホルダ
7 ホルダ
10 コネクタ取付部
11 シールドケース
12 端子部
20 端子金具
30 コネクタハウジング
32 筒部
40 シールドシェル
42 カバー部
51 ホルダ本体
52 取付部
61 板ばね(付勢手段)
61a 両端部
61b 中央部
62 コイルばね(付勢手段)
70 ホルダ本体
72 第1ホルダ部
73 取付部
76 第2ホルダ(第2ホルダ部)
101 コネクタ構造
102 シールドコネクタ
110 コネクタ取付部
111 シールドケース
120 端子金具
X 取付方向

Claims (4)

  1. 端子金具とコネクタハウジングとシールドシェルとを有したシールドコネクタと、
    前記シールドコネクタが取り付けられるシールドケースと、前記シールドケース内に収容されて前記端子金具が重ねられる端子部と、を有したコネクタ取付部と、を備えたコネクタ構造において、
    前記コネクタハウジングが、中心軸が前記シールドコネクタの取付方向に沿った筒状に形成され、前記端子金具を前記取付方向と交差する方向に収容した筒部を備え、
    前記シールドシェルが、前記筒部の開口を覆うカバー部を備えるとともに、
    絶縁性材料で構成され、かつ、前記カバー部と前記端子金具の間に設けられて当該端子金具に重ねられたホルダ本体と、前記ホルダ本体に連なり当該ホルダ本体を前記取付方向に沿って移動自在に前記カバー部に取り付ける取付部と、を備えたホルダと、
    前記カバー部と前記ホルダ本体の間に設けられ、前記シールドコネクタが前記シールドケースに取り付けられると弾性変形して前記ホルダ本体を前記端子金具に向かって付勢して、前記端子金具を前記端子部に密着させる付勢手段と、を備えたことを特徴とするコネクタ構造。
  2. 前記端子金具と前記端子部がそれぞれ複数設けられ、前記ホルダと前記付勢手段がそれぞれ1つずつ設けられたことを特徴とする請求項1に記載のコネクタ構造。
  3. 前記付勢手段が、弓状に湾曲した板ばねとされ、
    前記板ばねの両端部が前記ホルダ本体側に配され、中央部が前記カバー部側に配されたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のコネクタ構造。
  4. 前記端子金具と前記端子部がそれぞれ複数設けられ、
    前記ホルダ本体が、前記取付部に連なりかつ前記カバー部と前記端子金具の間に設けられた1つの第1ホルダ部と、前記第1ホルダ部と各前記端子金具の間にそれぞれ設けられて当該端子金具に重ねられ、前記第1ホルダ部に前記取付方向に沿って移動自在に取り付けられた複数の第2ホルダ部と、を備え、
    前記付勢手段が、前記カバー部と各前記第2ホルダ部の間にそれぞれ設けられたことを特徴とする請求項1に記載のコネクタ構造。
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