JP5449854B2 - 溶接後処理装置 - Google Patents
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Description
この溶接後処理装置では、軸心回りに回転させた円筒状のワークに対して、スラグスパッタ除去手段を接触させて、ワークの円周方向に形成されたスラグやスパッタを順次除去するようにしている。
本発明は、上記した従来の課題に着目してなされたもので、溶接後において、作業者に多大な負担を強いることなく、確実にスラグやスパッタを除去することができる溶接後処理装置を提供することを目的としている。
本発明に係る溶接後処理装置において、基部を水平方向及び鉛直方向に移動させると共に鉛直軸回りに回動させる手段としては、例えば、門型台車やハンドを有する6軸多関節ロボットを採用することができるほか、門型台車及び6軸多関節ロボットを組み合わせた機構を採用することができ、このように門型台車及び6軸多関節ロボットを組み合わせる場合には、1台の門型台車に6軸多関節ロボットを複数組配置することも可能である。
また、本発明に係る溶接後処理装置において、隅部スラグ除去ブラシには、筒型の回転ブラシを用いることができ、隅肉部スラグ除去ブラシ及び平面部スパッタ除去ブラシには、ホイールブラシ及びロールブラシをそれぞれ用いることができる。これらの除去ブラシには、金属製のブラシを採用することが望ましいが、これに限定されない。金属製のブラシを採用した場合には、本発明の溶接後処理装置を動作させる前に、回転ハンマのような打撃力のある工具でスラグを予め割っておくと、硬いスラグの除去に極めて有効である。
本発明の溶接後処理装置では、例えば、造船の生産ラインにおいて、複数枚の平板を組み合わせて成るサブ材(ワーク)の隅部や隅肉部に形成されたスラグや、これらの周辺部位に付着したスパッタを除去する場合、制御部の制御によって基部が動作することで、溶接トーチの移動軌跡に沿って隅部スラグ除去ブラシが移動するので、サブ材の隅部に形成されたスラグに加えて、隅肉部に形成されたスラグも除去されることとなる。
したがって、狭隘な場所でしかも粉塵の舞う環境下において、スラグやスパッタをサブ材から除去するに際して、従来必要としていたハンマで叩くといった手作業を行わなくて済むので、作業者にかかる負担が軽減されることとなる。
さらに、隅部スラグ除去ブラシに加えて、隅肉部スラグ除去ブラシ及び平面部スパッタ除去ブラシを備えた構成としているので、サブ材の部位に応じた除去ブラシの選択が制御部によりなされて、隅部スラグ除去ブラシ,隅肉部スラグ除去ブラシ及び平面部スパッタ除去ブラシのうちの最適な除去ブラシが基部に装着されることとなり、サブ材に形成されたり付着したりしたすべてのスラグ及びスパッタを効率良く除去し得ることとなる。
また、本発明の請求項1に係る溶接後処理装置では、ワークに形成されたり付着したりしたすべてのスラグ及びスパッタを効率良く除去することが可能であるという非常に優れた効果がもたらされる。
図1〜図6は、本発明に係る溶接後処理装置の一実施例を示しており、この実施例では、本発明に係る溶接後処理装置を造船の生産ラインにおけるサブ材製作工程に用いた場合を例に挙げて説明する。
図1及び図2に示すように、この溶接後処理装置は、門型クレーン1及び2台の6軸多関節ロボット11を構成要素として使用している。
隅肉部ユニット30は、図4に示すように、フレーム31と、このフレーム31に固定されたモータ32と、同じくフレーム31に配置されたギアボックス33と、このギアボックス33で減速されたモータ出力の伝達機構34と、この伝達機構34の最終出力軸34aに装着されたホイールブラシ(隅肉部スラグ除去ブラシ)35を具備している。
この場合、上記ユニット20,30,40を装着する基部12には、図6に示すように、押圧機構50が設けてある。
上記した本実施例に係る溶接後処理装置では、サブ材Wの隅部Waや隅肉部Wbに形成されたスラグや、これらの周辺の平面部Wcに付着したスパッタを除去する場合、制御部13の制御によって6軸多関節ロボット11のハンド11aが動作する(あるいは、門型台車4,スライダ6及びポスト8が動作する)ことで、溶接トーチの移動軌跡に沿って隅部ユニット20が移動するので、サブ材Wの隅部Waに形成されたスラグに加えて、隅肉部Wbに形成されたスラグも除去されることとなる。
したがって、狭隘な場所でしかも粉塵の舞う環境下において、スラグやスパッタをサブ材Wから除去するに際して、従来必要としていたハンマで叩くといった手作業を行わなくて済むので、作業者にかかる負担が軽減されることとなり、加えて、スラグをサブ材Wから除去するにあたって、円筒形ブラシ24を溶接トーチの移動軌跡に沿って移動させるので、スラグの取り忘れといった事態が生じることが回避されることとなる。
本発明に係る溶接後処理装置の構成は、上記した実施例による溶接後処理装置の構成に限定されるものではない。
11 6軸多関節ロボット
12 基部
13 制御部
24 円筒形ブラシ(隅部スラグ除去ブラシ)
35 ホイールブラシ(隅肉部スラグ除去ブラシ)
44 ロールブラシ(平面部スパッタ除去ブラシ)
50 押圧機構
W サブ材(ワーク)
Wa 隅部
Wb 隅肉部
Wc 平面部
Claims (2)
- 溶接により生じたスラグやスパッタをワークから除去する溶接後処理装置であって、
水平方向及び鉛直方向に移動可能で且つ鉛直軸回りに回動可能とした基部と、
この基部に着脱可能に装着されて、少なくともワークの隅部に形成されるスラグを除去する隅部スラグ除去ブラシと、
前記基部に着脱可能に装着されて、前記ワークの隅肉部に形成されるスラグを除去する隅肉部スラグ除去ブラシと、
前記基部に着脱可能に装着されて、前記ワークの平面部ないし平面に近い曲面部に形成されるスパッタを除去する平面部スパッタ除去ブラシと、
溶接の段階における溶接トーチの移動軌跡に沿って前記隅部スラグ除去ブラシ,隅肉部スラグ除去ブラシ及び平面部スパッタ除去ブラシを移動させるべく前記基部の動作を制御する制御部を備え、
前記隅部スラグ除去ブラシ,隅肉部スラグ除去ブラシ及び平面部スパッタ除去ブラシは、前記ワークの部位に応じて前記制御部により選択されて前記基部に装着される
ことを特徴とする溶接後処理装置。 - 前記隅部スラグ除去ブラシ,隅肉部スラグ除去ブラシ及び平面部スパッタ除去ブラシブラシを前記ワークに一定の力で押し付ける押圧機構を備えている請求項1に記載の溶接後処理装置。
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