JP5449383B2 - 単環芳香族化合物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、単環芳香族化合物を製造する方法に関し、特には、系外から水素を供給することなく、多環芳香族化合物を含有する炭化水素油から単環芳香族化合物を製造する方法に関するものである。
従来、石油化学製品の原料等として有用な、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香環を1つだけ有する単環芳香族化合物を、多環芳香族化合物または多環芳香族化合物を含有する炭化水素油から製造する方法としては、熱分解法や、水素化分解法等が知られている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
しかしながら、熱分解法には、芳香環の開裂が殆ど起こらず、単環芳香族化合物の製造効率が悪いという問題があった。また、水素化分解法には、分解反応に大量の高圧水素ガスを使用するため大規模な水素ガス製造設備が必要になり、コストが増大するという問題があった。
特開2003−96471号公報 特開2008−297452号公報
そのため、多環芳香族化合物を含む炭化水素油から単環芳香族化合物を効率的に製造する方法として、高圧水素ガスを使用することなく芳香環を開裂させて単環芳香族化合物を製造することができる方法を開発することが求められていた。
本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、チタンを含有する触媒と、多環芳香族化合物を含有する炭化水素油とを水の存在下で接触させることにより、多環芳香族化合物の芳香環を開裂させて単環芳香族化合物を製造することができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明の単環芳香族化合物の製造方法は、多環芳香族化合物を含む炭化水素油から単環芳香族化合物を製造する方法であって、多環芳香族化合物を含有する炭化水素油に対して水を添加し、前記炭化水素油と水との混合物を、少なくともチタンを含有する触媒と接触させることを含むことを特徴とする。このように、炭化水素油と、少なくともチタンを含有する触媒とを水の存在下で接触させれば、反応系に水素を添加することなく、炭化水素油中の多環芳香族化合物の芳香環を開裂させて単環芳香族化合物を製造することができる。ここで、本発明において、単環芳香族化合物とは、芳香環を一つのみ有する化合物を指し、多環芳香族化合物とは、芳香環を二つ以上有する化合物(縮合多環芳香族化合物および非縮合多環芳香族化合物)を指す。また、少なくともチタンを含有する触媒とは、金属チタン(Ti)のみからなる触媒や、Tiを含有する触媒や、二酸化チタン(TiO)を含有する触媒などのチタン元素を含む触媒を指す。
ここで、本発明の単環芳香族化合物の製造方法は、前記炭化水素油が、多環芳香族化合物を10質量%以上含有することが好ましい。本発明の製造方法によれば、多環芳香族化合物を10質量%以上含有する炭化水素油からでも、効率的に単環芳香族化合物を製造することができるからである。なお、炭化水素油中の多環芳香族化合物の量は、例えばガスクロマトグラフなどにより測定することができる。
また、本発明の単環芳香族化合物の製造方法は、前記炭化水素油が、硫黄分および/または窒素分を含有していてもよい。本発明の製造方法によれば、炭化水素油が硫黄分および/または窒素分を含有していても、炭化水素油と、少なくともチタンを含有する触媒とを水の存在下で接触させれば、反応系に水素を添加することなく、炭化水素油中の硫黄分および/または窒素分を除去することができる。従って、原料として使用する炭化水素油が硫黄分および/または窒素分を含有する場合であっても、前記混合物と前記触媒との接触により生成する単環芳香族化合物を含む生成油からは、硫黄分および/または窒素分の少なくとも一部を除去することができる。ここで、本発明において、硫黄分とは、ICP分析やGC−SCDにより測定可能な硫黄分を指し、窒素分とは、ICP分析やGC−NPDにより測定可能な窒素分を指す。
そして、本発明の単環芳香族化合物の製造方法は、前記混合物と前記触媒との接触を、温度300〜600℃、圧力0.5〜50MPa、液空間速度0.01〜10h−1の条件下で行うことが好ましい。このような反応条件とすれば、多環芳香族化合物の芳香環を効率的に開裂させることができるからである。
本発明の単環芳香族化合物の製造方法によれば、高圧水素ガスを使用することなく、多環芳香族化合物を含む炭化水素油から単環芳香族化合物を効率的に製造することができる。また、使用する炭化水素油が硫黄分および/または窒素分を含有していても、本発明の単環芳香族化合物の製造方法によれば、高圧水素ガスを使用することなく、生成油から硫黄分および/または窒素分を効率的に除去しつつ、単環芳香族化合物を効率的に製造することができる。
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。ここに、本発明の単環芳香族化合物の製造方法は、多環芳香族化合物を含む炭化水素油から単環芳香族化合物を製造する方法である。そして、本発明の単環芳香族化合物の製造方法では、多環芳香族化合物を含有する炭化水素油に対して水を添加し、得られた炭化水素油と水との混合物を、少なくともチタンを含有する触媒と接触させることで、炭化水素油中の多環芳香族化合物の芳香環を開裂させて単環芳香族化合物を製造する。
ここで、多環芳香族化合物としては、例えば、1−メチルナフタレン、キノリン、アントラセン、フェナントレンなどの縮合多環芳香族化合物や、ジベンゾチオフェン、ビフェニルなどの非縮合多環芳香族化合物が挙げられる。そして、多環芳香族化合物を含む炭化水素油としては、例えば、石油精製時に得られる、常圧蒸留残油、減圧蒸留残油、減圧軽油(VGO)、流動接触分解装置から得られる沸点180℃以上の留分(LCO、DO)などが挙げられる。なお、効率的に単環芳香族化合物を製造するという観点からは、多環芳香族化合物は、炭化水素油中に10質量%以上含まれていることが好ましく、15質量%以上含まれていることが更に好ましく、20質量%以上含まれていることが特に好ましい。
また、上記炭化水素油が硫黄分および窒素分を含有している場合、硫黄分としては、例えば、ジベンゾチオフェン、ベンゾチオフェン、スルフィドなどの形で炭化水素油中に含まれている、ICP分析やGC−SCDにより測定可能な硫黄分が挙げられる。なお、硫黄分は、炭化水素油中に0.1質量%以上含まれていてもよく、5.0質量%以下であることが好ましい。一方、窒素分としては、例えば、キノリン、カルバゾールなどの形で炭化水素油中に含まれている、ICP分析やGC−NPDにより測定可能な窒素分が挙げられる。なお、窒素分は、炭化水素油中に0.1質量%以上含まれていてもよく、1.0質量%以下であることが好ましい。
また、本発明の製造方法では、水は、多環芳香族化合物の芳香環を開裂(開環反応)させる際の水素源として用いられるものである。そして、炭化水素油に添加する水の量は、多環芳香族化合物の芳香環を開裂させるのに十分な量であれば良いが、例えば、炭化水素油100質量部に対して、10〜3000質量部、好ましくは、10〜2000質量部、更に好ましくは10〜1000質量部とすることができる。炭化水素油100質量部に対する水の添加量が10質量部未満の場合、開環反応の速度が低下すると共に芳香環の開裂が充分に進行しない恐れがあるからである。一方、水の添加量を3000質量部超とすると、単環芳香族化合物の製造(開環反応)に寄与しない水の量が増大することとなり、コストが増加したり、単環芳香族化合物の製造効率が低下したりするからである。
また、上記炭化水素油が硫黄分および/または窒素分を含有している場合、水は、炭化水素油中の硫黄分および窒素分を水素化反応により硫化水素やアンモニアとして除去する際の水素源としての役割も果たす。ここで、硫黄分および/または窒素分を効率的に除去する観点から、炭化水素油に添加する水の量は、炭化水素油100質量部に対して、10〜3000質量部の範囲が好ましく、10〜2000質量部の範囲が更に好ましく、10〜1000質量部の範囲が特に好ましい。炭化水素油100質量部に対する水の添加量を10質量部以上とすることで、十分な脱硫速度および/または脱窒素速度で硫黄分および/または窒素分を除去することができる。また、水の添加量を3000質量部以下とすることで、水素化反応(脱硫および脱窒素)に寄与しない水の量を抑制して、コストの増加や、脱硫・脱窒素効率の低下を避けることができる。
少なくともチタンを含有する触媒(以下、「チタン含有触媒」と称することがある)としては、金属チタン(Ti)のみからなる触媒や、Tiを含有する触媒や、二酸化チタン(TiO)を含有する触媒などのチタン元素を含む触媒を用いることができる。具体的には、例えば金属チタンのみからなる触媒や、チタン合金からなる触媒や、メッキや蒸着などの手法で表面をチタンでコーティングした触媒や、共沈法により製造した、TiOと、AlやFeなどの周期律表の第3〜第4周期の金属(但し、アルカリ金属、アルカリ土類金属を除く)の酸化物との複合酸化物からなる触媒を用いることができる。なお、触媒に使用するTiOの結晶構造は、任意の結晶構造とすることができる。また、上記チタン含有触媒は、Ti元素として、Tiを5〜100質量%含むことが好ましく、10〜80質量%含むことが更に好ましく、20〜60質量%含むことが特に好ましい。Ti元素として、Tiを5質量%以上含む触媒を使用することで、炭化水素油中の多環芳香族化合物の芳香環をより効率的に開裂させて単環芳香族化合物をより効率的に製造することが可能となる。また、炭化水素油が硫黄分および/または窒素分を含む場合は、Ti元素として、Tiを5質量%以上含む触媒を使用することで、生成油から硫黄分および/または窒素分をより効率的に除去しつつ、単環芳香族化合物をより効率的に製造することが可能となる。
そして、本発明の単環芳香族化合物の製造方法では、例えば、反応器内に充填したチタン含有触媒に対し、多環芳香族化合物を含む炭化水素油と水との混合物を接触させて、単環芳香族化合物を製造する。ここで、反応器内で触媒と混合物とを接触させる条件は、例えば、温度:300〜600℃、好ましくは400〜550℃、圧力:0.5〜50MPa、好ましくは1.0〜40MPa、液空間速度:0.01〜10h−1、好ましくは0.08〜10h−1とすることができる。温度が300℃未満の場合、反応に必要な活性化エネルギーが得られず開環反応や水素化反応(脱硫および脱窒素)が充分に進行しない恐れがあり、600℃超の場合、不要なガス(メタン、エタン等)が大量に発生し、単環芳香族化合物の収率が低下して、経済的に不利になる恐れがあるからである。また、圧力が0.5MPa未満の場合、炭化水素油と水とを反応器へスムーズに流入させることが困難になることがあり、50MPa超の場合、反応器の製造コストが高くなるからである。更に、液空間速度が0.01h−1未満の場合、不要なガスの発生が支配的となり、単環芳香族化合物の収率が低下したり、炭化水素油が硫黄分および/または窒素分を含む場合は、脱硫・脱窒素効率が低下する恐れがあり、10h−1超の場合、反応時間が短すぎて開環反応や水素化反応(脱硫および脱窒素)が充分に進行しない恐れがあるからである。
なお、本発明の単環芳香族化合物の製造方法では、多環芳香族化合物の開環反応に必要な水素を水から供給するため、水素を系外から添加する必要はない。また、炭化水素油が硫黄分および/または窒素分を含む場合であっても、脱硫および脱窒素(水素化反応)に必要な水素源として水が利用されるため、水素を系外から添加する必要はない。従って、本発明の単環芳香族化合物の製造方法においては、系外からの水素添加量と炭化水素油供給量とのモル比(水素添加量/炭化水素油供給量)は、0.1以下、好ましくは0とすることができる。よって、本発明の単環芳香族化合物の製造方法によれば、高圧水素ガスを使用することなく、多環芳香族化合物を含む炭化水素油から単環芳香族化合物を効率的に製造することができ、また、原料の炭化水素油が硫黄分および/または窒素分を含む場合であっても、目的生成物の単環芳香族化合物を含む生成油から硫黄分および/または窒素分を効率的に除去することができる。
ここで、本発明の単環芳香族化合物の製造方法では、触媒としてチタン含有触媒を使用しており、炭化水素油の水素化分解反応で使用されるような、水熱合成されたゼオライトやγ−アルミナを触媒として使用していないので、水の存在下で開環反応を行っても、高温高圧の水蒸気により触媒の結晶構造が大きく変化して触媒が使用不能となることがない。また、触媒の劣化が起こりにくく、炭化水素油を前処理する必要がない。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
超合金(インコネル625)製の反応器(内容積10ml)中に、チタン含有触媒として球状チタン(純度99.8%、粒径2mm、アユミ製作所製)24.5gを充填した。そして、チタン含有触媒を充填した反応器内に水を導入した後、温度:468℃、圧力:28MPaまで加熱および加圧した。その後、水素を添加することなく、表1に示す組成の炭化水素油と、水とをそれぞれ流量0.1ml/分(炭化水素油0.85質量部に対して水1質量部の割合)で反応器内に流通させた(液空間速度0.6h−1)。
そして、通油開始から4時間経過した後に反応生成物を採取し、下記の方法で炭化水素油中の各化合物の転化率等を算出した。結果を表2に示す。
Figure 0005449383
(転化率等の算出)
ガスクロマトグラフ(島津製作所製GC14−B、カラムDB−1 60m)を用いて反応生成物を分析し、反応生成物中に残っている各化合物のピーク面積から転化率を算出した。
また、採取した反応生成物の液の質量に対する、反応生成物中のベンゼンおよびC1〜C5ベンゼン(ベンゼン環に結合する炭化水素基の炭素数の合計が1〜5のベンゼン誘導体)の質量の比率をガスクロマトグラフで求め、ベンゼンおよびC1〜C5ベンゼンの収率とした。なお、C2〜C5ベンゼンについては、異性体の合計量を用いて収率を求めた。
(除去率の算出)
ICP分析法を用いて反応生成物を分析し、反応生成物中に残っている硫黄分の定量を行い、硫黄分除去率を算出した。
また、ガスクロマトグラフ(島津製作所製GC14−B、カラムDB−1 60m)を用いて反応生成物を分析し、キノリンのピーク面積から転化率を算出し、窒素分除去率とした。この際に、ガスクロマトグラフで、キノリンの脱窒素反応生成物であるC3ベンゼンが定量的に得られていることも確認した。
(実施例2)
チタン含有触媒として、共沈法で作製したTiO/Al複合酸化物(石原産業(株)製、TiO:88質量%、Al:12質量%、Ti元素:42質量%)を用いた以外は実施例1と同様にして水と炭化水素油とを反応器内に流通させた。
そして、実施例1と同様にして炭化水素油中の各化合物の転化率等を算出した。結果を表2に示す。
また、得られた生成物を分析して、物質収支を計算し、表3に示す結果を得た。
(比較例1)
チタン含有触媒を充填することなく、水および炭化水素油の反応器内での滞留時間が実施例1,2と同一になるように水および炭化水素油をそれぞれ0.23ml/分の流量で流通させた以外は、実施例1と同様にして水と炭化水素油とを反応器内に流通させた。
そして、実施例1と同様にして炭化水素油中の各化合物の転化率等を算出した。結果を表2に示す。
(比較例2)
触媒として、CeO−Fe/ZrO複合酸化物(第一稀元素化学工業製、CeO:59質量%、Fe:20質量%、ZrO:21質量%)を用いた以外は実施例1と同様にして水と炭化水素油とを反応器内に流通させた。
そして、実施例1と同様にして炭化水素油中の各化合物の転化率等を算出した。結果を表2に示す。
Figure 0005449383
Figure 0005449383
表2の反応生成物中のベンゼンおよびC1〜C5ベンゼンの収率より、実施例1および実施例2では、単環芳香族化合物を効果的に製造することができたことが分かる。また、表2の実施例1および2、並びに、比較例1および2より、チタンを含有する触媒を用いれば、系外から水素を添加することなく、炭化水素油中の多環芳香族化合物の芳香環を開裂させて単環芳香族化合物を効率的に製造しつつ、炭化水素油中の硫黄分および窒素分を効率的に除去し得ることが分かる。
また、表3に示す実施例2の物質収支の結果から、水中の水素原子が水素源として利用される一方、水中の酸素原子がCOの生成に寄与していることが分かる。
本発明によれば、高圧水素ガスを使用することなく、多環芳香族化合物を含む炭化水素油から単環芳香族化合物を効率的に製造することができる。また、本発明によれば、使用する炭化水素油が硫黄分および/または窒素分を含有していても、高圧水素ガスを使用することなく、生成油から硫黄分および/または窒素分を効率的に除去しつつ、単環芳香族化合物を効率的に製造することができる。

Claims (5)

  1. 多環芳香族化合物を含む炭化水素油から単環芳香族化合物を製造する方法であって、
    多環芳香族化合物を含有する炭化水素油に対して水を添加し、
    前記炭化水素油と水との混合物を、少なくともチタンを含有する触媒と接触させる、
    ことを含むことを特徴とする、単環芳香族化合物の製造方法。
  2. 前記炭化水素油が、多環芳香族化合物を10質量%以上含有することを特徴とする、請求項1に記載の単環芳香族化合物の製造方法。
  3. 前記炭化水素油が、硫黄分および/または窒素分を含有することを特徴とする、請求項1または2に記載の単環芳香族化合物の製造方法。
  4. 前記混合物と前記触媒との接触により生成する単環芳香族化合物を含む生成油から、前記硫黄分および/または窒素分の少なくとも一部が除去されていることを特徴とする、請求項3に記載の単環芳香族化合物の製造方法。
  5. 前記混合物と前記触媒との接触を、温度300〜600℃、圧力0.5〜50MPa、液空間速度0.01〜10h−1の条件下で行うことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の単環芳香族化合物の製造方法。
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