JP5448966B2 - 災害時の車両の迂回路支援システム - Google Patents
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Description
一方,災害時においては,4輪車は通れなくても2輪車なら通れるという道路状況があり得る。
これに対し,従来の技術では,4輪車は通れなくても2輪車なら通れるという道路情報が得られないため,迂回の必要のない2輪救援部隊も迂回させてしまうことがあり,結果として,2輪救援部隊の活動を必ずしも有効には支援できていなかった。
したがって,本発明が解決しようとする課題は,2輪救援部隊の活動を有効に支援することができる,災害時の車両の迂回路支援システムを提供することである。
契約車両の4輪車と2輪車とにそれぞれプローブデータを得るためのプローブデータ収集装置を設けるとともに,このプローブデータ収集装置にて得られるプローブデータには4輪車と2輪車とを区別する車両種別IDを付加し,
4輪車,2輪車,それぞれのプローブデータ収集装置から得られた前記車両種別ID付プローブデータに基づいて,道路を,
4輪車と2輪車の両方とも通れない道路と,
4輪車は通れないが,2輪車なら通れる道路と,
4輪車と2輪車の両方が通れる道路と,
に区別した道路交通情報を作成するとともに、
前記プローブデータ収集装置は,契約に基づきアクセス可能となるシステムサーバーに対し,通信ネットワーク手段を介して通信接続される,前記契約車両に設けられたナビゲーション装置で構成し、
前記道路交通情報に基づき,前記契約車両の所有者が目的地設定を行なった場合に,前記4輪車用の支援ルートと2輪車用の支援ルートとを両方を作成し,前記契約車両のナビゲーション装置へ当該支援ルートを提供することを特徴とする.
この災害時の車両の迂回路支援システムによれば,4輪車は通れなくても,2輪車なら通れる道路の情報を得ることができ,2輪救援部隊の迅速な活動を支援することができる。
また、道路交通情報に基づき,前記契約車両の所有者が目的地設定を行なった場合に,前記4輪車用の支援ルートと2輪車用の支援ルートとを両方を作成し,前記契約車両のナビゲーション装置へ当該支援ルートを提供するするので、4輪救援部隊のための支援ルートと2輪救援部隊のための支援ルートとをそれぞれ明確化して,4輪救援部隊の活動と2輪救援部隊の活動とをそれぞれ有効に支援することができる。
このように構成すると,前記「4輪車は通れないが,2輪車なら通れる道路」が,さらに,どのタイプの2輪車が走行できる道路なのかが分かり,2輪救援部隊の一層迅速な活動を支援をすることができる。
このように構成すると,車両種別IDによって,車種名,年式を自動的に特定することができ,したがって,前記2輪車がオフロード車なのかオンロード車なのかも自動的に識別することができる。
このように構成すると,より適切な4輪車用の支援ルートと2輪車用の支援ルートとを作成することができる。
図1は,本発明に係る災害時の車両の迂回路支援システムの一実施の形態を示すシステム構成図,図2は同システムの作動説明図である。
自動車2には,2輪車2bと,4輪車2cとが含まれている。2輪車2bに搭載されるナビ装置200と,4輪車2cに搭載されるナビ装置200は同一構成とすることができる(ただし車両識別ID等は別である)が,以下の説明では,必要に応じて,2輪車2bに搭載されたものをナビ装置200b,4輪車2cに搭載されたものをナビ装置200cということもある。またこれらを総称して単にナビ装置200ということもある。
ナビサーバ100は支援マップ格納部102と,道路交通情報格納部104と,第1支援処理部110と,第2支援処理部120とを備えている。
なお,本明細書において「リンク」とは,道路網表現上のノードとノードとを連結する線分(道路)をいうものとする。ノードとは道路網表現上の結節点をいう。
その場合,車両種別IDは,当該車両種別IDが付与される車両の車体番号とするか,該車体番号を含むIDとすることにより,その車両種別IDによって,車種名,年式を自動的に特定することができるようにする。それによって,前記2輪車2bがオフロード車なのかオンロード車なのかも自動的に識別することが可能になる。
第1支援処理部110は道路交通情報センターのサーバ等から,各リンクの移動コスト等の道路交通情報を受信する。
このコストの評価は,2輪車2bに設けたプローブデータ収集装置200bから得られたプローブデータと,4輪車2cに設けたプローブデータ収集装置200cから得られたプローブデータとに基づいて2輪車用,4輪車用別々に評価し,2輪車用のコストと,4輪車用のコストとを作成する。さらに,2輪車用については,オフロード車(図7(a))から得られたプローブデータと,オンロード車(図7(b))から得られたプローブデータとに基づき,オフロード車用のコストと,オンロード車用のコストとを作成する。
出力装置202は4輪車のセンターコンソールや2輪車のバーハンドル等に取り付けられたディスプレイ装置で構成でき,マップ情報等を表示または出力する。
第2処理部220はナビサーバ100との通信に基づき,当該ナビサーバ100において生成された上記各種の道路交通情報のうちの一部または全部を認識できるように構成することができる。第2処理部220は当該道路交通情報と,ナビマップ格納部202に格納されているナビマップ情報とに基づいてナビルートrを設定し,かつ,当該ナビルートrを出力装置202に出力させる。すなわち,ナビ装置200が2輪車に搭載されたナビ装置200bである場合,第2処理部220は2輪車用のナビルートrb(図6(b)参照)を設定し,ナビ装置200が4輪車に搭載されたナビ装置200cである場合,第2処理部220は4輪車用のナビルートrc(図6(b)参照)を設定する。さらに,ナビ装置200がオフロード車に搭載されたナビ装置である場合,第2処理部220はオフロード車用のナビルートr(図示せず)を設定できるし,ナビ装置200がオンロード車に搭載されたナビ装置である場合,第2処理部220はオンロード車用のナビルートr(図示せず)を設定できる。
契約車両2の個々に装着されるナビ装置200において,第1処理部210により,GPS受信機(図示略)により受信されたGPS信号や,自動車2に搭載されている加速度センサおよびレートセンサ等(図示略)の出力に基づき,時刻tにおける自動車2の位置P(t)が一定時間間隔ごとに測定される(図2/S022)。複数時点における位置P(t)が,自動車2の識別情報が付された「プローブデータ」としてナビサーバ100に対して送信またはアップロードされる。自動車2の識別情報には前述した車両種別IDが含まれる。
この「リンクのコスト」とは,そのリンクのルートを通った場合の「距離」「時間」「通りやすさ」などを総合的に評価する指標であり,「そのリンク(ルート)を通るために費やす労力・費用・リスクの全般」を意味するものである。コストが小さいということは,通り易いということであり,費用や労力,リスクが大きいリンク(ルート)はコストが大きく設定される。例えば,国道などの主要幹線道はコスト1,県道などの主要道はコスト2,村道などの生活道はコスト4といった設定とされ,目的地までの走行ルートを設定する際には,リンクコストが低くなるようにルートが設定されて,契約車両のナビ装置にルート情報が提供されることになる。
このコスト評価は,4輪車2c,2輪車2b,それぞれのプローブデータ収集装置200c,200bから得られた車両種別ID付プローブデータに基づいて行なわれる。
たとえば第2支援処理部120は前記災害発生後に図3(a)に示されているように4輪車2c,2輪車2b,ともに通過した(次に述べるように進行方向を反転させた場合は除く。)頻度が高い道路に包含されるリンクL1のコストは4輪用,2輪用のいずれのコストも低く評価する。これは,災害発生後において4輪車,2輪車,ともに通過頻度が高い道路に包含されるリンクL1は災害による影響が少なく安全である蓋然性が高いことが勘案されたためである。
さらに,第2支援処理部120は,災害発生前のプローブデータから演算される自動車2の交通量や平均通行時間と,災害発生後のプローブデータから演算される自動車2の交通量や平均時間とが閾値を越えて相違するような道路に包含されるリンクのコストを高く評価する。
4輪車と2輪車の両方とも通れない道路(リンク)と,
4輪車は通れないが,2輪車なら通れる道路(リンク)と,
4輪車と2輪車の両方が通れる道路(リンク)と,
に区別して評価し,その評価に基づいて道路交通情報を作成する。
また,2輪車が通れる道路については,さらに,オフロード車(図7(a))とオンロード車(図7(b))の両者とも通れる道路と,オフロード車のみ通れる道路とに区別して評価し,その評価に基づいて道路交通情報を作成する。
第2処理部220は,リンクL2が4輪車2c,2輪車2bとも走行不能である場合には,4輪車2c,2輪車2bに対し図6(a)に示すようなナビルートrを設定して出力するし,リンクL2が4輪車2cは走行不能であるが2輪車2bは走行可能である場合には,図6(b)に示すように,4輪車2cにおいては4輪車2c用のナビルートrcを,2輪車2bにおいては2輪車2b用のナビルートrbを設定して出力する。また,2輪車用のナビルートrbについては,図示はしないが,オフロード車用のナビルートと,オンロード車用のナビルートとを区別して設定し,出力する。
図8は災害発生エリアの道路状態の一例を示す概略図で,(a)は災害発生前(平常時)の道路状態を示す図,(b)はそのリンクのコストの一例を示す図である。
・幹線道(国道など) 図中の白抜き太線 ・・・ コスト=1
・主要道(県道など) 図中の中線 ・・・ コスト=2
・生活道(村道など) 図中の細線 ・・・ コスト=4
ルートA1(M1) : 12 ( =1+1+2+2+2+4)
ルートA2(M2) : 5 (=1+4)
ルートA3(M3) : 3 (=1+2)
ルートA4(M4) : 10 (=1+1+2+2+4)
ナビ装置は,リンクコストの低い順にルートを選ぶから,平常時の場合,ルートA3(M3)が選ばれる。
ルートA1(M1)は,4輪2輪とも通過できるので,該ルートに含まれるリンクのコストは変更する必要がない。
ルートA2(M2)は,4輪(2c)はリンクL2でUターンしているが,2輪(2b)は通過できるので,リンクL2のコストは4輪に関しては高くする必要があるが,2輪につ関しては変更する必要がない。
ルートA3(M3)は,4輪2輪ともリンクL3でUターンしているので,リンクL3のコストは4輪2輪いずれに関しても高くする必要がある。
ルートA4(M4)も同様に,4輪2輪ともリンクL4でUターンしているので,リンクL4のコストは4輪2輪いずれに関しても高くする必要がある。
リンクL2のコストは,4輪に関してのみ「4」から例えば「30」に変更する。
リンクL3,L4のコストは,4輪2輪いずれに関しても「2」から例えば「30」に変更する。
結果として,災害発生後,支援本部から被災A地区へ向かう各ルートのリンクコストは,次のようになる。
ルートA1 : 12 ( =1+1+2+2+2+4)
ルートA2 : 31 (=1+30)
ルートA3 : 31 (=1+30)
ルートA4 : 38 (=1+1+2+30+4)
ルートM1 : 12 (=1+1+2+2+2+4)
ルートM2 : 5 (=1+4)
ルートM3 : 31 (=1+30)
ルートM4 : 38 (=1+1+2+30+4)
上記の例では「二輪車だけが通れたリンク」L2の二輪向けコストを不変としたが,実際にはある程度の被害を受けていることも考えられるから,例えば「8」とか「10」程度に増しても良い。また,オフロード車に対してはコストを不変とするが,オンロード車に対しては例えば「8」とか「10」程度に増しても良い。
(a)この災害時の車両の迂回路支援システムは,災害発生時に,車両のプローブデータに基づいて,車両の迂回路を支援する災害時の車両の迂回路支援システムであって,
4輪車2cと2輪車2bとにそれぞれプローブデータを得るためのプローブデータ収集装置200c,200bを設けるとともに,このプローブデータ収集装置にて得られるプローブデータには4輪車と2輪車とを区別する車両種別IDを付加し,
4輪車,2輪車,それぞれのプローブデータ収集装置200c,200bから得られた前記車両種別ID付プローブデータに基づいて,道路を,
4輪車と2輪車の両方とも通れない道路と,
4輪車は通れないが,2輪車なら通れる道路と,
4輪車と2輪車の両方が通れる道路と,
に区別した道路交通情報を作成するので,4輪車は通れなくても,2輪車なら通れる道路の情報を得ることができ,2輪救援部隊の迅速な活動を支援することができる。
rc 4輪車用の支援ルート
rb 2輪車用の支援ルート
Claims (5)
- 災害発生時に,契約車両の走行データ(プローブデータ)に基づいて,車両の迂回路を支援する災害時の車両の迂回路支援システムであって,
契約車両の4輪車と2輪車とにそれぞれプローブデータを得るためのプローブデータ収集装置を設けるとともに,このプローブデータ収集装置にて得られるプローブデータには4輪車と2輪車とを区別する車両種別IDを付加し,
4輪車,2輪車,それぞれのプローブデータ収集装置から得られた前記車両種別ID付プローブデータに基づいて,道路を,
4輪車と2輪車の両方とも通れない道路と,
4輪車は通れないが,2輪車なら通れる道路と,
4輪車と2輪車の両方が通れる道路と,
に区別した道路交通情報を作成するとともに、
前記プローブデータ収集装置は,契約に基づきアクセス可能となるシステムサーバーに対し,通信ネットワーク手段を介して通信接続される,前記契約車両に設けられたナビゲーション装置で構成し、
前記道路交通情報に基づき,前記契約車両の所有者が目的地設定を行なった場合に,前記4輪車用の支援ルートと2輪車用の支援ルートとを両方を作成し,前記契約車両のナビゲーション装置へ当該支援ルートを提供することを特徴とする災害時の車両の迂回路支援システム。 - 前記迂回路支援システムは,災害発生地域を含むプローブデータ収集エリアの情報を,災害情報センターサーバーより入手し,当該エリアの前記契約車両の前記走行データ(プローブデータ)から前記道路交通情報を作成することを特徴とする請求項1記載の災害時の車両の迂回路支援システム。
- 前記2輪車のための車両種別IDには,山間部の悪路走破性の高い,車両の最低地上高が高いオフロード車と,最低地上高はオフロード車より低く,平坦な道路が比較的多い都市部で高速走行性が高いオンロードバイクとを区別する識別子を含ませることを特徴とする請求項1または2に記載の災害時の車両の迂回路支援システム。
- 前記車両種別IDは,当該車両種別IDが付与される車両の車体番号とするか,該車体番号を含むIDとすることを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか一項に記載の災害時の車両の迂回路支援システム。
- 前記4輪車用の支援ルートは4輪車用のコストを用いて作成し,前記2輪車用の支援ルートは2輪車用のコストを用いて作成することを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか一項に記載の災害時の車両の迂回路支援システム。
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