JP5447963B2 - 立体マーカを利用した位置計測システム - Google Patents
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Description
このGPS方式には、複数の衛星から発信されるGPS電波を受信して、受信した位置の位置情報(経度、緯度)を演算して求めるものであるが、簡易的なものでは精度が不十分であり、高精度なものは高価になってしまう。また、計測する対象全てにGPS受信機を搭載する必要があり、その分大きなコストがかかり、コストパーフォーマンスが低下する。さらに、GPS電波が届かない場所では当然のことながら利用することができないという問題がある。
また、従来のマーカは一般に全て同じで区別することができないため、複数のマーカが接近・交差するような場合は、正しい計測ができないという問題がある。
請求項2の発明は、計測対象に配置した複数の立体マーカと、前記複数の立体マーカを認識しその画像データを取得する2台のカメラと、前記取得した画像データに基づき、前記立体マーカの位置を算出する画像処理装置とからなる位置計測システムであって、各面毎に異なる識別パターンを備えた前記複数の立体マーカと、前記2台のカメラで取得した立体マーカの面の画像データに基づき前記立体マーカの3次元座標の重心の位置を求める算出処理を行う前記画像処理装置の探索部と、を有し、前記探索部は、立体マーカの面の識別パターンを識別する識別部と、前記識別部で識別した立体マーカの面情報に基づき前記立体マーカの重心位置を求める算出処理を行う3次元座標算出部と、を有するものであって、前記立体マーカは前記各面が識別可能な識別マークを備えた立方体であり、前記識別部が2台のカメラの認識画像において同じ立体マーカの同じ面を識別したとき、前記3次元座標算出部は識別された立体マーカの面の4頂点座標からその中心座標を求め、かつ前記中心座標から重心Gに向かうベクトルを求める算出処理を行うことを特徴とする位置計測システムである。
請求項3の発明は、計測対象に配置した複数の立体マーカと、前記複数の立体マーカを認識しその画像データを取得する2台のカメラと、前記取得した画像データに基づき、前記立体マーカの位置を算出する画像処理装置とからなる位置計測システムであって、各面毎に異なる識別パターンを備えた前記複数の立体マーカと、前記2台のカメラで取得した立体マーカの面の画像データに基づき前記立体マーカの3次元座標の重心の位置を求める算出処理を行う前記画像処理装置の探索部と、を有し、前記探索部は、立体マーカの面の識別パターンを識別する識別部と、前記識別部で識別した立体マーカの面情報に基づき前記立体マーカの重心位置を求める算出処理を行う3次元座標算出部と、を有するものであって、前記立体マーカは前記各面が識別可能な識別マークを備えた立方体であり、前記識別部が2台のカメラの認識画像において同じ立体マーカの異なる面を識別したとき、前記3次元座標算出部は、前記異なる面に共通する共通辺の垂直二等分平面上で、前記辺の前記垂直二等分平面との交点を中心として前記立方体の重心を通る円を求め、前記2台のカメラの視線の交点である第1次計測点と前記共通辺を含む平面と、前記円との交点を求める算出処理を行うことを特徴とする位置計測システムである。
請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載された位置計測システムにおいて、前記複数の立体マーカは、それぞれが異なる識別マークを備えていることを特徴とする位置計測システムである。
図1は、本実施形態に係る位置計測システムのブロック図である。
本実施形態の位置計測システムは、位置検出の監視対象となる例えば、橋などの構造物や地盤の適所に配置した立体マーカを観察し、経時的な位置のずれを観測等に用いる。
本位置計測システム10は、外部機器20と画像処理装置30とから成る。
外部機器20は、2台のカメラ201と、入力装置202及び出力装置203等であり、画像処理装置30は、これら外部機器20との接続部であるインタフェース32と、RAM34と、CPU36とから成っている。
入力装置202は、本位置計測システム10における各種設定データの入力や、その指示又は操作を行うための例えばキーボードやタッチパネル等の入力手段からなっている。
出力装置203は、位置計測したマーカの計測結果や、入力データの確認などを行えるよう例えばLC(液晶)表示装置を備えている。或いは出力装置203に通信部を設けて、監視センタなどへ出力結果を送信するように構成してもよい。
CPU36は、図示しないROMに格納されたプログラムを実行することにより、RAM34に格納された取得画像と、同様に格納された3次元座標算出用の計算式データ(行列)に基づき立体マーカCMの位置(重心位置)を算出するためのマーカ探索部361としての機能を実現する。
また、CPU36は、同様にROMに格納されたプログラムを実行することにより、立体マーカCMのID認識部361a、3次元座標算出部361bとしての機能も実現する。
具体的には、2台のカメラ201で撮影された立体マーカCMの面が同一面の場合と、異なる面である場合とに分けて、それぞれ異なる手法でその位置の探索を行う。
本実施形態で使用する立体マーカCMは、それぞれ異なる識別マーク(IDマーク)が施されているが、それと共に、2台のカメラの撮影面が同じ面か否かを識別するため、各面にもそれぞれ異なる識別マーク(模様)が施されている。
図2Bに示す模様はその一つで、黒の縁で囲った枠内に小さな正方形を対角線上に2個配置した形状を示している。
このように、各面毎に独特の模様を付しておくことにより、カメラが撮影又は認識したのはどの立体マーカCMかを容易に識別することができる。
2台のカメラを用いて対象物の位置を計測する計測方法としては、一般には3次元空間において二つの視点から同じ1点を見ているときの対応関係を記述する、エピポーラ幾何を用いる方法が知られている。しかし、エピポーラ幾何を用いる計測方法では、計測対象が厚みをもつ場合は計測結果に誤差が生じてしまうため、立体マーカCMの位置計測には適さない。
そこで、本実施形態の位置計測システムでは、2台のカメラ201による立体マーカCMの認識結果に基づき、マーカの位置(座標)を精度良く求めるために、必要な補正を行う以下の方法を採用した。
図6に示すように、2台のカメラ201のうち、Aカメラ201は立体マーカCMの一つの面を認識し、Bカメラ201は、二つの面(実際には、Aカメラが認識した面とその面に隣接した他の面となる)を認識しているときは、認識しているそれぞれの面の中心座標S1、S2と、その二つの中心座標S1、S2の中間の中間座標S3とBカメラ201のレンズの中心とを結ぶ視線L3を求め、その視線L3とAカメラ201の視線L1との交点を求め、これを立体マーカCMの位置Pとする。
この位置Pは図5に示す位置Pと比較すれば明らかなように、立体マーカCMの重心Gに極めて接近した位置にある。つまり、ほぼ、実際の立体マーカCMの位置を表していると云える。
即ち、立体マーカCMがIDマークにより個別に認識できることは既に述べたとおりであるが、その16種類のパターンのうちの何れかのパターンを用いて、即ち例えば図7に示すように1面おきに白と黒を反転させて区別すると、天井と底を除く4面の異なる面パターンが得られるのでこれを利用する。これにより、2値化処理などの途中工程において、白黒版とその反転版で検出処理を変えることで、それぞれの面を上記ID認識部361aにより容易に識別することができる。
以下、2台のカメラ201が認識する面を識別することで位置計測精度を上げる方法について説明する。
上記立体マーカCMについて、上記マーカ探索部361のID認識部361aが、Aカメラ及びBカメラ201が認識した立体マーカCMの同じ面を識別するときは、まず、図8に示すように、計測システムのCPU36の探索部361(3次元座標算出部361b)は、認識した面の4頂点の3次元座標を求め、各頂点を結ぶ辺のベクトル和(式1)からその中心座標Mを求める。
次に、識別部であるID識別部361aが2台のカメラの認識画像において同じ立体マーカの異なる面を識別した場合についてその位置Pを求める方法について説明する。
各カメラA、Bは、図11に示すように、それぞれが認識した異なる2つの面の共通する辺(図示の場合は線分CD)を認識している。立体マーカCMの重心Gは、図11と、図11の3次元斜視図である図12に示すように、線分CDの垂直二等分平面上の半径CD/21/2の円Rの円周上に存在する。
本実施形態では、CPU36の探索部361の3次元座標算出部361bがこの2次計測点を立体マーカCMの位置(座標)として算出する。
上記手法により、立体マーカCMが持つ厚みによる計測誤差を軽減し、立体マーカCMの重心Gの位置にごく近い位置を求めることができる。
まず、2台のカメラ201の立体マーカCMの画像データを取得し(S101)、取得した画像データを2値化して(S102)、マーカの探索を行う(S103)、ここで、全てのマーカの探索が終了しておらず(S104、NO)、登録済みの立体マーカCMを発見したときは(S105、YES)、2台のカメラ201の認識した面が同じ面であれば(S106、YES)、既に述べたようにベクトル積から重心座標を求める処理を行う(S107)。
ステップS106で、2台のカメラ201の認識した面が同じ面でなければ(S106、NO)、上述のように、立体マーカCMの上記それぞれの面の共通の線分と1次計測点(各カメラ201が認識した面の2次元の中心座標を通る各カメラA、Bの視線の交点)に基づき重心座標を求める処理を行う(S108)。
本実施形態によれば、マーカにID機能を持たせることで、複数の計測対象が接近・交差するような場面においてもそれぞれの位置を正しく計測することができる。
また、画像認識により検出できるのはマーカの表面に限られているため、計測したいマーカの重心を求める際には或程度の誤差が不可避であるが、誤差を抑え精度を向上させることができる。
したがって、この前提が崩れると、つまり2台のカメラ201が、図16に示すように立体マーカCMの向かい合った2面を認識するような場合は、計測精度を維持することはできない。
そこで、以下、これに対応する計測方法について説明する。
大きさが分かっている2枚の板を、図18に示すように直角になるように上下に重ねて配置し、かつ、全ての面を識別できるようにした板を用いる。
2台のカメラ201の視線の位置が上下別のマーカとなる板を捉えているとき、どちらかの映像をシフトさせて同じ高さに合わせて交わるように補正する。即ち、例えば図19Aに示すように下の板に合わせて補正する場合は、上のマーカを捉えたカメラは、マーカ(板)の大きさは予め分かっているので、上の板が何画素見えているかを認識し、その画素数により補正量を決めて、視線が下の板で互いに交わるように補正する。上のマーカを認識した場合は、板の大きさだけ画像上で補正を加え、図19Bに示すように、カメラの視線が下の板と交わるようにする。
Claims (4)
- 計測対象に配置した複数の立体マーカと、前記複数の立体マーカを認識しその画像データを取得する2台のカメラと、前記取得した画像データに基づき、前記立体マーカの位置を算出する画像処理装置とからなる位置計測システムであって、
各面毎に異なる識別パターンを備えた前記複数の立体マーカと、前記2台のカメラで取得した立体マーカの面の画像データに基づき前記立体マーカの3次元座標の重心の位置を求める算出処理を行う前記画像処理装置の探索部と、を有し、
前記探索部は、立体マーカの面の識別パターンを識別する識別部と、前記識別部で識別した立体マーカの面情報に基づき前記立体マーカの重心位置を求める算出処理を行う3次元座標算出部と、を有するものであって、
2台のカメラのうち一方のカメラの画像データが立体マーカの1面を認識し、他方のカメラの画像データが立体マーカの2面を認識したものであるとき、前記3次元座標算出部は、前記他方のカメラが認識する2面のそれぞれの中心座標間の中間座標を算出し、算出した中間座標と前記他方のカメラのレンズの中心とを結ぶ視線と、前記一方のカメラの視線との交点を求める算出処理を行うことを特徴とする位置計測システム。 - 計測対象に配置した複数の立体マーカと、前記複数の立体マーカを認識しその画像データを取得する2台のカメラと、前記取得した画像データに基づき、前記立体マーカの位置を算出する画像処理装置とからなる位置計測システムであって、
各面毎に異なる識別パターンを備えた前記複数の立体マーカと、前記2台のカメラで取得した立体マーカの面の画像データに基づき前記立体マーカの3次元座標の重心の位置を求める算出処理を行う前記画像処理装置の探索部と、を有し、
前記探索部は、立体マーカの面の識別パターンを識別する識別部と、前記識別部で識別した立体マーカの面情報に基づき前記立体マーカの重心位置を求める算出処理を行う3次元座標算出部と、を有するものであって、
前記立体マーカは前記各面が識別可能な識別マークを備えた立方体であり、前記識別部が2台のカメラの認識画像において同じ立体マーカの同じ面を識別したとき、前記3次元座標算出部は識別された立体マーカの面の4頂点座標からその中心座標を求め、かつ前記中心座標から重心Gに向かうベクトルを求める算出処理を行うことを特徴とする位置計測システム。 - 計測対象に配置した複数の立体マーカと、前記複数の立体マーカを認識しその画像データを取得する2台のカメラと、前記取得した画像データに基づき、前記立体マーカの位置を算出する画像処理装置とからなる位置計測システムであって、
各面毎に異なる識別パターンを備えた前記複数の立体マーカと、前記2台のカメラで取得した立体マーカの面の画像データに基づき前記立体マーカの3次元座標の重心の位置を求める算出処理を行う前記画像処理装置の探索部と、を有し、
前記探索部は、立体マーカの面の識別パターンを識別する識別部と、前記識別部で識別した立体マーカの面情報に基づき前記立体マーカの重心位置を求める算出処理を行う3次元座標算出部と、を有するものであって、
前記立体マーカは前記各面が識別可能な識別マークを備えた立方体であり、前記識別部が2台のカメラの認識画像において同じ立体マーカの異なる面を識別したとき、前記3次元座標算出部は、前記異なる面に共通する共通辺の垂直二等分平面上で、前記辺の前記垂直二等分平面との交点を中心として前記立方体の重心を通る円を求め、前記2台のカメラの視線の交点である第1次計測点と前記共通辺を含む平面と、前記円との交点を求める算出処理を行うことを特徴とする位置計測システム。 - 請求項1ないし3のいずれかに記載された位置計測システムにおいて、
前記複数の立体マーカは、それぞれが異なる識別マークを備えていることを特徴とする位置計測システム。
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