JP5446588B2 - 車両用シート装置 - Google Patents

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JP5446588B2 JP2009192556A JP2009192556A JP5446588B2 JP 5446588 B2 JP5446588 B2 JP 5446588B2 JP 2009192556 A JP2009192556 A JP 2009192556A JP 2009192556 A JP2009192556 A JP 2009192556A JP 5446588 B2 JP5446588 B2 JP 5446588B2
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Description

本発明は、シートバック及びシートクッションを使用位置と格納位置との間を移動させ
る車両用シート装置に関する。
従来、シートバックのシートバックフレームを車両フロアに対して前方側に倒すと共に
シートクッションのシートクッションフレームを車両フロアに対して後方側に移動するこ
とによりシートバック及びシートクッションを格納する車両用シート装置がある。例えば
、特許文献1に開示されている車両用シート装置は、シートクッションフレームの移動機
構としてリンク部材、案内部材、及びスライド部材を備えている。
リンク部材は、一端側が車両フロア上に回動中心回りに回動可能に連結され他端側がシ
ートクッションフレームの前端部に回動可能に連結されている。案内部材は、車両フロア
上に配置され使用位置と格納位置とに亘ってガイド溝が形成されている。スライド部材は
、シートクッションフレームの後端部に設けられ案内部材のガイド溝にスライド可能に係
合されている。このような構成において、リンク部材を回動させてスライド部材を案内部
材のガイド溝に沿ってスライドさせることにより、シートクッションフレームを使用位置
と格納位置との間を移動させることができる。
特開2008−285025号公報(段落番号0014、図1,2)
上記車両用シート装置では、シートクッションフレームを格納位置から使用位置に移動
させるときは、リンク部材を前方側に回動させてスライド部材を案内部材のガイド溝に沿
って使用位置側にスライドさせ、シートクッションフレームを使用位置に位置決めすると
きは、スライド部材をガイド溝の使用位置側の端部に当接させている。ところが、スライ
ド部材をガイド溝の使用位置側の端部に当接させたとき、衝撃音が発生する場合がある。
この衝撃音の発生を防止するには、スライド部材又はガイド溝の使用位置側の端部に弾性
部材を設ければ良い。
ところが、案内部材は長尺で大型な部品であるため、スライド部材と案内部材とを組付
ける際に組付けバラツキが発生し易く、スライド部材又はガイド溝の使用位置側の端部に
設けた弾性部材ではスライド部材とガイド溝の使用位置側の端部との当接度合いを充分に
和らげることが困難になるおそれがある。また、スライド部材に弾性部材を設けた場合は
、ガイド溝との摺動抵抗が増加してスライド部材のスムーズなスライドが困難になるおそ
れがある。また、ガイド溝の使用位置側の端部に弾性部材を設けた場合は、案内部材が板
金で形成されているためガイド溝の使用位置側の端部に対する弾性部材を面で固着できず
、繰り返し使用で弾性部材がガイド溝の使用位置側の端部から脱落するおそれがある。ま
た、ガイド溝の使用位置側には、スライド部材のロック機構等が配設されるため、弾性部
材の配設スペースの確保が困難である。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、シートクッションフレームを格納位
置から使用位置に移動させて位置決めするときの衝撃音の発生を防止できる車両用シート
装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明の特徴は、使用位置と格納位置との間で移動可能なシートクッションのシートクッションフレームと、起立位置と前倒位置との間で回動可能なシートバックのシートバックフレームと、一端側が車両フロア上に回動中心回りに回動可能に連結され他端側が前記シートクッションフレームの前端部に回動可能に連結された左右一対のリンク部材と、前記車両フロア上に配置され前記使用位置と前記格納位置とに亘ってガイド溝を形成した案内部材と、前記シートクッションフレームの後端部に設けられ前記案内部材のガイド溝にスライド可能に係合されたスライド部材と、を備えた車両用シート装置において、前記車両フロアに固定され、前記リンク部材が使用位置方向に回動されて前記シートクッションが前記使用位置に移動されたとき前記リンク部材と対向する当接部材と、前記リンク部材又は前記当接部材に固定され、前記スライド部材が前記ガイド溝の前記使用位置側の端部に当接する手前から当接するまでの間で前記リンク部材と前記当接部材との間に挟まれて弾性変形する弾性部材と、を備え、前記弾性部材は、前記当接部材と当接した後、前記リンク部材が使用位置方向に所定角度回動する間は、前記リンク部材が回動するに連れて前記当接部材による圧縮量が徐々に増加するように、前記リンク部材の回動中心からの半径が徐々に増大する形状に形成されている、ことである。
請求項2に係る発明の特徴は、請求項1において、前記弾性部材は、前記スライド部材が前記ガイド溝の前記使用位置側の端部に当接する直前範囲では、前記圧縮量が増加するにつれて前記当接部材との接触面積が増大するように形成されていることである。
請求項3に係る発明の特徴は、請求項1又は2において、前記シートクッションフレー
ムは、前記使用位置と前記格納位置との間で電気モータによって往復駆動され、前記シー
トバックフレームは、前記起立位置と前記前倒位置との間で電気モータによって回動駆動
されることである。
請求項1に係る発明によれば、スライド部材がガイド溝の使用位置側の端部に当接する
手前から当接するまでの間は、弾性部材がリンク部材と当接部材との間に挟まれて弾性変
形するため、スライド部材はガイド溝の使用位置側の端部に緩やかに当接することになる
。よって、シートクッションを格納位置から使用位置へ移動させたときの上記当接時の衝
撃音の発生を防止することができる。
すなわち、弾性部材をリンク部材又は当接部材に設けているので、リンク部材が当接部
材に当接するまでの所定の回動角度において弾性部材を充分に弾性変形させることができ
る。よって、スライド部材と案内部材とに組付けバラツキが発生しても、スライド部材と
ガイド溝の使用位置側の端部との当接度合いを充分に和らげることが可能となる。さらに
、弾性部材をリンク部材又は当接部材に設けているので、スライド部材のガイド溝におけ
るスライドには直接影響せずスライド部材をスムーズにスライドさせることができる。ま
た、弾性部材をリンク部材又は当接部材に面で固着できるので、繰り返し使用でも弾性部
材はリンク部材又は当接部材から脱落し難くなる。また、リンク部材周辺にはロック機構
等は配設されないので、弾性部材の配設スペースを充分に確保できる。
そして、弾性部材が当接部材と当接した後、リンク部材が使用位置方向に所定角度回動する間は、リンク部材が回動するに連れて当接部材による圧縮量が増加するので、スライド部材とガイド溝の使用位置側の端部との当接度合いを徐々に和らげることができる。
請求項2に係る発明によれば、スライド部材がガイド溝の使用位置側の端部に当接する直前範囲では圧縮量が増加するにつれて当接部材との接触面積が増大するので、スライド部材とガイド溝の使用位置側の端部との当接力による面圧を徐々に低下させることができる。よって、スライド部材がガイド溝の使用位置側の端部に当接する時の衝撃音の発生を防止することができる。

請求項3に係る発明によれば、特に電動のシートクッションフレームでは、格納位置か
ら使用位置への駆動を一定速度で行うため、スライド部材がガイド溝の使用位置側の端部
に当接する時に衝撃音が発生し易いが、クッション材をリンク部材又は当接部材に設けて
いるので、上記衝撃音の発生を防止することができる。
本発明の実施形態に係る車両用シート装置の構成を示し、シートクッション及びシートバックが使用位置に配置された状態を示す側面図である。 図1の車両用シート装置のシートクッションフレームが使用位置から格納位置に移動開始する直前の状態を示す概略側面図である。 図1の車両用シート装置のシートクッションフレームが格納位置から使用位置に移動開始する直前の状態を示す概略側面図である。 図1の車両用シート装置のシートクッションフレームのリンク部材に固着される弾性部材の斜視図である。 図1の車両用シート装置のシートクッションフレームが格納位置から使用位置に移動するときの図4の弾性部材の状態を示す概略側面図であり、(A)はシートクッションフレームが格納位置にあるとき、(B)はシートクッションフレームが使用位置への移動途中にあるとき、(C)はシートクッションフレームが使用位置にあるときを示す。
以下、本発明の実施の形態の車両用シート装置について図面に基づいて説明する。図1
に示すように、車両用シート装置10は、図示しない自動車(例えば、所謂ワンボックス
タイプやミニバンタイプの自動車)の最後部の座席であり、全体的に平坦状に形成された
車両フロア14(車体床部)の上部に設置されている。なお、本実施形態では、車両用シ
ート装置10の前後左右上下の方向は、この車両用シート装置10が搭載された自動車の
前後左右上下の方向と一致しており、図中に示した通りである。
車両用シート装置10は、乗員着座用のシートクッション11と、このシートクッショ
ン11に着座した乗員の背部を支持するシートバック12とを有している。シートクッシ
ョン11は、その骨格を構成するシートクッションフレーム13を有している。シートク
ッションフレーム13は、シートクッション11の幅方向両側部内に前後方向に沿って延
在する左右一対の延在部13aを備えている。延在部13aは、板状に形成されており、
板厚方向が車幅方向に沿う状態で配置されている。一対の延在部13aの後端部は、車幅
方向に沿って延在する板状の連結部(図示省略)によって連結されており、シートクッシ
ョンフレーム13は、上面視で略コ字形に形成されている。
シートクッション11は、シートクッションフレーム13と、シートクッションフレー
ム13上にバネを介して載置される図略のシートパッドと、これらを覆う表皮材15等に
よって構成されている。シートクッションフレーム13は、左右一対のリンク部材24及
び左右一対のレール26を介して車両フロア14に連結されている。そして、シートクッ
ション11を格納するための格納室31が、シートバック12後方の荷室33の床部を構
成するデッキボード25の下側に設けられている。シートクッション11は、図2に示す
乗員が着座可能な使用位置と、図3に示す使用位置よりも低い位置となる格納位置との間
で移動可能とされている。
シートバック12は、その骨格を構成するシートバックフレーム17を有している。シ
ートバックフレーム17は、シートバック12の幅方向両側部内に配置されてシートバッ
ク12の高さ方向に延在する左右一対の板状のサイド部17aと、シートバック12の上
端部内にシートバック12の幅方向に沿って配置されて一対のサイド部17aの上端部に
連結されるパイプ状のアッパ部17cとを備えており、正面視で略コ字形に形成されてい
る。
シートバック12は、シートバックフレーム17と、シートバックフレーム17上にバ
ネを介して載置される図略のシートパッドと、これらを覆う表皮材18等によって構成さ
れている。なお、シートバック12の下端部には、シートクッション11が使用位置と格
納位置との間で移動する際に、シートクッション11がシートバック12に干渉すること
を防止するための凹部19が形成されている。シートバックフレーム17の一対のサイド
部17aの下端部は、シートバック12の左右両側でそれぞれ連結プレート22とレール
26との間に配置されており、周知のリクライニング機構(図示省略)を介して連結プレ
ート22に回動可能に連結されている。
シートバックフレーム17の一方のサイド部17aと一方の連結プレート22との間に
、前記リクライニング機構が介在されており、このリクライニング機構を介して連結プレ
ート22にシートバックフレーム17(シートバック12)が支持されている。このリク
ライニング機構の駆動装置として、電気モータ41及びウォームギヤ等を有する減速ギヤ
機構42が連結プレート22に取着されている。そして、減速ギヤ機構42は、連結プレ
ート22に軸承された支軸に固定されたギヤと噛合している。そして、支軸に固定された
外歯ギヤ(図示省略)がシートバックフレーム17に固定された内歯ギヤ(図示省略)と
噛み合わされている。電気モータ41の駆動によりこの支軸が回転されると、シートバッ
ク12は偏心カム機構によって支軸回りに公転し、内歯ギヤと外歯ギヤとの歯数差に応じ
て車両フロア14に対して傾動されるようになっている。このようにしてシートバック1
2は、図2に示す使用位置に配置されたシートクッション11に着座した乗員の背部を支
持する起立位置と、図3に示す格納位置へ移動されたシートクッション11の前方に並ん
で配置される前倒位置との間で回動可能とされている。
リンク部材24は、長尺の板部材で形成され、下部が車両フロア14と回動自在に連結
されている。そして、一対のリンク部材24の上部は、車幅方向に沿って延在するロッド
24aによって連結され、さらにこのロッド24aによりシートクッションフレーム13
の延在部13aの前端部と回動自在に連結されている。一対の延在部13aに連結された
一対のリンク部材24は、ロッド24aによって同時に回動されるようになっている。こ
のリンク部材24の駆動装置として、電気モータ43及びウォームギヤ等を有する減速ギ
ヤ機構44が延在部13aに取着されている。そして、減速ギヤ機構44は、リンク部材
24のロッド24aに軸支されたギヤ(図示省略)と噛み合わされている。電気モータ4
3の駆動によりリンク部材24のロッド24aが回転されて、リンク部材24が車両フロ
ア14に対して回動されると同時に延在部13aがリンク部材24に対して開閉され、シ
ートクッションフレーム13は車両前後側に移動されるようになっている。
リンク部材24は、シートクッション11が使用位置に配置された状態では、シートク
ッション11と車両フロア14との間で起立してシートクッション11を使用位置に支持
するようになっている。また、リンク部材24は、シートクッション11が格納位置に配
置された状態では、シートクッション11と並列で車両フロア14に沿って傾倒してシー
トクッション11を格納位置に支持するようになっている。
リンク部材24の車両フロア14との連結部24bの近傍には、リンク部材24が車両
前側に回動されてシートクッション11が使用位置に移動されたときリンク部材24の下
部前面と対向する当接部材24cが車両フロア14に固定されている。そして、当接部材
24cと対向するリンク部材24の下部前面には、ゴム、ウレタン等でなる弾性部材24
dが固着されている。この弾性部材24dは、スライド部材16がガイド溝28の使用位
置側の端部28d(図2,3参照)に当接する手前から当接するまでの間でリンク部材2
4とスライド部材16との間に挟まれて弾性変形するようになっている。なお、弾性部材
24dを当接部材24cに固着するようにしても良い。
図4に示すように、弾性部材24dは、略楔形状に形成されており、リンク部材24が
車両前側(使用位置方向)に回動されたときに先ず当接する第1の当接面24da及び次
に当接する第2の当接面24dbは、以下のように形成されている。すなわち、弾性部材
24dの第1の当接面24daは、弾性部材24dが当接部材24cと当接した後、リン
ク部材24が使用位置方向に所定角度回動する間は、リンク部材24が回動するに連れて
当接部材24cによる圧縮量が増加するように形成されている。また、弾性部材24dの
第2の当接面24dbは、スライド部材16がガイド溝28の使用位置側の端部28dに
当接する直前範囲では、当接部材24cによる圧縮量が増加するにつれて当接部材24c
との接触面積が増大するように形成されている。
具体的には、弾性部材24dの第1の当接面24daは、リンク部材24の回動中心か
らの第1の当接面24daの半径Raが下方から上方に向かうにしたがって徐々に増大す
る形状(側面視で曲率が徐変する形状)に形成されている。これにより、弾性部材24d
(リンク部材24)が使用位置方向に回動するに連れて、弾性部材24dの第1の当接面
24daは当接部材24cに徐々に押し付けられて圧縮量が増加する。また、弾性部材2
4dの第2の当接面24dbは、リンク部材24の回動中心からの第2の当接面24db
の半径Rbが下方から上方に向かうにしたがって徐々に増大する形状(側面視で曲率が徐
変する形状)であってリンク部材24の回動軸線方向に凸形状(正面視で円弧形状もしく
は山形状)に形成されている。これにより、弾性部材24d(リンク部材24)が使用位
置方向に回動するに連れて、弾性部材24dの第2の当接面24dbは当接部材24cに
徐々に押し付けられて圧縮量が増加すると共に、弾性部材24dの第2の当接面24db
が徐々に潰れて当接部材24cとの接触面積が増大する。なお、弾性部材24dの第1、
第2の当接面24da,24dbの形状は上記形状に限定されるものではなく、当接部材
24cによる圧縮量が増加する形状及び圧縮量が増加するにつれて当接部材24cとの接
触面積が増大する形状であれば良い。
図2,3に示すように、レール26は、上述の通りシートクッション11を車両フロア
14に連結するためのものであり、格納室31の左右両側から前方に向い、リンク部材2
4が配置される位置まで延在されている。レール26は、板状に形成された案内部材26
aを有している。案内部材26aは、車両前後方向に沿って長尺に形成されており、シー
トクッション11が格納位置に配置された状態でシートクッション11の側部に対向する
ように配置されている。案内部材26aの下端部からは、シートクッション11と反対側
へ向けて固定片26bが延出されている。固定片26bは、図示しない締結具によって車
両フロア14に締結されており、これによりレール26が車両フロア14に取り付けられ
ている。
また、レール26には、固定片26bの前端側における案内部材26aと反対側の端部
から上方へ向けて延出する板状の連結片26fが設けられている。連結片26fには、板
状に形成された連結プレート22の下端部が板厚方向に重合した状態で締結固定されてい
る。連結プレート22は、シートバック12を車両フロア14に支持させるためのもので
あり、本車両用シート装置10の左右方向に沿って案内部材26aに対向している。
案内部材26aには、長孔のガイド溝28が形成されている。ガイド溝28は、案内部
材26aの前後方向における略中間部に設けられた緩傾斜部28aと、案内部材26aの
後端側に設けられた水平部28bと、緩傾斜部28aと水平部28bとの間に設けられた
傾斜部28cとを有している。水平部28bは、車両フロア14の近傍で車両フロア14
に対して略水平に延在しており、緩傾斜部28aは、水平部28bよりも高い位置に配置
されて車両フロア14に対して緩やかな後下がりの角度を持って延在している。また、傾
斜部28cは、車両フロア14に対して後下がりの状態に傾斜している。
案内部材26aのガイド溝28には、シートクッションフレーム13の後端部の左右両
側に設けられた円柱状のスライド部材16が相対移動可能に係入されている。これにより
、シートクッション11の後端部がレール26を介して車両フロア14に連結されている
。シートクッション11の後端部は、スライド部材16がガイド溝28に沿ってスライド
することでスライド方向を案内されるようになっており、ガイド溝28はシートクッショ
ン11の使用位置と格納位置との間の移動軌跡を規定する。
以上のような構成の車両用シート装置10の作用について説明する。シートクッション
11が使用位置から格納位置へ移動される際には、リンク部材24が図2矢印Dの方向(
格納位置方向)に回動されて車両後側へ傾倒されるにしたがってシートクッション11の
前端部が車両フロア14側へ下降される。このとき、シートクッション11の後端部に設
けられたスライド部材16が、案内部材26aに設けられたガイド溝28に沿って図2矢
印Bの方向(格納位置方向)にスライドし、シートクッション11の後端部の車両後側へ
の移動が案内される。そして、リンク部材24が車両後側に完全に傾倒されると、シート
クッション11が格納位置に配置される。
シートクッション11が格納位置から使用位置へ移動される際には、リンク部材24が
車両後側に完全に傾倒された状態(図5(A)参照)から図3矢印Eの方向(使用位置方
向)に回動されて車両前側へ起立されるにしたがってシートクッション11の前端部が車
両フロア14に対し上昇される。このときも、スライド部材16がガイド溝28に沿って
図3矢印Cの方向(使用位置方向)にスライドし、シートクッション11の後端部の車両
前側への移動が案内される。
そして、弾性部材24dの第1の当接面24daが当接部材24cと当接した後、リン
ク部材24が使用位置方向に所定角度回動する間、すなわち弾性部材24dの第1の当接
面24daが当接部材24cと完全に当接するまで(図5(B)参照)は、リンク部材2
4が回動するに連れて当接部材24cによる弾性部材24dの第1の当接面24daでの
圧縮量が増加する。よって、スライド部材16とガイド溝28の使用位置側の端部28d
との当接度合いを徐々に和らげることができる。
そして、スライド部材16がガイド溝28の使用位置側の端部28dに当接する直前範
囲では、すなわち弾性部材24dの第2の当接面24dbが当接部材24cと完全に当接
するまで(図5(C)参照)は、当接部材24cによる弾性部材24dの第2の当接面2
4dbでの圧縮量が増加するにつれて当接部材24cとの接触面積が増大する。よって、
スライド部材16とガイド溝28の使用位置側の端部28dとの当接力による面圧を徐々
に低下させることができる。以上より、スライド部材16がガイド溝28の使用位置側の
端部28dに当接する時の衝撃音の発生を防止することができる。そして、リンク部材2
4が車両前側に完全に起立されると、シートクッション11が使用位置に配置される。
以上、本実施形態の車両用シート装置10によれば、スライド部材16がガイド溝28
の使用位置側の端部28dに当接する手前から当接するまでの間は、弾性部材24dがリ
ンク部材24と当接部材24cとの間に挟まれて弾性変形するため、スライド部材16は
ガイド溝28の使用位置側の端部28dに緩やかに当接することになる。よって、シート
クッション11を格納位置から使用位置へ移動させたときの上記当接時の衝撃音の発生を
防止することができる。
すなわち、弾性部材24dをリンク部材24又は当接部材24cに設けているので、リ
ンク部材24が当接部材24cに当接するまでの所定の回動角度において弾性部材24d
を充分に弾性変形させることができる。よって、スライド部材16と案内部材26aとに
組付けバラツキが発生しても、スライド部材16とガイド溝28の使用位置側の端部28
dとの当接度合いを充分に和らげることが可能となる。さらに、弾性部材24dをリンク
部材24又は当接部材24cに設けているので、スライド部材16のガイド溝28におけ
るスライドには直接影響せずスライド部材16をスムーズにスライドさせることができる
。また、弾性部材24dをリンク部材24又は当接部材24cに面で固着できるので、繰
り返し使用でも弾性部材24dはリンク部材24又は当接部材24cから脱落し難くなる
。また、リンク部材24周辺にはロック機構等は配設されないので、弾性部材24dの配
設スペースを充分に確保できる。
なお、上記実施形態では、シートクッション11及びシートバック12を電気モータ4
3,41で駆動する車両用シート装置10に本発明が適用された場合について説明した。
これは、特に電動のシートクッションフレーム13では、格納位置から使用位置への駆動
を一定速度で行うため、スライド部材16がガイド溝28の使用位置側の端部28dに当
接する時に衝撃音が発生し易いためである。しかし、本発明は、シートクッション及びシ
ートバックを手動操作する車両用シート装置にも適用することができる。また、所謂ワン
ボックスタイプやミニバンタイプの自動車の最後部の車両用シート装置10に対して本発
明が適用された場合について説明したが、これに限らず、本発明は他のタイプの自動車の
座席に対しても適用することができる。
10・・・車両シート、11・・・シートクッション、12・・・シートバック、13・
・・シートクッションフレーム、14・・・車両フロア、16・・・スライド部材、17
・・・シートバックフレーム、24・・・リンク部材、24c・・・当接部材、24d・
・・弾性部材、24da・・・第1の当接面、24db・・・第2の当接面、26・・・
レール、26a・・・案内部材、28・・・ガイド溝、28d・・・ガイド溝28の使用
位置側の端部、41,43・・・電気モータ。

Claims (3)

  1. 使用位置と格納位置との間で移動可能なシートクッションのシートクッションフレームと、
    起立位置と前倒位置との間で回動可能なシートバックのシートバックフレームと、
    一端側が車両フロア上に回動中心回りに回動可能に連結され他端側が前記シートクッションフレームの前端部に回動可能に連結された左右一対のリンク部材と、
    前記車両フロア上に配置され前記使用位置と前記格納位置とに亘ってガイド溝を形成した案内部材と、
    前記シートクッションフレームの後端部に設けられ前記案内部材のガイド溝にスライド可能に係合されたスライド部材と、
    を備えた車両用シート装置において、
    前記車両フロアに固定され、前記リンク部材が使用位置方向に回動されて前記シートクッションが前記使用位置に移動されたとき前記リンク部材と対向する当接部材と、
    前記リンク部材に固定され、前記スライド部材が前記ガイド溝の前記使用位置側の端部に当接する手前から当接するまでの間で前記リンク部材と前記当接部材との間に挟まれて弾性変形する弾性部材と、
    を備え
    前記弾性部材は、
    前記当接部材と当接した後、前記リンク部材が使用位置方向に所定角度回動する間は、前記リンク部材が回動するに連れて前記当接部材による圧縮量が徐々に増加するように、前記リンク部材の回動中心からの半径が徐々に増大する形状に形成されている、
    ことを特徴とする車両用シート装置。
  2. 請求項1において、前記弾性部材は、前記スライド部材が前記ガイド溝の前記使用位置側の端部に当接する直前範囲では、前記圧縮量が増加するにつれて前記当接部材との接触面積が増大するように形成されていることを特徴とする車両用シート装置。
  3. 請求項1又は2において、前記シートクッションフレームは、前記使用位置と前記格納位置との間で電気モータによって往復駆動され、前記シートバックフレームは、前記起立位置と前記前倒位置との間で電気モータによって回動駆動されることを特徴とする車両用シート装置。
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