JP5445877B2 - 回転機械支持装置とこれを用いた振動特性計測方法 - Google Patents
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Description
また、3軸それぞれに対し、独立してバネ定数を設定する場合に、他の軸のバネの影響を無くすために、例えば、振動体をX軸方向のバネで支持する場合に、このバネがX方向以外には変位しないようにする直動機構をさらに設ける必要がある。そのため、部品点数が多くなり、構造が複雑になるという問題がある。また、ねじり方向の剛性・振動特性を調節するためには、バネをねじり方向(斜め方向)に配置するなど、構造がさらに複雑となる。
従って、固体材料、溝の幅、溝の深さ、溝を入れる方向を調節することで、所望の方向に所望のバネ定数を容易に設定することが可能になる。また、固体材料に溝を入れているだけであるので、振動体を上述のバネで支持する場合に、溝によりバネ定数を調節した方向以外については、バネの変位量が小さくまたはほとんど無いようにすることができるので、上述の直動機構を設けなくすることも可能となる。なお、溝の数を調節することでも、溝の深さ方向のバネ定数を調節してもよい。
バネの耐久性をさらに高めることができる。
また、本発明によると、回転機械支持装置により回転機械を支持して、当該回転機械の回転に起因する振動特性を計測する、ことを特徴とする回転機械の振動特性計測方法が提供される。
従って、固体材料1、溝3の幅、溝3の深さ、溝3を入れる方向を調節することで、所望の方向に所望のバネ定数を容易に設定することが可能になる。また、固体材料1に溝3を入れているだけであるので、振動体5を上述のバネ10で支持する場合に、溝3によるバネ定数を調節した方向以外については、バネ10の変位量が小さくまたはほとんど無いようにできるので、上述の直動機構を設けなくすることも可能となる。
また、前記溝3はスリット状であるので、固体材料1に対してスリットを入れる簡単な加工によりバネ10を製作できる。
図5に示すように、バネ10の一端部を回転機械5に結合し、該バネ10の他端部を支持体7に結合することで、前記回転機械5を前記バネ10を介して前記支持体7で支持するようにしている。これにより、回転機械5の支持体7に対する相対変位・相対振動に関して、所望のバネ定数を所望の方向に設定することができる。即ち、溝3a〜3dの深さ方向にバネ定数を設定でき、各方向についてバネ定数の度合いを、固体材料1、溝の幅、溝の深さによって調節することができる。なお、図5の例では、図3に示すバネ10を配置している。図5において上下方向が鉛直方向である。なお、バネ10と回転機械5および支持体7との結合は、ボルトやネジなどの適切な結合手段で結合してよい。
図6では、バネ10を図6の左右方向に間隔をおいた複数位置(この例では、2箇所)
に設けている。これにより、回転機械支持装置20の振動特性を自在に設定可能な5次元の振動モードを持つ回転機械支持装置20を実現できる。例えば、回転機械支持装置20の5次元の振動モードを次のように得ることができる。図6の紙面と垂直な方向を前後方向として、溝3a〜3dがそれぞれ前記左右方向と前後方向に入れられる場合に、前記左右方向に関する回転機械支持装置20の振動特性(1次モード)は、前記左右方向に入れられている溝3b、3cにより与えられ、前記前後方向に関する回転機械支持装置20の振動特性(2次モード)は、前記前後方向に入れられる溝3a、3dにより与えられ、左右方向および前後方向と垂直な方向に関する回転機械支持装置20の振動特性(3次モード)は、左右方向または前後方向に入れられる溝(図6の例では、溝3b、3c)で上述の略S字状の部分を形成することで与えられ、前記前後方向を向く中心軸(ロール軸)の周りの回転方向に関する回転機械支持装置20の振動特性(4次モード)は、左右方向に間隔を置いて位置する前記バネ10(より詳しくは、これらバネ10の溝3b、3cで上述の略S字状の部分を形成すること)により与えられ、左右方向および前後方向と垂直な方向を向く中心軸(ヨー軸)の周りの回転方向に関する回転機械支持装置20の振動特性(5次モード)は、左右方向に間隔を置いて位置する前記バネ10(より詳しくは、これらバネ10の溝3a〜3d)により与えられる。なお、図6の例では、図3に示すバネ10を左右対称となるように左右に配置している。図6において上下方向が鉛直方向である。
図7では、左右方向に間隔を置いた1対の前記バネ10が、該左右方向と直交する前後方向(図7(A)の紙面と直交する方向)の2箇所に設けられている。これにより、振動特性を自在に設定可能な6次元の振動モードを持つ回転機械支持装置20を実現できる。即ち、図6で得られる5次元の振動モードにさらに1次元の振動モードを加えた6次元の振動モードが得られる。新たに得られる振動モードは、図7(A)に示すように、前記左右方向を向く中心軸(ピッチ軸)の周りの回転方向に関する回転機械支持装置20の振動特性(6次モード)であり、この振動モードは、前後方向に間隔を置いて位置する前記バネ10(より詳しくは、これらバネ10の溝3b、3cで上述の略S字状の部分を形成すること)により与えられる。なお、図7の例では、図6に示す左右一対のバネ10を、前後対称に前後方向の2箇所に配置している。また、図7において上下方向が鉛直方向である。
回転機械5)が必要とする回転機械支持装置20の振動特性に合わせて、各バネ10のバネ定数およびバネ10の数を定めることができる。回転機械5の回転軸が所定の使用回転数域(例えば、3万〜12万rpm=500Hz〜2000Hz)で回転している状態の回転機械5の振動特性を抽出する場合には、(回転機械5が回転していない状態における)回転機械支持装置20の振動数(固有振動数)が、前記使用回転数域の範囲外となるように、各バネ10のバネ定数を設定する。特に、図6、図7の場合には、回転機械支持装置20が持つ上述の各モードのいずれの振動数(固有振動数)も、前記使用回転数域の範囲外(好ましくは、前記使用回転数域よりも低い振動数)となるように、かつ7次モード以降の振動数(固有振動数)も、前記使用回転数域の範囲外(好ましくは、前記使用回転数域よりも高い振動数)となるように、各バネ10のバネ定数を設定する。これにより、図5〜図7の構成のように、回転機械5を設置することで、回転機械5の回転に起因する振動特性を精度よく抽出・計測することができる。
従って、図1〜図7の各々において、前記左右方向に入れられる溝を、左右方向に対し斜めの方向に入れられる溝に代え、前記前後方向に入れられる溝を、前後方向に対し斜めの方向に入れられる溝に代えてもよい。この場合でも、図6と図7において、上述の5次元モードまたは6次元モードの振動特性が得られる。
(付記1)
バネの一端部を回転機械に結合し、該バネの他端部を支持体に結合することで、前記回転機械を前記バネを介して前記支持体で支持するようにした回転機械の振動特性計測用の回転機械支持装置であって、
前記バネは、弾性特性を有する固体材料で形成されており、該固体材料には溝が設けられ、該溝は、該溝の深さ方向と交差する方向であって該溝が延びる方向に前記固体材料を貫通しており、
前記溝はスリット状である、ことを特徴とする回転機械の振動特性計測用の回転機械支持装置。
(付記2)
前記溝として第1および第2の溝が形成されており、第1および第2の溝は互いに交差する方向から入れられ、かつ、第1および第2の溝は、これらが入れられる方向と垂直な方向に間隔をおいて設けられている、ことを特徴とする付記1に記載の回転機械の振動特性計測用の回転機械支持装置。
(付記3)
前記溝として第1および第2の溝が形成されており、第1および第2の溝は、互いに反対の方向から入れられ、かつ、第1および第2の溝は、これらが入れられる方向と垂直な方向に間隔をおいて設けられている、ことを特徴とする付記1に記載の回転機械の振動特性計測用の回転機械支持装置。
(付記4)
前記溝の底部の断面形状を表す線は、その曲率が全体に渡って連続的に変化する、ことを特徴とする付記1、2または3に記載の回転機械の振動特性計測用の回転機械支持装置。
(付記5)
前記断面形状は略円弧状である、ことを特徴とする付記4に記載の回転機械の振動特性計測用の回転機械支持装置。
(付記6)
前記バネを間隔をおいた複数位置に設けた、ことを特徴とする付記1〜5のいずれかに記載の回転機械の振動特性計測用の回転機械支持装置。
(付記7)
所定の左右方向に間隔を置いた1対の前記バネが、該左右方向と直交する前後方向の2箇所に設けられている、ことを特徴とする付記6に記載の回転機械の振動特性計測用の回転機械支持装置。
(付記8)
付記1〜7のいずれかに記載の回転機械支持装置により回転機械を支持して、当該回転機械の回転に起因する振動特性を計測する、ことを特徴とする回転機械の振動特性計測方法。
Claims (7)
- バネの一端部を回転機械に結合し、該バネの他端部を支持体に結合することで、前記回転機械を前記バネを介して前記支持体で支持するようにした回転機械の振動特性計測用の回転機械支持装置であって、
前記バネは、弾性特性を有する固体材料で形成されており、該固体材料には溝が設けられ、該溝は、該溝の深さ方向と交差する方向であって該溝が延びる方向に前記固体材料を貫通しており、
前記溝の底部の断面形状を表す線は、その曲率が全体に渡って連続的に変化する、ことを特徴とする回転機械の振動特性計測用の回転機械支持装置。 - 前記溝として第1および第2の溝が形成されており、第1および第2の溝は互いに交差する方向から入れられ、かつ、第1および第2の溝は、これらが入れられる方向と垂直な方向に間隔をおいて設けられている、ことを特徴とする請求項1に記載の回転機械の振動特性計測用の回転機械支持装置。
- 前記溝として第1および第2の溝が形成されており、第1および第2の溝は、互いに反対の方向から入れられ、かつ、第1および第2の溝は、これらが入れられる方向と垂直な方向に間隔をおいて設けられている、ことを特徴とする請求項1に記載の回転機械の振動特性計測用の回転機械支持装置。
- 前記断面形状は略円弧状である、ことを特徴とする請求項1、2または3に記載の回転機械の振動特性計測用の回転機械支持装置。
- 前記バネを間隔をおいた複数位置に設けた、ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の回転機械の振動特性計測用の回転機械支持装置。
- 所定の左右方向に間隔を置いた1対の前記バネが、該左右方向と直交する前後方向の2箇所に設けられている、ことを特徴とする請求項5に記載の回転機械の振動特性計測用の回転機械支持装置。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載の回転機械支持装置により回転機械を支持して、当該回転機械の回転に起因する振動特性を計測する、ことを特徴とする回転機械の振動特性計測方法。
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