以下に、本発明にかかる実施の形態における草刈機について説明する。
(実施の形態1)
以下に、本発明にかかる実施の形態1における草刈機について説明する。
図1は、本実施の形態1の草刈機100の側面構成図である。尚、本明細書において、前方向とは、草を刈る際の進行方向(矢印A参照)を前方向として示し、左右方向とは、草刈機を正面(前側)から見た場合の方向を示す。以下の図も同様である。
図1に示すように、本実施の形態1の草刈機100は、乗用型の草刈機であり、作業者が乗る草刈機本体2と、草刈機本体2の後部に設けられ、刈り取られた草が集められるコレクタ9とを備えている。本実施の形態1の草刈機100では、草刈機本体2の下部に設けられた草刈用のモーア1によって刈り取られた草が後部のコレクタ9へと送られ、刈り取られた草が集められる。
はじめに、草刈機本体2の構成について説明する。
草刈機本体2は、4輪であり、2つの前輪10及び2つの後輪6を有している。そして、草刈機本体2には、前輪10を操作するハンドル11、作業者が乗る運転席12、車輪を駆動するエンジン13、運転席12のフロア14が設けられている。
図2は、草刈機本体2のフロア14及びコレクタ9を取り外した状態の平面図である。図3は、図2の正面図である。図4は、図2のXX´間の構成図である。
図1〜図4に示すように、フロア14の下側には、エンジン13の出力を取り出すために前後方向にわたって動力取り出し軸15が設けられている。この動力取り出し軸15は、伝動ベルト16を介して、モーア1に動力を入力するための入力軸17と連結している。
一方、モーア1は、モーアデッキ3と、その左右両端部に設けられたブレード軸18と、それぞれのブレード軸18に固定され、縦軸芯に回転するブレード19とを有しており、上記入力軸17に伝達された動力によってブレード軸18が回転し、左右のブレード19が回転する。尚、この左右のブレード19は、互いに逆回転し、効率良く草が刈り取られる。
また、動力取り出し軸15の後側に連結された走行伝動軸20が設けられており、走行伝動軸20の動力は、伝動ケース21、及び油圧式の無段変速装置(HST)22を経て後輪6に伝達され、後輪6が駆動する。
モーアデッキ3の中央後側には、集草口5が形成されており、集草口5は左右の後輪6間のダクト7を経てリヤフレーム8に取り付けられるコレクタ9に連通している。
次に、コレクタ9の構成について説明する。
図5は、草刈機100の後部の左側面構成図である。又、図6は、コレクタ9の斜視構成図である。
図5及び図6に示すように、コレクタ9は、草が集められる略箱形状の容器部91と、容器部91の上側に配置されたカバー部92とを備えている。このカバー部92の上側には前後2箇所に把手93a、93bが設けられている。また、容器部91は、ネットフレーム26によって箱形状に形成されており、上下面、左右面、及び後面を通風性ネットNで囲われている。コレクタ9の前面は通風性ネットNで覆われておらず、開口部Gが形成されている。又、図5に示す状態において、コレクタ9のネットフレーム26の後端下部には、側面視において角が形成されておらず、後面を構成する後面上下フレーム26aから底面を構成する底面前後フレーム26bに向けて斜めに形成された斜めフレーム26cが設けられている。また、コレクタ9の後面には、後面上下フレーム26aと通風性ネットNの間に、板状の可撓性弾性体97が着脱自在に設けられている。
更に、図6に示すように、容器部91とカバー部92の間であって、前部の左右端近傍のそれぞれには、フック部94が設けられている。このフック部94は、上下に配置された上側突起部941及び下側突起部942を有しており、上側突起部941の方が、下側突起部942よりも前方に長く形成されており、上側突起部941の前部がカバー部92の前端92aから突出している。
また、カバー部92と容器部91を固定する固定部材96が設けられており、固定部材96は、U字を上下逆にした形状であり、カバー部92の裏面に左右方向に渡って設けられたカバー取付部分961と、その両端から下方に向かって折り曲げられた容器取付部分962によって構成されている。固定部材96は、カバー取付部分961で、ボルト964によってカバー部92と固定されており、折り曲げられた容器取付部分962で、ボルト963によってネットフレーム26と固定されている。そして、この両端の折り曲げられた容器取付部分962に外側に向かって立設してピン95が形成されている。
次に、上記コレクタ9を草刈機本体2に装着する構成について説明する。
図7は、草刈機100の左側面における草刈機本体2の後部近傍図であるが、説明のためにカバー部92と草刈機本体2の後カバー201の側面部分を除き、模式的に示した図である。また、図7では、可撓性弾性体97及び通風性ネットNも省略されている。
図7に示すように、草刈機本体2の後端部にはリヤフレーム8が設けられており、取付ブラケット23、回動プレート25及びコレクタ回動軸24を介してコレクタ9が装着されている。この取付ブラケット23は、リヤフレーム8に固定されており、その上部でコレクタ9の回動軸となる水平方向軸芯のコレクタ回動軸24を支持する。
図8は、本実施の形態の草刈機100の右側面における草刈機本体2の後部近傍を示す斜視図である。図8に示すように右側面のリヤフレーム8には、左側面の取付ブラケット23に対応する取付ブラケット230が設けられている。この取付ブラケット230と上記取付ブラケット23の上部で回転可能にコレクタ回動軸24が回動可能に支持されている。また、左側面の回動プレート25に対応する回動プレート250も設けられている。回動プレート25、250は、コレクタ回動軸24に固定されており、コレクタ回動軸24の回動とともに、回動プレート25、250も一体的に回動する。尚、コレクタ回動軸24は、取付ブラケット23、230に固定されており、回動プレート25、250のみ回動する構成としてもよい。
また、回動プレート25、250の後端部分には、上に向かって開いた凹部251が形成されている。そして、上記コレクタ9のフック部94の上側突起部941及び下側突起部942の間にコレクタ回動軸24を挟み、ピン95を凹部251に嵌め込むことによって、コレクタ9は草刈機本体2に装着される。
更に、図8に示すように、リヤフレーム8の上部には、排草用の掃除棒を収納することが出来る掃除棒収納穴300が形成されている。尚、図8では、図を見やすくするためフック部94及びピン95等は図示していない。
尚、図1及び図7に示すようにコレクタ9が配置されている状態において、草刈が行われ、モーア1によって刈り取られた草がダクト7、及び開口部Gを経由してコレクタ9内に収容される。この草を刈る際のコレクタ9の位置を集草位置と呼ぶ。すなわち、この集草位置では、コレクタ9は、その開口部Gが地面に対して実質上垂直になるように配置されている。ここで、実質上垂直とは、草を集めることが出来る程度の範囲で垂直であることを示している。
また、このようにしてコレクタ9内に収容された草は、コレクタ9を、コレクタ回動軸24を中心にして回動させて排出される。図9は、草を排出させている状態を示す草刈機の左側面構成図である。この草を排出させている状態のコレクタ9の位置を排出位置と呼ぶ。この排出位置では、コレクタ9は、その開口部Gが地面に対して実質上水平になるように配置されている。ここで、実質上水平とは、草を排出することが出来る程度の範囲で水平であることを示している。尚、この際、モーア1は地面から上方に離脱されている。
次に、コレクタ9を集草位置に固定する機構について説明する。
図10は、草刈機本体2の後端近傍の側面構成図である。本実施の形態では、取付ブラケット23の下方にロック機構40が設けられている。このロック機構40は、リヤフレーム8に、締付ボルト44によって支持されたフックプレート43を有しており、フックプレート43は、締付ボルト44を支持軸として前後方向に回動可能に構成されている。尚、フックプレート43には、前後方向に長穴45が形成されており、長穴45に調整ボルト46を挿通して、リヤフレーム8に対してフックプレート43の前後の角度を調整して固定出来る構成が用いられている。
このフックプレート43の下端部にロックフック48が設けられており、ロックフック48はフック軸47によって上下回動可能に支持されている。一方、コレクタ9の下部前方のネットフレーム26には、ロックピン50が設けられており、ロックフック48をロックピン50に引っ掛けることにより、コレクタ9がコレクタ回動軸24を中心として回動することを規制し、コレクタ9を集草位置に固定することが出来る。
次に、コレクタ9の集草位置における固定を解除する機構について説明する。
図7に示すように、コレクタ9の左側の前部には、コレクタ9の回動操作を行うための回動操作レバー30と、回動操作レバー30を、その長手方向に摺動可能に保持する保持パイプ31が設けられている。回動操作レバー30は、コレクタ9が集草位置にある場合において、上下方向に摺動可能に配置されており、図10に示すように、その下端部にはレバー径よりも大きい径の係合リング32が設けられている。
取付ブラケット23には、支持軸41を軸として上下回動可能な揺動アーム51が設けられている。この揺動アーム51は、支持軸41に装着される揺動アーム本体51aと、揺動アーム本体51aの後端部に連結される係合レバー51bから構成されている。この係合レバー51bは、揺動アーム本体51aに立設しているレバーピン53を軸として上下方向に回動可能に構成されている。そして、係合レバー51bのレバーピン53より前側と、その下方の取付ブラケット23の部分とを連結する復帰スプリング54が設けられており、この復帰スプリング54によって、係合レバー51bの後端側が上方に付勢される。また、係合レバー51bの後端側の上方への付勢を停止するストッパー55が揺動アーム本体51aの内側に設けられており、係合レバー51bがストッパー55に当接する状態では、復帰スプリング54の付勢力によって、揺動アーム本体51aと係合レバー51bが一体的に支持軸41を軸として下方に引っ張られる。尚、揺動アーム51が一定以上の下方に回動するのを規制するためのストッパー60が、揺動アーム本体51aの下側に設けられている。
係合レバー51bは、後端側が2つの部材に分かれており、その分かれた部分の幅は、回動操作レバー30のレバー杆部30aの直径より広く、係合リング32の直径よりは狭く形成されている。
そして、係合レバー51bの位置が、回動操作レバー30の係合リング32よりも上であり、回動操作レバー30の左右両脇を挟む状態において、回動操作レバー30を引き上げて係合レバー51bに係合リング32を係合すると、復帰スプリング54とストッパー55によって一体化された揺動アーム本体51aと係合レバー51bは、支持軸41を中心に上方に回動する。
上記揺動アーム51と上記ロックフック48とを連結するためのリンクロッド59が設けられている。このリンクロッド59は、揺動アーム本体51a側の連結ピン56に回動自在に連結された連結ボス57と、ロックフック48側の連結ピン49に回動自在に連結された連結ボス58との間を連結することによって、揺動アーム51とロックフック48の間を連結している。このような構成によって揺動アーム51が支持軸41を軸として上下に回動することによって、ロックフック48がフック軸47を軸として上下に回動し、ロックフック48がコレクタ9側のロックピン50に係合又は離脱する。
次に、コレクタ9を集草位置から排出位置へと回動させる構成について説明する。
図7に示すように、取付ブラケット23の後端下部と、回動プレート25とを連結するためのダンパー65が設けられている。このダンパー65の両端は、取付ブラケット23に形成されているピン66と回動プレート25に形成されているピン67に取り付けられている。ダンパー65はコレクタ9の回動に伴い伸縮し、コレクタ9を上方向(図中矢印B方向)に付勢している。
このダンパー65の付勢力によって、ロックフック48がロックピン50から離脱すると、コレクタ9はコレクタ回動軸24を中心として上方に回動することになる。
次に、コレクタ9を集草位置近傍の位置(保持位置とよぶ)に固定する構成について説明する。
図10に示すように、ダンパー65の付勢力に対抗して、コレクタ9を保持位置に保持する保持部材400が設けられている。この保持部材400は、剛性を有し、前後方向に長い棒状の部材で、その後端部410が、回動プレート25の保持パイプ31の前側部分252に回動自在に取り付けられている。又、保持部材400の前端部は、ユーザが把持するための把手部420となっている。この保持部材400には、その長手方向に沿って長穴430が形成されており、その長穴430には、リヤフレーム8の上方部分に固定されている突起部800が嵌合している。この突起部800の先端部800aは、長穴430の縦方向の幅よりも直径が大きい円盤状に形成されており、突起部800が長穴430から抜けることが防止されている。また、長穴430の後部分下側には、長穴430と連通した、コレクタ9を保持位置に保持するための保持穴431が形成されている。
詳しくは、後述するが、ロックを解除するとともに、保持穴431に突起部800を配置することによって、ダンパー65の付勢力に対抗して、コレクタ9を保持位置に保持することが出来る。
尚、本発明の固定機構の一例は、本実施の形態のフック軸47、ロックフック48及びロックピン50に相当し、本発明の固定解除機構の一例は、本実施の形態の回動操作レバー30、その係合リング32、保持パイプ31、支持軸41、係合レバー51b、揺動アーム本体51a、ストッパー55,復帰スプリング54、連結ピン49、56、連結ボス57、58、リンクロッド59、及びストッパー60に相当する。本発明の上昇部の一例は、本実施の形態のダンパー65に相当し、本発明の保持部材の一例は、本実施の形態の保持部材400に相当する。本発明の支持部の一例は、本実施の形態のコレクタ回動軸24及び回動プレート25、250に相当する。また、本発明の固定ピンの一例は、本実施の形態のロックピン50に相当し、本発明の係合部材の一例は、本実施の形態のロックフック48に相当する。本発明の固定解除カムの一例は、本実施の形態の揺動アーム51に相当し、本発明の固定解除レバーの一例は、本実施の形態の回動操作レバー30に相当する。本発明の草刈機本体の支持部以外の草刈機本体部分の一例は、本実施の形態では、草刈機本体2のコレクタ回動軸24及び回動プレート25、250を除いた部分に相当する。
次に、本実施の形態の草刈機の動作について説明する。
図1に示すように、本実施の形態1の草刈機100は、コレクタ9が集草位置に配置されている状態において、モーア1のブレード19の回転により、草を刈り取ると共に、送風を発生させ、刈り取った草をダクト7、開口部Gを経由してコレクタ9内に排出して収容する。そして、草を搬送した送風は、通風性ネットNから排風される。
そして、刈り取った草をコレクタ9から排出する際には、ロックピン50に係合しているロックフック48を外すために、作業者によって回動操作レバー30が保持パイプ31に沿って上方へと引き上げられる(図7中矢印C参照)。尚、コレクタ9が集草位置に配置されている状態において、回動操作レバー30は、作業者によって把持されていない場合、下方にスライドすることになり、その下端がロックフック48に当接して停止する。この停止位置を初期位置とする。
図7を参照しながら説明すると、保持パイプ31が上方へ引き上げられると、係合リング32が係合レバー51bの後部下端に当接し、係合レバー51bを共に引き上げる。すると、揺動アーム51は、係合レバー51bと一体的に支持軸41を中心として上方に回動(矢印D参照)し、リンクロッド59も上方へと移動する。リンクロッド59の上方(矢印E参照)への移動によって、ロックフック48がフック軸47を中心として上方向(矢印F参照)に回動し、ロックピン50との係合が外れ、ロックが解除される。
このロックの解除がされると、ダンパー65の付勢力によって、自動的にコレクタ9がコレクタ回動軸24を中心として上方へと回動する(矢印L参照)。
図11は、図7に対してコレクタ9が集草位置から排出位置へと移動した状態を示す図である。図11に示すように、コレクタ9が上方へと回動し、その開口部Gが地面に対して実質上水平になる排出位置に移動することで、草が下方に落下し、排出される。このようにコレクタ9が集草位置から排出位置へと移動した際の保持部材400の状態について説明する。
図12(a)は、コレクタ9が集草位置に配置されている状態における保持部材400の状態を説明するための部分拡大模式図である。図12(b)は、コレクタ9が排出位置に配置されている状態における保持部材400の状態を説明するための部分拡大模式図である。尚、図12(a)及び図12(b)では、先端部800aを省略して、突起部800が図示されている。
図12(a)に示すように、回動プレート25が上昇して回動すると、後端部410が回動プレート25と連結しているため、保持部材400は、図12(b)に示すように突起部800と嵌合した状態で後方へとスライドする(矢印V参照)。ここで、突起部800が長穴430の前側の縁430eに当接して、係止され、コレクタ9の上方への回動が停止する。
尚、ロックの解除によって、回動操作レバー30も回動し、係合リング32が係合レバー51bから外れる。すると、係合レバー51bと揺動アーム本体51aは、支持軸41を中心として復帰スプリング54の付勢力によって下方向に回動し、それに伴いリンクロッド59が下側に引かれ、ロックフック48がロック位置へと戻ることになる。このように、ロックフック48が、ロックピン50に係合していない状態で、ロック位置に配置されている状態を待機状態という。
次に、コレクタ9を集草位置に戻す動作について説明する。
コレクタ9を排出位置から集草位置へと戻すときは、回動操作レバー30の上部を後側へ回動動作させる(図11中矢印H参照)か、コレクタ9を持ち下方に回動させる。コレクタ9がコレクタ回動軸24を中心にして下方に回動し、集草位置までくると、ロック位置で待機しているロックフック48がロック解除方向(図7中矢印F参照)に退避動作しながらロックピン50と係合し、ロック状態となり、コレクタ9は、集草位置に固定される。そして、作業者が回動操作レバー30を押し下げると、回動操作レバー30は、その下端がロックフック48に当接して初期位置に戻る。又、回動プレート25が回動して下降することによって、保持部材400は、図12(b)の状態から図12(a)の状態へと前方にスライドする。
尚、回動操作レバー30を矢印H方向に回動して、コレクタ9を集草位置に戻す際、回動操作レバーのレバー杆部30aが係合レバー51bの間に進入するが、回動操作レバー30の引き上げが大きい場合は、係合レバー51bの上側に係合リング32が位置することになる。このような場合には、回動操作レバー30を下方にスライドさせると、係合レバー51bは係合リング32に押されてレバーピン53を中心として下方に回動して退避し、回動操作レバー30は初期位置へと戻ることが出来る(図10参照)。
次に、コレクタ9を草刈機本体2から取り外す動作について説明するとともに、本発明の草刈機のコレクタ取り外し方法の一例についても述べる。
図13(a)は、コレクタ9が集草位置に配置されている状態における保持部材400の状態を示す要部拡大模式図である。図13(b)は、コレクタ9が保持位置に配置されている状態における保持部材400の状態を湿す要部拡大模式図である。尚、図13(a)及び図13(b)においても、先端部800aを省略して、突起部800が図示されている。
はじめに、図13(a)に示すように、保持部材400の把手部420を上方(矢印P参照)に持ち上げた状態で、回動操作レバー30が上に引き上げられる。すると、ロックフック48のロックピン50との係合が解除され、ダンパー65の付勢力によって、コレクタ9はコレクタ回動軸24を中心にして上方に回動をはじめる。この係合を解除する動作が、本発明の固定解除ステップの一例に相当する。
このとき、保持部材400が後端部410を軸として上方に持ち上げられているため、突起部800が、保持穴431に嵌り込む。この突起部800を保持穴431に嵌め込む動作が、本発明の保持ステップの一例に相当する。
このように突起部800が保持穴431に嵌り込むと、突起部800が保持穴431の縁431e(図中参照)に当接するため、コレクタ9の上方への回動が停止し、コレクタ回動軸24及び回動プレート25、250と、それらを除いた草刈機本体2の部分とが連結される。
図14は、保持部材400によって、コレクタ9の上方への回動が停止した状態が示されている。このように、ロックフック48によるロックが解除された状態で、コレクタ9は集草位置の近傍の保持位置に保持されることになる。このように、本実施の形態の保持部材400は、コレクタ9を保持位置に保持する機能を有しているとともに、上述したように、突起部800が長穴430の前側の縁430eに当接することによってコレクタ9の上方への回動を停止する機能も有している。
図15(a)〜(c)は、コレクタ9を取り外す動作を説明するための模式図である。図15(a)は、図14に示すようにコレクタ9が保持位置に配置されている状態におけるコレクタ9の装着状態を示している。この図15(a)に示す状態から、作業者が把手93a、93bを持ち、コレクタ回動軸24を支点にして、コレクタ9の後側を持ち上げる(矢印J参照)ことによって、図15(b)に示すように、コレクタ9の上部側面に形成されたピン95を、回動プレート25の凹部251の上方へ移動させる。そして、その状態でコレクタ9を後方へ移動(矢印K参照)させることによって、図15(c)に示すように、ピン95を凹部251から離脱させることが出来る。
その後、フック部94の上側突起部941及び下側突起部942に沿うように、コレクタ9を後方に移動させることによって、コレクタ回動軸24からフック部94を離脱させる(矢印K参照)。この図15(a)〜(c)に示す動作が、本発明の取り外しステップの一例に相当する。尚、集草位置から保持位置へ回動する角度は、保持部材110の長さ及び取付位置によって決まるが、出来るだけ回動する角度が小さい方が、コレクタ9を取り外しやすいため好ましい。
以上のように、コレクタ9の後側を一端上方に持ち上げることによってピン95を凹部251から離脱させ、その後、コレクタ9を後方に移動させることによって、コレクタ9を草刈機本体2から取り外すことが出来る。
そして、コレクタ9及び草刈機本体2の後部のメンテナンスを行った後、コレクタ9を草刈機本体2に装着する場合には、フック部94をコレクタ回動軸24に嵌め込みながら、コレクタ9の後端部が持ち上げられ、ピン95が凹部251に嵌め込まれる。
その後、コレクタ9を保持位置から解除する動作が行われ、連結が解除される。
回動操作レバー30又はコレクタ9の後部分を把持し、コレクタ9を下方に回動させながら、把手部420を把持して保持部材400を下げることにより、突起部800を保持穴431から長穴430へと移動させ、突起部800の縁431eへの係止が解除され、コレクタ回動軸24及び回動プレート25、250と、それらを除いた草刈機本体2の部分との連結が解除される。
このように、コレクタ9の保持位置における保持を解除した後、コレクタ9を集草位置へと移動する場合には、続けてコレクタ9を下方に回動させ、ロックピン50にロックフック48を係合させることによって、コレクタ9が集草位置へと戻される。
又、コレクタ9の保持位置における保持を解除した後、コレクタ9を排出位置に移動する場合には、上記把持を解除するとダンパー65の付勢力によってコレクタ9が上方へ回動するとともに、図12(a)、(b)に示すように、突起部800が長穴430内を移動するように保持部材400がスライドする。そして、突起部800が縁430に当接し、コレクタ9の上方への回動が停止し、コレクタ9の排出位置への移動が完了する。
以下に、本実施の形態の草刈機の効果について説明する。
例えば、保持部材400を備えていない状態において、コレクタ9を草刈機本体2から取り外すそうとして、ロックフック48とロックピン50の係合を解除すると、ダンパー65の付勢力によってコレクタ9は上方に回動し、排出位置まで移動することになる。このようにコレクタ9が排出位置に移動した状態で、凹部251からピン95を離脱させるためには、作業者が自らの力によってコレクタ9を更に回動させねばならない。その後、コレクタ回転軸24からフック部94を抜いてコレクタ9を取り外すためには、コレクタ9を上方に引き抜かなければならず、コレクタ9を取り外すことは非常に困難であった。
しかしながら、本実施の形態の草刈機では、保持部材400を備えていることにより、ロックフック48とロックピン50の係合を解除した状態で、コレクタ9を集草位置近傍の位置に保持することが出来るため、容易にコレクタ9を草刈機本体2から着脱することが可能となる。
本実施の形態では、従来の特許文献2のように電磁シリンダなどを用いない簡易な構造であるため、コストを安くすることが出来る。
長穴430内を突起部800がスライドする構成であるため、誤操作を行い難い。
保持部材400がリヤフレーム8の上部と保持パイプ31の前側の回動プレート25とを連結しているため、長さを短くすることが出来る。また、作業者が見やすい位置に保持部材400が設けられているため操作しやすい。
本実施の形態では、上記図6等に示すように、フック部94の上側突起部941がカバー部92の前端92aよりも突出していることにより、フック部94が見やすく、コレクタ回動軸24を挟むようにフック部94を移動させやすくなるため、コレクタ9を草刈機本体2に取り付けやすくなる。
また、本実施の形態では、図14に示すように、コレクタ9を保持位置に配置している状態において、後側に配置されている把手93bの上端部がカバー部92の後端92bよりも高くなるように構成されている。このような構成により、作業者が把手93bを把持しやすくなる。本実施の形態では、前側に配置されている把手93aの上端部もカバー部92の後端92bよりも高くなっており、把手93a、93bを作業者がより把持しやすくなっている。
コレクタ9の後面に可撓性弾性体97が設けられていることにより、モーア1によって刈り取られた草及び飛散物を可撓性弾性体97によって受け止めるため、通風性ネットNの破損を防止することが出来る。
更に、本実施の形態では、コレクタ9のネットフレーム26の後端下部に角を形成していないため、図16に示すように後方の障害物に当たっても、可撓性弾性体97が曲がるため、摩擦等による通風性ネットNの破損の防止を低減することが出来る。
又、本実施の形態では、排草用の掃除棒を収納する掃除棒収納穴300を備えていることにより、掃除棒などを落としたりすることがなく、掃除棒をフロア14などに置く必要がないので外観をすっきりとまとめることが出来る。
尚、本実施の形態の保持部材400は、後端側が回動する側(本実施の形態では回動プレート25の前側部分252)に固定されており、リヤフレーム8側に突起部800が設けられているが、反対であってもよい。すなわち、図17に示す保持部材400´のように、保持部材400と前後逆に配置されていてもよい。この保持部材400´は、前端部410´においてリヤフレーム8に回動自在に取り付けられており、後端部に把手部420´が形成されている。また、突起部800´は、回動プレート25の前側部分252に形成されている。
又、上記実施の形態で述べた保持部材400には、把手部420、長穴430、及び保持穴431が設けられていたが、設けられていなくても良く、例えば、図18に示すような構成であってもよい。図18に示す保持部材500は、回動プレート25に後端部501で回動可能に支持されたフック状の部材である。そして、フック部分を突起部800に引っ掛けることによって、突起部800がフック部によって係止され、コレクタ9を保持位置に保持することが可能となる。一方、コレクタ9を下方に回動させながら、後端部501を中心にフック部分を回動させ、突起部800のフック部による係止を解除することによって、コレクタ9の保持位置における保持が解除される。
(実施の形態2)
次に、本発明にかかる実施の形態2における草刈機について説明する。本実施の形態2における草刈機は、実施の形態1と基本的な構成は同じであるが、保持部材の構成が異なっている。そのため、本相違点を中心に説明する。
図19は、本実施の形態2の草刈機の左側面構成図である。図20は、草刈機本体2の後端近傍の側面を示す斜視構成図である。図19及び図20に示すように、本実施の形態2の保持部材110は、実施の形態1と異なり、ワイヤーを有している。
この保持部材110は、ワイヤー111と、そのワイヤー111の両端に設けられた連結部112とから構成されている。この連結部112は、それぞれ輪状部分を有している。コレクタ9が集草位置にある状態において、保持パイプ31の下端よりも上方のリヤフレーム8には、ピン81が設けられており、このピン81に保持部材110の一方の連結部112の輪状部が嵌められることによって、保持部材110は、ピン81を中心として回動自在に取り付けられている。
一方、保持パイプ31の下端近傍にピン301が設けられており、このピン301に保持部材110の他方の連結部112が着脱自在に嵌め込まれる。
次に、コレクタ9を草刈機本体2から取り外す動作について説明する。
はじめに、図19及び図20に示す保持部材110の下方側の連結部112が、保持パイプ31に形成されているピン301に嵌め込まれ、リヤフレーム8と、保持パイプ31が連結される。このように連結する動作が、保持ステップの一例に相当する。
そして、リヤフレーム8と保持パイプ31とを連結した状態で、回動操作レバー30が上方に引き上げられ、ロックフック48のロックピン50との係合が解除される。すると、ダンパー65の付勢力によって、コレクタ9はコレクタ回動軸24を中心にして上方に回動をはじめるが、リヤフレーム8と保持パイプ31が連結されているため、保持部材110が延びきった時点でコレクタ9の上方への回動は停止する。この係合を解除する動作が、本発明の固定解除ステップの一例に相当する。
図21は、保持部材110によって、コレクタ9の上方への回動が停止した状態が示されている。このように、ロックフック48によるロックが解除された状態で、コレクタ9は集草位置の近傍の保持位置に保持されることになる。
このように、ピン301に保持部材110の他方の連結部112を嵌めることによって、保持パイプ31とリヤフレーム8が連結され、ロックを解除した場合であってもコレクタ9を保持位置に保持することが出来る。そのため、コレクタ9が保持位置に保持された状態で、実施の形態1において説明したように、コレクタ9を容易に取り外すことが出来る(図15(a)〜(c)参照)。
そして、コレクタ9及び草刈機本体2の後部のメンテナンスを行った後、コレクタ9を草刈機本体2に装着する場合には、フック部94をコレクタ回動軸24に嵌め込みながら、コレクタ9の後端部が持ち上げられ、ピン95が凹部251に嵌め込まれる。その後、回動操作レバー30又はコレクタ9の後部分を把持し、コレクタ9を下方に回動させて、ロックピン50にロックフック48を係合させることによって、コレクタ9が集草位置へと戻される。コレクタ9を集草位置へと戻した後に、保持部材110の連結部112とピン301の連結が解除される。尚、このように、コレクタ9を集草位置に戻してから保持部材110の連結を解除するのは、保持部材110が延びきった状態では、連結を解除し難いためである。
尚、コレクタ9を集草位置から排出位置に移動する際には、保持部材110の下方側の連結部112を、ピン301に嵌め込まず、ロックを解除することによって、ダンパー65の付勢力によって、コレクタ9は集草位置から排出位置まで移動する。
本実施の形態2においても、実施の形態1と同様に、保持部材110を備えていることにより、ロックフック48とロックピン50の係合を解除した状態で、コレクタ9を集草位置近傍の位置に保持することが出来るため、容易にコレクタ9を草刈機本体2から着脱することが可能となる。
本実施の形態では、従来の特許文献2のように電磁シリンダなどを用いない簡易な構造であるため、コストを安くすることが出来る。
保持部材110がリヤフレーム8の上部と保持パイプ31の下部を連結しているため、ケーブルの長さを短くすることが出来る。また、作業者が見やすい位置に保持部材110が設けられているため操作しやすい。
尚、本実施の形態では、保持部材110は、一端がリヤフレーム8にピン81によって回動自在に固定されており、他端を保持パイプ31のピン301に嵌め込むことによって連結させる構成となっているが、その逆であってもよく、ピン301側に回動自在に固定され、連結時にピン81に嵌め込む構成としてもよい。更に、保持部材110がピン81、301のどちらにも固定されておらず、リヤフレーム8と保持パイプ31を連結する際に、双方のピン81、301に嵌め込んでも良い。
尚、本実施の形態では、保持部材110は、ワイヤー111の両端に連結部112が設けられた構成であるが、ワイヤーよりも弾性を有するケーブルを用いて、その両端に連結部が設けられた構成であってもよい。更に、ケーブルに限らなくても良く、例えば金属性の棒状の部材であってもよい。
又、実施の形態2では、保持パイプ31にピン301が形成されているため、実施の形態1のように、回動プレート25の保持パイプ31の前側部分252が設けられていなくても良い。
又、本実施の形態では、保持部材110は、リヤフレーム8の上部と保持パイプ31の下部とを連結しているが、この場所に限らなくても良い。例えば、図22に示すように、ダンパー65が取り付けられている取付ブラケット23の部分の近傍と、ダンパー65の上方向に移動する部分65aとを連結しても良い。要するに、保持部材110は、一端が草刈機本体2の回動しない部分に連結され、他端が草刈機本体2の上方に回動又は移動する部分に連結されるように取り付けられればよい。
また、図22に示すように、保持部材110の一端が保持パイプ31に連結されていない場合には、保持パイプ31は、草刈機本体2の回動プレート25、250及びコレクタ回転軸24以外の部分(例えば、取付ブラケット23等)に取り付けられていても良い。この場合、回動操作レバー30は、ロックフック48とロックピン50の固定を解除する機能だけ有し、コレクタ9を回動させる操作レバーとしての機能を有していないが、例えば、コレクタ9を排出位置から集草位置へと戻す際には、コレクタ9の後部分を把持してコレクタ9を下方に回動させることが出来る。
又、本発明の上昇部の一例は、実施の形態1、2のダンパー65に相当し、本実施の形態では、押圧することによりコレクタ9を上方に回動する押圧タイプのダンパーが用いられていたが、引っ張りタイプのダンパーが用いられても良い。
(本発明に関連する発明の参考例)
以下に、本発明に関連する発明について記載する。
第1の本発明に関連する発明は、
草刈刃を有するモーアと、
前記モーアを、草を刈るための草刈位置と、前記草刈位置から上方に退避した退避位置の間を移動させるためのモーア移動部と、
前記草刈位置を調整するために、回転軸からの距離が異なる複数の側面を有するカムと、
前記カムを回転させるカム回転棒と、
前記カムの側面に当接する当接部とを備え、
前記モーアの前記退避位置から前記草刈位置への移動によって、前記当接部は前記カムの前記側面に当接し、
前記カム回転棒によって前記当接部と当接する前記側面を変更することによって、前記草刈位置が調整される、草刈機である。
これにより、簡易な構成で草刈位置の調整を行うことが出来る。
第2の本発明に関連する発明は、
前記当接部は、前記回転軸に直交する方向に配置された部材である、第1の本発明に関連する発明の草刈機である。
これにより、簡易に製造することが出来る。
第3の本発明に関連する発明は、
前記当接部は、棒状部材であって、
前記棒状部材の側面が前記カムの前記側面に当接する、第2の本発明に関連する発明の草刈機である。
これにより、より簡易に製造することが出来る。
第4の本発明に関連する発明は、
前記棒状部材は、前記モーア移動部の一部を形成するプレートに立設しており、
前記棒状部材の先端は、前記プレートに固定されたコの字状の補強プレートの前記プレートの対向面に固定されている、第3の本発明に関連する発明の草刈機である。
これにより、より強固にすることが出来る。
第5の本発明に関連する発明は、
前記当接部は、前記回転軸と平行な方向に配置された部材である、第1の本発明に関連する発明の草刈機である。
これにより、製造時の誤差を簡単に確認することが出来る。
第6の本発明に関連する発明は、
前記回転軸は、前記カム回転棒と同軸又は平行に配置されている、第5の本発明に関連する発明の草刈機である。
これにより、製造時の誤差をより簡単に確認することが出来る。
第7の本発明に関連する発明は、
前記回転軸は、前記カム回転棒に対して垂直に配置されている、第5の本発明に関連する発明の草刈機である。
これにより、設計時の自由度が増し、組立を行い易くすることが出来る。
第8の本発明に関連する発明は、
前記カムは、前記カム回転棒に直接取り付けられている、第6の本発明に関連する発明の草刈機である。
これにより、より安定した構造にすることが出来る。
第9の本発明に関連する発明は、
前記カムは、前記カム回転棒にケーブルを介して取り付けられている、第7の本発明に関連する発明の草刈機である。
これにより、設計時の自由度がより増し、組立を行いやすくすることが出来る。
第10の本発明に関連する発明は、
前記当接部は、前記モーア移動部にケーブルを介して取り付けられている、第6の本発明に関連する発明の草刈機である。
これにより、設計時の自由度が増し、組立を行い易くすることが出来る。
第11の本発明に関連する発明は、
前記当接部は、前記モーア移動部に直接取り付けられている、第7の本発明に関連する発明の草刈機である。
これにより、簡易に製造を行うことが出来る。
次に、本発明に関連する発明の参考例1、2について説明する。
(参考例1)
以下に、本発明に関連する発明の参考例1について説明する。参考例1の草刈機の基本的な構成は、実施の形態1と同じであるが、参考例1の草刈機は、モーア1の草刈位置の調整が可能な点に特徴を有している。尚、実施の形態1と同様の構成について説明を省略する。
図23は、参考例1の草刈機の右側面構成図である。図24は、参考例1の草刈機の平面構成図である。図25は、参考例1の草刈機の正面構成図である。
図23〜図25に示すように、参考例1の草刈機の左側面側には、モーア1を上下動させるためのモーア移動レバー1001が設けられている。このモーア移動レバー1001を図中矢印Q方向(図23参照)に上げることによってモーア1が上に移動する。このようにモーア1が上に移動した状態が図26に示されている。
草刈を行う際には、モーア1は図23に示すように下方に配置され、草刈を行わずに草刈機を移動させる場合等には、モーア1は上方に退避される。このモーア1の下方の位置を草刈位置と呼び、上方の位置を退避位置と呼ぶ。
図27は、参考例1の草刈機のフレームを示した平面構成図である。図28は、参考例1の草刈機のフレームを示した右側面構成図である。図29は、参考例1の草刈機のフレームを示した背面構成図である。図30は、参考例1の草刈機の右側面の第2回動アーム1040近傍を示す斜視構成図である。
図23、図27、及び図28に示すように、モーア1と連結したモーア連結部材1002が、モーア1の上側に設けられている。このモーア連結部材1002は、長手方向が草刈機の前後方向と一致するように配置された棒状の部材であって、右側面及び左側面の両方に設けられている。左側面のモーア連結部材を1002、右側面のモーア連結部材を1020として示されている(図30参照)。
これらモーア連結部材1002、1020は、前端において回動自在にフロア14の下側に連結されている。一方、それぞれの後端において、図23及び図30に示すように、左側面及び右側面のそれぞれに設けられている第1回動アーム1003、1030の下端と回転可能に連結されている。これら第1回動アーム1003、1030のそれぞれの上端は、左側面及び右側面のそれぞれに設けられている第2回動アーム1004、1040の前端と回動自在に連結されている。尚、図27では、第1回動アーム1003、1030は図示されていない。
又、第1回動アーム1003、1030の上端には長穴1003a、1030aが形成されており、この長穴1003a、1030aに嵌められたボルトが第2回動アーム1004、1040に固定されている。
この構成により第2回動アーム1004、1040は、第1回動アーム1003、1030と連結している。この長穴1003a、1030aは、モーア1が障害物に当たる等した際に、その衝撃を吸収するためのショックアブソーバーの役割を果たす。
図27に示すように、左側面の第2回動アーム1004と、右側面の第2回動アーム1040は、左側面から右側面にわたって設けられている回動軸1005によって連結し、第2回動アーム1004、1040は、回動軸1005を中心に回動可能に構成されている。
図30に示すように、モーア移動レバー1001の内側には、ロック解除棒1006が配置されており、その上端がロック解除スイッチ1006aを構成している。ロック解除棒1006の下端は、フック状部材1007と連結している。このフック状部材1007は、モーア移動レバー1001と第2回動アーム1040とを繋ぐプレート1008に回動可能に固定されている。フック状部材1007の回動中心は、回動軸1007aとして図示されている。更に、回動軸1005の周囲には、被係止プレート1009が設けられており、この被係止プレート1009には、フック状部材1007の先端の係止部1007wが嵌る凹部1009wが形成されている。図中上方(矢印Q方向)にモーア移動レバー1001を回動し、係止部1007wが凹部1009wに嵌ると、モーア移動レバー1001にロックがかかった状態となる。
尚、図23及び図26に示すように、草刈機本体2の後端部分には、コレクタ9内に集められた草が満杯になったことを検知する金属性のセンサー1300が設けられている。
次に、モーア1の草刈位置を調節する構成について説明する。
図31は、草刈機の右側面の第2回動アーム1004近傍の斜視構成図である。図23、図27、及び図31に示すように、モーア1の草刈位置を調整するための調整ダイヤル1010が草刈機本体2の右側面側の上面に設けられている。この調整ダイヤル1010には、例えば、図31に示すように、ダイヤル値『30』、『40』、『50』、『60』、『70』、『90』、『120』、『min』と記載されている。この数字は、草刈高さを示しており、『30』の場合、地面から30mmの高さにモーア1の草刈刃の下端が位置することを示しており、草の地面から30mmより高い部分が刈り取られることになる。又、『min』は、最も低い草刈位置を示している。又、図24の平面図に示すように、調整ダイヤル1010の近傍のカバー上に目印1110が記載されており、所望の刈り取り高さのダイヤル値を目印1110に合わせることによって、後述するようにモーア1が所望の刈り取り高さに調整される。
又、図31に示すように、この調整ダイヤル1010には、下方に向かって調整用軸1011が固定されており、調整用軸1011は、フレーム1016の上下に取り付けられた支持部材1018と支持部材1203によって回転可能に支持されている。
一方、第2回動アーム1004には、平面視コの字状の補強プレート1012が設けられており、第2回動アーム1004の面と、第2回動アーム1004の面1004aと対向する補強プレート1012の面1012aの間に、それぞれの面に垂直に配置された棒状の当接部材1013が配置されている。また、調節用軸1011には、この当接部材1013と当接することによって、モーア1の草刈位置の調整を行うカム1014が取り付けられている。
図32(a)はカム1014の平面構成図であり、図32(b)はカム1014の側面構成図であり、図32(c)はカム1014の底面構成図である。
図32(a)〜(c)に示すように、カム1014は、調整用軸1011からの距離が異なる複数の側面1140a〜1140hを有している。これらの側面1140a、1140b、1140c、1140d、1140e、1140f、1140g、1140hに対して調整用軸1011の中心1011aから降ろした垂線の長さが、順に短くなっている。図中、中心1011aから側面1140bに降ろした垂線hが記載されている。
詳しくは後述するが、調整ダイヤル1010のダイヤル値『120』、『90』、『70』、『60』、『50』、『40』、『30』、『min』は、それぞれ側面1140a、1140b、1140c、1140d、1140e、1140f、1140g、1140hに対応している。
調整ダイヤル1010を回転し、調整用軸1011を回転させることによって、側面1140a〜1140gのいずれかの側面を当接部材1013と対向する位置に配置することが出来る。このとき、調整ダイヤル1010のダイヤル値を目印1110に合わせることによって、おおまかな位置決めを行うことが出来るが、側面を当接部材1013と実質上平行な位置に配置するような詳細な位置決めは行い難い。そのため、側面を当接部材1013と実質上平行な位置に配置するように位置決めするための位置決め部1015が、図31に示すようにカム1014の上側の調整用軸1011に設けられている。
図33は、参考例1の位置決め部1015の分解斜視図である。図33に示すように、位置決め部1015は、カム1014の上方の調整用軸1011に取り付けられた、調整用軸1011と供に回転するポジションンプレート1017と、ポジションンプレート1017の上側に配置され、調整用軸1011を支持する支持部材1018とを有している。
ポジションンプレート1017の上面には、側面1140a、1140b、1140c、1140d、1140e、1140f、1140g、1140hに対応する凹部1170a、1170b、1170c、1170d、1170e、1170f、1170g、1170hが形成されている。又、この支持部材1018は、L字状であって、一方の平面部1018aでフレーム1016に固定されており、他方の平面部1018bで調整用軸1011を支持している。この平面部1018bには、貫通孔が形成されており、貫通孔上に筒状部材1019が設けられている。この筒状部材1019には、スチールボール1200が挿入され、その上からバネ1201が挿入され、バネ1201は上側からネジ1202によっておさえられる。
図34は、図33のXX´間の断面構成図である。図34に示すように、調整用軸1011を回転し、凹部1170a〜1170gのいずれかが筒状部材1019の直下に来ると、スチールボール1200がバネ1021の付勢力によって凹部1170aに嵌り込み、音が生じる。
ここで、カム1014と、ポジションンプレート1017は、それぞれの側面1140a〜1140hと、それぞれの凹部1170a〜1170hが対応づけられるように位置調整されている。例えば、当接部材1013の長手方向と平行になるように、当接部材1013と対向する位置に側面1140aが配置される時には、凹部1170aがスチールボール1200の直下に配置される。
更に、調整ダイヤル1010と、カム1014及びポジションンプレート1017も対応付けられている。すなわち、調整ダイヤル1010の『120』、『90』、『70』、『60』、『50』、『40』、『30』、『min』の位置は、それぞれ凹部1170a、1170b、1170c、1170d、1170e、1170f、1170g、1170hに対応しており、側面1140a、1140b、1140c、1140d、1140e、1140f、1140g、1140hに対応している。
このため、調整ダイヤル1010を、所望のダイヤル値を目印1110に合わせるように回転することによって、スチールボール1200が凹部1170a〜1170hのいずれかに嵌り込むと、手に伝わる振動と、その時に生じる音によって、所望の側面1140a〜1140gが当接部材1013と対向し、実質上平行に配置されたことがわかり、各側面の位置決めを行うことが出来る。
尚、本発明に関連する発明のモーア移動部の一例は、本実施の形態のモーア連結部材1002、1020、第1回動アーム1003、1030、第2回動アーム1004、1040、回動軸1005、プレート1008、及びモーア移動レバー1001に相当する。又、本実施の形態の調整用軸1011は、本発明に関連する発明のカム回転棒の一例に相当し、本発明に関連する発明の回転軸の一例に相当する。又、本実施の形態の当接部材1013は、本発明に関連する発明の回転軸に直交する方向に配置された部材の一例に相当する。
次に、参考例1の草刈機の動作について説明する。
はじめに、モーア1を草刈位置と退避位置の間を移動させる際の動作の概略について説明をする。
図30に示すように、モーア移動レバー1001を矢印Q方向に上げると、第2回動アーム1040も回動軸1005を中心として上方へ回動する。この際、第2回動アーム1040に回動軸1005は固定されているため、回動軸1005も回動し、回動軸1005に固定されている左側面の第2回動アーム1004も上方へ回動する(図30及び図31参照)。これら第2回動アーム1004、1040の上方への回動によって、第1回動アーム1003、1030が引き上げられるため、モーア連結部材1002、1020も引き上げられ、モーア1が上方へ移動する(図26参照)。
尚、モーア移動レバー1001を矢印Q方向に上げると、図30に示すフック状部材1007の先端の係止部1007wが凹部1009wに嵌り、モーア1の下方への移動がロックされることになる。一方、ロック解除スイッチ1006aを押すことによって、ロック解除棒1006も押され、図中矢印Sに示すように、フック状部材1007が回動軸1007aを中心に回動し、係止部1007wの凹部1009wへの係止が解除される。すなわち、モーア1を退避位置から草刈位置に降ろす際には、ロック解除スイッチ1006aを押すことによって、モーア移動レバー1001を下方に回動することが出来る。
次に、草刈位置を調整する際の動作について説明する。
例えば、調整用軸1011からの距離が最も長い側面1140aが、当接部材1013と対向するように調整ダイヤル1010を回転させたとする。このとき調整ダイヤル1010は、『120』の記載されている箇所が、例えばカバーに記載されている目印1110(図24参照)に合うように回転される。図35は、この場合の左側面の第2回動アーム1004近傍の構成図であり、モーア1が退避位置に配置されている。尚、図35では、説明のために補強プレート1012は省略されている。
この状態から、上述したように、モーア移動レバー1001を下げると、当接部材1013が側面1140aに当接するまで、第2回動アーム1004は下方に回動することが出来る。図36は、当接部材1013の側面1013aが側面1140aに当接した状態における第2回動アーム1004近傍の構成図である。
次に、側面1140dが当接部材1013と対向するように調整ダイヤル1010を回転させたとする。このとき調整ダイヤル1010は、『60』の記載されている箇所が、上記目印1110に合うように回転されている。図37は、この場合に、モーア移動レバー1001を下げた状態を示す図である。図37に示すように、当接部材1013の側面1013aが側面1140dに当接するまで、第2回動アーム1004が下がることが出来る。
ここで、側面1140dの方が、側面1140aよりも調整用軸1011からの距離が短いため、当接部材1013に側面1140dが当接した状態の方が、当接部材1013に側面1140aが当接した状態よりも、第2回動アーム1004はより下方まで回動することになる。そのため、第1回動アーム1003及びモーア連結部材1002を介して、第2回動アーム1004と間接的に連結しているモーア1も、より下方に位置することになる。
次に、調整用軸1011からの距離が最も短い側面1140hが当接部材1013と対向するように調整ダイヤル1010を回転させたとする。このとき調整ダイヤル1010は、『min』の記載されている箇所が、上記目印1110に合うように回転されている。図38は、この場合に、モーア移動レバー1001を下げた状態を示す図である。図38に示すように、当接部材1013の側面1013aが側面1140hに当接するまで、第2回動アーム1004が下がることが出来る。この状態が、草刈位置が最も下方に調整された状態となる。尚、図32(a)〜(c)及び図38に示す切り欠け1140sは、当接部材1013が側面1140hに当接するまでの間に、当接部材1013が側面1140aに当接しないようにするために形成されている。
このように調整ダイヤル1010を回転させることによって、モーア1の草刈位置を調整することが出来る。
又、フレーム構成の簡略化を図ることが出来る。
尚、参考例1では、当接部材1013は棒状の部材であるが、棒状に限らなくても良い。
又、参考例1では、第2回動アーム1004にコの字状の補強プレート1012が設けられているが、補強プレート1012が設けられておらず、当接部材1013が第2回動アーム1004に立設した構成であってもよい。
又、参考例1の位置決め部1015では、ポジションンプレート1017の上面に凹部1170a〜1170hが設けられているが、下面に凹部1170a〜1170hが設けられ、ポジションンプレート1017の下側に平面部1018aを配置し、下側から上方に向けてスチールボール1200を付勢する構成であってもよい。
(参考例2)
次に、本発明に関連する発明の参考例2の草刈機について説明する。参考例2の草刈機は、参考例1と基本的な構成は同じであるが、参考例1とはモーア1の草刈位置を調整する機構が異なっている。そのため、本相違点を中心に説明する。
図39は、参考例2の草刈機の回動軸1005の右側面側の端近傍を示す斜視構成図である。図39に示すように、参考例2の回動軸1005の右側面側の端には、参考例1と異なり回動軸1005に第2回動アーム2001が設けられている。この第2回動アーム2001の前端部2001aには、図示していないが、参考例1と同様に第1回動アーム1003が設けられている。第2回動アーム2001の後端部2001bには、長穴2001sが形成されている。又、第2回動アーム2001とケーブル2002を連結する連結具2003が設けられており、連結具2003は、上端部に設けられたビス2003aが長穴2001sに嵌り、第2回動アーム2001と連結している。又、連結具2003の下端部2003bには、ケーブル2002の一端が連結されている。
一方、調整用軸1011には、調整用軸1011からの距離が異なる複数の凹部を側面に有するカム2004が設けられている。
図40は、カム2004の平面構成図である。図40に示すように、カム2004は、その側面に複数の凹部2401a、2401b、2401c、2401d、2401e、2401f、2401g、2401hが形成されている。これら凹部2401a、2401b、2401c、2401d、2401e、2401f、2401g、2401hの底部を、それぞれ2402a、2402b、2402c、2402d、2402e、2402f、2402g、2402hとする。これら底部2402a、2402b、2402c、2402d、2402e、2402f、2402g、2402hは、調整用軸1011の中心からの距離が異なり、順に短くなっており、調整ダイヤル1010のダイヤル値『120』、『90』、『70』、『60』、『50』、『40』、『30』、『min』の位置と対応している。図40のカム2004では、わかりやすいように、それぞれの底部2402a〜2402hに、対応するダイヤル値を記載している。
また、図39に示すように、カム2004の後側には、凹部2401の底部2402と当接する当接部材2005が設けられている。この当接部材2005は上下方向に長い板状の部材であり、下端部は、フレーム1016に回動自在に固定されており、上端部にはケーブル2002の他端が連結されている。尚、図では、当接部材2005を回動自在に固定するための軸2501、ワッシャー2502、及びピン2503が図示されている。当接部材2005を貫通した軸2501の先端にワッシャー2502を挿入し、先端の側面に形成されている穴2504にピン2503を差し込むことによって、当接部材2005は回動自在に構成されている。そして、当接部材2005と支部部材2007の間にはバネ2008が設けられており、このバネの付勢力によって当接部材2005は後方に付勢されている。
また、連結具2003と当接部材2005の間をつなぐケーブル2002は、2つのL字状の支持部材2006、2007によって支持されている。
ここで、ケーブル2002は、ワイヤー2210と、ワイヤー2210が通る筒状部材2220を有している。このワイヤー2210の両端が、連結具2003と当接部材2005に連結されている。又、筒状部材2220の両端には、ネジ山が形成されたネジ部2221、2222が形成されている。そして、ネジ部2221は支持部材2006の凹部に配置されており、支持部材2006の厚み方向の両側から嵌められた2つのネジ2223によって支持部材2006に固定されている。一方、ネジ部2222は支持部材2007に形成された貫通孔に配置されており、支持部材2007の厚み方向の両側から嵌められた2つのネジ2224によって支持部材2007に固定されている。
例えば、ネジ2223を回転させ、ネジ部2221を当接部材2005の反対方向(矢印T参照)に移動させたとすると、筒状部材2220の支持部材2006と支持部材2007の間の長さが長くなることになる。すなわち、筒状部材2220の内側を通るワイヤー2210の支持部材2006と支持部材2007の間の長さも長くなり、当接部材2005の上端部2005aがカム2004側に引っ張られることになる。一方、ネジ2223を回転させ、ネジ部2221を当接部材2005の方向に移動させた場合には、当接部材2005の上端部2005aはカム2004から離れることになる。このように、ネジ2223を用いて、ネジ部2221を移動させることによって、当接部材2005の位置を微調整することが出来る。尚、ネジ部2222も同様であり、ネジ2224を上下に移動させることにより、ネジ部2222を上下に移動させることが出来、ワイヤー2210の支持部材2005と支持部材2006の間の長さを変更することが出来る。これら双方のネジ2223、2224を用いて、草刈位置の微調整を行うことが出来る。
尚、本発明に関連する発明のモーア移動部の一例は、本実施の形態のモーア連結部材1002、1020、第1回動アーム1003、1030、第2回動アーム2001、1050、回動軸1005、プレート1008、及びモーア移動レバー1001に相当する。本発明に関連する発明のカム回転棒の一例は、本実施の形態の調整用軸1011に相当する。本発明に関連する発明のカム回転棒と同軸に配置されている回転軸の一例は、本実施の形態の調整用軸1011に相当する。本発明に関連する発明のカム回転棒に直接取り付けられているカムの一例は、本実施の形態のカム2004に相当する。本発明に関連する発明のモーア移動部にケーブルを介して取り付けられている当接部の一例は、本実施の形態の当接部材2005に相当する。
次に、参考例2の草刈位置の調整について、図39及び図40を参照しながら説明する。
例えば、凹部2401gの底部2402gが、当接部材2005と対向するように、調整ダイヤル1010のダイヤル値『120』が目印1110に合わされた場合、モーア移動レバー1001を下げると、第2回動アーム2001の前端部2001aが下方に移動し、後端部2001bが上方に移動する。すると、第2回動アーム2001は、長穴2001sの下端でビス2003aと当接し、連結具2003が上方へと移動する。この上方への移動がケーブル2002によって伝達され、当接部材2005の上端部2005aがカム2004側へと移動する。そして、カム2004の底部2402gに当接部材2005が当接すると、第2回動アーム2001の前端部2001aの下方への移動が停止する。
このように調整用軸1011からの距離が異なる底部2402に当接することによって第2回動アーム2001の前端部2001aの下がる位置が異なるため、モーア1の草刈位置の調整を行うことが出来る。すなわち、調整用軸1011からの距離が最も離れている底部2004aが当接部材2005に当接した状態が、最も高い草刈位置となり、当接部材2005が当接する底部の調整用軸1011からの距離が近くなるに従って、当接部材2005が移動する距離が長くなるため、第2回動アーム2001の前端部2001aが下方に移動出来る距離も長くなり、モーア1の草刈位置を低くすることが出来る。
以上のように、調整ダイヤル1010を回転させることによって、モーア1の草刈位置を調整することが出来る。
又、組立誤差等により調整ダイヤル1010で設定した通りの草刈位置の高さが得られなかった場合でも、参考例2では、ケーブル2002が設けられていることによって当接部材の位置を微調整することが出来るため、調整ダイヤル1010で設定した通りの草刈位置の高さを得ることが出来る。
(参考例3)
次に、本発明に関連する発明の参考例3の草刈機について説明する。参考例3の草刈機は、参考例1と基本的な構成は同じであるが、参考例1とはモーア1の草刈位置を調整する機構が異なっている。そのため、本相違点を中心に説明する。
図41は、参考例3の草刈機の回動軸1005の右側面側の端近傍を示す斜視構成図である。図41に示すように、参考例3では、回動軸1005の右側面側の端に、参考例1と異なる第2回動アーム3001が設けられている。この第2回動アーム3001の前端部3001aには、参考例1と同様に第1回動アーム1003が設けられている。また、第2回動アーム3001は、その後端部3001bにおいて、フレーム1016を貫通して設けられている回動軸1005に固定されている。また、第2回動アーム3001には、後述するカム3002に当接する当接部材3005が回動軸1005と平行に立設している。
そして、フレーム1016の第2回動アーム3001の下側に、カム3002が設けられている。このカム3002は、フレーム1016に対して垂直に設けられたカム回転軸3003によって回転可能にフレーム1016に固定されている。また、カム3002のフレーム1016と反対側には、カム回動軸3003に、コの字状の補強プレート3004が設けられている。
そして、カム回動軸3003は、調整用軸1011とワイヤなどで形成されたケーブル3006によって接続されており、調整ダイヤル1010を回転させることにより、カム回動軸3003も回転し、カム回転軸3003に固定されているカム3002が回転するように構成されている。
図42は、カム3002の平面構成図である。図42に示すように、カム3002の側面には、複数の凹部が形成されており、各凹部の側面部分が、3020a、3020b、3020c、3020d、3020e、3020f、3020g、3020hとして図示されており、順にカム回転軸3003の中心からの距離が短くなっている。又、これら側面部分3020a、3020b、3020c、3020d、3020e、3020f、3020g、3020hが、調整ダイヤル1010のダイヤル値『120』、『90』、『70』、『60』、『50』、『40』、『30』、『min』に対応している。図42のカム3002では、わかりやすいように、それぞれの側面部分3020a〜3020hに、対応するダイヤル値を記載している。
尚、本発明に関連する発明のモーア移動部の一例は、本実施の形態のモーア連結部材1002、1020、第1回動アーム1003、1030、第2回動アーム3001、1050、回動軸1005、プレート1008、及びモーア移動レバー1001に相当する。本発明に関連する発明のカム回転棒の一例は、本実施の形態の調整用軸1011に相当し、本発明に関連する発明のカム回転棒に対して垂直に配置されている回転軸の一例は、本実施の形態のカム回転軸3003に相当する。本発明に関連する発明のカム回転棒にケーブルを介して取り付けられているカムの一例は、本実施の形態のカム3002に相当する。本発明に関連する発明のモーア移動部に直接取り付けられている当接部の一例は、本実施の形態の当接部材3005に相当する。
次に、参考例3の草刈位置を調整する際の動作について説明する。
例えば、カム回転軸3003からの距離が最も短い凹部の側面部分3020hが、当接部材3005に対向するように、調整ダイヤル1010のダイヤル値『min』が目印1110に合わされている場合、第2回動アーム3001は、他の凹部の側面部分3020a〜3020gに比べて、その前端部3001aが最も下側に位置になるまで回動することが出来る。そのため、モーア1の草刈位置は最も下方の位置となる。又、カム回転軸3003からの距離が最も長い凹部の側面部分3020aが、当接部材3005と対向するように調整ダイヤル1010が回転された場合、モーア移動レバー1001を下方に下げることによって、モーア1の草刈位置は最も下側に位置することになる。
以上のように、調整ダイヤル1010を回転させることによって、モーア1の草刈位置を調整することが出来る。
又、上記参考例1〜3に示すように、モーア移動レバー1001が左側面側に配置され、調整ダイヤル1010が右側面側に配置されているため、ユーザが右手でモーア移動レバー1001を操作し、左手で調整ダイヤル1010を操作することが出来るため、草刈位置の調整を行いやすい。
尚、調整ダイヤル1010は、左側面側や、ハンドル11近傍等、別の場所に設けられていても良いが、ユーザの操作性を考慮すると、上述したように右側面側に設けられている方が好ましい。又、調整ダイヤル1010が運転席12の横のカバー上に配置されているため、調整が行いやすい。又、調整用軸1011及び調整ダイヤル1010は上に向かって構成されているが、これに限られるものではなく、ユーザが操作しやすければ、右側面側から立設する方向(図23中、紙面手前方向)に配置されていてもよい。
又、参考例1、2では、調整用軸1011に直接カム1014、2004が取り付けられているが、参考例3のようにケーブルを介して取り付けられていても良い。
又、参考例1、2では、カム1014、2004の回転軸と調整用軸1011が同軸であるが、同軸でなく、カム1014、2004の回転軸と調整用軸1011が平行に配置され、ケーブルなどによって接続されていてもよい。