JP5445440B2 - 定着回転体、定着装置および画像形成装置 - Google Patents

定着回転体、定着装置および画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、記録シート上に形成された未定着画像を加熱して記録シートに定着させる定着装置、当該定着装置に使用される定着回転体および前記定着装置を備える画像形成装置に関する。
プリンタ、複写機等の電子写真方式の画像形成装置では、通常、画像データに対応したトナー画像を記録紙、OHPシート等の記録シートに転写した後に、定着装置において、記録シートに転写されたトナー画像を定着するようになっている。定着装置では、記録シート上のトナー画像を加熱して記録シートに対して加圧することにより記録シートに定着している。
このような画像形成装置の定着装置として、通電によって発熱する抵抗発熱層を有する発熱定着ベルトを用いる構成が知られている。例えば、特許文献1には、ポリイミド樹脂に、カーボンナノ材料とフィラメント状金属粒子とを分散して構成された抵抗発熱層を有する発熱定着ベルトと、この発熱定着ベルトに圧接される加圧ロールとを有する定着装置が開示されている。
特許文献1では、発熱定着ベルトの内周側に抵抗発熱層が設けられている。発熱定着ベルトの周回移動域内にはベルトホルダーが設けられており、ベルトホルダーには、抵抗発熱層における幅方向の両側のそれぞれの側縁部に対向して給電端子が設けられている。各給電端子が、抵抗発熱層における両側の側縁部にそれぞれ摺接することによって、抵抗発熱層に電力が供給される。これにより、抵抗発熱層が発熱する。
特開2007−272223号公報
特許文献1に開示された発熱定着ベルトでは、抵抗発熱層は、ポリイミド樹脂に導電性フィラーを分散させて、ベルト状(無端形状)に成形されている。導電性フィラーとしては、電気抵抗率の高い(導電性の低い)カーボンナノ材料と、電気抵抗率の低い(導電性の高い)フィラメント状金属粒子とが用いられており、抵抗発熱層が全体にわたって導電性であって、所定の電気抵抗率とされている。
ポリイミド樹脂に対してカーボンナノ材料のみを分散させると、抵抗発熱層を所定の電気抵抗率とするために多量のカーボンナノ材料が必要になる。しかしながら、カーボンナノ材料の含有量が多くなると、抵抗発熱層自体の機械的強度が低下する。このために、特許文献1では、ポリイミド樹脂に対してカーボンナノ材料とともにフィラメント状金属粒子を添加して、抵抗発熱層の機械的強度が低下することを防止している。
特許文献1では、ポリイミド前駆体溶液の固形分に対して、カーボンナノファイバーを20vol%、フィラメント状ニッケル微粒子を13vol%として、抵抗発熱層を成形する構成が開示されている(特許文献1の段落「0077」参照)。
さらに、特許文献1では、カーボン、金属等のフィラーを、定着ベルトの長手方向に沿って配向させる構成になっている。このような構成により、少ないフィラー量によって導電性を確保でき、しかも、所望の機械的強度が得られるものと思われる。
しかし、特許文献1のように、抵抗発熱層のフィラーを配向させた発熱定着ベルトを使用した定着装置の構成では、記録シート上に定着されたトナー画像に、フィラーの配向方向(記録シートの搬送方向)に沿った筋状の未定着部分が発生し、定着画像の品質が低下するおそれがある。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、抵抗発熱層の耐久性を向上させていることにより、長期にわたって安定的に使用することができ、しかも、定着画像の品質を低下させるおそれのない定着回転体を提供することにある。本発明の他の目的は、そのような定着回転体を有する定着装置および画像形成装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明に係る定着回転体は、外周面に加圧部材が圧接されて定着ニップが形成された状態で当該外周面が周回移動可能になっており、電流が流れることによって発熱して前記定着ニップを通過する記録シートを加熱する抵抗発熱層が周面全体にわたって設けられた定着回転体であって、前記抵抗発熱層は、絶縁樹脂に繊維状またはフレーク状の導電性フィラーが分散されて所定の電気抵抗率を有する成形体であり、前記導電性フィラーは、所定の電気抵抗率を有する高抵抗フィラーと、当該高抵抗フィラーよりも電気抵抗率が低い低抵抗フィラーと、を含み、前記低抵抗フィラーの体積含有量が前記高抵抗フィラーの体積含有量よりも多く、かつ、前記導電性フィラーが前記抵抗発熱層において、特定の方向へ配向されていないことを特徴とする。
本発明に係る定着装置は、前記定着回転体を有することを特徴とする。
本発明に係る画像形成装置は、前記定着装置を有することを特徴とする。
本発明に係る定着回転体では、低抵抗フィラーの体積含有量が高抵抗フィラーの体積含有量よりも多くなっていることにより、抵抗発熱層を所定の電気抵抗率に設定する場合に、絶縁樹脂に対する導電性フィラーの体積含有量を減らすことが可能になる。これにより、絶縁樹脂に対する高抵抗フィラーの体積含有量を低下させることができて、抵抗発熱層の機械的強度が低下することを抑制することができる。その結果、定着回転体を長期にわたって安定的に使用することができる。
しかも、導電性フィラーが抵抗発熱層において特定の方向へ配向されていない構成であるために、導電性フィラーは、2次元的な接続状態になっており、定着回転体が周方向の一部において発熱不良になるおそれがない。その結果、定着画像の品質が低下することを抑制することができる。
好ましくは、前記低抵抗フィラーの電気抵抗率が前記高抵抗フィラーの電気抵抗率の1/10以下であることを特徴とする。
好ましくは、前記導電性フィラーは、前記低抵抗フィラーの体積含有量と前記高抵抗フィラーの体積含有量との比率が、1.5:1以上、5:1以下になっている。
好ましくは、前記導電性フィラーは、前記低抵抗フィラーの体積含有量と前記高抵抗フィラーの体積含有量との比率が2:1以上、3:1以下になっていることを特徴とする。
好ましくは、絶縁樹脂に対する前記導電性フィラーの体積含有比率が、60%よりも少なくなっていることを特徴とする。
好ましくは、絶縁樹脂に対する前記導電性フィラーの体積含有比率が、20%以上、50%以下であることを特徴とする。
好ましくは、前記高抵抗フィラーは、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンマイクロコイル、黒鉛繊維、黒鉛フレーク、黒鉛チップの少なくとも1つを含み、前記低抵抗フィラーは、Ag、Cu、Al、Mg、Ni、SUSの少なくとも1つを含むことを特徴とする。
好ましくは、前記抵抗発熱層に、非導電性フィラーを樹脂に分散させた構成の均熱層が積層されていることを特徴とする。
好ましくは、前記均熱層が前記抵抗発熱層の外周面上および内周面上のいずれか一方または両方に直接積層されていることを特徴とする。
好ましくは、前記均熱層を構成する樹脂が、前記抵抗発熱層を構成する絶縁樹脂と同一であることを特徴とする。
好ましくは、前記均熱層を構成する非導電性フィラーが球状になっていることを特徴とする。
好ましくは、前記均熱層を構成する非導電性フィラーが、前記抵抗発熱層を構成する導電性フィラーよりも熱伝導率が高くなっていることを特徴とする。
本発明の画像形成装置の実施の形態であるタンデム型中間転写方式のカラーレーザープリンタの構成を示す概略図である。 そのプリンタに設けられた定着装置における主要部の構成を説明するための斜視図である。 その定着装置における主要部の構成を説明するための断面模式図である。 その定着装置に用いられる定着ベルトの断面図である。 定着ベルトの他の例を示す断面図である。 本実施形態の定着ベルトに設けられた抵抗発熱層における導電性フィラーの含有量(体積%)と電気抵抗率との関係を示すグラフである。 他の実施形態における定着ベルトの一例を示す断面図である。 その定着ベルトに使用されるフィラーの熱伝導率を示す表(表1)である。 本実施形態の評価試験に使用される定着ベルトの構成を、比較例の定着ベルトの構成とともに示す表(表2)である。 その評価試験における定着ベルトの幅方向に沿った温度分布を、比較例の温度分布とともに示すグラフである。 その評価試験における定着ベルトの幅方向に沿った温度分布における温度差と、定着後の画像の品質とを、比較例とともに示す表(表3)である。 本実施形態における定着ベルトの他の例を示す断面図である。 本発明のさらに他の実施形態における定着装置の主要部の構成を説明するための断面模式図である。
<実施形態1>
以下、本発明に係る定着装置および画像形成装置の実施の形態について説明する。
<画像形成装置の概略構成>
図1は、本発明の実施の形態に係る定着装置を備える画像形成装置の一例であるプリンタの構成を説明するための模式図である。このプリンタは、ネットワーク(例えばLAN)を介して外部の端末装置等から入力される画像データ等に基づいて、周知の電子写真方式により、フルカラーあるいはモノクロの画像を記録用紙、OHPシート等の記録シートに形成する。
図1に示すプリンタは、矢印Aで示す方向に回転駆動される感光体ドラム11を有しており、感光体ドラム11の周囲には、電子写真方式によってトナー画像を記録シートS上に形成するための帯電装置12、露光装置13、現像装置14、転写ローラ15が、回転方向の上流側から下流側にかけて順番に設けられている。
帯電装置12は、感光体ドラム11の斜め上方に配置されており、回転される感光体ドラム11の表面を一様に帯電する。
帯電装置12によって一様に帯電された感光体ドラム11の表面は、露光装置13から照射されるレーザ光Lにて露光される。
露光装置13にはレーザダイオードが設けられており、外部機器から入力される画像データが、図示しない制御部によってレーザダイオードの駆動信号に変換され、その駆動信号によって、露光装置13のレーザダイオードが駆動される。これにより、露光装置13からは画像データに対応したレーザ光Lが感光体ドラム11の表面に照射され、感光体ドラム11の表面上に静電潜像が形成される。
露光装置13からのレーザ光Lが照射される感光体ドラム11の表面位置に対して、感光体ドラム11の回転方向下流側には、現像装置14が配置されている。この現像装置14は、感光体ドラム11の表面に形成された静電潜像を、トナーによって現像する。これにより、感光体ドラム11の表面上のトナー画像は静電潜像として可視化される。
現像装置14の下方には、記録用紙、OHPシート等の記録シートSを複数枚収容できる記録シートカセット21が設けられている。また、感光体ドラム11の下方には、記録シートカセット21内の記録シートSを1枚ずつ繰り出す給紙ローラ22が設けられている。給紙ローラ22によって記録シートカセット21から繰り出された記録シートSは、感光体ドラム11に向って上方に搬送される。
給紙ローラ22と感光体ドラム11との間には、タイミングローラ対23が設けられている。タイミングローラ対23は、記録シートカセット21から繰り出された記録シートSを、感光体ドラム11の回転に同期させて感光体ドラム11に向って搬送する。
感光体ドラム11の側方には転写ローラ15が設けられている。転写ローラ15は、感光体ドラム11に圧接されており、感光体ドラム11の回転に追従して矢印Bで示す方向に回転する。転写ローラ15と感光体ドラム11との間には転写ニップTが形成されており、記録シートSは、タイミングローラ対23によって、感光体ドラム11の回転に同期して、転写ニップTへと搬送される。
転写ニップTを通過する記録シートSには、転写ローラ15に印加された転写電圧にて発生する転写電界の作用により、感光体ドラム11上に形成されたトナー画像が転写される。トナー画像が転写された記録シートSは、剥離爪16によって感光体ドラム11から剥離されて定着装置30へと搬送される。
定着装置30では、記録シートS上の未定着のトナー画像が、加熱されて記録シートSに加圧される。これにより、トナー画像が記録シートS上に定着される。トナー画像が定着された記録シートSは、排紙ローラ24によって、排紙トレイ19上に排出される。
感光体ドラム11の上方には、クリーナー17が配置されており、トナー画像が転写された後の感光体ドラム11は、クリーナー17によって表面に残留するトナーが除去される。クリーナー17によって残留トナーが除去された感光体ドラム11の表面は、イレーサ18によって残留電荷が消去されるようになっている。残留電荷が消去された感光体ドラム11は、次の画像形成指示によって、帯電装置12にて表面が帯電され、上述した動作と同様の動作が繰り返されることにより、記録シート上にトナー画像を形成する。
図2は、定着装置30における主要部の構成を説明するための模式的な斜視図、図3は、その定着装置の断面模式図である。図2および図3に示すように、定着装置30は、加圧部材としての加圧ローラ32と、加圧ローラ32に圧接された状態で回転可能に配置された円筒形状の定着ベルト31と、定着ベルト31の内部に配置されて定着ベルト31の内周面に圧接された定着ローラ33とを備えている。定着ベルト31は、加圧ローラ32に圧接されて回転する定着回転体を構成しており、電力が供給されることによって発熱するようになっている。
定着ベルト31は、例えば、図2に示すように、軸方向長さが、加圧ローラ32の外周面における軸方向長さとほぼ同じ長さになっており、また、図3に示すように、加圧ローラ32の直径よりも若干大きな直径を有している。定着ベルト31と加圧ローラ32とは、それぞれの軸心が平行な状態で、定着ベルト31の外周面の一部が加圧ローラ32の外周面の一部に圧接されるように配置されている。
定着ローラ33は、軸心部に芯金33bが設けられており、芯金33bの外周面上に、定着ベルト31の直径よりも若干小さな直径を有する弾性体33aが積層されている。弾性体33aと芯金33bとは一体に構成されており、弾性体33aの軸方向長さは、定着ベルト31の軸方向長さにほぼ等しくなっている。定着ローラ33は、芯金33bが定着ベルト31の軸心と平行な状態で配置されて、定着ベルト31の内周面に圧接されている。
定着ローラ33は、図示しない付勢手段(例えば引っ張りバネ)によって、加圧ローラ32に向って付勢されており、これにより、定着ローラ33の弾性体33aが、定着ベルト31を介して加圧ローラ32の外周面に押し付けられている。定着ローラ33の弾性体33aは、加圧ローラ32の外周面に押し付けられることによって、加圧ローラ32の外周面に沿って円弧状に窪んだ状態に変形する。定着ベルト31は、加圧ローラ32によって、円弧状に窪んだ定着ローラ33の弾性体33aの外周面に沿った状態になっている。
定着ベルト31は、加圧ローラ32の外周面に対して30°程度の中心角度の範囲にわたって圧接されている。相互に圧接された定着ベルト31と加圧ローラ32との間には、記録シートSが通過する定着ニップNが形成されている。
加圧ローラ32は、図示しないモータによって、図3に矢印Aで示す方向に回転される。定着ベルト31は、加圧ローラ32によって定着ローラ33の外周面に圧接されていることにより、加圧ローラ32の回転に追従して周回移動する。定着ローラ33は、定着ベルト31の周回移動に追従して回転する。
なお、図3に示すように、定着ニップNよりも定着ベルト31の周回移動方向の下流側には、定着ニップNを通過した記録シートSを定着ベルト31から剥離する分離爪35が設けられている。
図4は、定着ベルト31の横断面図である。定着ベルト31は、例えば、内周側に配置された抵抗発熱層31aと、抵抗発熱層31aの外周面上に積層された離型層31bとを有している。内周側の抵抗発熱層31aは、全周にわたってほぼ一定の電気抵抗率を有しており、電流が流れることによってジュール熱を発熱する。離型層31bは、定着ニップNを通過する際に圧接した記録シートSが容易に剥離されるような剥離性を有している。
抵抗発熱層31aおよび離型層31bのそれぞれは一定の厚さになっている。抵抗発熱層31aおよび離型層31bの2層によって構成された定着ベルト31は、所定の剛性を有しており、加圧ローラ32に圧接されていない状態で、所定の直径の円筒形状を維持するようになっているが、加圧ローラ32が圧接されることにより、加圧ローラ32の外周面に沿って円弧状に窪んだ状態に変形する。
図2に示すように、定着ベルト31の両側の端部は、それぞれ、外周側に位置する離型層31bが全周にわたって剥離されており、これによって、抵抗発熱層31aの外周面が露出した電極部31gになっている。各電極部31gには、給電部材37がそれぞれ圧接されている。各給電部材37は、抵抗発熱層31aの各電極部31gとは導電状態になっている。各給電部材37は、定着ベルト31が回転すると、抵抗発熱層31aが露出した電極部31gに摺接して、抵抗発熱層31aとの導電状態を維持する。本実施形態では、給電部材37は、カーボン粉と、銅粉等の粉体を混合して焼成した導電ブラシが使用されている。なお、給電部材37は、このような構成に限らず、所定の形状に構成された絶縁部材等にCn、Ni等をメッキ処理する構成としてもよい。
それぞれの給電部材37は、交流電源34に接続されている。両給電部材37には、交流電源34から交流電力が供給されるようになっており、交流電源34から一方の給電部材37に供給される電流は、その給電部材37が摺接する一方の電極部31gを介して抵抗発熱層31aに供給されて、抵抗発熱層31aを軸方向(周方向とは直交する幅方向)に沿って流れて、他方の電極部31gを介して他方の給電部材37に供給される。
周回移動する定着ベルト31の抵抗発熱層31aは、両側の電極部31g間を流れる電流によって発熱する。この場合、各電極部31gに対して、各給電部材37がそれぞれ全周にわたって摺接することによって、抵抗発熱層31aが幅方向の全体にわたって電流が流れる。これにより、抵抗発熱層31aは全体にわたって発熱状態になり、定着ベルト31の全体が発熱状態になる。
周回移動する定着ベルト31の外周面の温度は、定着ニップNとは反対側において、定着ベルト31の外周面に対向して配置された温度センサ36(図3参照)にて検出されるようになっている。温度センサ36にて検出される定着ベルト31の外周面の温度は、交流電源34から出力される交流電流の制御に用いられる。交流電源34から出力される交流電流は、定着ベルト31の外周面が所定の定着温度になるように制御される。
加圧ローラ32は、パイプ形状の芯金32aの外周面に、弾性層32bおよび離型層32cが順番に積層されて、外径が20〜100mm程度の円柱形状に構成されている。芯金32aは、厚さが0.1〜10mm程度のアルミニウム、鉄等の金属パイプによって形成されている。
弾性層32bは、シリコーンゴム、フッ素ゴム等の高耐熱性の弾性材料によって、厚さが1〜20mm程度に構成されている。
加圧ローラ32の離型層32cは、例えば、離型性を有するフッ素チューブ、フッ素コーティング等によって、5〜100μm程度の厚さに形成されている。この離型層32cは、導電性であってもよい。
なお、芯金32aは、パイプ形状に限らず、中実の円柱形状であってもよく、また、断面も円形状に限らず、外側に嵌合される弾性層32bが円筒形状に保持される形状、例えば周方向に等しい間隔で突出する3つ以上の軸方向に沿った突条を有するような形状であってもよい。
定着ローラ33は、例えば、パイプ形状の芯金33bの外周面に、外径が20〜100mm程度になるように弾性体33aが設けられている。芯金33bは、厚さが0.1〜10mm程度のアルミニウム、鉄等の金属パイプによって形成されている。
弾性体33aは、シリコーンゴム、フッ素ゴム等の高耐熱性の弾性材料によって、厚さが1〜20mm程度に構成されている。
なお、芯金33aは、パイプ形状に限らず、中実の円柱形状であってもよく、また、断面も円形状に限らず、外側に嵌合される弾性体33aが円筒形状に保持される形状、例えば周方向に等しい間隔で突出する3つ以上の軸方向に沿った突条を有するような形状であってもよい。
このような構成の定着装置30では、定着ベルト31の外周面が所定の定着温度になるように制御された状態で、記録シートSが定着ニップNを通過すると、抵抗発熱層31aの発熱により外周面が全体にわたって略均一に所定の定着温度になった状態の定着ベルト31によって、記録シートSは、搬送方向と直交する方向の全体に略均一に加熱される。このとき、記録シートSは、定着ニップNにおいて、相互に圧接された状態の定着ベルト31および加圧ローラ32によって加圧される。これにより、記録シートS上の未定着のトナー画像が記録シートSに定着される。
定着ニップNにおいてトナー画像が定着された記録シートSは、定着ニップNを通過すると、分離爪35によって定着ベルト31から分離されて、図1に示す排紙ローラ24へと搬送され、排紙ローラ24によって排紙トレイ19上に排出される。
定着ベルト31の抵抗発熱層31aは、耐熱性絶縁樹脂に、導電性フィラー(添加物)を、所定の体積含有比率(体積%)で均一に分散させた成形体であり、全周にわたって所定の電気抵抗率になっている。導電性フィラーは、電気抵抗率が低い(導電性が高い)金属材料によって構成された低抵抗フィラーと、電気抵抗率が高い(導電性が低い)カーボン材料によって構成された高抵抗フィラーとの2種類の導電性フィラーによって構成されている。
導電性フィラーは、低抵抗フィラーの体積含有量が高抵抗フィラーの体積含有量よりも多い状態で混合されて、耐熱性絶縁樹脂に対して所定の体積含有比率になっており、特定の方向への配向を有していない。すなわち、導電性フィラーを特定方向に配向させることなく、耐熱性絶縁樹脂に対して一様に分散している。これにより、導電性フィラーは、耐熱性絶縁樹脂内において2次元方向に接触した状態で拡散されている。
耐熱性絶縁樹脂としては、PI(ポリイミド)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)等が使用される。なお、本実施形態では、PIを用いている。
低抵抗フィラーとしては、Ag、Cu、Al、Mg、Ni、SUS等の金属材料を繊維(フィラメント)状または粉粒状にして用いることができる。高抵抗フィラーとしては、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンマイクロコイル等のカーボン材料が用いられる。
低抵抗フィラーは、高抵抗フィラーに対して1/10以下の電気抵抗率になっていることが好ましい。それによって、低抵抗フィラーおよび高抵抗フィラーをブレンドした場合に、所定の抵抗値に容易に調整することができる。
本実施形態では、低抵抗フィラーとしてNiフレーク(電気抵抗率:10−8Ω・m)を用いており、また、高抵抗フィラーとしてカーボンナノチューブ(電気抵抗率:10−5Ω・m)を用いている。Niフレークの電気抵抗率は、カーボンナノチューブの電気抵抗率に対して1/1000になっている。低抵抗フィラーと高抵抗フィラーとの電気抵抗率の差が大きい場合には、抵抗発熱層31aにおける抵抗値の調整は容易になるものの、所定の体積含有比率で所定の抵抗値にまで低下させることは容易でない。
なお、導電性フィラーとしては、繊維状あるいはフレーク状になっていることが好ましい。繊維状あるいはフレーク状の導電性フィラーであれば、フィラー同士が接触しやすく、抵抗発熱層31aの電気抵抗率を全体にわたって均一にすることが容易になる。
低抵抗フィラーと高抵抗フィラーとの配合比率(体積含有比率)は、好ましくは、1.5:1以上、5:1以下、より好ましくは、2:1以上、3:1以下である。低抵抗フィラーが多くなると、全体のフィラー量が多くなり抵抗発熱層31aの強度が低下する。逆に、低抵抗フィラーが少なくなると、抵抗発熱層31aにおける電気抵抗率のムラが大きくなる。
低抵抗フィラーおよび高抵抗フィラーからなる導電性フィラーは、絶縁樹脂に対して60体積%以下の含有量であることが好ましい。導電性フィラーの含有量が60体積%を越えると、抵抗発熱層31aが脆くなり、割れ等が発生することによってベルト形状を維持することができなくなる。絶縁樹脂に対する導電性フィラーの含有量は、好ましくは、20〜50体積%程度である。
本実施形態では、抵抗発熱層31aにおけるNiフレーク(低抵抗フィラー)の体積含有量は、カーボンナノチューブ(高抵抗フィラー)の体積含有量の2倍以上、3倍以下になっており、従って、Niフレーク(低抵抗フィラー)の体積含有量とカーボンナノチューブ(高抵抗フィラー)の体積含有量との比率は、2:1(=2倍)以上、3:1(=3倍)以下になっている。
このように、高抵抗フィラーよりも低抵抗フィラーの体積含有量が多くなった導電性フィラーを、耐熱性絶縁樹脂に対して所定の含有量(体積%)になるように調整して、特定方向へ配向させることなく、耐熱性絶縁樹脂に均一に分散させることにより、所定の電気抵抗率の抵抗発熱層31aが得られる。
従って、成形された抵抗発熱層31aは、耐熱性絶縁樹脂における高抵抗フィラーの体積含有量が、低抵抗フィラーの体積含有量よりも多くなっていないために、抵抗発熱層31aは高強度になっている。その結果、このような抵抗発熱層31aを有する定着ベルトは、長期にわたって安定的に使用することができる。
抵抗発熱層31aの電気抵抗率は、抵抗発熱層31aに印加される電圧、電力、抵抗発熱層31aの厚さ、周回移動方向の長さ等に基づいて設定される。通常、抵抗発熱層31aの電気抵抗率は、1.0×10−6〜9.9×10−3Ω・m程度、好ましくは1.0×10−5〜5.0×10−3Ω・m程度である。
抵抗発熱層31aの厚さは、特に限定されるものではなく任意であるが、通常、5〜100μm程度とされる。
定着ベルト31の離型層31bは、当該離型層31bに接触する記録シートSのトナーが容易に剥離するような離型性を有しており、例えば、水との接触角が90°以上、好ましくは110°以上であって、表面粗さRaが0.01〜50μm程度になっている。
この離型層31bは、PFA(ポリテトラフルオロエチレン)、PTFE(ポリテトラフルオロチレン(4フッ化)樹脂)、ETFE(4フッ化エチレン・エチレン共重合樹脂)等のフッ素系チューブ、フッ素系コーティング等によって、例えば、5〜100μm程度の厚さに構成される。フッ素系チューブとしては、三井・デュポンフロロケミカル株式会社製の商品名「PFA350−J」、「451HP−J」、「951HP Plus」等が好適である。離型層31bは、導電性であってもよい。本実施形態では、離型層31dとしてPFAを用いている。
なお、定着ベルト31は、このような2層構造に限るものではなく図5に示すような構成の定着ベルト31を用いることもできる。図5に示す定着ベルト31は、抵抗発熱層31aの外周面上に、定着ベルト31全体を所定の強度とするための補強層31cと、補強層31cの外周面上に、定着ベルト31が所定の弾性とするための弾性層31dとが設けられており、弾性層31d上に剥離層31bが設けられている。このように、弾性層31dが設けられた定着ベルト31は、複数のカラートナー画像が積層された状態になったフルカラーのトナー画像の定着に好適に使用される。
定着ベルト31の補強層31cは、PI、PPS等の樹脂が用いられる。本実施形態では、補強層31cとしてPIを用いている。
定着ベルト31の弾性層31dは、Si(シリコーン)ゴム、フッ素ゴム等が用いられる。本実施形態では、弾性層31dとしてSiゴムを用いている。
なお、補強層31cおよび弾性層31dの両方を設ける構成に限らず、いずれか一方のみを設ける構成であってもよい。
このような定着装置30では、定着ベルト31の抵抗発熱層31aが、金属材料の低抵抗フィラーの体積含有量が、カーボン材料の高抵抗フィラーの体積含有量よりも多く、両者の比率が2:1になった導電性フィラーを、耐熱性絶縁樹脂に所定の含有量(体積%)で、特定方向に配向させることなく、均一に分散させることによって、抵抗発熱層31aを全体にわたって所定の電気抵抗率にしている。
これにより、抵抗発熱層31aの全体における高抵抗フィラーの体積含有量が少なくなっており、高抵抗フィラーの含有量が多くなることによる抵抗発熱層31aの強度低下を抑制することができる。従って、抵抗発熱層31aを有する定着ベルト31の耐久性を向上させることができ、その結果、定着ベルト31を、長期にわたって安定的に使用することができる。
図6は、本実施形態の定着ベルト31に設けられた抵抗発熱層31aの導電性フィラーの含有量(体積%)と電気抵抗率との関係を示すグラフである。定着ベルト31は、前述したように、耐熱性絶縁樹脂がPIであり、導電性フィラーは、Niフレークとカーボンナノチューブとが体積含有量2:1の割合で混合されている。導電性フィラーの含有量は、体積%で示している。
比較のために、耐熱性絶縁樹脂(PI)に対して、Niフレークとカーボンナノチューブとの体積含有量の比率が1:1(比較例1)および1:2(比較例2)になったそれぞれの導電性フィラーの含有量(体積%)と電気抵抗率との関係を、図6のグラフに、破線および一点鎖線で併記する。
図6のグラフによると、本実施形態(Niフレークとカーボンナノチューブとの体積含有量の比率が2:1)の場合に、抵抗発熱層31aを所定の電気抵抗率とするために必要とされる導電性フィラーの含有量(体積%)が最も少なく、Niフレーク(低抵抗率フィラー)に対するカーボンナノチューブ(高抵抗率フィラー)の体積含有比率が、1:1(比較例1)および1:2(比較例2)の順で大きくなると、抵抗発熱層31aを所定の電気抵抗率とするために必要とされる導電性フィラーの含有量(体積%)が順番に多くなる。
従って、本実施形態における抵抗発熱層31aに含有されるカーボンナノチューブ(高抵抗率フィラー)の体積含有量は、比較例1および2における体積含有量よりも著しく低下している。これにより、本実施形態における抵抗発熱層31aは、比較例1および2における抵抗発熱層31aよりも、強度の低下が抑制されることになり、高強度になっている。
例えば、抵抗発熱層31aの電気抵抗率を、1×10−5(1.E−05)(Ω・m)とするために必要とされる導電性フィラーの含有量(体積%)は、Niフレークとカーボンナノチューブとの体積含有量の比率を2:1とした本実施形態の場合には、約25体積%であったが、体積含有量の比率が1:1の比較例1の場合には約40体積%に増加し、体積含有量の比率が1:2の比較例2の場合には約70体積%に増加している。
従って、電気抵抗率が、1×10−5(1.E−05)(Ω・m)になった抵抗発熱層31aとするためには、Niフレークとカーボンナノチューブとの体積含有量の比率が2:1になった導電性フィラーの場合、耐熱性絶縁樹脂であるPIと導電性フィラーとを、75:25(体積%)程度の割合で均一に分散させればよい。これにより、電気抵抗率が、1×10−5(1.E−05)(Ω・m)になった高強度の抵抗発熱層31aを得ることができる。
しかも、導電性フィラーを所定方向に配向処理していない抵抗発熱層31aを有する定着ベルト31を用いた本実施形態の定着装置では、記録シートに対してトナー画像を定着させる場合に、大きな圧力で定着ニップNを形成しても、記録シートに定着されたトナー画像に、記録シートの搬送方向に沿って筋状の未定着部分が発生する問題を大きく改善できる。
前述したように、特許文献1に開示された定着装置の構成では、定着画像に、配向方向(記録シートの搬送方向)に筋状の未定着の部分が発生する。この問題は、以下のように考えられる。
特許文献1では、定着ベルトの機械的強度と、長さ方向への導電性を向上させるために、フィラーが定着ベルトの長手方向(周方向)に沿って配向されている。それによって、定着ベルトの抵抗発熱層には長手方向に沿って電流は効率良く流れる。しかし、この場合には、導電性フィラーは、周方向に沿った1次元的な電流経路を形成するために、周方向に配向された導電性フィラーに局所的な断線が生じた場合、その部分を含む線上において発熱が困難な状態になる。
特に、製造工程では導電性フィラーが周方向に沿って連続して接触した状態になっていても、定着ニップNを形成するために常に大きな圧力で定着ベルトが加圧される定着装置では、抵抗発熱層における導電性フィラーにも大きな圧力が加わるために、導電性フィラーは、周方向に沿って連続して接触した状態が解消された断線状態になる可能性が高くなるものと思われる。
また、導電性フィラーが周方向に沿って1次元的に配向していることにより、定着ニップ部において抵抗発熱層に大きな圧力が加わると、導電性フィラーに圧力が集中することによって、導電性フィラーは、周方向に対して傾斜した方向に屈曲する可能性もある。この場合には、導電性フィラーは、周方向に沿ってジグザグ状に屈曲される。これにより、定着ニップでは、定着ベルトの幅方向(周方向とは直交する方向)の全体にわたって均一な圧力が得られず、定着不良が発生するおそれがある。
そこで、本実施形態では、導電性フィラーを、あえて配向処理することなく、樹脂内に一様に分散させることによって、導電性フィラーが2次元的な広がりをもって全体的に導電状態にしている。このような構成により、導電性フィラーが定着ベルト31の周方向において部分的に断続状態になっても、全体にわたって導電状態を維持することができる。これにより、抵抗発熱層31aにおける発熱不良、定着ニップNにおける圧力の不均一等の問題を解消することができる。
また、高抵抗フィラー(カーボン)よりも低抵抗フィラー(金属フィラー)の比率を高くすることで、フィラーの総量を増やさず機械的強度を高めることもできる。
なお、カーボンのような高抵抗フィラーを用いず、低抵抗の金属フィラーだけにすると導電性は向上するが、抵抗値が低くなりすぎ、投入する電流に対して所定の発熱状態とすることができないおそれがある。また、所定の発熱量を得るための電気的な調整の幅が極端に狭くなってしまい、逆に、定着性能のコントロールが不安定になる。そのために、高抵抗フィラーと低抵抗フィラーとを組み合わせることが必要になる。
その上で、前述したように、高抵抗フィラーと低抵抗フィラーとの比率をコントロールすることによって、電気的な特性とともに定着ベルトの機械的強度を高めることができる。しかも、導電性フィラーが配向していないことによって、周方向に沿って電流が流れない部分が生じるおそれがないために、定着ベルトの全体において均一な発熱を得ることができる。
<実施形態2>
本実施形態は、実施形態1とは、定着ベルト31の構成が異なっている。図7は、本実施形態において使用される定着ベルト31の積層構造を示す断面図である。図7に示す定着ベルト31は、図5に示す定着ベルト31の構成において、PI、PPS等の樹脂によって構成された補強層31cに代えて、耐熱性の絶縁性樹脂に非導電性フィラーを一様に混合してなる均熱層31eが、抵抗発熱層31aの外周面上に積層状態で設けられている。図7に示す定着ベルト31のその他の構成は、図5に示す定着ベルト31の構成と同様であり、均熱層31e上に、弾性層31dおよび剥離層31bが順番に積層されている。
均熱層31eは、PI、PPS、PEEK等の耐熱性の樹脂に、1種類の非導電性フィラー、または2種類以上の非導電性フィラーを均一に分散させて構成されている。このように、樹脂に非導電性フィラーを均一に分散させた均熱層31eは、抵抗発熱層31aにおいて発生した熱を、定着ベルト31の特に回転軸方向に沿って均一化(均熱化)することが可能であり、これにより、定着ベルト31において発熱ムラが生じることを抑制することができる。
なお、均熱層31eが導電性になっていると、抵抗発熱層31aに供給される電流が均熱層31eに流れるおそれがある。特に、導電性フィラーが特定方向に配向されていない抵抗発熱層31aでは、均熱層31eが導電性になっていると、均熱層31eに対して容易に電流が流れることになる。その結果、抵抗発熱層31aを所定温度に発熱させるために必要とされる電流量が増加することになり、抵抗発熱層31aにおける発熱効率が低下するおそれがある。
この点、本実施形態では、抵抗発熱層31aに積層された均熱層31eは、樹脂に非導電性フィラーが分散された構成であるために、抵抗発熱層31aを効率よく発熱させることができる。
抵抗発熱層31aでは、導電性フィラーが特定方向に配向されていない状態になっていることにより、全体に流れる電流が均一化されて抵抗発熱層31aの全体における発熱ムラの発生が抑制された状態であり、このような抵抗発熱層31aに対して均熱層31eを、直接、積層することによって、発熱ムラの発生を、より一層防止することができる。
均熱層31eを構成する樹脂としては、抵抗発熱層31aとの接着性を考慮すると、抵抗発熱層31aと同一の樹脂であることが好ましい。
樹脂に分散される非導電性フィラーとしては、AlN、SiC、Al、Si、ZrO等のファインセラミック、あるいは、炭酸カルシウム、タルク、マイカ等の熱伝導率が高いものが好適に用いられる。
上記好適に使用される非導電性フィラーのうち、AlN、SiC、マイカの熱伝導率(W/m・k)を、図8の表1に示す。また、参考として、樹脂であるPIの熱伝導率(W/m・k)、および、抵抗発熱層31aの導電性フィラーとして好適に使用されるNiおよびカーボンの熱伝導率(W/m・k)についても図8の表1に記載する。
均熱層31eの非導電性フィラーは、均熱効果を向上させるために、抵抗発熱層31aに用いられる導電フィラーよりも熱伝導率が高くなっていることが好ましい。しかし、非導電性フィラーの熱伝導率が導電フィラーより低くても、非導電性フィラーが含まれることによって、非導電性フィラーが含まれていない場合(例えばPIのみの場合)よりも、定着ベルト31の発熱ムラを抑制させることは可能である。
均熱層31eに含まれる非導電性フィラーの形状は、特に限定されるものではなく、繊維状、フレーク状、球状等の任意の形状とすることができる。しかし、非導電性フィラーは、樹脂に均一に分散していることによって、均熱効果が向上するために、球状であることが好ましく、分散性を考慮すると、小さな径の球状であることがより好ましい。
さらに、定着ベルト31がニップ部で所定の形状に変形されるように、均熱層31eにおける非導電性フィラーの体積含有量は、抵抗発熱層31aにおける導電性フィラーの体積含有量よりも少なくなっていることが好ましい。均熱層31eにおける非導電性フィラーの体積含有量が、抵抗発熱層31aにおける導電性フィラーの体積含有量よりも多くなると、均熱層31eは変形しにくくなり、抵抗発熱層31aの形状に追従することができずに、定着ベルト31が所定の形状に変形されないおそれがある。
次に、図7に示す構成の定着ベルト31の幅方向(回転軸方向)に沿った温度分布における温度差(温度ムラ)、および、当該定着ベルト31を用いた定着装置30によって定着されたトナー画像の品質(光沢ムラ)について評価試験を行ったので、以下、その詳細について説明する。
発熱ベルト31の抵抗発熱層31aは、前述したように、耐熱性絶縁樹脂(PI)に対して、Niフレークとカーボンナノチューブとを、体積含有量の比率が2:1の割合で分散させて厚さ40μmに構成している。
抵抗発熱層31a上に積層された均熱層31eは、PIに、体積含有量20%の球形状の窒化アルミニウム(AlN)を分散させて、厚さ40μmに構成している。窒化アルミニウム(AlN)の平均粒径は、1μm程度である。
均熱層31e上に積層された弾性層31dは、シリコーンゴムによって厚さ200μmに構成している。
弾性層31d上に積層された離型層31bは、PFAによって厚さ30μmに構成している。以上の定着ベルト31の構成を、図9の表2にまとめて示す。
定着ベルト31は、幅方向(回転軸方向)長さが340mm、直径が30mmの円筒形状に構成されている。
このような構成の定着ベルト31を、図2および図3に示す定着装置30に用いて、その定着装置30を図1に示すプリンタにおいて用いた。そのプリンタの定着装置30において、定着ベルト31を所定の定着温度(200℃)に加熱制御した場合に、定着ベルト31の回転軸と平行な方向に沿った温度分布を測定したところ、図10において実線で示す結果が得られた。この場合の平均温度に対する温度差は、±10℃以内であった。また、トナー画像を記録紙上に定着させたところ、記録紙上に定着されたトナー画像には、光沢ムラが認められず、良好な品質が得られた。これらの結果を、図11の表3に示す。
比較のために、均熱層31eに代えて、厚さ40μmのPI層を用いた発熱ベルトを、同様の条件で、プリンタの定着装置に使用して、定着温度(200℃)に加熱制御した場合における幅方向の温度分布を測定した。その結果を、図10において破線で示す。この場合には、平均温度に対する温度差は、±20℃以内になっていた。また、トナー画像を記録紙上に定着させたところ、定着トナー画像には光沢ムラが認められ、品質不良であった。この比較例における発熱ベルトの構成を図9の表1に併記するとともに、結果を図11の表3に併記する。
以上のように、本実施形態の定着ベルト31では、抵抗発熱層31aにおいて発生した熱は、均熱層31eによって均一化されるために、定着ベルト31に沿った温度分布における温度差(温度ムラ)を抑制することができる。これにより、トナー画像を加熱する際に加熱ムラが発生することが防止することができ、従って、定着されたトナー画像に光沢ムラが生じることを防止することができる。その結果、定着トナー画像の品質を向上させることができる。
なお、本実施形態の定着ベルト31は、図7に示すような4層構造に限るものではなく、例えば、図12に示すように、抵抗発熱層31a上に均熱層31eおよび離型層31bを順番に積層した3層構造であってもよい。
また、均熱層31eは、抵抗発熱層31aの外周面上に積層される構成に限らず、抵抗発熱層31aの内周面に積層させる構成としても、抵抗発熱層31aでの発熱を周方向の全体にわたって均一化することができる。また、抵抗発熱層31aの外周面および内周面の両方に均熱層31eを積層させる構成としてもよく、この場合には、定着ベルト31を回転軸方向に沿って、より一層、均熱化させることが可能になる。
<変形例>
上記の実施形態では、定着ベルト31は、定着ベルト31の内部に設けられた定着ローラ33によって加圧ローラ32の外周面に圧接されて周回移動する構成であったが、このような構成に限らず、例えば、図13に示すように、一対のテンションローラ38および39に巻き掛けられた状態で周回移動する構成であってもよい。図13に示す定着装置30は、定着ベルト31が一対のテンションローラ38および39に巻き掛けられた状態で周回移動すること以外は、前記実施形態の定着装置30と同様の構成になっている。
一方のテンションローラ38は、定着ベルト32を介して加圧ローラ32に対向している。このテンションローラ38は、例えば、加圧ローラ32と同様に、パイプ形状の芯金38aの外周面に弾性層38bおよび離型層38cが順番に積層されることにより円柱形状に構成されており、外径が加圧ローラ32の外径よりも若干小さくなっている。テンションローラ38の弾性層38bは、加圧ローラ32の弾性層32bよりも弾性力が小さくなっている。
このテンションローラ38は、定着ベルト31を介して、加圧ローラ32に押し付けられており、これにより、テンションローラ38の外周面は、加圧ローラ32の外周面に沿って凹状に変形した状態になっている。テンションローラ38は、例えば、加圧ローラ32の外周面における中心角度30°程度の範囲に沿って円弧状に窪んだ状態に変形するように、加圧ローラ32に対して水平方向に離れて配置されている。定着ベルト31の外周面と加圧ローラ32の外周面との間には、定着ニップNが形成されている。
加圧ローラ32は、前記実施形態1の加圧ローラ32と同様に、矢印Aで示す方向に回転されるようになっている。定着ベルト31は、加圧ローラ32によってテンションローラ38の外周面に圧接されていることにより、加圧ローラ32の回転に追従して周回移動する。テンションローラ38は、定着ベルト31の周回移動に追従して回転する。
なお、定着ベルト31は、このように、回転駆動される加圧ローラ32に追従させて周回移動する構成に限らず、定着ベルト31が巻き掛けられた一方のテンションローラ38を回転駆動することによって、あるいは、加圧ローラ32と一方のテンションローラ38との両方を回転駆動することによって、定着ベルト31を周回移動させる構成としてもよい。
定着ベルト31は、前記実施形態と同様に、定着ベルト31の両側の各端部に、抵抗発熱層31aが露出した電極部31gがそれぞれ設けられている。定着ベルト31を介して加圧ローラ32に対向配置されたテンションローラ38の上方には、定着ベルト31の各電極部31gに摺接する一対の給電部材37が設けられている。各電極部31gとしては、前記実施形態と同様に、導電ブラシが使用されている。各給電部材37は、交流電源34に接続されており、両給電部材37には、交流電源34から交流電力が供給されるようになっている。
このような構成の定着装置30でも、周回移動する定着ベルト31の抵抗発熱層31aは、一方の給電部材37によって、一方の電極部31gに供給される電流が、他方の電極部31gに向って流れることによって発熱する。従って、記録シートS上の未定着のトナー画像は、定着ニップNを記録シートSが通過する間に、加熱および加圧されて記録シートSに定着される。
定着ベルト31の抵抗発熱層31aは、前記実施形態と同様に、耐熱性絶縁樹脂に、導電性フィラー(添加物)を、所定の体積含有比率(体積%)で、特定方向に配向処理することなく均一に分散させることによって、全周にわたって所定の電気抵抗率になっている。これにより、抵抗発熱層31aは高強度になっており、従って、長期にわたって安定的に使用することができる。しかも、定着画像の品質が低下することを抑制することも可能である。
また、定着ベルト31は、実施形態2のように、抵抗発熱層31aに対して、樹脂に非導電性フィラーが分散された均熱層31eが積層状態で設けられた構成とされる。このような構成によって、定着ベルト31は全体にわたって均一な発熱状態とされるために、定着ニップにおける定着に際して加熱ムラが生じることを防止することができ、従って、定着画像の品質が低下することをさらに確実に抑制することができる。
なお、本発明に係る画像形成装置は、モノクロ画像を形成するプリンタに限るものではなく、タンデム型カラーデジタルプリンタであってもよい。さらには、プリンタに限らず、複写機、MFP(Multiple Function Peripheral)、FAX等(いずれの場合にも、カラー画像用、モノクロ画像用のいずれであってもよい)にも適用できる。カラー画像用の画像形成装置の場合には、複数のカラートナー層が積層されることから、図5および図7に示すように、弾性層31dが設けられた定着ベルト31が特に好ましい。
さらに、上記実施の形態では、定着ベルトに加圧ローラを圧接して定着ニップを形成する構成であったが、定着ベルトに代えて、周面に抵抗発熱層が設けられた定着ローラを用いてもよい。また、加圧ローラに限らず、加圧ベルトを用いてもよく、また、固定的に設けられた加圧部材を用いることもできる。
本発明は、電流が流れることによって発熱する抵抗発熱層を用いて、記録シート上にトナー画像を定着させる定着装置において、所定の電気抵抗率を有する抵抗発熱層を高強度にする技術として有用である。
30 定着装置
31 定着ベルト
31a 抵抗発熱層
31b 離型層
31c 補強層
31d 弾性層
31e 均熱層
32 加圧ローラ
33 定着ローラ
34 交流電源
38 テンションローラ
39 テンションローラ

Claims (14)

  1. 外周面に加圧部材が圧接されて定着ニップが形成された状態で当該外周面が周回移動可能になっており、電流が流れることによって発熱して前記定着ニップを通過する記録シートを加熱する抵抗発熱層が周面全体にわたって設けられた定着回転体であって、
    前記抵抗発熱層は、絶縁樹脂に繊維状またはフレーク状の導電性フィラーが分散されて所定の電気抵抗率を有する成形体であり、
    前記導電性フィラーは、所定の電気抵抗率を有する高抵抗フィラーと、当該高抵抗フィラーよりも電気抵抗率が低い低抵抗フィラーと、を含み、
    前記低抵抗フィラーの体積含有量が前記高抵抗フィラーの体積含有量よりも多く、かつ、前記導電性フィラーが前記抵抗発熱層において、特定の方向へ配向されていないことを特徴とする定着回転体。
  2. 前記低抵抗フィラーの電気抵抗率が前記高抵抗フィラーの電気抵抗率の1/10以下であることを特徴とする請求項1に記載の定着回転体。
  3. 前記導電性フィラーは、前記低抵抗フィラーの体積含有量と前記高抵抗フィラーの体積含有量との比率が、1.5:1以上、5:1以下になっていることを特徴とする請求項1または2に記載の定着回転体。
  4. 前記導電性フィラーは、前記低抵抗フィラーの体積含有量と前記高抵抗フィラーの体積含有量との比率が2:1以上、3:1以下になっていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の定着回転体。
  5. 絶縁樹脂に対する前記導電性フィラーの体積含有比率が、60%よりも少なくなっていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の定着回転体。
  6. 絶縁樹脂に対する前記導電性フィラーの体積含有比率が、20%以上、50%以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の定着回転体。
  7. 前記高抵抗フィラーは、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンマイクロコイル、黒鉛繊維、黒鉛フレーク、黒鉛チップの少なくとも1つを含み、前記低抵抗フィラーは、Ag、Cu、Al、Mg、Ni、SUSの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の定着回転体。
  8. 前記抵抗発熱層に、非導電性フィラーを樹脂に分散させた構成の均熱層が積層されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の定着回転体。
  9. 前記均熱層が前記抵抗発熱層の外周面上および内周面上のいずれか一方または両方に直接積層されていることを特徴とする請求項8に記載の定着回転体。
  10. 前記均熱層を構成する樹脂が、前記抵抗発熱層を構成する絶縁樹脂と同一であることを特徴とする請求項8または9に記載の定着回転体。
  11. 前記均熱層を構成する非導電性フィラーが球状になっていることを特徴とする請求項8〜10のいずれか一項に記載の定着回転体。
  12. 前記均熱層を構成する非導電性フィラーが、前記抵抗発熱層を構成する導電性フィラーよりも熱伝導率が高くなっていることを特徴とする請求項8〜11のいずれか一項に記載の定着回転体。
  13. 請求項1〜12のいずれか一項に記載の定着回転体を有することを特徴とする定着装置。
  14. 請求項13に記載の定着装置を有することを特徴とする画像形成装置。
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