JP5445245B2 - 測定装置、測定方法及びコンピュータプログラム - Google Patents
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Description
本発明は、雑音等の発生箇所の特定に有用な信号特定技術に関する。
電子機器においては不要電磁波(電磁雑音)が発生する。そのため、従来から不要電磁波の低減対策に対する要求が電磁妨害(EMI:Electro-Magnetic Interference)の技術分野に存在し、その技術的開発が進められている。不要電磁波の低減が求められる理由は、不要電磁波が、無線通信障害や電子機器の誤動作などの要因となるためである。不要電磁波を低減させるためには、その発生原因となっている回路を特定する必要がある。
アンテナ電磁界分布と不要輻射ノイズである基板近傍電磁界分布との相関を取って不要輻射ノイズが電子機器の送受信機能に与える影響についての情報を得る関連技術が、特許文献1に開示されている。また、特許文献1には、電子機器の電磁界分布を測定してその電磁界発生源を特定する関連技術が開示されている。特許文献1では電磁界分布は、雑音強度が所定のレベルを超える時間確率を、時間と確率との関係式で表現した振幅確率分布(APD:Amplitude Probability Distribution)を基にして測定している。測定される振幅確率分布は、指定した確率での強度分布を表している。これにより、特許文献2では時間変動を考慮した電磁界分布を得ている。
上述のように、特許文献1に開示される関連技術は、アンテナ電磁界分布と不要輻射ノイズである基板近傍電磁界分布との相関を取ることで、不要電磁波が被測定物に与える度合いの特定に役立つ関連技術を提供している。
しかし、電磁界分布が示す強度分布だけでは、不要電磁界の原因を特定することが困難である。その理由は、電磁界の強度に時間変動が考慮された雑音情報が得られたとしても、電磁界分布で示される電磁界の強度が大きい電磁界発生部分から必ずしも不要電磁界が放射されているとは限らないからである。それ故、強度が大きい電磁界を電磁界分布上で見出せたとしても、そこが原因部位であるとは限らず、そのほかの部位に原因部位があることもある。このような理由から、従来は、強度分布を参考にしつつ、経験により原因部位の特定をしているのが実情である。
また、特許文献1は、振幅確率分布を基にして、時間変動を考慮に入れた電磁界分布を測定して不要電磁波が被測定物に与える度合いの特定に役立つ関連技術を提供している。振幅確率分布は信号強度の時系列内での存在割合の累積分布を与える。そのため、この技術を組み合わせることで強度情報のみによる雑音源特定の弊害が回避される。
しかしながら、実は、雑音の原因を特定するためにはこれだけでは十分ではない。なぜなら、信号のタイミング情報はLSIの性質として重要であり雑音源の特定において重要であるにもかかわらず、このタイミング情報を考慮することができないためである。すなわち、振幅確率分布では、ある振幅の確率分布は与えるが、信号の存在するタイミング情報、例えば信号同士の時間間隔といったタイミングの情報が抜け落ちている。
そこで、本発明は上述の事情に鑑みてなされたものであり、電磁波等の波の発生源の特定を精度良く行うための技術を提供することを目的としている。
本発明の第一の態様は、測定装置であって、測定対象物の複数の位置毎に検出される波の時系列変化を測定データとして計測する計測部と、前記測定対象物の所定の部位における前記波の時系列変化を相関元データとして入力する入力部と、前記測定データ及び前記相関元データ毎に複数の待ち時間分布を計算する待ち時間分布計算部と、前記待ち時間分布の各々から複数のパラメータの値を抽出するパラメータ抽出部と、前記複数のパラメータに基づいて、前記測定データと前記相関元データとの相関度を演算する相関度演算部と、前記相関度を、各相関度の元となった前記測定データが測定された位置と対応付けて出力する出力部と、を備える。
本発明の第一の態様は、測定装置が行う測定方法であって、測定対象物の複数の位置毎に検出される波の時系列変化を測定データとして計測する計測ステップと、前記測定装置が、前記測定対象物の所定の部位における前記波の時系列変化を相関元データとして入力する入力ステップと、前記測定装置が、前記測定データ及び前記相関元データ毎に複数の待ち時間分布を計算する待ち時間分布計算ステップと、前記測定装置が、前記待ち時間分布の各々から複数のパラメータの値を抽出するパラメータ抽出ステップと、前記測定装置が、前記複数のパラメータに基づいて、前記測定データと前記相関元データとの相関度を演算する相関度演算ステップと、前記測定装置が、前記相関度を、各相関度の元となった前記測定データが測定された位置と対応付けて出力する出力ステップと、を備える。
本発明の第一の態様は、コンピュータに対し、測定対象物の複数の位置毎に検出される波の時系列変化を測定データとして計測する計測ステップと、前記測定対象物の所定の部位における前記波の時系列変化を相関元データとして入力する入力ステップと、前記測定データ及び前記相関元データ毎に複数の待ち時間分布を計算する待ち時間分布計算ステップと、前記待ち時間分布の各々から複数のパラメータの値を抽出するパラメータ抽出ステップと、前記複数のパラメータに基づいて、前記測定データと前記相関元データとの相関度を演算する相関度演算ステップと、前記相関度を、各相関度の元となった前記測定データが測定された位置と対応付けて出力する出力ステップと、を実行させるためのコンピュータプログラムである。
本発明によれば、電磁波等の波の発生源の特定を精度良く行うことが可能となる。
雑音分布測定装置10は、雑音分布の測定対象となる物(以下、「測定対象物」という。)に対して測定面を設定し、測定面を複数の単位領域に分割する。雑音分布測定装置10は、単位領域毎(又は単位領域内の代表点毎)に、測定対象物から生じる波の時系列変化を表すデータ(以下、「時系列データ」という。)を測定し、測定結果と相関元データとの相関度を求める。ここで、相関元データとは、測定対象物が送受信に用いるアンテナ(所定の部位)において、当該アンテナと、測定対象物に備えられるアンテナ以外の装置との間での信号の送受信により生じる波の時系列データである。ここでいう波とは、時間に応じて変化する値であって測定対象物から検出される値であり、例えば電圧値や電流値や電界強度値などである。また、相関元データを取得する際の測定対象物の動作と、時系列データを取得する際の測定対象物の動作とは、同じ動作となる。例えば、相関元データを取得する際の測定対象物の動作条件と、時系列データを取得する際の測定対象物の動作条件とを同一にすることによって、同じ動作が実現される。以下の説明では、電界強度値を検出する場合について説明する。
相関元データには、当該アンテナにおいて本来送受信されるべき信号に加えて、測定対象物に備えられるアンテナ以外の装置により生じる波に応じた雑音が含まれている。相関元データは、実際に予め計測をすることによって得られても良いし、シミュレーションにより予め求められても良いし、理論的に予め算定されても良い。雑音分布測定装置10は、単位領域毎に求められた相関度を、画像などによって出力する。雑音分布測定装置10の使用者は、出力された単位領域毎の相関度に基づいて、測定対象物において雑音の発生源や雑音の伝搬経路などを容易に判断することが可能となる。
図1は、雑音分布測定装置10の機能構成を表すブロック図である。雑音分布測定装置10は、バスで接続されたCPU(Central Processing Unit)やメモリや補助記憶装置などを備え、雑音分布測定プログラムを実行する。雑音分布測定装置10は、入力部11、制御部12、プローブ走査部13、相関対象データ測定部14、データ記憶部15、演算解析部16、出力部17を備える装置として機能する。また、演算解析部16は、待ち時間分布計算部16a、パラメータ抽出部16b、相関度演算部16cを備える。なお、雑音分布測定装置10の各機能の全て又は一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されても良い。
入力部11は、雑音分布測定装置10において用いられる各種のデータを取得する。具体的には、入力部11は、測定条件及び相関元データ(類似演算元データ)を取得する。測定条件は、測定しようとする電磁界の周波数、測定位置情報、測定時間等を含む。測定位置情報とは、例えば、測定面における各単位領域の位置や、移動するプローブの始点及び終点の座標や、プローブの移動時の刻み幅などを表す情報である。
入力部11が上記の各種データを取得するための実装方法はどのようになされても良い。例えば、入力部11にはキーボードやポインティングデバイス等の入力装置が接続されても良い。この場合、入力部11は、雑音分布測定装置10の管理者や使用者が入力装置を操作することによって入力したデータを取得する。また、入力部11は、CD(Compact Disk)ドライブやDVD(Digital Versatile Disc)ドライブやフラッシュメモリドライブ等のように、各種の記録媒体からデータを読み出す装置として構成されても良い。この場合、入力部11は、各種記録媒体からデータを読み出すことによってデータを取得する。また、入力部11は、ネットワークインタフェースとして構成されても良い。この場合、入力部11は、ネットワークを介して接続された他の情報処理装置や他の記録装置からデータを受信することによってデータを取得する。入力部11は、上記の具体例に限定されず、データを取得するためのどのような手段を用いて構成されても良い。
制御部12は、プローブ走査部13、相関対象データ測定部14、データ記憶部15、演算解析部16及び出力部17の各部を制御する。
プローブ走査部13は、電磁界を測定するプローブと、プローブを走査するステージとを備える。プローブは、電磁界を測定するためのループアンテナやスリーブアンテナ等を用いて構成される。ステージは、プローブを制御部12により設定された位置に移動させることができる3軸のステージである。3軸のステージは、上下前後左右の3軸に沿って移動可能に構成される。
プローブ走査部13は、電磁界を測定するプローブと、プローブを走査するステージとを備える。プローブは、電磁界を測定するためのループアンテナやスリーブアンテナ等を用いて構成される。ステージは、プローブを制御部12により設定された位置に移動させることができる3軸のステージである。3軸のステージは、上下前後左右の3軸に沿って移動可能に構成される。
相関対象データ測定部14は、例えば、スペクトラムアナライザ等を用いて構成され、プローブ走査部13のプローブに接続される。相関対象データ測定部14は、プローブが受けた電磁界を測定し、単位領域毎の時系列データとして出力する。
データ記憶部15は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置などの記憶装置を用いて構成される。データ記憶部15は、相関対象データ測定部14によって測定された単位領域毎の時系列データを記憶する。また、データ記憶部15は、後述する待ち時間分布計算部16aによって計算される待ち時間分布や、パラメータ抽出部16bによって抽出されるパラメータ群のパラメータデータや、相関度演算部16cによって演算される相関度データ等を記憶する。
演算解析部16の待ち時間分布計算部16aは、データ記憶部15に記憶されている各時系列データに基づいて、複数の待ち時間分布を算出する。また、待ち時間分布計算部16aは、相関元データに基づいた複数の待ち時間分布も算出する。具体的には、待ち時間分布計算部16aには、予め複数の閾値(振幅閾値)が設定されており、時系列データ毎に、複数の各閾値に基づいた待ち時間分布を算出する。そのため、例えばn個の閾値が設定されていたとすると、1つの時系列データから、閾値の数分(n個)の待ち時間分布が算出される。待ち時間分布は、信号のタイミング情報を統計的に表したものであり、時系列データから次のように算出される。
図2は、データ記憶部15に記憶されている時系列データの具体例を表す図である。図2において、縦軸は信号強度Aを表し、横軸は時間tを表す。以下、図2に示す簡略な時系列データに従って、待ち時間分布の算出法の具体例について説明する。待ち時間分布計算部16aには、時系列データに対する振幅閾値A1が予め設定されている。待ち時間分布計算部16aは、時系列データの信号強度が振幅閾値A1を超えていない時間(待ち時間)をカウントする。例えば、図2の場合では、時間t=4から時間t=9までの間の時間5が待ち時間としてカウントされる。待ち時間分布計算部16aは、時系列データの全時間について待ち時間のカウントを行い、待ち時間の度数分布(待ち時間分布)を取得する。
図3は、待ち時間分布の具体例を表す図である。図3において、縦軸は度数を表し、横軸は待ち時間の長さを表す。待ち時間分布計算部16aは、所定の時間間隔で待ち時間を複数のクラスに分類する。そして、待ち時間分布計算部16aは、時系列データの全時間について行った待ち時間のカウント結果に基づいて、各クラスに属するカウント結果の数(度数)を計数し、図3に示されるような待ち時間分布を生成する。
待ち時間分布については次のような統計的性質がある。例えば、時系列データが全くランダムであり前後の因果関係が一切無くいわゆるマルコフ過程だと仮定する。すると、この時系列データに基づいて生成される待ち時間分布は、待ち時間が長くなるにつれて、その度数は指数関数的に減少する。このような現象は、次のように確かめられる。簡単のため、以下の説明では、信号は1種類の振幅のデジタル信号であるとする。待ち時間がnである確率は、ある時点で信号が1であり、且つ、nステップ連続で0であり、且つ、その後に1になるという事象が起こる確率である。マルコフ性を有するならば、これらは全て独立で積事象になるから、この確率は信号0のn乗であらわされる。このことから、記憶の無いランダムな信号では待ち時間分布は指数関数減少を起こすことがわかる。一方、なんらかの情報を担っており因果関係を持っている時系列データでは、緩和が指数より遅くなり、冪緩和を起こすことが判っている。但し、周期信号のみであれば、その特性は待ち時間分布ではスパイクとして現れるが、実際の測定データには、第一に常に自然雑音などランダムな要素が重なっており、第二にデバイス動作の複雑性により規則的な動作も多数・多種類存在すると統計的性格を帯びるようになることから、常に統計的側面を持っていてそれがその信号の特徴の一側面を占めている。本手法はこの部分の特徴をピックアップし利用する。
また、同じ時系列データであっても、振幅閾値の値に応じて、生成される待ち時間分布の内容は異なる。図4は、時系列データの他の具体例を表す図である。一般的に、図4のように有意味信号成分が優勢な時系列データであっても、振幅(信号強度)の小さいところでは自然雑音由来のノイズフロアがあり、この部分ではランダムな性質を示す。つまり、待ち時間分布は、振幅閾値を小さくすると(例えばA2)、一般に指数緩和を示す傾向が期待される。一方、待ち時間分布は、振幅閾値を大きくすると(例えばA3)、一般に有意味信号由来の成分が見え始め、規則的性質が現れ、冪的緩和を示すようになる傾向が期待される。
パラメータ抽出部16bは、待ち時間分布計算部16aで得られる待ち時間分布に基づいて、単位領域毎(すなわち時系列データ毎)にパラメータ群を抽出する。また、パラメータ抽出部16bは、相関元データから得られた待ち時間分布に基づいたパラメータ群の抽出も行う。パラメータ群とは、複数のパラメータの集まりであり、各パラメータは待ち時間分布を特徴付ける値である。パラメータ群にどのようなパラメータが含まれるのかは、予め設定されても良いし、入力部11から測定条件として入力されても良い。
例えば、パラメータ抽出部16bは、各振幅閾値に応じて取得された待ち時間分布の冪値の平均値を、パラメータの一つとして抽出する。冪値の平均値とは、待ち時間分布を冪関数近似したときの冪緩和の冪値の平均値である。冪値の平均値により、どのような種類の情報が乗っているかを分類することができる。また、パラメータ抽出部16bは、各振幅閾値に応じて取得された待ち時間分布の冪関数フィットの誤差の平均値と、待ち時間分布を指数関数近似したときの誤差の平均値との差をパラメータの一つとして抽出しても良い。このような値により、規則的傾向が強い領域かランダム的傾向が強い領域かがわかる。
相関度演算部16cは、入力部11によって入力される相関元データと、測定によって得られた時系列データとの相関度を、パラメータ抽出部16bによって得られた時系列パラメータ群を用いて演算する。ここで、相関度演算部16cによる相関度の演算は、例えば、相関元データについて得られる複数のパラメータと、測定によって得られた時系列データについて得られる複数のパラメータとの間の総合的な相関値演算により行われる。相関値について具体的には、パラメータ群で表される多次元ベクトル空間内での異なるパラメータ間の距離によって相関度を演算することができる。この場合、算出された距離が近いほど、相関が高いことを表す。
なお、距離関数の演算に用いられる各パラメータにおいては、パラメータ毎にその重要度が異なる場合もある。そのような場合には、相関度演算部16cは、パラメータ空間上に異方性のある計量(メトリック)を入れて空間に歪みを加えたり、距離関数に異方性を入れたりすることによってパラメータ毎の重要度を変化させ、重要度を強調させた演算を行うように構成されても良い。
出力部17は、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等の画像表示装置を用いて構成される。出力部17は、測定対象物の上面から所定距離離れた仮想平面(測定面)上の相関値の分布を表示する。すなわち、出力部17は、単位領域毎に算出された相関度を表示する。その表示は、例えば相関値で色分けした画像を用いて行われても良いし、等高線等の平面上で大小を視認し得る画像を用いて行われても良い。
図5は、雑音分布測定装置10の動作の流れを表すフローチャートである。図6は、雑音分布測定装置10が測定の対象とする装置(測定対象物)501の具体例を表すブロック図である。以下、図5及び図6を用いて、雑音分布測定装置10による測定処理の流れとその具体例について説明する。
測定対象物501には、ボード502と、サブボード503及び504が搭載されている。ボード502上には5個のLSI(Large Scale Integration)、すなわち、LSI504〜508が搭載されている。測定対象物501のボード502のサイズは、横が約255mm、縦が約270mmである。
雑音分布測定装置10で測定が開始されるのに先だって、入力部11から測定に必要な測定条件及び相関元データが制御部12に入力される。測定条件及び相関元データの具体例は以下のとおりである。測定しようとする電磁界の周波数は2.412GHzを中心とした20GHz帯域、測定位置情報は、装置から30mm上の仮想平面とし前後左右20mmずつの大きさの範囲(270mm×255mm)を、ステップ15mm(18×17点)とした。測定時間は100msとした。相関元データは、LSI504の地点の時系列データとした。相関元データとしては、他にも、例えば遠方電界の時系列データ等が用いられても良い。
この入力の後に測定が開始されると、制御部12は、入力された測定位置情報に基づいてプローブ走査部13を制御し、プローブを測定位置に移動させる(ステップS101)。すなわち、プローブ走査部13は、制御部12からの信号に応答して、プローブを測定位置間で移動させる。測定開始位置は、例えば測定範囲の左前の端となる。移動完了後に、制御部12は、相関対象データ測定部14へ測定開始信号及び測定条件を出力する。
相関対象データ測定部14は、測定開始信号を受け取ると、測定条件にしたがって測定を開始し、測定条件に含まれる測定位置において、測定条件に含まれる測定時間の間、測定条件に含まれる周波数の電磁界を測定し時系列データを取得する(ステップS102)。相関対象データ測定部14は、測定した時系列データをデータ記憶部15に書き込む(ステップS103)。この書き込みに続いて、制御部12は、測定条件に含まれる測定位置情報のうち、測定が終了していない測定位置情報があるか否か判定する。測定が終了していない測定位置情報があれば(ステップS104−NO)、制御部12がプローブ走査部13を制御してプローブを測定未了の測定位置へ移動させる。そして、相関対象データ測定部14が、上述したと同様の測定を行い、時系列データを取得し、データ記憶部15へ書き込む。
全ての測定位置情報について振幅確率分布の測定が終了すると(ステップS104−YES)、待ち時間分布計算部16aが、データ記憶部15に記憶されている各単位領域における時系列データ及び相関元データのそれぞれについて、複数の待ち時間分布を計算する(ステップS105)。次に、パラメータ抽出部16bが、測定された時系列データの待ち時間分布及び相関元データの待ち時間分布のそれぞれからパラメータ群を抽出し、データ記憶部15に書き込む(ステップS106)。次に、相関度演算部16cが、測定された時系列データの待ち時間分布から抽出されたパラメータ群(以下、「測定パラメータ群」という。)と、相関元データの待ち時間分布から抽出されたパラメータ群(以下、「相関元パラメータ群」という。)と、を用いて、測定された時系列データと相関元データとの相関度(類似度)を演算する。具体的には、相関度演算部16cは、測定パラメータ群に含まれるいずれかのパラメータと、相関元パラメータ群のうち対応するパラメータとを比較することによって相関度を演算する。例えば、相関度演算部16cは、両パラメータの差を類似度として算出する。そして、相関度演算部16cが、演算によって求められた相関度を、制御部12の制御の下に、データ記憶部15に書き込む(ステップS107)。
制御部12は、データ記憶部15に記憶された仮想平面上の相関度の分布に基づいて画像を生成し、出力部17に表示する(ステップS108)。表示される画像は、例えば相関度に従って色分けされた分布図であっても良いし、等高線等の平面上の大小を視認し得る分布図であっても良い。
図7は、出力部17に表示される画像の具体例を表す図である。図7に表される具体例の画像は、閾値を変化させたときの待ち時間分布を冪関数フィットしたときの誤差の平均値と待ち時間分布を指数関数近似したときの誤差の平均値の差をパラメータとして、測定した仮想平面上のパラメータと、干渉を受けているアンテナ部のパラメータとの類似度を計算して、測定した仮想平面上に相関度をプロットすることによって生成された画像である。図7では、値が大きいほど類似度が低く、値が小さいほど類似度が高い。類似度が高い部位ほど、測定対象物のアンテナ部分に対してノイズによる影響を大きく与えている可能性が高いと判断できる。
図7に表される画像から、アクティブな部品間をつなぐバス配線509が浮かび上がっている。そのため、干渉源の候補としてバス配線509を容易に挙げることができる。更に左下の基板端からの放射も可能性が高いことがわかる。これらの結果は非常にリーズナブルである。
雑音分布測定装置10は、測定対象物から所定距離だけ離れた仮想平面上の測定データと入力相関元データとの相関度を、両データの待ち時間分布から抽出されるパラメータから求めて、その相関データを表示する。そのため、電磁界の強度分布だけを用いる手段では雑音発生原因の特定が難しくなる不要電磁波が発生していたとしても、その時系列のタイミング情報を利用することによって、雑音源の特定の精度を向上させることが可能となる。
雑音分布測定装置10においては、信号を特徴付ける方法として待ち時間分布を利用している。待ち時間分布とは、時系列強度がある閾値をまたぐ時間のヒストグラムを表すものである。そのため、例えばオン信号同士の時間間隔といった信号のタイミングの情報を捉えることができるので、振幅確率分布で捉えられない情報を捉えることが可能となる。
雑音分布測定装置10によれば、信号発生位置(単位領域)毎に計測される信号に基づいて相関対象データを導出し、相関対象データ及び相関対象データと所定の対応関係となる相関元データに対して待ち時間分布を計算する。この待ち時間分布から複数のパラメータを抽出し、抽出された複数のパラメータに基づいて相関対象データと相関元データとの相関を求めて信号の特定を行うようにしているから、信号に含まれる雑音等の特定精度の向上になり、その支援に役立つ。
<変形例>
上記の説明では、相関元データ(類似演算元データ)を1つ用いているが、複数の相関元データを用いて処理が行われても良い。このような処理を行うことによって、相関度の異なることを利用して雑音の特定がより容易になるとの効果を得ることができる。
また、待ち時間分布計算部16aは、上記説明では振幅閾値を下回っている時間を待ち時間としてカウントしているが、振幅閾値を上回っている時間を待ち時間としてカウントしても良い。また、待ち時間分布計算部16aは、振幅閾値を上回っている時間と、振幅閾値を下回っている時間との両方を待ち時間としてカウントしても良い。
上記の説明では、相関元データ(類似演算元データ)を1つ用いているが、複数の相関元データを用いて処理が行われても良い。このような処理を行うことによって、相関度の異なることを利用して雑音の特定がより容易になるとの効果を得ることができる。
また、待ち時間分布計算部16aは、上記説明では振幅閾値を下回っている時間を待ち時間としてカウントしているが、振幅閾値を上回っている時間を待ち時間としてカウントしても良い。また、待ち時間分布計算部16aは、振幅閾値を上回っている時間と、振幅閾値を下回っている時間との両方を待ち時間としてカウントしても良い。
また、時系列データの測定を各測定位置に共通の同一周波数で行うことを説明したが、測定位置毎に異なる周波数で時系列データが測定されても良い。
また、時系列データには磁界データが用いられてもよい。
また、時系列データには磁界データが用いられてもよい。
また、雑音源の特定だけでなく、その他の信号、パターン情報の発生場所若しくは出力場所の特定乃至判定に用いるように構成してもよい。上記信号は、例えば、暗号、温度、圧力を表す信号、音声信号等の1次元情報である。パターン情報は、図形情報等の多次元情報である。
この具体的構成の変更は、上述した雑音分布測定以外の装置においても妥当する。
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
ここに開示している信号特定装置及び方法並びに信号特定制御プログラムは、雑音以外の信号、パターン情報の特定を必要とする各種の装置、例えば、不法無線の検出や、認証装置等にも利用し得る。
10…雑音分布測定装置, 11…入力部, 12…制御部, 13…プローブ走査部, 14…相関対象データ測定部, 15…データ記憶部, 16…演算解析部, 16a…待ち時間分布計算部, 16b…パラメータ抽出部, 16c…相関度演算部, 17…出力部
Claims (6)
- 測定対象物の複数の位置毎に検出される波の時系列変化を測定データとして計測する計測部と、
前記測定対象物の所定の部位における前記波の時系列変化を相関元データとして入力する入力部と、
前記測定データ及び前記相関元データ毎に複数の待ち時間分布を計算する待ち時間分布計算部と、
前記待ち時間分布の各々から複数のパラメータの値を抽出するパラメータ抽出部と、
前記複数のパラメータに基づいて、前記測定データと前記相関元データとの相関度を演算する相関度演算部と、
前記相関度を、各相関度の元となった前記測定データが測定された位置と対応付けて出力する出力部と、
を備える測定装置。 - 前記待ち時間分布計算部は、予め設定された複数の閾値を有し、前記測定データ及び前記相関元データ毎に、前記閾値を上回っている時間及び/又は下回っている時間の度数を閾値毎に得ることによって、前記複数の待ち時間分布を計算することを特徴とする請求項1に記載の測定装置。
- 前記相関度は、前記複数のパラメータのうちの異種のパラメータ間の総合的な相関演算から求められることを特徴とする請求項2記載の測定装置。
- 前記総合的な相関演算は、前記複数のパラメータがベクトルとして存在する空間で表される多次元空間内で、異なる信号から得られた複数のパラメータとの多次元空間内での距離を求めることを特徴とする請求項3記載の測定装置。
- 測定装置が、測定対象物の複数の位置毎に検出される波の時系列変化を測定データとして計測する計測ステップと、
前記測定装置が、前記測定対象物の所定の部位における前記波の時系列変化を相関元データとして入力する入力ステップと、
前記測定装置が、前記測定データ及び前記相関元データ毎に複数の待ち時間分布を計算する待ち時間分布計算ステップと、
前記測定装置が、前記待ち時間分布の各々から複数のパラメータの値を抽出するパラメータ抽出ステップと、
前記測定装置が、前記複数のパラメータに基づいて、前記測定データと前記相関元データとの相関度を演算する相関度演算ステップと、
前記測定装置が、前記相関度を、各相関度の元となった前記測定データが測定された位置と対応付けて出力する出力ステップと、
を備える測定方法。 - コンピュータに対し、
測定対象物の複数の位置毎に検出される波の時系列変化を測定データとして計測する計測ステップと、
前記測定対象物の所定の部位における前記波の時系列変化を相関元データとして入力する入力ステップと、
前記測定データ及び前記相関元データ毎に複数の待ち時間分布を計算する待ち時間分布計算ステップと、
前記待ち時間分布の各々から複数のパラメータの値を抽出するパラメータ抽出ステップと、
前記複数のパラメータに基づいて、前記測定データと前記相関元データとの相関度を演算する相関度演算ステップと、
前記相関度を、各相関度の元となった前記測定データが測定された位置と対応付けて出力する出力ステップと、
を実行させるためのコンピュータプログラム。
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