JP2005195532A - 電子機器から漏洩する電波の波源位置の推定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電子機器から漏洩する電波の波源位置を短時間・高精度に推定できる電波源位置推定装置を提供する。
【解決手段】電子機器から一定距離にある観測面での電界を計測する走査アンテナ4と、電子機器を想定した推定領域の内部または近傍に配置した校正用アンテナ9と、校正信号発生装置10と、校正信号放射時に計測した観測面での電界分布データとその補正データとを保持する校正用データ演算手段11と、その電界分布データ及び補正データと電子機器を対象として観測面で計測された電界分布データとを用いて拡張SPM法で波源位置を推定する演算表示手段8とを設ける。アンテナから校正信号を放射して、受信系の位相補正値と振幅補正値とを予め求めているため、波源位置推定時の位相合わせが不要であり、アンテナや接続ケーブルの影響を織り込んで推定しているため、推定誤差が少ない。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子機器から漏洩する電波の波源位置を推定する装置に関し、電波源の位置を短時間に、且つ、高精度に推定できるようにしたものである。
近年、1〜3GHz帯の電波を利用した機器やシステムが着実な普及を見せており、また、パーソナルコンピュータのクロック周波数の高速化も急速に進んでおり、数GHzで動作する電子機器が急増している。これに伴ってGHz帯での電子機器間の電波の干渉問題が深刻化しており、電子機器から漏洩する電波の発生状況を素早く、かつ全体的に把握することができる技術が強く求められている。
電子機器から漏洩する電波の位置を推定する技術として、波源から数波長程度離れた面で電界分布の振幅情報及び位相情報を測定し、拡張Sampled Pattern Matching法(以下、「拡張SPM法」と言う)やWeighted Subspace Fitting法(以下、「WSF法」と言う)により波源位置を推定する推定方法が報告されている(例えば、下記非特許文献1)。
この電波源位置推定方法では、図7のモデルに示すように、電子機器(ここでは、電子機器の大きさを推定領域120として示している)内の電波源110が作る観測面300上の複素電界分布(振幅分布及び位相分布より求められる情報)を受信ダイポールアンテナ310で測定する。
このとき、任意のサンプリング時間t1, t2, … , tK (サンプリング回数K)において、J個の受信ダイポールアンテナ310で計測される複素電界は次の(数1)の行列で表すことができる。但し、受信ダイポールアンテナ310の数Jとサンプリング回数Kとの関係はK>Jとする。
Figure 2005195532
この(数1)の観測面複素電界時空間情報Edutにおける共分散行列Edutdut Tを固有値分解することにより以下の近似式(数2)(数3)が得られる。
Figure 2005195532
Figure 2005195532
但し、Λは固有値(λ1>λ2>..>λJ)の対角行列、UはΛに対応する固有ベクトル集合が張るJ次元空間である。
拡張SPM法では、波源位相や計測ノイズの影響を受けないようにするため、固有ベクトル集合Uの最大固有値に伴う固有ベクトルを、波源位置特定の際に参照する参照データとする。 固有ベクトル集合Uにおいて、最大固有値λ1に伴う固有ベクトルは(数4)のように表される。
Figure 2005195532
次に、推定領域120内を複数に分割し、細分化された各領域に点波源(波長より十分短い線路長を持つ微小電気ダイポール)が存在するとして、各点波源が観測面300に作る電界分布データを計算し、各点波源が観測面300に与える電界分布を次の振幅分布データ(数5)、位相分布データ(数6)のように表現する。
Figure 2005195532
Figure 2005195532
そして、(数5)及び(数6)により次の複素電界分布データ(数7)を求める。
Figure 2005195532
但し、推定領域120内の分割数はM個(m=1,2,…,M)とする。
拡張SPM法では、点波源が観測面300に作る複素電界分布データと参照データとを照合して、推定領域120内の各点波源の中から波源位置を選択(推定)する。そのため、各点波源が観測面300に作る(数7)の複素電界分布行列の中で、参照データである(数4)の固有ベクトルと最も相関が強い列ベクトルを次の(数8)の評価関数により求める。
Figure 2005195532
これにより、解の空間分布を構成する推定サンプルの1個目の位置を得る。次に、2個目以降の推定サンプルの位置は、前回に最大となったEの列ベクトルegを次の(数9)の評価関数に代入して求める。
Figure 2005195532
但し、前回までに評価関数の最大値を取った推定サンプルの位置は除いて計算を行う。以後、SPM法の評価関数PSPM+が大きくなる限り、(数9)と同様の計算を繰り返して推定サンプルを増やし、PSPM+が最大となった時点で計算を終了する。
こうした方法で、波源位相と計測ノイズとの影響を除いて波源の分布状態を推定することが可能となる。
また、WSF法では、拡張SPM法で得られる複数波源の各空間分布の中に、波源が一つだけ存在すると設定した条件のもとで、(数10)の評価関数により波源位置の推定を行い、評価関数が最大となる組み合わせを求める。
Figure 2005195532
但し、次の(数11)に示されるFは拡張SPM法で得られたI個の波源空間分布の中で、それぞれ一つ選択された点波源が観測面300に作る複素電界分布データを列ベクトルとする行列である。また、(数12)に示されるUSはΛSに対応する固有ベクトル集合が張るI次元空間(信号部分空間)である。また、(数13)に示されるδ2は波源に無相関の計測ノイズの分散、Iuは単位行列、ΛSはI個の固有値(λ1>λ2>..>λI)の対角行列、Wは固有値の大きさに応じてUSの固有ベクトルに重み付けを与える係数である。
Figure 2005195532
Figure 2005195532
Figure 2005195532
この場合、拡張SPM法で推定領域の大幅な絞込みが可能となるため、短時間で高精度な波源の位置を推定することができる。
図6は、拡張SPM法またはWSF法で電波源位置を推定する推定装置の構成をブロック図で示している。この装置は、基準アンテナ100に接続して参照信号を受信する受信装置20と、走査アンテナ40を取り付けた4軸ステージ装置30と、走査アンテナ40で受信した計測信号が入力する受信装置50と、走査アンテナ40で受信された計測信号と基準アンテナ100で受信された参照信号とを比較して相対的な観測面電界分布の振幅情報及び位相情報を求める干渉・検波装置60と、4軸ステージ装置30を制御して走査アンテナ40の位置を調整し、観測面電界分布の振幅情報及び位相情報を格納する制御装置70と、制御装置70から送られた観測面電界分布の振幅情報及び位相情報を用いて、拡張SPM法またはWSF法により波源位置を推定して表示する演算表示手段80とを備えている。
この装置では、観測対象である漏洩電波(電子機器からの不要輻射等)が、4軸ステージ装置30に取り付けられた走査アンテナ40により観測面の電界分布として計測され、受信装置50により中間周波数に変換される。また、計測中の時間経過による位相変動をキャンセルするために、完全にフェーズロックされた受信装置20を用いて基準アンテナ100からの参照信号を中間周波数に変換する。2台の受信装置からの信号は、干渉・検波装置60に入力され、装置内の乗算器により掛け算することで、目的とする全ての周波数成分が単一周波数信号に変換される。
一方、受信装置20からの位相同期信号は、受信装置50を介して干渉・検波装置60に入力され、参照単一周波数信号に変換される。干渉・検波装置60は、この2つの単一周波数信号を比較し、基準アンテナ100からの参照信号との相対的な値として、走査アンテナ40で測定した測定信号の振幅情報・位相情報を計算し、観測面の電界分布データを得る。
この観測面の電界分布データは、装置のすべてを制御する制御装置7を介して演算表示手段8に入力され、演算表示手段8は、この電界分布データをもとに、拡張SPM法またはWSF法により漏洩電波源の分布状態を推定し、その位置情報を表示する。
「電子情報通信学会技術研究報告」 信学技報 Vol.102 No.230 pp.59-64 (2002年7月17日発行)
この電波源位置推定装置では、前述したように走査アンテナで受信された計測信号と基準アンテナで受信された参照信号とを比較して得た相対的な観測面電界分布の振幅情報及び位相情報を用いて、拡張SPM法またはWSF法での推定を行っている。しかし、拡張SPM法またはWSF法の推定では、本来、波源の周波数及び波源と各観測点との距離により決まる絶対的な観測面電界分布の位相情報が必要になる。
そのため、従来手法では、推定を行う際に相対的な観測面電界分布の位相情報に対して一律に加える位相補正値を変化させて相関計算を行い、最適な位相情報を求める必要があり、その計算時間が無視できないという問題があった。
また、従来手法は、電子機器を想定した推定領域内の各点波源が観測面に作る理想的な電界分布を計算することで推定を行っているため、走査アンテナ及び基準アンテナの特性や接続ケーブルの影響などにより受信系の状態が理想から外れる場合に、推定精度が劣化するという問題も含んでいた。
本発明は、こうした問題点を解決するものであり、電子機器から漏洩する電波の波源位置を、短時間に、且つ、高精度に推定することができる電波源位置推定装置を提供することを目的としている。
そこで、本発明では、電波源位置推定装置に、電子機器から一定の距離に置かれた観測面での電界を計測するアレーアンテナと、このアレーアンテナに接続する受信装置と、観測面での電界分布データを計測するために受信装置及びアレーアンテナを制御する制御装置と、電子機器を想定した推定領域の内部または近傍に配置された校正用アンテナと、校正用アンテナに校正信号を出力する校正信号発生装置と、校正用アンテナから校正信号を放射したときに計測された観測面での電界分布データとその補正データとを保持する校正用データ演算手段と、校正用データ演算手段で保持されている電界分布データ及び補正データと電子機器を対象として観測面で計測された電界分布データとを用いて拡張SPM法により電子機器から放射される電波の波源位置を推定し、表示する演算表示手段とを設けている。
この電波源位置推定装置では、校正用アンテナから校正信号を放射したときに計測された観測面での電界分布データとその補正データとから、推定領域内の各点波源が観測面に作る電界分布データを生成し、また、電子機器を対象として観測面で計測された電界分布データから参照データを生成し、それらの相関性を評価することで、推定領域内の各点波源の中から波源位置を選択(推定)する。
この場合、校正信号を対象としたときの観測面での電界分布データと電子機器を対象としたときの観測面での電界分布データとは同じ受信系で計測されるため、それらの位相基準は等しく、その結果、推定領域内の各点波源が観測面に作る電界分布データと参照データとの位相基準が一致する。そのため、従来手法の位相補正の計算は必要がなくなる。
また、推定領域内の各点波源が観測面に作る電界分布データは、校正用アンテナから校正信号を放射したときに計測された観測面での電界分布データから生成されるため、アンテナや接続ケーブル等の影響が織り込まれており、推定領域内の各点波源が観測面に作る電界分布データを計算で求める従来手法に比べて、推定誤差が少ない。
また、本発明の電波源位置推定装置では、演算表示手段が、拡張SPM法で得られた複数波源の各空間分布の中に波源が一つだけ存在すると条件設定したWSF法により電波の波源位置を推定し、表示するようにしている。
この装置では、拡張SPM法で推定領域の大幅な絞込みが可能であるため、さらに波源位置を一つに絞る際に多くの時間を必要としない。
本発明の電波源位置推定装置では、電子機器を想定した推定領域の内部または近傍に校正用のアンテナを配置し、このアンテナから校正信号を放射して、受信系の位相補正値と振幅補正値とを予め求めているため、推定領域内の各点波源が観測面に作る電界分布データと参照データとの相関性を評価するときに、従来手法の位相補正の計算が不要であり、短時間で波源位置を推定できる。
また、アンテナや接続ケーブル等の影響を織り込んだ状態で波源位置を推定しているため、推定誤差が少なく、高精度の推定が可能である。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態における電波源位置推定装置は、図1のブロック図に示すように、基準アンテナ1に接続して参照信号を受信する受信装置2と、走査アンテナ4を取り付けた4軸ステージ装置3と、走査アンテナ4で受信した計測信号が入力する受信装置5と、走査アンテナ4で受信された計測信号と基準アンテナ1で受信された参照信号とを比較して相対的な観測面電界分布の振幅情報及び位相情報を求める干渉・検波装置6と、4軸ステージ装置3を制御して走査アンテナ4の位置を調整し、観測面電界分布の振幅情報及び位相情報を格納する制御装置7と、電子機器を想定した推定領域内または推定領域近傍の基準点に配置された校正用アンテナ9と、校正用アンテナ9から放射するための校正信号を発生する校正信号発生装置10と、校正信号を用いて観測された校正用の観測面電界分布の振幅情報及び位相情報(「校正用観測面電界分布データ」)を格納し、また、校正用アンテナ9が観測面に作る電界分布データの計算値と推定領域内の各点波源が観測面に作る電界分布データの計算値とから補正データを演算して格納する校正用データ演算手段11と、その補正データと校正用観測面電界分布データとから各点波源が観測面に作る、受信系の影響を加味した電界分布データ(「受信系対応点波源データ」)を生成し、制御装置7から送られて来る観測面電界分布の振幅情報及び位相情報と受信系対応点波源データとを用いて拡張SPM法により波源位置を推定し、表示する演算表示手段8とを備えている。
この装置の動作について説明する。
事前測定として、観測対象である漏洩電波(電子機器からの不要輻射など)と同じ周波数の校正用信号を校正信号発生装置10から送信し、推定領域内または推定領域近傍の基準点に配置した校正用アンテナ9(例えば、半波長ダイポールアンテナ)から電波を放射する。
この電波は、4軸ステージ装置3に取り付けられた走査アンテナ4により観測面の電界分布として計測され、受信装置5により中間周波数に変換される。また、計測中の時間経過による位相変動をキャンセルするために、完全にフェーズロックされた受信装置2を用いて基準アンテナ1からの参照信号を中間周波数に変換する。2台の受信装置からの信号は、干渉・検波装置6に入力され、装置内の乗算器により掛け算することで、目的とするすべての周波数成分が単一周波数信号に変換される。
一方、受信装置2からの位相同期信号は、受信装置5を介して干渉・検波装置6に入力され、参照単一周波数信号に変換される。干渉・検波装置6は、この2つの単一周波数信号を比較し、基準アンテナ1からの参照信号に対する相対的な値として、走査アンテナ4で測定した校正信号の振幅情報及び位相情報を計算し、校正用の観測面電界分布データを得る。この校正用観測面電界分布データは、装置のすべてを制御する制御装置7を介して校正用データ演算手段11に格納される。
ここでは、校正用観測面電界分布データの振幅分布データを(数14)で表し、位相分布データを(数15)で表す。
Figure 2005195532
Figure 2005195532
次に、校正用データ演算手段11は、推定領域内または推定領域近傍の基準点に配置された校正用アンテナ9をモーメント法により解析して、観測面に作る電界分布データを計算により求める。ここでは、算出した電界分布データの振幅分布データを(数16)で表し、位相分布データを(数17)で表す。
Figure 2005195532
Figure 2005195532
また、校正用データ演算手段11は、推定領域内をM個に分割し、各領域に点波源が存在するとして、各点波源が観測面に作る電界分布データを計算する。ここで計算される電界分布データは、先に述べた振幅分布データ(数5)及び位相分布データ(数6)で表される。但し、各点波源の初期位相は、モーメント法で解析される校正用アンテナ9の初期位相と一致させている。
校正用データ演算手段11は、振幅分布データに対して、(数5)の各列ベクトルと(数16)との比を補正データとし、また、位相分布データに対して、(数6)の各列ベクトルと(数17)との差分を補正データとして求め、この補正データを格納する。
次に、校正用アンテナ9を取り外し、観測対象である電子機器を設置して漏洩電波を上記と同じ受信系により計測する。即ち、漏洩電波が観測面に作る電界分布を走査アンテナ4で計測し、参照信号を基準アンテナ1で受信し、参照信号に対する相対的な値としての観測面電界分布データ(「波源位置推定用観測面電界分布データ」)を干渉・検波装置6で生成する。
この波源位置推定用観測面電界分布データは、制御装置7を介して演算表示手段8に入力される。
演算表示手段8は、校正用データ演算手段11から校正用観測面電界分布データと補正データとを取得して、受信系の影響を加味した、推定領域内の各点波源が観測面に作る電界分布データ(受信系対応点波源データ)を算出する。この受信系対応点波源データの振幅分布データを(数18)で表し、位相分布データを(数19)で表す。
Figure 2005195532
Figure 2005195532
次いで、演算表示手段8は、制御装置7から送られて来た波源位置推定用観測面電界分布データと、算出した受信系対応点波源データとの相関性を評価する拡張SPM法を実行して漏洩電波源の分布状態を推定し、その位置情報を表示する。
この電波源位置推定装置では、校正用観測面電界分布データと波源位置推定用観測面電界分布データとを同じ受信系で同一の参照信号を基準に計測しているため、校正用観測面電界分布データの位相基準は、波源位置推定用観測面電界分布データの位相基準と等しい。また、受信系対応点波源データは、校正用観測面電界分布データから求めているため、その位相基準は校正用観測面電界分布データの位相基準に一致している。従って、推定領域内の各点波源の位相は、推定対象波源の位相と合っている。
この推定領域内での各点波源の位相と推定対象波源の位相との一致が保障されない場合は、従来手法のように、位相補正値を変化させて相関計算を行い、それらの位相を一致させる操作が必要になるが、この電波源位置推定装置では、そうした操作が不要である。
また、実測値である校正用観測面電界分布データから算出された受信系対応点波源データには、走査アンテナ4や基準アンテナ1、接続ケーブル等の影響が織り込まれているため、推定領域内の各点波源が観測面に作る電界分布データを計算で求める従来手法に比べて、推定誤差が少ない。
次に、この実施形態の電波源位置推定装置により、電波源の位置推定を行った実験結果について示す。
図2(a)には、図2(b)の表に示した条件で電界計測を行った波源モデルを示している。ここでは、2個の半波長ダイポールアンテナを波源S1、S2とし、それぞれの波源が観測距離2波長の位置に平行で存在しており、2波源の間隔は100mmと設定した。それぞれの波源は、2.42GHzの正弦波で、推定が困難とされる位相差のないコヒーレント波に設定している。この条件において、拡張SPM法を行った結果、図3のように推定領域内に2つの波源の空間分布を正しく抽出することができた。
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態では、WSF法で波源位置を推定する電波源位置推定装置について説明する。この装置は、第1の実施形態(図1)と同じ構成を有しており、演算表示手段8が、拡張SPM法で得られる推定波源分布の中で最も電流の大きい位置を点波源として推定するWSF法の推定アルゴリズムをさらに含んでいる点だけが相違している。
この演算表示手段8は、拡張SPM法を実施して得た結果を初期値として、波源の各空間分布の中に波源が一つだけ存在すると設定した条件のもとで、(数10)の評価関数により波源位置を推定し、評価関数が最大となる位置を求める。
次に、第1の実施形態と同様に、図2の電界計測の波源モデルで実験を行った結果について示す。拡張SPM法により得られる推定領域内の波源の空間分布が図3のように、また、推定波源分布のx−y−z軸座標ごとの分布状態を示すヒストグラムが図4のように表される。図4(a)はx軸上の頻度を表すヒストグラムであり、図4(b)はy軸上の頻度を表すヒストグラムであり、図4(c)はz軸上の頻度を表すヒストグラムである。このヒストグラムにより得られる各波源の空間分布の中で、最も電流の大きい位置を点波源として推定するWSF法の推定を行った結果、図5のように2つの波源の給電点をそれぞれ誤差7.5mm、4.9mmの精度で推定することができた。
本発明の電波源位置推定装置は、各種電子機器から漏洩する電波等の波源位置を推定するために利用することができる。
本発明の第1の実施形態における電波源位置推定装置の構成を示すブロック図 (a)本発明の第1の実施形態における電界計測の波源モデルを示す図(b)実験の条件を示す図 本発明の第1の実施形態における電波の波源位置の推定結果を示す図 本発明の第1の実施形態における電波の波源位置の位置ベクトル分布を示す図 本発明の第2の実施形態における電波の波源位置の推定結果を示す図 従来の電波源位置推定装置の構成を示すブロック図 電界計測の波源モデルを示す図
符号の説明
1 基準アンテナ
2 受信装置
3 4軸ステージ装置
4 走査アンテナ
5 受信装置
6 干渉・検波装置
7 制御装置
8 演算表示手段
9 校正用アンテナ
10 校正信号発生装置
11 校正用データ演算手段
20 受信装置
30 4軸ステージ装置
40 走査アンテナ
50 受信装置
60 干渉・検波装置
70 制御装置
80 演算表示手段
100 基準アンテナ
110 電波源
120 推定領域
300 観測面
310 受信ダイポールアンテナ

Claims (2)

  1. 電子機器から一定の距離に置かれた観測面での電界を計測するアレーアンテナと、
    前記アレーアンテナに接続する受信装置と、
    前記観測面での電界分布データを計測するために前記受信装置及びアレーアンテナを制御する制御装置と、
    電子機器を想定した推定領域の内部または近傍に配置された校正用アンテナと、
    前記校正用アンテナに校正信号を出力する校正信号発生装置と、
    前記校正用アンテナから前記校正信号を放射したときに計測された前記観測面での電界分布データとその補正データとを保持する校正用データ演算手段と、
    前記校正用データ演算手段で保持されている前記電界分布データ及び補正データと電子機器を対象として前記観測面で計測された電界分布データとを用いて拡張Sampled Pattern Matching法により前記電子機器から放射される電波の波源位置を推定し、表示する演算表示手段と
    を備えることを特徴とする電波源位置推定装置。
  2. 前記演算表示手段が、拡張Sampled Pattern Matching法で得られた複数波源の各空間分布の中に波源が一つだけ存在すると条件設定したWeighted Subspace Fitting法により前記電波の波源位置を推定し、表示することを特徴とする請求項1に記載の電波源位置推定装置。
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