1.第1実施形態
図1に示すように、第1実施形態の遊技機は、パチンコ遊技機1であって、遊技機枠9の内部に遊技盤2を取り付けて構成されている。遊技盤2の裏面2a側には、主制御基板(遊技制御基板)5を覆った主基板ケース10が配設されている。また、主基板ケース10の下方に位置する遊技機枠9の下部には、払出制御基板7を覆った払出基板ケース8が配設されている。なお、本明細書中、上下方向および左右方向は、図1に示す遊技盤2の裏面2a側を基準とし、また、前後方向は、遊技盤2の裏面2a側を後方とし、遊技盤2の前面側を前方とする。
主基板ケース10は、透明なポリカーボネート等の合成樹脂から形成されており、上縁10aに断面U字状の取付フック11が設けられ、この取付フック11を、盤裏カバー3に配設された二本の取付軸4,4に対して下方側から引っ掛け、下縁10b側を、後方側に移動しないように押え爪片6に係止させている。なお、この主基板ケース10は、押え爪片6の係止を解除して下縁10b側を後方に引けば、取付軸4回りに後方回転させることができ、主制御基板5の裏面を確認することができる。また、主基板ケース10の上縁10a側は、盤裏カバー3に取り付けられた盤裏カバー蓋3aの下部に覆われている。
図2,3に示すように、主基板ケース10は、前方側の底側ケース20と後方側の蓋側ケース30とを備えて略箱形状に構成されるとともに、右縁側に、封止部40を備えて構成されている。この主基板ケース10は、底側ケース20と蓋側ケース30との間に主制御基板5を収納して、第1の係合手段15及び第2の係合手段16を係合させて閉塞され、封止部40を利用して開放不能に封止されている。ここで、図2に10cとして示す面、すなわち、基板ケース10を後方から見て正対する面を、主基板ケース10の正面とする。
底側ケース20は、図2に示すように、略長方形板状の底壁部22を有し、底壁部22の周縁からは、略筒形状の側壁部23が延設されている。側壁部23は、上壁部24、下壁部25、左壁部26、右壁部27を有して構成されている。蓋側ケース30は、略長方形板状の天井壁部32を有し、天井壁部32の周縁から、略筒形状の側壁部33が延設されている。側壁部33は、上壁部34、下壁部35、左壁部36、右壁部37を有して構成されている。両上壁部24,34及び両下壁部25,35には、第1の係合手段15及び第2の係合手段16が形成されている。なお、主基板ケース10の閉塞状態では、天井壁部32は、底壁部22と前後方向で略平行に対向する。
第1の係合手段15は、両上壁部24,34及び両下壁部25,35に、それぞれ、三箇所ずつ形成されている。具体的には、底側ケース20の上壁部24と下壁部25に、L字状の挿入溝15bを有した係止フック部15aが形成され、蓋側ケース30の上壁部34と下壁部35に、係止ピン15cが形成されている。
第2の係合手段16は、底側ケース20の上壁部24及び下壁部25に形成された凸形状の嵌合部16aと、蓋側ケース30の上壁部34及び下壁部35に形成された凹形状の嵌合部16bとで構成されている。
主基板ケース10の閉塞は、係止ピン15cを挿入溝15bに挿入させるように、蓋側ケース30を底側ケース20に対して嵌め合わせ、係止ピン15cを係止フック部15aに係止させるように、蓋側ケース30を底側ケース20に対して右方向(係合方向)へスライドさせることにより行われる。この際、両嵌合部16a,16bが相互に嵌合して、蓋側ケース30の左方向(係合解除方向)への移動が規制される。なお、これらの嵌合部16a,16bは、強い力で蓋側ケース30を左方向(係合解除方向)へ移動させれば、嵌合の解除が可能である。
封止部40は、図2に示すように、蓋側ケース30に配設される蓋側封止部42と、底側ケース20に配設される底側封止部46とを備え、両封止部42,46を相互に締結することにより、蓋側ケース30を底側ケース20に対して開き不能に封止するものである。
蓋側封止部42は、略円筒形状のホルダ部43と、ホルダ部43に挿通されたロックピン44とを備えている。底側封止部46は、ロックピン44が嵌挿される略円筒形状の嵌合部47を備えている。主基板ケース10の封止は、ロックピン44を、ホルダ部43から嵌合部47に跨がるように押し込んでかしめ、蓋側封止部42と底側封止部46とを締結することにより行われる。これにより、蓋側ケース30の左方向(係合解除方向)へのスライドが規制され、主基板ケース10は開放不能に封止される。なお、ホルダ部43には、主基板ケース10の封止後にロックピン44を引き抜くことができないように、後方からキャップ(図示せず)が外れ不能に嵌入される。これにより、蓋側封止部42を破壊等して主基板ケース10の封止を解除しない限り、主基板ケース10を開放することは不可能とされる。
主制御基板5は、図2に示すように、IC等の各素子が実装される実装面5aを蓋側ケース30の天井壁部32側に向け、実装面5aとは反対側の裏面5bを底側ケース20の底壁部22側に向けて、蓋側ケース30に固定されている。
主制御基板5には、制御装置50が実装されている。制御装置50は、遊技制御用ROM(制御装置本体に相当する)51に、表示プレート(表示プレート部に相当する)60を取り付けて構成されている。
遊技制御用ROM51は、演算処理装置であるCPU52(図6参照)と、CPU52により実行される各種の遊技制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM53(図6参照)と、そのROM53内に記憶される制御プログラムの実行に当たって各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM54(図6参照)とを一つのチップに集約した、いわゆるワンチップマイコンである。
この遊技制御用ROM51は、図4のAに示すように、ZIP(Zigzag Inline Package)タイプのLSI、すなわち、半導体チップ(図示せず)を覆う略長方形状の樹脂パッケージ56の一側面56aのみからリードピン57が取り出され、リードピン57が樹脂パッケージ56の一側面56a内で交互に折り曲げられた構成のLSIであり、リードピン57を主制御基板5に設けられたスルーホール(図示せず)に挿入して、ハンダ付けにより固定されるとともに電気的に接続されている。
樹脂パッケージ56の形状は、左右方向の長さ寸法L1が前後方向の長さ寸法L2の3倍程度、前後方向の長さ寸法L2が上下方向の長さ寸法L3の4倍程度とされた、略薄板形状とされている。すなわち、樹脂パッケージ56は、主制御基板5の実装面5aと対向する面であってリードピン57が出ている前面(一側面)56a、主制御基板5に実装された状態において基板ケース10の正面10cに向く後面56b、左側面57c、及び右側面58dを、面積の小さな面とし、上面59e及び下面59fを、他の面より面積の大きな面として構成されている。
遊技制御用ROM51には、後方から、表示プレート60が取り付けられる。表示プレート60は、プレート部本体61と、取付部67とを備えて構成されている。
プレート部本体61は、前後方向を薄肉とし、左右方向が上下方向よりも長い略長方形状とされている。このプレート部本体61は、上下方向の長さ寸法L4が、樹脂パッケージ56の上下方向の長さ寸法L3よりも長く形成されており、図4のBに示すように、後面61aが、樹脂パッケージ56の前面56aよりも面積の大きい広面62とされている。広面62には、遊技制御用ROM51の型式名や型番などの識別情報が記載された識別シール70が貼付されるとともに、遊技制御用ROM51に関するその他の製品情報が印字71されている。すなわち、広面62は、遊技制御用ROM51に関する情報が付された表示面63となっている。なお、プレート部本体61の広面62の大きさは、遊技制御用ROM51の上面51eの大きさと同程度とされている。また、制御装置50を主制御基板5に実装した際に、プレート部本体61を透して後方から主制御基板5の実装面5aを目視できるように、プレート部本体61は、無色透明又は有色透明な合成樹脂部材により形成されている。
また、プレート部本体61は、図4のAに示すように、前面61bから前方へ向かって延設される2つのフランジ部65,65を備えている。プレート部本体61は、このフランジ部65,65を利用して、後述する取付部67の左右の側面67a,67bに軸支されている。
取付部67は、上下方向を薄肉とし、左右方向が前後方向より長い略長方形状の部材である。取付部67の左側面67aおよび右側面67bの後部には、プレート部本体61を軸支するための軸支孔が穿設されており、この軸支孔と両フランジ部65,65に穿設された挿通孔とに跨るように軸支ピン66,66が挿通されている。このようにして、プレート部本体61は、取付部67に回動可能に軸支されており、図4のBに示すように、表示面63を下方に向けるように、又は、表示面63を上方に向けるように回動させて、基板ケース10の正面10cに対する表示面63の角度を調整することが可能となっている。
また、取付部67の前面側には、図4のAに示すように、遊技制御用ROM51の後部に係合可能な係合孔部68が形成されている。表示プレート60は、遊技制御用ROM51の後部をこの係合孔部68に圧入させて係合させることにより、図4のBに示すように、遊技制御用ROM51に取り付けられている。
図3は、このように構成された制御装置50を実装した主制御基板5を基板ケース10に収納した状態を示している。表示面63は、基板ケース10を正面から(図3図示矢印dの向きから)見た際に略正対して視認できるように、蓋側ケース30の天井壁部32に略対向している。天井壁部32の外表面32aには、パチンコ遊技機の機種名およびメーカー名などの識別情報が示された識別シール72が貼付されている。識別シール72は、無色透明のベース材に有色で文字が印刷されたものであり、識別シール72を透して、主基板ケース10内部を目視することが可能となっている。この識別シール72は、図5のAに示すように、基板ケース10を正面から見て、表示面63と、左右方向において一致し、上下方向においてずれた位置に貼付されている。したがって、基板ケース10を正面から見れば、識別シール72を透すことなく、制御装置50の表示面63を正対して目視することができる。なお、図5のBに示すように、識別シール72を表示面63と前後方向で重なるように貼付した場合は、プレート部本体61を軸支ピン66回りに回動させて、表示面63を斜め上方に向くよう調整すれば(図5のBの二点鎖線参照)、図5のBに矢印eで示す向きで目視することにより、識別シール72を透すことなく、表示面63を正対して目視することができる。但し、表示面63を基板ケース10の正面10cに向けたまま識別シール72を透して目視しても、表示面63を正対して目視することができるので、識別シール70や印字71によって記された制御装置50に関する情報を確認することは十分に容易である。
なお、第1実施形態のパチンコ遊技機1の電気系統は、図6に示すブロック図のように構成されている。すなわち、第1実施形態のパチンコ遊技機1は、主制御基板5、払出制御基板7、及びサブ制御基板17を備え、サブ制御基板17は、演出制御基板12、画像制御基板13、及び、ランプ制御基板14を備えている。払出制御基板7及び演出制御基板12は主制御基板5に接続され、画像制御基板13及びランプ制御基板14は演出制御基板12に接続されている。
主制御基板5は、大当たり抽選(即ち、大当たり乱数の取得とその大当たり乱数を用いた判定)や遊技状態の移行など主に利益に関わる制御を行う。大当たり抽選は、遊技球の始動口への入賞に対して行われる。主制御基板5には、始動口に入賞した遊技球を検知する始動口スイッチ、大当たり遊技中に大入賞口を開口させる大入賞口ソレノイド、大入賞口に入賞した遊技球を検知する大入賞口スイッチなどが接続されている。
また、主制御基板5は、払出制御基板7に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板7から信号を受信する。払出制御基板7には、払出制御用ROM18が実装されており、払出制御用ROM18は、遊技制御用ROM51と同様、CPUと、ROMと、RAMとを一つのチップに集約したワンチップマイコンであり、ZIPタイプのLSIである。払出制御基板7は、主制御基板5から受信したコマンドに従って払出駆動モータを動作させ、図示しない払出装置を駆動して、賞球の払出を行う。
さらに、主制御基板5は、演出制御基板12に対し各種コマンドを送信し、演出制御基板12は、画像制御基板13との間でコマンドや信号の送受信を行う。画像制御基板13は、演出制御基板12から受信したコマンドに従って、画像表示器に装飾図柄その他の画像を表示し、スピーカから音声を出力する。また、演出制御基板12は、ランプ制御基板14との間でコマンドや信号の送受信を行う。ランプ制御基板14は、演出制御基板12から受信したコマンドに従って、枠ランプや盤ランプを点灯・消灯する。
以上説明したように、第1実施形態のパチンコ遊技機1は、リードピン57が樹脂パッケージ56の一側面56aのみから出ている制御装置50を備え、制御装置50は、一側面56aを主制御基板5の実装面5aに略対向させて、リードピン57により主制御基板5に実装され、主制御基板5は、実装面5aを、内部を視認可能な主基板ケース10の正面10cに向けて、主基板ケース10に収納されている。そして、制御装置50は、主基板ケース10の正面10cに略向く面を、一側面56aより面積の大きい広面62として構成され、広面62は、制御装置50に関する情報が付された表示面63とされている。ここで、表示面63が主基板ケース10の正面10cに略向くとは、表示面63が主基板ケース10の正面10cに対して完全に平行となっていなくともよいことを意味する。
したがって、第1実施形態のパチンコ遊技機1によれば、リードピン57が樹脂パッケージ56の一側面56aのみから出ている制御装置50であっても、主基板ケース10の正面10cに略向く面は、一側面56aより面積の大きい広面62とされ、この広面62は、制御装置50に関する情報の付された表示面63となっている。そのため、主基板ケース10の正面10cから表示面63に略正対して、識別シール70や印字71によって表示面63に付された制御装置50に関する情報を目視することができるので、制御装置50に関する情報を容易に確認することができる。
また、第1実施形態のパチンコ遊技機1では、制御装置50は、リードピン57を有する遊技制御用ROM51(制御装置本体部)と、表示面63を有する表示プレート60(表示プレート部)とを備えて構成され、表示プレート60は、表示面63を有するプレート部本体61と、プレート部本体61を遊技制御用ROM51に取り付ける取付部67とを備え、取付部67により遊技制御用ROM51に取り付けられている。
したがって、第1実施形態のパチンコ遊技機1によれば、既存の遊技制御用ROM51に対して、表示プレート60を取り付けるだけで、制御装置に関する情報を容易に確認可能な制御装置50を構成できる。すなわち、既存の遊技制御用ROM51を利用して、本発明に係る制御装置50を容易に製造することができる。
また、第1実施形態のパチンコ遊技機1では、表示プレート60(表示プレート部)は、主基板ケース10の正面10cに対する表示面63の角度を調整可能とされている。
したがって、主基板ケース10の正面10c(実施形態では、蓋側ケース30における天井壁部32の外表面32a)に識別シール72が貼付されており、主基板ケース10を正面から見たときに、識別シール72と制御装置50の表示面63とが重なって、表示面63に付された制御装置50に関する情報が確認しづらい場合であっても、表示面63の角度を調整することで、制御装置50に関する情報を目視し易くすることができる。
また、第1実施形態のパチンコ遊技機1では、プレート部本体61は、透明部材により形成されている。
したがって、プレート部本体61を透して、主制御基板5を目視することができるので、不正な遊技プログラムが書きこまれた制御装置(所謂不正チップ)を、プレート部本体61と主制御基板5との間に隠すように配置する不正行為を、抑制することができる。
2.第2実施形態
次に、図7に基づいて第2実施形態の遊技機(パチンコ遊技機)について説明する。第2実施形態のパチンコ遊技機が備える主制御基板には、図7のAに示す制御装置50Aが実装されている。なお、以下に示す第2実施形態から第6実施形態のパチンコ遊技機において、第1実施形態のパチンコ遊技機1と同様の構成については、第1実施形態のパチンコ遊技機1と同様の符号を付して説明を省略する。
制御装置50Aは、遊技制御用ROM51と、表示プレート(表示プレート部に相当する)60Aから構成されている。表示プレート60Aは、プレート部本体61Aと、取付片部(取付部に相当する)67A,67Aとから構成されている。
プレート部本体61Aは、前後方向を薄肉とし、左右方向が上下方向よりも長い略長方形状とされている。このプレート部本体61Aは、上下方向の長さ寸法L5が、樹脂パッケージ56の上下方向の長さ寸法L3よりも長く形成されており、図7のBに示すように、後面61Aaが、樹脂パッケージ56の前面56aよりも面積の大きい広面62Aとされている。広面62Aには、遊技制御用ROM51の型式名や型番などの識別情報が記載された識別シール70が貼付されるとともに、遊技制御用ROM51に関するその他の製品情報が印字71されている。すなわち、広面62Aは、遊技制御用ROM51に関する情報が付された表示面63Aとなっている。なお、プレート部本体61Aの広面62Aの大きさは、遊技制御用ROM51の上面51eの大きさと同程度とされている。また、制御装置50Aを主制御基板に実装した際に、プレート部本体61Aを透して後方から主制御基板の実装面を目視できるように、プレート部本体61Aは、無色透明又は有色透明な合成樹脂部材により形成されている。
図7のAに示すように、プレート部本体61Aの前面61Abからは、2つの取付片部67A,67Aが前方へ向かって延設されている。各取付片部67A,67Aは、内側面の前部に、軸支突部80,80を備えている。軸支突部80,80は、遊技制御用ROM51の樹脂パッケージ56の左側面56cおよび右側面56dに設けられた軸支孔部81,81に係合される。このようにして、表示プレート60Aは、遊技制御用ROM51に取り付けられ、図7のBに示すように、軸支突部80,80を回動中心として遊技制御用ROM51に対して回動可能となっている。したがって、表示面63Aは、上方に向けたり下方に向けたりすることにより、基板ケース10の正面10cから見える角度を自由に調整することが可能である。
このような制御装置50Aを備える第2実施形態の遊技機では、上述した第1実施形態の遊技機と同様の効果を生じる。
3.第3実施形態
次に、図8に基づいて第3実施形態の遊技機(パチンコ遊技機)について説明する。第3実施形態のパチンコ遊技機が備える主制御基板には、図8のAに示す制御装置50Bが実装されている。
制御装置50Bは、遊技制御用ROM51と、表示プレート(表示プレート部に相当する)60Bから構成されている。表示プレート60Bは、プレート部本体61Bと、取付部67Bとから構成されている。
プレート部本体61Bは、第2実施形態のプレート部本体61Aと同様の構成とされ、後面61Baは、樹脂パッケージ56の前面56aよりも面積の大きい広面62Bであって遊技制御用ROM51に関する情報が付された表示面63Bとされている。プレート部本体61Bの前面61Bbからは、取付部67Bが前方へ向かって延設されている。取付部67Bは、左側面から見て略コ字形状とされて右方へ向かって延設されており、上壁部83および下壁部84の各内側面の前部に、遊技制御用ROM51の樹脂パッケージ56の上面56e及び下面56fに設けられた係合凹部86,86に係合する係合突部85,85が形成されている。係合突部85,85は、上壁部83および下壁部84の各内側面において、左右方向の全域にわたって形成されている。
表示プレート60Bは、この係合突部85,85を係合凹部86,86に係合させて、取付部67Bに樹脂パッケージ56の後部を挟持させることにより、図8のBに示すように、遊技制御用ROM51に取り付けられる。
このような制御装置50Bを備える第3実施形態の遊技機では、第1実施形態で示した制御装置50のように、基板ケース10の正面10cに対する表示面63の角度を変更することができないものの、それ以外は、第1実施形態の遊技機と同様の効果を生じる。
4.第4実施形態
次に、図9に基づいて第4実施形態の遊技機(パチンコ遊技機)について説明する。第4実施形態のパチンコ遊技機が備える主制御基板には、図9のAに示す制御装置50Cが実装されている。
制御装置50Cは、遊技制御用ROM51と、表示プレート(表示プレート部に相当する)60Cから構成されている。表示プレート60Cは、プレート部本体61Cと、取付部67C,67Cとから構成されている。
プレート部本体61Cは、第2実施形態のプレート部本体61Aと同様の構成とされ、後面61Caは、樹脂パッケージ56の前面56aよりも面積の大きい広面62Cであって遊技制御用ROM51に関する情報が付された表示面63Cとされている。プレート部本体61Cの前面61Cbからは、2つの取付部67C,67Cが前方へ向かって延設されている。各取付部67C,67Cは、左側面から見て略コ字形状とされており、上壁部88,88および下壁部89,89の各前端部に、遊技制御用ROM51の樹脂パッケージ56の上面56e及び下面56fに設けられた係合凹部91,91,91,91に係合する係合爪部90,90,90,90が形成されている。
表示プレート60Cは、この係合爪部90,90,90,90を係合凹部91,91,91,91に係合させて、取付部67C,67Cに樹脂パッケージ56の後部を挟持させることにより、図9のBに示すように、遊技制御用ROM51に取り付けられる。
このような制御装置50Cを備える第4実施形態の遊技機では、第1実施形態で示した制御装置50のように、基板ケース10の正面10cに対する表示面63の角度を変更することができないものの、それ以外は、第1実施形態の遊技機と同様の効果を生じる。
5.第5実施形態
次に、図10に基づいて第5実施形態の遊技機(パチンコ遊技機)について説明する。第5実施形態のパチンコ遊技機が備える主制御基板には、図10のAに示す制御装置50Dが実装されている。
制御装置50Dは、遊技制御用ROM51と、表示プレート(表示プレート部に相当する)60Dから構成されている。表示プレート60Dは、プレート部本体61Dと、取付部67D,67Dとから構成されている。
プレート部本体61Dは、第2実施形態のプレート部本体61Aと同様の構成とされ、後面61Daは、樹脂パッケージ56の前面56aよりも面積の大きい広面62Dであって遊技制御用ROM51に関する情報が付された表示面63Dとされている。プレート部本体61Dの前面61Dbからは、2つの取付部67D,67Dが前方へ向かって延設されている。各取付部67D,67Dは、前後方向の長さ寸法L6を、遊技制御用ROM51の樹脂パッケージ56の前後方向の長さ寸法L2より長く形成されている。また、各取付部67D,67Dは、左側面から見て略コ字形状とされており、上壁部93,93および下壁部94,94の各前端部に、遊技制御用ROM51の樹脂パッケージ56の前面56aの上縁および下縁に係合する係合爪部95,95,95,95が形成されている。
表示プレート60Dは、この係合爪部95,95,95,95を樹脂パッケージ56の前面56aの上縁および下縁に係合させることにより、図10のBに示すように、遊技制御用ROM51に取り付けられる。
このような制御装置50Dを備える第5実施形態の遊技機では、第1実施形態で示した制御装置50のように、基板ケース10の正面10cに対する表示面63の角度を変更することができないものの、それ以外は、第1実施形態の遊技機と同様の効果を生じる。
6.第6実施形態
次に、図11に基づいて第6実施形態の遊技機(パチンコ遊技機)について説明する。第6実施形態のパチンコ遊技機が備える主制御基板には、図11のAに示す制御装置50Eが実装されている。
制御装置50Eは、遊技制御用ROM51Eであり、演算処理装置であるCPUと、CPUにより実行される各種の遊技制御プログラムや固定値データ等を記憶したROMと、そのROM内に記憶される制御プログラムの実行に当たって各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAMとを一つのチップに集約した、いわゆるワンチップマイコンである。
この遊技制御用ROM51Eは、第1実施形態の遊技制御用ROM51と同様、ZIP(Zigzag Inline Package)タイプのLSIであるが、半導体チップ(図示せず)を覆う樹脂パッケージ56Eの形状が、左側面から見て上下方向の長さ寸法が前方から後方へかけて徐々に大きくなる略台形形状の四角柱(略台形柱形状)とされている。
詳しく述べれば、遊技制御用ROM51Eは、リードピン57Eが出ている樹脂パッケージ56Eの前面(一側面に相当する)56Eaの大きさを、第1実施形態における樹脂パッケージ56の前面56aと略同じ大きさとし、樹脂パッケージ56Eの後面56Ebの大きさを、第1実施形態におけるプレート部本体61の後面61aと略同じ大きさとしている。図11のBに示すように、この後面56Ebは、樹脂パッケージ56Eの前面56Eaよりも面積の大きい広面62Eとなっており、広面62Eには、遊技制御用ROM51Eの型式名や型番などの識別情報が記載された識別シール70Eが貼付されるとともに、遊技制御用ROM51Eに関するその他の製品情報が印字71Eされている。すなわち、広面62Eは、遊技制御用ROM51Eに関する情報が付された表示面63Eとなっている。
このような制御装置50Eを備える第6実施形態の遊技機によれば、リードピン57Eが樹脂パッケージ56Eの一側面56Eaのみから出ている制御装置50Eであっても、主基板ケース10の正面10cに略向く面は、一側面56Eaより面積の大きい広面62Eとされ、この広面62Eは、制御装置50Eに関する情報の付された表示面63Eとなる。そのため、主基板ケース10の正面10cから表示面63Eに略正対して、識別シール70Eや印字71Eによって表示面63Eに付された制御装置50Eに関する情報を目視することができるので、制御装置50Eに関する情報を容易に確認することができる。
7.変更例
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の実施にあたっては、上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲を逸脱しない限りにおいて種々の構成を採り得る。
例えば、実施形態では、制御装置を、主制御基板5に実装される制御装置50として説明したが、払出制御基板7などの他の制御基板に実装される制御装置(払出制御用ROM18や演出制御用ROMなど)を、本発明の制御装置として構成してもよい。
また、実施形態では、遊技制御用ROM51に、ZIP(Zigzag Inline Package)タイプのLSIを用いたが、樹脂パッケージの一側面のみからリードピンが取り出されている構成のLSIであれば、SIP(Single Inline Package)タイプのLSIなど、他のタイプのLSIを用いてもよい。
なお、実施形態では、遊技機を、パチンコ遊技機として説明したが、スロットマシンなど他の遊技機により構成してもよい。