JP5443189B2 - 自動変速機の制御装置 - Google Patents

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Description

この発明は自動変速機の制御装置に関し、より具体的にはトルクコンバータのロックアップクラッチへの供給油圧とそれによって実際に発生する伝達トルクの特性を予め実験を通じて求めておき、その特性に従って油圧制御値を算出するようにした装置に関する。
下記の特許文献1において、エンジン回転数の上昇に使用されたイナーシャトルクを算出すると共に、トルコン(トルクコンバータ)スリップ比からトルコントルク比をテーブル検索し、それらから自動変速機への入力トルクを算出して変速用の油圧クラッチを油圧制御する技術が提案されている。
特開2001−165303号公報
そのような制御装置にあって、トルクコンバータのロックアップクラッチの動作を制御するときは、例えば運転状態からトルクコンバータへの入力トルクを算出し、それに相当するロックアップクラッチの制御圧を油圧値で算出し、PI制御則などを用いて油圧制御することになる。
その場合、実際には油圧の応答遅れがあることから、油圧制御値に対して実際に発生するロックアップクラッチトルク(伝達トルク)にはかなりの遅れがある。
従来、油圧制御値に対するロックアップクラッチの伝達トルクの遅れを考慮していないので、制御対象の個体バラツキを考えて油圧制御値のゲインを低く設定すると、制御時間が間延びする一方、高く設定して応答性を上げようとすると、ショックが生じる不都合があった。
この発明の目的は上記した課題を解決し、油圧制御値に対するトルクコンバータのロックアップクラッチの伝達トルクの遅れを考慮することで、制御時間の間延びやショックの発生を防止しつつ、制御の応答性を上げるようにした自動変速機の制御装置を提供することにある。
上記した課題を解決するために、請求項1にあっては、ロックアップクラッチを有するトルクコンバータを介して車両に搭載されたエンジンの出力を入力して変速する自動変速機の制御装置において、予め求められた特性に従って前記ロックアップクラッチの目標スリップ量を算出する目標スリップ量算出手段と、前記算出された目標スリップ量となるように前記ロックアップクラッチへの供給油圧と前記供給油圧によって前記ロックアップクラッチに実際に発生する伝達トルクとの関係に基づいて予め設定された遅れ特性に従って前記ロックアップクラッチへの供給油圧を算出し、前記算出された供給油圧となるように油圧制御値を算出する油圧制御手段とを備える如く構成した。
さらに、請求項に係る自動変速機の制御装置にあっては、前記油圧制御手段は、予め実験を通じて求められた前記油圧制御値と前記油圧制御値によって前記ロックアップクラッチに実際に発生する油圧の元圧であるライン圧との関係に基づいて設定された特性に従って前記油圧制御値を補正する如く構成した。
さらに、請求項に係る自動変速機の制御装置にあっては、前記予め設定された遅れ特性が、前記エンジンの回転数および前記自動変速機の油温とに基づく係数を用いた2次遅れ系モデルで近似されてなる如く構成した。
請求項1に係る自動変速機の制御装置にあっては、予め求められた特性に従って目標スリップ量を算出し、算出された目標スリップ量となるようにロックアップクラッチへの供給油圧と供給油圧によってロックアップクラッチに実際に発生する伝達トルクとの関係に基づいて予め設定された遅れ特性に従ってロックアップクラッチへの供給油圧を算出し、算出された供給油圧となるように油圧制御値を算出する如く構成したので、油圧制御値に対するロックアップクラッチの伝達トルクの遅れを考慮することができ、よって制御時間の間延びやショックの発生を防止しつつ、制御の応答性を上げることができる。
即ち、ロックアップクラッチへの供給油圧とそれによって実際に発生する伝達トルクとの関係に基づいて予め設定された遅れ特性に従ってロックアップクラッチへの供給油圧を算出し、算出された供給油圧となるように油圧制御値を算出することで、油圧制御値に対して実際に発生するロックアップクラッチの伝達トルクに遅れがあるときも、その遅れを吸収するように油圧制御値を算出することができ、よって制御時間の間延びやショックを生じることなく、最適な応答性でロックアップクラッチの動作を制御することができる。さらに、エンジンの回転が吹き上がらず、目標係合時間を短くできることから、クルーズ走行が増加して大幅な燃費向上が可能となる。
さらに、請求項に係る自動変速機の制御装置にあっては、予め実験を通じて求められた油圧制御値とそれによってロックアップクラッチに実際に発生する油圧の元圧であるライン圧との関係に基づいて設定された特性に従って油圧制御値を補正する如く構成したので、上記した効果に加え、油圧制御値を一層適正に算出することができる。
さらに、請求項に係る自動変速機の制御装置にあっては、予め設定された遅れ特性が、エンジンの回転数および自動変速機の油温とに基づく係数を用いた2次遅れ系モデルで近似されてなる如く構成したので、上記した効果に加え、油圧制御値を一層適正に算出することができる。
この発明の実施例に係る自動変速機の制御装置を全体的に示す概略図である。 図1のトランスミッションの油圧回路をトルクコンバータを中心に部分的に示す油圧回路図である。 図1のトルクコンバータの構造を詳細に示す説明図である。 図1に示す自動変速機の制御装置の動作を示すフロー・チャートである。 図4フロー・チャートのLC制御許可AP開度条件を示す説明図である。 図4フロー・チャートに示す制御を説明するタイムチャートである。 図4フロー・チャートで算出される目標スリップ量の特性を示す説明図である。 図4フロー・チャートの次回目標LCトルクの算出処理を示すサブルーチン・フロー・チャートである。 図4フロー・チャートのLC差圧制御値の算出処理を示すサブルーチン・フロー・チャートである。 図9フロー・チャートで算出されるLC差圧の特性を示す説明図である。 図9フロー・チャートで算出されるLC差圧最終値の特性を示す説明図である。 図9フロー・チャートで算出されるLC差圧最終値ライン圧補正値の特性を示す説明図である。 図9フロー・チャートで算出されるLC差圧過渡特性を示す説明図である。
以下、添付図面を参照してこの発明に係る自動変速機の制御装置を実施するための形態について説明する。
図1はこの発明の実施例に係る自動変速機の制御装置を全体的に示す概略図である。
以下説明すると、符号T/Mは自動変速機(以下「トランスミッション」という)を示す。トランスミッションT/Mは車両(図示せず)に搭載されてなると共に、前進5速および後進1速の速度段を有する平行軸式の有段型からなる。
トランスミッションT/Mは、エンジン(内燃機関)Eのクランクシャフトに接続されるアウトプットシャフト10にロックアップ機構Lを有するトルクコンバータ12を介して接続されたメインシャフト(入力軸)MSと、このメインシャフトMSに複数のギヤ列を介して接続されたカウンタシャフト(出力軸)CSとを備える。エンジンEは複数気筒を備えると共に、ガソリンを燃料とする火花点火式のエンジンからなる。
トルクコンバータ12のロックアップ機構LはロックアップクラッチLCを備え、供給される油圧(作動油ATFの圧力)に応じてアウトプットシャフト10に対してメインシャフトMSを係合(より正確にはスリップ)させる。
アウトプットシャフト10の回転数に対するメインシャフトMSの回転数の比ETRはトルクコンバータ12、より具体的にはロックアップクラッチLCのスリップ率(係合度)を示すと共に、アウトプットシャフト10の回転数とメインシャフトMSの回転数の差SLIPもトルクコンバータ12、より具体的にはロックアップクラッチLCのスリップ率(係合度)を示す。
メインシャフトMSには、メイン1速ギヤ14、メイン2速ギヤ16、メイン3速ギヤ18、メイン4速ギヤ20、メイン5速ギヤ22、およびメインリバースギヤ24が支持される。
また、カウンタシャフトCSには、メイン1速ギヤ14に噛合するカウンタ1速ギヤ28、メイン2速ギヤ16と噛合するカウンタ2速ギヤ30、メイン3速ギヤ18に噛合するカウンタ3速ギヤ32、メイン4速ギヤ20に噛合するカウンタ4速ギヤ34、メイン5速ギヤ22に噛合するカウンタ5速ギヤ36、およびメインリバースギヤ24にリバースアイドルギヤ40を介して接続されるカウンタリバースギヤ42が支持される。
上記において、メインシャフトMSに相対回転自在に支持されたメイン1速ギヤ14を1速用油圧クラッチ(摩擦係合要素。以下同様)C1でメインシャフトMSに結合すると、1速(ギヤ。速度段)が確立する。
メインシャフトMSに相対回転自在に支持されたメイン2速ギヤ16を2速用油圧クラッチC2でメインシャフトMSに結合すると、2速(ギヤ。速度段)が確立する。カウンタシャフトCSに相対回転自在に支持されたカウンタ3速ギヤ32を3速用油圧クラッチC3でカウンタシャフトCSに結合すると、3速(ギヤ。速度段)が確立する。
カウンタシャフトCSに相対回転自在に支持されたカウンタ4速ギヤ34をセレクタギヤSGでカウンタシャフトCSに結合した状態で、メインシャフトMSに相対回転自在に支持されたメイン4速ギヤ20を4速−リバース用油圧クラッチC4RでメインシャフトMSに結合すると、4速(ギヤ。速度段)が確立する。
また、カウンタシャフトCSに相対回転自在に支持されたカウンタ5速ギヤ36を5速用油圧クラッチC5でカウンタシャフトCSに結合すると、5速(ギヤ。速度段)が確立する。
さらに、カウンタシャフトCSに相対回転自在に支持されたカウンタリバースギヤ42をセレクタギヤSGでカウンタシャフトCSに結合した状態で、メインシャフトMSに相対回転自在に支持されたメインリバースギヤ24を4速−リバース用油圧クラッチC4RでメインシャフトMSに結合すると、後進速度段が確立する。
カウンタシャフトCSの回転は、ファイナルドライブギヤ46およびファイナルドリブンギヤ48を介してディファレンシャルDに伝達され、それから左右のドライブシャフト50,50を介し、エンジンEおよびトランスミッションT/Mが搭載される車両(図示せず)の駆動輪W,Wに伝達される。
車両運転席(図示せず)のフロア付近にはシフトレバー54が設けられ、運転者の操作によって8種のレンジ、P,R,N,D5,D4,D3,2,1のいずれか選択される。
エンジンEの吸気路(図示せず)に配置されたスロットルバルブ(図示せず)はDBW(Drive By Wire)機構55に接続される。即ち、スロットルバルブはアクセルペダル(図示せず)との機械的な連結が断たれ、電動機などのアクチュエータ(図示せず)によって駆動される。
DBW機構55のアクチュエータの付近にはスロットル開度センサ56が設けられ、アクチュエータの回転量を通じてスロットル開度THHFを示す信号を出力する。またファイナルドリブンギヤ48の付近には車速センサ58が設けられ、ファイナルドリブンギヤ48が1回転するごとに車速Vを示す信号を出力する。
更に、カムシャフト(図示せず)の付近にはクランク角センサ60が設けられ、特定気筒の所定クランク角度でCYL信号を、各気筒の所定クランク角度でTDC信号を、所定クランク角度を細分したクランク角度(例えば15度)ごとにCRK信号を出力する。また、エンジンEの吸気路のスロットルバルブ配置位置の下流には絶対圧センサ62が設けられ、吸気管内絶対圧(エンジン負荷)PBAを示す信号を出力する。
また、メインシャフトMSの付近には第1の回転数センサ64が設けられ、メインシャフトMSの回転数(トランスミッションT/Mの入力回転数)NMを示す信号を出力すると共に、カウンタシャフトCSの付近には第2の回転数センサ66が設けられ、カウンタシャフトCSの回転数(トランスミッションT/Mの出力回転数)NCを示す信号を出力する。
さらに、車両運転席付近に装着されたシフトレバー54の付近にはシフトレバーポジションセンサ68が設けられ、前記した8種のポジション(レンジ)の中、運転者によって選択されたポジションを示す信号を出力する。
後述するようにトランスミッションT/Mの油圧回路Oのリザーバの付近には温度センサ70が設けられて油温(作動油Automatic Transmission Fluidの温度)TATFに比例した信号を出力すると共に、各油圧クラッチCnに接続される油路には油圧スイッチ72(図2で図示省略)がそれぞれ設けられ、各油圧クラッチCnに供給される油圧が所定値に達したとき、ON信号を出力する。
車両運転席のブレーキペダル(図示せず)の付近にはブレーキスイッチ74が設けられ、運転者のブレーキペダル操作に応じてON信号を出力すると共に、アクセルペダル(図示せず)の付近にはアクセル開度センサ76が設けられ、運転者のアクセル開度(アクセルペダル踏み込み量)APに応じた出力を生じる。
これらセンサ56などの出力は、ECU(電子制御ユニット)80に送られる。
ECU80は、CPU82,ROM84,RAM86、入力回路88、および出力回路90からなるマイクロコンピュータから構成される。マイクロコンピュータはA/D変換器92を備える。
前記したセンサ56などの出力は、入力回路88を介してECU80内に入力され、アナログ出力はA/D変換器92を介してデジタル値に変換されると共に、デジタル出力は波形整形回路などの処理回路(図示せず)を経て処理され、前記RAM86に格納される。
車速センサ58の出力およびクランク角センサ60のCRK信号出力はカウンタ(図示せず)で時間間隔が計測され、車速Vおよびエンジン回転数NEが検出される。第1の回転数センサ64および第2の回転数センサ66の出力もカウントされ、トランスミッションの入力軸回転数NMおよび出力軸回転数NCが検出される。
図示の如く、トランスミッションT/Mの油圧回路OはシフトソレノイドSL1からSL5とリニアソレノイドSL6からSL9を備える。図2は図1の油圧回路Oをトルクコンバータ12を中心に部分的に示す油圧回路図である。
油圧回路Oには油圧ポンプO1が設けられる。油圧ポンプO1はエンジンEで駆動され、前記したリザーバ(符号O2で示す)に貯留された作動油ATFを汲み上げ、PHレギュレータバルブO3に送る。
PHレギュレータバルブO3は車両の走行状態に応じて油圧ポンプO1の吐出圧を調整し、PH圧(元圧あるいはライン圧)を生成し、油路O4に供給する。
油路O4は各油圧クラッチCnに接続されると共に、トルクコンバータ12に接続される。即ち、トルクコンバータ12のロックアップクラッチLCは背圧室LC1と、背圧室LC1に接続される内圧室LC2を備える。内圧室LC2は油路O4から分岐される油路O5に接続されて油圧を供給される一方、背圧室LC1はリニアソレノイドSL8に接続されて係合量が調整される。
また、ロックアップクラッチLCの解放時には、背圧室LC1は油路O4から分岐される油路O5に接続されて油圧を供給される一方、内圧室LC2は油路O6を介してドレンXに接続されて油圧を排出する。
トルクコンバータ12においてロックアップクラッチLCは背圧室LC1と内圧室LC2の差圧(供給油圧)に応じた圧力でアウトプットシャフト10に対してメインシャフトMSを係合(スリップ)させる。
ECU80においてCPU82は行先段あるいは目標段(変速比)を決定し、出力回路90および電圧供給回路(図示せず)を介して油圧回路Oに配置されたシフトソレノイドSL1からSL5を励磁・非励磁してクラッチ油路の切替え制御を行う。
またCPU82はリニアソレノイドSL6,SL7を励磁・非励磁して変速に関係する油圧クラッチCnへの供給油圧を制御すると共に、リニアソレノイドSL8を励磁・非励磁してロックアップクラッチLCの背圧室LC1の油圧を制御し、さらにリニアソレノイドSL9を励磁・非励磁してPH圧を調整する。
図3は図1のトルクコンバータ(トルコン)12の構造を詳細に示す説明図である。トルクコンバータ12のロックアップクラッチLCが伝達するトルク(以下「LC伝達トルク」という)TLCなどは、図示の理論関係式に従って算出される。
尚、CPU82はエンジンEの燃料噴射量と点火時期を決定し、インジェクタ(図示せず)を介して決定された噴射量の燃料を供給すると共に、点火装置(図示せず)を介して決定された点火時期に従って噴射された燃料と吸気の混合気を点火するが、それらはこの発明と直接の関連を有しないので、それ以上の説明を省略する。
次いで、この発明に係る自動変速機の制御装置の動作を説明する。
図4はその処理を示すフロー・チャートである。図示のプログラムはCPU82によって所定時間ごとに実行される。
以下説明すると、S10においてLC制御許可AP開度条件以内か、即ち、運転者の操作したアクセル開度APがLC制御(以下、ロックアップクラッチLCのスリップ制御を「LC制御」という)の許可条件以内にあるか否か判断する。
図5はLC制御を許可する条件を示す説明図である。
図示の如く、LC制御を許可する条件(LC制御を行う領域)は、シフト段(変速比)SHとアクセル開度APと車速Vで設定される。
尚、制御ハンチングを防止するため、ロックアップクラッチLCを係合させる制御(以下「LCON制御」という)を実行するLCON領域と実行しないLCOFF領域の境界線にはヒステリシスが設けられる。
S10の処理では現在のシフト段から該当の特性(LC制御マップ)を選択し、アクセル開度APと車速VからLCON領域にあるか否か判定し、肯定されるとき、S10の判断も肯定される。
S10で否定されるときは以降の処理をスキップすると共に、肯定されるときはS12に進み、LCON制御の初回、即ち、所定時間ごとに実行されるLCON制御周期の初回か、換言すればS10で肯定されて初めてのプログラムループか否か判断する。
図4フロー・チャートの説明を続ける前に、図6を参照してこの実施例に係る制御を概説する。図6は図4フロー・チャートに示す制御を説明するタイムチャートである。
この実施例においては、予め求められた特性に従って目標スリップ量を算出し、次いで目標吸収LCスリップ量、即ち、算出された目標スリップ量を吸収するのに必要なエンジン回転数NEの減少量を算出する。
次いで予め求められた特性に従って油温TATFと算出された目標吸収LCスリップ量から目標ON時間(ロックアップクラッチLCの目標係合時間)を算出する。次いでエンジンEとトルクコンバータ12のイナーシャトルクTI(図3に示す)が算出された目標ON時間の途中、より具体的にはその1/2あるいはその近傍で最大となるように、ロックアップクラッチLCが伝達すべきLC伝達トルクTLCを算出する。
即ち、ロックアップクラッチLCをオンしたことによるエンジン回転数NEの減少に伴って発生するショックの最大値、換言すればエンジンEとトルクコンバータ12のイナーシャトルクTIの最大値が、目標ON時間の半分で発生するようにLC伝達トルクTLCを制御してエンジン回転を減少させるように構成した。
さらに、ロックアップクラッチLCへの供給油圧(より正確にはその背圧室LC1と内圧室LC2の差圧)と供給油圧によってロックアップクラッチLCに実際に発生するLC伝達トルクTLCとの関係に基づいて予め設定された遅れ特性に従ってロックアップクラッチLCへの供給油圧を算出し、算出された供給油圧となるように油圧制御値を算出するように構成した。
上記を前提として図4フロー・チャートの説明に戻ると、S12で肯定されるときはS14に進み、予め求められた特性に従って上記した目標スリップ量を算出する。
尚、目標スリップ量はアウトプットシャフト10の回転数とメインシャフトMSの回転数の差SLIPで算出するが、アウトプットシャフト10の回転数に対するメインシャフトMSの回転数の比ETRで算出しても良い。即ち、この明細書において目標「スリップ量」は回転数の差SLIPと回転数の比ETRの双方を含む。
図7はその特性を示す説明図である。
図示の如く、目標スリップ量は、シフト段SHとメインシャフト回転数NMとスロットル開度THHFごとに設定され、それらのパラメータの検出値から検索して得た値を補間演算して算出する。
次いでS16に進み、上記した目標吸収LCスリップ量を算出する。これは、エンジン回転数NEとメインシャフト回転数NMと目標スリップ量(S14で算出された)から予め設定された適宜な特性を検索することで算出する。
次いでS18に進み、上記した目標ON時間を算出する。これは、温度センサ70から検出された油温TATFと、S16で算出された目標吸収LCスリップ量から予め設定された適宜な特性を検索することで算出する。
次いでS20に進み、制御周期毎の目標イナーシャトルク吸収量を算出する。即ち、S16で算出された目標吸収LCスリップ量とS18で算出された目標ON時間とからエンジン回転数NEの吸収傾きを求め、前記した所定時間、換言すれば図4フロー・チャートのプログラムループ周期ごとにエンジン回転数NEの吸収量とエンジン・トルコンイナーシャIを積算して目標イナーシャトルク吸収量を算出する。
他方、S12で否定されてLCON制御の初回ではないと判断されるときはS22に進み、次回目標LCトルクを算出する。この明細書において「次回」は次の制御周期、即ち、図4フロー・チャートの次回のプログラムループを意味する。従ってS22では次回の制御周期のLCトルクの目標値を算出する。
図8は次回目標LCトルクの算出処理を示すサブルーチン・フロー・チャートである。
以下説明すると、S100において次回、即ち、次の制御周期のエンジントルクTEを算出する。これは、エンジンEの回転数NEと負荷(例えばスロットル開度THHF)とから適宜な特性を検索して算出する。
次いでS102に進み、次回の目標イナーシャトルクTI、即ち、吸収されるべきイナーシャトルク値を算出する。即ち、図6に示す如く、エンジンEとトルクコンバータ12のイナーシャトルクTIが算出された目標ON時間の途中、より具体的にはその1/2あるいはその付近で最大となるように、算出した値を加減算して吸収されるべきイナーシャトルク値を算出する。
次いでS104に進み、図3に示す計算式に従って次回のポンプトルクTPを算出する。
次いでS106に進み、S100からS104までに算出された値基づき、次回の目標LCトルクTLC(次の制御周期のLC伝達トルクの目標値)を算出する。
図4フロー・チャートの説明に戻ると、続いてS24に進み、LC差圧制御値を算出する。
図9はLC差圧制御値の算出処理を示すサブルーチン・フロー・チャートである。
以下説明すると、S200においてLC差圧を算出する。具体的には、図8フロー・チャートの処理で算出された次回目標LCトルクに必要なLC差圧(ロックアップクラッチLCの背圧室LC1と内圧室LC2の差圧)を算出する。
より具体的には、図10に示す特性に従い、次回目標LCトルク(LC伝達トルクTLCの次回制御周期の目標値)と次回目標LCスリップ量SLIPTN(図4のS22とS24の間で算出。図示せず)と油温TAFTとから、目標LCトルクを実現するのに必要なLC差圧を検索して算出する。図10に示す特性は、実験的に計測された値をECU80のROM84に実装したものである。
即ち、予め実験を通じて求められたロックアップクラッチLCへの供給油圧(即ち、その背圧室LC1と内圧室LC2の差圧)と供給油圧によってロックアップクラッチLCに実際に発生するLC伝達トルクTLCとの関係に基づいて設定された特性に従って目標LCトルクを実現するのに必要なLC差圧を算出する。
尚、特性は図10(a)に示すように油温TATFごとに例えばTATF#1からTATF#8の8種が設定されることから、LC差圧はTLC軸とSLIPTN軸で4点補間された検索値をTATF範囲別に求め、同図(b)に示すようにTATFで2点補間することで算出する。
次いでS202に進み、LC差圧最終値を検索する。これは、図11に示す特性に従い、油温TATFとLCICMD(リニアソレノイドSL8に通電されるべき制御電流)とから検索して得た値を補間演算することで算出する。
図11に示す特性も単体ベンチで計測された値をECU80のROM84に実装したものであり、リニアソレノイドSL8への制御電流とLC差圧最終値の関係を規定するものである。
次いでS204に進み、LC差圧最終値ライン圧補正値を算出する。これは、図12に示す特性に従い、ライン圧(PH圧)指令値PL(リニアソレノイドSL9への通電指令値)とLCICMDとから補間演算して係数を検索することで算出する。
図12に示す特性も単体ベンチで計測された値をECU80のROM84に実装したものである。即ち、LC差圧最終値はライン圧が増減すると、変化するので、ライン圧指令値別に補正係数を設定するように構成した。
図9フロー・チャートにあっては次いでS206に進み、LC差圧過渡特性を算出する。発明者達は知見を重ねた結果、油圧制御値に対する差圧の応答が2次遅れ系モデルで近似できることを見出した。
そこで、油圧制御値と、差圧最終値に達するまでの実差圧の応答遅れ特性の関係を単体ベンチなどで事前に計測しておき、S202,S204などのデータと同様、ECU80のROM84への実装データ(予め設定された遅れ特性)として整理しておくことにより、実走行状態においても2次遅れ系モデルに基づいて差圧応答を精度良く推定することができるようにした。
具体的には、図13(a)(b)(c)に示す特性に従い、油温TATFとエンジン回転数NEから補間演算して3種の係数a(a11,a12,a21,a22),b(b11,b21),c(c11,c12)をそれぞれ検索することで算出する。
図9フロー・チャートの説明に戻ると、次いでS208に進み、S202で検索された差圧最終値にS204,S206で検索された係数をそれぞれ乗じてLC差圧制御値を算出する。
図4フロー・チャートの説明に戻ると、次いでS26に進み、算出されたLC差圧制御値となるようにLC指令電流値(前記したLCICMD)を算出する。
この実施例にあっては上記の如く、ロックアップクラッチLCを有するトルクコンバータ12を介して車両に搭載されたエンジンEの出力を入力して変速する自動変速機(トランスミッション)T/Mの制御装置(ECU80)において、予め求められた特性に従って前記ロックアップクラッチの目標スリップ量を算出する目標スリップ量算出手段(S14)と、前記算出された目標スリップ量となるように前記ロックアップクラッチLCへの供給油圧(LC差圧)と前記供給油圧によって前記ロックアップクラッチLCに実際に発生する伝達トルクとの関係に基づいて予め設定された遅れ特性に従って前記ロックアップクラッチLCへの供給油圧を算出し(S24,S200からS208)、前記算出された供給油圧となるように油圧制御値を算出する油圧制御手段(S26からS30)とを備えると共に、前記油圧制御手段は過渡状態時には前記油圧制御値を算出する(S206)如く構成したので、油圧制御値に対するロックアップクラッチLCの伝達トルクTLCの遅れを考慮することができ、よって制御時間の間延びやショックの発生を防止しつつ、制御の応答性を上げることができる。
即ち、ロックアップクラッチLCへの供給油圧とそれによって実際に発生する伝達トルクとの関係に基づいて予め設定された遅れ特性に従ってロックアップクラッチLCへの供給油圧を算出し、算出された供給油圧となるように油圧制御値を算出することで、油圧制御値に対して実際に発生するロックアップクラッチLCの伝達トルクTLCに遅れがあるときも、その遅れを吸収するように油圧制御値を算出することができ、よって制御時間の間延びやショックを生じることなく、最適な応答性でロックアップクラッチLCの動作を制御することができる。さらに、エンジンEの回転が吹き上がらず、目標係合(ON)時間を短くできることから、クルーズ走行が増加して大幅な燃費向上が可能となる。
また、前記油圧制御手段は、予め実験を通じて求められた前記油圧制御値と前記油圧制御値によって前記ロックアップクラッチLCに実際に発生する油圧の元圧であるライン圧(ライン圧指令値PL)との関係に基づいて設定された特性に従って前記油圧制御値を補正する如く構成したので、上記した効果に加え、油圧制御値を一層適正な値とすることができる。
また、前記予め設定された遅れ特性が、エンジンの回転数および自動変速機の油温とに基づく係数を用いた2次遅れ系モデルで近似されてなる(S206。図13)如く構成したので、上記した効果に加え、油圧制御値を一層適正に算出することができる。
尚、上記において、この発明を平行軸式の自動変速機を例にとって説明したが、この発明はプラネタリ型の自動変速機にも妥当する。
T/M 自動変速機(トランスミッション)、E エンジン(内燃機関)、O 油圧回路、12 トルクコンバータ、L ロックアップ機構、LC ロックアップクラッチ、LC1 背圧室、LC2 内圧室、14,16,18,20,22,24,28,30,32,34,36,42 ギヤ、Cn 油圧クラッチ(摩擦係合要素)、55 DBW機構、58 車速センサ、60 クランク角センサ、62 絶対圧センサ、64,66 回転数センサ、76 アクセル開度センサ、80 電子制御ユニット(ECU)

Claims (1)

  1. ロックアップクラッチを有するトルクコンバータを介して車両に搭載されたエンジンの出力を入力して変速する自動変速機の制御装置において、予め求められた特性に従って前記ロックアップクラッチの目標スリップ量を算出する目標スリップ量算出手段と、前記算出された目標スリップ量となるように前記ロックアップクラッチへの供給油圧と前記供給油圧によって前記ロックアップクラッチに実際に発生する伝達トルクとの関係に基づいて予め設定された遅れ特性に従って前記ロックアップクラッチへの供給油圧を算出し、前記算出された供給油圧となるように油圧制御値を算出する油圧制御手段とを備え、前記油圧制御手段は、予め実験を通じて求められた前記油圧制御値と前記油圧制御値によって前記ロックアップクラッチに実際に発生する油圧の元圧であるライン圧との関係に基づいて設定された特性に従って前記油圧制御値を補正し、前記予め設定された遅れ特性が、前記エンジンの回転数および前記自動変速機の油温とに基づく係数を用いた2次遅れ系モデルで近似されてなることを特徴とする自動変速機の制御装置。
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