JP5442303B2 - 板状ワークの加工装置 - Google Patents

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Description

本発明は、複数の分割予定ラインが形成された板状のワークの該分割予定ラインにレーザ光を走査して割断部を形成する工程を含む加工装置に係り、特に、分割予定ラインの長さが異なるワークに好適な技術に関する。
例えば半導体デバイス製造工程においては、円板状の半導体ウェーハの表面に格子状の分割予定ラインによって多数の矩形領域を区画し、これら矩形領域の表面にICやLSI等の電子回路を形成し、次いで裏面を研削した後に研磨するなど必要な処理をしてから、全ての分割予定ラインを切断する、すなわちダイシングして、多数の半導体チップを得ている。このようにして得られた半導体チップは、樹脂封止によりパッケージングされて、携帯電話やPC(パーソナル・コンピュータ)等の各種電気・電子機器に広く用いられている。
半導体ウェーハのダイシングは、高速回転させた切削ブレードを分割予定ラインに切り込ませていく方法が一般的であったが、近年では、レーザ光の照射によるレーザダイシングも試みられている。レーザダイシングとしては、ウェーハを溶融するアブレーション加工により分割予定ラインを完全に切断する他に、分割予定ラインの強度を脆弱化させて割断部を形成し、次いで外力を付与することにより分割予定ラインに沿ってウェーハを割断するといった手法が提案されている。
レーザ光照射によって分割予定ラインに割断部を形成するには、分割予定ラインを完全に切断するのではなく、特許文献1に記載されるように片面側に溝を形成するといった手法がある。また、特許文献2には、ウェーハを溶融するのではなく、レーザ光の集光点をウェーハの内部に合わせて照射し、分割予定ラインに沿って脆弱化した変質層を割断部として形成することが記載されている。
特開平10−305420号公報 特許第3408805号公報
ところで、ワークの加工時間を短縮するといったことは常に要求される課題であり、このため、少しでも効率の良い加工方法の提案が希望されている。
本発明は、これらの事実に鑑みて成されたものであって、その主な技術的課題は、ワークの加工時間を短縮して生産性の向上が図られる板状ワークの加工方法を実施し得る加工装置を提供することを目的としている。
本発明の板状ワークの加工装置は、長さが異なる複数の分割予定ラインが形成された板状のワークを、分割予定ラインに外力を付与することにより該分割予定ラインに沿って分割するために、集光したレーザ光を該分割予定ラインに沿って走査させることにより割断部を形成する加工装置であって、ワークを保持する保持手段と、該保持手段に保持されたワークにレーザ光を照射するレーザ光照射手段と、保持手段とレーザ光照射手段とを、該保持手段に保持されたワークの加工面と平行方向に相対移動させて、レーザ光をワークに走査させる走査手段と、レーザ光走査制御手段とを備えており、該レーザ光走査制御手段は、ワークの厚さと、該ワークにおける全ての分割予定ラインの長さとを認識し、認識したワークの厚さと各分割予定ラインの長さとに基づいて、各分割予定ラインに対応したレーザ光の走査回数を各分割予定ラインごとに割り当て、各分割予定ラインに、割り当てられた走査回数だけレーザ光が走査されるように走査手段を作動させることを特徴としている。本発明によれば、分割予定ラインの長さに対応したレーザ光の走査回数を各分割予定ラインに割り当てて実行することができ、このため、1つのワークに対するレーザ光の走査回数を必要最小限に抑えることができ、加工時間を短縮させることができる。
なお、本発明で言うワークは特に限定はされないが、例えばシリコンウェーハ等の上記半導体ウェーハや、チップ実装用としてウェーハの裏面に設けられるDAF(Die Attach Film)等の粘着部材、半導体製品のパッケージ、セラミックやガラス系あるいはサファイア(Al)系の無機材料基板、液晶表示装置を制御駆動するLCDドライバ等の各種電子部品、さらには、ミクロンオーダーの精度が要求される各種加工材料等が挙げられる。
本発明によれば、分割予定ラインの長さに対応したレーザ光の走査回数を各分割予定ラインに割り当てて実行するため、1つのワークに対するレーザ光の走査回数を必要最小限に抑えることができる。したがって、レーザ光照射を効率的に行うことができ、結果として加工時間の短縮ならびに生産性の向上が図られるといった効果を奏する。
ワークを示す斜視図であって、(a)はワーク単体、(b)はワークが粘着テープを介してフレームに支持されている状態を示している。 レーザ加工によりワークに形成する割断部の形態を示す断面図であり、(a)は溝からなる割断部、(b)は変質層からなる割断部を示している。 本発明の一実施形態に係るレーザ加工装置の全体斜視図である。 同装置の背面側の全体斜視図である。 レーザ加工ユニットの斜視図および制御手段の構成を示すブロック図である。 制御手段によるレーザ加工の制御手順を示すフローチャートである。
以下、図面を参照して本発明の一実施形態を説明する。
(1)ワーク
図1(a)は一実施形態に係るワークの一例を示している。このワーク1は、円板状の半導体ウェーハが割れて1/4程度の部分が欠損したものであり、概ねC字状を呈している。ワーク1の表面(加工面)には多数の直線状の分割予定ライン2が格子状に形成されており、分割予定ライン2で区画された矩形状領域がチップ3として区画されている。これらチップ3の表面には、図示せぬICやLSI等の電子回路が形成されている。分割予定ライン2は、元々円板状の半導体ウェーハの周縁間にわたって形成されており、隣り合う分割予定ライン2どうしは等間隔をおいて平行であり、一方向と他方向に延びる分割予定ライン2は互いに直交している。
ワーク1は、図3および図4に示す一実施形態のレーザ加工装置10により、全ての分割予定ライン2にレーザ光が照射されて割断部を形成するといったレーザ加工が施される。この場合の割断部は、図2(a)に示すように、アブレーション加工により分割予定ライン2の表面側に形成する溝8や、図2(b)に示すように、レーザ光の集光点をワーク1の内部に合わせて照射することにより形成する脆弱化した変質層5といった形態が挙げられる。
ワーク1がレーザ加工装置10に供給される際には、図1(b)に示すように、環状のフレーム4の内側に粘着テープ5を介して支持された状態とされる。フレーム4は、金属等の板材からなる剛性を有するものである。粘着テープ5は片面が粘着面とされたもので、その粘着面にフレーム4とワーク1が貼着される。粘着テープ5を介してワーク1を支持したフレーム4(以下、ワーク付きフレーム6と称する)は、図3に示すワーク収納用のカセット11内に、ワーク1を上側にした状態で収納される。カセット11には、多数のワーク付きフレーム6が水平、かつ上下方向に積層されて収納される。なお、カセット11に収納されるワーク1は図1に示したような形状のものに限らず、例えば形状の異なる割れた半導体ウェーハなど、分割予定ライン2の長さが異なる異形のものが収納される。
(2)レーザ加工装置
(2−1)装置の構成
図3は一実施形態のレーザ加工装置10の全体を示しており、図4は背面側を示している。該装置10は、図1に示したようなワーク1を自動制御でレーザダイシングする装置である。
図3および図4で符号12はキャビネットである。このキャビネット12の内部には、図5に示すレーザ加工ユニット40が収容されている。キャビネット12の、図3でY方向手前側の壁面には、タッチパネル式の操作表示盤13が設けられており、レーザ加工の自動運転に係わる各種設定などが、この操作表示盤13を利用して行われる。また、操作表示盤13には、内部の運転状況を表示する機能なども付加されている。操作表示盤13の上方には、運転状態を表示したり警告を発したりする表示灯14が取り付けられている。
キャビネット12の側面12aには、基台15が併設されている。この基台15上には、Y方向手前から奥側に向かって、ワーク着脱ステージ16、分割予定ライン検出装置20、スピンナ式の洗浄装置30が配設されている。
ワーク着脱ステージ16には、レーザ加工ユニット40が備えるチャックテーブル(保持手段)46が位置付けられる。チャックテーブル46はワーク着脱ステージ16とキャビネット12内に設定される加工位置との間をX方向に往復移動させられる。ワーク1は、ワーク着脱ステージ16に位置付けられたチャックテーブル46上に着脱される。
基台15のY方向手前側には、カセット台17が配設されている。多数のワーク付きフレーム6が収納された上記カセット11は、カセット台17にセットされる。カセット台17は昇降可能なエレベータ式であり、昇降することによってカセット11内の1つのワーク付きフレーム6が、所定高さの引き出し位置に位置付けられるようになっている。
分割予定ライン検出装置20は、水平にされたワーク1を撮像する撮像部21を備えている。分割予定ライン検出装置20では、撮像部21で撮像されたワーク1の形状から各分割予定ライン2の位置が検出されるとともに、各分割予定ライン2の長さが検出される。検出された各分割予定ライン2の長さ情報は、後述する制御手段(レーザ光走査制御手段)70に供給される。
ワーク1の形状は、ワーク1を透過する下からの光を撮像部21で撮像したり、あるいはワーク1に光を反射させてワーク1自体の像を撮像部21が撮像したりすることによって検出される。一方、撮像部21により分割予定ライン2の角度も撮像し、撮像した分割予定ライン2の角度およびワーク1の形状を画像処理して、各分割予定ライン2の長さを検出することができる。これは分割予定ライン検出装置20による各分割予定ライン2の長さ検出方法の一例であり、他の適宜な画像処理方法によっても各分割予定ライン2の長さを検出することができる。また、該装置20内でのワーク1の向きとワーク1上の分割予定ライン2の位置等が予め判っており、ワーク1が割れたものであっても割れる前のワーク1の外周部が一部残されている場合等、一定の条件下においては、割れたワーク1の外周の輪郭を取得するだけでも各分割予定ライン2の長さを検出することが可能である。
上記洗浄装置30は、レーザ加工されたワーク1を洗浄するもので、ワーク付きフレーム6がセットされる負圧チャック式のスピンナテーブル31と、図示せぬ洗浄水噴射ノズルとを備えている。レーザ加工されたワーク1は、フレーム4に支持されたままスピンナテーブル31に載置され、吸着、保持される。そして、スピンナテーブル31が基台15内に下降してから回転し、回転するワーク1の上面に洗浄水噴射ノズルから洗浄水が噴射されることによりワーク1は洗浄される。所定の洗浄時間が経過したら洗浄水の噴射は停止し、引き続きスピンナテーブル31が回転することによりワーク1は乾燥処理され、これによって洗浄が完了となる。
次に、図5によりキャビネット12内のレーザ加工ユニット40を説明する、
図5の符号41はベースであり、このベース41上に、XY移動テーブル(走査手段)42が、X・Y方向に移動自在に設けられている。このXY移動テーブル42の上に上記チャックテーブル46が設置されており、XY移動テーブル42がX方向やY方向に移動することにより、レーザ光照射手段50のレーザ光照射部52からワーク1の分割予定ライン2に沿ってレーザ光が走査されるようになっている。
XY移動テーブル42は、ベース41上にX方向に移動自在に設けられたX軸スライダ43と、このX軸スライダ43上にY方向に移動自在に設けられたY軸スライダ44との組み合わせで構成されている。X軸スライダ43は、ベース41上に固定されたX方向に延びる一対の平行なガイドレール431に摺動自在に取り付けられており、モータ432でボールねじ433を作動させるX軸駆動機構434によってX方向に移動させられる。一方、Y軸スライダ44は、X軸スライダ43上に固定されたY方向に延びる一対の平行なガイドレール441に摺動自在に取り付けられており、モータ442でボールねじ443を作動させるY軸駆動機構444によってY方向に移動させられる。
Y軸スライダ44の上面には、円筒状のテーブルベース45が固定されており、このテーブルベース45の上に、円板状のチャックテーブル46がZ軸方向(上下方向)を回転軸として回転自在に支持されている。チャックテーブル46は、ワーク1を空気吸引作用により水平な上面に吸着して保持する一般周知の負圧チャック式のものである。チャックテーブル46は、テーブルベース45内に収容された図示せぬ回転駆動機構によって一方向または両方向に回転させられる。
チャックテーブル46の周囲には、フレーム4を着脱自在に保持する複数のクランプ47が配設されている。これらクランプ47は、チャックテーブル46の外周部に、フレーム4の外径に対応可能なように径方向に移動可能に取り付けられている。なお、クランプ47は図3に示すように4つ設けられており、図4および図5では図示を2つに省略している。
図3に示すように、チャックテーブル46の周囲は、矩形状のカバープレート48によって覆われている。このカバープレート48は、テーブルベース45によって支持されており、チャックテーブル46と一体にX方向に移動する。そしてカバープレート48のX方向の両端部には、下方への加工屑等の落下を防ぐ蛇腹状のカバー49、がカバープレート48のX方向への移動に追従して伸縮可能に取り付けられている。
この場合のXY移動テーブル42においては、X軸スライダ43がX方向に移動することにより、レーザ光が分割予定ライン2に沿って走査される。そして、Y軸スライダ44がY方向に移動することにより、レーザ光を走査させる対象の分割予定ライン2を切り替える割り出しがなされる。なお、レーザ光の走査方向と割り出し方向は、この逆、つまりY方向が走査方向、X方向が割り出し方向に設定されてもよく、限定はされない。
次に、レーザ光照射手段50を説明する。レーザ光照射手段50は、チャックテーブル46の上方に向かってY方向に延びる直方体状のケーシング51を有しており、このケーシング51の先端に、下方に向けてレーザ光を照射する上記レーザ光照射部52が設けられている。ケーシング51は、ベース41の上面に立設されたコラム41aに鉛直方向(Z軸方向)に沿って上下動自在に設けられており、コラム41a内に収容された図示せぬ上下駆動機構によって上下動させられる。
ケーシング51内には、図示はしないが、レーザ光照射手段50の構成要素として、パルスレーザ発振器、このパルスレーザ発振器が発振したレーザ光の出力(パルスエネルギー)を調整する出力調整手段などが収容されている。
ケーシング51の先端であってレーザ光照射部52の隣には、撮像手段60が配設されている。この撮像手段60は、レーザ光照射部52から照射されるレーザ光の照射領域を撮像して検出するものであり、ワーク1を照明する照明手段や光学系、光学系で捕らえられた像を撮像するCCD等からなる撮像素子等を備えている。この撮像手段60で撮像された画像情報は、制御手段70に供給される。
その制御手段70はコンピュータによって構成されており、制御プログラムにしたがって演算処理するCPU(中央処理装置)71と、制御プログラム等を格納するROM(リード・オンリー・メモリ)72と、記憶すべき情報や演算結果等を格納する読み書き可能なRAM(ランダム・アクセス・メモリ)73と、カウンタ74と、入力インターフェイス75と、出力インターフェイス76とを備えている。
制御手段70のCPU71には、入力インターフェイス75を介して、X軸スライダ43の位置情報に基づくレーザ光の走査量の情報X1と、Y軸スライダ44の位置情報に基づく割り出し量の情報Y1と、チャックテーブル46の回転角度情報C1と、レーザ光照射手段50のレーザ光照射情報L1と、撮像手段60からの画像情報M1等が供給される。そして、CPU71からは、出力インターフェイス76を介して、X軸スライダ43を移動させるモータ432と、Y軸スライダ44を移動させるモータ442と、チャックテーブル46の回転駆動機構が備えるモータ等の駆動源と、レーザ光照射手段50と、撮像手段60等に、制御信号X2,Y2,C2,L2,M2等が、それぞれ供給される。
また、CPU71は、ワーク1の厚さと分割予定ライン2の長さとに基づいて、1本の分割予定ライン2に対しての割断部を形成するために必要なレーザ光の走査回数を設定した走査回数マップを、予め作成している。また、CPU71には、予めワーク1の厚さ情報が供給される。ワーク1の厚さ情報は、例えば上記操作表示盤13を利用してオペレータが入力するなどの方法で供給される。これら走査回数マップおよびワークの厚さ情報はRAM73に格納される。なお、本実施形態では走査回数マップを例として挙げているが、ワーク1の厚さと分割予定ライン2の長さ等の情報を所定の計算式にあてはめて計算した数値を走査回数として求め、該走査回数を分割予定ライン2ごとに割り当てる等、他の方法を用いてもよい。
さらにCPU71には、入力インターフェイス75を介して、上記のように分割予定ライン検出装置20で検出された各分割予定ライン2の長さ情報が供給される。そしてCPU71は、供給されたワーク1の厚さ情報と各分割予定ライン2の長さ情報とに基づいて、長さが異なる各分割予定ライン2へのレーザ光の必要最低限の走査回数を、作成してある上記走査回数マップから割り当てる。この場合の必要最低限の走査回数とは、分割予定ライン2の強度が割断可能となるまで低下して適切な割断部が形成され得る走査回数ということである。すなわち走査回数は、分割予定ライン2が比較的短いものであれば少なく、比較的長いものであれば多くなる。
ここで、表1にワーク1の厚さおよび分割予定ライン2の長さに対応したレーザ光の走査回数マップの一例を示す。表1のマップでは、例えばワーク1の厚さが150μm、分割予定ライン2の長さが3.5cmであった場合には、当該の分割予定ライン2へのレーザ光の走査回数は5回となる。
Figure 0005442303
(2−2)装置の全体動作
一実施形態のレーザ加工装置10は以上の構成を備えており、次いで、本装置10によるワーク1の処理工程の全体の流れを、図3を参照して説明する。
多数のワーク付きフレーム6が収納されたカセット11がカセット台17に載置された状態で該カセット台17が昇降し、1枚のワーク付きフレーム6が上記引き出し位置に位置付けられると、そのワーク付きフレーム6は、アーム81の先端のクランプ82で把持される。そして、アーム81がキャビネット12の側面12aに設けられたガイド83に沿って移動することにより、ワーク付きフレーム6は、Y方向奥側に水平に引き出され、X方向に離間する一対の位置決めバー84上にフレーム4が載った状態で、さらにY方向奥側に移動させられる。位置決めバー84は、ワーク着脱ステージ16の上方から分割予定ライン検出装置20にわたってY方向に延びており、X方向に同期して互いに近付いたり離れたりすることによりワーク付きフレーム6のX方向の位置決めをなすものである。
ワーク付きフレーム6は分割予定ライン検出装置20まで移動させられ、ワーク1が、撮像部21の下方であって該撮像部21の撮像領域内に位置付けられる。ここで、分割予定ライン検出装置20により上記のようにしてワーク1の各分割予定ライン2の長さ情報が検出される。
各分割予定ライン2の長さが検出されたワーク付きフレーム6は、続いて、アーム81がカセット11方向に戻ることにより、フレーム4が位置決めバー84上に載った状態で同方向に移動させられる。そして、ワーク着脱ステージ16上において、ワーク着脱ステージ16に位置付けられたチャックテーブル46と同心状に位置決めされる。
次いで、ワーク1の分割予定ライン2にレーザ光を照射するレーザ加工に移る。それにはまず、ワーク付きフレーム6を吸着、保持したチャックテーブル46がワーク着脱ステージ16からキャビネット12内の加工位置に移動する。そしてこの加工位置で、レーザ加工ユニット40によりワーク1の分割予定ライン2にレーザ光が照射されて割断部が形成される。割断部は、図2に示したように溝8や変質層9などである。レーザ加工ユニット40による割断部の形成工程に関しては、後で詳述する。
ワーク1へのレーザ加工が終了したら、チャックテーブル46がワーク着脱ステージ16に戻り、次いで、ワーク付きフレーム6は上記洗浄装置30で洗浄される。それにはまず、フレーム4が、上下方向(Z方向)に伸縮するアーム85の先端の吸着パッド86によって吸着、保持される。続いて、アーム85がキャビネット12の側面12aに設けられたガイド87に沿ってY方向奥側に移動した後、アーム85が下方に伸び、ワーク付きフレーム6が洗浄装置30のスピンナテーブル31に吸着、保持される。そして、スピンナテーブル31が基台15内に下降してから回転し、上記のように洗浄水の噴射による洗浄と、続いての乾燥処理が行われる。
ワーク1の洗浄が終了したらスピンナテーブル31が上昇し、次いでワーク付きフレーム6は、アーム88の先端の吸着パッド89に吸着、保持され、アーム88がキャビネット12の側面12aに設けられたガイド90に沿ってY方向手前側に移動した後、アーム88が下方に伸びることにより、上記位置決めバー49に再び載置される。この後は、フレーム4がクランプ82で把持され、アーム81がガイド83に沿ってY方向手前側に移動し、ワーク付きフレーム6はカセット11内に再び収納される。
以上の一連の動作が、カセット11内の全てのワーク1に対して遂行される。そして、カセット11内のワーク1が全てレーザ加工されたものになったら、カセット11は、次のワーク分割工程に搬送される。ワーク分割工程では割断部が形成された分割予定ライン2に外力が付与され、これによってワーク1は多数のチップ3に分割される。ワーク1への外力付与手段は任意のものが選択されるが、例えば特開2008−140874号公報に開示されているテープ拡張装置は、粘着テープ5を介してフレーム4に支持されたワーク1を分割する手段として好適である。また、この他には、特開2005−86161号公報に開示されているように、棒状の押圧部材を分割予定ライン2に押し当ててワーク1を物理的に割るといった手法を用いてもよい。
(2−3)レーザ加工ユニットによる割断部の形成工程
次に、レーザ加工ユニット40による割断部の形成工程を説明する。
チャックテーブル46がワーク着脱ステージ16からキャビネット12内に移動することによりワーク1が加工位置に搬送されたら、撮像手段60で分割予定ライン2が撮像される。そして制御手段70は、撮像手段60で撮像された画像から分割予定ライン2の座標位置を認識してアライメント(分割予定ライン2をレーザ光の走査方向に一致させる調整作業)を行うとともに、上記のようにして設定した走査回数マップと各分割予定ライン2を照合する。なお、上記アライメントを行うための画像情報としては、撮像手段60による画像の代わりに、可能であれば、上記分割予定ライン検出装置20で撮像された画像を利用してもよい。その場合には、撮像手段60によるワーク1の撮像が省略される。
次に、レーザ光照射部52から照射したレーザ光を、各分割予定ライン2に対し、各分割予定ライン2に割り当てられた走査回数だけ走査しながら照射し、全ての分割予定ライン2に割断部を形成する。
レーザ光の走査は、まず、一方向に延びる複数の分割予定ライン2をX方向と平行にした状態で、X軸スライダ43をX方向に移動させて当該の分割予定ライン2に割り当てられた回数のレーザ光の走査を行い、次いでY軸スライダ44をY方向に移動させる割り出しを行って隣りの分割予定ライン2にレーザ光を走査させるといった動作を、交互に繰り返す。これにより、一方向に延びる全ての分割予定ライン2にレーザ光を照射して割断部を形成する。
続いて、チャックテーブル46を90°回転させて一方向に直交する他方向に延びる分割予定ライン2をX方向と平行にし、この後、同様にして他方向に延びる全ての分割予定ライン2にレーザ光を走査させる。1本の分割予定ライン2に対しての複数回にわたるレーザ光の走査は、往復または一方向への走査の繰り返しのいずれかでなされる。
ここで、主に制御手段70によるワーク1へのレーザ光の走査に関する制御の過程をまとめると、図6のようになる。まずはじめに、予めワーク1の厚さと分割予定ライン2の長さとに基づいて、1本の分割予定ライン2に対しての適切な割断部を形成するために必要なレーザ光の走査回数を設定した走査回数マップを作成する(ステップS1:走査回数マップ作成工程)。次いで、ワーク1の厚さの入力を受けて該厚さを取得する(ステップS2:厚さ取得工程)次いで、分割予定ライン検出装置20で検出された全ての分割予定ライン2の長さ情報の供給を受け、全ての分割予定ライン2の長さを取得する(ステップS3:分割予定ライン長さ取得工程)。
次いで、取得したワーク1の厚さと各分割予定ライン2の長さとに基づいて、作成した走査回数マップから各分割予定ライン2に対応したレーザ光の走査回数を選択し、該走査回数を該当する各分割予定ライン2ごとに割り当てる(ステップS4:走査回数割り当て工程)。次に、実際にワーク1の分割予定ライン2にレーザ光照射部52から各分割予定ライン2にレーザ光を照射して割断部を形成するが、この時、各分割予定ライン2には、割り当てられた走査回数だけレーザ光を走査させる(ステップS5:レーザ光走査工程)。
この後は、洗浄装置30による洗浄工程(ステップS6)を経てから、分割予定ライン2に外力を付与して割断部が形成された分割予定ライン2を割断させるワーク分割工程(ステップS7)を行って、複数のチップを得る。
上記一実施形態によれば、ワーク1の分割予定ライン2にレーザ加工で割断部を形成するにあたっては、分割予定ライン2の長さに対応したレーザ光の走査回数を各分割予定ライン2に割り当てて実行するため、レーザ光の走査回数を必要最小限に抑えることができる。
例えば、図1に示したワーク1においては、円形状であった場合の中心から離れていて割れた断面に一端部が臨んでいる短い分割予定ライン2aは、中心付近を通っている分割予定ライン2bと比べると極端に短い。この短い分割予定ライン2aに長い分割予定ライン2bと同じ走査回数でレーザ光を照射することは、割断部として適切な強度に低下したにもかかわらず、さらにレーザ光が照射されることになり、走査回数は過剰となって割断部の強度が必要以上に低下する。ところが本実施形態では、分割予定ライン2ごとに長さに応じた走査回数を割り当ててレーザ光を走査させるので、分割予定ライン2の長さに応じた適切な強度の割断部が形成されるのである。
したがって、1つのワークに対するレーザ光の走査回数を必要最小限に抑えることができてレーザ光照射を効率的に行うことができ、結果として加工時間の短縮ならびに生産性の向上が図られる。また、無駄なレーザ光照射が行われないので消費エネルギーを抑えることができ、コストの低減も図られる。
なお、上記一実施形態では異形状のワーク1を対象としているが、本装置10では、通常の円形状の半導体ウェーハや矩形状の基板等、定形や異形にかかわらずワークとして処理することができ、とりわけ分割予定ラインの長さが大きく異なるワークに有効な装置である。
1…ワーク
2…分割予定ライン
8…溝(割断部)
9…変質層(割断部)
10…レーザ加工装置
42…XY移動テーブル(走査手段)
46…チャックテーブル(保持手段)
50…レーザ光照射手段
70…制御手段(レーザ光走査制御手段)

Claims (1)

  1. 長さが異なる複数の分割予定ラインが形成された板状のワークを、前記分割予定ラインに外力を付与することにより該分割予定ラインに沿って分割するために、集光したレーザ光を該分割予定ラインに沿って走査させることにより割断部を形成する加工装置であって、
    前記ワークを保持する保持手段と、
    該保持手段に保持された前記ワークに前記レーザ光を照射するレーザ光照射手段と、
    前記保持手段と前記レーザ光照射手段とを、該保持手段に保持された前記ワークの加工面と平行方向に相対移動させて前記レーザ光を前記ワークに走査させる走査手段と、
    レーザ光走査制御手段とを備えており、
    該レーザ光走査制御手段は、
    前記ワークの厚さと、該ワークにおける全ての前記分割予定ラインの長さとを認識し、
    認識した前記ワークの厚さと各分割予定ラインの長さとに基づいて、各分割予定ラインに対応した前記レーザ光の走査回数を各分割予定ラインごとに割り当て、
    各分割予定ラインに、割り当てられた走査回数だけ前記レーザ光が走査されるように前記走査手段を作動させること
    を特徴とする板状ワークの加工装置。
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