JP5441906B2 - 再生信号評価方法、再生信号評価装置及びこれを備えた光ディスク装置 - Google Patents

再生信号評価方法、再生信号評価装置及びこれを備えた光ディスク装置 Download PDF

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Description

本発明は、PRML信号処理方式を用いた再生信号評価方法、再生信号評価装置及びこれを備えた光ディスク装置に関する。
近年、光ディスク媒体の高密度化により、記録マークの最短マーク長が光学的な分解能の限界に近づき、符号間干渉の増大およびSNR(Signal Noise Ratio)の劣化がより顕著となり、信号処理方法として、PRML(Partial Response Maximum Likelihood)方式等を用いることが一般的になりつつある。
PRML方式は、パーシャルレスポンス(PR)と最尤復号(ML)とを組み合わせた技術であり、符号間干渉が起こることを前提に再生波形から最も確からしい信号系列を選択する既知の方式である。このため、従来のレベル判定方式よりも復号性能が向上することが知られている(例えば、非特許文献1参照)。
一方、信号処理方式がレベル判定方式からPRML方式へ移行することで、再生信号の評価方法に課題が出てきた。従来から用いられてきた再生信号評価指標であるジッタは、レベル判定方式の信号処理を前提としている。このため、ジッタが、レベル判定方式とは信号処理のアルゴリズムが異なるPRML方式の復号性能との相関がない場合が出てきた。そこで、PRML方式の復号性能と相関のある新たな指標が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
また、光ディスクの記録品質に非常に重要な、マークとスペースとの位置ずれ(エッジずれ)を検出することができる新たな指標も提案されている(例えば、特許文献3参照)。この指標もPRML方式を用いる場合は、PRML方式の考え方に則し、PRMLの性能と相関のあるものであり、かつ、パターンごとのエッジのずれ方向と量とを定量的に表現できなければならない。
光ディスク媒体の高密度化がさらに進むと、符号間干渉およびSNR劣化の問題もより顕著となる。この場合、高次のPRML方式を採用することにより、システムマージンを維持することが可能となる(例えば、非特許文献1参照)。例えば、直径が12cmであり、記録層1層当たりの記録容量が25GBの光ディスク媒体の場合、PR1221ML方式を採用することで、システムマージンを維持することができたが、記録層1層当たりの記録容量が33.3GBの場合、PR12221ML方式を採用する必要がある。このように、光ディスク媒体の高密度化に比例して、高次のPRML方式を採用する傾向は続くと予想される。
特開2003−141823号公報 特開2004−213862号公報 特開2004−335079号公報 特開2003−51163号公報 特開2003−272304号公報
小川博司、田中伸一監修、「図解 ブルーレイディスク読本」、オーム社、2006年12月10日発行 飯国洋二著、「適応信号処理アルゴリズム」、培風館、2000年7月発行
特許文献1及び特許文献2では「最も確からしい第1の状態遷移列と2番目に確からしい第2の状態遷移列との再生信号との差である差分メトリック」を指標値として用いることが開示されている。
この際、エラーを起こす可能性のある「最も確からしい第1の状態遷移列と2番目に確からしい第2の状態遷移列」が複数パターンある場合には、これらを総合的に統計処理する必要がある。この処理方法については、特許文献1及び特許文献2には開示されていない。特許文献5には、この点に着目して特許文献1及び特許文献2と同様用の方法で検出された「最も確からしい第1の状態遷移列と2番目に確からしい第2の状態遷移列との再生信号との差分メトリック」を複数パターン検出して、このパターン群を処理する方法が開示されている。
特許文献5で用いられているPR12221ML信号処理では、エラーを起こしやすいパターン(ユークリッド距離が比較的小さい合流パスのパターン群)が3種類存在する。このパターン群は、その発生確率と、そのパターンでエラーが発生した際のエラー数が異なるため、特許文献5では、これらのパターンごとに得られる指標値の分布から標準偏差σを求め、パターンの発生確率(全母数に対する発生頻度)と、パターンを間違った際に発生するエラー数から、発生するエラーを予測する方法が開示されている。
特許文献5では、エラーの予測方法として、得られた指標値の分布が正規分布と仮定し、その標準偏差σと分散平均値μとから指標値が0以下となる確率、つまりビットエラーを引き起こす確率を予測する方法が用いられている。しかしながら、これはエラー発生確率を予測する一般的な手法である。特許文献5の予測エラーレート算出方法は、パターンごとに発生確率を求め、予測エラーレートを算出し、この予測エラーレートを信号品質の目安とする点に特徴がある。
しかしながら、特許文献5の方法では、記録信号に記録の歪が発生した場合、正確にエラーレートを予測できないという課題があった。この課題は、光ディスクのような熱記録でデータを記録する場合には、熱干渉による記録歪が発生しやすいため特に顕著となる。また、光ディスクの高密度化に伴い記録ピット間の間隔は更に狭くなるため、熱干渉が増大すると予測され、今後この問題は避けて通れない課題となる。この特許文献5に記載されている予測エラーレート算出方法が記録歪を伴った信号に対して適切に信号品質を評価できない課題について、以下、具体的に説明する。
図21は、特許文献1及び特許文献5で信号指標として用いられている特定のパターンの差分メトリックの頻度分布の一例を示したものである。一般的に、差分メトリックの分布の広がりは、光ディスクで発生するノイズに起因する。光ディスクで発生する再生ノイズはランダムノイズであるために、この分布は、通常このような正規分布となる。この差分メトリックは、「最も確からしい第1の状態遷移列と2番目に確からしい第2の状態遷移列との差分メトリック」として定義されており、理想信号の最も確からしい第1の状態遷移列と2番目に確からしい第2の状態遷移列とのユークリッド距離の2乗(以下、信号処理閾値として定義)を中心とした分布となる。この信号処理閾値を中心とした標準偏差が特許文献1、2及び5で定義されている指標値である。この差分メトリックが0以下になる確率が予測エラーレートに相当する。この予測エラーレートは、この正規分布の累積分布関数の逆関数から求めることが可能である。
図21Aは、記録時の歪が殆ど発生していない場合の分布図であり、図21B及び図21Cは、記録時に記録ピットの記録エッジが熱干渉でずれて記録歪が発生した状態の分布図を示している。熱干渉よって歪が発生すると、特定のパターンの差分メトリックの頻度分布は中心値がシフトした正規分布となる。この中心位置のシフトが熱干渉で発生した歪に相当する。図21B及び図21Cは、分布の中心から一定量のシフトがプラス及びマイナスに発生したケースであり、求まる指標値は同じ値であって、分布の中心がずれたことで指標値は増加する。指標値が増加したことは、エラーが発生する確率が増加したことを意味するが、図21Cでは逆にエラーが減少するという課題が発生する。
これは、図21Bでは分布の中心が0に近い側にずれているために、エラーが発生する確率(差分メトリックが0以下となる確率)は高くなるが、これに反して図21Cでは分布の中心がプラス側にずれているためにエラーが発生する確率は低くなるためである。この逆転現象は、差分メトリックを用いた指標値が0に近づいた場合だけでエラーとなるという性質に由来しており、従来光ディスクで用いていた指標値である時間軸ジッタと大きく異なる点である。従来の時間軸ジッタの場合は、分布の中心位置のずれがプラス、マイナスのどちらにシフトしても共にエラーが増加するために上記課題は発生しない。
また、図21Dに示したようなケースでも上記と同様の課題が発生する。図21Dは、求まった差分メトリックの分布が正規分布となっていないケースである。この様なケースは、記録時の熱干渉が大きく「最も確からしい第1の状態遷移列と2番目に確からしい第2の状態遷移列」の更に前後の記録マークからの熱干渉がある場合に発生する。前後の記録マーク長さの違いによって熱干渉量が異なり記録マーク位置がシフトしたことで、2つの正規分布(分布1と分布2)が重なった差分メトリック分布となる。
分布2は、信号処理閾値よりプラス側にシフトしているためにエラーを起こす確率は低下しているが、信号処理閾値を中心とした標準偏差である指標値は分布2の影響で値が増加する。この場合、図21Cと同様に、指標値が増加してもエラーレートが減少するという課題が発生する。このように、特許文献1及び特許文献5などの従来の技術を熱干渉の大きい高密度の光ディスクの記録品に適応する場合、指標値とエラーレートの相関が悪くなるという課題が発生していた。
この課題に着目した解決案が特許文献4に開示されている。所定のパターン群で得られる差分メトリックが所定の閾値(例えば、信号処理閾値の半分)より小さくなる数をカウントする方法である。このカウント値から予測エラーレートを求める方法についても開示されている。この方法の場合、差分メトリック分布の0に近い側、すなわちエラーを起こす可能性がある側を評価対象として用いるために、前述した特許文献1及び特許文献5の課題は生じない。しかしながら、特定の閾値を用いて、この値を超えた数を計測する構成のため以下の新たな課題が発生する。図21Eを用いてこの課題を説明する。
図21Eは、閾値を信号処理閾値の半分として、この値を超える分布の個数をカウントする例を示している。この閾値以下の場合をカウントしてその値を求め、パターン発生の母数とカウント値の比を信号指標として用いる。このカウント比から差分メトリックの分布が正規分布であると仮定すると、差分メトリックが0より小さくなる確率を求めることができ、予測のエラーレートを算出することができる。図21Fに信号の品質が良いケースでの頻度分布の例を示す(ジッタ8%程度の信号品質)。このようなケースでは、差分メトリックの分布の広がりが狭くなり、閾値を越える数が極端に少なくなる。
図21Fのケースでは、差分メトリック分布の中の約0.2%程度しか計測ができない。このため計測の精度を上げるために長い領域を測定する必要があり、計測の時間が増加したり、計測の安定性が損なわれるという課題があった。更に、光ディスク上に、ディスク製造時の欠陥、傷、又はごみなどがあった場合に、閾値以下にこの欠陥による差分メトリックが発生する(図21Fに図示)。このような場合、正規分布から発生する閾値を超える差分メトリックの数を正しくカウントできないという課題が発生する。従来、光ディスクに用いていた時間軸ジッタは、計測された時間揺らぎの標準偏差を用いており、計測されたデータすべてを用いているために、このようなディスク上の欠陥に強いというメリットがあった。
これに対して、特許文献4で開示されている方法は、従来の時間軸ジッタの有していた欠陥に強いというメリットを持たず、傷や指紋などで欠陥が発生しやすい光ディスクの指標値として用いるには課題があった。特許文献4の方法で、計測数を増加させるには、閾値を大きくして計測できる個数を増加させれば良いが、閾値を大きくすると予測されるエラーレートの精度が低下するという別の課題が発生する。極端な例を上げると、閾値をユークリッド距離の半分まで大きくすると、閾値を超える数は、差分メトリックを計測したサンプル数の半分とるため、分布の広がりに依存しなくなり、正しい計測が不可能となる。この様に、特許文献4の方法は計測された信号の品質によって、測定精度を一定に保つためには閾値の値を調整する必要があり、このような調整は分布の広がり具合がある程度自明な場合は可能であるが、信号の品質が大きく変わるような光ディスクに用いる場合には大きな課題となっていた。
さらに、特許文献4及び特許文献5には差分メトリックから予測されるbERを指標とする方法が開示されているが、これらを指標値として用いる場合、従来光ディスクの信号品質評価指標として用いられていた時間軸のジッタと互換性がなく、扱いが困難であるという課題がある。
本発明は、上記の問題を解決するためになされたもので、情報記録媒体の再生信号の品質を高い精度で評価することができる信号処理方法、再生信号評価装置及びこれを備えた光ディスク装置を提供することを目的とするものである。
本発明の一局面に係る再生信号評価方法は、情報記録媒体から再生された再生信号からPRML信号処理方式を用いて生成された2値化信号に基づいて、当該再生信号の品質を評価する再生信号評価方法であって、前記2値化信号から、ビットエラーを引き起こす可能性のある特定の状態遷移パターンを抽出するパターン抽出ステップと、前記パターン抽出ステップにおいて抽出された状態遷移パターンの前記2値化信号に基づいて、当該2値化信号に対応する最も確からしい第1の状態遷移列の理想信号と前記再生信号との間の第1メトリックと、当該2値化信号に対応する2番目に確からしい第2の状態遷移列の理想信号と前記再生信号との間の第2メトリックとの差分である差分メトリックを算出する差分メトリック算出ステップと、前記差分メトリック算出ステップにおいて算出された前記差分メトリックを積算する第1の積算ステップと、前記第1の積算ステップにおける積算処理回数をカウントする第1のカウントステップと、所定の信号処理閾値以下の前記差分メトリックを抽出する差分メトリック抽出ステップと、前記差分メトリック抽出ステップにおいて抽出された前記信号処理閾値以下の差分メトリックを積算する第2の積算ステップと、前記第2の積算ステップにおける積算処理回数をカウントする第2のカウントステップと、前記第1の積算ステップにおいて積算された積算値と、前記第1のカウントステップにおいてカウントされたカウント値と、前記第2の積算ステップにおいて積算された積算値と、前記第2のカウントステップにおいてカウントされたカウント値とに基づいて予測されるエラーレートを算出するエラーレート算出ステップと、前記エラーレート算出ステップにおいて算出された前記エラーレートに基づいて標準偏差を算出する標準偏差算出ステップと、前記標準偏差算出ステップにおいて算出された前記標準偏差を用いて前記再生信号の品質を評価する評価ステップとを含む。
本発明によれば、記録状態に依存して、差分メトリックの平均値が理想信号の符号距離に一致しない場合において、差分メトリックの平均値が理想信号の符号距離からずれることによって発生する標準偏差の誤差を、算出された差分メトリックの積算値と、差分メトリックの積算処理回数のカウント値とを用いて補正することにより、エラーレートと信号指標値との相関性を向上させ、情報記録媒体の再生信号の品質を高い精度で評価することができる。
本発明の一実施の形態に係る光ディスク装置の概略構成を示すブロック図である。 本発明の他の実施の形態に係る光ディスク装置の構成を示すブロック図である。 本発明の一実施の形態に係るRLL(1,7)記録符号と等化方式PR(1,2,2,2,1)とから定まる状態遷移則を示す図である。 図3に示す状態遷移則に対応するトレリス図である。 表1の遷移パスにおけるサンプル時間と再生レベル(信号レベル)との関係を示す図である。 表2の遷移パスにおけるサンプル時間と再生レベル(信号レベル)との関係を示す図である。 表3の遷移パスにおけるサンプル時間と再生レベル(信号レベル)との関係を示す図である。 本発明の一実施の形態に係るPR(1,2,2,2,1)MLの差分メトリックの分布を示す図である。 本発明の一実施の形態に係るPR(1,2,2,2,1)MLの一ユークリッド距離パターンにおける差分メトリックの分布を示す図である。 本発明の他の実施の形態に係るPR(1,2,2,2,1)MLの各ユークリッド距離パターンにおける差分メトリックの分布を示す図である。 本発明の一実施の形態に係るPR(1,2,2,2,1)MLの差分メトリックの分布図を示す図である。 本発明の一実施の形態に係る信号評価指標値とエラーレートとの関係を示す図である。 本発明のさらに他の実施の形態に係る光ディスク装置の構成を示すブロック図である。 本発明のさらに他の実施の形態に係る光ディスク装置の構成を示すブロック図である。 本発明のさらに他の実施の形態に係る光ディスク装置の構成を示すブロック図である。 図16Aは、実施の形態3,4における差分メトリックの範囲を示す分布図であり、図16Bは、実施の形態5における差分メトリックの範囲を示す分布図である。 図17A及び図17Bは、実施の形態5における標準偏差の計算方法を説明するための図である。 差分メトリックの平均値を変数b(b)とし、変数a(a)と標準偏差σ/2(σ/2)との関係を示した図である。 本発明のさらに他の実施の形態に係る光ディスク装置の構成を示すブロック図である。 図20A及び図20Bは、実施の形態6における標準偏差の計算方法を説明するための図である。 図21Aは、従来の差分メトリックの分布図を示す説明図である。図21Bは、従来の差分メトリックの分布図を示す説明図である。図21Cは、従来の差分メトリックの分布図を示す説明図である。図21Dは、従来の差分メトリックの分布図を示す説明図である。図21Eは、従来の差分メトリックの分布図を示す説明図である。図21Fは、従来の差分メトリックの分布図を示す説明図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。尚、以下の実施の形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
本実施の形態の信号評価指標検出装置は、再生系の信号処理にPRML方式の一例であるPR12221ML方式を採用し、記録符号にRLL(1,7)符号等のRLL(Run Length Limited)符号を用いている。PRML方式は、情報を再生する際に発生する再生歪を修正する波形等化技術と、等化波形自身の持つ冗長性を積極的に利用して、データ誤りを含んでいる再生信号から最も確からしいデータ系列を選択する信号処理技術とを組み合わせた信号処理である。
まず、図3および図4を参照して、PR12221ML方式による信号処理について簡単に説明する。
図3は、RLL(1,7)記録符号とPR12221ML方式とから定まる状態遷移則を示す状態遷移図である。なお、図3では、PRML説明時に一般的に用いられる状態遷移図を示している。図4は、図3に示す状態遷移図を時間軸に関して展開したトレリス図である。
図3の括弧の中に記載されている“0”または“1”は、時間軸上の信号系列を示し、各状態から次の時刻の状態遷移の可能性がどの状態にあるのかを示している。
PR12221ML方式では、RLL(1,7)との組み合わせにより復号部の状態数は10に制限される。PR12221ML方式における状態遷移のパス数は、16となり、再生レベルは、9レベルとなる。
PR12221MLの状態遷移則の説明として、図3の状態遷移図に示すように、ある時刻での状態S(0,0,0,0)をS0、状態S(0,0,0,1)をS1、状態S(0,0,1,1)をS2、状態S(0,1,1,1)をS3、状態S(1,1,1,1)をS4、状態S(1,1,1,0)をS5、状態S(1,1,0,0)をS6、状態S(1,0,0,0)をS7、状態S(1,0,0,1)をS8、状態S(0,1,1,0)をS9というように表記し、10状態を表現する。図3中、括弧の中に記載されている“0”または“1”は、時間軸上の信号系列を示し、ある状態から次の時刻の状態遷移でどの状態になる可能性があるのかを示している。
図4に示すPR12221ML方式の状態遷移において、ある時刻の所定の状態から別の時刻の所定の状態へ遷移するときに2つの状態遷移を取り得るような状態遷移列パターン(状態の組み合わせ)は無数にある。しかしながら、エラーを引き起こす可能性が高いパターンは、判別が難しい特定のパターンに限定される。この特にエラーの発生しやすい状態遷移パターンに着目すると、PR12221ML方式の状態遷移列パターンは、表1、表2及び表3に示すようにまとめることができる。
表1ないし3の各表には、スタート状態から合流した状態の軌跡を示す状態遷移、その状態変移を経由した場合の可能性のある2つの遷移データ列、その状態変移を経由した場合の可能性のある2つの理想的な再生波形、及び2つの理想的な再生波形のユークリッド距離の2乗値を示している。
ユークリッド距離の2乗値は、2つの理想的な再生波形の差の2乗加算を示す。2つの再生波形の可能性を判断するときに、ユークリッド距離の値が大きければ、より区別がつきやすくなるため、間違って判断される可能性が低くなる。一方、ユークリッド距離の値が小さければ、可能性ある2つの波形を区別することが困難となるため、間違って判断される可能性が高くなる。すなわち、ユークリッド距離が大きい状態遷移パターンは、エラーが発生しにくい状態遷移パターンであり、ユークリッド距離が小さい状態遷移パターンは、エラーが発生しやすい状態遷移パターンと言える。
各表において、第1番目の列は、エラーを起こしやすい2つの状態遷移が分岐して再合流する状態遷移(Smk−9→Sn)を示している。第2番目の列は、この状態遷移を発生する遷移データ列(bk−i,・・・,b)を示している。この遷移データ列中のXは、これらのデータの中でエラーを起こす可能性が高いビットを示しており、この状態遷移がエラーと判定された際に、このXの数(表2及び表3の!Xも同様)がエラーの数となる。すなわち、遷移データ列中のXは、1または0となり得る。1または0のうち何れか一方が最も確からしい第1の状態遷移列に対応し、他方が2番目に確からしい第2の状態遷移列に対応する。なお、表2および表3において、!XはXのビット反転を表している。
後に詳細に説明するように、ビタビ復号部による復号処理を行った各復号データ列(2値化信号)を、表1〜表3の遷移データ列と比較(Xはdon't care)し、エラーを起こしやすい最も確からしい第1の状態遷移列と2番目に確からしい第2の状態遷移列とを抽出する。3番目の列は、第1の状態遷移列および第2の状態遷移列を示している。4番目の列は、それぞれの状態遷移を経由した場合の2つの理想的な再生波形(PR等価理想値)を示しており、5番目の列は、この2つの理想信号のユークリッド距離の2乗値(パス間のユークリッド距離の2乗値)を示している。
表1は、2つの状態遷移を取り得る状態遷移パターンを示しており、ユークリッド距離の2乗値が14の場合である状態遷移パターンを示している。ユークリッド距離の2乗値が14の場合である状態遷移列パターンは18種類ある。表1に示す状態遷移列パターンは、光ディスクの波形のエッジ(マークとスペースとの切り替わり)部分にあたる。言い換えると、表1に示す状態遷移列パターンは、エッジの1ビットシフトエラーのパターンである。
図5は、表1の遷移パスにおけるサンプル時間と再生レベル(信号レベル)との関係を示すグラフである。なお、図5のグラフにおいて、横軸は、サンプル時間(記録系列の1時刻ごとにサンプリング)を示し、縦軸は、再生レベルを示す。上述したように、PR12221ML方式では、理想的な再生信号レベルは9レベル(0レベルから8レベル)ある。
一例として、図3で示す状態遷移則における状態S0(k−5)から状態S6(k)に遷移する場合の遷移パスについて説明する(表1参照)。この場合の1つの遷移パスは、記録系列が“0,0,0,0,1,1,1,0,0”と遷移して検出された場合である。再生データの“0”をスペース部分とし、“1”をマーク部分として当該遷移パスを記録状態に置き換えて考えると、記録状態は、4Tスペース以上の長さのスペース、3Tマーク、及び2Tスペース以上の長さのスペースとなる。上記の遷移パスにおけるサンプル時間と再生レベル(信号レベル)との関係をAパス波形として図5に示す。
図5に示す状態遷移則における状態S0(k−5)から状態S6(k)に到る状態遷移パスのうちのもう1つの遷移パスは、記録系列が“0,0,0,0,0,1,1,0,0”と遷移して検出された場合である。再生データの“0”をスペース部分、“1”をマーク部分に置き換えて考えると、5Tスペース以上の長さのスペース、2Tマーク、2Tスペース以上の長さのスペースに該当する。そのパスのPR等価理想波形を図5にBパス波形として示す。この表1のユークリッド距離の2乗値が14である状態遷移パターンは、エッジ情報(ゼロクロス点)が必ず1つ含まれているパターンであることが特徴である。
図6は、表2の遷移パスにおけるサンプル時間と再生レベル(信号レベル)との関係を示すグラフである。なお、図6のグラフにおいて、横軸は、サンプル時間(記録系列の1時刻ごとにサンプリング)を示し、縦軸は、再生レベルを示す。
表2は、表1と同様に2つの状態遷移を取り得る状態遷移パターンを示しており、ユークリッド距離の2乗値が12の場合である状態遷移パターンを示している。ユークリッド距離の2乗値が12の場合である状態遷移パターンは18種類ある。表2に示す状態遷移パターンは、2Tマークまたは2Tスペースのシフトエラーであり、2ビットシフトエラーのパターンである。
この場合、記録系列が“0,0,0,0,1,1,0,0,0,0,0”と遷移する1つのパスが検出され、再生データの“0”をスペース部分、“1”をマーク部分に置き換えて考えると、4Tスペース以上の長さのスペース、2Tマーク、5Tスペース以上の長さのスペースに該当する。そのパスのPR等価理想波形を図6にAパス波形として示す。
一例として、図3で示す状態遷移則における状態S0(k−7)から状態S0(k)に遷移する場合の遷移パスについて説明する(表2参照)。この場合の1つの遷移パスは、記録系列が“0,0,0,0,1,1,0,0,0,0,0”と遷移して検出された場合である。再生データの“0”をスペース部分とし、“1”をマーク部分として当該遷移パスを記録状態に置いて考えると、記録状態は、4Tスペース以上の長さのスペース、2Tマーク、及び5Tスペース以上の長さのスペースとなる。上記の遷移パスにおけるサンプル時間と再生レベル(信号レベル)との関係をAパス波形として図6に示す。
一方、もう一つの遷移パスは、記録系列が“0,0,0,0,0,1,1,0,0,0,0”と遷移して検出された場合である。再生データの“0”をスペース部分とし、“1”をマーク部分として当該遷移パスを記録状態に置き換えて考えると、記録状態は、5Tスペース以上の長さのスペース、2Tマーク、及び4Tスペース以上の長さのスペースとなる。上記の遷移パスにおけるサンプル時間と再生レベル(信号レベル)との関係をBパス波形として図6に示す。この表2のユークリッド距離の2乗値が12である状態遷移パターンは、2Tの立ち上がり及び立ち下りのエッジ情報が必ず2つ含まれているパターンであることが特徴である。
図7は、表3の遷移パスにおけるサンプル時間と再生レベル(信号レベル)との関係を示すグラフである。なお、図7のグラフにおいて、横軸は、サンプル時間(記録系列の1時刻ごとにサンプリング)を示し、縦軸は、再生レベルを示す。
表3は、表1及び表2と同様に2つの状態遷移列を取り得る状態遷移列パターンを示しており、ユークリッド距離の2乗値が12の場合である状態遷移列パターンを示している。ユークリッド距離の2乗値が12の場合である状態遷移列パターンは18種類ある。表3に示す状態遷移列パターンは、2Tマークと2Tスペースとが連続する箇所であり、3ビットシフトエラーのパターンである。
一例として、図3で示す状態遷移則における状態S0(k−9)から状態S6(k)に遷移する場合の遷移パスについて説明する(表3参照)。この場合の1つの遷移パスは、記録系列が“0,0,0,0,1,1,0,0,1,1,1,0,0”と遷移して検出された場合である。再生データの“0”をスペース部分とし、“1”をマーク部分として当該遷移パスを記録状態に置き換えて考えると、記録状態は、4Tスペース以上の長さのスペース、2Tマーク、2Tスペース、3Tマーク、及び2Tスペース以上の長さのスペースとなる。上記の遷移パスにおけるサンプル時間と再生レベル(信号レベル)との関係をAパス波形として図7に示す。
一方、もう一つの遷移パスは、記録系列が“0,0,0,0,0,1,1,0,0,1,1,0,0”と遷移して検出された場合である。再生データの“0”をスペース部分とし、“1”をマーク部分として当該遷移パスを記録状態に置き換えて考えると、記録状態は、5Tスペース以上の長さのスペース、2Tマーク、2Tスペース、2Tマーク、及び2Tスペース以上の長さのスペースとなる。上記の遷移パスにおけるサンプル時間と再生レベル(信号レベル)との関係をBパス波形として図7に示す。この表3のユークリッド距離の2乗値が12である状態遷移列パターンは、エッジ情報が少なくとも3つ含まれているパターンであることが特徴である。
以下に、本発明に係る具体的な実施の形態について詳述する。
(実施の形態1)
本発明の一実施の形態に係る再生信号評価装置を備えた光ディスク装置について、図面を参照し以下に説明する。図1は、実施の形態1の光ディスク装置200の構成を示すブロック図である。
情報記録媒体1は、光学的に情報の記録再生を行うための情報記録媒体であり、例えば光ディスク媒体である。光ディスク装置200は、搭載された情報記録媒体1に対して情報の再生を行う再生装置である。
光ディスク装置200は、光ヘッド部2、プリアンプ部3、AGC(Automatic Gain Controller)部4、波形等化部5、A/D変換部6、PLL(Phase Locked Loop)部7、PR等化部8、最尤復号部9、信号評価指標検出部(再生信号評価装置)100、光ディスクコントローラ部15を備える。
光ヘッド部2は、対物レンズを通過したレーザ光を情報記録媒体1の記録層に収束させ、その反射光を受光して、情報記録媒体1から読み出した情報を示すアナログ再生信号を生成する。プリアンプ部3は、光ヘッド部2によって生成されたアナログ再生信号を所定のゲインで増幅してAGC部4へ出力する。対物レンズの開口数は0.7〜0.9であり、より好ましくは0.85である。レーザ光の波長は410nm以下であり、より好ましくは405nmである。
プリアンプ部3は、アナログ再生信号を所定のゲインで増幅してAGC部4へ出力する。
AGC部4は、プリアンプ部3からのアナログ再生信号が、所定の振幅となるように、A/D変換部6からの出力に基づいて、アナログ再生信号を増幅または減衰させて波形等化部5へ出力する。
波形等化部5は、再生信号の高域を遮断するLPF特性と、再生信号の低域を遮断するHPF特性を有しており、再生波形を所望の特性に整形させてA/D変換部6へ出力する。
A/D変換部6は、PLL部7から出力される再生クロックに同期してアナログ再生信号をサンプリングしてアナログ再生信号をデジタル再生信号へ変換し、PR等化部8へ出力すると共に、AGC部4及びPLL部7へも出力する。
PLL部7は、A/D変換部6からの出力に基づいて、波形等化後の再生信号に同期させる再生クロックを生成し、A/D変換部6に出力する。
PR等化部8は、各種PR方式の特性へフィルタ特性を可変できる機能を有している。PR等化部8は、再生系の周波数特性が最尤復号部9の想定する特性(例えば、PR(1,2,2,2,1)等化特性など)になるように設定された周波数特性となるようにフィルタリングを施し、デジタル再生信号に対して高域雑音の抑制及び意図的な符号間干渉の付加を行うPR等化処理を行って最尤復号部9へ出力する。PR等化部8は、例えば、FIR(有限インパルス応答:Finite Impulse Response)フィルタ構成を備え、LMS(The Least−Mean Square)アルゴリズムを用いて、適応的にタップ係数を制御してもよい(非特許文献2参照)。
最尤復号部9は、例えばビタビ復号器であり、パーシャルレスポンスの型に応じて意図的に付加された符号的規則に基づいて尤も確からしい系列を推定する最尤復号方式を用いている。この最尤復号部9は、PR等化部8でPR等化された再生信号を復号して2値化データを出力する。この2値化データは、復号2値化信号として後段の光ディスクコントローラ部15へ出力され、所定の処理が実行されて情報記録媒体1に記録されている情報が再生される。
次に、本実施の形態に係る信号評価指標検出部100の構成について説明する。信号評価指標検出部100は、パターン検出部101、差分メトリック演算部102、大小判定部103、パターンカウント部104、積算部105、エラー演算部116、及び標準偏差演算部120を備えている。
信号評価指標検出部100には、PR等化部8から出力された波形整形されたデジタル再生信号と、最尤復号部9から出力された2値化信号とが入力される。そして、信号評価指標検出部100においては、2値化信号がパターン検出部101に入力される一方、デジタル再生信号が差分メトリック演算部102に入力され、情報記録媒体1のデジタル再生信号の評価処理が実行されることになる。
パターン検出部101は、2値化信号から、ビットエラーを引き起こす可能性のある特定の状態遷移パターンを抽出する機能を有する。本実施の形態に係るパターン検出部101は、最も確からしい第1の状態遷移列の理想信号と2番目に確からしい第2の状態遷移列の理想信号との間のユークリッド距離の2乗値が14となる特定の状態遷移パターン(すなわち、表1に示される状態遷移パターン)を抽出するようになっている。これを実現するために、パターン検出部101は、表1に示す状態遷移パターンの情報を記憶している。そして、パターン検出部101は、表1の遷移データ列と最尤復号部9から出力された2値化信号とを比較する。この比較の結果、2値化信号が表1の遷移データ列と一致する場合は、当該2値化信号を抽出対象とし、表1の情報に基づいて、当該2値化信号に対応する最も確からしい第1の状態遷移列と2番目に確からしい第2の状態遷移列とを選択する。
そして、差分メトリック演算部102は、パターン検出部101にて抽出された2値化信号に基づいて、「当該2値化信号に対応する最も確からしい第1の状態遷移列の理想信号(PR等化理想値:表1参照)とデジタル再生信号との間の第1メトリック」と、「当該2値化信号に対応する2番目に確からしい第2の状態遷移列の理想信号とデジタル再生信号との間の第2メトリック」との差分の絶対値である「差分メトリック」を演算する。ここで、第1メトリックとは第1の状態遷移列の理想信号とデジタル再生信号との間のユークリッド距離の2乗値であり、第2メトリックとは第2の状態遷移列の理想信号とデジタル再生信号との間のユークリッド距離の2乗値である。
差分メトリック演算部102からの出力は、大小判定部103に入力され、所定の値(信号処理閾値)と比較される。パターンカウント部104は、信号処理閾値以下の差分メトリックの個数をカウントする。このカウント値は、エラーレートを計算する際の各パターン群の発生頻度となる。また、積算部105は、信号処理閾値以下の差分メトリックを積算する。積算部105で求めた積算値をパターンの発生数で割ると、信号処理閾値以下の差分メトリックの平均値を求めることができる。エラー演算部116は、信号処理閾値以下の差分メトリックの各積算値とパターン発生数とから予測エラーレートを算出する。そして、標準偏差演算部120は、このエラーレートに対応する標準偏差を演算し、当該標準偏差を信号品質を評価する信号指標値とする。上記信号評価指標検出部100によるプロセスを以下、詳細に説明する。
PRML処理で情報記録媒体1より再生された再生信号は、上述の通り、最尤復号部9から2値化信号として出力され、信号評価指標検出部100に入力される。この2値化信号から表1の遷移データ列のパターンの何れかを検出すると、第1の状態遷移列及び第2の状態遷移列のPR等化理想値が決定される。例えば、表1において、2値化信号として(0,0,0,0,X,1,1,0,0)が復号された場合、最も確からしい第1の状態遷移列としては、(S0,S1,S2,S3,S5,S6)が選択され、2番目に確からしい第2の状態遷移列としては(S0,S0、S1,S2,S9,S6)が選択される。第1の状態遷移列に対応するPR等化理想値は、(1,3,5,6,5)となる。一方、第2の状態遷移列に対応するPR等化理想値は、(0,1,3,4,4)となる。
次に、差分メトリック演算部102は、再生信号系列(デジタル再生信号)と第1の状態遷移列に対応するPR等化理想値との間のユークリッド距離の2乗値である第1メトリック(Pb14)を求める。同様に、差分メトリック演算部102は、再生信号系列と第2の状態遷移列に対応するPR等化理想値との間のユークリッド距離の2乗値である第2メトリック(Pa14)を求める。さらに、差分メトリック演算部102は、第1メトリック(Pb14)と第2メトリック(Pa14)との差分を絶対値処理し、差分メトリックD14=|Pa14−Pb14|とする。Pb14の演算を式(1)に、Pa14の演算を式(2)に示す。式中、bは第1の状態遷移列に対応するPR等化理想値を示し、aは第2の状態遷移列に対応するPR等化理想値を示し、xは再生信号系列を示す。
図9において、信号処理閾値から大きい領域は、エラーとはならない領域であり、エラーレートを予測するためには不要な領域である。よって、差分メトリックの標準偏差からエラーレートを予測するためには、信号処理閾値以下の領域に着目すればよい。このエラーレートの算出方法について、以下に説明を行う。
差分メトリック演算部102からの出力である差分メトリックD14は、大小判定部103に入力され、所定の値(信号処理閾値)と比較される。本実施の形態では、抽出対象の特定の状態遷移パターンに応じた信号処理閾値が、最も確からしい第1の状態遷移列の理想信号と2番目に確からしい第2の状態遷移列の理想信号との間のユークリッド距離の2乗値である「14」に設定されている。大小判定部103は、差分メトリックD14が信号処理閾値「14」以下であれば、当該差分メトリックD14の値を積算部105へ出力すると共に、パターンカウント部104がカウント値をカウントアップする。積算部105では、信号処理閾値以下の差分メトリックD14が入力される度に、累積的に差分メトリックを積算する。そして、エラー演算部116では、この信号処理閾値以下の差分メトリックの積算値とパターンカウント部104でカウントされたパターン発生数から、予測エラーレートを算出する。このエラー演算部116の動作について、以下に説明する。
積算部105で求めた積算値をパターンカウント部104でカウントされた信号処理閾値以下の差分メトリックの個数(パターンの発生数)で割ると、信号処理閾値以下の差分メトリックの平均値を求めることができる。この信号処理閾値以下の差分メトリックの平均値をM(x)、分布関数の平均値をμ、標準偏差をσ14、確率密度関数をfとし、分布関数が正規分布だと仮定した場合、信号処理閾値以下の差分メトリックの絶対値平均値mは、下式(4)のようになる。
したがって、信号処理閾値以下の差分メトリックの標準偏差σ14と、信号処理閾値以下の差分メトリックの絶対値平均値mとの関係は下式(5)で求められる。
式(4)、式(5)から、信号処理閾値以下の差分メトリックの標準偏差σ14を求めるためには、信号処理閾値以下の差分メトリック絶対値平均値mを求めてから約1.253倍すれば良いことが分かる。信号処理閾値が固定であるため、絶対値平均値mから標準偏差σ14を計算することができる。そして、エラー演算部116で演算されるエラーの発生する確率(エラーレート bER14)は、下式(6)から求めることができる。
ここで、式(6)中のd14は、抽出対象の状態遷移パターンにおける最も確からしい第1の状態遷移列の理想信号と2番目に確からしい第2の状態遷移列の理想信号との間のユークリッド距離を表す。本実施の形態の場合、ユークリッド距離の2乗値であるd14 =14である。よって、積算値と積算数から求まる式(5)で求まる標準偏差をσ14とすると、エラー演算部116で演算される予測されるエラーレートbER14Bは以下の式となる。また、p14(=0.4)は全チャネルポイントに対する分布成分におけるエラー発生確率である。さらに、表1の状態遷移列パターンで発生するエラーは1ビットエラーであるため1を乗じている。
このエラーレート(エラー発生確率)bER14をジッタと同様の感覚で扱える指標とするための信号指標値Mへの変換を実施するのが、標準偏差演算部120である。標準偏差演算部120は、下記式(7)により、bER14を、予測されるエラーレートに相当する標準偏差σを用いた信号指標値Mへ変換する。
ここで、erfc( )は相補誤差関数の積分値である。本実施の形態の信号指標値Mの定義式を下式(8)とすると、式(6)で算出されるbER14を式(7)に代入することで、仮想的な標準偏差σを用いた指標値Mを求めることが出来る。
上記では、式(6)〜式(8)を用いて、予測されるエラーレートから仮想的な標準偏差σおよび信号指標値Mを算出した。
以上のように、本実施の形態では、PRML信号処理におけるユークリッド距離が比較的小さい合流パスの状態遷移列パターンに着目し、当該状態遷移列パターンの差分メトリック情報から、信号評価指標Mを生成している。具体的には、信号処理の閾値以下の差分メトリック情報の平均値から予測されるエラーレートを算出し、当該エラーレートから仮想的な正規分布の標準偏差σを計算し、当該正規分布の標準偏差σを含む信号評価指標Mを生成している。これにより、エラーレートと非常に相関の高い信号評価方法及び評価指標を提供することができる。
上述のように、従来提案されている単純な差分メトリックの分布評価では、今後益々要望される光ディスクの高密度化で発生する熱干渉等による記録歪によって、エラーレートと相関性のある信号指標を算出することが困難である。本実施の形態は、この課題を解決するものであり、実際に発生するエラーと相関の高い信号指標を算出するために、差分メトリックの分布成分のうちエラーが発生する片側分布だけに着目し、その片側分布から仮想的な両側分布の標準偏差σを求めることがポイントである。
なお、本実施の形態では、ビットエラーを引き起こす可能性のある特定の状態遷移パターンとして、本実施の形態に係るパターン検出部101は、最も確からしい第1の状態遷移列の理想信号と2番目に確からしい第2の状態遷移列の理想信号との間のユークリッド距離の2乗値が14となる特定の状態遷移パターン(すなわち、表1に示される状態遷移パターン)を抽出するようになっているが、これに限定されない。例えば、当該ユークリッド距離の2乗値が12となる特定の状態遷移パターン(すなわち、表2または表3に示される状態遷移パターン)を抽出するものであってもよい。
光ディスクコントローラ部15は、標準偏差演算部120から受け取った信号評価指標Mに基づいて評価処理を行う評価部として機能する。その評価結果は、図示しない表示部に表示したり、評価データとしてメモリに記憶したりすることができる。
本実施の形態では、信号評価指標検出部100を備えた光ディスク装置200として説明したが、光ディスクコントローラ部15を評価部とする光ディスク評価装置(再生信号評価装置)として構成してもよい。光ディスク評価装置は、主に工場出荷前の情報記録媒体1を対象として、当該情報記録媒体1が所定の規格に適合した品質のものか否かを評価するものとして使用できる。
また、再生信号評価装置を備えた光ディスク装置200としては、以下の動作を行う仕様とすることができる。例えば、工場出荷された市販の光ディスク(ブランクディスク)に対して再生信号の品質評価を行ない、所定の品質を満たさないものと判定をした場合については、当該光ディスクを外部へ排出する。勿論、レコーダで記録済みの光ディスク(当該光ディスク装置以外の記録)に対して当該評価を行ない、所定の品質を満たさないものと判定をした場合については、当該光ディスクを外部へ排出することも可能である。
また、光ディスク装置200が情報の記録および再生が可能なものであれば、光ディスクに情報を記録する前に、テスト記録による評価が可能である。この場合、光ディスク装置200が記録したテスト記録情報に対して、再生信号の品質評価を行ない、NGならOKになるまで記録条件を調整し、所定回数の調整を経てもなおNGならばその光ディスクを外部へ排出するようにすることができる。
(実施の形態2)
本発明の他の実施の形態に係る再生信号評価装置を備えた光ディスク装置について、図面を参照し以下に説明する。なお、実施の形態1と同様の構成については、同じ部材番号を付記し、その説明を適宜省略する。図2は、実施の形態2の光ディスク装置400の構成を示すブロック図である。
情報記録媒体1は、光学的に情報の記録再生を行うための情報記録媒体であり、例えば光ディスク媒体である。光ディスク装置400は、搭載された情報記録媒体1に対して情報の再生を行う再生装置である。
光ディスク装置400は、光ヘッド部2、プリアンプ部3、AGC(Automatic Gain Controller)部4、波形等化部5、A/D変換部6、PLL(Phase Locked Loop)部7、PR等化部8、最尤復号部9、信号評価指標検出部(再生信号評価装置)300、光ディスクコントローラ部15を備える。光ディスク装置400を構成するこれらの部材の構成及び機能は、実施の形態1と同様であるため、ここでの説明は省略する。
次に、本実施の形態に係る信号評価指標検出部300の構成について説明する。本信号評価指標検出部300は、実施の形態1の信号評価指標検出部100と同様に、出荷前に情報記録媒体1が所定の規格に適合した品質のものか否かを判断するための評価装置として用いることができる。また、本信号評価指標検出部300は、情報記録媒体1の駆動装置に搭載し、ユーザが当該情報記録媒体1に情報を記録する前に、テスト記録を行う際の評価装置として用いることもできる。
信号評価指標検出部300は、パターン検出部101,106,111、差分メトリック演算部102,107,112、大小判定部103,108,113、パターンカウント部104,109,114、積算部105,110,115、エラー演算部116,117,118、加算部119、標準偏差演算部120を備えている。
信号評価指標検出部300には、PR等化部8から出力された波形整形されたデジタル再生信号と、最尤復号部9から出力された2値化信号とが入力される。パターン検出部101,106,111は、それぞれ、表1、2、3の遷移データ列と最尤復号部9から出力された2値化データとを比較する。比較の結果、2値化データが表1、2、3の遷移データ列と一致する場合、パターン検出部101,106,111は、それぞれ、表1、表2、表3に基づいて最も確からしい第1の状態遷移列と2番目に確からしい第2の状態遷移列とを選択する。
そして、パターン検出部101,106,111の選択結果に基づき、差分メトリック演算部102,107,112は、状態遷移列の理想値(PR等化理想値:表1、表2、表3参照)とデジタル再生信号との距離であるメトリックを演算する。さらに、差分メトリック演算部102,107,112は、2つの状態遷移列から演算されたメトリック同士の差を演算し、当該プラス又はマイナスの値を持つメトリック差に対し、絶対値処理を行う。
差分メトリック演算部102,107,112からの出力は、それぞれ大小判定部103,108,113に入力される。大小判定部103,108,113は、差分メトリック演算部102,107,112によって算出された差分メトリックと、所定の値(信号処理閾値)とをそれぞれ比較する。パターンカウント部104,109,114は、それぞれ信号処理閾値以下の差分メトリックの個数をカウントする。これらのカウント値は、エラーレートを計算する際の各パターン群の発生頻度となる。また、積算部105,110,115は、それぞれ信号処理閾値以下の差分メトリックを積算する。積算部105,110,115で求めた積算値をパターンの発生数で割ると、信号処理閾値以下の差分メトリックの平均値を求めることができる。
なお、各積算部が、信号処理閾値以下の差分メトリックを積算し、各演算部が各積算値をパターンの発生数で割って、信号処理閾値以下の差分メトリックの平均値を求める構成としたが、各積算部が、信号処理閾値未満の差分メトリックを積算し、各演算部が各積算値をパターンの発生数で割って、信号処理閾値未満の差分メトリックの平均値を求める構成としてもよい。
エラー演算部116,117,118は、信号処理閾値以下の差分メトリックの各積算値とパターン発生数とから予測エラーレートを算出する。これらのエラー演算部116,117,118で算出されたエラーレートは、加算部119で加算される。そして、このエラーレートに対応する標準偏差が標準偏差演算部120で演算されこれが、信号品質を評価する信号指標値となる。上記信号評価指標検出部300によるプロセスを以下、詳細に説明する。
PRML処理で情報記録媒体1より再生された再生信号は、上述の通り、最尤復号部9から2値化信号として出力され、信号評価指標検出部300に入力される。この2値化信号から表1の遷移データ列のパターンの何れかを検出すると、第1の状態遷移列及び第2の状態遷移列のPR等化理想値が決定される。例えば、表1において、2値化信号として(0,0,0,0,X,1,1,0,0)が復号された場合、最も確からしい第1の状態遷移列としては、(S0,S1,S2,S3,S5,S6)が選択され、2番目に確からしい第2の状態遷移列としては(S0,S0、S1,S2,S9,S6)が選択される。第1の状態遷移列に対応するPR等化理想値は、(1,3,5,6,5)となる。一方、第2の状態遷移列に対応するPR等化理想値は、(0,1,3,4,4)となる。
次に、差分メトリック演算部102は、再生信号系列(デジタル再生信号)と第1の状態遷移列に対応するPR等化理想値との間のユークリッド距離の2乗値である第1メトリック(Pb14)を求める。同様に、再生信号系列と第2の状態遷移列に対応するPR等化理想値との間のユークリッド距離の2乗値である第2メトリック(Pa14)を求める。さらに、差分メトリック演算部102は、第1メトリック(Pb14)及び第2メトリック(Pa14)の差分を絶対値処理し、差分メトリックD14=|Pa14−Pb14|とする。Pb14の演算を式(9)に、Pa14の演算を式(10)に示す。式中、bは第1の状態遷移列に対応するPR等化理想値を示し、aは第2の状態遷移列に対応するPR等化理想値を示し、xは再生信号系列を示す。
エラーレートと、より高い相関のある信号評価指標とするためには、PR12221ML方式による信号処理において、エラーが発生する可能性が高いパターンをすべて考慮した評価方法が必要となる。
図8は、PR12221ML方式の信号処理における差分メトリックの分布図である。図8において、横軸は差分メトリックを示し、縦軸は所定の差分メトリック値の頻度を示している。差分メトリック(ユークリッド距離の2乗)が小さい分布ほど、PR12221ML方式による信号処理において、エラーとなる可能性を秘めていることを示している。図8のグラフから、差分メトリックが12と14の部分に分布の群を持ち、それより高い差分メトリックは、30以上しかないことが分かる。すなわち、エラーレートと高い相関を持つ信号指標を得るためには、差分メトリックが12と14の群に着目すれば十分であることがわかる。これらの群は、すなわち、表1、表2及び表3の状態遷移列パターンである。そして、これらの状態遷移列パターンを識別するのが、パターン検出部101,106,111である。この識別された状態遷移列パターンからメトリック差を演算する差分メトリック演算部の動作を以下にさらに詳しく説明する。
図10における(A)の分布は、差分メトリック演算部102の出力頻度分布を示し、図10における(B)の分布は、差分メトリック演算部107の出力頻度分布を示し、図10における(C)の分布は、差分メトリック演算部112の出力頻度分布を示す。同様に差分メトリック演算部107の処理を、式(12)〜式(14)に、差分メトリック演算部112の処理を式(15)〜(17)に示す。
図10における(A)、(B)及び(C)の分布は、その頻度と中心位置がそれぞれ異なっている。また、これらのパターンがエラーを起こした際に発生するエラービット数も異なる。ユークリッド距離の2乗が14である表1の状態遷移列パターンは、1ビットエラーが発生するパターンである。ユークリッド距離の2乗が12である表2の状態遷移列パターンは、2ビットエラーが発生するパターンであり、ユークリッド距離の2乗が12である表3の状態遷移列パターンは、3ビットエラーが発生するパターンである。特に、ユークリッド距離の2乗が12のエラーパターンは、2T連続個数に依存し、例えば、6個連続まで許容されている記録変調符号であれば、最大6ビットエラーが発生するパターンとなる。表3では、2Tが連続してエラーとなる6ビットエラーまで対応していないが、必要に応じて2Tの連続エラーを評価するパターンを定義して評価対象パターン表を拡張すればよい。
また、各表の状態遷移列パターンにおいて、記録変調符号系列におけるエラー発生確率も異なる。例えば、表1の状態遷移列パターンは、全サンプルに対して約40%、表2の状態遷移列パターンは、全サンプルに対して約15%、表3の状態遷移列パターンは、全サンプルに対して約5%程度の発生頻度となる。このように、図10における(A)、(B)及び(C)で示したそれぞれの分布は、ばらつきを示す標準偏差σ、検出ウインドウ(ユークリッド距離)、エラー発生頻度、及びエラービット数に対する重みが異なるために、これらの分布から発生するエラーレートの予測もこれらを考慮した演算が必要になる。本願の大きな特徴である予測エラーレートの算出方法について、以下説明を行う。
上記課題にも記載したように、パターン群ごとに予測されたエラーレートを算出するときに、分布の形状によっては、適切に予測エラーレートを求めることができない場合がある。そこで、本実施の形態では、分布のうち、所定の閾値(信号処理閾値)以下の部分の平均値から標準偏差σを計算して、エラーレートを求めることで、予測エラーレートの計算精度を向上させる。
図11において、信号処理閾値から大きい領域は、エラーとはならない領域であり、エラーレートを予測するためには不要な領域である。よって、差分メトリックの標準偏差からエラーレートを予測するためには、上記信号処理閾値以下の領域に着目すればよい。このエラーレートの算出方法について以下説明を行う。差分メトリック演算部102,107,112からの出力であるD14、D12A、12Bは、それぞれ大小判定部103,108,113に入力され所定の値(信号処理閾値)と比較される。本実施の形態では、D14に対する信号処理閾値は、14に設定されており、D12A及びD12Bに対する信号処理閾値は、共に12に設定されている。
大小判定部103,108,113は、差分メトリックが信号処理閾値以下であれば値を出力すると共に、それぞれのパターンカウントに対応したパターンカウント部104,109,114のカウント値をカウントアップする。これと同時に積算部105,110,115では、信号処理閾値以下の差分メトリックが積算される。そして、エラー演算部116,117,118は、この信号処理閾値以下の差分メトリックの積算値とパターン発生数とから予測エラーレートを算出する。これらのエラー演算部116,117,118の動作について、以下説明する。
積算部105,110,115で求めた積算値をパターンカウント部104,109,114でカウントされた信号処理閾値以下の差分メトリックの個数(パターンの発生数)で割ると、信号処理閾値以下の差分メトリックの平均値を求めることができる。この信号処理閾値以下の差分メトリックの平均値をM(x)、分布関数の平均値をμ、標準偏差をσ、確率密度関数をfとし、分布関数が正規分布だと仮定した場合、信号処理閾値以下の差分メトリックの絶対値平均値mは、下式(18)のようになる。
したがって、信号処理閾値以下の差分メトリックの標準偏差σと、信号処理閾値以下の差分メトリックの絶対値平均値mとの関係は下式(19)で求められる。
式(18)、式(19)から、信号処理閾値以下の差分メトリックの標準偏差σを求めるためには、信号処理閾値以下の差分メトリック絶対値平均値mを求めてから約1.253倍すれば良いことが分かる。信号処理閾値が固定であるため、絶対値平均値mから標準偏差σを計算することができる。そして、エラー演算部116,117,118でそれぞれ演算されるエラーの発生する確率(エラーレート bER)は、下式(20)から求めることができる。
ここで、式(20)中のdは、抽出対象の状態遷移パターンにおける最も確からしい第1の状態遷移列の理想信号と2番目に確からしい第2の状態遷移列の理想信号との間のユークリッド距離を表す。本実施の形態の場合、ユークリッド距離の2乗値は、d14 =14、d12A =12、d12B =12である。
よって、積算値と積算数とから求まる式(19)で求まる標準偏差をσ14、σ12A、σ12Bとすると、エラー演算部116,117,118でそれぞれ演算される予測されるエラーレートbER14、bER12A、bER12Bは以下の式となる。
ここで、p14、p12A、p12B(=0.4、0.15、0.05)は全チャネルポイントに対する分布成分におけるエラー発生確率である。また、表1の状態遷移列パターンで発生するエラーは1ビットエラーであるため1を、表2の状態遷移列パターンで発生するエラーは2ビットエラーであるため2を、表3の状態遷移列パターンで発生するエラーは3ビットエラーであるため3をそれぞれ乗じている。これらのエラーレートを加算することで表1の状態遷移列パターンと表2の状態遷移列パターンと表3の状態遷移列パターンの全パターンで発生するエラー発生確率を求めることができる。エラー発生確率をbERallとすると、式(24)で示すことができる。
さらに、ジッタと同様の感覚で扱える指標とするために式(24)で求まったビットエラーレートから信号指標値への変換を実施するのが、標準偏差演算部120である。
ここで、pは、p14、p12A及びp12Bの合計で、erfc( )は相補誤差関数の積分値である。本発明の信号指標Mの定義式を式(26)とすると、式(24)で算出されるbERallを式(25)に代入することで、指標値Mを求めることが出来る。
上記では、式(20)〜式(26)を用いて、予測されるエラーレートから仮想的な標準偏差σを算出し、信号指標値Mを算出した。しかしながら、本実施の形態の評価指標Mの算出方法は、上記の方法に限定されず、その他の定義式でもよい。その他の定義式の一例を下記で説明する。
パターンPaが、パターンPbとして検出される確率を下式(27)の誤差関数とする。
但し、式(27)中のtは、表1〜3のパターン番号を示す。dは、表1〜3の各パターン群におけるユークリッド距離を示す。具体的には、表1のパターン群の場合、dは14となり、表2、3のパターン群の場合、dは12となる。
表1のパターン群と表2のパターン群と表3のパターン群の全パターンで発生するエラー発生確率は、式(27)を用いて、下式(28)で算出することができる。
上式(28)のN、N、Nは、それぞれ、上記表1、表2,表3で定義されるパターン群の発生回数である。式(24)との差異は、各パターン群のエラーレートが、全チャネルを母数として算出されるのではなく、表1〜3の評価パターン数を母数とすることである。式(24)は、評価パターンを含む全てのチャネルを母数としたエラーレートとして算出する。一方、式(28)は、評価パターンを母数としたエラーレートとして算出する。式(24)、式(28)で算出されるエラーレートから、仮想的なσを算出するときに、どの母数を対象にするσであるかを考慮することで、結果として同じ値を算出することができる。式(20)〜式(26)では、母数は全チャネルを母数として演算を行う場合の例であった。式(28)から仮想的なσを算出して、評価指標Mを算出する。
仮想的な標準偏差σは、下式(29)から、算出できる。
但し、E−1は、式(30)の逆関数を意味する。
評価指標Mは、検出されるウィンドウで正規化することで、下式(31)で算出することができる。
結局、上式(26)と上式(31)は、表1から表3で定義される評価パターンで発生する仮想的なσを算出するため、指標値Mとしては実質的に同じ値として算出される。計算途中のエラーレートを算出する評価母数と検出ウィンドウの表記が異なるだけである。信号指標値Mを算出するために、どちらの式を用いても良い。また、上式(31)を用いた信号指標値Mの算出は、特定の状態遷移パターンのみを抽出対象とする実施の形態1にも応用できるものである。
図12は、チルトやデフォーカスや球面収差等の再生ストレスを付加した場合のビットエラーレート(bER)と式(18)の信号指標値[%]を示したシミュレーションの結果の例である。図12のグラフにおいて、▲(黒三角)印はデフォーカスストレス、●(黒丸)印は球面収差ストレス、◆(黒菱形)印はラジアルチルトストレス、■(黒四角)印はタンジェンシャルチルトストレスを示す。また、同図における実線は理論曲線である。
一般に、システムマージのクライテリアは、bERが約4.0E−4程度とされるため、そのbERを実現する信号指標値が約15[%]である。図12のグラフから明らかなように、本実施の形態で定義される信号指標値Mは、実際にシステムで使用される信号指標値M≦15[%]の領域で、エラーレートの理論曲線に整合している。したがって、本実施の形態に係る信号評価方法及び指標は、信号を適切に評価するという観点で非常に有効であると言える。
以上のように、本実施の形態では、PRML信号処理におけるユークリッド距離が比較的小さい合流パスの状態遷移列パターンに着目し、発生確率が異なり、発生するエラー数が異なる、複数のパターン群の差分メトリック情報から、一つの信号評価指標を生成している。具体的には、各パターン群の信号処理の閾値以下の差分メトリック情報の平均値から予測されるエラーレートを求め、その合計を算出し、算出された合計のエラーレートから仮想的な正規分布の標準偏差(以下、σと略す)を計算し、当該正規分布の標準偏差σを含む信号評価指標を生成している。これにより、エラーレートと非常に相関の高い信号評価方法及び評価指標を提供することができる。
なお、図2に示す本実施の形態のプリアンプ部3、AGC部4および波形等化部5は、1つのアナログ集積回路(LSI)で構成してもよい。また、プリアンプ部3、AGC部4、波形等化部5、A/D変換部6、PLL部7、PR等化部8、最尤復号部9、信号評価指標検出部100及び光ディスクコントローラ部15は、アナログデジタル混載の1つの集積回路(LSI)として構成されてもよい。
なお、上述した各実施の形態では、光ディスク装置として、再生装置を用いた場合について説明した。しかしながら、本発明の光ディスク装置は、これに限定されず、記録再生装置にも適応可能であることは言うまでもない。この場合は、記録のための回路が追加される構成となるが、公知の回路構成を用いることができるため、ここでの説明は省略する。
(実施の形態3)
次に、本発明のさらに他の実施の形態に係る光ディスク装置について図面を参照し、以下に説明する。
図13は、本実施の形態の光ディスク装置の概略構成を示すブロック図である。
光ディスク装置600は、光ヘッド部2、プリアンプ部3、AGC(Automatic Gain Controller)部4、波形等化部5、A/D変換部6、PLL(Phase Locked Loop)部7、PR等化部8、最尤復号部9、信号評価指標検出部(再生信号評価装置)500、光ディスクコントローラ部15を備える。光ディスク装置600を構成するこれらの部材の構成及び機能は、実施の形態1と同様であるため、ここでの説明は省略する。
本実施の形態に係る光ディスク装置600は、再生信号評価装置として信号評価指標検出部500を備えている。信号評価指標検出部500は、信号処理閾値の設定以外は、実施の形態1の信号評価指標検出部100と同様の構成を有している。そこで、実施の形態1の信号評価指標検出部100と同様の構成及び機能を有する構成要素については、同一の符号を付記してその説明を省略する。
信号評価指標検出部500は、図13に示すように、実施の形態1の構成に加え、差分メトリック演算部102の出力の平均値を演算するための平均値演算部121を備えている。
以下、平均値演算部121の動作と信号処理閾値の設定方法について説明を行う。実施の形態1では、信号処理閾値として、理想信号の符号距離(抽出対象の特定の状態遷移パターンにおける最も確からしい第1の状態遷移列の理想信号と2番目に確からしい第2の状態遷移列の理想信号との間のユークリッド距離の2乗値)という所定の値を用いていた。これは、記録を最適化すると差分メトリック演算部の出力の平均値が理想信号の符号距離に一致することに由来していた。しかしながら、光ディスクの記録密度のさらなる向上に伴い、理想信号の符号距離の位置に記録の最適化が行えない場合が考えられる。
そこで、本実施の形態の信号評価指標検出部500は、差分メトリック演算部102の出力の平均値を演算するための平均値演算部121を備え、当該平均値を信号処理閾値として、大小判定部103に入力する構成としている。
上記の構成により、信号処理閾値を、差分メトリック演算部102から出力される分布の中心に適切に設定することができる。これにより、実施の形態1の構成に比べ、記録密度を上げた場合の、信号指標値とビットエラーレートの相関を向上させることができる。
したがって、信号処理閾値として差分メトリック分布の平均値を用いた本実施の形態の構成は、情報記録媒体1として、高密度の記録媒体を用いた場合に、特に有益である。
(実施の形態4)
次に、本発明のさらに他の実施の形態に係る光ディスク装置について図面を参照し、以下に説明する。
図14は、本実施の形態の光ディスク装置の概略構成を示すブロック図である。
光ディスク装置800は、光ヘッド部2、プリアンプ部3、AGC(Automatic Gain Controller)部4、波形等化部5、A/D変換部6、PLL(Phase Locked Loop)部7、PR等化部8、最尤復号部9、信号評価指標検出部(再生信号評価装置)700、光ディスクコントローラ部15を備える。光ディスク装置800を構成するこれらの部材の構成及び機能は、実施の形態2と同様であるため、ここでの説明は省略する。
本実施の形態に係る光ディスク装置800は、再生信号評価装置として信号評価指標検出部700を備えている。信号評価指標検出部700は、信号処理閾値の設定以外は、実施の形態2の信号評価指標検出部300と同様の構成を有している。そこで、実施の形態2の信号評価指標検出部300と同様の構成及び機能を有する構成要素については、同一の符号を付記してその説明を省略する。
信号評価指標検出部700は、図14に示すように、実施の形態2の構成に加え、差分メトリック演算部102,107,112の出力の平均値を演算するための平均値演算部121,122,123を備えている。
以下、平均値演算部121,122,123の動作と信号処理閾値の設定方法について説明を行う。実施の形態3では、信号処理閾値として、理想信号の符号距離(抽出対象の各状態遷移パターンにおける最も確からしい第1の状態遷移列の理想信号と2番目に確からしい第2の状態遷移列の理想信号との間のユークリッド距離の2乗値)という所定の値を用いていた。これは、記録を最適化すると差分メトリック演算部の出力の平均値が理想信号の符号距離に一致することに由来していた。しかしながら、光ディスクの記録密度のさらなる向上に伴い、理想信号の符号距離の位置に記録の最適化が行えない場合が考えられる。
そこで、本実施の形態の信号評価指標検出部700は、差分メトリック演算部102,107,112の出力の平均値を演算するための平均値演算部121,122,123を備え、当該平均値を信号処理閾値として、大小判定部103,108,113に入力する構成としている。
上記の構成により、信号処理閾値を、差分メトリック演算部102,107,112から出力される分布の中心に適切に設定することができる。これにより、実施の形態1の構成に比べ、記録密度を上げた場合の、信号指標値とビットエラーレートの相関を向上させることができる。
したがって、信号処理閾値として差分メトリック分布の平均値を用いた本実施の形態の構成は、情報記録媒体1として、高密度の記録媒体を用いた場合に、特に有益である。
(実施の形態5)
次に、本発明の実施の形態5に係る光ディスク装置を説明する。図15は、本発明の実施の形態5に係る光ディスク装置の概略構成を示すブロック図である。
光ディスク装置920は、光ヘッド部2、プリアンプ部3、AGC部4、波形等化部5、A/D変換部6、PLL部7、PR等化部8、最尤復号部9、信号評価指標検出部(再生信号評価装置)910、光ディスクコントローラ部15を備える。光ディスク装置920を構成する一部の部材の構成及び機能は、実施の形態1〜4と同様であるため、ここでの説明は省略する。
本実施の形態5に係る光ディスク装置920は、再生信号評価装置として信号評価指標検出部910を備えている。実施の形態5の信号評価指標検出部910は、実施の形態1及び実施の形態3の差分メトリックの標準偏差を求める演算処理が異なる以外は、全く同一の構成である。そこで、実施の形態1の信号評価指標検出部100と同様の構成及び機能を有する構成要素については、同一の符号を付記してその説明を省略する。
次に、本実施の形態5に係る信号評価指標検出部910の構成について説明する。本信号評価指標検出部910は、実施の形態1〜4の信号評価指標検出部と同様に、出荷前に情報記録媒体1が所定の規格に適合した品質のものか否かを判断するための再生信号評価装置として用いることができる。また、本信号評価指標検出部910は、情報記録媒体1の駆動装置に搭載し、ユーザが当該情報記録媒体1に情報を記録する前に、テスト記録を行う際の評価装置として用いることもできる。
信号評価指標検出部910は、パターン検出部101、差分メトリック演算部102、大小判定部103、パターンカウント部104、積算部105、エラー演算部116、パターンカウント部124、積算部125及び標準偏差演算部120を備えている。
信号評価指標検出部910は、図15に示すように、実施の形態1の構成に加え、差分メトリック演算部102の出力の平均値を演算するための積算部125と、差分メトリック演算部102の出力をカウントするためのパターンカウント部124とを備えている。
信号評価指標検出部910は、情報記録媒体から再生された再生信号からPRML信号処理方式を用いて生成された2値化信号に基づいて、当該再生信号の品質を評価する。パターン検出部101は、2値化信号から、ビットエラーを引き起こす可能性のある特定の状態遷移パターンを抽出する。
差分メトリック演算部102は、パターン抽出部によって抽出された状態遷移パターンの2値化信号に基づいて、当該2値化信号に対応する最も確からしい第1の状態遷移列の理想信号と再生信号との間の第1メトリックと、当該2値化信号に対応する2番目に確からしい第2の状態遷移列の理想信号と再生信号との間の第2メトリックとの差分である差分メトリックを算出する。
積算部125は、差分メトリック演算部102によって算出された差分メトリックを積算する。パターンカウント部124は、パターン検出部101の発生回数をカウントすることにより、積算部125による積算処理回数をカウントする。
大小判定部103は、所定の信号処理閾値以下の差分メトリックを抽出する。積算部105は、大小判定部103によって抽出された信号処理閾値以下の差分メトリックを積算する。パターンカウント部104は、積算部105による積算処理回数をカウントする。
エラー演算部116は、積算部125によって積算された積算値と、パターンカウント部124によってカウントされたカウント値と、積算部105によって積算された積算値と、パターンカウント部104によってカウントされたカウント値とに基づいて予測されるエラーレートを算出する。
また、エラー演算部116は、積算部125によって積算された積算値とパターンカウント部124によってカウントされたカウント値とに基づいて算出した差分メトリックの平均値と、積算部105によって積算された積算値とパターンカウント部104によってカウントされたカウント値とに基づく所定の演算結果とに基づいて、エラーレートを算出する。
さらに、エラー演算部116は、積算部125によって積算された積算値とパターンカウント部124によってカウントされたカウント値と積算部105によって積算された積算値とパターンカウント部104によってカウントされたカウント値とを引数とした一次式を用いて、差分メトリック出力の平均値以下の差分メトリックの標準偏差を算出し、その標準偏差から前記エラーレートを算出する。なお、一次式は、ニュートン法による反復処理を用いて算出される近似式である。
標準偏差演算部120は、エラー演算部116によって算出されたエラーレートに基づいて標準偏差を算出する。
パターンカウント部124は、パターン検出部101で検出される特定パターンの発生回数をカウントし、カウント値Nを出力する。積算部125は、差分メトリック演算部102からの出力を積算し、積算値Sを出力する。積算部105は、大小判定部103の出力結果を積算し、積算値JSを出力する。パターンカウント部104は、大小判定部103における条件適合回数をカウントし、カウント値JNを出力する。この各パターン群の差分メトリックの平均値演算のための積算部125及びパターンカウント部124以外の構成は、実施の形態1とまったく同一の構成であるので、詳しい動作説明は省略する。
なお、本実施の形態5において、信号評価指標検出部910が再生信号評価装置の一例に相当し、パターン検出部101がパターン抽出部の一例に相当し、差分メトリック演算部102が差分メトリック算出部の一例に相当し、積算部125が第1の積算部の一例に相当し、パターンカウント部124が第1のカウント部の一例に相当し、大小判定部103が差分メトリック抽出部の一例に相当し、積算部105が第2の積算部の一例に相当し、パターンカウント部104が第2のカウント部の一例に相当し、エラー演算部116がエラーレート算出部の一例に相当し、標準偏差演算部120が標準偏差算出部の一例に相当する。
以下、実施の形態5による予測エラーレートを演算するための差分メトリックの標準偏差の演算について説明する。実施の形態3,4では、記録状態(品質)に依存して、差分メトリック演算部の出力の平均値が理想信号の符号距離に一致しない場合に対して、差分メトリックの平均値を求め、その平均値を基準に求めた差分メトリックの標準偏差から予測エラーレートを演算し、実際に発生するエラーレートと信号指標値との相関性を向上させる構成の提案を行っている。
しかし、実施の形態3,4の構成では、2つの課題が発生する場合がある。1つ目は、信号指標値の測定領域における差分メトリックの平均値を求めるために、事前に平均値を求める必要があった。そのため、信号指標値を演算するために、測定を複数行う必要があり、処理時間が多くかかる場合がある。2つ目は、1つ目の課題の対策として、平均値を演算しながらその平均値を更新する構成が考えられる。しかし、記録状態に応じて、平均値演算の応答特性の最適値が異なる場合があった。そのため、互換性のある信号指標値を得るために、平均値演算の応答特性を一義に決定することが困難であった。
この課題に対応するために、実施の形態5では、実施の形態1と同様に、差分メトリックの出力から標準偏差を求める処理において、信号処理閾値として、理想信号の符号距離という所定の固定値を用いる。さらに、記録状態(品質)に依存して、差分メトリック演算部102の出力の平均値が理想信号の符号距離に一致しない場合に、平均値ずれによって発生する標準偏差の誤差を補正し、信号指標値とビットエラーレートとの相関が不十分だった課題を解決する計算方法を提案する。
図16A及び図16Bは、ある記録状態の差分メトリックの範囲を示す分布図である。図16A及び図16Bの分布は、差分メトリックの出力の平均値が、理想信号の符号距離に一致しない場合の例である。図16Aは、実施の形態3,4において、標準偏差を求めるために用いる差分メトリックの範囲を示す分布図である。実施の形態3,4は、分布の平均値を求め、その平均値より小さい部分の差分メトリック値から標準偏差を求め、予測エラーレートを算出することで、記録品質に依存しない再生信号評価方法を提供できる。一方、本実施の形態5では、固定された信号処理閾値を用いて、標準偏差を求めることにより、実施の形態3,4と同様の効果を得ることを目的としている。
図16Bは、実施の形態5において、標準偏差を求めるために用いる差分メトリックの範囲を示す分布図である。実施の形態5は、固定された信号処理閾値より小さい部分の差分メトリック値に所定の補正を施すことで、実施の形態3,4に相当する標準偏差を求めることができる。
以下、本実施の形態5において、標準偏差を計算する計算方法について説明する。まず、本実施の形態5における計算で用いるパラメータを再度定義する。Sは差分メトリックの積算値、Nは差分メトリックの頻度(Sの積算回数を表すカウント値)、JSは信号処理閾値(ここでは、0)以下の差分メトリックの積算値、JNは信号処理閾値(ここでは、0)以下の差分メトリックの頻度(JSの積算回数を表すカウント値)、αは所定の頻度係数、Eは理想的な信号処理値とする。
図17A及び図17Bは、実施の形態5における標準偏差の計算方法を説明するための図である。図17Aにハッチングで示した積算値JSから仮想的な標準偏差σ’を求めるために、カウント値Nによって、積算値JSを正規化する必要がある。本実施の形態5では、表1のパターン群に対して、仮想的な標準偏差を求める。Eは、検出ウィンドウを示し、表1のパターン群に対応する14が挿入される。
カウント値Nは、下記の式(32)で求めることができる。
また、カウント値JNは、下記の式(33)で求めることができる。
但し、式(32)及び式(33)の分布の平均値μは、下記の式(34)で定義される。
カウント値Nによって、積算値JSを正規化する計算は、下記の式(35)である。
すなわち、上記の式(35)は、下記の式(36)に変形することができる。
上記の式(36)は、下記の式(37)に示すaと、下記の式(38)に示すbとの2つの変数で定義すると、下記の式(39)に示すように簡単化される。
次に、式(37)に示す変数aと式(38)に示す変数bとに基づいて、分布の平均値ずれを考慮した標準偏差σ(図17B)を求めるための変換テーブルについて説明する。
上記の式(39)は、標準偏差σと変数bとを引数とする関数と定義すると、下記の式(40)で表される。
上記の式(40)から、図17Aに示す仮想的な標準偏差σ’を左辺に置き直すと、下記の式(41)で表すことができる。
図17Bで示すような分布の平均値ずれ分を検出ウィンドウへ反映させた指標として、下記の式(42)と定義することができる。
上記の式(42)を満たす、2つの変数a及びbに対するσ/2がニュートン法により算出される。なお、ニュートン法は、数値解析の分野において、方程式系を数値計算によって解くための反復法による求根アルゴリズムの一つであり、古くから数値計算で使用されている。ここでは、ニュートン法のアルゴリズムの説明については省略する。
図18は、変数a(a)と、ニュートン法で算出された標準偏差σ/2(σ/2)との関係を、差分メトリックの出力の平均値ずれ量ごとに示した図である。図18において、横軸は、上記の式(37)から求まる変数a(a)[%]を表し、縦軸は、ニュートン法で算出されたσ/2(σ/2)[%]を表す。差分メトリックの出力の平均値ずれ量は、上記の式(38)から求まる変数bである。図18で示されたσ/2[%]と変数aとの関係は、bを変数とした、一次の直線式で表せることが分かる。このことから、ニュートン法で求まるσ/2は、差分メトリックの出力の平均値を変数bとした一次式で表現することができる。
上記の式(42)の一次式において、Pは差分メトリックの出力の平均値を変数bとした傾きであり、Qは差分メトリックの出力の平均値を変数bとした切片である。Pの値とQの値とは、近似計算により求めたbに対するテーブルで持ってもよい。表4は、変数bを引数とするPの値とQの値とを表すテーブル表の具体例を示している。なお、表4における変数bのxは、表1、表2及び表3のパターン群に対して、それぞれ標準偏差σを求めることを意味し、xには、表1、表2及び表3のそれぞれに対応する、“1”、“2”及び“3”のいずれかの値が挿入される。
表4の例では、−30%〜+30%の補正範囲において補正テーブルを一義的に定義しているが、補正範囲は、拡大又は縮小してもよい。また、補正範囲は、現実に発生するずれ量を考慮した範囲をサポートすることが望ましい。表4のP(b)及びQ(b)のテーブルの引数bは、一例として0.005間隔で表している。ここで、変数bとして、予め記憶されている変数bの間隔の間の値(例えば、0.0025)が入力された場合、表4に示す0.005間隔で記憶されている変数bのうち、入力値の前後の変数bに対応するP(b)及びQ(b)をそれぞれ直線補完して用いてもよい。または、予め記憶されている変数bのうち、入力値に最も近い変数bに対応するP(b)及びQ(b)を選択してもよい。
このように、本発明の実施の形態5では、差分メトリック演算部102の出力の分布のずれ量(S/N)と、固定された信号処理閾値とを基準に、積算値(JS)と積算回数(JN)とを用いて、分布の平均値ずれを考慮した標準偏差σ/2を求めるための補正演算を行う。本実施の形態5では、予測エラーレート演算精度を向上させるための補正式として、上記の式(42)で示される簡単な一次式を用いる。
本発明の実施の形態5では、表1〜3のいずれかのパターンに応じて、式(42)で求められる標準偏差σ/2を用いて、予測エラーレートを求める。これにより、図21B及び図21Cのように差分メトリック演算部102の出力の分布の中心が信号処理閾値からずれた場合であっても、エラーレートと相関が高い信号指標値を求めることができる。
(実施の形態6)
本発明の実施の形態6に係る再生信号評価装置を備えた光ディスク装置について、図面を参照し以下に説明する。なお、実施の形態5と同様の構成については、同じ部材番号を付記し、その説明を適宜省略する。図19は、実施の形態6の光ディスク装置940の構成を示すブロック図である。
情報記録媒体1は、光学的に情報の記録再生を行うための情報記録媒体であり、例えば光ディスク媒体である。光ディスク装置940は、搭載された情報記録媒体1に対して情報の再生を行う再生装置である。
光ディスク装置940は、光ヘッド部2、プリアンプ部3、AGC部4、波形等化部5、A/D変換部6、PLL部7、PR等化部8、最尤復号部9、信号評価指標検出部(再生信号評価装置)930、光ディスクコントローラ部15を備える。光ディスク装置940を構成する一部の部材の構成及び機能は、実施の形態1〜5と同様であるため、ここでの説明は省略する。
次に、本実施の形態6に係る信号評価指標検出部930の構成について説明する。本信号評価指標検出部930は、実施の形態1〜5の信号評価指標検出部と同様に、出荷前に情報記録媒体1が所定の規格に適合した品質のものか否かを判断するための再生信号評価装置として用いることができる。また、本信号評価指標検出部930は、情報記録媒体1の駆動装置に搭載し、ユーザが当該情報記録媒体1に情報を記録する前に、テスト記録を行う際の評価装置として用いることもできる。
信号評価指標検出部930は、パターン検出部101,106,111、差分メトリック演算部102,107,112、大小判定部103,108,113、パターンカウント部104,109,114、積算部105,110,115、エラー演算部116,117,118、パターンカウント部124,126,128、積算部125,127,129、加算部119及び標準偏差演算部120を備えている。
信号評価指標検出部930は、図19に示すように、実施の形態1の構成に加え、差分メトリック演算部102,107,112の出力の平均値を演算するための積算部125,127,129と、差分メトリック演算部102の出力をカウントするためのパターンカウント部124,126,128とを備えている。
パターン検出部101,106,111は、2値化信号から、ビットエラーを引き起こす可能性のある状態遷移パターンをそれぞれ抽出する。差分メトリック演算部102,107,112は、パターン検出部101,106,111によって抽出された状態遷移パターン毎に、2値化信号に基づいて、当該2値化信号に対応する最も確からしい第1の状態遷移列の理想信号と再生信号との間の第1メトリックと、当該2値化信号に対応する2番目に確からしい第2の状態遷移列の理想信号と再生信号との間の第2メトリックとの差分である差分メトリックをそれぞれ算出する。
積算部125,127,129は、差分メトリック演算部102,107,112によって算出された差分メトリックを状態遷移パターン毎に積算する。パターンカウント部124,126,128は、積算部125,127,129による積算処理回数を状態遷移パターン毎にカウントする。
大小判定部103,108,113は、所定の信号処理閾値以下の差分メトリックを状態遷移パターン毎に抽出する。積算部105,110,115は、大小判定部103,108,113によって状態遷移パターン毎に抽出された信号処理閾値以下の差分メトリックをそれぞれ積算する。パターンカウント部104,109,114は、積算部105,110,115による積算処理回数を状態遷移パターン毎にカウントする。
エラー演算部116,117,118は、積算部125,127,129によって積算された複数の積算値と、パターンカウント部124,126,128によってカウントされた複数のカウント値と、積算部105,110,115によって積算された複数の積算値と、パターンカウント部104,109,114によってカウントされた複数のカウント値とに基づいて予測される複数のエラーレートを状態遷移パターン毎に算出する。
標準偏差演算部120は、エラー演算部116,117,118によって算出された複数のエラーレートの総和に基づいて標準偏差を算出する。
パターンカウント部124,126,128は、パターン検出部101,106,111で検出される特定パターンの発生回数をカウントし、カウント値N,N,Nを出力する。積算部125,127,129は、差分メトリック演算部102,107,112の出力を積算し、積算値S,S,Sを出力する。積算部105,110,115は、大小判定部103,108,113の出力結果を積算し、積算値JS,JS,JSを出力する。パターンカウント部104,109,114は、大小判定部103,108,113における条件適合回数をカウントし、カウント値JN,JN,JNを出力する。この各パターン群の差分メトリックの平均値演算のための積算部125,127,129及びパターンカウント部124,126,128以外の構成は、実施の形態1とまったく同一の構成であるので、詳しい動作説明は省略する。
なお、本実施の形態6において、信号評価指標検出部930が再生信号評価装置の一例に相当し、パターン検出部101,106,111がパターン抽出部の一例に相当し、差分メトリック演算部102,107,112が差分メトリック算出部の一例に相当し、積算部125,127,129が第1の積算部の一例に相当し、パターンカウント部124,126,128が第1のカウント部の一例に相当し、大小判定部103,108,113が差分メトリック抽出部の一例に相当し、積算部105,110,115が第2の積算部の一例に相当し、パターンカウント部104,109,114が第2のカウント部の一例に相当し、エラー演算部116,117,118がエラーレート算出部の一例に相当し、標準偏差演算部120が標準偏差算出部の一例に相当する。
以下、実施の形態6による予測エラーレートを演算するための差分メトリックの標準偏差の演算について説明する。実施の形態3,4では、記録状態(品質)に依存して、差分メトリック演算部の出力の平均値が理想信号の符号距離に一致しない場合に対して、差分メトリックの平均値を求め、その平均値を基準に求めた差分メトリックの標準偏差から予測エラーレートを演算し、実際に発生するエラーレートと信号指標値との相関性を向上させる構成の提案を行った。
しかし、実施の形態3,4の構成では、2つの課題が発生する場合がある。1つ目は、信号指標値を測定領域における差分メトリックの平均値を求めるために、事前に平均値を求める必要があった。そのため、信号指標値を演算するために、測定を複数行う必要があり、処理時間が多くかかる場合がある。2つ目は、1つ目の課題の対策として、平均値演算を測定しながらその平均値を更新する構成が考えられる。しかし、記録状態に応じて、平均値演算の応答特性の最適値が異なる場合があった。そのため、互換性のある信号指標値を得るために、平均値演算の応答特性を一義に決定することが困難であった。
この課題に対応するために、実施の形態6では、実施の形態1と同様に、差分メトリックの出力から標準偏差を求める処理において、信号処理閾値として、理想信号の符号距離という所定の固定値を用いる。さらに、記録状態(品質)に依存して、差分メトリック演算部102,107,112の出力の平均値が理想信号の符号距離に一致しない場合に、平均値ずれによって発生する標準偏差の誤差を補正し、信号指標値とビットエラーレートとの相関が不十分だった課題を解決する計算方法を提案する。
以下、本実施の形態6において、標準偏差を計算する計算方法について説明する。まず、本実施の形態6における計算で用いるパラメータを再度定義する。Sは差分メトリックの積算値、Nは差分メトリックの頻度(Sの積算回数を表すカウント値)、JSは信号処理閾値(ここでは、0)以下の差分メトリックの積算値、JNは信号処理閾値(ここでは、0)以下の差分メトリックの頻度(JSの積算回数を表すカウント値)、αは所定の頻度係数、Eは理想的な信号処理値とする。
図20A及び図20Bは、実施の形態6における標準偏差の計算方法を説明するための図である。図20Aにハッチングで示した積算値JSから仮想的な標準偏差σ’を求めるために、カウント値Nによって、積算値JSを正規化する必要がある。なお、xは、表1,2,3のパターン群に対して、それぞれ仮想的な標準偏差を求めることを意味する。xには、表1、表2及び表3のそれぞれに対応する“1”、“2”及び“3”のいずれかの値が挿入される。Eは、検出ウィンドウを示し、表1のパターン群に対しては14、表2及び表3のパターン群に対しては12が挿入される。
カウント値Nは、下記の式(43)で求めることができる。
また、カウント値JNは、下記の式(44)で求めることができる。
但し、式(43)及び式(44)の分布の平均値μは、下記の式(45)で定義される。
カウント値Nによって、積算値JSを正規化する計算は、下記の式(46)である。
すなわち、上記の式(46)は、下記の式(47)に変形することができる。
上記の式(47)は、下記の式(48)に示すaと、下記の式(49)に示すbとの2つの変数で定義すると、下記の式(50)に示すように簡単化される。
次に、式(48)に示すaと式(49)に示すbとに基づいて、分布の平均値ずれを考慮した標準偏差σ(図20B)を求めるための変換テーブルについて説明する。
上記の式(50)は、標準偏差σと変数bとを引数とする関数と定義すると、下記の式(51)で表される。
上記の式(51)から、図20Aに示す仮想的な標準偏差σ’を左辺に置き直すと、下記の式(52)で表すことができる。
図20Bで示すような分布の平均値ずれ分を検出ウィンドウへ反映させた指標として、下記の式(53)と定義することができる。
上記の式(53)を満たす、2つの変数a及びbに対するσ/2がニュートン法により算出される。なお、ニュートン法は、数値解析の分野において、方程式系を数値計算によって解くための反復法による求根アルゴリズムの一つであり、古くから数値計算で使用されている。ここでは、ニュートン法のアルゴリズムの説明については省略する。
図18を用いて説明したように、差分メトリックの出力の平均値ずれ量は、上記の式(49)から求まる変数bである。図18で示されたσ/2[%]と変数aとの関係は、bを変数とした、一次の直線式で表せることが分かる。このことから、ニュートン法で求まるσ/2は、差分メトリックの出力の平均値を変数bとした一次式で表現することができる。
上記の式(53)の一次式において、Pは差分メトリックの出力の平均値を変数bとした傾きであり、Qは差分メトリックの出力の平均値を変数bとした切片である。Pの値とQの値とは、近似計算により求めたbに対するテーブルで持ってもよい。すなわち、標準偏差演算部120は、上記の表4に示す、変数bを引数とするPの値とQの値とを表すテーブル表を予め記憶してもよい。
このように、本発明の実施の形態6では、差分メトリック演算部102,107,112の出力の分布のずれ量(S/N)と、固定された信号処理閾値とを基準に、積算値(JS)と積算回数(JN)とを用いて、分布の平均値ずれを考慮した標準偏差σ/2を求めるための補正演算を行う。本実施の形態6では、予測エラーレート演算精度を向上させるための補正式として、上記の式(53)で示される簡単な一次式を用いる。
本発明の実施の形態6では、表1〜3のパターン群に応じて、式(53)で求められる標準偏差σ/2を用いて、予測エラーレートを求める。これにより、図21B及び図21Cのように差分メトリック演算部102,107,112の出力の分布の中心が信号処理閾値からずれた場合であっても、エラーレートと相関が高い信号指標値を求めることができる。
なお、上述した具体的実施形態には以下の構成を有する発明が主に含まれている。
本発明の一局面に係る再生信号評価方法は、情報記録媒体から再生された再生信号からPRML信号処理方式を用いて生成された2値化信号に基づいて、当該再生信号の品質を評価する再生信号評価方法であって、前記2値化信号から、ビットエラーを引き起こす可能性のある特定の状態遷移パターンを抽出するパターン抽出ステップと、前記パターン抽出ステップにおいて抽出された状態遷移パターンの前記2値化信号に基づいて、当該2値化信号に対応する最も確からしい第1の状態遷移列の理想信号と前記再生信号との間の第1メトリックと、当該2値化信号に対応する2番目に確からしい第2の状態遷移列の理想信号と前記再生信号との間の第2メトリックとの差分である差分メトリックを算出する差分メトリック算出ステップと、前記差分メトリック算出ステップにおいて算出された前記差分メトリックを積算する第1の積算ステップと、前記第1の積算ステップにおける積算処理回数をカウントする第1のカウントステップと、所定の信号処理閾値以下の前記差分メトリックを抽出する差分メトリック抽出ステップと、前記差分メトリック抽出ステップにおいて抽出された前記信号処理閾値以下の差分メトリックを積算する第2の積算ステップと、前記第2の積算ステップにおける積算処理回数をカウントする第2のカウントステップと、前記第1の積算ステップにおいて積算された積算値と、前記第1のカウントステップにおいてカウントされたカウント値と、前記第2の積算ステップにおいて積算された積算値と、前記第2のカウントステップにおいてカウントされたカウント値とに基づいて予測されるエラーレートを算出するエラーレート算出ステップと、前記エラーレート算出ステップにおいて算出された前記エラーレートに基づいて標準偏差を算出する標準偏差算出ステップと、前記標準偏差算出ステップにおいて算出された前記標準偏差を用いて前記再生信号の品質を評価する評価ステップとを含む。
この構成によれば、情報記録媒体を再生して生成された2値化信号から、ビットエラーを引き起こす可能性のある特定の状態遷移パターンが抽出される。ここで、ビットエラーを引き起こす可能性のある状態遷移パターンとは、ある時刻における所定の状態から別の時刻における所定の状態へ遷移するときに複数の状態遷移を取り得るような合流パスを有する状態遷移パターンであって、最も確からしい第1の状態遷移列の理想信号と2番目に確からしい第2の状態遷移列の理想信号との間のユークリッド距離が比較的小さい合流パスの状態遷移パターンである。ビットエラーを引き起こす可能性のある状態遷移パターンが複数存在する場合は、特定の状態遷移パターンが選択的に抽出される。
抽出された特定の状態遷移パターンの2値化信号を処理対象として、当該2値化信号に対応する最も確からしい第1の状態遷移列の理想信号と再生信号との間の第1メトリックと、当該2値化信号に対応する2番目に確からしい第2の状態遷移列の理想信号と再生信号との間の第2メトリックとの差分である差分メトリックが算出される。
そして、算出された差分メトリックが積算され、差分メトリックの積算処理回数がカウントされる。また、所定の信号処理閾値以下の差分メトリックが抽出され、抽出された信号処理閾値以下の差分メトリックが積算され、信号処理閾値以下の差分メトリックの積算処理回数がカウントされる。
次に、算出された差分メトリックの積算値と、差分メトリックの積算処理回数のカウント値と、所定の信号処理閾値以下の差分メトリックの積算値と、所定の信号処理閾値以下の差分メトリックの積算処理回数のカウント値とに基づいて予測されるエラーレートが算出される。次に、算出されたエラーレートに基づいて標準偏差が算出され、算出された標準偏差を用いて再生信号の品質が評価される。
したがって、記録状態に依存して、差分メトリックの平均値が理想信号の符号距離に一致しない場合において、差分メトリックの平均値が理想信号の符号距離からずれることによって発生する標準偏差の誤差を、算出された差分メトリックの積算値と、差分メトリックの積算処理回数のカウント値とを用いて補正することにより、エラーレートと信号指標値との相関性を向上させ、情報記録媒体の再生信号の品質を高い精度で評価することができる。
また、上記の再生信号評価方法において、前記信号処理閾値は、前記最も確からしい第1の状態遷移列の理想信号と前記2番目に確からしい第2の状態遷移列の理想信号との間のユークリッド距離の2乗値であることが好ましい。
この構成によれば、抽出対象の特定の状態遷移パターンに応じた信号処理閾値を、第1の状態遷移列の理想信号と第2の状態遷移列の理想信号との間のユークリッド距離に合わせて正確に設定できる。これは、エラーを起こす可能性のある複数の状態遷移パターンが混在した信号を評価する場合に特に有効である。
また、上記の再生信号評価方法において、前記エラーレート算出ステップは、前記第1の積算ステップにおいて積算された積算値と、前記第1のカウントステップにおいてカウントされたカウント値と、前記第2の積算ステップにおいて積算された積算値と、前記第2のカウントステップにおいてカウントされたカウント値とを引数とした一次式を用いて、前記差分メトリック出力の平均値以下の差分メトリックの標準偏差を算出し、その標準偏差から前記エラーレートを算出することが好ましい。
この構成によれば、算出された差分メトリックの積算値と、差分メトリックの積算処理回数のカウント値と、所定の信号処理閾値以下の差分メトリックの積算値と、所定の信号処理閾値以下の差分メトリックの積算処理回数のカウント値とを引数とした一次式を用いて、差分メトリック出力の平均値以下の差分メトリックの標準偏差を算出し、その標準偏差からエラーレートを算出することができる。
また、上記の再生信号評価方法において、前記一次式は、ニュートン法による反復処理を用いて算出される近似式であることが好ましい。この構成によれば、エラーレートを算出する際に用いられる一次式は、ニュートン法による反復処理を用いて算出される近似式で表すことができる。
また、上記の再生信号評価方法において、前記エラーレート算出ステップは、前記第1の積算ステップにおいて積算された積算値と前記第1のカウントステップにおいてカウントされたカウント値とに基づいて算出した前記差分メトリックの平均値と、前記第2の積算ステップにおいて積算された積算値と前記第2のカウントステップにおいてカウントされたカウント値とに基づく所定の演算結果とに基づいて、前記エラーレートを算出することが好ましい。
この構成によれば、算出された差分メトリックの積算値と差分メトリックの積算処理回数のカウント値とに基づいて算出した差分メトリックの平均値と、所定の信号処理閾値以下の差分メトリックの積算値と所定の信号処理閾値以下の差分メトリックの積算処理回数のカウント値とに基づく所定の演算結果とに基づいて、エラーレートを算出することができる。
本発明の他の局面に係る再生信号評価方法は、情報記録媒体から再生された再生信号からPRML信号処理方式を用いて生成された2値化信号に基づいて、当該再生信号の品質を評価する再生信号評価方法であって、前記2値化信号から、ビットエラーを引き起こす可能性のある複数の状態遷移パターンを抽出するパターン抽出ステップと、前記パターン抽出ステップにおいて抽出された状態遷移パターン毎に、前記2値化信号に基づいて、当該2値化信号に対応する最も確からしい第1の状態遷移列の理想信号と前記再生信号との間の第1メトリックと、当該2値化信号に対応する2番目に確からしい第2の状態遷移列の理想信号と前記再生信号との間の第2メトリックとの差分である差分メトリックをそれぞれ算出する差分メトリック算出ステップと、前記差分メトリック算出ステップにおいて算出された前記差分メトリックを前記状態遷移パターン毎にそれぞれ積算する第1の積算ステップと、前記第1の積算ステップにおける積算処理回数を前記状態遷移パターン毎にカウントする第1のカウントステップと、所定の信号処理閾値以下の前記差分メトリックを前記状態遷移パターン毎にそれぞれ抽出する差分メトリック抽出ステップと、前記差分メトリック抽出ステップにおいて前記状態遷移パターン毎にそれぞれ抽出された前記信号処理閾値以下の差分メトリックをそれぞれ積算する第2の積算ステップと、前記第2の積算ステップにおける積算処理回数を前記状態遷移パターン毎にカウントする第2のカウントステップと、前記第1の積算ステップにおいて積算された複数の積算値と、前記第1のカウントステップにおいてカウントされた複数のカウント値と、前記第2の積算ステップにおいて積算された複数の積算値と、前記第2のカウントステップにおいてカウントされた複数のカウント値とに基づいて予測される複数のエラーレートを前記状態遷移パターン毎に算出するエラーレート算出ステップと、前記エラーレート算出ステップにおいて算出された前記複数のエラーレートの総和に基づいて標準偏差を算出する標準偏差算出ステップと、前記標準偏差算出ステップにおいて算出された前記標準偏差を用いて前記再生信号の品質を評価する評価ステップとを含む。
この構成によれば、情報記録媒体を再生して生成された2値化信号から、ビットエラーを引き起こす可能性のある複数の状態遷移パターンが抽出される。そして、抽出された状態遷移パターン毎に、2値化信号に基づいて、当該2値化信号に対応する最も確からしい第1の状態遷移列の理想信号と再生信号との間の第1メトリックと、当該2値化信号に対応する2番目に確からしい第2の状態遷移列の理想信号と再生信号との間の第2メトリックとの差分である差分メトリックがそれぞれ算出される。
そして、算出された差分メトリックが状態遷移パターン毎にそれぞれ積算され、差分メトリックの積算処理回数が状態遷移パターン毎にカウントされる。また、所定の信号処理閾値以下の差分メトリックが状態遷移パターン毎にそれぞれ抽出され、状態遷移パターン毎にそれぞれ抽出された信号処理閾値以下の差分メトリックがそれぞれ積算され、信号処理閾値以下の差分メトリックの積算処理回数が状態遷移パターン毎にカウントされる。
次に、算出された差分メトリックの複数の積算値と、差分メトリックの積算処理回数の複数のカウント値と、所定の信号処理閾値以下の差分メトリックの複数の積算値と、所定の信号処理閾値以下の差分メトリックの積算処理回数の複数のカウント値とに基づいて予測される複数のエラーレートが状態遷移パターン毎に算出される。次に、算出された複数のエラーレートの総和に基づいて標準偏差が算出され、算出された標準偏差を用いて再生信号の品質が評価される。
したがって、記録状態に依存して、差分メトリックの平均値が理想信号の符号距離に一致しない場合において、差分メトリックの平均値が理想信号の符号距離からずれることによって発生する標準偏差の誤差を、算出された差分メトリックの積算値と、差分メトリックの積算処理回数のカウント値とを用いて補正することにより、エラーレートと信号指標値との相関性を向上させ、情報記録媒体の再生信号の品質を高い精度で評価することができる。
本発明の他の局面に係る再生信号評価装置は、情報記録媒体から再生された再生信号からPRML信号処理方式を用いて生成された2値化信号に基づいて、当該再生信号の品質を評価する再生信号評価装置であって、前記2値化信号から、ビットエラーを引き起こす可能性のある特定の状態遷移パターンを抽出するパターン抽出部と、前記パターン抽出部によって抽出された状態遷移パターンの前記2値化信号に基づいて、当該2値化信号に対応する最も確からしい第1の状態遷移列の理想信号と前記再生信号との間の第1メトリックと、当該2値化信号に対応する2番目に確からしい第2の状態遷移列の理想信号と前記再生信号との間の第2メトリックとの差分である差分メトリックを算出する差分メトリック算出部と、前記差分メトリック算出部によって算出された前記差分メトリックを積算する第1の積算部と、前記第1の積算部による積算処理回数をカウントする第1のカウント部と、所定の信号処理閾値以下の前記差分メトリックを抽出する差分メトリック抽出部と、前記差分メトリック抽出部によって抽出された前記信号処理閾値以下の差分メトリックを積算する第2の積算部と、前記第2の積算部による積算処理回数をカウントする第2のカウント部と、前記第1の積算部によって積算された積算値と、前記第1のカウント部によってカウントされたカウント値と、前記第2の積算部によって積算された積算値と、前記第2のカウント部によってカウントされたカウント値とに基づいて予測されるエラーレートを算出するエラーレート算出部と、前記エラーレート算出部によって算出された前記エラーレートに基づいて標準偏差を算出する標準偏差算出部とを備える。
この構成によれば、情報記録媒体を再生して生成された2値化信号から、ビットエラーを引き起こす可能性のある特定の状態遷移パターンが抽出される。ここで、ビットエラーを引き起こす可能性のある状態遷移パターンとは、ある時刻における所定の状態から別の時刻における所定の状態へ遷移するときに複数の状態遷移を取り得るような合流パスを有する状態遷移パターンであって、最も確からしい第1の状態遷移列の理想信号と2番目に確からしい第2の状態遷移列の理想信号との間のユークリッド距離が比較的小さい合流パスの状態遷移パターンである。ビットエラーを引き起こす可能性のある状態遷移パターンが複数存在する場合は、特定の状態遷移パターンが選択的に抽出される。
抽出された特定の状態遷移パターンの2値化信号を処理対象として、当該2値化信号に対応する最も確からしい第1の状態遷移列の理想信号と再生信号との間の第1メトリックと、当該2値化信号に対応する2番目に確からしい第2の状態遷移列の理想信号と再生信号との間の第2メトリックとの差分である差分メトリックが算出される。
そして、算出された差分メトリックが積算され、差分メトリックの積算処理回数がカウントされる。また、所定の信号処理閾値以下の差分メトリックが抽出され、抽出された信号処理閾値以下の差分メトリックが積算され、信号処理閾値以下の差分メトリックの積算処理回数がカウントされる。
次に、算出された差分メトリックの積算値と、差分メトリックの積算処理回数のカウント値と、所定の信号処理閾値以下の差分メトリックの積算値と、所定の信号処理閾値以下の差分メトリックの積算処理回数のカウント値とに基づいて予測されるエラーレートが算出される。次に、算出されたエラーレートに基づいて標準偏差が算出され、算出された標準偏差を用いて再生信号の品質が評価される。
したがって、記録状態に依存して、差分メトリックの平均値が理想信号の符号距離に一致しない場合において、差分メトリックの平均値が理想信号の符号距離からずれることによって発生する標準偏差の誤差を、算出された差分メトリックの積算値と、差分メトリックの積算処理回数のカウント値とを用いて補正することにより、エラーレートと信号指標値との相関性を向上させ、情報記録媒体の再生信号の品質を高い精度で評価することができる。
また、上記の再生信号評価装置において、前記信号処理閾値は、前記最も確からしい第1の状態遷移列の理想信号と前記2番目に確からしい第2の状態遷移列の理想信号との間のユークリッド距離の2乗値であることが好ましい。
この構成によれば、抽出対象の特定の状態遷移パターンに応じた信号処理閾値を、第1の状態遷移列の理想信号と第2の状態遷移列の理想信号との間のユークリッド距離に合わせて正確に設定できる。これは、エラーを起こす可能性のある複数の状態遷移パターンが混在した信号を評価する場合に特に有効である。
また、上記の再生信号評価装置において、前記エラーレート算出部は、前記第1の積算部によって積算された積算値と、前記第1のカウント部によってカウントされたカウント値と、前記第2の積算部によって積算された積算値と、前記第2のカウント部によってカウントされたカウント値とを引数とした一次式を用いて、前記差分メトリック出力の平均値以下の差分メトリックの標準偏差を算出し、その標準偏差から前記エラーレートを算出することが好ましい。
この構成によれば、算出された差分メトリックの積算値と、差分メトリックの積算処理回数のカウント値と、所定の信号処理閾値以下の差分メトリックの積算値と、所定の信号処理閾値以下の差分メトリックの積算処理回数のカウント値とを引数とした一次式を用いて、差分メトリック出力の平均値以下の差分メトリックの標準偏差を算出し、その標準偏差からエラーレートを算出することができる。
また、上記の再生信号評価装置において、前記一次式は、ニュートン法による反復処理を用いて算出される近似式であることが好ましい。この構成によれば、エラーレートを算出する際に用いられる一次式は、ニュートン法による反復処理を用いて算出される近似式で表すことができる。
また、上記の再生信号評価装置において、前記エラーレート算出部は、前記第1の積算部によって積算された積算値と前記第1のカウント部によってカウントされたカウント値とに基づいて算出した前記差分メトリックの平均値と、前記第2の積算部によって積算された積算値と前記第2のカウント部によってカウントされたカウント値とに基づく所定の演算結果とに基づいて、前記エラーレートを算出することが好ましい。
この構成によれば、算出された差分メトリックの積算値と差分メトリックの積算処理回数のカウント値とに基づいて算出した差分メトリックの平均値と、所定の信号処理閾値以下の差分メトリックの積算値と所定の信号処理閾値以下の差分メトリックの積算処理回数のカウント値とに基づく所定の演算結果とに基づいて、エラーレートを算出することができる。
本発明の他の局面に係る再生信号評価装置は、情報記録媒体から再生された再生信号からPRML信号処理方式を用いて生成された2値化信号に基づいて、当該再生信号の品質を評価する再生信号評価装置であって、前記2値化信号から、ビットエラーを引き起こす可能性のある複数の状態遷移パターンを抽出するパターン抽出部と、前記パターン抽出部によって抽出された状態遷移パターン毎に、前記2値化信号に基づいて、当該2値化信号に対応する最も確からしい第1の状態遷移列の理想信号と前記再生信号との間の第1メトリックと、当該2値化信号に対応する2番目に確からしい第2の状態遷移列の理想信号と前記再生信号との間の第2メトリックとの差分である差分メトリックをそれぞれ算出する差分メトリック算出部と、前記差分メトリック算出部によって算出された前記差分メトリックを前記状態遷移パターン毎に積算する第1の積算部と、前記第1の積算部による積算処理回数を前記状態遷移パターン毎にカウントする第1のカウント部と、所定の信号処理閾値以下の前記差分メトリックを前記状態遷移パターン毎に抽出する差分メトリック抽出部と、前記差分メトリック抽出部によって前記状態遷移パターン毎に抽出された前記信号処理閾値以下の差分メトリックをそれぞれ積算する第2の積算部と、前記第2の積算部による積算処理回数を前記状態遷移パターン毎にカウントする第2のカウント部と、前記第1の積算部によって積算された複数の積算値と、前記第1のカウント部によってカウントされた複数のカウント値と、前記第2の積算部によって積算された複数の積算値と、前記第2のカウント部によってカウントされた複数のカウント値とに基づいて予測される複数のエラーレートを前記状態遷移パターン毎に算出するエラーレート算出部と、前記エラーレート算出部によって算出された前記複数のエラーレートの総和に基づいて標準偏差を算出する標準偏差算出部とを備える。
この構成によれば、情報記録媒体を再生して生成された2値化信号から、ビットエラーを引き起こす可能性のある複数の状態遷移パターンが抽出される。そして、抽出された状態遷移パターン毎に、2値化信号に基づいて、当該2値化信号に対応する最も確からしい第1の状態遷移列の理想信号と再生信号との間の第1メトリックと、当該2値化信号に対応する2番目に確からしい第2の状態遷移列の理想信号と再生信号との間の第2メトリックとの差分である差分メトリックがそれぞれ算出される。
そして、算出された差分メトリックが状態遷移パターン毎にそれぞれ積算され、差分メトリックの積算処理回数が状態遷移パターン毎にカウントされる。また、所定の信号処理閾値以下の差分メトリックが状態遷移パターン毎にそれぞれ抽出され、状態遷移パターン毎にそれぞれ抽出された信号処理閾値以下の差分メトリックがそれぞれ積算され、信号処理閾値以下の差分メトリックの積算処理回数が状態遷移パターン毎にカウントされる。
次に、算出された差分メトリックの複数の積算値と、差分メトリックの積算処理回数の複数のカウント値と、所定の信号処理閾値以下の差分メトリックの複数の積算値と、所定の信号処理閾値以下の差分メトリックの積算処理回数の複数のカウント値とに基づいて予測される複数のエラーレートが状態遷移パターン毎に算出される。次に、算出された複数のエラーレートの総和に基づいて標準偏差が算出され、算出された標準偏差を用いて再生信号の品質が評価される。
したがって、記録状態に依存して、差分メトリックの平均値が理想信号の符号距離に一致しない場合において、差分メトリックの平均値が理想信号の符号距離からずれることによって発生する標準偏差の誤差を、算出された差分メトリックの積算値と、差分メトリックの積算処理回数のカウント値とを用いて補正することにより、エラーレートと信号指標値との相関性を向上させ、情報記録媒体の再生信号の品質を高い精度で評価することができる。
本発明の他の局面に係る光ディスク装置は、情報記録媒体である光ディスクを再生して得られる再生信号からPRML信号処理方式を用いて2値化信号を生成する再生部と、上記のいずれかに記載の再生信号評価装置とを備える。この構成によれば、上記の再生信号評価装置を光ディスク装置に適用することができる。
なお、発明を実施するための形態の項においてなされた具体的な実施態様または実施例は、あくまでも、本発明の技術内容を明らかにするものであって、そのような具体例にのみ限定して狭義に解釈されるべきものではなく、本発明の精神と特許請求事項との範囲内で、種々変更して実施することができるものである。
本発明は、最尤復号法を用いて信号処理を行う技術分野において特に有用である。

Claims (13)

  1. 情報記録媒体から再生された再生信号からPRML信号処理方式を用いて生成された2値化信号に基づいて、当該再生信号の品質を評価する再生信号評価方法であって、
    前記2値化信号から、ビットエラーを引き起こす可能性のある特定の状態遷移パターンを抽出するパターン抽出ステップと、
    前記パターン抽出ステップにおいて抽出された状態遷移パターンの前記2値化信号に基づいて、当該2値化信号に対応する最も確からしい第1の状態遷移列の理想信号と前記再生信号との間の第1メトリックと、当該2値化信号に対応する2番目に確からしい第2の状態遷移列の理想信号と前記再生信号との間の第2メトリックとの差分である差分メトリックを算出する差分メトリック算出ステップと、
    前記差分メトリック算出ステップにおいて算出された前記差分メトリックを積算する第1の積算ステップと、
    前記第1の積算ステップにおける積算処理回数をカウントする第1のカウントステップと、
    所定の信号処理閾値以下の前記差分メトリックを抽出する差分メトリック抽出ステップと、
    前記差分メトリック抽出ステップにおいて抽出された前記信号処理閾値以下の差分メトリックを積算する第2の積算ステップと、
    前記第2の積算ステップにおける積算処理回数をカウントする第2のカウントステップと、
    前記第1の積算ステップにおいて積算された積算値と、前記第1のカウントステップにおいてカウントされたカウント値と、前記第2の積算ステップにおいて積算された積算値と、前記第2のカウントステップにおいてカウントされたカウント値とに基づいて予測されるエラーレートを算出するエラーレート算出ステップと、
    前記エラーレート算出ステップにおいて算出された前記エラーレートに基づいて標準偏差を算出する標準偏差算出ステップと、
    前記標準偏差算出ステップにおいて算出された前記標準偏差を用いて前記再生信号の品質を評価する評価ステップとを含む再生信号評価方法。
  2. 前記信号処理閾値は、前記最も確からしい第1の状態遷移列の理想信号と前記2番目に確からしい第2の状態遷移列の理想信号との間のユークリッド距離の2乗値である請求項1記載の再生信号評価方法。
  3. 前記エラーレート算出ステップは、前記第1の積算ステップにおいて積算された積算値と、前記第1のカウントステップにおいてカウントされたカウント値と、前記第2の積算ステップにおいて積算された積算値と、前記第2のカウントステップにおいてカウントされたカウント値とを引数とした一次式を用いて、前記差分メトリック出力の平均値以下の差分メトリックの標準偏差を算出し、その標準偏差から前記エラーレートを算出する請求項1又は2記載の再生信号評価方法。
  4. 前記一次式は、ニュートン法による反復処理を用いて算出される近似式である請求項3記載の再生信号評価方法。
  5. 前記エラーレート算出ステップは、前記第1の積算ステップにおいて積算された積算値と前記第1のカウントステップにおいてカウントされたカウント値とに基づいて算出した前記差分メトリックの平均値と、前記第2の積算ステップにおいて積算された積算値と前記第2のカウントステップにおいてカウントされたカウント値とに基づく所定の演算結果とに基づいて、前記エラーレートを算出する請求項1〜4のいずれかに記載の再生信号評価方法。
  6. 情報記録媒体から再生された再生信号からPRML信号処理方式を用いて生成された2値化信号に基づいて、当該再生信号の品質を評価する再生信号評価方法であって、
    前記2値化信号から、ビットエラーを引き起こす可能性のある複数の状態遷移パターンを抽出するパターン抽出ステップと、
    前記パターン抽出ステップにおいて抽出された状態遷移パターン毎に、前記2値化信号に基づいて、当該2値化信号に対応する最も確からしい第1の状態遷移列の理想信号と前記再生信号との間の第1メトリックと、当該2値化信号に対応する2番目に確からしい第2の状態遷移列の理想信号と前記再生信号との間の第2メトリックとの差分である差分メトリックをそれぞれ算出する差分メトリック算出ステップと、
    前記差分メトリック算出ステップにおいて算出された前記差分メトリックを前記状態遷移パターン毎にそれぞれ積算する第1の積算ステップと、
    前記第1の積算ステップにおける積算処理回数を前記状態遷移パターン毎にカウントする第1のカウントステップと、
    所定の信号処理閾値以下の前記差分メトリックを前記状態遷移パターン毎にそれぞれ抽出する差分メトリック抽出ステップと、
    前記差分メトリック抽出ステップにおいて前記状態遷移パターン毎にそれぞれ抽出された前記信号処理閾値以下の差分メトリックをそれぞれ積算する第2の積算ステップと、
    前記第2の積算ステップにおける積算処理回数を前記状態遷移パターン毎にカウントする第2のカウントステップと、
    前記第1の積算ステップにおいて積算された複数の積算値と、前記第1のカウントステップにおいてカウントされた複数のカウント値と、前記第2の積算ステップにおいて積算された複数の積算値と、前記第2のカウントステップにおいてカウントされた複数のカウント値とに基づいて予測される複数のエラーレートを前記状態遷移パターン毎に算出するエラーレート算出ステップと、
    前記エラーレート算出ステップにおいて算出された前記複数のエラーレートの総和に基づいて標準偏差を算出する標準偏差算出ステップと、
    前記標準偏差算出ステップにおいて算出された前記標準偏差を用いて前記再生信号の品質を評価する評価ステップとを含む再生信号評価方法。
  7. 情報記録媒体から再生された再生信号からPRML信号処理方式を用いて生成された2値化信号に基づいて、当該再生信号の品質を評価する再生信号評価装置であって、
    前記2値化信号から、ビットエラーを引き起こす可能性のある特定の状態遷移パターンを抽出するパターン抽出部と、
    前記パターン抽出部によって抽出された状態遷移パターンの前記2値化信号に基づいて、当該2値化信号に対応する最も確からしい第1の状態遷移列の理想信号と前記再生信号との間の第1メトリックと、当該2値化信号に対応する2番目に確からしい第2の状態遷移列の理想信号と前記再生信号との間の第2メトリックとの差分である差分メトリックを算出する差分メトリック算出部と、
    前記差分メトリック算出部によって算出された前記差分メトリックを積算する第1の積算部と、
    前記第1の積算部による積算処理回数をカウントする第1のカウント部と、
    所定の信号処理閾値以下の前記差分メトリックを抽出する差分メトリック抽出部と、
    前記差分メトリック抽出部によって抽出された前記信号処理閾値以下の差分メトリックを積算する第2の積算部と、
    前記第2の積算部による積算処理回数をカウントする第2のカウント部と、
    前記第1の積算部によって積算された積算値と、前記第1のカウント部によってカウントされたカウント値と、前記第2の積算部によって積算された積算値と、前記第2のカウント部によってカウントされたカウント値とに基づいて予測されるエラーレートを算出するエラーレート算出部と、
    前記エラーレート算出部によって算出された前記エラーレートに基づいて標準偏差を算出する標準偏差算出部とを備える再生信号評価装置。
  8. 前記信号処理閾値は、前記最も確からしい第1の状態遷移列の理想信号と前記2番目に確からしい第2の状態遷移列の理想信号との間のユークリッド距離の2乗値である請求項7記載の再生信号評価装置。
  9. 前記エラーレート算出部は、前記第1の積算部によって積算された積算値と、前記第1のカウント部によってカウントされたカウント値と、前記第2の積算部によって積算された積算値と、前記第2のカウント部によってカウントされたカウント値とを引数とした一次式を用いて、前記差分メトリック出力の平均値以下の差分メトリックの標準偏差を算出し、その標準偏差から前記エラーレートを算出する請求項7又は8記載の再生信号評価装置。
  10. 前記一次式は、ニュートン法による反復処理を用いて算出される近似式である請求項9記載の再生信号評価装置。
  11. 前記エラーレート算出部は、前記第1の積算部によって積算された積算値と前記第1のカウント部によってカウントされたカウント値とに基づいて算出した前記差分メトリックの平均値と、前記第2の積算部によって積算された積算値と前記第2のカウント部によってカウントされたカウント値とに基づく所定の演算結果とに基づいて、前記エラーレートを算出する請求項7〜10のいずれかに記載の再生信号評価装置。
  12. 情報記録媒体から再生された再生信号からPRML信号処理方式を用いて生成された2値化信号に基づいて、当該再生信号の品質を評価する再生信号評価装置であって、
    前記2値化信号から、ビットエラーを引き起こす可能性のある複数の状態遷移パターンを抽出するパターン抽出部と、
    前記パターン抽出部によって抽出された状態遷移パターン毎に、前記2値化信号に基づいて、当該2値化信号に対応する最も確からしい第1の状態遷移列の理想信号と前記再生信号との間の第1メトリックと、当該2値化信号に対応する2番目に確からしい第2の状態遷移列の理想信号と前記再生信号との間の第2メトリックとの差分である差分メトリックをそれぞれ算出する差分メトリック算出部と、
    前記差分メトリック算出部によって算出された前記差分メトリックを前記状態遷移パターン毎に積算する第1の積算部と、
    前記第1の積算部による積算処理回数を前記状態遷移パターン毎にカウントする第1のカウント部と、
    所定の信号処理閾値以下の前記差分メトリックを前記状態遷移パターン毎に抽出する差分メトリック抽出部と、
    前記差分メトリック抽出部によって前記状態遷移パターン毎に抽出された前記信号処理閾値以下の差分メトリックをそれぞれ積算する第2の積算部と、
    前記第2の積算部による積算処理回数を前記状態遷移パターン毎にカウントする第2のカウント部と、
    前記第1の積算部によって積算された複数の積算値と、前記第1のカウント部によってカウントされた複数のカウント値と、前記第2の積算部によって積算された複数の積算値と、前記第2のカウント部によってカウントされた複数のカウント値とに基づいて予測される複数のエラーレートを前記状態遷移パターン毎に算出するエラーレート算出部と、
    前記エラーレート算出部によって算出された前記複数のエラーレートの総和に基づいて標準偏差を算出する標準偏差算出部とを備える再生信号評価装置。
  13. 情報記録媒体である光ディスクを再生して得られる再生信号からPRML信号処理方式を用いて2値化信号を生成する再生部と、
    請求項7〜12のいずれかに記載の再生信号評価装置とを備える光ディスク装置。
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