JP5441141B1 - 歯周炎指標の作成方法、その作成装置、その作成プログラム、これを記録した記録媒体ならびに歯周炎の診断方法、その診断装置、その診断プログラムおよびこれを記録した記録媒体 - Google Patents

歯周炎指標の作成方法、その作成装置、その作成プログラム、これを記録した記録媒体ならびに歯周炎の診断方法、その診断装置、その診断プログラムおよびこれを記録した記録媒体 Download PDF

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Abstract

保存不可能として抜歯された複数の歯を対象として、歯種毎にそれぞれ複数本づつを抽出して測定した各歯のサンプルアタッチメントレベル(M)と、総歯根膜面積(S)に基づき喪失歯根膜面積(S)を算出し、さらに各歯の咬合力を反映した各歯種のみによって異なる咬合力係数(B)と、各歯の喪失時の喪失歯根膜面積(SLB)との関係を各歯種毎に統計処理し、この際両者に直線的関係があることを利用して咬合力係数(B)と、歯の喪失時の喪失歯根膜面積(SLB)との関係を示す直線の式を作成し、前記歯の喪失時の喪失歯根膜面積(SLB)に基づき求める(咬合力を加味した残存歯根膜面積(SSB)/総歯根膜面積(S))×100(%)を歯周炎の進行度合いを表す歯周炎指標BPIとして算出する。

Description

本発明は歯周炎指標の作成方法、その作成装置、その作成プログラム、これを記録した記録媒体ならびに歯周炎の診断方法、その診断装置、その診断プログラムおよびこれを記録した記録媒体に関し、特に歯周病による抜歯の必要性を判断する場合に適用して有用なものである。
いずれの疾患においても、その進行の程度を表す指標が必要なのは基本であるが、歯周病治療においても、また昨今のトゥースインプラント治療においても予知性の高い抜歯基準の確立が望まれている。歯周病は歯を支えている歯槽骨がなくなっていく病気であるが、完全になくなってしまうと顎堤を土台として装着される義歯は不安定になる。また、歯槽骨中に埋め込むトゥースインプラント処置もできなくなり、咀嚼回復が困難になる。
そこで、歯周病罹患歯をいつの時点で保存不可能と判断し、比較的多くの歯槽骨を残しながら抜歯を行なうかが歯周病治療における共通の問題点となる。すなわち、客観的で正確な抜歯基準を提示することが喫緊の課題である。
/S(S=総歯根膜面積、S=残存歯根膜面積)は歯周病を診断する時の診断基準のひとつとして古今東西歯周病学者により研究され、その値を出すための方法論が種々論じられてきた。かかる診断基準を得るひとつとしてX−P写真を白紙にトレースし、歯根をとりまく歯槽骨の量を計測する方法が提案されている。ただ、かかる方法は、X−P写真をいちいちトレースしなければならないため時間がかかること、またX−P照射量が全ての人々に一定しているわけではないこと、そして照射方向が一定ではないこと、さらに被験者の骨密度がまちまちであること等の原因により、同一の基準として評価され得なかった。
これらの問題点を改良したものがCTを用い複数方向からの撮影でコンピュータを用いて立体的な歯周組織を再現することによりS/Sを計測する方法である。このようにCTを利用する方法では、一般的に歯周治療で行われる歯周病検診は一生のうちで何十回と行われるのだが、それを考えると膨大な放射線被爆量になること、そして、人体及び動物実験の様な単身の実験用方法としては成立するが、CTが比較的普及している環境ではいざ知らず、一国内に数台しかない国がほとんどの状態で、広範囲に歯周病診断を行なうのは困難である。さらに、例えこのS/Sを正確に算出することができたとしても、その指標自体は、ポケット深さ等、他の診断方法と同様、単独で客観的な基準を提供する数字とはならず、他の診断方法による診断結果を加味して総合的に判断しなければならないという不便も存在する。
健康な歯を支持する全歯根表面積(S)に対する現在の歯を支持する残存歯根表面積(S)の割合(S/S)として算出された値を歯根表面積指標とし、同指標に基づいて歯周病の進行状態を検査する歯周病の検査方法を開示する先行技術として特許文献1および特許文献2が公知である。
特開2011−98047号公報 特開2011−72573号公報
ところが、特許文献1および特許文献2が指標として開示する歯根表面積指標(S/S)は、上述の如く抜歯基準を表す単独な指標とはなり得ないばかりでなく、歯根表面積指標(S/S)を、歯を歯科用X線によって撮像する画像処理を前提とする。
このため、種々の診察機器を備える先進国の医療現場ではともあれ、X線撮像機器等の備えが充分ではない開発途上国等においては、適用が困難であるという問題がある。
さらには、例え歯根表面積指標(S/S)を正確に算出しても、単独では信頼性の高い指標とはなり得ない。
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、簡単な検査で信頼性の高い抜歯基準を提示し得る歯周炎指標の作成方法、その作成装置、その作成プログラム、これを記録した記録媒体ならびに歯周炎の診断方法、その診断装置、その診断プログラムおよびこれを記録した記録媒体を提供することをも目的とする。
上述の如く、従来使用されていた歯根表面積指標(S/S)を正確に算出しても、当該歯根表面積指標単独では信頼性の高い指標とはなり得ない。その原因としては、次のことが考えられる。すなわち、例えば、図1に示すように、(S/S)=1/2である2種類の歯を考える。ひとつは下顎1番(図1(a)参照)、もうひとつは下顎7番(図1(b)参照)の歯である。図1に示す歯は、いずれも(S/S)=1/2であるが、歯周病臨床診断では、図1(a)に示す下顎1番は予後良好であるが、図1(b)に示す下顎7番は予後不良、歯周病診断で言うと歯周病の重篤となる。
このように、従来の歯根表面積指標(S/S)だけでは歯周病の臨床的診断はできず、歯根表面積指標(S/S)は診断の一助ではあるが、その他の種々の診断方法を用い総合的に診断を下さなければならない。
そこで、歯根表面積指標(S/S)が、同じ(例えば1/2)であっても歯周病臨床診断においては差がでてしまう原因について考察する。それには、まず歯周病臨床の現象を知る必要がある。
歯周病治療が施されメンテナンス期に入った歯周病患者で、予後不良でやむなく抜歯となった歯牙221歯を上・下顎における左側、右側の歯種で分散して観察した。この結果、歯牙喪失時のアタッチメントレベルは上・下顎差、左右差はなく歯種に依り異なることが分かった。
ここで、アタッチメントレベルとは歯周支持組織の程度のことでありそのひとつは歯槽骨のレベルを示す。図1(a)の下顎1番の歯の場合を例に採ると、アタッチメントレベルMは、表面がエナメル質からなる歯冠部1と、表面がセメント質からなる歯根部2との境であるセメント・エナメル境CEJから歯面に沿わせて歯根膜が喪失している最下部までの距離として与えられる。ここで、喪失された歯根膜を喪失歯根膜3Aと称し、喪失歯根膜3Aの歯根部2における全周の面積を喪失歯根膜面積Sと称す。また、歯槽骨4内に残存する歯根膜を残存歯根膜3Bと称し、残存歯根膜3Bの歯根部2における全周の面積を残存歯根膜面積Sと称す。
上述の如く、予後不良でやむなく抜歯となった歯牙221歯の上・下顎および左側、右側における分布を表1に、各歯のアタッチメントレベルを表2に、また各歯のアタッチメントレベルの棒グラフを図2にそれぞれ示す。
Figure 0005441141
Figure 0005441141
予後不良でやむなく抜歯となった各歯間のアタッチメントレベルの差の発生原因について考察した結果、それには咬合力が関係していることが判明した。さらに詳言すると、歯根の周りをとり囲んでいる歯根膜、それは歯根表面とのセメント質と周囲の歯槽骨とをつなげている結合組織で、歯の支持、保持を行っている。それが歯周病に依り破壊され喪失してしまった歯根表面上の面積は、咀嚼したりくいしばったりする時の咬合力とパラレルであることが分かった。すなわち、顎関節に近い咬合力が強く作用する歯種程、歯周病に依り喪失する歯根膜面積が大きい。換言すると、(S/S)=1/2の前歯と臼歯では残っている歯根膜面積は半分どうしでも、臼歯の方が残っている歯根膜が早々に喪失してしまい、前歯に比べ臼歯の方が予後が悪いということになる。
そこで、咬合力を加味することにより歯周病の程度を正確に反映した指標を得ることができるのではないかとの予測の下、咬合力の作用を適切に取り入れた指標を得る本願発明に思い至った。
かかる予測に基づき上記目的を達成する本発明の第1の態様は、
保存不可能として抜歯された複数の歯を対象として、歯種毎にそれぞれ複数本づつを抽出したサンプルにおける各歯のセメント・エナメル境または被覆冠歯の冠辺縁から縁下歯石付着部の最深部までの寸法であるサンプルアタッチメントレベルをそれぞれ計測する計測工程と、
前記各歯の総歯根膜面積および前記サンプルアタッチメントレベルに基づく前記各歯の喪失歯根膜面積を求める歯根膜面積演算工程と、
予め与えられる前記各歯の咬頭から顎関節の顆頭までの距離と、基準位置を与える特定の基準歯から前記顆頭までの距離との比、および予め与えられる前記基準歯の歯の長さと、前記各歯の長さとの比に基づき前記各歯の咬頭をテコの作用点とし、前記顆頭を前記テコの支点とする咬合力係数を前記各歯に関してそれぞれ求める咬合力係数演算工程と、
前記各歯種のみによって異なる咬合力係数と、前記喪失歯根膜面積との関係を各歯種毎に統計処理した場合に、両者の値に直線関係があることを利用して前記咬合力係数と、前記喪失歯根膜面積との関係を示す直線の式である咬合力-喪失歯根膜直線を作成する直線作成工程と、
前記直線作成工程において得られた前記咬合力-喪失歯根膜直線に基づき、前記咬合力係数を加味して補正した各歯の喪失時の喪失歯根膜面積である喪失時喪失歯根膜面積を求める喪失歯根膜面積検出工程と、
前記総歯根膜面積から前記喪失時喪失歯根膜面積を引いて求める喪失時残存歯根膜面積に基づき、(喪失時残存歯根膜面積/総歯根膜面積)×100(%)を各歯の喪失時の歯周炎指標として算出する喪失時歯周炎指標演算工程とを有することを特徴とする歯周炎指標の作成方法にある。
本態様によれば、歯根膜は、歯の支持、保持を行っているが、歯周病に依り破壊され、喪失してしまった歯根表面上の面積は、咀嚼したりくいしばったりする時の咬合力とパラレルであるという知見に基づき咬合力係数という新たな概念を導入するとともに、サンプルアッタチメントレベルとの関係から求まる各歯の喪失時の喪失歯根膜面積が前記咬合力係数と一次関数で表される強い相関関係があり、歯の喪失時の喪失歯根膜面積が、咬合力係数を加味したものとして表すことができるという知見を利用して、総歯根膜面積に対する各歯の喪失時の、咬合力係数を加味した残存歯根膜面積の割合である歯周炎指標を作成することができる。
この結果、歯周炎の進行の程度を的確に反映した新たな客観的な指標を作成するに当たり必要となる、各歯の喪失時の、咬合力係数を加味した残存歯根膜面積の割合である喪失時歯周炎指標を得ることができる。
本発明の第2の態様は、
第1の態様に記載する歯周炎指標の作成方法において、
歯根膜がすべて残っている場合の歯周炎指標を100とし、歯根膜が全部失われている場合の歯周炎指標を0とし、前記各歯の喪失時の歯周炎指標を喪失時歯周炎指標としてこれらの値を表わす3点を通る線によって表わされ、総歯根膜面積に対する前記各歯の咬合力係数を加味した残存歯根膜面積の割合である歯周炎指標を作成する歯周炎指標作成工程とを有することを特徴とする歯周炎指標の作成方法にある。
本態様により得られる歯周炎指標は、歯周炎の進行の程度を的確に反映した客観的な指標となり、抜歯基準を客観的に提示する指標として有用なものとなる。すなわち、本態様によれば、より高精度に歯周病臨床に則した歯の健康度の絶対的な指標としての歯周炎指標を容易に提供することができる。
本発明の第3の態様は、
第1または第2の態様に記載する歯周炎指標の作成方法において、
前記歯根膜面積演算工程は、前記各歯の総歯根膜面積を数量的に計算できる疑似歯根を作成する疑似歯根作成工程と、前記疑似歯根に基づき総歯根膜面積を算出する総歯根膜面積演算工程と、前記総歯根膜面積および前記サンプルアタッチメントレベルに基づき前記歯の喪失歯根膜面積を算出する喪失歯根膜面積演算工程とを有することを特徴とする歯周炎指標の作成方法にある。
本態様によれば、疑似歯根を作成することで、総歯根膜面積、喪失歯根膜面積および残存歯根膜面積を擬似歯根に基づく面積として簡単かつ的確に求めることができる。
本発明の第4の態様は、
第3の態様に記載する歯周炎指標の作成方法において、
前記歯根膜面積演算工程における疑似歯根は、単根歯の歯根を単一の円錐体とみなすとともに、複根歯の歯根を複数の円錐体の集合体と見なして、前記円錐体の底面の直径(R)を前記歯根の前記セメント・エナメル境の部分の直径、高さ(H)を歯根長、円錐の稜線長(C)を歯根稜線長として作成する一方、
前記総歯根膜面積は式(1)に基づき演算するとともに、残存歯根膜面積は式(2)に基づき演算し、かつ前記喪失歯根膜面積は式(3)を用いて所定の演算を行なうことにより求めることを特徴とする歯周炎指標の作成方法にある。
Figure 0005441141
Figure 0005441141
Figure 0005441141
本態様によれば、簡単かつ的確に疑似歯根を作成することができ、これに基づく総歯根膜面積、残存歯根膜面積および、喪失歯根膜面積を簡単かつ的確に求めることができる。
本発明の第5の態様は、
第1または第2の態様に記載する歯周炎指標の作成方法において、
前記咬合力係数は式(4)に基づき演算することを特徴とする歯周炎指標の作成方法にある。
Figure 0005441141
ただし、上式(4)において、
T:各歯種の咬合部位より顎関節顆頭までの距離
A:下顎前歯1番の切縁から顎関節顆頭までの距離(基準値)
P:下顎前歯1番の切縁唇面隅角部から歯根尖までの距離(基準値)
Q:歯の長さ(咬合接触している部位から最も遠い歯根尖までの距離)
本態様によれば、具体的かつ的確な咬合力係数を提供することができる。
本発明の第6の態様は、
第2の態様に記載する歯周炎指標の作成方法において、
前記歯周炎指標作成工程は、前記残存歯根膜面積を横軸に採り、前記歯周炎指標を縦軸に採った場合において、
歯根膜がすべて残っている場合の歯周炎指標である100と、歯根膜が全部失われている場合の歯周炎指標である0との2点を結ぶ直線を引き、
前記喪失時の歯周炎指標をプロットして、このプロットした点を通る直線となるように前記直線を平行移動し、
さらに前記歯周炎指標が0と100の2点を通り、かつ前記プロットした点でのみ前記平行移動した直線に接する歯周炎指標曲線を作成し、特定の残存歯根膜面積に対応する前記歯周炎指標曲線上の点を、前記特定の残存歯根膜面積に対応する歯周炎指標とすることを特徴とする歯周炎指標の作成方法にある。
本態様によれば、歯周炎指標曲線を利用して残存歯根膜面積を特定するだけで咬合力を加味した所望の歯周炎指標を得ることができる。
本発明の第7の態様は、
保存不可能として抜歯された複数の歯を対象として、歯種毎にそれぞれ複数本づつを抽出したサンプルにおける各歯のセメント・エナメル境または被覆冠歯の冠辺縁から縁下歯石付着部の最深部までの寸法であるサンプルアタッチメントレベルをそれぞれ計測して得た前記サンプルの計測値を表すサンプリングデータが入力され、
第1の態様に記載する歯周炎指標の作成方法における歯根膜面積演算工程、咬合力係数演算工程、喪失歯根膜面積検出工程および喪失時歯周炎指標演算工程の各処理を実行して前記各歯の喪失時の歯周炎指標を作成する演算処理部を有することを特徴とする歯周炎指標作成装置にある。
本態様によれば、サンプルアタッチメントレベルに関するサンプリングデータを演算処理部に入力するだけで、各歯の喪失時の歯周炎指標を自動的に得ることができる。
この結果、より高精度に歯周病臨床に則した歯の健康度の絶対的な指標である歯周炎指標の作成に寄与させることができる。
本発明の第8の態様は、
第7の態様に記載する歯周炎指標の作成装置において、
前記演算処理部は、第2の態様または第6の態様に記載する歯周炎指標の作成方法における歯周炎指標作成工程の処理を実行して、さらに歯周炎指標を作成するように構成したことを特徴とする歯周炎指標作成装置にある。
本態様によれば、高精度に歯周病臨床に則した歯の健康度の絶対的な指標である歯周炎指標を自動的に作成させることができる。
本発明の第9の態様は、
第1〜第5の態様のいずれか一つに記載する歯周炎指標の作成方法における歯根膜面積演算工程、咬合力係数演算工程、喪失歯根膜面積検出工程および喪失時歯周炎指標演算工程の各処理を第7の態様に記載する歯周炎指標作成装置に実行させることを特徴とする歯周炎指標作成プログラムにある。
本態様によれば、第1の態様に記載する歯周炎指標の作成方法における所定の工程の処理を第7の態様に記載する歯周炎指標作成装置に良好に実行させることができる。ここで、当該歯周炎指標作成プログラムのデータはインターネット等の電気通信回線を介しても良好に歯周炎指標作成装置に提供し得る。したがって、当該歯周炎指標作成プログラムをインターネット等からパソコンにダウンロードすることにより汎用のパソコンを、上記歯周炎指標BPIを作成する歯周炎指標作成装置として機能させることができる。
本発明の第10の態様は、
第2または第6の態様に記載する歯周炎指標の作成方法における歯周炎指標作成工程の処理を第8の態様に記載する歯周炎指標作成装置に実行させることを特徴とする歯周炎指標作成プログラムにある。
本態様によれば、第2または第6の態様に記載する歯周炎指標の作成方法における所定の工程の処理を、歯周炎指標作成工程の処理も含め第7の態様に記載する歯周炎指標作成装置に良好に実行させることができる。
本発明の第11の態様によれば、
第7の態様に記載する歯周炎指標作成装置で読み取り可能な第9の態様に記載する歯周炎指標作成プログラムを記録したことを特徴とする記録媒体にある。
本態様によれば、第9の態様に記載する歯周炎指標作成プログラムの頒布等を良好に行うことができる。この結果、パソコン等のハードウエアがあれば、これに対しインストールすることにより、何処でも容易に各歯の喪失時の喪失歯根膜面積に基づく喪失時歯周炎指標の作成装置としての機能を発揮させることができる。
本発明の第12の態様によれば、
第8の態様に記載する歯周炎指標作成装置で読み取り可能な第10の態様に記載する歯周炎指標作成プログラムを記録したことを特徴とする記録媒体にある。
本態様によれば、第10の態様に記載する歯周炎指標作成プログラムの頒布等を良好に行うことができる。この結果、パソコン等のハードウエアがあれば、これに対しインストールすることにより、何処でも容易に歯周炎作成装置としての機能を発揮させることができる。
本発明の第13の態様は、
診断対象となる特定の歯のアタッチメントレベルを計測して実測アタッチメントレベルを検出し、
前記実測アタッチメントレベルに基づき前記診断対象の歯の残存歯根膜面積(S)を算出するとともに、
第2の態様または第6の態様に記載する歯周炎指標作成工程により前記残存歯根膜面積(S)に対応する前記特定の歯の歯周炎指標(BPI)を作成することを特徴とする歯周炎の診断方法にある。
本態様によれば、診断対象となる特定の歯の実測アタッチメントレベルのデータを得るだけで、歯種により異なる咬合力を加味した歯周炎指標を求めて歯周炎治療の際の的確かつ客観的な抜歯基準を得ることができる。この結果、適切な歯周炎治療を行うことができる。
本発明の第14の態様は、
第13の態様において実測した特定の歯の実測アタッチメントレベルを表わす実測データが入力されるとともに、
前記実測アタッチメントレベルに基づき前記診断対象の歯の残存歯根膜面積を算出し、さらに第2または第6の態様に記載する歯周炎指標作成工程の処理を実行して前記残存歯根膜面積に対応する前記特定の歯の歯周炎指標を作成する演算処理部を有することを特徴とする歯周炎の診断装置にある。
本態様によれば、診断対象となる特定の歯のアタッチメントレベルを計測して得る実測アタッチメントレベルのデータを入力するだけで、歯種により異なる咬合力を加味した歯周炎指標を簡単かつ自動的に求めることができる。この結果、歯周炎治療の際の的確かつ客観的な抜歯基準を容易に得ることができ、適切な歯周炎治療を容易かつ迅速に行うことができる。ここで、当該診断装置はパソコン等で好適に作製することができる。したがって、特定の歯の実測アタッチメントレベルのデータさえ得られれば、何処にでも簡単に搬送し得る診断装置として汎用性に優れる装置となる。この結果、小型かつ汎用性に優れる装置として歯周炎による客観的な抜歯基準を提供する診断に資することができる。すなわち、従来この種の診断に用いていたX線装置等に較べれば、飛躍的に装置の小型化を図ることができ、可搬性も飛躍的に向上し、ハンドリングも容易になる。さらに、治療等に伴うX線被曝量も可及的に低減し得る。
本発明の第15の態様は、
第13の態様に記載する歯周炎の診断方法における実測アタッチメントレベルに基づく診断対象の歯の残存歯根膜面積を算出するとともに、
第2または第6の態様に記載する歯周炎指標作成工程により前記残存歯根膜面積に対応する前記特定の歯の歯周炎指標を作成する処理を、
第14の態様に記載する歯周炎の診断装置に実行させることを特徴とする歯周炎の診断プログラムにある。
本態様によれば、所定の歯周炎指標を自動的に生成させて、容易かつ迅速な歯周炎の治療に資することができる。ここで、当該歯周炎の診断プログラムのデータはインターネット等の電気通信回線を介しても良好に歯周炎指標作成装置に提供し得る。したがって、当該歯周炎の診断プログラムをインターネット等からパソコンにダウンロードすることによりパソコンを歯周炎診断の診断装置として機能させることができる。
本発明の第16の態様は、
第14の態様に記載する歯周炎の診断装置で読み取り可能な第15の態様に記載する歯周炎の診断プログラムを記録したことを特徴とする記録媒体にある。
本態様によれば、当該プログラムの頒布等を良好に行うことができる。この結果、X線撮像装置等の高価な医療機器がなくてもパソコン等の汎用性のある安価なハードウエアがあれば、これに対しインストールすることにより、何処でも容易に歯周炎指標作成装置としての機能を発揮させることができる。
本発明においては、まず喪失歯根膜面積または残存歯根膜面積と咬合力との強い相関関係に基づき両者の関係を表わした式により求まる咬合力−喪失歯根膜直線を利用して新規な歯周炎指標を求めている。この歯周炎指標は歯周病臨床の法則に則り算出され、咬合力を加味して補正した補正残存歯根膜面積または補正喪失歯根膜面積を用いたものであるので、歯周病臨床に則した歯の健康度の絶対評価となる。特にその導き出された過程から、歯の喪失時近辺を詳細に示す、歯周炎の進行の程度を的確に表す予知性の高い指標となる。
さらに本発明によれば、歯周病臨床において羅患歯の所定の(最深部の)アタッチメントレベルの計測により、複雑な機器や手順をとらずとも、BPIソフトに入力することで歯周病評価が可能となる。そのことは機器の欠点に依る誤差や術者間の判断の誤差を生ずることなく、全世界的にまた経時的に同一レベルで歯周病評価が可能となり、歯周病における一般臨床においてもまた歯周病臨床実験においても歯周病評価の有用な手法となり得る。
歯を模式的に示す図で、(a)が単根歯、(b)が複根歯である。 歯周炎のため保存不可能として抜歯した各歯種毎のサンプルアタッチメントレベルを示すグラフである。 各種疑似歯根を模式的に示す説明図である。 円錐体と見なして単根歯の疑似歯根を作成する場合の各部の寸法を説明するための説明図である。 咬合力係数と喪失時の喪失歯根膜面積である喪失時喪失歯根膜面積との関係を示すグラフである。 咬合力を加味した残存歯根膜面積と歯周炎係数BPIとの関係を示す歯周炎指標曲線の作成方法を示す説明図である。 人種毎、また歯種毎に異なる歯周炎曲線を上顎および下顎に関してそれぞれ示すグラフである。 本発明の実施の形態に係る歯周炎指標作成装置を示すブロック図である。 図8に示す装置の演算処理部のハードウエア構成を示すブロック図である。
以下本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
<歯周炎指標の作成方法および歯周炎の診断方法>
本実施の形態に係る歯周炎指標の作成方法においては、まず保存不可能として抜歯された複数の歯(本例では221本)を対象として、歯種毎にそれぞれ複数本づつを抽出したサンプル(表1参照)における各歯のセメント・エナメル境または被覆冠歯の冠辺縁から縁下歯石付着部の最深部までの寸法であるアタッチメントレベルを測定する。この測定は、mm単位で実施し、1本の歯につき6点(頬側近心、頬側中央、頬側遠心、舌側近心、舌側中央、下側遠心)で測定し、上顎、左右側の1番〜7番のそれぞれの歯および下顎、左右側の1番〜7番のそれぞれの歯のサンプルアッタッチメントレベルとする。かかるサンプルアッタッチメントレベルは、各歯のアタッチメントレベルの測定の結果得られる最も大きい値とする。ここで、それぞれの歯の縁下歯石付着最深部の値を各歯種毎に分け(小臼歯部においては解剖学的困難性から4番と5番を一緒にした)平均値を求めた(表1および表2参照)。さらに具体的には、各歯から得られたアタッチメントレベルの測定値から、(上下左右各歯種の)アタッチメントレベルの平均値を算出し、その値で2元配置分散分析を行ってサンプルアッタチメントレベルMとした。
その結果を示したのが前述の表2である。同表を参照すれば明らかな通り、歯の喪失時のサンプルアタッチメントレベルMの最大値は上顎・左側の2番の11.0mm、最小値は下顎・7番の4.0mmであり、前歯で大きく、臼歯で小さい傾向にある。統計処理をしたところ、後に詳述する通り、歯の喪失時のサンプルアタッチメントレベルMの歯種別平均値で上顎と下顎との間、また右側と左側との間の差は認められなかったが、1番から7番の歯種による差が認められた(P=0.0014)。
次に、上記サンプルとした各歯の総歯根膜面積Sを数量的に計算できる疑似歯根を作成するとともに、疑似歯根に基づき各歯の総歯根膜面積S、サンプルアタッチメントレベルMに基づき前記各歯の残存歯根膜面積S、および総歯根膜面積Sと残存歯根膜面積Sとの差である喪失歯根膜面積Sを算出する。
具体的には、次のような擬似歯根を作成し、これに基づき次のような所定の演算を行って、総歯根膜面積S、残存歯根膜面積Sおよび喪失歯根膜面積Sを算出する。
まず、歯根膜面積を数量的に計算出来る疑似歯根を作る。具体的には、単根歯の歯根は円錐体と見なし、複根歯は複数の円錐体の集合体と見なす。そして歯根の全ての表面積である総歯根膜面積Sおよび歯周炎で喪失した歯根膜の表面積である喪失歯根膜面積S、そして喪失していない歯根膜の表面積である残存歯根膜面積Sを円錐体の側面積から計算する。かかる一連の演算工程を図3に基づき詳細に説明する。
1)擬似歯根を作る。
a) 図1(a)に示す単根歯の場合
図3(a)に示すように、セメント・エナメル境CEJ(以下,CEJと略称する)の部分における歯根(以下,CEJ部歯根と称す)の直径を、円錐体底面の直径とし、歯根長を円錐体の高さとする。ここで、CEJ部歯根における近遠心と頬舌側では値が異なるため、その平均値を算出する。
b) 図1(b)に示す複根歯で、上顎4番、5番の場合
図3(b)に示すように、頬舌側の2根からなる2つの円錐体とみなす。
c) 複根歯で、下顎6番、7番の場合
図3(c)に示すように、近遠心の2根からなる2つの円錐体とみなす。
d) 複根歯で、上顎6番、7番の場合
図3(d)に示すように、口蓋側は頬舌側の1/2の巾の円錐体、頬側はさらに近遠心巾の1/2の巾の2つの円錐体からなる計3つの円錐体とみなす。
e) ここで、図3(b)〜図3(d)に示す場合も、図3(a)に示す単根歯と同様に、CEJ部歯根では近遠心と頬舌側とでは値が異なるため、その平均値を算出する。
f) CEJ部歯根は歯根近遠心側では歯冠寄りに、歯根頬舌側では歯根尖寄りに位置しているため、歯根の長さは近遠心部のCEJ部歯根から根尖までの歯根長と、頬舌側部のCEJ部歯根から根尖までの歯根長の平均値を使う。
g) 多根歯の上顎4番、5番、6番、7番および下顎6番、7番は近遠心根ならびに頬舌根において歯根長が異なるため、それぞれ高さの異なる円錐体の集合体と見なす。
h) ここで、歯根CEJの部分の近遠心巾、頬舌巾及び歯根長は、日本人の歯牙解剖の成書上条雍彦著「日本人永久歯の解剖学」出版アナト―ム社の平均値を使った。
i) 上記a)〜h)に基づき算出された各歯種毎の疑似歯根の直径および歯根長(単位mm)を表3に示す。
Figure 0005441141
2) 疑似歯根から総歯根膜面積Sを算出する。
疑似歯根の円錐体の側面積を総歯根膜面積Sと見なし、図4(a)におけるHを歯根長、Cを歯根稜線長、RをCEJ部歯根の直径、rをCEJ部歯根の半径とすると、総歯根膜面積Sは、S=πrCと表される。
ここで、r=R/2、C=SQRT(r+H)を上式に代入することにより総歯根膜面積Sは式(5)で与えられる。
Figure 0005441141
3) 疑似歯根から残存歯根膜面積Sおよび喪失歯根膜面積Sを算出する。
図4(b)において、M,S,S,S、Xを次の通りとする。
M;実測した6点の計測値の最大のサンプリングアタッチメントレベル(単位mm)
S;総歯根膜面積(単位mm2
;残存歯根膜面積(単位mm2
;喪失歯根膜面積(単位mm2
X;残存歯根の半径(単位mm)
この結果、残存歯根膜面積Sは、S=πX(C−M)と表される。
上記Sの式に次の値を代入して式(6)を得る。
Figure 0005441141
この結果、残存歯根膜面積Sは次式(7)で表される。
Figure 0005441141
ここで、喪失歯根膜面積S=総歯根膜面積S−残存歯根膜面積Sであることから、喪失歯根膜面積Sは次式(8)で表される。
Figure 0005441141
4) 上式(5)、(7)、(8)に各歯種により異なる表3で示した歯根長Hおよび直径Rの値を入力する。さらに表1に示す各歯の喪失時の歯種毎のサンプリングアタッチメントレベルを上式(5)、(7)、(8)にそれぞれ入力して歯の喪失時の各歯種歯根の総歯根膜面積S、残存歯根膜面S、喪失歯根膜面積Sを算出する。その結果を表4に示す。
Figure 0005441141
上式(5)、(7)、(8)で与えられる総歯根膜面積S、残存歯根膜面S、喪失歯根膜面積Sを、そのまま利用しただけでは、歯周病の進行の程度を表す指標としては、前述の如く不十分である。そこで、本形態では、各歯の咬合力の違いによる影響を調べて、その結果を所定の指標の作成に反映させている。すなわち、咬合力で前記残存歯根膜面S、喪失歯根膜面積Sを修正することで各歯毎の歯周炎の進行程度をより正確に反映した指標を得られるのではないかと考え、次の検討を行なった。
複雑な咬合力は外力として各歯に作用していると考えられるが、主となり得る次の2つの要素で修正を加える。
1) 各歯の咬頭をテコの原理の作用点とすると顎関節の顆頭が支点と考えられる。そこで、下顎1番を基準とし各歯種の咬頭から顎関節顆頭までの距離の比により咬合力を修正する。つまり、前歯より大臼歯の方が顆頭に近いため、強大な咬合力が作用すると考える。
2) 咬合力を受ける咬頭と歯根尖までの長さが長い歯程、テコの原理で咬合力が外傷力として働き易いだろうと考える。そこで、上下顎歯が臨床的に咬合接触している部位から、最も遠い歯根尖までの距離を歯の長さとして使う。そして、下顎1番を基準とし、各歯種毎の歯の長さの比により咬合力を修正する。
上記1)および2)を考慮して、各歯の咬合力の関係を表す咬合力係数Bを考える。この咬合力係数Bは、解剖学的なデータとして予め与えられる各歯の咬頭から顎関節の顆頭までの距離Tと、基準位置を与える特定の基準歯から前記顆頭までの距離Aとの比、および予め与えられる前記基準歯の歯の長さPと、前記各歯の長さQとの比に基づき前記各歯の咬頭をテコの作用点とし、前記顆頭を前記テコの支点とする咬合力係数Bを前記各歯に関してそれぞれ算出する。
すなわち、咬合力係数Bは、次式(9)で与えられる。
Figure 0005441141
ここで、次の仮説を立てる。サンプリングアタッチメントMに基づく各歯の喪失時の喪失歯根膜面積Sは上記表4に示す様に、各歯種間で異なる。もし、これに咬合力を加味した修正を行うことで、各歯種間で同程度になるのなら、「歯根膜喪失の原因は咬合力である」ということができる。
そこで、まず修正値を比較した。具体的には、表4に示す喪失歯根膜面積Sに、表5に示す咬合力係数Bを掛算し、各歯種の喪失時の歯根膜面積Sに咬合力の修正を施した値(S・B)を表6に示す。
Figure 0005441141
Figure 0005441141
その後、各歯種の喪失歯根膜面積Sと、咬合力係数Bを加味して修正した喪失歯根膜面積S・Bを各歯種間で比較検討する。結果は次の通りである。
1) 喪失歯根膜面積Sについて;
a) 歯種による差が認められた(P=0.0000013、繰り返しのない二元配置分散分析)。
b) 上顎と下顎との間では差が認められた(P=0.0046、繰り返しのない二元配置分散分析)。
c) 左側と右側との間では差が認められない(対応のある場合のt一検定)
d) 上下・左右6番を除くと、歯種による差が認められる(P=0.0014、繰り返しのない二元配置分散分析)が、上顎と下顎との間および左側と右側との間では差が認められない(繰り返しのない二元配置分散分析および対応のある場合のt一検定)。
2) 咬合力係数Bを加味して修正を施したS・Bについて;
a) 歯種による差が認められた(P=0.0025、繰り返しのない二元配置分散分析)。
b) 上顎と下顎との間および左側と右側との間に差は認められない(繰り返しのない二元配置分散分析および対応のある場合のt一検定でも左右差はN.S.)。
c) 上下・左右6番を除くと、歯種による差が認められない。また、上顎と下顎との間、および左側と右側との間に差は認められない(繰り返しのない二元配置分散分析および対応のある場合のt−検定)。
以上の結果、上記1)および2)により、上下6番を除いた場合、「歯根膜喪失の原因は咬合力である」と、結論づけることができる。
このように、「歯根膜喪失の原因は咬合力である」という事実を踏まえて咬合力係数Bと、サンプルアッタッチメントレベルMに基づく歯の喪失時の喪失時喪失歯根膜面積SLB0との関係を調べるべく、咬合力咬合力係数Bを横軸に採り、喪失歯根膜面積Sを縦軸に採ってグラフを作成した。
次に、喪失歯根膜面積Sおよび咬合力係数Bの統計処理結果から「上下・左右6番を除くと上顎と下顎との間および左側と右側との間に差は認められない」から一歯種にそれぞれ4サンプルとなる咬合力係数Bと喪失歯根膜面積Sとの値を図5に示すグラフにプロットする。
この場合の咬合力係数(B)と喪失歯根膜面積(S)との関係を表7に示す。
Figure 0005441141
ここで、6番を除いた計20サンプルを統計処理すると、咬合力係数Bと歯の喪失時の喪失歯根膜面積Sとの間には、相関係数=−0.8826、自由度調整済み決定係数=0.7667で、非常に高度な直線的な相関性があることが分かった。すなわち、咬合力係数Bと歯の喪失時の喪失歯根膜面積Sとの間には、
=−203.9B+281.2・・・(10)
という直線的な関係が成立している。
上式(10)で表される直線、すなわち「咬合力−喪失歯根膜直線」は咬合力係数Bと喪失歯根膜面積Sがパラレルで対応することを示している。したがって、かかる「咬合力−喪失歯根膜直線」を求めることにより、具体例を一般論に置き換えられる。つまり咬合力係数Bは解剖学的数値であり、予め与えられる定数である。一方、上顎と下顎では咬合する点が異なるので咬合する点と顎関節顆頭までの距離も、また歯の長さも異なる。さらに解剖学的違いから東洋人と西洋人とでも異なる。よって咬合力−喪失歯根膜直線は咬合力係数Bと歯の喪失時の喪失歯根膜面積Sとの関係を示す普遍的な式といえる。
したがって、上式(10)に特定の歯の咬合力係数Bを代入すれば、一つの喪失歯根膜面積Sが特定されるが、この喪失歯根膜面積Sは解剖学的な定数として予め与えられる咬合力係数Bを加味した喪失時(抜歯時)の喪失時喪失歯根膜面積SLB0を表す数値となる。喪失時喪失歯根膜面積SLB0は、解剖学的定数である咬合力係数Bが求まれば一意に決定される。
すなわち、図5に示すように、喪失時喪失歯根膜面積SLB0は、特定の咬合力係数Bから縦軸方向に直線Lを伸ばして咬合力−喪失歯根膜直線に接触させ、接触した点から横軸方向に直線Lを伸ばして縦軸に接触した点の喪失歯根膜面積Sの値として求まる。
同様の処理を、各咬合力係数Bに関して行えば各咬合力係数Bを与える各歯の咬合力係数Bを加味した喪失時の喪失時喪失歯根膜面積SLB0を求めることができる。
ここで、残存歯根膜面積S=総歯根膜面積S−喪失歯根膜面積Sとして与えられる。したがって、サンプルアッタッチメントレベルMを与える特定の歯の喪失時の残存歯根膜面積Sである喪失時残存歯根膜面積SSB0は、
喪失時残存歯根膜面積SSB0=総歯根膜面積S−喪失時喪失歯根膜面積SLB0
として与えられる。
そこで、咬合力係数Bを加味した場合の残存歯根膜面積SSBの総歯根膜面積Sに対する割合として歯周炎の進行をより的確に反映した歯周炎指標BPI(Periodontal Index Modified Bite Force)を定義することができる。すなわち、本形態における歯周炎指標BPIをBPI=(SSB/S)×100(%)と定義する。
かかる歯周炎指標BPIを歯周炎の進行程度を表わす指標とするには、歯の残存歯根膜Sを変数とする場合において、咬合力係数Bを加味した残存歯根膜面積SSBに修正して用いる必要があるが、これは次のような手順により実現し得る。この手順を図6に基づき説明する。
1) まず、残存歯根膜面積Sを横軸に採り、歯周炎指標BPIを縦軸に採った場合において、歯根膜がすべて残っている場合の歯周炎指標BPIである100と、歯根膜が全部失われている場合の歯周炎指標BPIである0との2点を結ぶ直線を引く。
2) 次に、歯の喪失時の喪失時残存歯根膜SSB0に基づく値として与えられる歯の喪失時の歯周炎指標BPIの値(図6の場合の点P50=50とした)をプロットして、このプロットした点P50を通る直線となるように前記直線を平行移動する。
3) さらに、歯周炎指標BPIが0と100の2点を通り、かつ前記プロットした点でのみ前記平行移動した直線に接する滑らかな曲線として歯周炎指標曲線を作成する。
4) 診察対象の歯の残存歯根膜面積S等、特定の残存歯根膜面積Sに対応する前記歯周炎指標曲線上の点Pを、前記特定の残存歯根膜面積Sに対応する歯周炎指標BPIとする。図6ではBPI=60となる。
本態様で定義される歯周炎指標BPIは、任意の残存歯根膜面積Sに対する歯周炎指標曲線上の点として与えられる。このように、歯周炎指標曲線を利用して残存歯根膜面積Sを特定するだけで咬合力を加味した所望の歯周炎指標BPIを得ることができる。
かかる歯周炎指標BPIは、歯周炎の進行の程度を的確に反映した客観的な指標となり、抜歯基準を客観的に提示する指標として、より高精度に歯周病臨床に則した歯の健康度の絶対的な指標とすることができる。
本形態における歯周炎指標BPIは、擬似歯根や咬合力係数B等の概念を導入して定義されるが、ここで疑似歯根および咬合力係数Bを導出するための解剖学的データに関して説明しておく。本形態では、骨格の異なる世界の人種を東洋人と西洋人の2つに大きく分類した。東洋人は歯周炎と咬合力で示された上条雍彦著「日本人永久歯の解剖学」出版アナト―ム社のデータを代表として使用した。
一方、西洋人は次の2つを代表として使用した。
歯根巾・歯根長: Woelfel`s Dental Anatomy
Rickne c. Seheid
Gadriela Weiss
Wolters Kluwer
顎関節 : Head and Neck Anatomy for
Dental Medicine
Edited by Eric W. Baker Thieme
上記それぞれの資料から、次のデータを揃えた。
R: 歯根(CEJ部)直径(mm)
H: 歯根長(mm)
Q: 咬頭頂から歯根尖までの距離(歯の長さ)
T: 咬合力機能部位より顎関節顆頭までの距離
P: 下顎前歯1番の切縁から歯根尖までの距離
A: 下顎前歯1番の切縁から顎関節顆頭までの距離
東洋人および西洋人に関する、解剖学的データを表8に、また総歯根膜面積と咬合力係数を表9に、各歯の喪失時の喪失時残存歯根膜面積SSB0および喪失時喪失歯根膜面積SLB0を表10にそれぞれ示す。
Figure 0005441141
Figure 0005441141
Figure 0005441141
図7は上記解剖データを利用して作成した東洋人及び西洋人の歯種別BPI曲線を示している。この歯種別BPI曲線を利用して検査対象となる歯の残存歯根膜面積Sを特定することにより、これに対応する歯周炎指標BPIを人種別に、簡単に求めることができる。
図7に示す歯種別BPI曲線を用いれば、所望の歯の歯周炎指標BPIを任意に求めることができ、これを歯周炎の診断に用いることもできる。
かかる歯周炎の診断においては、まず診断の対象となる歯のアタッチメントレベルを実測して実測アタッチメントレベルM1を求める。かかる実測は、例えばポケットプローベを用いて好適に実施し得る。実測は、歯の頬側根、口蓋根、頬側近心根、頬側遠心根、近心根、遠心根の6箇所において行い、最も大きい値を実測アッタチメントレベルM1として採用する。
次に、前述の如き方法で、実測アタッチメントレベルM1に基づき残存歯根膜面積Sを求め、図7の歯種別BPI曲線のうち、診断の対象となっている歯に対応するBPI曲線wを選択して、その横軸で前記残存歯根膜面積Sに対応する点を特定し、この点に対応するBPI曲線上の点に対応する縦軸の歯周炎指標BPIを読む。
かくして求まる歯周炎指標BPIの数値により歯周炎の進行の程度を診断する。ちなみにこの数値が大きいほど健康な歯であることを示している。したがって、例えば、BPI=40〜60を注意領域、40未満を危険領域、60を超える場合を安全領域として、歯周炎の進行に関する注意を喚起することもできる。
なお、本形態に係る歯周炎指標の作成方法においては、図5に基づき求まる咬合力を加味した喪失時歯周炎指標BPIを与える1点に、歯周炎指標BPIが零(歯根膜が全部失われ、残存歯根膜面積Sが零)および100(歯根膜が全部残り、残存歯根膜面積Sが全歯根膜面積に等しい)の2点を加えた3点が与えられるので、上述の如き処理で1つの歯周炎指標曲線が一意に定まる。ただ、図5に基づき求まる咬合力を加味した喪失時歯周炎指標BPIを利用する方法であれば、歯周炎指標曲線の作成方法に特別な制限はない。
さらに、歯周炎指標作成工程は必ずしも必要ではない場合もある。図5に基づき求まる咬合力を加味した喪失時歯周炎指標BPIが求まれば、単独で抜歯の客観的な基準とすることができる場合も考えられ、また喪失時歯周炎指標BPIさえ求まれば、これを利用して咬合力を加味した残存歯根膜面積SSBと総歯根膜面積Sとの比である歯周炎指標BPIは、種々の方法により求めることができると考えられるからである。
<歯周炎指標の作成装置兼歯周炎の診断装置>
図8は本発明の実施の形態に係る歯周炎指標作成装置を示すブロック図、図9はその演算処理部のハードウエア構成を示すブロック図である。図8に示すように、歯周炎指標作成装置Iは、入力装置11、入力装置11を介して所定のデータを入力して所定の情報処理を実行する演算処理部10および演算処理部10で処理した結果を出力する出力装置12からなる。
ここで、入力装置11は、歯周炎指標BPIを作成するための基礎データであるサンプリングアタッチメントレベルMを表すデータおよび歯周炎の診断を行なうため、対象となる歯に関して計測した実測アタッチメントレベルM1を表すデータを演算処理に供給する等、演算処理に必要なデータを供給するものである。
演算処理部10は、歯根膜面積演算手段10A、咬合力係数演算手段10B、直線作成手段10C、喪失時喪失歯根膜面積検出手段10D、喪失時歯周炎指標演算手段10E、歯周炎指標作成手段10Fを有している。
ここで、歯根膜面積演算手段10Aは、各歯の総歯根膜面積(S)および抜歯した各歯のサンプルアタッチメントレベルMに基づく各歯の喪失歯根膜面積Sを算出する。同時に、歯根膜面積演算手段10Aは、診断の対象となる特定の歯の実測アッタチメントレベルM1に基づく残存歯根膜面積Sも算出する。
咬合力係数演算手段10Bは、解剖学的データとして予め与えられる各歯の咬頭から顎関節の顆頭までの距離Tと、基準位置を与える特定の基準歯から顆頭までの距離Aとの比、および予め与えられる基準歯の歯の長さPと、各歯の長さQとの比に基づき各歯の咬頭をテコの作用点とし、顆頭をテコの支点とする咬合力係数Bを各歯に関してそれぞれ算出する。
直線作成手段10Cは、各歯種のみによって異なる咬合力係数Bと、喪失歯根膜面積Sとの関係を各歯種毎に統計処理した場合に、両者の値に直線関係があることを利用して前記咬合力係数Bと、前記喪失歯根膜面積Sとの関係を示す直線の式(S=α・B+β;ただしα、βは定数)である咬合力-喪失歯根膜直線を作成する。
喪失時喪失歯根膜面積検出手段10Dは、直線作成手段10Cにおいて得られた咬合力-喪失歯根膜直線に基づき、咬合力係数Bを加味して補正した各歯の喪失時の喪失歯根膜面積である喪失時喪失歯根膜面積SLB0を算出する。
喪失時歯周炎指標演算手段10Eは、総歯根膜面積から喪失時喪失歯根膜面積を引いて求める喪失時残存歯根膜面積に基づき、(喪失時残存歯根膜面積(SSB0)/総歯根膜面積(S))×100(%)を各歯の喪失時の歯周炎指標BPIとして算出する。
歯周炎指標作成手段10Fは、歯根膜がすべて残っている場合の歯周炎指標(BPI)を100とし、歯根膜が全部失われている場合の歯周炎指標(BPI)を0とし、各歯の喪失時の歯周炎指標(SSB0/S)を喪失時歯周炎指標としてこれらの値を表わす3点を通る歯周炎指標曲線によって表わされ、総歯根膜面積Sに対する各歯の咬合力係数を加味した残存歯根膜面積Sの割合である歯周炎指標BPIを作成する。同時に、歯周炎指標作成手段10Fは、診断の対象となる特定の歯の実測アッタチメントレベルM1に基づき算出された残存歯根膜面積Sに対応する歯周炎指標BPIを歯周炎指標曲線を参照して求め、診断対象となっている特定の歯の歯周炎指標BPIを作成する。
出力装置12は、歯周炎指標作成手段10Fで作成した歯周炎指標BPIを表すデータを入力して、その内容を印字、ディスプレイ表示等により可視化する。
ここで、図9に示す演算処理部10は、CPU21、RAM22、ROM23、ハードディスク24等の記憶手段を備え、キーボードや記録媒体読み取り装置等の入力装置11と、ディスプレイ、プリンタ等の出力装置12が接続されている。
本形態によれば、サンプルアタッチメントレベルMに関するサンプリングデータを演算処理部10に入力するだけで、自動的に咬合力を加味した歯周炎指標BPIを簡単に得ることができる。この結果、より高精度に歯周病臨床に則した歯の健康度の絶対的な指標を容易に提供することができる。
また、診断対象となる特定の歯の実測アタッチメントレベルM1のデータを入力するだけで、歯種により異なる咬合力を加味した歯周炎指標BPIを簡単かつ自動的に求めることができるので、歯周炎治療の際の的確かつ客観的な抜歯基準を容易に得ることができ、適切な歯周炎治療を容易かつ迅速に行うことができる。
なお、本形態に係る歯周炎指標の作成装置においては、作成方法で述べたのと同様の理由で、歯周炎指標作成手段10Fは、必ずしも必要でない場合が考えられる。
<歯周炎指標作成プログラムおよび歯周炎の診断プログラム>
本実施形態は、前記実施の形態に記載する歯周炎指標の作成方法における歯根膜面積演算工程、咬合力係数演算工程、喪失歯根膜面積検出工程、喪失時歯周炎指標演算工程および歯周炎指標作成工程の各処理を歯周炎指標作成装置または歯周炎の診断装置に実行させるプログラムである。
本形態によれば、前記実施の形態に係る歯周炎指標の作成方法における所定の工程の処理を図8に示す歯周炎指標作成装置に良好に実行させることができる。
また、他の実施形態は、前記実施の形態の歯周炎の診断方法における実測アタッチメントレベルM1に基づく診断対象の歯の残存歯根膜面積Sを算出するとともに、歯周炎指標作成工程により残存歯根膜面積Sに対応する診断対象となる特定の歯の歯周炎指標BPIを作成する処理を、図8に示す歯周炎の診断装置に実行させるプログラムである。
本態様によれば、所定の歯周炎指標を自動的に生成させて、容易かつ迅速な歯周炎の治療に資することができる。
<記録媒体>
上記歯周炎指標作成プログラムおよび歯周炎の診断プログラムはDVD等の記録媒体に記録させることができる。かかる記録媒体により本発明に係るプログラムの頒布等を良好に行うことができる。この結果、パソコン等のハードウエアがあれば、これに対しインストールすることにより、何処でも容易に歯周炎作成装置としての機能を発揮させることができる。
本発明は歯科医療分野、特に歯周病の治療を行なう際の客観的な抜歯基準を与える産業分野において好適に利用し得るものである。
I 歯周炎指標作成装置
10 演算処理部
10A 歯根膜面積演算手段
10B 咬合力係数演算手段
10C 直線作成手段
10D 喪失時喪失歯根膜面積検出手段
10E 喪失時歯周炎指標演算手段
10F 歯周炎指標作成手段
11 入力装置
12 出力装置

Claims (16)

  1. 保存不可能として抜歯された複数の歯を対象として、歯種毎にそれぞれ複数本づつを抽出したサンプルにおける各歯のセメント・エナメル境または被覆冠歯の冠辺縁から縁下歯石付着部の最深部までの寸法であるサンプルアタッチメントレベルをそれぞれ計測する計測工程と、
    前記各歯の総歯根膜面積および前記サンプルアタッチメントレベルに基づく前記各歯の喪失歯根膜面積を求める歯根膜面積演算工程と、
    予め与えられる前記各歯の咬頭から顎関節の顆頭までの距離と、基準位置を与える特定の基準歯から前記顆頭までの距離との比、および予め与えられる前記基準歯の歯の長さと、前記各歯の長さとの比に基づき前記各歯の咬頭をテコの作用点とし、前記顆頭を前記テコの支点とする咬合力係数を前記各歯に関してそれぞれ求める咬合力係数演算工程と、
    前記各歯種のみによって異なる咬合力係数と、前記喪失歯根膜面積との関係を各歯種毎に統計処理した場合に、両者の値に直線関係があることを利用して前記咬合力係数と、前記喪失歯根膜面積との関係を示す直線の式である咬合力-喪失歯根膜直線を作成する直線作成工程と、
    前記直線作成工程において得られた前記咬合力-喪失歯根膜直線に基づき、前記咬合力係数を加味して補正した各歯の喪失時の喪失歯根膜面積である喪失時喪失歯根膜面積を求める喪失歯根膜面積検出工程と、
    前記総歯根膜面積から前記喪失時喪失歯根膜面積を引いて求める喪失時残存歯根膜面積に基づき、(喪失時残存歯根膜面積/総歯根膜面積)×100(%)を各歯の喪失時の歯周炎指標として算出する喪失時歯周炎指標演算工程とを有することを特徴とする歯周炎指標の作成方法。
  2. 請求項1に記載する歯周炎指標の作成方法において、
    歯根膜がすべて残っている場合の歯周炎指標を100とし、歯根膜が全部失われている場合の歯周炎指標を0とし、前記各歯の喪失時の歯周炎指標を喪失時歯周炎指標としてこれらの値を表わす3点を通る線によって表わされ、総歯根膜面積に対する前記各歯の咬合力係数を加味した残存歯根膜面積の割合である歯周炎指標を作成する歯周炎指標作成工程とを有することを特徴とする歯周炎指標の作成方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載する歯周炎指標の作成方法において、
    前記歯根膜面積演算工程は、前記各歯の総歯根膜面積を数量的に計算できる疑似歯根を作成する疑似歯根作成工程と、前記疑似歯根に基づき総歯根膜面積を算出する総歯根膜面積演算工程と、前記総歯根膜面積および前記サンプルアタッチメントレベルに基づき前記歯の喪失歯根膜面積を算出する喪失歯根膜面積演算工程とを有することを特徴とする歯周炎指標の作成方法。
  4. 請求項3に記載する歯周炎指標の作成方法において、
    前記歯根膜面積演算工程における疑似歯根は、単根歯の歯根を単一の円錐体とみなすとともに、複根歯の歯根を複数の円錐体の集合体と見なして、前記円錐体の底面の直径(R)を前記歯根の前記セメント・エナメル境の部分の直径、高さ(H)を歯根長、円錐の稜線長(C)を歯根稜線長として作成する一方、
    前記総歯根膜面積は式(1)に基づき演算するとともに、残存歯根膜面積は式(2)に基づき演算し、かつ前記喪失歯根膜面積は式(3)を用いて所定の演算を行なうことにより求めることを特徴とする歯周炎指標の作成方法。
    Figure 0005441141
    Figure 0005441141
    Figure 0005441141
  5. 請求項1または請求項2に記載する歯周炎指標の作成方法において、
    前記咬合力係数は式(4)に基づき演算することを特徴とする歯周炎指標の作成方法。
    Figure 0005441141
    ただし、上式(4)において、
    T:各歯種の咬合部位より顎関節顆頭までの距離
    A:下顎前歯1番の切縁から顎関節顆頭までの距離(基準値)
    P:下顎前歯1番の切縁唇面隅角部から歯根尖までの距離(基準値)
    Q:歯の長さ(咬合接触している部位から最も遠い歯根尖までの距離)
  6. 請求項2に記載する歯周炎指標の作成方法において、
    前記歯周炎指標作成工程は、前記残存歯根膜面積を横軸に採り、前記歯周炎指標を縦軸に採った場合において、
    歯根膜がすべて残っている場合の歯周炎指標である100と、歯根膜が全部失われている場合の歯周炎指標である0との2点を結ぶ直線を引き、
    前記喪失時の歯周炎指標をプロットして、このプロットした点を通る直線となるように前記直線を平行移動し、
    さらに前記歯周炎指標が0と100の2点を通り、かつ前記プロットした点でのみ前記平行移動した直線に接する歯周炎指標曲線を作成し、特定の残存歯根膜面積に対応する前記歯周炎指標曲線上の点を、前記特定の残存歯根膜面積に対応する歯周炎指標とすることを特徴とする歯周炎指標の作成方法。
  7. 保存不可能として抜歯された複数の歯を対象として、歯種毎にそれぞれ複数本づつを抽出したサンプルにおける各歯のセメント・エナメル境または被覆冠歯の冠辺縁から縁下歯石付着部の最深部までの寸法であるサンプルアタッチメントレベルをそれぞれ計測して得た前記サンプルの計測値を表すサンプリングデータが入力され、
    請求項1に記載する歯周炎指標の作成方法における歯根膜面積演算工程、咬合力係数演算工程、喪失歯根膜面積検出工程および喪失時歯周炎指標演算工程の各処理を実行して前記各歯の喪失時の歯周炎指標を作成する演算処理部を有することを特徴とする歯周炎指標作成装置。
  8. 請求項7に記載する歯周炎指標の作成装置において、
    前記演算処理部は、請求項2または請求項6に記載する歯周炎指標の作成方法における歯周炎指標作成工程の処理を実行して、さらに歯周炎指標を作成するように構成したことを特徴とする歯周炎指標作成装置。
  9. 請求項1〜請求項5のいずれか一つに記載する歯周炎指標の作成方法における歯根膜面積演算工程、咬合力係数演算工程、喪失歯根膜面積検出工程および喪失時歯周炎指標演算工程の各処理を請求項7に記載する歯周炎指標作成装置に実行させることを特徴とする歯周炎指標作成プログラム。
  10. 請求項2または請求項6に記載する歯周炎指標の作成方法における歯周炎指標作成工程の処理を請求項8に記載する歯周炎指標作成装置に実行させることを特徴とする歯周炎指標作成プログラム。
  11. 請求項7に記載する歯周炎指標作成装置で読み取り可能な請求項9に記載する歯周炎指標作成プログラムを記録したことを特徴とする記録媒体。
  12. 請求項8に記載する歯周炎指標作成装置で読み取り可能な請求項10に記載する歯周炎指標作成プログラムを記録したことを特徴とする記録媒体。
  13. 診断対象となる特定の歯のアタッチメントレベルを計測して実測アタッチメントレベルを検出し、
    前記実測アタッチメントレベルに基づき前記診断対象の歯の残存歯根膜面積を算出するとともに、
    請求項2または請求項6に記載する歯周炎指標作成工程により前記残存歯根膜面積に対応する前記特定の歯の歯周炎指標を作成することを特徴とする歯周炎の診断方法。
  14. 請求項13において実測した特定の歯の実測アタッチメントレベルを表わす実測データが入力されるとともに、
    前記実測アタッチメントレベルに基づき前記診断対象の歯の残存歯根膜面積を算出し、さらに請求項2または請求項6に記載する歯周炎指標作成工程の処理を実行して前記残存歯根膜面積に対応する前記特定の歯の歯周炎指標を作成する演算処理部を有することを特徴とする歯周炎の診断装置。
  15. 請求項13に記載する歯周炎の診断方法における実測アタッチメントレベルに基づく診断対象の歯の残存歯根膜面積を算出するとともに、
    請求項2または請求項6に記載する歯周炎指標作成工程により前記残存歯根膜面積に対応する前記特定の歯の歯周炎指標を作成する処理を、
    請求項14に記載する歯周炎の診断装置に実行させることを特徴とする歯周炎の診断プログラム。
  16. 請求項14に記載する歯周炎の診断装置で読み取り可能な請求項15に記載する歯周炎の診断プログラムを記録したことを特徴とする記録媒体。
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