JP5440368B2 - 撮像装置 - Google Patents

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Description

本発明は、撮影時の手ぶれを補正する手ぶれ補正機能を備えているデジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラ(以下、「デジタルカメラ」という)等の撮像装置に関する。
撮影レンズ系(撮影光学系)を通して被写体像を撮像素子(CCD等)に受光させ、撮像素子からの画像信号に基づいて被写体像に対応したデジタル画像を生成する撮像装置では、近年、撮影時の手ぶれを補正する手ぶれ補正機能を備えた、いわゆる手ぶれ補正機能付きデジタルカメラが実用化されている。
このような手ぶれ補正手段としては、例えば、手ぶれによって生じる被写体像のぶれ量に応じて、撮像素子(CCD等)を撮影光学系の撮影光軸方向(Z軸)に垂直な面内(X−Y平面)で移動させる構造が採用されているものがある(例えば、特許文献1参照)。この従来の手ぶれ補正機能を有するデジタルカメラでは、撮像素子としてのCCDが、撮影光軸上でレンズ鏡筒を収容する固定筒の一端に設けられた載置ステージに搭載されている。この載置ステージは、撮影光軸をZ軸方向としてこれに垂直なX‐Y平面内で移動可能に設けられている。載置ステージは、永久磁石と、それに対向するコイルと、が形成する磁力により可動される。この従来のデジタルカメラでは、手ぶれ検出センサを用いてX軸方向およびY軸方向の傾きを検出し、この検出出力に基づいて、コイルへの通電電流を変化させることにより、手ぶれによる被写体の像移動にCCDを追従移動させる制御を行っている。
この従来のデジタルカメラでは、CCDを搭載する載置ステージの移動範囲内に撮影光軸(Z軸)上に位置する原点位置を設定し、その原点位置を基準としてCCDを追従移動させて手ぶれ補正を行うことにより、画像の劣化を防止しつつ適切な手振れ補正を可能としている。このため、手振れ補正を開始する際、CCDが原点位置に位置していることが望ましい。このとき、CCDを搭載する載置ステージの移動範囲を無限とすることはできないので、基準となる原点位置と載置ステージの移動範囲の中心位置とを一致させることにより、方向に拘らずより広い範囲に対応する手振れ補正が可能となる。
そこで、手ぶれ補正が行われていない時、永久磁石とコイルとの磁力を利用して(以下、電気的保持という)常にCCDを、載置ステージの移動範囲の中心位置である原点位置に位置させることが考えられるが、コイルへ電流を流し続ける必要があり、消費電力の低減において改良の余地がある。
また、手ぶれ補正機能付きカメラでは、X‐Y平面内で移動可能となるように載置ステージをピッチコイルバネで固定筒の背面に取り付け、かつピッチコイルバネのバネ力と載置ステージにかかる重力とが吊り合う位置を手ぶれ補正を開始する位置とする(以下、機械的保持という)ことが考えられている(例えば、特許文献2参照)。このものでは、常時において機械的保持を行っており、手ぶれ補正を開始する際、電気的保持に切り換えてから永久磁石とコイルとの磁力を利用するCCDの追従移動を行う。ただし、機械的保持でCCDを原点位置に完全に一致させることが困難であることから、手ぶれ補正を開始すべく電気的保持へと移行する際に、画像がずれる可能性がある。
また、原点位置に撮像素子を機械的に固定保持する原点位置強制保持機構を設けたものがある。(例えば、特許文献3参照)このものでは、消費電力を抑制することができ、かつ手ぶれ補正の開始の際の画像のずれも基本的には発生しない。ただし、機械的保持の状態において、想定を超えた衝撃がカメラに与えられると、CCDが原点位置からずれてしまい、機械的保持から電気的保持へと移行する際に、CCDの移動に伴って一瞬画像がずれる可能性がある。
また、機械的保持位置に合わせて電気的保持位置を変更するものがある(例えば、特許文献4参照)。このものでは、機械的保持位置を記憶する手段を持ち、解除動作および保持動作を行う毎に、当該機械的保持位置と一致する位置へと電気的保持位置を変換することにより、機械的保持から電気的保持への移行の際の画像ずれが起きないようにしている。
しかしながら、電気的保持位置を変更することは、手ぶれ補正の動作開始位置すなわち原点位置を変更することとなり、当該原点位置が撮影光軸(Z軸)上からずれることとなるので、画像の劣化を招く可能性がある。
本発明は、上記の事情に鑑みて為されたもので、画像の劣化を招くことなく、消費電力を抑制しつつ画像ずれを防止することができる撮像装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載の撮像装置は、被写体からの入射光を導く撮影光学系と該撮影光学系により導かれた被写体像を電気信号に変換する撮像素子と外部との通信を行う撮像ユニット側コネクタ部とを有する撮像ユニットが、前記撮像ユニット側コネクタ部に接続可能なボディ側コネクタ部を有するカメラボディに装着されて構成され、前記撮像素子を印加電流の制御により前記撮影光学系の撮影光軸方向に直交する面内での任意の位置とする電気的保持により手ぶれを補正する手ぶれ補正機構と、該手ぶれ補正機構へと保持部材を係合させて前記撮像素子の移動を機械的に規制する機械的保持により前記撮像素子を保持する保持状態と前記保持部材の係合が解除された解除状態との切り換えが可能とされ、前記手ぶれ補正機構が動作されないときには前記保持状態とされる保持機構と、を備える撮像装置であって、前記保持機構は、前記解除状態において、前記保持状態での前記撮像素子の保持位置を前記電気的保持での原点位置へと位置決めすべく前記保持部材を弾性部材で付勢する位置決め機構を有し、該位置決め機構では、前記弾性部材による付勢方向が、前記撮影光軸方向に直交する面に沿う方向で前記撮像素子に作用することを想定し得る衝撃力のうち、最も発生頻度が高いことが想定される衝撃力の作用方向に設定されていることを特徴とする。
請求項2に記載の撮像装置は、請求項1に記載の撮像装置であって、前記カメラボディと前記撮像ユニットとは、前記撮影光軸方向に直交する面に沿う方向で装着可能とされ、設定される衝撃力の作用方向は、前記カメラボディに対する前記撮像ユニットの装着方向と、該装着方向に対して傾斜する方向と、を合成した方向であることを特徴とする。
請求項3に記載の撮像装置は、請求項1に記載の撮像装置であって、前記カメラボディと前記撮像ユニットとは、前記撮影光軸方向に直交する面に沿う方向で装着可能とされ、設定される衝撃力の作用方向は、前記カメラボディに対する前記撮像ユニットの装着方向であることを特徴とする。
請求項4に記載の撮像装置は、請求項1に記載の撮像装置であって、設定される衝撃力の作用方向は、前記撮影光軸方向を水平方向とした状態において鉛直方向下側であることを特徴とする。
請求項5に記載の撮像装置は、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の撮像装置であって、前記手ぶれ補正機構は、前記撮影光軸に対して垂直な面内で前記撮像素子を移動自在に保持する保持箇所を有し、前記保持機構は、前記手ぶれ補正機構の前記保持箇所に設けられた係合穴に係合することにより前記撮像素子の移動を機械的に規制することを特徴とする。
請求項6に記載の撮像装置は、請求項5に記載の撮像装置であって、前記手ぶれ補正機構は、前記保持箇所を前記撮影光軸に対して垂直な面内で移動自在に保持するベース板と、該ベース板または前記保持箇所のいずれか一方に設けられた電磁石と、前記ベース板または前記保持箇所のいずれか他方に設けられた永久磁石と、を有し、該永久磁石と前記電磁石との間に磁力による吸引反発力を適宜作用させるべく該電磁石への印加電流を制御することにより、手ぶれを打ち消すように前記撮像素子を移動させることを特徴とする。
請求項7に記載の撮像装置は、請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の撮像装置であって、前記保持部材には、前記手ぶれ補正機構に設けられた係合穴への係合が可能とされた固定ピンが設けられ、前記保持機構は、前記保持状態において前記固定ピンを前記係合穴に係合させるとともに、前記解除状態において前記固定ピンを前記係合穴から離間させるべく、前記保持部材を移動させる保持部材移動部を有し、該保持部材移動部は、前記保持状態において前記保持部材を固定するとともに、前記解除状態において前記保持部材の固定を解除し、前記位置決め機構は、前記撮影光学系の撮影光軸方向に直交する面に沿う一方向への前記保持部材の移動を規制すべく係止する係止部を有し、前記弾性部材は、前記撮影光学系の撮影光軸方向に直交する面に沿って、前記保持部材を前記係止部による係止方向へと付勢し、前記保持部材移動部の前記保持状態における前記保持部材の固定力を、前記弾性部材の付勢力よりも大きく設定することを特徴とする。
請求項8に記載の撮像装置は、被写体からの入射光を導く撮影光学系と該撮影光学系により導かれた被写体像を電気信号に変換する撮像素子と外部との通信を行う撮像ユニット側コネクタ部とを有する撮像ユニットが、前記撮像ユニット側コネクタ部に接続可能なボディ側コネクタ部を有するカメラボディに装着されて構成され、前記撮像素子を相対的に移動自在に保持箇所で保持するとともに前記撮像素子を印加電流の制御により前記撮影光学系の撮影光軸方向に直交する面内での任意の位置とする電気的保持により手ぶれを補正する手ぶれ補正機構と、該手ぶれ補正機構へと保持部材を係合させて前記撮像素子の前記保持箇所に対する移動を機械的に規制する機械的保持により前記撮像素子を保持する保持状態と前記保持部材の係合が解除された解除状態との切り換えが可能とされ、前記手ぶれ補正機構が動作されないときには前記保持状態とされる保持機構と、を備える撮像装置であって、前記保持機構は、前記解除状態において、前記保持状態での前記撮像素子の保持位置を前記電気的保持での原点位置へと位置決めすべく、前記保持箇所に固定的に設けられた係合部材へと前記保持部材を当接させる位置決め機構を有し、該位置決め機構では、前記係合部材に対する前記保持部材の当接方向が、前記撮影光軸方向に直交する面に沿う方向で前記撮像素子に作用することを想定し得る衝撃力のうち、最も発生頻度が高いことが想定される衝撃力の作用方向に設定されていることを特徴とする。
請求項9に記載の撮像装置は、被写体からの入射光を導く撮影光学系と該撮影光学系により導かれた被写体像を電気信号に変換する撮像素子と外部との通信を行う撮像ユニット側コネクタ部とを有する撮像ユニットが、前記撮像ユニット側コネクタ部に接続可能なボディ側コネクタ部を有するカメラボディに前記撮影光学系の撮影光軸方向に直交する面に沿う方向で装着されて構成され、前記撮像素子を相対的に移動自在に保持箇所で保持するとともに前記撮像素子を印加電流の制御により前記撮影光軸方向に直交する面内での任意の位置とする電気的保持により手ぶれを補正する手ぶれ補正機構と、該手ぶれ補正機構へと保持部材を係合させて前記撮像素子の前記保持箇所に対する移動を機械的に規制する機械的保持により前記撮像素子を保持する保持状態と前記保持部材の係合が解除された解除状態との切り換えが可能とされ、前記手ぶれ補正機構が動作されないときには前記保持状態とされる保持機構と、を備える撮像装置であって、前記保持機構は、前記解除状態において、前記保持状態での前記撮像素子の保持位置を前記電気的保持での原点位置へと位置決めすべく、前記保持箇所に固定的に設けられた係合部材へと前記保持部材を当接させる位置決め機構を有し、該位置決め機構では、前記係合部材に対する前記保持部材の当接方向が、前記撮影光軸方向に直交する面に沿う方向において前記カメラボディに対する前記撮像ユニットの装着方向前側に設定されていることを特徴とする。
請求項10に記載の撮像装置は、請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載の撮像装置であって、さらに、前記撮像素子の位置を検出する位置検出素子を備え、該位置検出素子からの検出結果に基づいて、前記保持機構による前記保持状態での前記撮像素子の保持位置の前記電気的保持での原点位置からの移動量が、移動量閾値以上である場合、前記保持機構を解除状態としその後に該保持機構を保持状態とするずれ解消動作を実行することを特徴とする。
請求項11に記載の撮像装置は、請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載の撮像装置であって、さらに、前記撮像装置に生じた移動速度の変化を検出する加速度検出素子を備え、該加速度検出素子からの検出結果に基づいて、前記撮像装置に設定される衝撃力の作用方向とは異なる方向であって、前記撮像装置に生じた加速度が加速度閾値以上である場合、前記保持機構を解除状態としその後に該保持機構を保持状態とするずれ解消動作を実行することを特徴とする。
請求項12の電子機器は、請求項1ないし請求項11のいずれか1項に記載の撮像装置が搭載されていることを特徴とする。
請求項1に記載の撮像装置では、弾性部材による付勢方向が、撮影光軸方向に直交する面に沿う方向で撮像素子に作用することを想定し得る衝撃力のうち、最も発生頻度が高いことが想定される衝撃力の作用方向に設定されていることから、設定した作用方向への衝撃力が撮像素子に作用した場合であっても、撮像素子の位置ずれの発生を防止することができ、撮像素子の保持機構による機械的保持の位置を電気的保持での原点位置で維持することができる。このため、機械的保持の状態から電気的保持の状態へと移行する際に画像にぶれが生じることはなく、使用者が違和感を覚えることを確実に防止することができる。
また、手ぶれ補正機構により手ぶれ補正を開始する際には、撮像素子の電気的保持における原点位置からの位置ずれが抑制されていることから、より適切に手ぶれを補正することができるとともに画像の劣化を招くことを防止することができる。
さらに、保持機構は、手ぶれ補正機構が動作されていないときには、保持部材の手ぶれ補正機構への係合により撮像素子の移動を機械的に規制している(機械的保持状態)ことから、手ぶれ補正機構への通電をOFFにする(遮断する)ことができるので、消費電力の低減を図ることができる。
ついで、保持機構の位置決め機構は、弾性部材の付勢を利用するものであることから、消費電力の低減を図ることができる。
上記した構成に加えて、前記カメラボディと前記撮像ユニットとは、前記撮影光軸方向に直交する面に沿う方向で装着可能とされ、設定される衝撃力の作用方向は、前記カメラボディに対する前記撮像ユニットの装着方向と、該装着方向に対して傾斜する方向と、を合成した方向であることとすると、通常の利用において頻繁に行われる動作である、カメラボディに対する撮像ユニットの装着や撮像装置の移動により、撮像素子に作用する衝撃力に起因する当該撮像素子の位置ずれの発生を防止することができる。
上記した構成に加えて、前記カメラボディと前記撮像ユニットとは、前記撮影光軸方向に直交する面に沿う方向で装着可能とされ、設定される衝撃力の作用方向は、前記カメラボディに対する前記撮像ユニットの装着方向であることとすると、通常の利用において頻繁に行われる動作であるカメラボディに対する撮像ユニットの装着により撮像素子に作用する衝撃力に起因する当該撮像素子の位置ずれの発生を防止することができる。
上記した構成に加えて、設定される衝撃力の作用方向は、前記撮影光軸方向を水平方向とした状態において鉛直方向下側であることとすると、通常の利用において頻繁に行われる動作である撮像装置を載置することにより撮像素子に作用する衝撃力に起因する当該撮像素子の位置ずれの発生を防止することができる。
上記した構成に加えて、前記手ぶれ補正機構は、前記撮影光軸に対して垂直な面内で前記撮像素子を移動自在に保持する保持箇所を有し、前記保持機構は、前記手ぶれ補正機構の前記保持箇所に設けられた係合穴に係合することにより前記撮像素子の移動を機械的に規制することとすると、撮像素子の機能に何らの影響を及ぼすことなく、保持部材の係合による機械的保持を行う保持機構をより簡易な構成とすることができる。
上記した構成に加えて、前記手ぶれ補正機構は、前記保持箇所を前記撮影光軸に対して垂直な面内で移動自在に保持するベース板と、該ベース板または前記保持箇所のいずれか一方に設けられた電磁石と、前記ベース板または前記保持箇所のいずれか他方に設けられた永久磁石と、を有し、該永久磁石と前記電磁石との間に磁力による吸引反発力を適宜作用させるべく該電磁石への印加電流を制御することにより、手ぶれを打ち消すように前記撮像素子を移動させることとすると、撮像素子の機能に何らの影響を及ぼすことなく、印加電流の制御により撮影光学系の撮影光軸方向に直交する面内で撮像素子を任意の位置とする電気的保持により手ぶれを補正する手ぶれ補正機構をより簡易な構成とすることができる。
上記した構成に加えて、前記保持部材には、前記手ぶれ補正機構に設けられた係合穴への係合が可能とされた固定ピンが設けられ、前記保持機構は、前記保持状態において前記固定ピンを前記係合穴に係合させるとともに、前記解除状態において前記固定ピンを前記係合穴から離間させるべく、前記保持部材を移動させる保持部材移動部を有し、該保持部材移動部は、前記保持状態において前記保持部材を固定するとともに、前記解除状態において前記保持部材の固定を解除し、前記位置決め機構は、前記撮影光学系の撮影光軸方向に直交する面に沿う一方向への前記保持部材の移動を規制すべく係止する係止部を有し、前記弾性部材は、前記撮影光学系の撮影光軸方向に直交する面に沿って、前記保持部材を前記係止部による係止方向へと付勢し、前記保持部材移動部の前記保持状態における前記保持部材の固定力を、前記弾性部材の付勢力よりも大きく設定することとすると、保持機構の位置決め機構をより簡易な構成とすることができる。
上記した構成に加えて、さらに、前記撮像素子の位置を検出する位置検出素子を備え、該位置検出素子からの検出結果に基づいて、前記保持機構による前記保持状態での前記撮像素子の保持位置の前記電気的保持での原点位置からの移動量が、移動量閾値以上である場合、前記保持機構を解除状態としその後に該保持機構を保持状態とするずれ解消動作を実行することとすると、移動量が移動量閾値以上である場合に、ずれ解消動作を実行することから、機械的保持の状態から電気的保持の状態へと移行する際に、画像にぶれが生じても、使用者が違和感を覚えさせることのない撮像素子の移動量に移動量閾値を設定することにより、必要なときにずれ解消動作を実行するものとすることができる。
上記した構成に加えて、さらに、前記撮像装置に生じた移動速度の変化を検出する加速度検出素子を備え、該加速度検出素子からの検出結果に基づいて、前記撮像装置に設定される衝撃力の作用方向とは異なる方向であって、前記撮像装置に生じた加速度が加速度閾値以上である場合、前記保持機構を解除状態としその後に該保持機構を保持状態とするずれ解消動作を実行することとすると、手ぶれ補正機構が動作されていないときに、撮像装置自体に設定される衝撃力の作用方向とは異なる方向での加速度閾値以上の加速度が生じると、ずれ解消動作を実行することから、撮像装置に大きな衝撃を与えてしまった場合であっても、保持機構による撮像素子の機械的保持の位置を電気的保持での原点位置とすることができる。このため、機械的保持の状態から電気的保持の状態へと移行する際に、画像にぶれが生じることはなく、使用者が違和感を覚えることを確実に防止することができる。
本発明に係る撮像装置の一例としての実施例1のデジタルカメラ1を示す正面図であり、(a)はカメラボディ2に撮像ユニット3が装着された状態を示し、(b)は装着されていないカメラボディ2と撮像ユニット3とを示している。 デジタルカメラ1における制御ブロックを示す説明図である。 レンズ鏡胴4がレンズ鏡胴収納筒部5内の沈胴位置に収納されている状態を示す模式的な説明図である。 デジタルカメラ1のベース板6上のレンズ鏡胴収納筒部5側を示す正面図である。 デジタルカメラ1のベース板6を裏面側(レンズ鏡胴収納筒部5とは反対側)を示す斜視図である。 保持機構10を説明するための説明図であり、レンズ鏡胴収納筒部5の外観の一部を斜視図で示している。 保持機構10を示す模式的な斜視図である。 固定レバー22における位置決めおよびずれが生じた状態を説明すべくデジタルカメラ1のベース板6を正面から見た様子を示す説明図であり、関係する部材を実線で示すとともに他の部材を想像線で示している。 デジタルカメラ1の撮像素子保持枠8を示す斜視図である。 固定レバー22の固定ピン23と撮像素子保持枠8の係合穴19とが係合する様子を示す説明図である。 保持機構10を説明するために模式的な斜視図で示す説明図である。 保持機構10を説明するために模式的な側面図で示す説明図である。 カムギヤ45とそのカム面45aの構成を説明するための説明図であり、(a)は模式的な斜視図で示し、(b)はカム面45aを上方から見た上面図で示している。 デジタルカメラ1のレンズ鏡胴4がレンズ鏡胴収納筒部5内から繰り出された状態を示す図3と同様の断面図である。 デジタルカメラ1の保持機構10において、設定された衝撃力の作用方向とその設定に応じた構成の概念を示す説明図である。 デジタルカメラ1において、装着時に撮像素子7(撮像素子保持枠8)に生じる衝撃力を説明するための説明図である。 保持機構10の動作を説明するための説明図であり、(a)は解除状態を示し、(b)は解除状態から保持状態への移行状態を示し、(c)は保持状態を示している。 保持機構10の保持状態における撮像素子7の位置ずれを説明するために、一点鎖線で示す移動可能範囲内の撮像素子7の様子を示す説明図であり、(a)はずれが生じていない様子を示し、(b)はずれが生じた様子を示している。 機械的保持の状態から電気的保持の状態へと移行する際に表示部32に生じる画像のぶれを説明するための説明図であり、(a)はぶれが生じていない様子を示し、(b)はぶれが生じた様子を示している。 保持機構10(その動作を制御する制御部31)におけるずれ解消動作の制御処理の内容の一例を示すフローチャートである。 保持機構10(その動作を制御する制御部31)における、モニタリング状態でのずれ解消動作の制御処理の内容の一例を示すフローチャートである。 デジタルカメラ1の撮像素子保持枠8の他の例を示す図9と同様の斜視図である。 実施例2のデジタルカメラ1Aの保持機構10Aにおいて、設定された衝撃力の作用方向(矢印A11参照)とその設定に応じた構成の概念を示す図15と同様の説明図である。 図23に示す概念の一具体例としての保持機構10Aの固定レバー22Aとその周辺の構成を示す図8と同様の説明図である。 実施例3のデジタルカメラ1Bの保持機構10Bにおいて、設定された衝撃力の作用方向(矢印A17参照)とその設定に応じた構成の概念を示す図15および図23と同様の説明図である。 図25に示す概念の一具体例としての保持機構10Bの固定レバー22Bとその周辺の構成を示す図8および図24と同様の説明図である。
以下に、本願発明に係る撮像装置の発明の各実施例について図面を参照しつつ説明する。
本発明に係る撮像装置の一例としての実施例1のデジタルカメラ1を、図1ないし図21を用いて説明する。なお、図3は、図4のI−I線に沿って得られた断面図に相当する。また、図4では、レンズ鏡胴収納筒部5内のレンズ鏡胴4は省略して示している。
デジタルカメラ1は、図1に示すように、カメラボディ2と、そこに着脱可能な撮像ユニット3と、を備える。図1に示すZ軸方向はカメラボディ2に撮像ユニット3が装着された状態でのレンズ鏡胴4の撮像光学系(撮影レンズ系4a)の撮影光軸方向に並行な方向であり、実施例1では前後方向ともいう。カメラボディ2に撮像ユニット3が適切に装着された状態でのZ軸に直交する面をX−Y平面とする。このZ軸方向の正の側は、カメラの正面側(前側)であり、Z軸方向の負の側は、カメラの背面側(後側)である。また、X軸方向は、カメラボディ2に撮像ユニット3が装着された状態でのレンズ鏡胴4の撮像光学系の撮影光軸方向に垂直な方向であり、実施例1では左右方向ともいう。X軸方向の正の側は右側であり、X軸方向の負の側は左側である。さらに、Y軸方向は、カメラボディ2に撮像ユニット3が装着された状態でのレンズ鏡胴4の撮像光学系の撮影光軸方向に垂直な方向であり、実施例1では上下方向ともいう。Y軸方向の正の側は上側であり、Y軸方向の負の側は下側である。
この撮像ユニット3は、直方体形状の筐体3aを有し、その筐体3aの前面側に撮影光学系としての撮影レンズ系4aを取付けたレンズ鏡胴4が設けられた交換レンズ鏡胴ユニットである。この撮影レンズ系4aは、図示は略すが、固定レンズ、ズームレンズ、フォーカスレンズ等を備えている。レンズ鏡胴4は、撮影レンズ系4aの撮影光軸(以下、単に撮影光軸という)に沿って、所定の沈胴位置と所定の撮像待機位置との間で移動可能とされている。また、レンズ鏡胴4には、撮影レンズ系4a以外にも、図示は略すがシャッタユニットや絞りユニット等が設置されている。
撮像ユニット3の筐体3aには、図示は略すが、後述するカメラボディ2の凹所2aへの取付固定のための撮像ユニット側固定機構が設けられている。なお、撮像ユニット3としては、図示は略すが、光学的な設定の異なる複数の種類の交換レンズ鏡胴ユニットが用意されている。この各交換レンズ鏡胴ユニットでは、カメラボディ2の凹所2aへの取付固定のための構成(撮像ユニット側固定機構)が同一なものとされており、所望の光学設定に応じて適宜交換可能とされている。
そのカメラボディ2は、撮像ユニット3(筐体3a)の配設空間としての凹所2aを有する(図1(b)参照)。この凹所2aは、樹脂製の背壁部2bと側壁部2cと上壁部2dとの三つの壁部により構成される。その背壁部2bと側壁部2cとは互いに直交しており、上壁部2dは両壁部2b、2cに対して直交している。凹所2aは、その背壁部2bの背壁面(XY平面)と側壁部2cの側壁面(YZ平面)と上壁部2dの上壁面(ZX平面)とによってその輪郭形状が規定される。以下では、この輪郭形状を規定する各壁面を、凹所2aを構成する構成壁面という。この凹所2aは、筐体3aが配設されたときに、その筐体3aの下面3bが位置する下方(Y方向)と、筐体3aの右側面3cが位置する右側方(X方向)と、筐体3aの正面3dが位置する前方(Z方向)との三方向に向かって開放されている。その側壁部2cは、凹所2aへと撮像ユニット3が装着される際、その筐体3aの左側面3eが面当接されることにより、凹所2a内での撮像ユニット3の位置すなわちカメラボディ2に対する撮像ユニット3の相対的な位置が決定される。この凹所2aには、図示は略すが、撮像ユニット3の筐体3aの撮像ユニット側固定機構と協働して、凹所2a内での撮像ユニット3の固定すなわちカメラボディ2に対する撮像ユニット3の固定のためのカメラボディ側固定機構が設けられている。
カメラボディ2では、上面に操作部としてのレリーズボタン2eが設けられている。また、カメラボディ2では、図示は略すが、各メニュー等の設定のためのダイヤルや、ADJレバー、方向指示用スイッチ、再生スイッチ等が上面および背面の適宜箇所に設けられており、背面に撮像ユニット3により撮像された画像データや記録媒体に記録された画像データに基づき画像を表示する表示部32(その表示面)(図2および図19参照)が設けられている。さらに、カメラボディ2には、図示は略すが、操作部の操作により撮像ユニット3を制御するのに用いる回路、撮像ユニット3により撮像された画像を処理する処理回路、撮像ユニット3により撮像されかつ処理回路により処理された画像を記録保存する記録媒体、電源回路、ストロボ制御回路、これらを構成する回路部品を搭載する回路基板等が収納されている。
カメラボディ2には、凹所2a内の側壁部2cにカメラボディ側コネクタ部2fが設けられている。このカメラボディ側コネクタ部2fは、凹所2aに臨むように側壁部2cを開口しており、上下方向(Y軸方向)に延びている。カメラボディ側コネクタ部2fは、図示は略すが、カメラボディ2の内方に収容され電気回路が配線されたコネクタ基板(プラグ基盤セット)に固定されている。このプラグ基盤セットは、後述する制御部31(図2参照)等へと接続されており、撮像ユニット3の内部にフローティング構造で配置されている。このカメラボディ側コネクタ部2fに撮像ユニット3の撮像ユニット側コネクタ部3fが嵌合される。
その撮像ユニット側コネクタ部3fは、撮像ユニット3をカメラボディ2の凹所2aに装着する際にその側壁部2cに対向される左側面3eからX軸方向負側へと突出しており、上下方向(Y軸方向)に延びている。撮像ユニット側コネクタ部3fは、電気回路が配線されたコネクタ基板(プラグ基盤セット)に固定されている。このプラグ基盤セットは、後述する撮像素子7(図2参照)等へと接続されており、撮像ユニット3の内部にフローティング構造で配置される。
デジタルカメラ1では、撮像ユニット3(筐体3a)をX軸方向に沿うようにカメラボディ2の凹所2aへ向けて相対的に移動され、そのカメラボディ側コネクタ部2fに撮像ユニット3の撮像ユニット側コネクタ部3fを嵌合させて接続されて、上述したカメラボディ側固定機構と撮像ユニット側固定機構とによりカメラボディ2と撮像ユニット3とが互いに結合される。このデジタルカメラ1では、互いに嵌合されたカメラボディ側コネクタ部2fと撮像ユニット側コネクタ部3fとを介して、電気的に接続されている。この撮像ユニット側コネクタ部3fおよびカメラボディ側コネクタ部2fには、例えば、市販のベイコネクタが用いられる。また、撮像ユニット側コネクタ部3fおよびカメラボディ側コネクタ部2fにおけるフローティング構造は、カメラボディ2に撮像ユニット3を装着して撮像ユニット側コネクタ部3fとカメラボディ側コネクタ部2fとの電気的接合を図る際に、撮像ユニット側コネクタ部3fとカメラボディ側コネクタ部2fとの取り付け誤差を吸収緩和して、その撮像ユニット側コネクタ部3fとカメラボディ側コネクタ部2fとを嵌合させる際に加わる応力を緩和する機能を果たす。
このデジタルカメラ1は、図2に示すように、撮像素子7からの信号に基づく画像データの生成処理や、手ぶれ補正機構9、保持機構10および後述するレンズ鏡胴駆動ユニット33の駆動等の制御を統括的に行う制御部31を有する。この制御部31は、撮影レンズ系4aを経て撮像素子7で取得した画像を、カメラボディ2の後面側に設けられた表示部32(図19参照)に適宜表示させる。制御部31には、位置検出素子34やぶれ検出素子35から検出信号が入力される。位置検出素子34は、後述する撮像素子保持枠8およびスライド枠11の位置すなわち撮像素子7を検出するものであり、実施例1では、ホール素子で構成されて、後述する撮像ユニット3の撮像素子保持枠8およびスライド枠11のそれぞれに設けられている。ぶれ検出素子35は、デジタルカメラ1自体(そのカメラボディ2)に生じた手ぶれを検出するものであり、実施例1では、加速度センサで構成されて、カメラボディ2に設けられている。なお、このぶれ検出素子35は、ジャイロセンサを用いて構成することもできる。また、実施例1では、撮像素子7、手ぶれ補正機構9、保持機構10およびレンズ鏡胴駆動ユニット33は、撮像ユニット3に設けられている。
レンズ鏡胴4は、図3に示すように、レンズ鏡胴収納筒部5の内側に設置されている。このレンズ鏡胴4の外周面には、図示は略すがヘリコイド状のカムフォロアが形成されている。レンズ鏡胴収納筒部5は、カメラボディ2内に設置したベース板6の前面側に一体的に形成されている。このレンズ鏡胴収納筒部5には、図示は略すが内周面にヘリコイド状のカム溝が形成されており、内側に設置されたレンズ鏡胴4の外周面のカムフォロア(図示せず)が係合されている。レンズ鏡胴収納筒部5では、レンズ鏡胴駆動ユニット33(図2参照)による駆動力によって、レンズ鏡胴4が所定の沈胴位置と所定の撮像待機位置(図14参照)との間で撮影光軸方向(Z軸方向)に沿って移動する。
図4および図5に示すように、レンズ鏡胴収納筒部5内の中央部に位置するベース板6の表面上には、CCD等の撮像素子7を保持した撮像素子保持枠8と、撮像素子保持枠8(撮像素子7)を撮影光軸に直交する面内で移動させて手ぶれを補正する手ぶれ補正機構9と、撮像素子保持枠8(撮像素子7)の撮影光軸に直交する面内での移動を機械的に規制して保持する保持機構10と、が設けられている。
(手ぶれ補正機構9の構成)
手ぶれ補正機構9は、撮像素子保持枠8を移動自在に保持したスライド枠11を有する。撮像素子保持枠8は、スライド枠11に設けたガイド棒13が摺動自在に挿通されることにより、X軸方向(左右方向)へと移動自在に保持されている。なお、撮像素子保持枠8は、図示は略すが、ガイド棒13とは撮像素子7を挟んだ反対側(Y軸方向)もガイド棒によって移動自在に保持されている。
スライド枠11は、レンズ鏡胴収納筒部5内のベース板6上に設けたスライド保持枠12の内側に移動自在に保持されている。スライド枠11は、スライド保持枠12に設けたガイド棒14が摺動自在に挿通されることにより、Y軸方向(上下方向)へと移動自在に保持されている。なお、スライド枠11は、図示は略すが、ガイド棒14とは撮像素子7を挟んだ反対側(X軸方向)もガイド棒によって移動自在に保持されている。
スライド保持枠12の表面には、永久磁石(図示せず)と一体に形成されたヨーク15a、15bが設けられている。このヨーク15a、15bは、スライド枠11のX軸方向またはY軸方向に隣接されている。ヨーク15a、15bの背面側には、当該ヨーク15a、15bとZ軸方向で対向するように、コイル16a、16bが設けられている。コイル16aは、図示は略すがスライド枠11に設けた突出部に固定され、コイル16bは、図示は略すが撮像素子保持枠8に設けた突出部に固定されている。
手ぶれ補正機構9では、各コイル16a、16bに発生する磁力およびヨーク15a、15b(そこと一体に形成された永久磁石)の磁力による吸引反発力を適宜作用させることにより、撮像素子保持枠8をX軸方向に、スライド枠11をY軸方向にそれぞれ移動させることができる。この撮像素子保持枠8およびスライド枠11には、上述したように、該撮像素子保持枠8およびスライド枠11の位置を検出するための位置検出素子34が設けられている。
この手ぶれ補正機構9では、制御部31の制御下で、上述したぶれ検出素子35(図2参照)で検出したぶれ検出情報に基づいて、各コイル16a、16bへの印加電流を制御する。この制御により、各コイル16a、16bとヨーク15a、15b(そこと一体に形成された永久磁石)との間に磁力による吸引反発力を適宜作用させる。この吸引反発力によって、撮像素子保持枠8(撮像素子7)をX軸方向に、スライド枠11をY軸方向にそれぞれ手ぶれを打ち消すように移動させる。このとき、手ぶれ補正機構9(制御部31)では、撮像素子保持枠8におけるX−Y平面内での原点位置を設定し、ぶれ検出素子35(図2参照)からのぶれ検出情報に基づいて、移動目標位置を設定するとともに、原点位置から移動目標位置への移動方向および移動量を算出し、その移動方向へと移動量だけ撮像素子保持枠8を移動させる。ここで、手ぶれ補正機構9では、この移動が磁力による吸引反発力を利用するものであることから、設定した移動目標位置へと適切に移動するように、位置検出素子34(図2参照)からの位置情報に基づいてサーボ制御を行う。なお、このように磁力による吸引反発力によりX−Y平面内での撮像素子保持枠8(撮像素子7)の位置が制御されている状態、すなわち各コイル16a、16bへの印加電流の制御により撮像素子保持枠8がX−Y平面内での任意の位置とされている状態を、以下では電気的保持という。
手ぶれ補正機構9では、X−Y平面上での移動方向に拘らず撮像素子保持枠8(撮像素子7)を移動することができるように、上記した電気的保持における原点位置が、スライド枠11とスライド保持枠12とによりX−Y平面上での移動自在とされた範囲における中心位置と一致されている。これは、撮像素子7を保持する撮像素子保持枠8が、X軸方向(左右方向)へと移動自在にスライド枠11に保持され、かつそのスライド枠11が、Y軸方向(上下方向)へと移動自在にスライド保持枠12に保持されており、撮像素子保持枠8すなわち撮像素子7の移動範囲を無限とすることはできないことによる。また、手ぶれ補正機構9では、画像の劣化を防止するために、上記した原点位置を撮影光軸(撮影レンズ系4aの撮影光軸)上に位置させている。このため、手ぶれ補正機構9では、電気的保持の状態において、撮像素子保持枠8すなわち撮像素子7を、撮影光軸上の原点位置を基準として手ぶれを打ち消すようにX−Y平面上で移動することにより、手ぶれ補正を行う。この原点位置は、制御部31に設けられた記憶部31a(図2参照)に格納され、当該制御部31により適宜取得可能とされている。このため、デジタルカメラ1すなわち手ぶれ補正機構9では、記憶部31a(図2参照)に格納された原点位置のデータに基づいて、制御部31が各コイル16a、16bへの印加電流を制御することにより、電気的保持の状態において、撮像素子保持枠8すなわち撮像素子7を撮影光軸上に設定された原点位置へと移動させることができるとともに当該原点位置に在ることを維持することができる。
また、撮像素子保持枠8の表面側(撮像素子7の表面側)には、後述する固定レバー22の先端に設けた固定ピン23が離脱自在に係合する係合穴19(図3参照)が形成されている。この係合穴19は、図9に示すように、撮像素子保持枠8の表面側(物体側)が正方形状の開口端とされ、底部へ向かうに連れて面積を漸減させるように窄まる傾斜面を有している(図9および図10参照)。また、係合穴19の表面側の開口端は、撮像素子保持枠8が移動可能な範囲内の如何なる位置であっても、後述するように、トーションバネ27による付勢によりX−Y平面内で位置決めされた固定レバー22の固定ピン23を、上記した傾斜面へと当接させることが可能とする大きさ寸法に設定されている。
(保持機構10の構成)
保持機構10は、図4〜図8、図11、図12に示すように、駆動モータ20と、駆動モータ20の回転運動を直線往復運動に変換する往復動機構21と、往復動機構21による往復動によって揺動する薄板状の固定レバー22と、係合穴19に離脱自在に係合すべく固定レバー22の先端に設けた固定ピン23と、を備える。
駆動モータ20は、固定レバー22の移動の制御のために駆動制御されて適宜回転運動するものであり、実施例1ではステッピングモータで構成されている。この駆動モータ20は、モータ保持板40に保持されている(図6等参照)。このモータ保持板40は、レンズ鏡胴収納筒部5の外周面に一体に形成したフランジ41に固着されている。駆動モータ20のモータ軸(出力軸(図示せず))には、出力ギヤ42(図7参照)が固着され、その出力ギヤ42(図7参照)には、往復動機構21が連結されている。
往復動機構21は、図7および図11に示すように、回転伝達ギヤ43と、伝達ギヤ44と、カムギヤ45と、作動軸46と、カムフォロア47と、第1コイルばね48と、第2コイルばね49とを備える。回転伝達ギヤ43は、駆動モータ20のモータ軸(出力軸)に固着された出力ギヤ42(図7参照)と噛み合わされている。伝達ギヤ44は、その回転伝達ギヤ43と一体的に形成されて同軸上に設けられている。カムギヤ45は、モータ保持板40と対向する面にカム面45aを有し、伝達ギヤ44と噛み合わされている。作動軸46は、このカムギヤ45の軸穴に挿通されており、撮影光軸方向(Z軸方向(図11および図12の上下方向))に沿って配置されている。カムフォロア47は、カムギヤ45のカム面45aに当接すべくモータ保持板40に設けられている(図11および図12参照)。第1コイルばね48は、作動軸46の一端側(図11および図12の下側)の周面を取り巻くように設けられている。第2コイルばね49は、作動軸46の他端側(図11および図12の上側)の周面を取り巻くように設けられている。
その作動軸46は、一端(図11および図12の下側)がフランジ41に撮影光軸方向に移動自在に保持され、中間部付近がモータ保持板40に撮影光軸方向に移動自在に保持されている。
カムギヤ45のカム面45aは、図13(a)に示すように、作動軸46を取り巻きつつ当該作動軸46の延在方向(Z軸方向)で見た高さ寸法を漸次的に変化させる傾斜面とされている。カムフォロア47は、このカム面45aと、作動軸46の延在方向(撮影光軸方向)で対向するように、モータ保持板40から作動軸46の一端側(図11および図12の下側)へ向けて延出されている。カムギヤ45は、軸穴に挿通される作動軸46の延在方向に移動可能とされており、モータ保持板40側に形成された受部45b(図12および図13(a)参照)がモータ保持板40と当接することにより、作動軸46の他端側(図11および図12の上側)への移動が規制される。この作動軸46の一端側(図11および図12の下側)には、ばね止め部材50が固着され、作動軸46に沿って移動可能な第1コイルばね48をばね止めしている。カムギヤ45は、その作動軸46に設けられた第1コイルばね48によりモータ保持板40側へと付勢されている。これにより、カムギヤ45のカム面45aはカムフォロア47に常に当接する。
この作動軸46の他端側には、図11および図12に示すように、レバー受部材51が固着されている。このレバー受部材51の下方、すなわち作動軸46の他端側(図11および図12の上側)に設けられた第2コイルばね49は、一端側(図11および図12の下側)がモータ保持板40でばね止めされており、他端側にばね受部材52が設けられている。このばね受部材52は、作動軸46を取り巻く円筒部材であり、作動軸46に対して移動可能とされている。このため、ばね受部材52は、第2コイルばね49により作動軸46の他端側(図11および図12の上側)へ向けて常に付勢されている。このばね受部材52の上面52aは、レバー受部材51の下面51aと作動軸46の延在方向で対向している。なお、第1コイルばね48の付勢力は、第2コイルばね49の付勢力よりも大きくなるように設定されている。
固定レバー22は、図7および図11に示すように、上方(撮影レンズ系4a側)から見て、撮像素子7の周辺に沿うように湾曲しつつ延在する長尺部材であり、先端に固定ピン23が設けられている。この固定ピン23は、撮像素子保持枠8の係合穴19に係合可能な突起部材であり、先端が略球面状に形成されている(図10および図11参照)。固定ピン23は、撮像素子保持枠8の表面側(撮像素子7の表面側)へと突出するように(図3参照)固定レバー22の先端に固着されている。
固定レバー22は、図11に示すように、延在方向の中間部付近に、揺動軸24が設けられている。この揺動軸24は、ベース板6に設けられた軸受部材25(図4、図7および図8参照)に遊びを持って軸支されている。このように揺動軸24が軸受部材25に遊びを持って軸支される構成としているのは、軸受部材25内での揺動軸24の相対的な回動に対する抵抗を低減するためである。このため、固定レバー22は、揺動軸24および軸受部材25を介して、ベース板6に揺動自在に保持されている。固定レバー22は、揺動軸24よりも先端側に設けられた段部22aがベース板6に設けられた開口部6a(図4および図8参照)に通されており、そこよりも先端側がスライド保持枠12の表面に沿って配置されている(図4および図7参照)。この開口部6aには、揺動軸24を軸支する上述した軸受部材25も設けられている。
この固定レバー22の先端側は、スライド枠11の縁部に沿うように湾曲(22b)されて、先端が撮像素子保持枠8の係合穴19の近傍位置まで延びている。固定レバー22では、湾曲箇所22bから側方へと延出する延出箇所22cが形成され、その延出箇所22cに位置決め係合ピン26が設けられている。この位置決め係合ピン26は、スライド保持枠12に設けられた位置決め孔12a(図4および図8参照)に遊嵌可能とされている。この位置決め孔12aは、位置決め係合ピン26の外径寸法よりも大きな内径寸法とされている。
固定レバー22の段部22aよりも後端側は、ベース板6の裏面側(撮像素子7の裏面側)に延在されており、図5および図8に示すように、後端に連結部22dが形成されている。この連結部22dは、間隔を置いて作動軸46の一部を取り巻くことを可能とすべく、作動軸46の外径寸法よりも大きな内径寸法の円弧状を呈している(図8参照)。連結部22dは、作動軸46の一部を取り巻くように、当該作動軸46の他端側で互いに対向されているレバー受部材51の下面51aとばね受部材52の上面52aとの間に位置されている(図11等参照)。
この固定レバー22の先端側では、段部22aと湾曲箇所22bとの間の係合突起部22e(図11参照)にトーションバネ27の一端27aが係合されている。このトーションバネ27の他端27bは、スライド保持枠12に設けられたバネ受け突起部12b(図8参照)に係合されている。トーションバネ27は、図8および図11に示すように、X−Y平面に沿って、他端27bが係合されるバネ受け突起部12bから離間する方向(矢印A1参照)へと固定レバー22を付勢する。これにより、固定レバー22では、後述するように、連結部22dがレバー受部材51の下面51aとばね受部材52の上面52aとに狭持されていない状態(固定されていない状態)において、図4および図8に示すように、軸受部材25が設けられた開口部6aの一端6b(トーションバネ27から離間する側の端部)に、軸受部材25に軸支される揺動軸24の一端24aが当接し、この当接箇所を中心としつつX−Y平面に沿って回動しようとする(矢印A2、A3参照)。すると、固定レバー22の先端側に設けられた位置決め係合ピン26が、遊嵌されたスライド保持枠12の位置決め孔12a内で、当該回動方向(矢印A3参照)へと押し当てられる。このように、固定レバー22は、トーションバネ27の付勢により、揺動軸24の一端24aが開口部6aの一端6bに当接し、かつ位置決め係合ピン26がスライド保持枠12の位置決め孔12a内で回動方向(矢印A3参照)へと押し当てられて、X−Y平面内で位置決めされる。この回動方向(矢印A3参照)は、スライド保持枠12の位置決め孔12a内で位置決め係合ピン26が押し当てられる方向であることから、実施例1の構成において、弾性部材としてのトーションバネ27による保持部材としての固定レバー22に対する実質的な付勢方向となる。このとき、固定レバー22は、後述するように、解除状態ではX−Y平面に沿う状態から揺動軸24回りに傾倒しているが(図14および図17(a)参照)、このように傾倒していても実際には略X−Y平面に沿うものであることから、この傾きが問題となることはない。また、連結部22dは、間隔を置いて作動軸46の一部を取り巻いていることから、上記した固定レバー22の位置決めを妨げることはない。このように、一方へと押し当てて位置決めする構成としているのは、固定レバー22の動作を円滑にするためである。
この位置決めされた状態において、固定レバー22の先端の固定ピン23が、電気的保持での原点位置にある撮像素子保持枠8(撮像素子7)の係合穴19に適切に係合するように、軸受部材25が設けられた開口部6a(その一端6b)と揺動軸24(その一端24a)との位置関係および位置決め係合ピン26とスライド保持枠12の位置決め孔12aとの位置関係が設定されている。ここでいう適切に係合するとは、係合状態において係合穴19の中心位置と固定ピン23の中心位置とが撮影光軸方向(Z軸方向)で一致していることをいう(図10参照)。
本発明に係る撮像装置としてのデジタルカメラ1では、位置決め係合ピン26がスライド保持枠12の位置決め孔12a内で押し当てられる方向、すなわちトーションバネ27が固定レバー22の形状、揺動軸24およびそれを保持する開口部6aと協働により、全体として固定レバー22を付勢する方向を、デジタルカメラ1において撮像素子7(それを保持する撮像素子保持枠8)に作用することを想定し得る衝撃力のうち、最も発生頻度が高いことが想定される衝撃力の作用方向に設定している。この衝撃力は、デジタルカメラ1もしくは撮像ユニット3の急激な移動に伴って、撮像素子7を保持する撮像素子保持枠8に生じる慣性に起因するものである。これは、以下のことによる。
本発明に係る撮像装置としてのデジタルカメラ1は、図15に示すような概念に基づいて、上述したように構成されている。デジタルカメラ1では、撮像素子7(撮像素子保持枠8)が電気的保持での原点位置にある場合に、その係合穴19に位置決めされた固定レバー22の先端の固定ピン23が係合されている。この固定レバー22は、X−Y平面に沿う移動が可能とされているとともに、弾性部材61(実施例1ではトーションバネ27)からの付勢(矢印A4参照)により、固定レバー22に設けられた被係合箇所62(実施例1では位置決め係合ピン26)が、係合部材63(実施例1では位置決め孔12a)へと押し当てられる(矢印A5参照)ことにより、位置決めされている。この弾性部材61は、一端61a(27a)が固定レバー22に固定され、他端61b(27b)が撮像素子7(撮像素子保持枠8)を相対的に移動可能に保持する保持箇所(実施例1ではスライド保持枠12(図8参照))に固定的に設けられた固定位置64(実施例1ではスライド保持枠12のバネ受け突起部12b(図8参照))に固定されている。また、係合部材63は、前記基準箇所(実施例1ではスライド保持枠12)に設けられている。このため、固定レバー22は、被係合箇所62が係合部材63に押し当てられる方向(矢印A5参照)への前記基準箇所に対するX−Y平面に沿う移動が、当該被係合箇所62と係合部材63との係合により、物理的に制限されている。このことから、固定レバー22に当該方向(矢印A5参照)への外力(衝撃力)が作用しても、後述するように固定レバー22が位置決めされた状態(図8に実線で示す固定レバー22参照)からずれてしまうことを防止することができる。また、係合穴19と固定ピン23との係合により固定レバー22に連結された撮像素子7(撮像素子保持枠8)も、当該方向に等しい方向(矢印A6参照)への前記基準箇所に対するX−Y平面に沿う移動が防止(制限)されることとなる。このことから、撮像素子7(撮像素子保持枠8)に当該方向(矢印A5、A6参照)への衝撃力が作用したとしても、被係合箇所62と係合部材63との係合により、当該衝撃力による前記基準箇所に対する撮像素子7(撮像素子保持枠8)の移動を物理的に防止(制限)することができる。
このため、本発明に係るデジタルカメラ1では、撮像素子7(撮像素子保持枠8)に作用する衝撃力うち最も発生頻度が高いことが想定される作用方向に抗するように、固定レバー22の被係合箇所62に対する係合部材63の位置を設定する、すなわち被係合箇所62の係合部材63への押当方向(図15の矢印A5参照)を設定することにより、想定した作用方向の衝撃力に起因する撮像素子7(撮像素子保持枠8)すなわち固定レバー22の位置ずれが生じることを防止する。
この実施例1のデジタルカメラ1(撮像ユニット3)では、設定する衝撃力の作用方向、すなわち被係合箇所62(位置決め係合ピン26)が係合部材63(スライド保持枠12の位置決め孔12a)に押し当てられる方向を、カメラボディ2に対する撮像ユニット3の装着方向(図16の矢印A7参照)、すなわち撮像ユニット3において撮像ユニット側コネクタ部3fが突出された方向としている。これは、以下のことによる。デジタルカメラ1では、図16に示すように、撮像ユニット3をカメラボディ2に装着する際、撮像ユニット3の撮像ユニット側コネクタ部3fをカメラボディ2の凹所2aのカメラボディ側コネクタ部2fに対向させ、その撮像ユニット側コネクタ部3fとカメラボディ側コネクタ部2fとをX軸方向で接合させつつ装着する。この装着の際、デジタルカメラ1の構成から、カメラボディ2を固定的に保持するとともに、その凹所2aに対して撮像ユニット3を滑り込ませるように相対的に移動されることが考えられる(矢印A7参照)。このため、撮像ユニット3内の撮像素子7(それを保持する撮像素子保持枠8)では、固定的に保持されたデジタルカメラ1により撮像ユニット3の移動が停止されることにより、装着方向(矢印A7参照)への慣性が生じるので、相対的に移動可能とされた基準箇所であるスライド保持枠12に対して装着方向(矢印A8参照)への衝撃力が作用する。ここで、デジタルカメラ1では、各種機能の交換のために撮像ユニット3(交換レンズ鏡胴ユニット)がカメラボディ2に対して着脱されることとなることから、通常の利用において撮像ユニット3(交換レンズ鏡胴ユニット)のカメラボディ2(その凹所2a)への装着動作が頻繁に行われることが想定される。このため、撮像ユニット3(交換レンズ鏡胴ユニット)のカメラボディ2(その凹所2a)への装着に伴って、撮像素子7(撮像素子保持枠8)に作用する衝撃力の作用方向に抗するように、固定レバー22の被係合箇所62に対する係合部材63の位置を設定する、すなわち被係合箇所62の係合部材63への押当方向(図15の矢印A5参照)を設定することにより、通常の利用において頻繁に行われる動作である、カメラボディ2に対する撮像ユニット3の装着により、撮像素子7(撮像素子保持枠8)に作用する衝撃力に起因する当該撮像素子7(撮像素子保持枠8)すなわち固定レバー22の位置ずれの発生を防止することができる。
具体的には、実施例1の固定レバー22では、図8等に示すように、X−Y平面に沿う平面において、トーションバネ27からの付勢力(矢印A1参照)により、軸受部材25が設けられた開口部6a(その一端6b)と揺動軸24(その一端24a)との当接箇所を回動中心として回動する(矢印A2参照)ように位置設定するとともに、上記した当接箇所を回動中心とする回動に伴って、延出箇所22cに設けられた位置決め係合ピン26が、遊嵌されたスライド保持枠12の位置決め孔12a内において、その開口縁部にカメラボディ2に対する撮像ユニット3の装着方向で当接する(矢印A3参照)ように位置設定している。このため、デジタルカメラ1では、X軸方向負側を衝撃力の作用方向として設定する(図16の矢印A7参照)ことにより、係合部材63(位置決め孔12a)に対して、装着方向の前方側で被係合箇所62(固定レバー22の位置決め係合ピン26)に当接させることができる。
次に、撮像素子保持枠8の移動を規制して保持する保持機構10の動作について、図17を用いて説明する。なお、図17では、理解容易のために、固定レバー22の傾斜(レバー受部材51の下面51aとばね受部材52の上面52aとの間での連結部22dの姿勢)を強調して示しているが、実際の保持機構10の動作と必ずしも一致するものではない。また、保持機構10の動作説明では、図17を正面視した上下方向を用いるものとする。
デジタルカメラ1(図1参照)の電源スイッチ(図示せず)をONした場合には、図14に示すように、レンズ鏡胴4がレンズ鏡胴収納筒部5内の沈胴位置(図4に示した位置)から前方側(図14の右側)の撮像待機位置に駆動機構(図示せず)により移動し、撮影可能状態となる。これにより、レンズ鏡胴4の底面側とレンズ鏡胴収納筒部5内の撮像素子保持枠8の撮影光軸方向の物体側(撮像素子7側)との間に所定の空間が得られる。
そして、手ぶれ補正スイッチ(図示せず)をONにすると、駆動モータ20が回転駆動にされ(以下では、これを逆転方向という)、その出力ギヤ42と噛み合っている回転伝達ギヤ43および伝達ギヤ44が回転して(以下では、これを正転方向という)、伝達ギヤ44と噛み合っているカムギヤ45が逆転方向に回転して、カムフォロア47の先端部がカム面45aの下部45c(図13参照)に摺接(当接)状態にあるように制御されている(図17(a)参照)。
このとき、図17(a)に示すように、第1コイルばね48および第2コイルばね49の付勢力により、カムギヤ45は、上方へと移動されてモータ保持板40に最も近づいた状態となり、作動軸46は、最も上方側に位置する。すると、レバー受部材51の下面51aとばね受部材52の上面52aとの間で、固定レバー22の連結部22dが最も上方側に位置する。固定レバー22は、連結部22dが最上位置に位置すると、軸受部材25(図4等参照)に軸支された揺動軸24回りに回動し、先端が最下位置に位置する。このため、固定レバー22の先端に設けられた固定ピン23は、電気的保持での原点位置にある撮像素子保持枠8(撮像素子7)の係合穴19から離脱した状態となる(図14参照)。このとき、撮像素子保持枠8(撮像素子7)は、保持機構10(固定レバー22)により移動の規制がなされていないこととなり、手ぶれ補正機構9が作動可能な状態となる。以下では、これを解除状態という。この解除状態では、上述したように、固定レバー22は、トーションバネ27による付勢により、固定レバー22の先端の固定ピン23が電気的保持での原点位置にある撮像素子保持枠8(撮像素子7)の係合穴19に適切に係合する位置に、位置決めされる(図8等参照)。
ここで、手ぶれ補正機構9を作動させる手ぶれ補正スイッチ(図示せず)もOFF(デジタルカメラ1(図1参照)の電源スイッチ(図示せず)をOFFとしても同じ)とすると、図3に示すように、レンズ鏡胴4がレンズ鏡胴収納筒部5内の沈胴位置とされる。すると、保持機構10では、駆動モータ20が正転方向に回転駆動にされ、その出力ギヤ42と噛み合っている回転伝達ギヤ43および伝達ギヤ44が逆転方向に回転し、その伝達ギヤ44と噛み合っているカムギヤ45が正転方向に回転し、カムフォロア47の先端部がカム面45aにおける下部45cから傾斜を登り上部45d(図13参照)へと至る(図17(c)参照)。
この過程においてカム面45aにおける下部45cと上部45d(図13参照)との中間位置を摺接するとき、図17(b)に示すように、カムフォロア47とカム面45aとの作用により、カムギヤ45が押し下げられ、第1コイルばね48を介して、作動軸46の一端(図17の下端)に固着されたばね止め部材50が押し下げられて、作動軸46が押し下げられる。これにより、作動軸46の他端に(図17の上端)に固着されたレバー受部材51が押し下げられ、その下面51aの下方に位置する固定レバー22の連結部22dが、その下方に位置するばね受部材52を第2コイルばね49の付勢力に抗しながら押し下げる。これは、第1コイルばね48の付勢力が、第2コイルばね49の付勢力よりも大きくなるように設定されていることによる。この連結部22dの押し下げにより、固定レバー22は、揺動軸24回りに回動し、先端が上方へと移動し、先端に設けられた固定ピン23が、電気的保持での原点位置にある撮像素子保持枠8(撮像素子7)の係合穴19へと接近していく。
このカムフォロア47の先端部がカム面45aを摺接しつつ下部45cから傾斜を登る過程において、カムギヤ45すなわち作動軸46の押し下げにより、連結部22dが所定の位置まで押し下げられると、固定レバー22の固定ピン23が、電気的保持での原点位置にある撮像素子保持枠8(撮像素子7)の係合穴19に係合する。これにより、固定レバー22の連結部22dは、当該所定の位置よりも下方への移動が制限され、その上面に当接するレバー受部材51を介して作動軸46の下方への移動を制限する。以下では、この位置を作動軸46における最下位置という。この状態では、カムフォロア47の先端部がカム面45aの上部45dへと到達していない設定とされている。
このため、カムフォロア47の先端部がさらにカム面45aを登り、カムギヤ45が押し下げられると、下端がばね止め部材50によりばね止めされた第1コイルばね48が縮んでゆき、作動軸46の一端(図17の下端)のばね止め部材50への下方への付勢力が徐々に増加し、作動軸46すなわちその他端のレバー受部材51による固定レバー22の連結部22dへの下方への付勢力が徐々に増加する。これにより、電気的保持での原点位置にある撮像素子保持枠8(撮像素子7)の係合穴19への、固定レバー22の固定ピン23の押圧力が徐々に増加していくとともに、レバー受部材51の下面51aと固定レバー22の連結部22d(その上面)との間に作用する摩擦力も徐々に増加していく。
その後、カムフォロア47の先端部がカム面45aの上部45dに到達すると、図17(c)に示すように、カムギヤ45が下方へと移動されてフランジ41に最も近づいた状態となり、第1コイルばね48によるばね止め部材50すなわち最下位置にある作動軸46への下方への付勢力が最大となり、その他端のレバー受部材51による固定レバー22の連結部22dへの下方への付勢力が最大となる。これにより、電気的保持での原点位置にある撮像素子保持枠8(撮像素子7)の係合穴19への、固定レバー22の固定ピン23の押圧力が最大となり、レバー受部材51による固定レバー22の連結部22dへの下方への付勢力が最大となる。
このため、固定レバー22の先端に設けられた固定ピン23は、電気的保持での原点位置にある撮像素子保持枠8(撮像素子7)の係合穴19に最大の押圧力で係合する状態となる(図3参照)。これにより、撮像素子保持枠8は、撮像素子7の中心が撮影光軸上に位置する状態で、保持機構10(固定レバー22)により移動が規制される。以下では、これを保持状態といい、この保持機構10により保持状態とされることを機械的保持という。この保持状態では、固定レバー22は、その連結部22d(その上面)とレバー受部材51の下面51aとの間に作用する摩擦力と、トーションバネ27からの付勢力と、により、上記した位置決めされた状態に固定されている。換言すると、保持状態では、固定レバー22は、上記した摩擦力と付勢力との合成力である固定力により、上記した位置決めされた状態に固定されている。ここで、固定レバー22の連結部22d(その上面)とレバー受部材51の下面51aとの間に作用する摩擦力は、主に第1コイルばね48からの付勢力によるものであるが、第2コイルばね49からの付勢力や撮像素子保持枠8(撮像素子7)の係合穴19に固定ピン23が押圧された固定レバー22からの反力等も影響している。この保持状態において、固定レバー22の連結部22d(その上面)とレバー受部材51の下面51aとの間に作用する摩擦力は、トーションバネ27からの付勢力よりも大きくなるように設定されている。
なお、デジタルカメラ1の電源スイッチ(図示せず)がON状態でも手ぶれ補正スイッチ(図示せず)がOFFの場合には、電源スイッチ(図示せず)がOFFの場合(図17)と同様に、固定ピン23が撮像素子保持枠8に形成した係合穴19に係合状態にあり、撮像素子保持枠8が機械的に固定されている。このとき、表示部32には、制御部31の制御下で取得した画像が表示される。以下では、これをモニタリング状態という。
このように、実施例1の保持機構10(デジタルカメラ1)では、固定レバー22が、撮像素子7の移動を機械的に規制すべく、手ぶれ補正機構9に係合(実施例1では撮像素子保持枠8の係合穴19)する保持部材として機能する。また、実施例1の保持機構10(デジタルカメラ1)では、トーションバネ27が、保持機構10の解除状態において、保持機構10の保持状態での撮像素子7の保持位置を電気的保持での原点位置へと位置決めすべく、保持部材としての固定レバー22を付勢する弾性部材として機能する。さらに、実施例1の保持機構10(デジタルカメラ1)では、開口部6aの一端6bおよび揺動軸24の一端24aと、位置決め係合ピン26およびスライド保持枠12の位置決め孔12aと、が、保持部材としての固定レバー22を、弾性部材としてのトーションバネ27に抗して位置決め位置すなわち電気的保持での原点位置に適合する位置で係止する係止部として機能する。実施例1の保持機構10(デジタルカメラ1)では、駆動モータ20および往復動機構21が、保持機構10の保持状態において固定ピン23を係合穴19に係合させ、かつ保持機構10の解除状態において固定ピン23を係合穴19から離間させるべく、保持部材としての固定レバー22を移動(実施例1では揺動軸24回りの揺動)させる保持部材移動部として機能する。
(技術の課題)
次に、デジタルカメラ1における技術の課題について、図18および図19を用いて説明する。なお、図18(b)および図19(b)では、理解容易のために、撮像素子7の位置ずれや画像のぶれを強調して示しているが、実際の移動状態と必ずしも一致するものではない。
デジタルカメラ1では、上述したように、手ぶれ補正スイッチ(図示せず)がOFFの場合、保持機構10により撮像素子保持枠8(撮像素子7)が保持状態とされて機械的保持されており、手ぶれ補正スイッチ(図示せず)がONとされると、保持機構10が解除状態とされるとともに、手ぶれ補正機構9による手ぶれ補正が開始される。ここで、上述したように、手ぶれ補正機構9では、電気的保持の状態において、撮像素子保持枠8(撮像素子7)を、撮影光軸上の原点位置を基準として、手ぶれを打ち消すようにX−Y平面上で移動することにより、適切な手ぶれ補正を行う構成とされている。そこで、手ぶれ補正機構9では、手ぶれ補正を開始すべく電気的保持を開始する(各コイル16a、16bへの印加電流の制御を開始する)と、記憶部31aに記憶された原点位置に撮像素子保持枠8(撮像素子7)を位置させる。このため、デジタルカメラ1では、手ぶれ補正スイッチ(図示せず)がONとされると、撮像素子保持枠8(撮像素子7)が、保持機構10による機械的保持の状態から、手ぶれ補正機構9による電気的保持の状態へと移行することとなる。ここで、上述したように、保持機構10による機械的保持では、撮像素子保持枠8(撮像素子7)が電気的保持における原点位置とされていることから、機械的保持の状態から電気的保持の状態へと移行しても撮像素子保持枠8(撮像素子7)が移動されることはない(図18(a)参照)。このため、モニタリング状態から撮影のために手ぶれ補正を開始する場面において、デジタルカメラ1のカメラボディ2の後面側に設けられた表示部32に表示される画像は、機械的保持の状態から電気的保持の状態へと移行してもなんら変化することはない(図19(a)参照)。
ところが、保持機構10による機械的保持の状態において、撮像素子保持枠8に想定を超えた衝撃力が作用すると、機械的保持による撮像素子保持枠8(撮像素子7)の位置が、電気的保持における原点位置からずれてしまう虞がある。これについて、以下で説明する。
保持機構10による機械的保持の状態では、上述したように、固定レバー22は、固定レバー22の連結部22d(その上面)とレバー受部材51の下面51aとの間に作用する摩擦力と、トーションバネ27からの付勢力と、により、上記した位置決めされた状態に固定されている(図4および図8参照)。このとき、固定レバー22では、開口部6aの一端6bが揺動軸24の一端24aに当接し、かつ位置決め係合ピン26がスライド保持枠12の位置決め孔12a内で回動方向(図8の矢印A3参照)へと押し当てられていることから、X−Y平面に沿う当該回動方向への移動は物理的に制限されている。ところが、スライド保持枠12の位置決め孔12aは、位置決め係合ピン26を遊嵌するものであり、かつ軸受部材25は、遊びを持って揺動軸24を軸支するものであることから、位置決め係合ピン26および揺動軸24では、X−Y平面に沿う当該回動方向との反対方向(以下では、非係止方向という。)へと移動することを制限することはできない。
このため、保持機構10では、撮像素子保持枠8に作用することを想定し得る非係止方向への衝撃力に耐えられるように、固定レバー22の連結部22d(その上面)とレバー受部材51の下面51aとの間に作用する摩擦力と、トーションバネ27からの付勢力と、(その合成力である固定力)を設定している。この衝撃力は、例えば、デジタルカメラ1の急激な移動に伴って、撮像素子7を保持する撮像素子保持枠8に生じる慣性に起因するものである。
ところが、想定を超えた非係止方向への衝撃力が撮像素子保持枠8に作用すると、上記した摩擦力および付勢力に抗して撮像素子保持枠8が非係止方向へと移動してしまい、撮像素子保持枠8の係合穴19に係合された固定ピン23を介して固定レバー22が回動してしまう(図8に一点鎖線で示す固定レバー22参照)。すなわち、上記した摩擦力および付勢力による固定力よりも大きな非係止方向への衝撃力が撮像素子保持枠8に作用すると、係合穴19と固定ピン23との係合状態が維持されたまま固定レバー22が回動してしまう。このため、レバー受部材51の下面51aに対する固定レバー22の連結部22dの当接姿勢が、位置決めされた状態(図8に実線で示す固定レバー22参照)からずれてしまう(図8に一点鎖線で示す固定レバー22参照)。ここで、保持機構10での保持状態は維持されていることから、衝撃力が設定した合成力よりも小さくなった時点での姿勢、すなわち上記したずれた状態(図8に一点鎖線で示す固定レバー22参照)での当接姿勢で、レバー受部材51の下面51aと固定レバー22の連結部22dとが固定されてしまう。これは、固定レバー22の連結部22d(その上面)とレバー受部材51の下面51aとの間に作用する摩擦力が、トーションバネ27からの付勢力よりも大きくなるように設定されていることによる。このため、保持機構10による機械的保持の状態における撮像素子保持枠8(撮像素子7)の位置(図18(b)に実線で示す撮像素子7参照)が、電気的保持における原点位置(図18(b)に二点鎖線で示す撮像素子7参照)からずれてしまう(図18(b)の矢印A9参照)。
すると、デジタルカメラ1では、手ぶれ補正スイッチ(図示せず)がONとされて、機械的保持の状態から電気的保持の状態へと移行すると、撮像素子保持枠8(撮像素子7)が、機械的保持でのずれた位置から電気的保持における原点位置へと(図18(b)の矢印A9とは逆方向)移動することとなる。このため、デジタルカメラ1では、図19(b)に示すように、カメラボディ2の後面側に設けられた表示部32において、モニタリング状態で被写体像を適切な状態に調節(二点鎖線で示す画像(被写体像)参照)しても、撮影のために手ぶれ補正スイッチ(図示せず)がONとされると、機械的保持の状態から電気的保持の状態への移行に伴って、調節した状態(二点鎖線で示す画像(被写体像)参照)からずれた状態(実線で示す画像(被写体像)参照)へと移動するいわゆる画像のぶれ(矢印A10参照)が一瞬生じてしまい、使用者に違和感を与えてしまう。このため、何らかの対策により、使用者の違和感をなくすことが望ましい。
(ずれ解消動作)
次に、本実施例のデジタルカメラ1により実行されるずれ解消動作について説明する。図20は、保持機構10(その動作を制御する制御部31)におけるずれ解消動作の制御処理の内容の一例を示すフローチャートである。以下、このずれ解消動作の際の保持機構10(その動作を制御する制御部31)における制御処理の一例である図20のフローチャートの各ステップについて説明する。このフローチャートは、図示を略すデジタルカメラ1の電源スイッチ(図示せず)がON状態とされると開始される。
ステップS1では、撮像素子保持枠8の位置情報を取得し、ステップS2へ進む。このステップS1では、撮像素子保持枠8およびスライド枠11の位置を検出するための位置検出素子34(図2参照)から、X−Y平面における撮像素子保持枠8の位置情報を取得する。
ステップS2では、ステップS1での撮像素子保持枠8の位置情報の取得に続き、撮像素子保持枠8の電気的保持での原点位置からの移動量が移動量閾値以上であるか否かを判断し、Yesの場合はステップS3へ進み、Noの場合はステップS5へ進む。このステップS2では、現在の撮像素子保持枠8が、電気的保持での原点位置に対してどのくらいのずれ(移動量(図8の符号g参照))があるのかを判断するものであり、当該ずれ量が移動量閾値以上である場合、ずれ解消動作を実行する必要があるものと判断してステップS3へ進む。また、当該ずれ量が移動量閾値未満である場合、ずれ解消動作を実行する必要がないものと判断し、直ちに表示部32での画像の表示を開始すべくステップS5へ進む。この移動量閾値は、機械的保持の状態から電気的保持の状態へと移行する際に、表示部32に表示される画像にぶれが生じても、使用者が違和感を覚えさせることのない撮像素子保持枠8の移動量に設定する。好ましくは、機械的保持の状態から電気的保持の状態へと移行する際に、表示部32に表示される画像に生じるぶれが、使用者に認識されることのない撮像素子保持枠8の移動量に設定する。
ステップS3では、ステップS2での移動量が移動量閾値以上であるとの判断に続き、保持機構10を解除状態とし、ステップS4へ進む。このステップS3では、撮像素子保持枠8の電気的保持での原点位置からの移動量が移動量閾値以上であることから、ずれ解消動作を実行すべく保持状態(図17(c)参照)であった保持機構10を解除状態(図17(a)参照)とする。すなわち、駆動モータ20を正転方向に所定パルスだけ回転駆動する。この所定パルスとは、カムギヤ45の正転方向への回転に伴って、カムフォロア47の先端部をカム面45aの下部45cから上部45dまで登らせるのに必要な回転角度に応じたものである。これにより、カムギヤ45は、第1コイルばね48および第2コイルばね49の付勢力により、最上位置まで押し上げられて、固定レバー22の固定ピン23が撮像素子保持枠8の係合穴19から離間した解除状態となる(図17(a)参照)。すると、固定レバー22では、レバー受部材51の下面51aと連結部22d(その上面)との間での摩擦力が殆ど作用しなくなり、トーションバネ27による付勢力が主に作用することとなる。このため、固定レバー22は、トーションバネ27による付勢により、開口部6aの一端6bが揺動軸24の一端24aに当接し、かつ位置決め係合ピン26がスライド保持枠12の位置決め孔12a内で回動方向(図8の矢印A3参照)へと押し当てられて、X−Y平面内で位置決めされる(図8に実線で示す固定レバー22参照)。この状態では、上述したように、固定レバー22の先端の固定ピン23は、軸受部材25が設けられる開口部6a(その一端6b)と揺動軸24(その一端24a)との位置関係および位置決め係合ピン26とスライド保持枠12の位置決め孔12aとの位置関係の設定により、電気的保持での原点位置にある撮像素子保持枠8(撮像素子7)の係合穴19に適切に係合する位置となる。
ステップS4では、ステップS3での保持機構10を解除状態とすることに続き、保持機構10を保持状態とし、ステップS5へ進む。このステップS4では、ステップS3で解除状態(図17(a)参照)とした保持機構10を保持状態(図17(c)参照)とする。すなわち、駆動モータ20を逆転方向に所定パルスだけ回転駆動する。これにより、カムギヤ45が押し下げられて、固定レバー22の固定ピン23が撮像素子保持枠8の係合穴19へと接近する。このとき、係合穴19の表面側の開口端が、撮像素子保持枠8が移動可能な範囲内の如何なる位置であっても、トーションバネ27による付勢によりX−Y平面内で位置決めされた固定レバー22の固定ピン23を、上記した傾斜面へと当接させることを可能とする大きさ寸法に設定されていることから、ステップS1で位置決めされた固定レバー22の固定ピン23は必ず係合穴19内に当接する。その後、さらにカムギヤ45が押し下げられると、固定ピン23と係合穴19との案内作用により、撮像素子保持枠8が電気的保持での原点位置へと移動し(図18(b)の矢印A4とは逆方向)、その撮像素子保持枠8の係合穴19に固定レバー22の固定ピン23が最大の押圧力で係合する保持状態となる(図17(c)参照)。このステップS3およびステップS4が、実質的なずれ解消動作となる。
ステップS5では、ステップS2での移動量が移動量閾値未満であるとの判断、あるいは、ステップS4での保持機構10を保持状態とすることに続き、表示部32での画像の表示を開始し、このフローチャートを終了する。このステップS5では、デジタルカメラ1を撮影可能状態とすべく表示部32での画像の表示を開始する。
また、デジタルカメラ1では、以下で説明するずれ解消動作も実行する。図21は、デジタルカメラ1での保持機構10(その動作を制御する制御部31)におけるずれ解消動作の制御処理の内容の一例を示すフローチャートである。
デジタルカメラ1(撮像装置)では、当該デジタルカメラ1(カメラボディ2)自体の移動に伴う加速度およびその方向を検出するための加速度検出素子としての加速度センサ(図2の符号35参照)が設けられている。この加速度センサは、撮影時に生じる手ぶれを検出するためのぶれ検出素子35(図2参照)として設けられているものを共用してもよく、別個に設けるものであってもよい。実施例1では、ぶれ検出素子35(図2参照)として設けられた加速度センサを、加速度検出素子としても利用している。
デジタルカメラ1(撮像装置)では、図示を略すデジタルカメラ1の電源スイッチ(図示せず)がON状態とされると、上述したように、保持機構10(その動作を制御する制御部31)がずれ解消動作(図20のフローチャート)を実行する。その後、モニタリング状態とされる(デジタルカメラ1の電源スイッチ(図示せず)がON状態であり、かつ手ぶれ補正スイッチ(図示せず)がOFF状態である)と、モニタリング状態が解除されるまで、図21のフローチャートに示すずれ解消動作を繰り返し実行する。このモニタリング状態は、デジタルカメラ1の電源スイッチ(図示せず)がOFFとされるか、手ぶれ補正スイッチ(図示せず)がONとされることにより、解除される。以下、このずれ解消動作の際の保持機構10(その動作を制御する制御部31)における制御処理の一例である図21のフローチャートの各ステップについて説明する。
ステップS11では、ぶれ検出素子35からの加速度情報を取得し、ステップS12へ進む。このステップS11では、上述したデジタルカメラ1(カメラボディ2)自体の移動に伴う加速度を検出するための加速度検出素子としてのぶれ検出素子35(図2参照)から、X−Y平面に沿う方向への加速度情報を取得する。
ステップS12では、ステップS11でのぶれ検出素子35からの加速度情報の取得に続き、加速度が生じた方向が設定した衝撃力の作用方向と一致しているか否かを判断し、Noの場合はステップS13へ進み、Yesの場合はステップS11へ戻る。このステップS12では、ぶれ検出素子35からの加速度情報に基づいてデジタルカメラ1自体にいずれの方向の加速度が生じたのかを判断するものであり、設定した衝撃力の作用方向と一致していない場合、ずれ解消動作の実行の必要性を判断する必要があるものと判断してステップS13へ進む。また、加速度が生じた方向と設定した衝撃力の作用方向とが一致している場合、ずれ解消動作を実行する必要がないものと判断し、再び加速度情報を取得すべくステップS11へ戻る。
ステップS13では、ステップS12での加速度が生じた方向が設定した衝撃力の作用方向と一致していないとの判断に続き、生じた加速度が加速度閾値以上であるか否かを判断し、Yesの場合はステップS14へ進み、Noの場合はステップS11へ戻る。このステップS13では、ぶれ検出素子35からの加速度情報に基づいてデジタルカメラ1自体にどのくらいの加速度が生じたのかを判断するものであり、当該加速度が加速度閾値以上である場合、ずれ解消動作を実行する必要があるものと判断してステップS14へ進む。また、当該加速度が加速度閾値未満である場合、ずれ解消動作を実行する必要がないものと判断し、再び加速度情報を取得すべくステップS11へ戻る。すなわち、ステップS11→ステップS12→ステップS13では、デジタルカメラ1(カメラボディ2)自体に、設定した衝撃力の作用方向とは異なる方向であって、加速度閾値を超えるようなX−Y平面に沿う方向への移動速度の変化が生じたか否かを判断している。この加速度閾値は、デジタルカメラ1自体に生じる移動速度の変化に起因して、機械的保持状態にある撮像素子保持枠8(撮像素子7)の位置が、電気的保持における原点位置からずれてしまう虞のある衝撃力を撮像素子保持枠8に作用させることが考えられる値に設定している。換言すると、加速度閾値は、デジタルカメラ1自体に生じる移動速度の変化に起因して、機械的な保持状態において設定した、固定レバー22の連結部22d(その上面)とレバー受部材51の下面51aとの間に作用する摩擦力と、トーションバネ27からの付勢力と、の合成力(固定力)よりも大きな衝撃力を撮像素子保持枠8に作用させることが考えられる値に設定している。
ステップS14では、ステップS13での加速度が加速度閾値以上であるとの判断に続き、保持機構10を解除状態とし、ステップS15へ進む。このステップS14では、デジタルカメラ1自体に加速度閾値以上の加速度が生じたことから、機械的保持による撮像素子保持枠8(撮像素子7)の位置が、電気的保持における原点位置からずれてしまった虞があるので、ズレ解消動作を実行すべく保持状態(図17(c)参照)であった保持機構10を解除状態(図17(a)参照)とする。このステップS14は、実施例1の図20のフローチャートのステップS3と同様である。これにより、固定レバー22は、トーションバネ27による付勢により、揺動軸24の一端24aが開口部6aの一端6bに当接し、かつ位置決め係合ピン26がスライド保持枠12の位置決め孔12a内で回動方向(図8の矢印A3参照)へと押し当てられて、X−Y平面内で位置決めされる(図8に実線で示す固定レバー22参照)。
ステップS15では、ステップS14での保持機構10を解除状態とすることに続き、撮像素子保持枠8を電気的保持による原点位置とし、ステップS16へ進む。このステップS15では、手ぶれ補正機構9による電気的保持の状態において、撮像素子保持枠8(撮像素子7)を撮影光軸上に設定された原点位置へと移動させるとともに当該原点位置に在ることを維持する。すなわち、ステップS15では、記憶部31aに格納された原点位置のデータに基づいて、各コイル16a、16bへの印加電流の制御することにより、撮像素子保持枠8を電気的に原点位置で保持する。このとき、ステップS14において保持機構10が解除状態とされていることから、固定レバー22の固定ピン23の係合穴19への係合が問題となることはない。なお、実施例1では、ステップS14において保持機構10を解除状態とする際、レバー受部材51の下面51aと固定レバー22の連結部22d(その上面)との間に作用する摩擦力が徐々に減少していく過程において、ステップS15の撮像素子保持枠8を電気的保持による原点位置とする動作を実行する。これは、撮像素子保持枠8に対して、機械的保持と電気的保持との双方が解除された状態が生じることを防止するためである。
ステップS16では、ステップS15での撮像素子保持枠8を電気的保持による原点位置とすることに続き、保持機構10を保持状態とし、ステップS11へ戻る。このステップS16では、ステップS14で解除状態(図17(a)参照)とした保持機構10を保持状態(図17(c)参照)とする。すなわち、駆動モータ20を逆転方向に所定パルスだけ回転駆動する。これにより、カムギヤ45が押し下げられて、固定レバー22の固定ピン23が電気的保持により原点位置にある撮像素子保持枠8の係合穴19へと接近し当接する。このとき、保持機構10では、電気的保持により原点位置にある撮像素子保持枠8(撮像素子7)の係合穴19への、固定レバー22の固定ピン23の押圧力が徐々に増加するとともに、レバー受部材51の下面51aと固定レバー22の連結部22d(その上面)との間に作用する摩擦力も徐々に増加していく。このため、保持機構10が解除状態とされることにより、トーションバネ27の付勢によりX−Y平面内で位置決めされた固定レバー22の固定ピン23が、撮影光軸方向(Z軸方向)で見て、電気的保持により原点位置にある撮像素子保持枠8の係合穴19に対してずれている場合、レバー受部材51の下面51aと固定レバー22の連結部22d(その上面)との間に作用する摩擦力も徐々に増加していく過程において、固定ピン23と係合穴19との案内作用により、固定ピン23が電気的保持により原点位置にある撮像素子保持枠8の係合穴19と一致する位置へと移動する(図10参照)。このため、固定レバー22の連結部22d(その上面)とレバー受部材51の下面51aとの位置関係(当接関係)が、トーションバネ27の付勢による位置決めされた状態から、固定ピン23が電気的保持により原点位置にある撮像素子保持枠8の係合穴19と適切に係合する状態へと姿勢が変化し、その変化した状態で固定レバー22の連結部22d(その上面)とレバー受部材51の下面51aとの摩擦力が増加して固定される。これにより、撮像素子保持枠8(撮像素子7)を、保持機構10により電気的保持での原点位置で機械的に保持することができる。このため、ステップS14→ステップS15→ステップS16が、実質的なずれ解消動作となる。このステップS16では、保持機構10を保持状態とし終える、すなわち駆動モータ20を逆転方向に所定パルスだけ回転駆動させると、手ぶれ補正機構9による電気的保持を停止、すなわち各コイル16a、16bへの電流の印加を停止する。
実施例1のデジタルカメラ1では、設定する衝撃力の作用方向、すなわち位置決め係合ピン26(被係合箇所62)がスライド保持枠12の位置決め孔12a内(係合部材63)で押し当てられる方向を、カメラボディ2に対する撮像ユニット3の装着方向としていることから、カメラボディ2(その凹所2a)への撮像ユニット3の装着に伴って、撮像素子7(それを保持する撮像素子保持枠8)に衝撃力が作用した場合であっても、撮像素子保持枠8すなわち撮像素子7の位置ずれの発生を防止することができ、撮像素子保持枠8すなわち撮像素子7の保持機構10による機械的保持の位置を電気的保持での原点位置で維持することができる。これは、固定レバー22において、開口部6aの一端6bが揺動軸24の一端24aに当接し、かつ位置決め係合ピン26がスライド保持枠12の位置決め孔12a内で上記した装着方向へと押し当てられていることから、X−Y平面に沿う当該装着方向への移動を物理的に制限することができることによる。このため、手ぶれ補正スイッチ(図示せず)がONとされて、機械的保持の状態から電気的保持の状態へと移行する際に表示部32に表示される画像にぶれが生じることはなく、使用者が違和感を覚えることを確実に防止することができる。
また、実施例1のデジタルカメラ1では、電源スイッチ(図示せず)がON状態とされるすなわち起動されて、ずれ解消動作を実行する必要がないと判断すると、直ちに表示部32での画像の表示を開始することから(ステップS2→ステップS5)、使用者に違和感を覚えさせることなく、使い勝手を向上させることができる。特に、実施例1では、各種機能の交換のために撮像ユニット3(交換レンズ鏡胴ユニット)がカメラボディ2に対して着脱されることとなるが、設定する衝撃力の作用方向すなわち位置決め係合ピン26がスライド保持枠12の位置決め孔12a内で押し当てられる方向を、カメラボディ2に対する撮像ユニット3の装着方向としていることから、通常の利用において頻繁に行われるカメラボディ2(その凹所2a)への撮像ユニット3の装着に伴う撮像素子保持枠8すなわち撮像素子7の位置ずれの発生を防止することができるため、この装着に起因する衝撃力以外の衝撃力が撮像素子保持枠8に作用していない場合にはすぐに表示部32に画像が表示されるので、より使い勝手を向上させることができる。
さらに、実施例1のデジタルカメラ1では、電源スイッチ(図示せず)がON状態とされるすなわち起動されて、ずれ解消動作を実行する必要があると判断すると、実質的なずれ解消動作を実行することから(ステップS2→ステップS3→ステップS4)、起動前に撮像素子保持枠8に想定を超えた衝撃力が作用していた場合であっても、撮像素子保持枠8すなわち撮像素子7の保持機構10による機械的保持の位置を電気的保持での原点位置とすることができる。
実施例1のデジタルカメラ1では、ずれ解消動作を実行する必要があると判断した場合、実質的なずれ解消動作(ステップS3→ステップS4)を実行した後に、表示部32での画像の表示を開始することから(ステップS5)、ずれ解消動作に伴う画像のぶれが使用者に認識されることを確実に防止することができる。
実施例1のデジタルカメラ1では、ずれ解消動作を実行する必要があると判断すると、実質的なずれ解消動作を実行し(ステップS2→ステップS3→ステップS4)、ずれ解消動作を実行する必要がないと判断すると、当該ずれ解消動作を実行しないことから(ステップS2→ステップS5)、必要なときだけずれ解消動作を実行することができるので、消費電力の低減を図ることができる。
実施例1のデジタルカメラ1では、手ぶれ補正機構9により手ぶれ補正を開始する際には、撮像素子保持枠8(撮像素子7)が必ず電気的保持における原点位置に位置されている、すなわち撮像素子保持枠8に保持された撮像素子7の中心が撮影光軸上に位置されていることから、より適切に手ぶれを補正することができるとともに画像の劣化を招くことを防止することができる。
実施例1のデジタルカメラ1では、デジタルカメラ1の電源スイッチ(図示せず)がONで手ぶれ補正スイッチ(図示せず)がOFFの場合には、固定レバー22の一端側に設けた固定ピン23が撮像素子保持枠8に形成した係合穴19に係合することにより、撮像素子保持枠8による機械的保持が為されるので、手ぶれ補正機構9の各コイル16a、16b等への通電をOFFにすることができる。これにより、消費電力の低減を図ることができる。
実施例1のデジタルカメラ1では、レンズ鏡胴4が被写体側に繰出されて、レンズ鏡胴4と撮像素子保持枠8との間に所定の空間が形成されるときに、往復動機構21の作動により固定レバー22の一端側を略前記撮影光軸方向に揺動させる構造により、撮像素子7よりも撮影光軸方向の物体と反対側に固定レバー22(前記強制押さえ板に相当)が移動するためのスペースが不要となる。これにより、レンズ鏡胴4の撮影光軸方向の厚さを薄くすることができる。
実施例1のデジタルカメラ1では、レンズ鏡胴4が被写体側に繰出されて、レンズ鏡胴4と撮像素子保持枠8との間に所定の空間が形成されるときに、往復動機構21の作動により固定レバー22の一端側を略前記撮影光軸方向に揺動させる構造により、小型化および薄型化等によって高密度実装が施されたデジタルカメラにおいても、揺動自在な固定レバー22を周囲の部品や配線等と干渉することなく設置できる。
実施例1のデジタルカメラ1では、モニタリング状態において、デジタルカメラ1(カメラボディ2)自体に設定した衝撃力の作用方向とは異なる方向に加速度閾値以上の加速度が生じると、ずれ解消動作を実行することから(ステップS12→ステップS13→ステップS14→ステップS15→ステップS16)、モニタリング中にデジタルカメラ1に大きな衝撃を与えてしまった場合であっても、撮像素子保持枠8すなわち撮像素子7の保持機構10による機械的保持の位置を電気的保持での原点位置とすることができる。このため、手ぶれ補正スイッチ(図示せず)がONとされて、機械的保持の状態から電気的保持の状態へと移行する際に表示部32に表示される画像にぶれが生じることはなく、使用者が違和感を覚えることを確実に防止することができる。
実施例1のデジタルカメラ1では、モニタリング状態において、デジタルカメラ1自体に設定した衝撃力の作用方向とは異なる方向に加速度閾値以上の加速度が生じると、ずれ解消動作を実行し(ステップS12→ステップS13→ステップS14→ステップS15→ステップS16)、デジタルカメラ1自体に設定した衝撃力の作用方向への加速度が生じるもしくは生じた加速度が加速度閾値未満であると、当該ずれ解消動作を実行しないことから(ステップS12→ステップS11もしくはステップS13→ステップS11)、必要なときだけずれ解消動作を実行することができるので、消費電力の低減を図ることができる。
実施例1のデジタルカメラ1では、モニタリング状態において保持機構10を解除状態とする際(ステップS14)、レバー受部材51の下面51aと固定レバー22の連結部22d(その上面)との間に作用する摩擦力も徐々に減少していく過程において、撮像素子保持枠8を電気的保持での原点位置とする動作を実行する(ステップS15)ことから、撮像素子保持枠8に対して、機械的保持と電気的保持との双方が解除された状態が生じることを防止することができるので、モニタリング状態におけるデジタルカメラ1自体に加速度閾値以上の加速度が生じることに起因するずれ解消動作に伴って画像にぶれが生じることを低減することができる。
したがって、実施例1のデジタルカメラ1では、画像の劣化を招くことなく、消費電力を抑制しつつ画像ずれを防止することができる。
なお、上記した実施例1では、保持機構10(その動作を制御する制御部31)によるずれ解消動作(図20のフローチャート)において、実質的なずれ解消動作(ステップS2→ステップS3→ステップS4)を実行した後に、表示部32での画像の表示を開始する(ステップS5)ものとされていたが、実質的なずれ解消動作の前に表示部32での画像の表示を開始する構成としてもよい。このような構成とすると、より素早く表示部32での画像の表示を開始することができる。ここで、撮像装置では、起動された直後においては、構図が決定されていることは少なく、デジタルカメラ1自体が移動されているケースが多いことから、ずれ解消動作に伴う画像のぶれが使用者に認識される可能性は低く、使用者が違和感を覚える状況も少ないものと考えられる。
また、上記した実施例1では、撮像素子保持枠8の係合穴19が正方形状の開口端とされていたが(図9参照)、底部へ向かうに連れて面積を漸減させるように窄まる傾斜面を有し、かつ撮像素子保持枠8が移動可能な範囲内の如何なる位置であってもトーションバネ27による付勢によりX−Y平面内で位置決めされた固定レバー22の固定ピン23を傾斜面へと当接させることが可能となるように表面側の開口端が設定されているものであれば、例えば、図22に示すように表面側の開口端が円形状を呈するものであってもよく、上記した実施例1に限定されるものではない。
さらに、上記した実施例1では、電源スイッチ(図示せず)がON状態とされた際の実質的なずれ解消動作(図20のフローチャートのステップS3→ステップS4)において、保持機構10を解除状態とした(ステップS3参照)後に、他の動作を行うことなく保持機構10を保持状態としていたが(ステップS4参照)、その間に撮像素子保持枠8を電気的保持による原点位置とする(図21のフローチャートのステップS15参照)構成としてもよい。このような構成とすると、トーションバネ27の付勢により位置決めされた固定レバー22による保持機構10での機械的保持における撮像素子保持枠8の位置が、手ぶれ補正機構9による電気的保持での原点位置からずれが生じている場合であっても、保持機構10を保持状態とする過程において、保持機構10での機械的保持における撮像素子保持枠8の位置を電気的保持での原点位置とすることができる。このため、機械的保持の状態から電気的保持の状態へと移行する際に表示部32に表示される画像にぶれが生じることをより確実に防止することができる。
上記した実施例1では、モニタリング状態における実質的なずれ解消動作(図21のフローチャートのステップS14→ステップS15→ステップS16)において、撮像素子保持枠8を電気的保持による原点位置としていたが(ステップS15参照)、この動作を行うことのないずれ解消動作であってもよく(図20のフローチャートのステップS3→ステップS4参照)、実施例1に限定されるものではない。この場合、消費電力をより抑制することができる。
上記した実施例1では、モニタリング状態において検出した加速度情報に基づくずれ解消動作(図21のフローチャート参照)を実行していたが、電源スイッチ(図示せず)がON状態とされた際に行うものであってもよい。この場合、撮像ユニット3に、当該撮像ユニット3自体の移動に伴う加速度およびその方向を検出するための加速度検出素子としての加速度センサと、そこからの加速度情報を記憶しておく制御記憶部と、加速度センサおよび制御記憶部の動作のための電源と、を搭載する必要がある。このような構成とすると、カメラボディ2の凹所2aに撮像ユニット3が装着される前もしくは装着時に、その撮像ユニット3に設定した衝撃力の作用方向とは異なる方向に加速度閾値以上の加速度が生じていた場合であっても、撮像素子保持枠8すなわち撮像素子7の保持機構10による機械的保持の位置を電気的保持での原点位置とすることができる。
次に、本発明の実施例2に係るデジタルカメラ1A(撮像装置)について説明する。この実施例2は、設定する衝撃力の作用方向が異なる例である。この実施例2のデジタルカメラ1Aは、基本的な構成は上記した実施例1のデジタルカメラ1と同様であることから、等しい構成の個所には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。図23は、デジタルカメラ1Aの保持機構10Aにおいて、設定された衝撃力の作用方向(矢印A11参照)とその設定に応じた構成の概念を示す図15と同様の説明図である。図24は、図23に示す概念の一具体例としての保持機構10Aの固定レバー22Aとその周辺の構成を示す図8と同様の説明図である。
実施例2のデジタルカメラ1Aの保持機構10Aでは、図23に示すように、衝撃力の作用方向として、カメラボディ2に対する撮像ユニット3の装着による衝撃力が作用する方向(X軸方向負側)と、重力が作用する方向(Y軸方向負側)と、をそれぞれ等しい大きさ成分として合成した方向(矢印A11参照)に設定している。すなわち、衝撃力の作用方向として、X−Y平面で見て、X軸方向およびY軸方向に対して45度の傾斜となる方向(X軸方向とY軸方向との中間方向)で座標中心から第3象限へと延びる向きに設定している。ここでいう重力が作用する方向とは、撮影光軸方向を水平方向とした状態において鉛直方向下側であり、実施例2では、レンズ鏡胴4の撮像光学系(撮影レンズ系4a)の撮影光軸方向を水平方向とし、かつレリーズボタン2eが設けられた上面を鉛直方向上側とした状態において、撮像素子7(撮像素子保持枠8)に重力が作用する方向としている(図1および図16参照)。
この保持機構10Aでは、撮像素子7(撮像素子保持枠8)が電気的保持での原点位置にある場合に、その係合穴19に位置決めされた固定レバー22Aの先端の固定ピン23が係合されている。この固定レバー22Aは、X−Y平面に沿う移動が可能とされているとともに、弾性部材61Aからの付勢(矢印A12参照)により、固定レバー22Aに設けられた被係合箇所62Aが、係合部材63Aへと押し当てられる(矢印A13参照)ことにより、位置決めされている。この弾性部材61Aは、一端61Aaが固定レバー22Aに固定され、他端61Abが撮像素子7(撮像素子保持枠8)を相対的に移動可能に保持する保持箇所(実施例2ではスライド保持枠12A)に固定的に設けられた固定位置64Aに固定されており、付勢方向がX軸方向およびY軸方向に対して45度の傾斜となる方向で座標中心から第3象限へと延びる向きとされている。また、係合部材63Aは、前記基準箇所(実施例2ではスライド保持枠12A)に設けられており、弾性部材61Aからの付勢(矢印A12参照)により固定レバー22Aが押圧される方向(矢印A13参照)に抗する方向で固定レバー22Aと当接するように位置設定されている。
このように、実施例2のデジタルカメラ1A(撮像ユニット3)において、設定する衝撃力の作用方向を、X軸方向とY軸方向との中間方向(矢印A11参照)としているのは、以下のことによる。デジタルカメラ1Aでは、撮像ユニット3内の撮像素子7(撮像素子保持枠8)において、実施例1のデジタルカメラ1と同様に、カメラボディ2に対する撮像ユニット3の装着により、相対的に移動可能とされた基準箇所であるスライド保持枠12Aに対して装着方向(X軸方向負側(図16の矢印A8参照))への衝撃力が作用し、この装着動作が頻繁に行われることが想定される。
加えて、デジタルカメラ1Aでは、図示は略すがカメラボディ2の背面に表示部32(図19参照)が設けられているとともに、前面に撮像ユニット3のレンズ鏡胴4が設けられていることから(図1参照)、レンズ鏡胴4の撮像光学系(撮影レンズ系4a)の撮影光軸方向を水平方向とし、かつレリーズボタン2eが設けられた上面を鉛直方向上側とした状態で、平面に載置される場面が頻繁に生じることが想定される。この載置の際、撮像素子7(撮像素子保持枠8)では、平面に載置されてデジタルカメラ1Aの移動が停止されることにより、載置方向となる重力方向(Y軸方向負側)への慣性が生じるので、相対的に移動可能とされた箇所である前記基準箇所(スライド保持枠12A)に対して装着方向重力方向(Y軸方向負側)への衝撃力が作用する。
このため、デジタルカメラ1Aでは、X軸方向とY軸方向との中間方向(矢印A11参照)を衝撃力の作用方向として設定することにより、係合部材63Aに対して、装着方向の前方側で被係合箇所62Aに当接させることができるとともに、重力方向の前方側で被係合箇所62Aに当接させることができる。これにより、通常の利用において頻繁に行われる動作である、カメラボディ2に対する撮像ユニット3の装着や、デジタルカメラ1Aの平面上への載置により、撮像素子7(撮像素子保持枠8)に作用する衝撃力に起因する当該撮像素子7(撮像素子保持枠8)すなわち固定レバー22Aの位置ずれの発生を防止することができる。
具体的には、実施例2の固定レバー22Aでは、図24に示すように、X−Y平面に沿う平面において、トーションバネ27Aからの付勢力(矢印A14参照)により、軸受部材25Aが設けられた開口部6Aa(その一端6Ab)と揺動軸24A(その一端24Aa)との当接箇所を回動中心として回動する(矢印A15参照)ように位置設定するとともに、上記した当接箇所を回動中心とする回動に伴って、延出箇所22Acに設けられた位置決め係合ピン26Aが、遊嵌されたスライド保持枠12Aの位置決め孔12Aa内において、その開口縁部にX軸方向とY軸方向との中間方向(矢印A16参照)で当接するように、固定レバー22Aの形状および各位置を設定している。
実施例2のデジタルカメラ1Aでは、基本的な思想が実施例1と同様であることから、基本的に、実施例1のデジタルカメラ1と同様の効果を得ることができる。
それに加えて、デジタルカメラ1Aでは、衝撃力の作用方向として、カメラボディ2に対する撮像ユニット3の装着による衝撃力が作用する方向(X軸方向負側)と、重力が作用する方向(Y軸方向負側)と、をそれぞれ等しい大きさ成分として合成した方向(矢印A11参照)に設定していることから、カメラボディ2(その凹所2a)への撮像ユニット3の装着に伴って、撮像素子7(それを保持する撮像素子保持枠8)に衝撃力が作用した場合であっても、撮像素子保持枠8すなわち撮像素子7の位置ずれの発生を防止することができ、撮像素子保持枠8すなわち撮像素子7の保持機構10による機械的保持の位置を電気的保持での原点位置で維持することができる。このため、手ぶれ補正スイッチ(図示せず)がONとされて、機械的保持の状態から電気的保持の状態へと移行する際に表示部32に表示される画像にぶれが生じることはなく、使用者が違和感を覚えることを確実に防止することができる。
また、デジタルカメラ1Aでは、衝撃力の作用方向として、カメラボディ2に対する撮像ユニット3の装着による衝撃力が作用する方向(X軸方向負側)と、重力が作用する方向(Y軸方向負側)と、をそれぞれ等しい大きさ成分として合成した方向(矢印A11参照)に設定していることから、レンズ鏡胴4の撮像光学系(撮影レンズ系4a)の撮影光軸方向を水平方向としかつレリーズボタン2eが設けられた上面を鉛直方向上側とした状態で、平面に載置されることに伴って、撮像素子7(それを保持する撮像素子保持枠8)に衝撃力が作用した場合であっても、撮像素子保持枠8すなわち撮像素子7の位置ずれの発生を防止することができ、撮像素子保持枠8すなわち撮像素子7の保持機構10による機械的保持の位置を電気的保持での原点位置で維持することができる。このため、手ぶれ補正スイッチ(図示せず)がONとされて、機械的保持の状態から電気的保持の状態へと移行する際に表示部32に表示される画像にぶれが生じることはなく、使用者が違和感を覚えることを確実に防止することができる。
さらに、デジタルカメラ1Aでは、衝撃力の作用方向として、カメラボディ2に対する撮像ユニット3の装着による衝撃力が作用する方向(X軸方向負側)と、重力が作用する方向(Y軸方向負側)と、をそれぞれ等しい大きさ成分として合成した方向(矢印A11参照)に設定していることから、レンズ鏡胴4の撮像光学系(レンズ系)の撮影光軸方向を水平方向としかつレリーズボタン2eが設けられた上面を鉛直方向上側とした状態で、カメラボディ2(その凹所2a)に撮像ユニット3が装着されて、撮像素子7(それを保持する撮像素子保持枠8)に衝撃力が作用した場合であっても、撮像素子保持枠8すなわち撮像素子7の位置ずれの発生を防止することができ、撮像素子保持枠8すなわち撮像素子7の保持機構10による機械的保持の位置を電気的保持での原点位置で維持することができる。このため、手ぶれ補正スイッチ(図示せず)がONとされて、機械的保持の状態から電気的保持の状態へと移行する際に表示部32に表示される画像にぶれが生じることはなく、使用者が違和感を覚えることを確実に防止することができる。
次に、本発明の実施例3に係るデジタルカメラ1B(撮像装置)について説明する。この実施例3は、設定する衝撃力の作用方向が実施例1および実施例2とは異なる例である。この実施例3のデジタルカメラ1Bは、基本的な構成は上記した実施例1のデジタルカメラ1と同様であることから、等しい構成の個所には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。図25は、デジタルカメラ1Bの保持機構10Bにおいて、設定された衝撃力の作用方向(矢印A17参照)とその設定に応じた構成の概念を示す図15および図23と同様の説明図である。図26は、図25に示す概念の一具体例としての保持機構10Bの固定レバー22Bとその周辺の構成を示す図8および図24と同様の説明図である。
実施例3のデジタルカメラ1Bの保持機構10Bでは、図25に示すように、衝撃力の作用方向として、重力が作用する方向(Y軸方向負側)に設定している(矢印A17参照)。ここでいう重力が作用する方向とは、実施例2と同様に、レンズ鏡胴4の撮像光学系(撮影レンズ系4a)の撮影光軸方向を水平方向とし、かつレリーズボタン2eが設けられた上面を鉛直方向上側とした状態において、撮像素子7(撮像素子保持枠8)に重力が作用する方向としている(図1および図16参照)。
この保持機構10Bでは、撮像素子7(撮像素子保持枠8)が電気的保持での原点位置にある場合に、その係合穴19に位置決めされた固定レバー22Bの先端の固定ピン23が係合されている。この固定レバー22Bは、X−Y平面に沿う移動が可能とされているとともに、弾性部材61Bからの付勢(矢印A18参照)により、固定レバー22Bに設けられた被係合箇所62Bが、係合部材63Bへと押し当てられる(矢印A19参照)ことにより、位置決めされている。この弾性部材61Bは、一端61Baが固定レバー22Bに固定され、他端61Bbが撮像素子7(撮像素子保持枠8)を相対的に移動可能に保持する保持箇所(実施例3ではスライド保持枠12B)に固定的に設けられた固定位置64Bに固定されており、付勢方向がY軸方向負側とされている。また、係合部材63Bは、前記基準箇所に設けられており、弾性部材61Bからの付勢(矢印A18参照)により固定レバー22Bが押圧される方向(矢印A19参照)に抗する方向で固定レバー22Bと当接するように位置設定されている。
このように、実施例3のデジタルカメラ1B(撮像ユニット3)において、設定する衝撃力の作用方向を、Y軸方向負側(矢印A17参照)としているのは、以下のことによる。デジタルカメラ1Bでは、図示は略すがカメラボディ2の背面に表示部32(図2参照)が設けられているとともに、前面に撮像ユニット3のレンズ鏡胴4が設けられていることから(図1参照)、レンズ鏡胴4の撮像光学系(撮影レンズ系4a)の撮影光軸方向を水平方向とし、かつレリーズボタン2eが設けられた上面を鉛直方向上側とした状態で、平面に載置される場面が頻繁に生じることが想定される。この載置の際、撮像素子7(撮像素子保持枠8)では、平面に載置されてデジタルカメラ1Bの移動が停止されることにより、載置方向となる重力方向(Y軸方向負側)への慣性が生じるので、相対的に移動可能とされた基準箇所であるスライド保持枠12Bに対して装着方向重力方向(Y軸方向負側)への衝撃力が作用する。
このため、デジタルカメラ1Bでは、Y軸方向負側(矢印A17参照)を衝撃力の作用方向として設定することにより、係合部材63Bに対して重力方向の前方側で被係合箇所62Bに当接させることができる。これにより、通常の利用において頻繁に行われる動作である、デジタルカメラ1Bの平面上への載置により、撮像素子7(撮像素子保持枠8)に作用する衝撃力に起因する当該撮像素子7(撮像素子保持枠8)すなわち固定レバー22Bの位置ずれの発生を防止することができる。
具体的には、実施例3の固定レバー22Bでは、図26に示すように、X−Y平面に沿う平面において、トーションバネ27Bからの付勢力(矢印A20参照)により、軸受部材25Bが設けられた開口部6Ba(その一端6Bb)と揺動軸24B(その一端24Ba)との当接箇所を回動中心として回動する(矢印A21参照)ように位置設定するとともに、上記した当接箇所を回動中心とする回動に伴って、延出箇所22Bcに設けられた位置決め係合ピン26Bが、遊嵌されたスライド保持枠12Bの位置決め孔12Ba内において、その開口縁部にY軸方向負側(矢印A22参照)で当接するように、固定レバー22Bの形状および各位置を設定している。
実施例3のデジタルカメラ1Bでは、基本的な思想が実施例1と同様であることから、基本的に、実施例1のデジタルカメラ1と同様の効果を得ることができる。
それに加えて、デジタルカメラ1Bでは、衝撃力の作用方向として、重力が作用する方向(Y軸方向負側)(矢印A17参照)に設定していることから、レンズ鏡胴4の撮像光学系(撮影レンズ系4a)の撮影光軸方向を水平方向としかつレリーズボタン2eが設けられた上面を鉛直方向上側とした状態で、平面に載置されることに伴って、撮像素子7(それを保持する撮像素子保持枠8)に衝撃力が作用した場合であっても、撮像素子保持枠8すなわち撮像素子7の位置ずれの発生を防止することができ、撮像素子保持枠8すなわち撮像素子7の保持機構10による機械的保持の位置を電気的保持での原点位置で維持することができる。このため、手ぶれ補正スイッチ(図示せず)がONとされて、機械的保持の状態から電気的保持の状態へと移行する際に表示部32に表示される画像にぶれが生じることはなく、使用者が違和感を覚えることを確実に防止することができる。
以上、本発明の撮影装置を各実施例に基づき説明してきたが、具体的な構成については、各実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
なお、上記した各実施例では、本発明に係る撮像装置の一例としてのデジタルカメラ1について説明したが、撮像ユニットがカメラボディに装着されて構成され、電気的保持により撮影光学系の撮影光軸方向に直交する面内で撮像素子を移動させることにより手ぶれを補正する手ぶれ補正機構と、手ぶれ補正機構が動作されないときに機械的保持により撮像素子を保持する保持状態とされる保持機構と、を備え、当該保持機構が解除状態において保持状態での撮像素子の保持位置を電気的保持での原点位置へと位置決めすべく保持部材を弾性部材で付勢する位置決め機構を有し、その位置決め機構では、弾性部材による付勢方向が、撮影光軸方向に直交する面に沿う方向で撮像素子に作用することを想定し得る衝撃力のうち、最も発生頻度が高いことが想定される衝撃力の作用方向に設定されている撮像装置もしくはそれを搭載した電子機器であればよく、上記した各実施例に限定されるものではない。
また、上記した各実施例では、カメラボディ2に対する撮像ユニット3の装着方向がX方向負側とされていたが、撮影光軸(Z軸方向)に直交する面(X−Y平面)に沿う方向であればよく、上記した各実施例に限定されるものではない。
さらに、上記した実施例2では、衝撃力の作用方向として、カメラボディ2に対する撮像ユニット3の装着による衝撃力が作用する方向(X軸方向負側)と、重力が作用する方向(Y軸方向負側)と、をそれぞれ等しい大きさ成分として合成した方向(矢印A11参照)に設定していたが、撮影光軸に直交する平面に沿う方向において、互いが90度以下で交わる2つの方向をそれぞれ等しい大きさ成分として合成した方向であれば、例えば鋭角を為す2つの方向であってもよく、上記した実施例2に限定されるものではない。このとき、当該2つの方向の一方がカメラボディ2に対する撮像ユニット3の装着方向とされている、換言すると合成した方向での付勢により係合部材(係合部材63(位置決め孔12a))に対して当該装着方向の前方側で保持部材(被係合箇所62(固定レバー22の位置決め係合ピン26))が当接する構成であれば、当該装着の衝撃力に起因する位置ずれを防止することができるので、2つの方向の一方をカメラボディ2に対する撮像ユニット3の装着方向とすることが望ましい。
上記した各実施例では、保持部材としての固定レバー22が揺動軸24回りに揺動することにより、先端の固定ピン23の係合穴19への係合およびその解除が為される構成とされていたが、保持部材移動部により移動されるものであればよく、上記した各実施例に限定されるものではない。
上記した各実施例では、弾性部材としてトーションバネ27が用いられていたが、保持機構10の解除状態において、保持機構10の保持状態での撮像素子7の保持位置を電気的保持での原点位置へと位置決めすべく保持部材(固定レバー22)を付勢するものであればよく、上記した各実施例に限定されるものではない。
上記した各実施例では、開口部6aの一端6bおよび揺動軸24の一端24aと、位置決め係合ピン26およびスライド保持枠12の位置決め孔12aと、により係止部が構成されていたが、保持部材(固定レバー22)を弾性部材(トーションバネ27)に抗して位置決め位置すなわち電気的保持での原点位置に適合する位置で係止するものであればよく、上記した各実施例に限定されるものではない。
1 (撮像装置としての)デジタルカメラ
2 カメラボディ
2f カメラボディ側コネクタ部
3 撮像ユニット
3f 撮像ユニット側コネクタ部
4a (撮影光学系としての)撮影レンズ系
6 ベース板
6b (係止部としての)開口部(6a)の一端
7 撮像素子
8 (保持箇所としての)撮像素子保持枠
9 手ぶれ補正機構
10 保持機構
11 (保持箇所としての)スライド枠
12 (保持箇所としての)スライド保持枠
12a (係止部としての)位置決め孔
15a、15b (永久磁石としての)ヨーク
16a、16b (電磁石としての)コイル
19 係合穴
20 (保持部材移動部としての)駆動モータ
21 (保持部材移動部としての)往復動機構
22 (保持部材としての)固定レバー
23 固定ピン
24a (係止部としての)揺動軸(24)の一端
26 (係止部としての)位置決め係合ピン
27 (弾性部材としての)トーションバネ
34 位置検出素子
35 (加速度検出素子としての)ぶれ検出素子
特開2001‐066655号公報 特許第3188739号公報 特開2007‐102062号公報 特第2579035号公報

Claims (12)

  1. 被写体からの入射光を導く撮影光学系と該撮影光学系により導かれた被写体像を電気信号に変換する撮像素子と外部との通信を行う撮像ユニット側コネクタ部とを有する撮像ユニットが、前記撮像ユニット側コネクタ部に接続可能なボディ側コネクタ部を有するカメラボディに装着されて構成され、
    前記撮像素子を印加電流の制御により前記撮影光学系の撮影光軸方向に直交する面内での任意の位置とする電気的保持により手ぶれを補正する手ぶれ補正機構と、
    該手ぶれ補正機構へと保持部材を係合させて前記撮像素子の移動を機械的に規制する機械的保持により前記撮像素子を保持する保持状態と前記保持部材の係合が解除された解除状態との切り換えが可能とされ、前記手ぶれ補正機構が動作されないときには前記保持状態とされる保持機構と、を備える撮像装置であって、
    前記保持機構は、前記解除状態において、前記保持状態での前記撮像素子の保持位置を前記電気的保持での原点位置へと位置決めすべく前記保持部材を弾性部材で付勢する位置決め機構を有し、
    該位置決め機構では、前記弾性部材による付勢方向が、前記撮影光軸方向に直交する面に沿う方向で前記撮像素子に作用することを想定し得る衝撃力のうち、最も発生頻度が高いことが想定される衝撃力の作用方向に設定されていることを特徴とする撮像装置。
  2. 前記カメラボディと前記撮像ユニットとは、前記撮影光軸方向に直交する面に沿う方向で装着可能とされ、
    設定される衝撃力の作用方向は、前記カメラボディに対する前記撮像ユニットの装着方向と、該装着方向に対して傾斜する方向と、を合成した方向であることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  3. 前記カメラボディと前記撮像ユニットとは、前記撮影光軸方向に直交する面に沿う方向で装着可能とされ、
    設定される衝撃力の作用方向は、前記カメラボディに対する前記撮像ユニットの装着方向であることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  4. 設定される衝撃力の作用方向は、前記撮影光軸方向を水平方向とした状態において鉛直方向下側であることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  5. 前記手ぶれ補正機構は、前記撮影光軸に対して垂直な面内で前記撮像素子を移動自在に保持する保持箇所を有し、
    前記保持機構は、前記手ぶれ補正機構の前記保持箇所に設けられた係合穴に係合することにより前記撮像素子の移動を機械的に規制することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の撮像装置。
  6. 前記手ぶれ補正機構は、前記保持箇所を前記撮影光軸に対して垂直な面内で移動自在に保持するベース板と、該ベース板または前記保持箇所のいずれか一方に設けられた電磁石と、前記ベース板または前記保持箇所のいずれか他方に設けられた永久磁石と、を有し、
    該永久磁石と前記電磁石との間に磁力による吸引反発力を適宜作用させるべく該電磁石への印加電流を制御することにより、手ぶれを打ち消すように前記撮像素子を移動させることを特徴とする請求項5に記載の撮像装置。
  7. 前記保持部材には、前記手ぶれ補正機構に設けられた係合穴への係合が可能とされた固定ピンが設けられ、
    前記保持機構は、前記保持状態において前記固定ピンを前記係合穴に係合させるとともに、前記解除状態において前記固定ピンを前記係合穴から離間させるべく、前記保持部材を移動させる保持部材移動部を有し、
    該保持部材移動部は、前記保持状態において前記保持部材を固定するとともに、前記解除状態において前記保持部材の固定を解除し、
    前記位置決め機構は、前記撮影光学系の撮影光軸方向に直交する面に沿う一方向への前記保持部材の移動を規制すべく係止する係止部を有し、
    前記弾性部材は、前記撮影光学系の撮影光軸方向に直交する面に沿って、前記保持部材を前記係止部による係止方向へと付勢し、
    前記保持部材移動部の前記保持状態における前記保持部材の固定力を、前記弾性部材の付勢力よりも大きく設定することを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の撮像装置。
  8. 被写体からの入射光を導く撮影光学系と該撮影光学系により導かれた被写体像を電気信号に変換する撮像素子と外部との通信を行う撮像ユニット側コネクタ部とを有する撮像ユニットが、前記撮像ユニット側コネクタ部に接続可能なボディ側コネクタ部を有するカメラボディに装着されて構成され、
    前記撮像素子を相対的に移動自在に保持箇所で保持するとともに前記撮像素子を印加電流の制御により前記撮影光学系の撮影光軸方向に直交する面内での任意の位置とする電気的保持により手ぶれを補正する手ぶれ補正機構と、
    該手ぶれ補正機構へと保持部材を係合させて前記撮像素子の前記保持箇所に対する移動を機械的に規制する機械的保持により前記撮像素子を保持する保持状態と前記保持部材の係合が解除された解除状態との切り換えが可能とされ、前記手ぶれ補正機構が動作されないときには前記保持状態とされる保持機構と、を備える撮像装置であって、
    前記保持機構は、前記解除状態において、前記保持状態での前記撮像素子の保持位置を前記電気的保持での原点位置へと位置決めすべく、前記保持箇所に固定的に設けられた係合部材へと前記保持部材を当接させる位置決め機構を有し、
    該位置決め機構では、前記係合部材に対する前記保持部材の当接方向が、前記撮影光軸方向に直交する面に沿う方向で前記撮像素子に作用することを想定し得る衝撃力のうち、最も発生頻度が高いことが想定される衝撃力の作用方向に設定されていることを特徴とする撮像装置。
  9. 被写体からの入射光を導く撮影光学系と該撮影光学系により導かれた被写体像を電気信号に変換する撮像素子と外部との通信を行う撮像ユニット側コネクタ部とを有する撮像ユニットが、前記撮像ユニット側コネクタ部に接続可能なボディ側コネクタ部を有するカメラボディに前記撮影光学系の撮影光軸方向に直交する面に沿う方向で装着されて構成され、
    前記撮像素子を相対的に移動自在に保持箇所で保持するとともに前記撮像素子を印加電流の制御により前記撮影光軸方向に直交する面内での任意の位置とする電気的保持により手ぶれを補正する手ぶれ補正機構と、
    該手ぶれ補正機構へと保持部材を係合させて前記撮像素子の前記保持箇所に対する移動を機械的に規制する機械的保持により前記撮像素子を保持する保持状態と前記保持部材の係合が解除された解除状態との切り換えが可能とされ、前記手ぶれ補正機構が動作されないときには前記保持状態とされる保持機構と、を備える撮像装置であって、
    前記保持機構は、前記解除状態において、前記保持状態での前記撮像素子の保持位置を前記電気的保持での原点位置へと位置決めすべく、前記保持箇所に固定的に設けられた係合部材へと前記保持部材を当接させる位置決め機構を有し、
    該位置決め機構では、前記係合部材に対する前記保持部材の当接方向が、前記撮影光軸方向に直交する面に沿う方向において前記カメラボディに対する前記撮像ユニットの装着方向前側に設定されていることを特徴とする撮像装置。
  10. 請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載の撮像装置であって、
    さらに、前記撮像素子の位置を検出する位置検出素子を備え、
    該位置検出素子からの検出結果に基づいて、前記保持機構による前記保持状態での前記撮像素子の保持位置の前記電気的保持での原点位置からの移動量が、移動量閾値以上である場合、前記保持機構を解除状態としその後に該保持機構を保持状態とするずれ解消動作を実行することを特徴とする撮像装置。
  11. 請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載の撮像装置であって、
    さらに、前記撮像装置に生じた移動速度の変化を検出する加速度検出素子を備え、
    該加速度検出素子からの検出結果に基づいて、前記撮像装置に設定される衝撃力の作用方向とは異なる方向であって、前記撮像装置に生じた加速度が加速度閾値以上である場合、前記保持機構を解除状態としその後に該保持機構を保持状態とするずれ解消動作を実行することを特徴とする撮像装置。
  12. 請求項1ないし請求項11のいずれか1項に記載の撮像装置が搭載されていることを特徴とする電子機器。
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