JP5439117B2 - 磁気記録媒体の検査方法 - Google Patents
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Description
本発明は、ハードディスク装置等に用いられる磁気記録媒体の検査方法に関するものであり、特に、ディスクリートトラック媒体の磁気特性分布を精度よく検査できる磁気記録媒体の検査方法に関する。
近年、ハードディスク装置等の磁気記録装置の適用範囲は著しく増大され、その重要性が増すと共に、これらの装置に用いられる磁気記録媒体について、その記録密度の著しい向上が図られつつある。
トラック密度を上げる技術として、記録媒体表面にトラックに沿った凹凸を形成し、記録トラック同士を物理的または磁気的に分離することによってトラック密度を上げようとする試みがなされている。このような技術を以下にディスクリートトラック法、それによって製造された磁気記録媒体をディスクリートトラック媒体と呼ぶ。
トラック密度を上げる技術として、記録媒体表面にトラックに沿った凹凸を形成し、記録トラック同士を物理的または磁気的に分離することによってトラック密度を上げようとする試みがなされている。このような技術を以下にディスクリートトラック法、それによって製造された磁気記録媒体をディスクリートトラック媒体と呼ぶ。
ディスクリートトラック媒体の一例として、複数の凸部と各凸部を囲む凹部とを有する非磁性基板上に、軟磁性層と強磁性層を積層し、非磁性基板の形状を反映した凹凸が軟磁性層および強磁性層に形成され、磁気的に分断された強磁性層の凸部のみを記録領域とする磁気記録媒体が知られている(例えば、特許文献1参照)。
ディスクリートトラック媒体を構成する磁気的に分離された磁気記録パターンの形状を検査する方法としては、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて断面観察を行う方法が知られている。
ディスクリートトラック媒体を構成する磁気的に分離された磁気記録パターンの形状を検査する方法としては、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて断面観察を行う方法が知られている。
しかしながら、透過型電子顕微鏡(TEM)による断面観察を行うことにより、磁気的に分離された磁気記録パターンの形状を検査する場合、検査に手間がかかり、長時間を要するという問題があった。
また、透過型電子顕微鏡(TEM)による断面観察を行っても、ディスクリートトラック媒体の磁気特性分布を正確に知ることはできず、磁気的に分離された磁気記録パターンの磁気的な形状や、隣接する記録領域間を磁気的に分離している分離領域に残留している磁性の量、記録領域と分離領域との磁気的な差を測定することは困難であった。このため、ディスクリートトラック媒体の磁気特性分布を詳細に精度よく検査できる検査方法が要求されていた。
また、透過型電子顕微鏡(TEM)による断面観察を行っても、ディスクリートトラック媒体の磁気特性分布を正確に知ることはできず、磁気的に分離された磁気記録パターンの磁気的な形状や、隣接する記録領域間を磁気的に分離している分離領域に残留している磁性の量、記録領域と分離領域との磁気的な差を測定することは困難であった。このため、ディスクリートトラック媒体の磁気特性分布を詳細に精度よく検査できる検査方法が要求されていた。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、ディスクリートトラック媒体の磁気特性分布を検査する際に好適に用いることができ、磁気記録媒体の磁気特性分布を容易に精度よく検査できる磁気記録媒体の検査方法を提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題を解決するために、以下に示すように、鋭意研究した。
すなわち、本発明者は、磁気ヘッドの書き込みヘッドを用いて磁気記録パターンにトラック幅よりも幅の狭い第1信号を複数書き込み、磁気ヘッドの読み込みヘッドに第1信号を読み込ませて得られた複数の第1読込信号を用いて、磁気記録パターンの磁気特性を解析することで、磁気記録媒体の磁気特性分布を精度よく検査でき、ディスクリートトラック媒体の磁気的に分離された磁気記録パターンの磁気的な形状や、隣接する記録領域間を磁気的に分離している分離領域に残留している磁性の量、記録領域と分離領域との磁気的な差を、詳細に知ることができることを見出し、本発明を想到した。
すなわち、本発明者は、磁気ヘッドの書き込みヘッドを用いて磁気記録パターンにトラック幅よりも幅の狭い第1信号を複数書き込み、磁気ヘッドの読み込みヘッドに第1信号を読み込ませて得られた複数の第1読込信号を用いて、磁気記録パターンの磁気特性を解析することで、磁気記録媒体の磁気特性分布を精度よく検査でき、ディスクリートトラック媒体の磁気的に分離された磁気記録パターンの磁気的な形状や、隣接する記録領域間を磁気的に分離している分離領域に残留している磁性の量、記録領域と分離領域との磁気的な差を、詳細に知ることができることを見出し、本発明を想到した。
すなわち本発明は次の構成を採用する。
(1)非磁性基板上に、磁気的に分離された磁気記録パターンが備えられた磁気記録媒体の検査方法であって、前記磁気記録パターン上の複数の測定位置に、書き込みヘッドにより、トラック幅よりも幅の狭い第1信号を書き込む第1信号書込工程と、読み込みヘッドに前記第1信号を読み込ませて、前記測定位置に対応する複数の第1読込信号を得る第1信号読込工程と、前記第1信号読込工程において得られた複数の前記第1読込信号を用いて、前記磁気記録パターンの磁気特性を解析する解析工程とを含むことを特徴とする磁気記録媒体の検査方法。
(1)非磁性基板上に、磁気的に分離された磁気記録パターンが備えられた磁気記録媒体の検査方法であって、前記磁気記録パターン上の複数の測定位置に、書き込みヘッドにより、トラック幅よりも幅の狭い第1信号を書き込む第1信号書込工程と、読み込みヘッドに前記第1信号を読み込ませて、前記測定位置に対応する複数の第1読込信号を得る第1信号読込工程と、前記第1信号読込工程において得られた複数の前記第1読込信号を用いて、前記磁気記録パターンの磁気特性を解析する解析工程とを含むことを特徴とする磁気記録媒体の検査方法。
(2)前記第1信号書込工程が、前記書き込みヘッドにより前記磁気記録パターンに前記第1信号より幅の広い第2信号を書き込む第2信号書込工程と、前記書き込みヘッドにより、前記第2信号のトラック幅方向縁部の片側または両側に前記第2信号を消去する消去信号を書き込むことにより、前記第1信号を生成する消去信号書込工程とを含むことを特徴とする(1)に記載の磁気記録媒体の検査方法。
(3)前記磁気記録パターンがサーボ情報を含むものであり、第1信号書込工程および第1信号読込工程において、前記読み込みヘッドに前記サーボ情報を読み込ませて、前記読み込みヘッドおよび前記書き込みヘッドを備える前記磁気ヘッドを前記磁気記録パターン上の所定の位置に位置合わせすることを特徴とする(1)または(2)に記載の磁気記録媒体の検査方法。
(4)前記磁気記録パターン上の複数の前記測定位置が、前記非磁性基板の半径方向にトラック幅よりも幅の狭い間隔をあけて並べられていることを特徴とする(1)〜(3)に記載の磁気記録媒体の検査方法。
(5)前記第1信号読込工程において、前記読み込みヘッドの前記非磁性基板の半径方向中心と、前記測定位置の前記非磁性基板の半径方向中心とを位置合わせして、前記読み込みヘッドに前記第1信号を読み込ませることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の磁気記録媒体の検査方法。
(3)前記磁気記録パターンがサーボ情報を含むものであり、第1信号書込工程および第1信号読込工程において、前記読み込みヘッドに前記サーボ情報を読み込ませて、前記読み込みヘッドおよび前記書き込みヘッドを備える前記磁気ヘッドを前記磁気記録パターン上の所定の位置に位置合わせすることを特徴とする(1)または(2)に記載の磁気記録媒体の検査方法。
(4)前記磁気記録パターン上の複数の前記測定位置が、前記非磁性基板の半径方向にトラック幅よりも幅の狭い間隔をあけて並べられていることを特徴とする(1)〜(3)に記載の磁気記録媒体の検査方法。
(5)前記第1信号読込工程において、前記読み込みヘッドの前記非磁性基板の半径方向中心と、前記測定位置の前記非磁性基板の半径方向中心とを位置合わせして、前記読み込みヘッドに前記第1信号を読み込ませることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の磁気記録媒体の検査方法。
本発明の磁気記録媒体の検査方法は、磁気記録パターン上の複数の測定位置に、書き込みヘッドにより、トラック幅よりも幅の狭い第1信号を書き込む第1信号書込工程と、読み込みヘッドに前記第1信号を読み込ませて、前記測定位置に対応する複数の第1読込信号を得る第1信号読込工程と、前記第1信号読込工程において得られた複数の前記第1読込信号を用いて、前記磁気記録パターンの磁気特性を解析する解析工程とを含む方法であるので、磁気記録パターンの磁気特性分布を精度よく検査できる。
また、本発明の磁気記録媒体の検査方法は、磁気記録パターンの磁気特性分布を高速で検査できるので、磁気記録媒体の全数検査に好適に用いることができる。
次に、本発明の磁気記録媒体の検査方法について、図面を参照して詳細に説明する。尚、以下の説明において参照する図面において、図示される各部の大きさや厚さや寸法等は、実際の磁気記録媒体および磁気記録再生装置の寸法関係とは異なっている場合がある。
<磁気記録媒体>
まず、本発明の磁気記録媒体の検査方法を用いて検査される被検査体である磁気記録媒体について例を挙げて説明する。
図1は、本発明の磁気記録媒体の検査方法を用いて検査される磁気記録媒体の一例を説明するための平面図であり、図1(a)は磁気記録媒体の全体を示した模式図であり、図1(b)は図1(a)において矩形で示した磁気記録媒体の一部の領域のみを拡大して示した拡大模式図である。また、図2は、図1に示す磁気記録媒体の断面構造を説明するための断面図であり、磁気記録媒体の一部を半径方向から見た拡大模式図である。なお、図2においては、説明を容易にするために基板と磁性層と保護膜層のみを示す。
まず、本発明の磁気記録媒体の検査方法を用いて検査される被検査体である磁気記録媒体について例を挙げて説明する。
図1は、本発明の磁気記録媒体の検査方法を用いて検査される磁気記録媒体の一例を説明するための平面図であり、図1(a)は磁気記録媒体の全体を示した模式図であり、図1(b)は図1(a)において矩形で示した磁気記録媒体の一部の領域のみを拡大して示した拡大模式図である。また、図2は、図1に示す磁気記録媒体の断面構造を説明するための断面図であり、磁気記録媒体の一部を半径方向から見た拡大模式図である。なお、図2においては、説明を容易にするために基板と磁性層と保護膜層のみを示す。
本実施形態の磁気記録媒体40は、ディスクリート型の磁気記録媒体であり、図1(a)および図1(b)に示すように、円盤状の非磁性基板からなる基板1の表面に、データ領域41とサーボ情報領域42とが備えられたものである。なお、図1(a)においては、中心から放射状に延びる線で示された領域がサーボ情報領域42に該当し、放射状に延びる線と線との間の領域がデータ領域41に該当する。
データ領域41には、図1(b)および図2に示すように、磁気的に分離された磁性層2からなる磁気記録パターン41aが形成されている。ここで、磁性層2が「磁気的に分離されている」とは、少なくとも磁性層2の表面において磁気的に分離されていればよく、磁性層2の底部においては分離されていなくてもよい。
磁気記録パターン41aは、磁気記録トラックを構成するものであり、図1(b)に示すように、円盤状の磁気記録媒体40の回転中心に対して同心円状の規則的な形状とされている。磁気記録パターン41aは、図2に示すように、記録領域として機能する凸部41bと、隣接する記録領域間を磁気的に分離する分離領域として機能する凹部41cとを有している。凹部41cは、磁性層2の磁気特性が改質されることにより非磁性化されたものである。
磁気記録パターン41aは、磁気記録トラックを構成するものであり、図1(b)に示すように、円盤状の磁気記録媒体40の回転中心に対して同心円状の規則的な形状とされている。磁気記録パターン41aは、図2に示すように、記録領域として機能する凸部41bと、隣接する記録領域間を磁気的に分離する分離領域として機能する凹部41cとを有している。凹部41cは、磁性層2の磁気特性が改質されることにより非磁性化されたものである。
また、図1(b)に示すように、サーボ情報領域42には、バースト情報領域43、アドレス情報領域44、プリアンブル情報領域45が備えられている。
バースト情報領域43には、磁気ヘッドを磁気記録トラックの中央に位置付けさせるためのバースト情報として、バーストパターン43aが形成されている。バーストパターン43aは、バースト情報領域43を構成する磁性層からなるものであり、隣接する磁気記録トラック間に設けられた細かなドット状の形状とされている。
バースト情報領域43には、磁気ヘッドを磁気記録トラックの中央に位置付けさせるためのバースト情報として、バーストパターン43aが形成されている。バーストパターン43aは、バースト情報領域43を構成する磁性層からなるものであり、隣接する磁気記録トラック間に設けられた細かなドット状の形状とされている。
また、アドレス情報領域44には、データ領域41の番地を示すトラック情報及びセクタ情報を含むアドレス情報として、アドレスパターン44aが形成されている。アドレスパターン44aは、アドレス情報領域44を構成する磁性層からなるものであり、データ記録パターン41aと直交する方向に延在する不規則な線状の形状とされている。
また、プリアンブル情報領域45には、磁気記録トラック内でデータ領域41からサーボ情報領域42に移る箇所の識別に用いられるプリアンブル情報として、プリアンブルパターン45aが形成されている。プリアンブルパターン45aは、プリアンブル情報領域45を構成する磁性層からなるものであり、データ記録パターン41aと直交する方向に延在する長さの揃った線状の形状とされている。
また、プリアンブル情報領域45には、磁気記録トラック内でデータ領域41からサーボ情報領域42に移る箇所の識別に用いられるプリアンブル情報として、プリアンブルパターン45aが形成されている。プリアンブルパターン45aは、プリアンブル情報領域45を構成する磁性層からなるものであり、データ記録パターン41aと直交する方向に延在する長さの揃った線状の形状とされている。
本実施形態においては、サーボ情報領域42に備えられたバースト情報とアドレス情報とプリアンブル情報とを含むサーボ情報によって、非磁性基板1上に設けられた多数のデータ領域41が位置付けされている。そして、本実施形態の磁気記録媒体40では、磁気記録媒体40の表面上を円周方向に移動する磁気ヘッド(不図示)が、サーボ情報領域42において、対応するデータ領域41のプリアンブル情報、アドレス情報、バースト情報を読み込み、磁気記録パターン41aの磁気記録トラック位置に対する磁気ヘッドの位置の調整を行い、その後、情報の読み書きを行うことができるようになっている。
また、図1に示す磁気記録媒体40は、図2に示すように、非磁性基板1上に磁性層2が形成され、磁性層2の上に保護膜層9が形成され、保護膜層9上に潤滑層(図2においては図示略)が形成されているものである。
なお、本実施形態においては、保護膜層9および潤滑層が設けられている磁気記録媒体40を例に挙げて説明するが、保護膜層9および潤滑層は設けられていなくてもよい。
また、本実施形態においては、本発明の磁気記録媒体の検査方法を用いて検査される被検査体として、図1および図2に示す凸部41bと凹部41cとを有するディスクリート型の磁気記録媒体40を例に挙げて説明するが、本発明を用いて検査される磁気記録媒体は、磁気的に分離された磁気記録パターンが備えられたものであればよく、図1および図2に示す磁気記録媒体40に限定されるものではない。具体的には、本発明を用いて検査される磁気記録媒体は、隣接する記録領域間を磁気的に分離する分離領域が凹部となっていないものであってもよい。
なお、本実施形態においては、保護膜層9および潤滑層が設けられている磁気記録媒体40を例に挙げて説明するが、保護膜層9および潤滑層は設けられていなくてもよい。
また、本実施形態においては、本発明の磁気記録媒体の検査方法を用いて検査される被検査体として、図1および図2に示す凸部41bと凹部41cとを有するディスクリート型の磁気記録媒体40を例に挙げて説明するが、本発明を用いて検査される磁気記録媒体は、磁気的に分離された磁気記録パターンが備えられたものであればよく、図1および図2に示す磁気記録媒体40に限定されるものではない。具体的には、本発明を用いて検査される磁気記録媒体は、隣接する記録領域間を磁気的に分離する分離領域が凹部となっていないものであってもよい。
<磁気記録媒体の検査装置>
次に、図1に示す磁気記録媒体40の磁気記録パターン41aの磁気特性を検査する装置について例を挙げて説明する。
本発明の磁気記録媒体の検査方法に用いることのできる検査装置としては、例えば、図3に示すハードディスクドライブ(HDD)などの磁気記録再生装置が挙げられる。
図3に示すハードディスクドライブは、図1に示すディスクリート型の磁気記録媒体40と、磁気記録媒体40を記録方向に駆動する媒体駆動部34と、読み込みヘッドと書き込みヘッドとを備える磁気ヘッド27と、磁気ヘッド27を磁気記録媒体40に対して相対運動させるヘッド駆動部28と、磁気ヘッド27への信号入力と磁気ヘッド27からの出力信号再生を行うための記録再生信号系29(記録再生信号処理手段)とを具備するものである。
次に、図1に示す磁気記録媒体40の磁気記録パターン41aの磁気特性を検査する装置について例を挙げて説明する。
本発明の磁気記録媒体の検査方法に用いることのできる検査装置としては、例えば、図3に示すハードディスクドライブ(HDD)などの磁気記録再生装置が挙げられる。
図3に示すハードディスクドライブは、図1に示すディスクリート型の磁気記録媒体40と、磁気記録媒体40を記録方向に駆動する媒体駆動部34と、読み込みヘッドと書き込みヘッドとを備える磁気ヘッド27と、磁気ヘッド27を磁気記録媒体40に対して相対運動させるヘッド駆動部28と、磁気ヘッド27への信号入力と磁気ヘッド27からの出力信号再生を行うための記録再生信号系29(記録再生信号処理手段)とを具備するものである。
なお、本実施形態の磁気記録媒体の検査方法に用いることのできる検査装置は、図3に示すハードディスクドライブに限定されるものではなく、例えば、その他の磁気記録再生装置や、記録・再生性能評価用回転駆動装置(スピンスタンド)などを用いることができる。
<磁気記録媒体の検査方法>
次に、図1に示す磁気記録媒体40の磁気記録パターン41aの磁気特性を、図3に示すハードディスクドライブを用いて検査する方法について説明する。
(第1信号書込工程)
まず、図4に示すように、磁気記録パターン41a上の複数の測定位置5に、磁気ヘッド27(図4においては不図示)の書き込みヘッドにより、トラック幅よりも幅の狭い第1信号6を書き込む。
次に、図1に示す磁気記録媒体40の磁気記録パターン41aの磁気特性を、図3に示すハードディスクドライブを用いて検査する方法について説明する。
(第1信号書込工程)
まず、図4に示すように、磁気記録パターン41a上の複数の測定位置5に、磁気ヘッド27(図4においては不図示)の書き込みヘッドにより、トラック幅よりも幅の狭い第1信号6を書き込む。
本実施形態では、複数の測定位置5に含まれる各測定位置5に、第1信号6を書き込む際には、まず、各測定位置5に書き込みヘッドの中心を位置合わせする。第1信号6の書き込まれる各測定位置5に磁気ヘッドを位置合わせするには、磁気ヘッドの読み込みヘッドに磁気記録媒体40のサーボ情報を読み込ませて、磁気ヘッドを磁気記録パターン41a上の所定の位置に位置合わせする方法を用いることが好ましい。このことにより、磁気ヘッドを磁気記録パターン41a上の各測定位置5に容易に精度よく位置合わせできる。
また、磁気記録パターン41a上の複数の測定位置5は、図4に示すように、非磁性基板1の半径方向にトラック幅よりも幅の狭い間隔をあけて等間隔で並べられていることが好ましい。磁気記録パターン上の複数の測定位置5が、非磁性基板1の半径方向にトラック幅よりも幅の狭い間隔をあけて並べられている場合、非磁性基板1の半径方向における磁気記録パターン41aの磁気特性分布を詳細に精度よく検査でき、円盤状の磁気記録媒体40の回転中心に対して同心円状の規則的な形状とされている磁気記録トラックを構成する磁気記録パターン41aの磁気特性分布を詳細に精度よく検査できる。
また、第1信号書込工程は、書き込みヘッドにより磁気記録パターン41aに第1信号6よりも幅の広い第2信号を書き込む第2信号書込工程と、書き込みヘッドにより、第2信号のトラック幅方向縁部の片側または両側に第2信号を消去する消去信号を書き込むことにより、第1信号6を生成する消去信号書込工程とを含むことが好ましい。第1信号書込工程が、第2信号書込工程と消去信号書込工程とを含む方法である場合、磁気記録パターン41a上の測定位置5に、容易にトラック幅よりも幅の狭い第1信号6を書き込むことができる。
また、第1信号書込工程は、書き込みヘッドにより、周波数の異なる2種類以上の信号を、トラック幅方向の異なる位置にトラック幅よりも幅の狭い幅でずらして書き込む方法を用いて、第1信号6を書き込む工程であることが好ましい。
具体的には、例えば、上述した第2信号書込工程と消去信号書込工程とを含む第1信号書込工程の第2信号書込工程において、第2信号として中周波信号を書き込み、消去信号書込工程において、消去信号として高周波信号を書き込む方法とすることができる。このような第1信号書込工程では、消去信号として高周波信号を書き込むことにより、残存する第2信号である中周波信号からなる第1信号6が生成される。このような第1信号書込工程では、周波数の異なる2種類以上の信号を、トラック幅方向の異なる位置にトラック幅よりも幅の狭い幅でずらして書き込むので、磁気記録パターン41a上の測定位置に、容易にトラック幅よりも幅の狭い第1信号を書き込むことができる。この際、磁気ヘッドは磁気記録媒体40に設けられたサーボ情報を読み込むことによって、磁気ヘッドをトラックの任意の位置に位置づけることが可能であり、各測定位置5に磁気ヘッドを位置合わせすることができる。
具体的には、例えば、上述した第2信号書込工程と消去信号書込工程とを含む第1信号書込工程の第2信号書込工程において、第2信号として中周波信号を書き込み、消去信号書込工程において、消去信号として高周波信号を書き込む方法とすることができる。このような第1信号書込工程では、消去信号として高周波信号を書き込むことにより、残存する第2信号である中周波信号からなる第1信号6が生成される。このような第1信号書込工程では、周波数の異なる2種類以上の信号を、トラック幅方向の異なる位置にトラック幅よりも幅の狭い幅でずらして書き込むので、磁気記録パターン41a上の測定位置に、容易にトラック幅よりも幅の狭い第1信号を書き込むことができる。この際、磁気ヘッドは磁気記録媒体40に設けられたサーボ情報を読み込むことによって、磁気ヘッドをトラックの任意の位置に位置づけることが可能であり、各測定位置5に磁気ヘッドを位置合わせすることができる。
第1信号6の幅は、トラック幅よりも狭ければよいが、第1読込信号出力がヘッドの書き込み幅である第2信号出力の10%〜30%の範囲であることが好ましい。第1信号6の幅が上記範囲未満であると、後述する第1信号読込工程において得られる第1読込信号の出力が小さすぎて、十分な検査精度が得られなくなる場合がある。また、第1信号6の幅が上記範囲を超えると、検査の対象領域に第1信号6を高密度で書き込むことができなくなり、後述する第1信号読込工程において得られる第1読込信号の密度を十分に高くすることができず、十分な検査精度が得られない場合がある。
(第1信号読込工程)
次に、磁気ヘッドの読み込みヘッドに第1信号を読み込ませて、測定位置5に対応する複数の第1読込信号を得る。本実施形態では、読み込みヘッドに第1信号6を読み込ませる際に、各測定位置5に磁気ヘッドを位置合わせする。
第1信号6の書き込まれた各測定位置5に磁気ヘッドを位置合わせするには、読み込みヘッドに磁気記録媒体40のサーボ情報を読み込ませて、磁気ヘッドを磁気記録パターン41a上の所定の位置に位置合わせする方法を用いることが好ましい。このことにより、磁気ヘッドを磁気記録パターン41a上の各測定位置5に容易に精度よく位置合わせできる。
次に、磁気ヘッドの読み込みヘッドに第1信号を読み込ませて、測定位置5に対応する複数の第1読込信号を得る。本実施形態では、読み込みヘッドに第1信号6を読み込ませる際に、各測定位置5に磁気ヘッドを位置合わせする。
第1信号6の書き込まれた各測定位置5に磁気ヘッドを位置合わせするには、読み込みヘッドに磁気記録媒体40のサーボ情報を読み込ませて、磁気ヘッドを磁気記録パターン41a上の所定の位置に位置合わせする方法を用いることが好ましい。このことにより、磁気ヘッドを磁気記録パターン41a上の各測定位置5に容易に精度よく位置合わせできる。
また、第1信号読込工程においては、読み込みヘッドの半径方向中心と、磁気記録媒体40上の測定位置5の半径方向中心とを位置合わせして、読み込みヘッドに第1信号6を読み込ませることが好ましい。読み込みヘッドの感度は、非磁性基板1の半径方向であるトラック幅方向に分布(ばらつき)を有していると考えられている。磁気記録媒体40の半径方向中心を一致させるように、読み込みヘッドと測定位置5とを位置合わせした場合、読み込みヘッドの感度に起因する検査結果のばらつきを小さくすることができるので、より高精度で磁気記録パターンの磁気特性の検査を行うことができる。
また、第1信号6が、トラック幅方向縁部の片側または両側に周波数の異なる消去信号が書き込まれているものである場合、第1信号読込工程において、読み込みヘッドに第1信号6を構成する特定の周波数成分のみを読み込ませることにより、測定位置5に対応する第1読込信号を得ることができる。
本発明の磁気記録媒体の検査方法において複数の第1読込信号を得るための順序は、特に限定されないが、磁気記録パターン41a上の複数の測定位置5のうちの1つの測定位置5に第1信号を書き込む第1信号書込工程を行う毎に、読み込みヘッドに第1信号を読み込ませて、1つの測定位置に対応する1つの第1読込信号を得る第1信号読込工程を行なうことが好ましい。この場合、第1信号書込工程と第1信号読込工程とを交互に複数の測定位置5にて行うことにより、複数の測定位置5に対応する複数の第1読込信号が得られ、磁気記録パターンの磁気特性の検査を行うことができる。
また、本発明の磁気記録媒体の検査方法において、複数の第1読込信号を得るための他の順序としては、例えば、磁気記録パターン41a上の複数の測定位置5のうちの1つの測定位置5に第1信号を書き込む第1信号書込工程を複数回行なって、複数の測定位置に第1信号を書き込んだ後、1つの測定位置に対応する1つの第1読込信号を得る第1信号読込工程を複数回行なって、複数の測定位置に対応する複数の第1読込信号を得てもよい。
なお、本発明の磁気記録媒体の検査方法において複数の第1読込信号を得るための複数の測定位置5の数や位置は、検査の対象領域に応じて決定することができ、特に限定されるものではない。
例えば、複数の測定位置5の全てが1つのセクタ内に配置されていてもよいし、複数のセクタに測定位置5が配置されていてもよい。また、複数の測定位置5の全てが、1つのトラック内に配置されていてもよいし、複数のトラックに分かれて測定位置5が配置されていてもよく、全てのトラックに測定位置5が配置されていてもよい。複数の測定位置5の全てが1つのセクタ内に配置されている場合、第1信号書込工程において測定位置と書き込みヘッドとの位置合わせに用いられるサーボ情報が1つのみとなるので、複数のセクタに測定位置5が配置されている場合と比較して、第1信号書込工程における測定位置と書き込みヘッドとの位置合わせを高精度で行うことができる。
例えば、複数の測定位置5の全てが1つのセクタ内に配置されていてもよいし、複数のセクタに測定位置5が配置されていてもよい。また、複数の測定位置5の全てが、1つのトラック内に配置されていてもよいし、複数のトラックに分かれて測定位置5が配置されていてもよく、全てのトラックに測定位置5が配置されていてもよい。複数の測定位置5の全てが1つのセクタ内に配置されている場合、第1信号書込工程において測定位置と書き込みヘッドとの位置合わせに用いられるサーボ情報が1つのみとなるので、複数のセクタに測定位置5が配置されている場合と比較して、第1信号書込工程における測定位置と書き込みヘッドとの位置合わせを高精度で行うことができる。
(解析工程)
次に、第1信号読込工程において得られた複数の第1読込信号を用いて、磁気記録パターン41aの磁気特性を解析する。磁気記録パターン41aの磁気特性を解析する方法としては、例えば、第1読込信号からの出力である振幅強度と、第1読込信号を得るための測定位置との関係を解析する方法を用いることができる。
次に、第1信号読込工程において得られた複数の第1読込信号を用いて、磁気記録パターン41aの磁気特性を解析する。磁気記録パターン41aの磁気特性を解析する方法としては、例えば、第1読込信号からの出力である振幅強度と、第1読込信号を得るための測定位置との関係を解析する方法を用いることができる。
図5は、磁気記録パターン41aの磁気特性を解析した結果の一例を説明するための図であり、第1読込信号の振幅強度と、第1読込信号を得るための測定位置との関係を示したグラフである。
図5に示す解析結果は、磁気記録パターン41a上の複数の測定位置5が、非磁性基板1の半径方向にトラック幅よりも幅の狭い間隔をあけて等間隔で並べられている場合の例である。図5に示すように、磁気記録パターン41aの磁気特性を解析することで、磁気記録パターン41aの磁気特性分布を詳細に精度よく検出できる。また、図5に示すように、本実施形態の磁気記録媒体の検査結果から、磁気的に分離された磁気記録パターン41aの磁気的な形状や、記録領域である凸部41bと分離領域である分離領域である凹部41cとの磁気的な差、凹部41cに残留している磁性の量を、容易に詳細に知ることができる。
図5に示す解析結果は、磁気記録パターン41a上の複数の測定位置5が、非磁性基板1の半径方向にトラック幅よりも幅の狭い間隔をあけて等間隔で並べられている場合の例である。図5に示すように、磁気記録パターン41aの磁気特性を解析することで、磁気記録パターン41aの磁気特性分布を詳細に精度よく検出できる。また、図5に示すように、本実施形態の磁気記録媒体の検査結果から、磁気的に分離された磁気記録パターン41aの磁気的な形状や、記録領域である凸部41bと分離領域である分離領域である凹部41cとの磁気的な差、凹部41cに残留している磁性の量を、容易に詳細に知ることができる。
なお、本発明の磁気記録媒体の検査方法は、上述した実施形態に限定されるものではない。
例えば、第1信号書込工程は、磁気記録パターン41a上の複数の測定位置5に、磁気ヘッドの書き込みヘッドにより、トラック幅よりも幅の狭い第1信号6を書き込むことができれば如何なる方法を用いてもよく、上述した第2信号書込工程と消去信号書込工程とを含む方法に限定されるものではない。また、第1信号、第2信号、消去信号の周波数は、上述した例に限定されるものではない。
例えば、第1信号書込工程は、磁気記録パターン41a上の複数の測定位置5に、磁気ヘッドの書き込みヘッドにより、トラック幅よりも幅の狭い第1信号6を書き込むことができれば如何なる方法を用いてもよく、上述した第2信号書込工程と消去信号書込工程とを含む方法に限定されるものではない。また、第1信号、第2信号、消去信号の周波数は、上述した例に限定されるものではない。
また、磁気ヘッドの読み込みヘッドに第1信号6を読み込ませて、測定位置5に対応する複数の第1読込信号を得る際に、高精度に磁気記録パターン41aの磁気特性の検査を行うために、例えば、特定の周波数成分のみを出力させるフィルタを用いて、第1信号読込工程において得られる第1読込信号からの出力以外の信号を除去してもよい。
また、磁気記録パターンの磁気特性を解析した結果は、図5に示すグラフに限定されるものではなく、例えば、等高線を用いる平面図としてもよく、検査の目的や、測定位置の数、検査の対象領域の大きさに応じて決定することができ、特に限定されるものではない。
また、磁気記録パターンの磁気特性を解析した結果は、図5に示すグラフに限定されるものではなく、例えば、等高線を用いる平面図としてもよく、検査の目的や、測定位置の数、検査の対象領域の大きさに応じて決定することができ、特に限定されるものではない。
以下、実施例により本発明の効果をより明らかなものとする。なお、本発明は、以下の実施例に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することができる。
(磁気記録媒体の製造)
以下に示すように、検査に用いる磁気記録媒体を製造した。HD用ガラス基板をセットした真空チャンバをあらかじめ1.0×10−5Pa以下に真空排気した。ここで使用したガラス基板はLi2Si2O5、Al2O3−K2O、Al2O3−K2O、MgO−P2O5、Sb2O3−ZnOを構成成分とする結晶化ガラスを材質とし、外径65mm、内径20mm、平均表面粗さ(Ra)は2オングストロームである。
以下に示すように、検査に用いる磁気記録媒体を製造した。HD用ガラス基板をセットした真空チャンバをあらかじめ1.0×10−5Pa以下に真空排気した。ここで使用したガラス基板はLi2Si2O5、Al2O3−K2O、Al2O3−K2O、MgO−P2O5、Sb2O3−ZnOを構成成分とする結晶化ガラスを材質とし、外径65mm、内径20mm、平均表面粗さ(Ra)は2オングストロームである。
該ガラス基板にDCスパッタリング法を用いて、軟磁性層としてFeCoB、中間層としてRu、磁性層として70Co−5Cr−15Pt−10SiO2合金、メタル保護層としてCrTiを積層し、さらに、スパッタ法を用いて、マスク層としてCを積層した。
各層の厚みは、軟磁性層は60nm、中間層は10nm、磁性層は16nm、メタル保護層は5nm、マスク層は33nmとした。
各層の厚みは、軟磁性層は60nm、中間層は10nm、磁性層は16nm、メタル保護層は5nm、マスク層は33nmとした。
その上に、SiO2レジストをスピンコート法により塗布した。膜厚は60nmとした。その上に、磁気記録パターンのネガパターンを有するガラス製のスタンプを用いて、スタンプを1MPa(約8.8kgf/cm2)の圧力で、レジスト層に押圧した。その後、スタンプをレジスト層から分離し、レジスト層に磁気記録パターンを転写した。レジスト層に転写した磁気記録パターンは、レジストの凸部が幅60nmの円周状、レジストの凹部が幅40nmの円周状であり、レジスト層の層厚は40nm、レジスト層の凹部の厚さは約10nmであった。また、レジスト層凹部の基板面に対する角度は、ほぼ90度であった。
その後、レジスト層の凹部の箇所について、マスク層をドライエッチングで、また、磁性層をイオンビームエッチングで除去した。ドライエッチングの条件は、マスク層についてはO2ガスを40sccm、圧力0.3Pa、高周波プラズマ電力300W、DCバイアス30W、エッチング時30秒とした。また、イオンビームエッチングは、Arガスを10sccm、圧力0.1Pa、加速電圧300Vでエッチング時間を30秒とした。
イオンビームエッチング後に形成された磁性層の凹部の深さは約10nmであった。なお、磁性層の凹部内に残留する厚み約6nmの磁性層は、イオンビームエッチング時における凹部内へのイオン注入により、磁性層の凸部よりも保持力を低下させた。このことにより、トラック幅60nmとなるように、凸部と凹部とを有する磁気記録パターンを形成した。
その後、CVD法によりカーボンよりなる保護膜層5nmを成膜し、最後にフッ素系潤滑膜からなる潤滑層2nmを形成し、ディスクリート型の磁気記録媒体の製造を完了した。
イオンビームエッチング後に形成された磁性層の凹部の深さは約10nmであった。なお、磁性層の凹部内に残留する厚み約6nmの磁性層は、イオンビームエッチング時における凹部内へのイオン注入により、磁性層の凸部よりも保持力を低下させた。このことにより、トラック幅60nmとなるように、凸部と凹部とを有する磁気記録パターンを形成した。
その後、CVD法によりカーボンよりなる保護膜層5nmを成膜し、最後にフッ素系潤滑膜からなる潤滑層2nmを形成し、ディスクリート型の磁気記録媒体の製造を完了した。
(磁気記録媒体の検査)
まず、以下に示すように、検査に用いる第1信号の幅を決定するための予備実験を行った。
すなわち、上記の磁気記録媒体と同一の積層膜を有し、磁気記録パターンを形成していない連続した磁性層を有する予備実験用の磁気記録媒体を用意した。この磁気記録媒体に検査ヘッドを用いて第2信号として70MHzの信号を書き込み、第2信号の出力強度を測定した。その後、書き込んだ第2信号の半径方向中心からのオフセット(距離)を±85nm、±75nm、±65nm、±55nmとして、第2信号を消去する消去信号を書き込んだ。消去信号には200MHzの信号を用いた。その後、消去信号を書き込んだ後に残留する第2信号の出力強度を測定した。その結果を図6に示す。
まず、以下に示すように、検査に用いる第1信号の幅を決定するための予備実験を行った。
すなわち、上記の磁気記録媒体と同一の積層膜を有し、磁気記録パターンを形成していない連続した磁性層を有する予備実験用の磁気記録媒体を用意した。この磁気記録媒体に検査ヘッドを用いて第2信号として70MHzの信号を書き込み、第2信号の出力強度を測定した。その後、書き込んだ第2信号の半径方向中心からのオフセット(距離)を±85nm、±75nm、±65nm、±55nmとして、第2信号を消去する消去信号を書き込んだ。消去信号には200MHzの信号を用いた。その後、消去信号を書き込んだ後に残留する第2信号の出力強度を測定した。その結果を図6に示す。
図6は、第2信号の半径方向中心付近における出力強度の分布を示したグラフであり、消去信号を書き込んでない第2信号の出力強度を100%としたときの、消去信号を書き込んだ後に残留する第2信号の出力強度を示したグラフである。図6に示すように、オフセットが小さくなるのに伴って、残留する第2信号の出力強度も小さくなっている。また、図6より、オフセットが±55nmである場合には、残留する第2信号の出力強度が不十分であり、消去信号を書き込んだ後に十分な出力強度を得るにはオフセットを±65nm以上にする必要があることが分かる。このことから、今回の磁気記録パターンの磁気特性の検査においては、トラック幅よりも幅の狭い第1信号として用いる最も狭い幅の信号は、オフセットを±65nmとして第2信号を消去することによって得られるものであることが分かる。
次に、実施例で製造した磁気記録媒体の検査を行った。
具体的には、上記の検査に用いる磁気記録媒体のトラックの半径方向中心から±50nmの範囲について、2.5nmの間隔で検査を行った。すなわち、書き込みヘッドにより、磁気記録パターンの検査位置に対して70MHzで第2信号を書き込み、書き込みヘッドにより、第2信号のトラック幅方向縁部の両側に、第2信号の半径方向中心からのオフセットを±65nmとして200MHzの消去信号を書き込むことにより第1信号(信号周波数70MHz)を生成し、第1信号を生成する毎に読み込みヘッドに第1信号を読み込ませて測定位置に対応する複数の第1読込信号の出力強度を測定した。その結果を図7に示す。
具体的には、上記の検査に用いる磁気記録媒体のトラックの半径方向中心から±50nmの範囲について、2.5nmの間隔で検査を行った。すなわち、書き込みヘッドにより、磁気記録パターンの検査位置に対して70MHzで第2信号を書き込み、書き込みヘッドにより、第2信号のトラック幅方向縁部の両側に、第2信号の半径方向中心からのオフセットを±65nmとして200MHzの消去信号を書き込むことにより第1信号(信号周波数70MHz)を生成し、第1信号を生成する毎に読み込みヘッドに第1信号を読み込ませて測定位置に対応する複数の第1読込信号の出力強度を測定した。その結果を図7に示す。
図7は、半径方向中心から±50nmの範囲におけるトラックの幅方向の出力強度の分布を示したグラフであり、製造目標とした出力強度の分布(図7に示す物理形状のライン)におけるトラックの半径方向中心の出力強度を100%としたときの、出力強度を示したグラフである。
図7に示すトラックの幅方向の出力強度の分布では、トラックの幅方向両縁部での出力強度が特異的に高まっている点を除いて、製造目標とした分布(図7に示す物理形状のライン)にほぼ沿う結果となった。特に、図7に示すように、実施例で製造した磁気記録媒体では、トラック間領域の出力強度がほぼ0となっており、各トラックは磁気的に分離されていることが確認できた。このことから、実施例で製造した磁気記録媒体において、磁性層のパターニング工程の製造条件が適正であることが明らかとなった。
図7に示すトラックの幅方向の出力強度の分布では、トラックの幅方向両縁部での出力強度が特異的に高まっている点を除いて、製造目標とした分布(図7に示す物理形状のライン)にほぼ沿う結果となった。特に、図7に示すように、実施例で製造した磁気記録媒体では、トラック間領域の出力強度がほぼ0となっており、各トラックは磁気的に分離されていることが確認できた。このことから、実施例で製造した磁気記録媒体において、磁性層のパターニング工程の製造条件が適正であることが明らかとなった。
また、図7に示すトラックの幅方向の出力強度の分布では、トラックの幅方向両縁部での出力強度が120%を超えており、トラックの幅方向両縁部(図7におけるオフセット約±35nmの位置)での出力強度が他の部分に比べて特異的に高まっている。このことから、本実施例の磁気記録媒体の検査方法によれば、トラックの幅方向縁部の半径方向中心からの位置を高感度で検出できることが分かる。
発明者は、トラックの幅方向縁部の出力強度が他の部分に比べて高くなる理由について以下のように考えている。
発明者は、トラックの幅方向縁部の出力強度が他の部分に比べて高くなる理由について以下のように考えている。
すなわち、磁気記録媒体に記録された信号は、外部に磁界を発生させると共に内部に反磁界を有している。例えば、磁気記録媒体内に記録された信号が小さな磁石で形成されていると考えた場合、その磁石は内部に反磁界を有しており、その反磁界は磁石の中央部(S極とN極との境界)で最も大きくなっている。本実施例の磁気記録媒体では、トラック形状が磁気的に形成されているため、トラック内でもこのような反磁界が生じている。トラック内の反磁界の強度は、トラックの中心付近では大きく、トラックの縁部では小さくなっている。そのため、第2信号を消去する消去信号書込工程において、トラックの中央付近では反磁界の影響で信号が消去されやすく、生成した第1信号の強度が小さくなり、トラックの縁部では反磁界の影響で信号が消去されにくく、中央付近と比較して生成した第1信号の強度が大きくなると推定される。
1…非磁性基板、2…磁性層、5…測定位置、6…第1信号、9…保護膜層、27…磁気ヘッド、28…ヘッド駆動部、29…記録再生信号系、34…媒体駆動部、40…磁気記録媒体、41…データ領域、41a…磁気記録パターン、42…サーボ情報領域、43…バースト情報領域、43a…バーストパターン、44…アドレス情報領域、44a…アドレスパターン、45…プリアンブル情報領域、45a…プリアンブルパターン、41b…凸部、41c…凹部。
Claims (5)
- 非磁性基板上に、磁気的に分離された磁気記録パターンが備えられた磁気記録媒体の検査方法であって、
前記磁気記録パターン上の複数の測定位置に、書き込みヘッドにより、トラック幅よりも幅の狭い第1信号を書き込む第1信号書込工程と、
読み込みヘッドに前記第1信号を読み込ませて、前記測定位置に対応する複数の第1読込信号を得る第1信号読込工程と、
前記第1信号読込工程において得られた複数の前記第1読込信号を用いて、前記磁気記録パターンの磁気特性を解析する解析工程とを含むことを特徴とする磁気記録媒体の検査方法。 - 前記第1信号書込工程が、前記書き込みヘッドにより前記磁気記録パターンに前記第1信号より幅の広い第2信号を書き込む第2信号書込工程と、
前記書き込みヘッドにより、前記第2信号のトラック幅方向縁部の片側または両側に前記第2信号を消去する消去信号を書き込むことにより、前記第1信号を生成する消去信号書込工程とを含むことを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体の検査方法。 - 前記磁気記録パターンがサーボ情報を含むものであり、
第1信号書込工程および第1信号読込工程において、前記読み込みヘッドに前記サーボ情報を読み込ませて、前記読み込みヘッドおよび前記書き込みヘッドを備える前記磁気ヘッドを前記磁気記録パターン上の所定の位置に位置合わせすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の磁気記録媒体の検査方法。 - 前記磁気記録パターン上の複数の前記測定位置が、前記非磁性基板の半径方向にトラック幅よりも幅の狭い間隔をあけて並べられていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の磁気記録媒体の検査方法。
- 前記第1信号読込工程において、前記読み込みヘッドの前記非磁性基板の半径方向中心と、前記測定位置の前記非磁性基板の半径方向中心とを位置合わせして、前記読み込みヘッドに前記第1信号を読み込ませることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の磁気記録媒体の検査方法。
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