JP2006236474A - 磁気記録媒体及び磁気記録再生装置 - Google Patents

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Mitsuru Takai
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Abstract

【課題】記録要素が凸部として形成された記録層及び記録要素の間の凹部に充填された充填材を含み、磁気ヘッドが接触しても表面が損傷しにくく、良好な記録・再生特性が確実に得られる信頼性が高い磁気記録媒体を提供する。
【解決手段】磁気記録媒体12は、基板22の上に所定の凹凸パターンで形成され、該凹凸パターンの凸部として記録要素24Aが形成された記録層24と、記録要素24Aの間の凹部26に充填された充填材28と、を含み、充填材28は、実質的にSi及びOからなり、Siの原子数に対するOの原子数の比率が1.5以上、2未満である。
【選択図】図2

Description

本発明は、記録要素が凸部として形成されて記録要素の間の凹部が充填材で充填された磁気記録媒体及びこれを備える磁気記録再生装置に関する。
従来、ハードディスク等の磁気記録媒体は、記録層を構成する磁性粒子の微細化、材料の変更、ヘッド加工の微細化等の改良により著しい面記録密度の向上が図られており、今後も一層の面記録密度の向上が期待されているが、ヘッドの加工限界、磁界の広がりに起因する、記録対象のトラックに隣りあう他のトラックへの誤った情報の記録やクロストーク等の問題が顕在化し、従来の改良手法による面記録密度の向上は限界にきている。
これに対し、一層の面記録密度の向上を実現可能である磁気記録媒体の候補として、記録層を所定の凹凸パターンで形成し、凹凸パターンの凸部として記録要素を形成したディスクリートトラックメディアやパターンドメディアが提案されている。
一方、ハードディスク等の磁気記録媒体は、表面の凹凸が大きいとヘッドスライダの浮上高さが不安定になり、良好な記録・再生特性が得られないため、記録要素の間の凹部を充填材で充填して記録層の表面を平坦化した磁気記録媒体が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
尚、磁気ヘッドとの接触から記録層を保護するため、通常、記録層の上には保護層が形成される。保護層の材料としては硬度が高く摩耗しにくい材料が好ましく、硬質炭素膜等が用いられる。又、磁気ヘッドと記録層との間の磁気的スペースを小さくして良好な磁気特性を得るためには、保護層はできる限り薄いことが好ましい。一方、このように硬度が高く薄い保護層は変形した場合に損傷しやすいが、保護層を支持する部分の材料として剛性及び硬度が高く変形しにくい材料を用いることで、保護層の変形を抑制し、これにより保護層の損傷を抑制できる。ディスクリートトラックメディアやパターンドメディアの場合、記録要素と共に充填材が保護層を支持するため、充填材の材料として剛性及び硬度が高い材料を用いることが好ましい。又、万が一、保護層の一部が剥離した場合に、磁気ヘッドとの接触による磁気記録媒体の表面の摩耗を抑制するためにも、充填材の材料は、硬度が高く摩耗しにくい材料であることが好ましい。更に、保護層を省略し、記録要素と充填材が表面に露出する構成の磁気記録媒体も考えられ、このような構成の磁気記録媒体の場合は特に、充填材の材料として剛性及び硬度が高い材料を用いることが求められる。
又、充填材の材料は、化学的に安定で腐食しにくい材料であることが好ましい。
このような要求を満たす充填材の候補としては、種々の酸化物、窒化物、炭化物等が考えられるが、上記の要求を満たしうる低コストの充填材として、SiO(二酸化ケイ素)が知られている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
特開2000−195042号公報 特開平9−97419号公報
しかしながら、充填材としてSiOを用いた場合も、良好な記録・再生特性が得られないことがあった。
本発明は、以上の問題点に鑑みてなされたものであって、記録要素が凸部として形成された記録層及び記録要素の間の凹部に充填された充填材を含み、磁気ヘッドが接触しても表面が損傷しにくく、良好な記録・再生特性が確実に得られる信頼性が高い磁気記録媒体及びこれを備える磁気記録再生装置を提供することを目的とする。
本発明は、充填材として、実質的にSi及びOからなり、Siの原子数に対するOの原子数の比率が1.5以上、2未満である材料を用いることで、上記目的を達成するものである。
発明者らは、本発明に想到する過程で、充填材としてSiOを用いた磁気記録媒体について記録・再生特性が悪化する原因を鋭意検討したところ、記録要素の側面の腐食がその原因の一つであることを突き止めた。記録要素の側面は、記録層を凹凸パターンに加工するドライエッチング等の加工の影響を直接受けるため、他の部分よりも腐食しやすいと考えられる。
これに対し発明者らは、充填材として様々な材料を試みたところ、実質的にSi(ケイ素)及びO(酸素)からなり、Siの原子数に対するOの原子数の比率が2未満の充填材を用いることで、記録要素の側面の腐食が発生しにくくなることを見出した。即ち、一般的に安定した化合物であると考えられているSiOよりもSiの原子数に対するOの原子数の比率を小さくすることで、記録要素の側面の腐食を抑制する効果が高くなることを見出した。このような効果が得られる原因は必ずしも明らかではないが、SiOよりもSiの原子数に対するOの原子数の比率を小さくすることで、充填材の組織が緻密になり、これにより充填材を通って記録要素の側面に到達する酸素や水分が減少し、記録要素の側面の腐食が抑制されると考えられる。
尚、Siの原子数に対するOの原子数の比率を1.9未満とすることで、記録要素の側面の腐食を抑制する効果を更に高めることができる。
一方、発明者らは、Siの原子数に対するOの原子数の比率を1.5未満まで低減すると、磁気記録媒体の表面に傷が発生しやすくなることを発見した。この原因も必ずしも明らかではないが、Siの原子数に対するOの原子数の比率を過度に小さくしたことで、充填材の剛性、硬度が低下し、磁気ヘッドとの接触により充填材が支持する保護層が過度に変形し、損傷したと推測される。これに対し、Siの原子数に対するOの原子数の比率を1.5以上とすることで、磁気ヘッドとの接触による磁気記録媒体の表面の損傷を抑制できる。
即ち、次のような本発明により、上記目的を達成することができる。
(1)基板上に所定の凹凸パターンで形成され、該凹凸パターンの凸部として記録要素が形成された記録層と、前記記録要素の間の凹部に充填された充填材と、を含み、該充填材は、実質的にSi及びOからなり、Siの原子数に対するOの原子数の比率が1.5以上、2未満であることを特徴とする磁気記録媒体。
(2)(1)において、前記充填材は、Siの原子数に対するOの原子数の比率が1.9未満であることを特徴とする磁気記録媒体。
(3)(1)又は(2)において、前記充填材が前記記録要素の上面にも形成され、前記記録層を被覆していることを特徴とする磁気記録媒体。
(4)(1)乃至(3)のいずれかに記載の磁気記録媒体と、該磁気記録媒体に対してデータの記録/再生を行うために該磁気記録媒体の表面に近接して浮上可能であるように設置された磁気ヘッドと、を備えることを特徴とする磁気記録再生装置。
尚、本出願において、「基板上に所定の凹凸パターンで形成され、該凹凸パターンの凸部として記録要素が形成された記録層」とは、多数の記録要素に分割された記録層の他、部分的に分割されて、記録要素が螺旋形状や、一部が連続した所定のパターンである記録層、凸部である記録要素及び凹部双方が形成された連続した記録層も含む意義で用いることとする。
又、本出願において、「充填材は、実質的にSi及びOからなり」とは、充填材を構成する総ての元素の原子数に対する、充填材中のSi及びOの合計の原子数の比率が90%以上であることを意味し、充填材がSi及びOだけで構成される場合に限定されない。
本発明によれば、記録要素が凸部として形成された記録層及び記録要素の間の凹部に充填された充填材を含み、磁気ヘッドが接触しても表面が損傷しにくく、良好な記録・再生特性が確実に得られる信頼性が高い磁気記録媒体及びこれを備える磁気記録再生装置を実現することができる。
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1に示されるように、本発明の第1実施形態に係る磁気記録再生装置10は、磁気記録媒体12と、磁気記録媒体12に対してデータの記録/再生を行うために磁気記録媒体12の表面に近接して浮上可能であるように設置された磁気ヘッド14と、を備えている。
尚、磁気記録媒体12はチャック16に固定され、該チャック16と共に回転自在とされている。又、磁気ヘッド14は、アーム18の先端近傍に装着され、アーム18はベース20に回動自在に取付けられている。これにより、磁気ヘッド14は磁気記録媒体12の径方向に沿う円弧軌道で磁気記録媒体12の表面上で浮上して可動とされている。
磁気記録媒体12は、円板状の垂直記録型のディスクリートトラックメディアで、図2に示されるように、基板22の上に所定の凹凸パターンで形成され、該凹凸パターンの凸部として記録要素24Aが形成された記録層24と、記録要素24Aの間の凹部26に充填された非磁性の充填材28と、を含み、充填材28に特徴を有している。他の構成については、本実施形態の理解のために特に必要とは思われないため、説明を適宜省略することとする。
充填材28は、実質的にSi(ケイ素)及びO(酸素)からなり、Siの原子数に対するOの原子数の比率が1.5以上、2未満である。充填材28は、記録要素24Aの上面の高さまで凹部26を充填している。
基板22は、記録層24側の面が鏡面研磨されている。基板22の材料としては、ガラス、NiPで被覆したAl合金、Si、Al等の非磁性材料を用いることができる。
記録層24は、厚さが5〜30nmである。記録層24の材料としては、CoCrPt合金等のCoCr系合金、FePt系合金、これらの積層体、SiO等の酸化物系材料の中に上記の各材料やCoPt等の強磁性粒子をマトリックス状に含ませた材料等を用いることができる。記録要素24Aは、データ領域において径方向に微細な間隔の同心円状のトラック形状で形成されており、図2はこれを図示したものである。又、記録要素24Aは、サーボ領域において所定のサーボ情報のパターン形状で形成されている(図示省略)。
記録要素24A及び充填材28の上には保護層36、潤滑層38がこの順で形成されている。
保護層36は、厚さが1〜5nmである。保護層36の材料としては、例えば、ダイヤモンドライクカーボンと呼称される硬質炭素膜等を用いることができる。尚、本出願において「ダイヤモンドライクカーボン(以下、「DLC」という)」という用語は、炭素を主成分とし、アモルファス構造であって、ビッカース硬度測定で2×10〜8×1010Pa程度の硬さを示す材料という意義で用いることとする。又、潤滑層38は、厚さが1〜2nmである。潤滑層38の材料としては、PFPE(パーフロロポリエーテル)やフォンブリン系潤滑剤等を用いることができる。
又、基板22及び記録層24の間には、下地層40、反強磁性層42、軟磁性層44、記録層24に厚さ方向(表面に垂直な方向)の磁気異方性を付与するための配向層46が形成されている。下地層40は、厚さが2〜40nmである。下地層40の材料としてはTa等を用いることができる。反強磁性層42は、厚さが5〜50nmである。反強磁性層42の材料としてはPtMn合金、RuMn合金等を用いることができる。軟磁性層44は、厚さが50〜300nmである。軟磁性層44の材料としては、Fe(鉄)合金、Co(コバルト)アモルファス合金、フェライト等を用いることができる。尚、軟磁性層44は、軟磁性を有する層と、非磁性層と、の積層構造であってもよい。配向層46は、厚さが2〜40nmである。配向層46の具体的な材料としては、非磁性のCoCr合金、Ti、Ru、RuとTaの積層体、MgO等を用いることができる。
次に、磁気記録再生装置10の作用について説明する。
磁気記録再生装置10は、記録要素24Aの間の凹部26を充填する充填材28が、実質的にSi及びOからなり、Siの原子数に対するOの原子数の比率が1.5以上、2未満であるので、記録要素24Aの側面が腐食しにくい。これは、充填材28の組織が緻密であり、充填材28が、潤滑層38、保護層36を通り抜けた大気や水分等から記録要素24Aの側面を遮断するためと考えられる。
更に、充填材28は、実質的にSi及びOからなり化学的に安定しているので、充填材28自体も腐食しにくい。
又、磁気記録媒体12は、保護層36の厚さが1〜5nmしかないにも拘わらず、保護層36が損傷しにくい。これは、充填材28中のSiの原子数に対するOの原子数の比率が1.5以上、2未満であるため、保護層36を支持する充填材28の硬度及び剛性が高く、磁気ヘッド14が接触した場合、充填材28の変形が抑制され、これにより保護層36の変形も抑制されるためと考えられる。
又、充填材28は硬度が高いので、万が一、保護層36の一部が剥離しても、磁気ヘッド14との接触による磁気記録媒体12の表面の摩耗が抑制される。
このように磁気記録再生装置10は、保護層36が薄いので、記録層24と磁気ヘッド14との磁気的スペースが小さく、又、磁気記録媒体12の表面が損傷しにくく磁気ヘッド14の浮上が安定するので良好な記録/再生特性が得られる。
又、磁気記録媒体12は、記録要素24Aが、データ領域においてトラック形状で形成されているので面記録密度が高くても記録対象のトラックに隣りあう他のトラックへの誤った情報の記録や再生時のクロストーク等の問題が生じにくく、この点でも良好な記録/再生特性が得られる。
更に、磁気記録媒体12は、記録要素24A同士が分割され、記録要素24A間の凹部26には記録層24が存在しないので凹部26からノイズが発生することがなく、この点でも良好な記録/再生特性が得られる。
尚、本第1実施形態において、磁気記録媒体12は、充填材28が凹部26内だけに設置されているが、図3に示される本発明の第2実施形態のように、充填材28が記録要素24Aの上面にも形成されて記録層24を被覆する構成としてもよい。
このようにすることで、記録要素24Aの側面だけでなく、記録要素24Aの上面も充填材28により酸素や水分等から遮断され、記録要素24Aの全面の腐食を抑制する効果が得られる。
又、前記第1及び第2実施形態において、磁気記録媒体12は、記録層24の上に保護層36、潤滑層38が形成されているが、これらの一方、又は両方を省略した構成としてもよい。この場合も、充填材28の材料として、実質的にSi及びOからなり、Siの原子数に対するOの原子数の比率が1.5以上、2未満である材料を用いることで、記録要素24Aの腐食を抑制し、且つ、磁気ヘッド14との接触による磁気記録媒体12の表面の損傷を抑制する効果が得られる。
又、前記第1及び第2実施形態において、基板22と、記録層24と、の間に下地層40、反強磁性層42、軟磁性層44、配向層46が形成されているが、基板22と、記録層24と、の間の層の構成は、磁気記録媒体の種類やニーズに応じて適宜変更すればよい。又、下地層40、反強磁性層42、軟磁性層44、配向層46を省略し、基板22上に記録層24を直接形成してもよい。
又、上記第1及び第2実施形態において、磁気記録媒体12は、垂直記録型であるが、面内記録型の磁気記録媒体についても本発明は適用可能である。
又、前記第1及び第2実施形態において、磁気記録媒体12は、基板22の片面に記録層24等が形成されているが、基板の両面に記録層等が形成された両面記録式の磁気記録媒体についても本発明は適用可能である。
又、前記第1及び第2実施形態において、磁気記録媒体12はデータ領域において記録要素24Aがトラックの径方向に微細な間隔で並設されたディスクリートトラックメディアであるが、記録要素がトラックの径方向及び周方向の両方向に微細な間隔で並設されたパターンドメディア、トラックが螺旋形状をなし、記録要素がこの形状で形成された磁気記録媒体についても本発明は当然適用可能である。又、MO等の光磁気ディスク、磁気と熱を併用する熱アシスト型の磁気ディスク、更に、磁気テープ等の円板形状以外の凹凸パターンの記録層を有する他の磁気記録媒体に対しても本発明を適用可能である。
[実験例1]
上記第1実施形態の磁気記録媒体12と同様の構成を有する7種類のサンプル及び充填材28中のSiの原子数に対するOの原子数の比率が2.0以上である1種類のサンプルを20枚ずつ作製した。これら8種類のサンプルは、充填材28中のSiの原子数に対するOの原子数の比率が異なる構成であり(表1参照)、他の構成は共通である。尚、表1では、各種類のサンプルにおける充填材28中のSiの原子数に対するOの原子数の比率が0.1刻みの範囲で示されているが、これは測定精度を考慮したものである。
基板22は直径が約65mmで材料はガラスである。記録層24は、厚さが約20nmで、材料はCoCrPt合金である。保護層36は、厚さが約4nmで、材料はDLCである。潤滑層38は、厚さが約2nmで、材料はPFPEである。
これらのサンプルの具体的な作製方法を図4のフローチャートに沿って簡単に説明する。まず、基板22の上に、下地層40、反強磁性層42、軟磁性層44、配向層46、連続記録層(未加工の記録層24)、第1のマスク層、第2のマスク層をこの順でスパッタリング法等により形成し、更にレジスト層をスピンコート法で塗布した(S102)。尚、第1マスク層の材料はC、第2マスク層の材料はNiである。
このレジスト層に転写装置(図示省略)を用いて、サーボ領域のサーボパターン及びデータ領域のトラックパターンに相当する凹凸パターンをナノ・インプリント法により転写し、Oガスを用いた反応性イオンビームエッチングにより、凹部の底部のレジスト層を除去した(S104)。次に、Arガスを用いたイオンビームエッチングにより、凹部の底部の第2のマスク層を除去し(S106)、更に、Oガスを反応ガスとする反応性イオンエッチングにより、凹部の底部の第1のマスク層を除去してから(S108)、Arガスを用いたイオンビームエッチングにより、凹部の底部の連続記録層を除去し、連続記録層を多数の記録要素24Aに分割し、凹凸パターンの記録層24を形成した(S110)。尚、データ領域におけるトラックピッチ(記録要素24A同士のトラック幅方向のピッチ)は約200nmとし、記録要素24Aの上面の幅(トラック幅)が約100nmとなるように加工した。又、Oガスを反応ガスとする反応性イオンエッチングにより、記録要素24A上に残存する第1のマスク層を完全に除去した。
次に、RFスパッタリング法により記録層24の表面に充填材28を約80nmの厚さ(記録要素24A上の厚さ)に成膜した(S112)。この際、成膜パワー(ターゲットに印加するパワー)を約500W、真空チャンバ内圧力を約0.3Pa、サンプルに印加するバイアスパワーを約150Wに設定した。又、ターゲットは、SiO(一酸化ケイ素)を用い、真空チャンバ内にAr及びOの混合ガスを導入した。Ar及びOの混合比を調整することで、充填材28中のSiの原子数の比率に対するOの原子数の比率を調節した。具体的には、充填材28中のSiの原子数に対するOの原子数の比率をXとして、Xを8種類の範囲に調節し(表1参照)、各種類の充填材28をそれぞれ20枚のサンプルに成膜した。
充填材28は、記録層24の凹凸パターンに倣って、表面の凹凸がある程度抑制された形状で記録要素24Aを覆うようにサンプルの上に成膜され、凹部26に充填材28が充填された。
尚、ターゲットとしてSiOを用いてもよい。この場合も、スパッタリングガスの種類や圧力、成膜パワー等の条件を調整することで、充填材28中のSiの原子数の比率に対するOの原子数の比率を調節することが可能である。
次に、サンプルを回転させながらArガスを用いたイオンビームエッチングによりサンプルの表面の余剰の充填材28(記録要素24Aの上面よりも上側に存在する充填材28)を除去し、平坦化した(S114)。尚、Arガスの入射角を被加工体の表面に対して約2°に設定した。充填材28は、実質的にSi及びOからなるので、イオンビームエッチングに対し、凸部が凹部よりも選択的に速く除去される傾向が強く、平坦化効率が良い。
次に、CVD法により記録要素24A及び充填材28の上面に約4nmの厚さでDLCの保護層36を形成し(S116)、更に、スピンコート法により保護層36の上に約2nmの厚さでPFPEの潤滑層38を塗布した(S118)。
このようにして得られた8種類のサンプルに対し、中心から半径方向に17〜21mmの幅が4mmの領域において、シーク速度15m/secにて、2000万回の磁気ヘッド14のシーク試験を行った。この際、磁気ヘッド14は、浮上高さが10nmとなるようにサスペンション荷重を調節した。シーク試験後、サンプルの表面を光学式表面検査装置にて観察し、スクラッチの有無を調べた。これらの測定結果を表1に示す。尚、スクラッチの測定結果はスクラッチの発生が認められたサンプルの枚数として示す。
又、シーク試験後、これらのサンプルの充填材28中のSiの原子数に対するOの原子数の比率をXRF(X−Ray Fluorescene Analysis)法により測定したところ、いずれも表1に示される、それぞれの種類の範囲内であることが確認された。
Figure 2006236474
[実験例2]
上記実験例1に対し、未加工の20nmの一様な厚さの連続記録層の上に充填材28を約20nmの厚さで成膜した8種類のサンプルを20枚ずつ作製した。これら8種類のサンプルは、上記実験例1と同様に充填材28中のSiの原子数に対するOの原子数の比率が異なる構成である(表1参照)。尚、充填材28により腐食を抑制する効果を確認するため、充填材28の上に保護層36、潤滑層38は形成しなかった。他の構成は上記実験例1のサンプルと同様である。
これら8種類のサンプルを、温度80℃、湿度85%の高温高湿環境下に約48時間保持した後、表面を光学式表面検査装置にて観察し、連続記録層の腐食の有無を調べた。これらの測定結果を表1に併記する。尚、腐食の測定結果は腐食の発生が認められたサンプルの枚数として示す。
表1に示されるように、2.0≦X<2.1の20枚のサンプルは、そのうちの3枚に腐食の発生が認められた。これに対し、1.9≦X<2.0の20枚のサンプルは、そのうちの1枚だけに腐食の発生が認めら、1.3≦X<1.9の120枚のサンプルには、腐食の発生が全く認められなかった。即ち、X<2.0とすることで記録層の腐食を抑制でき、X<1.9とすることで、記録層の腐食を抑制する効果を著しく高めることができることが確認された。尚、実験例2では便宜上、連続記録層の上に充填材28を一様に形成し、充填材28により連続記録層の上面の腐食を抑制する効果を確認したが、X<2.0の充填材で記録要素の間の凹部を充填すれば、記録要素の側面の腐食を抑制する効果が得られることは言うまでもない。
又、表1に示されるように、実験例1では、1.3≦X<1.4の20枚のサンプルは、そのうちの3枚にスクラッチの発生が認められ、1.4≦X<1.5の20枚のサンプルは、そのうちの1枚にスクラッチの発生が認められたのに対し、1.5≦Xの120枚のサンプルには、スクラッチの発生が全く認められなかった。即ち、1.5≦Xとすることで、表面のスクラッチの発生を抑制できることが確認された。
本発明は、例えば、ディスクリートトラックメディア、パターンドメディア等の凹凸パターンで形成された記録層を有する磁気記録媒体に利用することができる。
本発明の第1実施形態に係る磁気記録再生装置の要部の概略構造を模式的に示す斜視図 同磁気記録再生装置の磁気記録媒体の構造を模式的に示す側断面図 本発明の第2実施形態に係る磁気記録媒体の構造を模式的に示す側断面図 実験例1に係るサンプルの製造方法の概要を示すフローチャート
符号の説明
10…磁気記録再生装置
12…磁気記録媒体
14…磁気ヘッド
16…チャック
18…アーム
20…ベース
22…基板
24…記録層
24A…記録要素
26…凹部
28…充填材
36…保護層
38…潤滑層
40…下地層
42…反強磁性層
44…軟磁性層
46…配向層
S102…サンプルの加工出発体作製工程
S104…レジスト層加工工程
S106…第2のマスク層加工工程
S108…第1のマスク層加工工程
S110…記録層加工工程
S112…充填材成膜工程
S114…平坦化工程
S116…保護層形成工程
S118…潤滑層塗布工程

Claims (4)

  1. 基板上に所定の凹凸パターンで形成され、該凹凸パターンの凸部として記録要素が形成された記録層と、前記記録要素の間の凹部に充填された充填材と、を含み、該充填材は、実質的にSi及びOからなり、Siの原子数に対するOの原子数の比率が1.5以上、2未満であることを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 請求項1において、
    前記充填材は、Siの原子数に対するOの原子数の比率が1.9未満であることを特徴とする磁気記録媒体。
  3. 請求項1又は2において、
    前記充填材が前記記録要素の上面にも形成され、前記記録層を被覆していることを特徴とする磁気記録媒体。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の磁気記録媒体と、該磁気記録媒体に対してデータの記録/再生を行うために該磁気記録媒体の表面に近接して浮上可能であるように設置された磁気ヘッドと、を備えることを特徴とする磁気記録再生装置。
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