JP5438553B2 - 車両用ホイール及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、車両用ホイールと、その製造方法に関する。更に詳しくは、サイドゲート方式の鋳造法で成形されたホイール前駆体のリム部にスピニング加工を施すことにより得られ、リム部の周方向の強度のバラツキが小さく、周方向全体の強度バランスに優れた車両用ホイールと、その製造方法に関する。
従来、軽量なアルミニウム合金材料からなる車両用ホイールを、鋳造法を利用して製造する場合には、キャビティの中心部に通じるゲート(湯口)を設けた金型を用い、溶湯がディスク部からリム部に向かって流れるよう注湯するセンターゲート方式の鋳造法が広く採用されてきた。
近年、燃費向上等の観点から、車両用ホイールの更なる軽量化が要請されており、これに対応すべく、従来のセンターゲート方式の鋳造法に代えて、サイドゲート方式の鋳造法が車両用ホイールの製造に採用されつつある。サイドゲート方式の鋳造法とは、キャビティのリム部に相当する部位に通じるゲートを複数(通常は、ホイール軸に対して対称になる位置に2個)設けた金型を用い、溶湯がリム部からディスク部に向かって流れるよう注湯するものである。このようにゲートをキャビティの中心部ではなく、リム部に通じるように設けると、ホイールのデザイン部に当たる金型中央部分の冷却が可能になり、冷却速度を高めることができる。アルミニウム合金は、鋳造の際の冷却速度を速くすると、金属組織が微細化して、強度が高くなる性質があるため、サイドゲート方式の鋳造法を採用すると、より薄肉・軽量で強度の高い車両用ホイールが得られる。
しかしながら、サイドゲート方式の鋳造法を用いて車両用ホイールを製造した場合、ホイールのリム部の内、鋳造時に鋳造型のゲートの位置に対応していた部位(以下、「ゲート対応部位」と言う場合がある。)は、リム部の他の部位より凝固が遅れるため、組織が粗くなって強度が低くなる傾向にあり、その結果、リム部の周方向において強度のバラツキが生じるという問題がある。リム部の周方向において強度のバラツキが有ると、当該リム部において最も強度が低いゲート対応部位でも必要な強度を確保できるように、リム部周方向全体の肉厚を設定する必要があるため、このようなリム部の周方向における強度のバラツキは、リム部の薄肉化によるホイールの軽量化を図る上で大きな足枷となる。
このようなリム部の周方向における強度のバラツキを抑制することを目的とした技術として、特許文献1には、サイドゲート方式の鋳造法を用いて鋳造されたホイール素材(ホイール前駆体)に対し、インナーフランジ側リム端の周方向に沿って、スピニング加工等の塑性加工を施すことにより、組織を緻密化して強度を向上させる技術が開示されている。
しかしながら、この特許文献1に開示された技術では、リム部の強度を全体的に向上させることはできるものの、ゲート対応部位の他の部位に対する相対的な強度は低いままであり、リム部の周方向における強度のバラツキそのものが解消される訳ではない。
特開2003−117625号公報
本発明は、このような従来の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、サイドゲート方式の鋳造法を用いて製造された車両用ホイールであって、リム部の周方向における強度のバラツキが少なく、周方向全体の強度バランスに優れたものを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明によれば、以下の車両用ホイールとその製造方法が提供される。
[1] 2つのゲートがホイール軸に対して対称になる位置に設けられたサイドゲート方式のホイール鋳造用金型を用い、アルミニウム合金材料をサイドゲート方式の鋳造法により鋳造して得られた、ホイールの近似形状を有するホイール前駆体に対し、当該ホイール前駆体のリム部の全周に渡って一様にスピニング加工を施すことにより、前記リム部の断面外周形状を所定径の円形に成型した車両用ホイールであって、前記ホイール前駆体は、前記リム部の肉厚が、前記ゲートの位置に対応する部位であるゲート対応部位から、前記ゲート対応部位より周方向に90゜移動させた部位である90゜移動部位に向かって漸次肉薄となるような形状に鋳造されたホイール前駆体であり、当該ホイール前駆体に前記スピニング加工を施すことにより、前記ゲート対応部位の加工率を、前記90゜移動部位の加工率よりも積極的に高め、前記ゲート対応部位の前記スピニング加工による強度向上の度合いを、前記リム部の他の部位の前記スピニング加工による強度向上の度合いよりも大きくした車両用ホイール。
[2] 前記90゜移動部位から前記ゲート対応部位に向かって漸次加工率が高くなる[1]に記載の車両用ホイール。
[3] 前記ゲート対応部位の加工率と、前記90゜移動部位の加工率との差が、5%以上である[1]又は[2]に記載の車両用ホイール。
[4] 前記ゲート対応部位の加工率が、25〜60%である[1]〜[3]の何れかに記載の車両用ホイール。
[5] 2つのゲートがホイール軸に対して対称になる位置に設けられたサイドゲート方式のホイール鋳造用金型を用い、アルミニウム合金材料をサイドゲート方式の鋳造法により鋳造して、リム部の肉厚が、前記ゲートの位置に対応する部位であるゲート対応部位から、前記ゲート対応部位より周方向に90゜移動させた部位である90゜移動部位に向かって漸次肉薄となるような、ホイールの近似形状を有するホイール前駆体を得、当該ホイール前駆体に対し、当該ホイール前駆体のリム部の全周に渡って一様にスピニング加工を施すことにより、前記リム部の断面外周形状を所定径の円形に成型する車両用ホイールの製造方法。
本発明の車両用ホイールは、サイドゲート方式の鋳造法を用いた場合に、リム部の他の部位に比して強度が低くなるゲート対応部位の加工率を積極的に高めることにより、ゲート対応部位のスピニング加工による強度向上の度合いが、リム部の他の部位のスピニング加工による強度向上の度合いよりも大きくなっており、その結果、リム部のゲート対応部位と他の部位との強度差が小さくなって、周方向全体の強度バランスに優れたホイールとなる。また、本発明の車両用ホイールの製造方法によれば、前記のような周方向全体の強度バランスに優れた車両用ホイールを得ることができる。
本発明において、ホイール前駆体の鋳造に使用されるサイドゲート方式のホイール鋳造用金型の一例を示す概略断面図である。 ホイール前駆体の一例を示す概略断面図である。 ホイール前駆体にスピニング加工を施すことによるリム部の肉厚変化を示す概略図である。 スピニング加工の方法を説明するための説明図である。 リム部の断面内周形状が正多角形であるホイールの概略断面図である。 リム部における加工率と耐力及び引張強さとの関係を示すグラフである。 リム部における加工率と伸びとの関係を示すグラフである。 リム部における加工率と衝撃値との関係を示すグラフである。 リム部における加工率と疲労特性との関係を示すグラフである。 サイドゲート方式の鋳造法により鋳造されたホイール前駆体のスピニング加工を施す前(加工率0%)のリム部断面の顕微鏡写真である。 サイドゲート方式の鋳造法により鋳造されたホイール前駆体のリム部に、加工率が25%となるようにスピニング加工を施した後のリム部断面の顕微鏡写真である。 サイドゲート方式の鋳造法により鋳造されたホイール前駆体のリム部に、加工率が40%となるようにスピニング加工を施した後のリム部断面の顕微鏡写真である。 サイドゲート方式の鋳造法により鋳造されたホイール前駆体のリム部に、加工率が55%となるようにスピニング加工を施した後のリム部断面の顕微鏡写真である。
以下、本発明を具体的な実施形態に基づき説明するが、本発明は、これに限定されて解釈されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々の変更、修正、改良を加え得るものである。
本発明の車両用ホイールは、2つのゲートがホイール軸に対して対称になる位置に設けられたサイドゲート方式のホイール鋳造用金型を用い、アルミニウム合金材料をサイドゲート方式の鋳造法により鋳造して得られた、ホイールの近似形状を有するホイール前駆体に対し、当該ホイール前駆体のリム部の全周に渡って一様にスピニング加工を施すことにより、前記リム部の断面外周形状を所定径の円形に成型したものである。この車両用ホイールにおいて、前記ホイール前駆体は、前記リム部の肉厚が、前記ゲートの位置に対応する部位であるゲート対応部位から、前記ゲート対応部位より周方向に90゜移動させた部位である90゜移動部位に向かって漸次肉薄となるような形状に鋳造されたホイール前駆体であり、当該ホイール前駆体に前記スピニング加工を施すことにより、前記ゲート対応部位の加工率を、前記90゜移動部位の加工率よりも高めている。
なお、本発明において、「加工率」とは、スピニング加工を施す前のリム部のある部位の厚さをDとし、スピニング加工を施した後のリム部の同一部位の厚さをDとするとき、下式(1)により求められる値である。
加工率[%]=(D−D)/D×100 ・・・(1)
また、本発明において、「ホイールの近似形状有する」とは、鋳造後に、スピニング加工や機械加工等の加工を施すことによって、最終的なホイールの製品形状を付与し得るような形状であることを意味する。
図1は、本発明において、ホイール前駆体の鋳造に使用されるサイドゲート方式のホイール鋳造用金型の一例を示す概略断面図(当該金型により鋳造されるホイール前駆体のホイール軸に対し垂直な断面の概略断面図)である。このホイール鋳造用金型11は、前記のとおり、サイドゲート方式のホイール鋳造用金型であり、2つのゲート13がホイール軸に対して対称になる位置に設けられている。すなわち、これら2つのゲートは、一方のゲートより周方向に180゜移動した位置に他方のゲートが存在するという位置関係にある。
また、このホイール鋳造用金型11においては、リム部の内周面側の形状を付与する金型の内側部分11aは、その断面外周形状が円形であるのに対し、リム部の外周面側の形状を付与する金型の外側部分11bは、その断面内周形状が略楕円形(楕円形又はそれに類する形状)で、かつ、その長軸の両端がそれぞれゲート13の位置に対応する位置となっている。
このような構造のホイール鋳造用金型11のゲート13より、アルミニウム合金材料の溶湯をキャビティ15内に注湯して凝固させることにより、図2のように、リム部3の肉厚が、ゲート13の位置に対応する部位であるゲート対応部位3aから、このゲート対応部位3aより周方向に90゜移動させた部位である90゜移動部位3bに向かって漸次肉薄となるような形状、換言すれば、90゜移動部位3bからゲート対応部位3aに向かって漸次肉厚となるような形状のホイール前駆体1が鋳造される。
本発明の車両用ホイールは、このようにリム部3の肉厚が不均一になるよう鋳造されたホイール前駆体1に対し、当該ホイール前駆体1のリム部3の全周に渡って一様にスピニング加工を施すことにより、リム部3の断面外周形状を所定径の円形に成型したものである。このようなスピニング加工による成型を施すと、図3に示すように、ホイール前駆体1のリム部3において、肉厚が厚かった部位、すなわちゲート対応部位3aに近い部位ほど、スピニング加工による肉厚の減少量が大きく、高加工率となり、ゲート対応部位3aの加工率が、90゜移動部位3bの加工率よりも高い車両用ホイール5が得られる。
図6は、リム部における加工率と耐力及び引張強さとの関係を示すグラフであり、図7は、リム部における加工率と伸びとの関係を示すグラフである。また、図8は、リム部における加工率と衝撃値との関係を示すグラフであり、図9は、リム部における加工率と疲労特性との関係を示すグラフである。これらの図から、加工率が高まるにつれて、強度に関係する諸特性は、概ね向上することがわかる。このように、加工率が高まるにつれて、強度に関係する諸特性が改善するのは、加工率が高い程、鋳造組織の結晶粒がリム部の周方向に大きく引き延ばされ、リム部の厚み方向において、組織が緻密化するためであると考えられる。
なお、図6における「耐力」及び「引張強さ」並びに図7における「伸び」は、JIS Z2241に準じて測定されたものであり、図8における「衝撃値」は、JIS Z2242に準じて測定されたものである。また、図9における「疲労特性(応力と破断回数)」は、JIS Z2273に準じて測定されたものである。
本発明の車両用ホイールは、ホイール前駆体のリム部の肉厚を予め前記のように不均一とすることで、サイドゲート方式の鋳造法を用いた場合に、リム部の他の部位に比して強度が低くなるゲート対応部位の加工率を積極的に高めている。このため、リムのゲート対応部位のスピニング加工による強度向上の度合いが、リム部の他の部位のスピニング加工による強度向上の度合いよりも大きくなっており、その結果、リムのゲート対応部位と他の部位との強度差がスピニング加工を施す前より小さくなって、周方向全体の強度バランスに優れたホイールとなる。
なお、リム部の異なる部位間における加工率の高低は、それぞれの部位の断面の組織の状態を観察することによって判断することができる。図10は、サイドゲート方式の鋳造法により鋳造されたホイール前駆体のスピニング加工を施す前(加工率0%)のリム部断面の顕微鏡写真である。また、図11〜13は、サイドゲート方式の鋳造法により鋳造されたホイール前駆体のリム部に、それぞれ加工率が25%、40%、55%となるようにスピニング加工を施した後のリム部断面の顕微鏡写真である。図10〜13を見比べると、加工率が高いものの方が、結晶粒がリム部の周方向(図の左右方向)に大きく引き延ばされ、リム部の厚み方向(図の上下方向)において、組織がより緻密化していることがわかる。
なお、鋳造直後のホイール前駆体1には、ゲートに通じる湯道内で凝固した材料(図2の符号7で示した部分)が一体的に繋がった状態となっており、この材料部分は、離型後に除去される。
本発明において、ゲート対応部位の加工率と、90゜移動部位の加工率との差は、5%以上であることが好ましく、10%以上であることがより好ましい。ゲート対応部位の加工率と、90゜移動部位の加工率との差が5%未満であると、サイドゲート方式の鋳造法を用いたことに起因するゲート対応部位と90゜移動部位との強度差が十分に解消されず、リム部の周方向全体の強度バランスがあまり改善されない場合が有る。
本発明において、ゲート対応部位の加工率は、25〜60%であることが好ましく、40〜60%であることがより好ましい。ゲート対応部位の加工率が30%未満であると、スピニング加工によるゲート対応部位の強度向上効果が十分に得られず、サイドゲート方式の鋳造法を用いたことに起因するゲート対応部位とリム部の他の部位との強度差が十分に解消されない場合がある。また、加工率が高くなるほど、スピニング加工に要する時間が長くなり、加工コストも増大するので、ゲート対応部位の加工率は、60%以下とすることが好ましい。
次に、本発明の車両用ホイールの製造方法について説明する。本発明の車両用ホイールの製造方法は、これまで説明した本発明の車両用ホイールを製造するためのものであり、2つのゲートがホイール軸に対して対称になる位置に設けられたサイドゲート方式のホイール鋳造用金型を用い、アルミニウム合金材料をサイドゲート方式の鋳造法により鋳造して、リム部の肉厚が、前記ゲートの位置に対応する部位であるゲート対応部位から、前記ゲート対応部位より周方向に90゜移動させた部位である90゜移動部位に向かって漸次肉薄となるような、ホイールの近似形状を有するホイール前駆体を得、当該ホイール前駆体に対し、当該ホイール前駆体のリム部の全周に渡って一様にスピニング加工を施すことにより、前記リム部の断面外周形状を所定径の円形に成型するものである。
ホイール鋳造用金型には、前述のとおり、図1に示すようなサイドゲート方式のホイール鋳造用金型11を用いる。前述のとおり、このホイール鋳造用金型11においては、2つのゲート13がホイール軸に対して対称になる位置に設けられている。また、このホイール鋳造用金型11においては、リム部の内周面側の形状を付与する金型の内側部分11aは、その断面外周形状が円形であるのに対し、リムの外周面側の形状を付与する金型の外側部分11bは、その断面内周形状が略楕円形(楕円形又はそれに類する形状)で、かつ、その長軸の両端がそれぞれゲート13の位置に対応する位置となっている。
このような構造のホイール鋳造用金型11のゲート13より、アルミニウム合金材料の溶湯をキャビティ15内に注湯して凝固させることにより、図2のように、リム部3の肉厚が、ゲート13の位置に対応する部位であるゲート対応部位3aから、このゲート対応部位3aより周方向に90゜移動させた部位である90゜移動部位3bに向かって漸次肉薄となるような形状、換言すれば、90゜移動部位3bからゲート対応部位3aに向かって漸次肉厚となるような形状のホイール前駆体1を鋳造する。
本発明の車両用ホイールの製造方法においては、このようにリム部3の肉厚が不均一になるよう鋳造されたホイール前駆体1に対し、当該ホイール前駆体1のリム部3の全周に渡って一様にスピニング加工を施すことにより、リム部3の断面外周形状を所定径の円形に成型する。
スピニング加工は、フローフォーミングとも称される加工技術であり、具体的には、図4に示すように、ホイール前駆体1の内部にマンドレル21を装着して、マンドレル21を軸回転させることにより、ホイール前駆体1に回転を付与しながら、リム部3の外周にに回転機構を持つローラー23を押し当てることにより、リム部3を軸方向に引き延ばして肉厚を減少させつつ、リム部3の断面外周形状を所定径の円形に成型し、車両用ホイール5を得る。
このスピニング加工により、リム部3の断面外周形状は円形に成型されることになるため、図3に示すように、ホイール前駆体1のリム部3において、肉厚が厚かった部位、すなわちゲート対応部位3aに近い部位ほど、スピニング加工による肉厚の減少量が大きく、高加工率となり、ゲート対応部位3aの加工率が、90゜移動部位3bの加工率よりも高い本発明の車両用ホイール5が得られる。
なお、スピニング加工において、マンドレル21には、通常、断面形状(軸方向に垂直な断面の形状)が円形のものが使用されるが、本発明において、ホイール前駆体のリム部にスピニング加工を施すに際しては、断面形状が円形のマンドレルの他、断面形状が正多角形のマンドレルを使用してもよい。断面形状が正多角形のマンドレルを使用した場合、スピニング加工の際に、ローラー23によって、リム部3がマンドレル21押し付けられることにより、リム部3の内周面にマンドレル21の正多角形形状が転写されて、図5に示すような、リム部3の断面内周形状が正多角形の車両用ホイール5が得られる。
リム部の平均肉厚が同程度である場合、リム部の断面内周形状が円形のホイールに比べて、リム部の断面内周形状が正多角形のホイールは、径方向からの外力に対してより高い強度を示すので、リム部の断面内周形状を正多角形にすることにより、ホイール全体の強度を向上させたり、リム部全体をより肉薄にすることで一層の軽量化を図ったりすることが可能となる。
本発明において、ホイール前駆体の鋳造に用いられるアルミニウム合金材料としては、鋳造用アルミニウム合金が好適に使用できる。鋳造用アルミニウム合金は限定されるものではないが、ケイ素(Si)を6.5〜7.5質量%、及び、マグネシウム(Mg)を0.2〜0.45質量%含有するものであることが好ましい。そのような合金としては、例えばAC4CH(日本工業規格)合金を挙げることができる。
本発明は、軽量化、高強度化が求められる車両用ホイール及びその製造方法として好適に利用することができる。
1:ホイール前駆体、3:リム部、3a:ゲート対応部位、3b:90゜移動部位、5:車両用ホイール、7:湯道内で凝固した材料、11:ホイール鋳造用金型、11a:金型の内側部分、11b:金型の外側部分、13:ゲート、15:キャビティ、21:マンドレル、23:ローラー。

Claims (5)

  1. 2つのゲートがホイール軸に対して対称になる位置に設けられたサイドゲート方式のホイール鋳造用金型を用い、アルミニウム合金材料をサイドゲート方式の鋳造法により鋳造して得られた、ホイールの近似形状を有するホイール前駆体に対し、当該ホイール前駆体のリム部の全周に渡って一様にスピニング加工を施すことにより、前記リム部の断面外周形状を所定径の円形に成型した車両用ホイールであって、
    前記ホイール前駆体は、前記リム部の肉厚が、前記ゲートの位置に対応する部位であるゲート対応部位から、前記ゲート対応部位より周方向に90゜移動させた部位である90゜移動部位に向かって漸次肉薄となるような形状に鋳造されたホイール前駆体であり、当該ホイール前駆体に前記スピニング加工を施すことにより、前記ゲート対応部位の加工率を、前記90゜移動部位の加工率よりも積極的に高め、前記ゲート対応部位の前記スピニング加工による強度向上の度合いを、前記リム部の他の部位の前記スピニング加工による強度向上の度合いよりも大きくした車両用ホイール。
  2. 前記90゜移動部位から前記ゲート対応部位に向かって漸次加工率が高くなる請求項1に記載の車両用ホイール。
  3. 前記ゲート対応部位の加工率と、前記90゜移動部位の加工率との差が、5%以上である請求項1又は2に記載の車両用ホイール。
  4. 前記ゲート対応部位の加工率が、25〜60%である請求項1〜3の何れか一項に記載の車両用ホイール。
  5. 2つのゲートがホイール軸に対して対称になる位置に設けられたサイドゲート方式のホイール鋳造用金型を用い、アルミニウム合金材料をサイドゲート方式の鋳造法により鋳造して、リム部の肉厚が、前記ゲートの位置に対応する部位であるゲート対応部位から、前記ゲート対応部位より周方向に90゜移動させた部位である90゜移動部位に向かって漸次肉薄となるような、ホイールの近似形状を有するホイール前駆体を得、当該ホイール前駆体に対し、当該ホイール前駆体のリム部の全周に渡って一様にスピニング加工を施すことにより、前記リム部の断面外周形状を所定径の円形に成型する車両用ホイールの製造方法。
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