JP5148837B2 - 球状黒鉛鋳鉄品の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、球状黒鉛鋳鉄品の製造方法及び球状黒鉛鋳鉄品に関する。特に本発明は、鋳造後の熱処理を行わなくても高強度である部分と靭性に優れた部分とを形成することができる球状黒鉛鋳鉄品の製造方法及び球状黒鉛鋳鉄品に関する。
従来の建設機車両用のホイールハブは、ホイールリムとは別に形成されている(例えば特許文献1参照)。ホイールハブのうちスプライン部には高強度が要求され、他の部分には靭性が要求される。
ホイールハブを鋳造で形成する場合、ホイールハブ全体を再加熱して焼き入れ及び焼き戻しを行う方法がある。しかし、この方法では工程数が増加してしまう。また形状が複雑であるため、表面と内部に温度差が生じて大きな熱応力が発生することがあり、これにより亀裂が発生して不良品となる場合が出てくる。またホイールハブ全体が高硬度になるため、靭性が要求される部分において必要な靭性が得られず、不良品となる場合もある。
また、鋳造後の鋳鉄品に部分的に熱処理を加えて焼き入れを行うことにより、場所によって異なる熱履歴を与える方法(例えば誘導加熱後強制冷却する方法)もある。しかし、この方法でも工程数が増加する。また部分的な急加熱急冷となるため、亀裂が発生して不良品となる場合が出てくる。また、形状によっては高温で安定させることが難しく、硬度にばらつきが生じることもある。
以上の理由により、鋳造後に再加熱を行う場合はコスト高になってしまう。これに対し、鋳造後に再加熱を行うことなく高強度である部分と靭性に優れた部分とを形成する技術として、特許文献1に記載された技術がある。この技術は、凝固後に鋳型の一部を取り外して大気に晒すことにより、鋳型が取り外された部分を急冷させて高硬度にするものである。
特開2000−345279号公報(図1、図2)
上記した特許文献1に記載の技術において、高硬度にすべき部分が肉厚の場合、この部分の内部の冷却速度は必要な値より低くなってしまう。このため、高硬度にすべき部分が肉厚の場合、上記した従来技術では十分な硬度を得ることができない。
また、球状黒鉛鋳鉄品において靭性を上げるには凝固速度を上げる必要がある。しかし、靭性を上げるべき部分が肉厚の場合、従来の鋳型では十分な凝固速度を得ることができない。
本発明は上記のような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、肉厚品の場合でも、鋳造後の熱処理を行うことなく、高強度である部分を形成することができる球状黒鉛鋳鉄品の製造方法及び球状黒鉛鋳鉄品を提供することにある。また本発明は、肉厚品の場合でも、靭性に優れた部分を形成することができる球状黒鉛鋳鉄品の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明に係る球状黒鉛鋳鉄品の製造方法は、鋳型内で溶湯を凝固させ、焼入れ温度に冷却する前に前記鋳型の一部を取り外して鋳物の一部を露出させ、該露出した部分にエアーブローを行うことにより前記露出した部分を急冷するものである。
本発明に係る他の球状黒鉛鋳鉄品の製造方法は、鋳型の内面の一部に、該鋳型より伝熱係数が高い材料より形成された冷し材を配置しておき、前記鋳型に溶湯を注入し、該溶湯を、前記冷し材と接する部分では急冷凝固させるものである。
この球状黒鉛鋳鉄品の製造方法において、前記急冷凝固させた後、焼入れ温度に冷却する前に前記鋳型の一部を取り外して鋳物の一部を露出させ、該露出した部分にエアーブローを行うことにより前記露出した部分を急冷してもよい。
前記露出した部分の外形は略円柱形状である場合、前記露出した部分にエアーブローを行う工程は、前記露出した部分を囲むように、略90度間隔でエアーの噴出口を配置することにより行われるのが好ましい。
前記露出した部分の冷却速度は、900℃〜550℃の範囲で20℃/分以上であるのが好ましい。
本発明に係る球状黒鉛鋳鉄品の製造方法は、ホイールリムとホイールハブとを一体で形成するための鋳型において、ホイールリムを形成する部分の内面の一部に、該鋳型より伝熱係数が高い材料より形成された冷し材を配置しておき、
前記鋳型に溶湯を注入し、該溶湯を、前記冷し材と接する部分では急冷凝固させるものである。
本発明に係る球状黒鉛鋳鉄品は、高硬度部と、該高硬度部より硬度が低い部分を有し、
前記高硬度部において、ブリネル硬度が280HB以上であり、かつ黒鉛粒数が210個/mm以上である。
前記高硬度部は、例えば、鋳型内で溶湯を凝固させて鋳物を形成した後、焼入れ温度に冷却する前に前記鋳型の一部を取り外して前記鋳物の一部を露出させ、該露出した部分にエアーブローを行うことにより形成されている。
前記硬度が低い部分の一部は、引張り強さが600N/mm以上であり、かつシャルピー衝撃値が29.4J以上の強靭部であってもよい。この場合、前記強靭部は、例えば鋳型内に、該鋳型より伝熱係数が高い材料より形成された冷し材を配置しておき、前記溶湯を、前記冷し材と接する部分で急冷凝固させることにより形成されている。
前記高硬度部において黒鉛粒数が740個/mm未満であってもよい。
前記球状黒鉛鋳鉄品は車両用のホイールハブであってもよい。この場合、前記高硬度部はスプライン部に位置している。
前記高硬度部は、前記球状黒鉛鋳鉄品の表面から深さ60mm以上の領域まで分布しているのが好ましい。
上記したように本発明によれば、肉厚品の場合でも、鋳造後の熱処理を行うことなく、高強度である部分を形成することができる。また、靭性に優れた部分を形成することができる。また、露出した部分の冷却効率が向上し、かつ冷却ばらつきを抑制することができる。
(第1の実施の形態)
以下、本発明の第1の実施の形態について、大型の建設機車両のホイールハブを球状黒鉛鋳鉄品で製造する方法を例にして説明する。このホイールハブはホイールリムと一体になっており、重量は150kg以上(多くは500kg以上)、かつ肉厚変動のある複雑な形状を有している。ホイールハブのうちスプライン部には高強度及び強靭性の双方が要求され、ホイールリム(特にR部分)には強靭性が要求される。
まず、図1の縦断面図に示すように、鋳型の湯口13から、上型10、下型20、及び中子30が組み合わされたキャビティに溶湯を注入する。溶湯は、例えばC:3.0〜4.0重量%、Si:2.0〜3.0重量%、Mn:0.2〜0.8重量%、Cu:0.5〜2.0重量%、Sn:0.03〜0.1重量%、Mg:0.03〜0.06重量%を含有している。なお、後述するように本実施形態におけるホイールハブは肉厚であるためチルの心配が無く、溶湯にBiを含有させなくても良い。また湯口13には押湯43を設ける。
鋳型は上型10、下型20、及び中子30から構成される。下型20はホイールハブ40のうちスプライン部42を鋳込む為の空洞部を有しており、上型10はホイールハブ40のうちスプライン部42以外の部分を鋳込む為の空洞部を有している。上型10によって鋳込まれる部分には、ホイールリム41が含まれる。上型10、下型20、及び中子30は鋳物砂を所定の形状に固めることにより形成されている。なお、上型10は、さらに上部11及び下部12に分割されている。
ホイールハブ40のうち上型10によって鋳込まれる部分の厚さには分布があるが、その範囲は、例えば50mm〜100mmの間である。また下型20によって鋳込まれるスプライン部42の厚さにも分布があるが、その範囲は、例えば40mm〜110mmの間である。上記したようにスプライン部42には強靭性も要求されるが、スプライン部42の厚さが50mm以上になると、鋳物砂で構成された鋳型では、内部における凝固時の冷却速度が必要な速さにはならないため、必要な靭性値が得られない。
そこで、本実施形態において下型20は、空洞部の内側面に冷し材21を有している。冷し材21は下型20の本体より熱伝導率が高い材料(例えば黒鉛)により形成されている。このため、ホイールハブ40のうち冷し材21に接する部分すなわちスプライン部42は、ホイールハブ40のほかの部分と比較して急冷凝固される。これにより、スプライン部42における球状黒鉛の粒数が210個/mm以上になり、肉厚が厚くても(例えば50mm以上)靭性が確保される。このとき、球状黒鉛の粒数を740個/mm未満となるようにしてもよい。
次いで、図2の縦断面図に示すように、スプライン部42の温度が焼入れ温度以下になる前、例えば900℃〜1000℃になったときに下型20を取り除き、スプライン部42を露出する。そしてスプライン部42にエアーブローを行い、空冷する。この空冷時間は、スプライン部42が他の部分からの伝熱により復温して焼きなましが生じることを抑制するために、90分以上とする。
これにより、スプライン部42は、例えば厚さが50mm以上であっても20℃/分以上の速度で900℃から550℃まで冷却され、高強度(ブリネル硬度が280HB以上)を有するようになる。また、比較的高い靭性も有するようになる。
図3(A)は、スプライン部42へのエアーブロー方法を説明する下面図であり、図3(B)は図3(A)の縦断面図である。エアーブローは、上型10の下部12の下面にエアー銃51を取り付けることにより行われる。エアー銃51は、90°間隔で計4箇所に設けるのが好ましい。このようにすると、スプライン部42の外形は略円柱形状であるため、図3(A)において点線で示すように、スプライン部42の側面に吹き付けられて高温になったエアーが側面に沿って回り込み、互いに衝突して効率よく外に向かって流れ出す。このため、スプライン部42の冷却効率が向上し、かつスプライン部42に冷却ばらつきが生じることを抑制できる。なお、エアー銃51の配置密度を更に高くしても良い。
また、図4の下面図に示すように、例えばエアージャケット52を用いることにより、スプライン部42の側面の全周にエアーを吹き付けても良い。
その後、上型10を、上部11及び下部12に分けることにより、ホイールハブ40を取り出す。
(第2の実施形態)
図5は、第2の実施形態に係るホイールハブの製造方法を説明する為の断面図である。本実施形態は、ホイールハブ40のホイールリム41のうち特に強靭性が要求される部分(例えば湾曲部)に必要な靭性を持たせることを目的として、上型10の空洞部内側面の必要部分に冷し材14を配置した点を除いて、第1の実施形態と同様である。冷し材14は上型10の本体より熱伝導率が高い材料(例えば金属)により形成されている。
本実施形態によれば、ホイールハブ40のホイールリム41の特定部分(例えば湾曲部)は、ホイールリム41の他の部分より急冷凝固されるため、特に高い靭性(例えばシャルピー試験による衝撃値が29.4J以上)を有するようになる。また、引張り強さが600N/mm以上になる。
なお、本実施の形態では、大型車両のホイールハブを球状黒鉛鋳鉄品で製造する方法を例にしたが、他の物(例えば大型キャリアなど単重150kg/個以上の製品)を製造する場合にも本発明を適用することができる。
(実施例)
第1の実施形態において説明した方法により、ホイールハブ40を2つ作製した(実施例1及び2)。実施例1は、90°間隔で設けられたエアー銃51を用いてスプライン部42を冷却したものであり、実施例2は、エアージャケット52を用いてスプライン部42を冷却したものである。また、第2の実施形態で示した方法により、材質としてFCD700を用いてホイールハブ40を作製した(実施例3)。更に、比較例として、下型20を開放せずにホイールハブ40の全体を鋳型内で冷却したもの(比較例1)、及び下型20を開放した後スプライン部42にエアーを吹き付けずに空冷したもの(比較例2)を作製した。
図6は、実施例1及び2並びに比較例1及び2それぞれにおける、スプライン部42の表面温度の推移を示すグラフである。実施例1及び2並びに比較例2においては、スプライン部42の温度が1000℃になったとき(鋳込み開始後30分後)に下型20が取り外されている。本グラフから明らかなように、実施例1及び2は、比較例1及び2と比較してスプライン部42の冷却速度が速く、900℃から550℃までの冷却速度は、実施例1においては20℃/分以上となっている。
図7、8、9は、それぞれ実施例1、実施例2、及び比較例2におけるスプライン部42の深さ方向の硬度分布を示す図である。本実施例においてスプライン部42には、厚さが42mmの部分(肉薄部)と厚さが110mmの部分(肉厚部)がある。実施例1において、厚さが42mmの部分の略全体がブリネル硬度280HB以上となっている。また、厚さが110mmの部分では、ブリネル硬度280HB以上の部分は少なくとも深さ60mmに達している。これに対し、比較例2においてはいずれの部分においてもブリネル硬度は280HB未満である。また、実施例2ではブリネル硬度が280HB以上の高硬度部は厚さが110mmの部分の一部に形成されている。
この結果から、空冷時にエアーブローを行うことにより、スプライン部42の冷却速度が速くなり、ブリネル硬度が高くなることが分かる。また、実施例1のように90°間隔で設けられたエアー銃51を用いてスプライン部42を冷却すると、スプライン部42の冷却速度が更に速くなって深い部分までブリネル硬度が高くなり、かつスプライン部42に冷却ばらつきが抑制されることが分かる。
図10(A)は、実施例1におけるホイールハブ40の冷却速度を示すグラフである。図10(B)に示すように、プロットAはホイールリム41の表面の冷却速度を示しており、プロットBはスプライン部42の内部の冷却速度を示しており、プロットCはスプライン部42の表面の冷却速度を示している。本グラフから、強靭性が要求されるホイールリム41の冷却速度は、凝固後において非常に遅く、靭性及び硬度の双方が要求されるスプライン部42では、表面及び内部の冷却速度は凝固後においてホイールリム41と比較して速いことが分かる。
次に、実施例1における円周方向の硬度分布について説明する。図11に示すように、エアー銃51からのエアーが直接吹き付けられる部分を基準にして、製品中心から18°間隔でサンプルを採取した(サンプル1〜サンプル6)。サンプル1及びサンプル6はエアー銃51から直接エアーが吹き付けられる部分である。
図12(A)はサンプル1のブリネル硬度分布を示す図(単位はHB)であり、図12(B)はサンプル6のブリネル硬度分布(単位はHB)を示す図である。これら2つの図を比較して分かるように、エアー銃51からエアーが吹き付けられた部分では、互いに略同じ硬度分布を有している。
図13(A)〜(C)及び図14(A)〜(C)は、それぞれサンプル1〜3及びサンプル4〜6におけるスプライン部42の硬度分布を示す図(単位はHB)である。本図に示すように、いずれのサンプルにおいても、スプライン部42は、少なくとも深さ60mmの部分までブリネル硬度が280HBとなっている。このように、スプライン部42は略全周にわたって、少なくとも深さ60mmの部分までブリネル硬度が280HBとなっており、ブリネル硬度分布にばらつきが少ないことが示されている。
図15は、上記した実施例3において冷却速度及び靭性の測定を行った場所を説明する図である。本図に示すように、実施例3において、ホイールリム41のうち冷し材14と接している部分、及び接していない部分それぞれのうち深さ20mmの部分からサンプルA、Bとして、スプライン部42のうち肉厚部すなわち冷し材21と接している部分のうち深さ20mmの部分をサンプルCとした。
図16(A)は、サンプルA〜Cにおける鋳込み直後の温度推移を示すグラフである。サンプルA及びCでは、鋳込み直後に冷し材14によって溶湯が急激に冷却されて急速に凝固しているが、サンプルBでは、冷し材14がないために、鋳込み直後の冷却速度はサンプルA及びCに対して遅く、凝固は相対的に緩やかに進行する。
図16(B)は、サンプルA〜Cの球状黒鉛粒数及びシャルピー衝撃値を示す表である。サンプルA及びCの球状黒鉛粒数は400個/mm以上であるのに対し、サンプルBの球状黒鉛粒数は156個/mmである。また、サンプルA及びCはシャルピー衝撃値が60J前後であるのに対し、サンプルBはシャルピー衝撃値が24Jである。これから明らかなように、冷し材14,21を用いて凝固速度が上昇することにより球状黒鉛粒数が増加し、靭性が向上する。
図17(A)は、実施例1〜3及び比較例2それぞれにおける各部位(表面からの深さは30〜40mm)のブリネル硬度(単位はHB)をまとめた表である。なお、フランジ1,2の場所は、例えば図17(B)に示すように屈曲している部分である(以下同様)。本表から分かるように、スプライン部42のブリネル硬度はエアーブローにより、230〜250HBから280〜320HBに向上した。またホイールリム41のうちフランジ1,2の硬度は230〜250HBだった。
図18は、実施例1〜3及び比較例2それぞれにおける各部位(表面からの深さは30〜40mm)のシャルピー衝撃値(単位はJ)をまとめた表である。本表から分かるように、スプライン部42の靭性はエアーブローにより上昇した。また、フランジ1,2の靭性は冷し材14を用いることにより、14〜23Jから36〜64Jへと大きく上昇した。
図19は、実施例1及び3におけるホイールリム41のフランジ2及びスプライン部42の引張り強さ及び伸びを示す表である。本表から分かるように、冷し材の有無では引張り強さはそれほど変化しないが、エアーブローを用いることにより引張り強さ670N/mmから850N/mm以上へ大きく上昇する。なお、伸び量は5%前後でそれほど変わらない。
図20(A)は、実施例1及び3における各部分の球状黒鉛粒数及びシャルピー衝撃値を示す表である。実施例1及び3では、スプライン部42には冷し材21が用いられているため、球状黒鉛粒数及びシャルピー衝撃値がそれぞれ200個/mm以上及び45J以上となる。
また実施例1には冷し材14が用いられていないため、ホイールリム41の球状黒鉛粒数及びシャルピー衝撃値は、フランジ1においては63個/mm及び15Jであり、フランジ2においては181個/mm及び19Jであった。これに対し、実施例3には冷し材14が用いられたため、ホイールリム41のフランジ1,2それぞれの球状黒鉛粒数及びシャルピー衝撃値は、380個/mm以上及び50J以上であった。
図20(B)は、球状黒鉛粒数とシャルピー衝撃値の関係を示すグラフである。球状黒鉛粒数が上昇するとシャルピー衝撃値も上昇するが、シャルピー衝撃値が29.4J以上になるのは冷し材を用いた場合である。
本グラフ及び図20(A)の表に示すように、冷し材を用いることにより球状黒鉛粒数及びシャルピー衝撃値それぞれが上昇する。
図21(A)は、実施例1におけるフランジ1の組織写真であり、図21(B)は実施例3におけるフランジ1の組織写真である。本写真から明らかなように、冷し材14を用いることにより黒鉛粒が微細になり、粒数が増加する。
尚、本発明は上述した実施形態又は実施例に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することが可能である。
第1の実施の形態に係るホイールハブを球状黒鉛鋳鉄品で製造する方法を説明する為の縦断面図。 図1の次の工程を説明する為の縦断面図。 第1のエアーブロー方法を説明する図であり、(A)は下面図、(B)は縦断面図。 第2のエアーブロー方法を説明する下面図。 第2の実施形態に係るホイールハブの製造方法を説明する為の断面図。 実施例1及び2並びに比較例1及び2それぞれにおけるスプライン部42の表面温度の推移を示すグラフ。 実施例1におけるスプライン部42の深さ方向の硬度分布を示す図。 実施例2におけるスプライン部42の深さ方向の硬度分布を示す図。 比較例2におけるスプライン部42の深さ方向の硬度分布を示す図。 (A)は実施例1におけるホイールハブ40の冷却速度を示すグラフ、(B)は冷却速度を測定した場所を示す図。 サンプル1〜6の採取部分を説明する図。 (A)はサンプル1のブリネル硬度分布を示す図、(B)はサンプル6のブリネル硬度分布(単位はHB)を示す図。 (A)〜(C)はサンプル1〜3におけるスプライン部42の硬度分布を示す図。 (A)〜(C)はサンプル4〜6におけるスプライン部42の硬度分布を示す図。 実施例3において冷却速度及び靭性の測定を行った場所を説明する図。 (A)はサンプルA〜Cにおける鋳込み直後の温度推移を示すグラフ、(B)はサンプルA〜Cの球状黒鉛粒数及びシャルピー衝撃値を示す表。 (A)は実施例1〜3及び比較例2それぞれにおける各部位のブリネル硬度をまとめた表、(B)はフランジ1,2の場所を説明する図。 実施例1〜3及び比較例2それぞれにおける各部位のシャルピー衝撃値をまとめた表。 実施例1及び3におけるホイールリム41のフランジ2及びスプライン部42の引張り強さ及び伸びを示す表。 (A)は実施例1及び3における各部分の球状黒鉛粒数及びシャルピー衝撃値を示す表、(B)は球状黒鉛粒数とシャルピー衝撃値の関係を示すグラフ。 (A)は実施例1におけるフランジ1の組織写真、図21(B)は実施例3におけるフランジ1の組織写真。
符号の説明
10…上型、11…上部、12…下部、13…湯口、20…下型、30…中子、40…ホイールハブ、41…ホイールリム、42…スプライン部、43…押湯

Claims (2)

  1. 鋳型内で溶湯を凝固させた後、焼入れ温度に冷却する前に前記鋳型の一部を取り外して鋳物の一部を露出させ、該露出した部分にエアーブローを行うことにより前記露出した部分を急冷する球状黒鉛鋳鉄品の製造方法であって、
    前記鋳型は、ホイールリムとホイールハブとを一体で形成するためのものであり、
    前記鋳型の一部に、該鋳型より伝熱係数が高い材料より形成された冷し材を配置しておき、
    前記冷し材は、ホイールリムを形成する部分の内面の一部に配置され
    前記鋳型に溶湯を注入し、該溶湯を、前記冷し材と接する部分では急冷凝固させ、
    前記露出した部分の外形は略円柱形状であり、
    前記露出した部分にエアーブローを行う際に、前記露出した部分を囲むように、略90°間隔でエアーの噴出口を配置する球状黒鉛鋳鉄品の製造方法。
  2. 前記露出した部分の冷却速度は、900℃〜550℃の範囲で20℃/分以上である請求項1に記載の球状黒鉛鋳鉄品の製造方法。
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