JP5437628B2 - α,ω−官能基を有するオレフィンを調製する複分解法 - Google Patents

α,ω−官能基を有するオレフィンを調製する複分解法 Download PDF

Info

Publication number
JP5437628B2
JP5437628B2 JP2008515764A JP2008515764A JP5437628B2 JP 5437628 B2 JP5437628 B2 JP 5437628B2 JP 2008515764 A JP2008515764 A JP 2008515764A JP 2008515764 A JP2008515764 A JP 2008515764A JP 5437628 B2 JP5437628 B2 JP 5437628B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
stream
olefin
unconverted
functional group
metathesis
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008515764A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008542441A (ja
JP2008542441A5 (ja
Inventor
エー. バーデット,ケニス
モクタルザデー,モルテザ
ジェイ. ティマース,フランシス
Original Assignee
ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー filed Critical ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
Publication of JP2008542441A publication Critical patent/JP2008542441A/ja
Publication of JP2008542441A5 publication Critical patent/JP2008542441A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5437628B2 publication Critical patent/JP5437628B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C6/00Preparation of hydrocarbons from hydrocarbons containing a different number of carbon atoms by redistribution reactions
    • C07C6/02Metathesis reactions at an unsaturated carbon-to-carbon bond
    • C07C6/04Metathesis reactions at an unsaturated carbon-to-carbon bond at a carbon-to-carbon double bond
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C67/00Preparation of carboxylic acid esters
    • C07C67/30Preparation of carboxylic acid esters by modifying the acid moiety of the ester, such modification not being an introduction of an ester group
    • C07C67/333Preparation of carboxylic acid esters by modifying the acid moiety of the ester, such modification not being an introduction of an ester group by isomerisation; by change of size of the carbon skeleton
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C2531/00Catalysts comprising hydrides, coordination complexes or organic compounds
    • C07C2531/16Catalysts comprising hydrides, coordination complexes or organic compounds containing coordination complexes
    • C07C2531/24Phosphines

Description

1つの態様において、本発明は、9−オクタデセン酸メチル(オレイン酸メチル)のようなα−官能基を有する(α-functionalized)内部オレフィンを、2つの複分解(metathesis)工程で、9−デセン酸メチルのようなα,ω−官能基を有するオレフィンと1−デセンのような副生成物α−オレフィンに転化させる、オレフィン複分解法に関する。
「複分解」とは、一般に、2つの反応原系オレフィン(組成は同一であってもよいし異なっていてもよい。)が二重結合(C=C)の開裂によって反応し、反応原系オレフィンとは異なる1つ以上の製品オレフィンを生成するために改質する化学工程をいう。反応原系オレフィンが組成同一であるときは、その工程は「単独複分解(homo-metathesis)」である。反応原系オレフィンが異なる組成であるときは、その工程は「交差複分解(cross-metathesis)」である。
不飽和脂肪酸または不飽和脂肪酸エステルのようなα−官能基を有する内部オレフィンのエチレンとの交差複分解は、生成物として、典型的には反応原系オレフィンの鎖長間の中間の鎖長によって特徴づけられる、価値のあるα,ω−官能基を有するオレフィンとα−オレフィンを生成する。一例として、9−オクタデセン酸メチル(オレイン酸メチル)は、複分解触媒の存在下でエチレンと複分解させ、9−デセン酸メチルと1−デセンを調製することができる。1−デセンのようなα−オレフィンは、ポリ(オレフィン)重合体の製造に有用性を見いだす。9−デセン酸メチルのようなα,ω−不飽和エステルは、容易に加水分解し、9−デセン酸のような対応するα,ω−不飽和酸にすることができ、それは熱硬化性ウレタンを含む熱硬化性重合体用途に有用性を見いだす。あるいは、α,ω−不飽和酸はα,ω−エポキシ酸に転化させることができ、それは、例えばエポキシ樹脂の製造に有用性を見いだす。
交差複分解反応は、例えば、国際公開第96/04289号パンフレットに開示されており、そこには、9−オクタデセン酸メチルをルテニウム触媒の存在下にエチレンと複分解させ、α,ω−不飽和酸またはエステルすなわち9−デセン酸メチルと副生成物α−オレフィンすなわち1−デセンを生成することが開示されている。この交差複分解法に適した触媒は、均一系ルテニウム触媒を含み、その例としては、ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)−ベンジリデンルテニウム二塩化物によって例示される、第一世代グラブス触媒(first-generation Grubbs catalysts)、およびトリシクロヘキシルホスフィン[1,3−ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)−4,5−ジヒドロイミダゾール−2−イリデン][ベンジリデン]ルテニウム二塩化物によって例示される第二世代グラブス触媒が挙げられる。それらの原理発明者ロバート・エッチ・グラブス(Robert H. Grubbs)にちなんで命名された「第一世代および第二世代グラブス触媒」は、次の説明に役立つ特許刊行物に開示されている。すなわち、国際公開第96/04289号パンフレットおよび国際公開第02/083742号パンフレットおよびそれらの引用文献。第一世代および第二世代グラブス触媒は、空気、湿気、および幅広い極性官能基(たとえば酸およびエステル官能基)に対して比較的耐性のある傾向がある。さらに、複分解法において、第二世代グラブス触媒は、反応原系がエチレンを含んでいなければ、高い触媒回転数(turnover numbers)を示す。本発明の目的のためには、「触媒回転数」とは、複分解触媒1モル当たり転化されるα−官能基を有する内部オレフィンのモル数をいうものとする。「高い」触媒回転数とは、複分解触媒1モル当たり転化されるα−官能基を有する内部オレフィンが約50,000モルよりも大きな回転数を意味するものとする。
都合の悪いことに、エチレンとの交差複分解には、第一および第二世代グラブス触媒は、急速な失活または受け入れがたい50,000よりもかなり少ない触媒回転数のいずれかを示す。結果として生じるこの触媒の不安定性は、複分解触媒の金属(典型的にはルテニウム)とエチレンの反応によって生成する金属メチリデン中間錯体の存在に関係があることを、技術は部分的に示唆している。結果的に、当業者は、均一系反応混合物から失活した触媒を回収し、その後、活性な触媒を再生し、複分解反応に再利用する仕事に直面している。不運にも、グラブス触媒の回収と再生は遂行するのが困難である。したがって、中鎖α,ω−官能基を有するオレフィンと副生成物α−オレフィンのようなより価値の高い交差複分解生成物へのα−官能基を有する内部オレフィンのエチレンとの交差複分解(エテノリシス(ethenolysis))は、商業化から遠く取り残されている。
国際公開第96/04289号パンフレット 国際公開第02/083742号パンフレット
α−官能基を有する内部オレフィンからα,ω−官能基を有するオレフィンと副生成物α−オレフィンを調製する交差複分解法であって、複分解触媒が反応原系オレフィン上のエステルまたはカルボン酸置換基のような極性官能基に反応しにくく、触媒を不安定にする中間体錯体の生成を、特にグラブス触媒について、最小にし、そして先行技術の複分解触媒と比較して触媒回転数および触媒寿命が著しく改善された交差複分解法を発見することは望ましいであろう。それらの進歩により、均一系複分解触媒を回収し、再生し、再利用するのに法外な費用がかかるというこれまでの問題は回避されるであろう。代わりに、触媒回転数および触媒寿命の著しい改善により、経済的な研究は、低濃度の触媒を使用することができることおよび触媒は最終的に失活したときに単に廃棄することができることを示す。
本発明は、次の工程を含むα,ω−官能基を有するオレフィンと3個以上の炭素原子を有するα−オレフィンを調製する新規な複分解法を提供する。
(a)第一の反応域において、第一の複分解触媒の存在下に、α,ω−官能基を有するオレフィン、官能基を有しない内部オレフィン、未転化のα−官能基を有する内部オレフィン、未転化の3個以上の炭素原子を有するα−オレフィン単量体、そして所望によりα,ω−二官能内部オレフィン二量体を含む第一の流出物流れを調製するのに十分な反応条件で、α−官能基を有する内部オレフィンと3個以上の炭素原子を有するα−オレフィン単量体とを接触させる工程、
(b)工程(a)からの第一の流出物流れを第一の分離域に導入し、そしてそれからα,ω−官能基を有するオレフィン流れ、官能基を有しない内部オレフィン流れ、未転化のα−官能基を有する内部オレフィン流れ、第一の製品α−オレフィン単量体流れ(ただし単量体は3個以上の炭素原子を有する。)、および所望によりα,ω−二官能内部オレフィン二量体流れを回収する工程、
(c)第二の反応域において、第二の複分解触媒の存在下に、3個以上の炭素原子を有するα−オレフィン単量体、未転化の官能基を有しない内部オレフィンおよび未転化のエチレンを含む第二の流出物流れを調製するのに十分な反応条件で、官能基を有しない内部オレフィン流れの一部をエチレンと接触させる工程、
(d)第二の製品α−オレフィン単量体流れ(ただし単量体は3個以上の炭素原子を有する。)、未転化のエチレン流れおよび未転化の官能基を有しない内部オレフィン流れを得るのに十分な条件で、工程(c)からの第二の流出物流れを第二の分離域に導入する工程、および
(e)製品として第一および/または第二の製品α−オレフィン単量体流れの一部を取り出し、そして第一および第二の製品α−オレフィン単量体流れの残りを工程(a)の第一の反応域に循環する工程。
正味収支において、本発明の方法は、α−官能基を有する内部オレフィンおよびエチレンの供給原料を消費し、α,ω−官能基を有するオレフィンおよび副生成物α−オレフィン(ここでは3個以上の炭素原子を有するα−オレフィン単量体)を生成し、いずれのオレフィン生成物も、α−官能基を有する内部オレフィンよりも鎖長が短い(そしてα−官能基を有する内部オレフィンとエチレンとの間の中間の鎖長である。)。本発明の方法は、先行技術のたった1つの工程で達成されるのと同じ生成物を生成するために2つの複分解工程を含むが、本発明は先行技術に比べて著しい利点がある。第一に、本発明の方法においては、グラブス触媒、特に高回転数第二世代グラブス触媒(望ましくは酸およびエステルのような極性官能基を有するオレフィンと反応しにくいもの)をうまく利用することができる。第二に、本発明の方法は、1つの複分解反応域においてグラブス触媒とエチレンの存在を分離することによって、先行技術の方法を著しく進歩させる。そのような分離は、好都合なことに、触媒を不安定にする錯体中間体の生成を回避する。特に、本発明の第一の複分解工程において、α−官能基を有する内部オレフィンは、官能基に比較的反応しにくい第一の複分解触媒、好ましくはグラブス触媒の存在下に、3個以上の炭素原子を有するα−オレフィン単量体(エチレンは除外されている。)と反応させられる。エチレンが用いられないので、3個以上の炭素原子を有するα−オレフィン単量体の代わりにエチレンが用いられる同様の方法と比較して、より高い触媒回転数とより長い触媒寿命が有益に達成される。第二の複分解反応において、第一の反応の副生成物、特に官能基を有しない内部オレフィンは、エチレンとともに有益に利用され(エテノリシス)、第一の複分解工程に必要とされる3個以上の炭素原子を有する反応原系α−オレフィン単量体を生成し、それによって2つの工程を循環させ連結する。極性官能基を含まない、この第二の複分解工程においては、いかなる複分解触媒も用いることができるが、エチレンと反応しやすいグラブス触媒は避けてもよい。この方法発明の利点と長所は、次の詳細な説明においてより明らかになるであろう。
ここに記述する発明は、α,ω−官能基を有するオレフィンおよび3個以上の炭素原子を有する副生成物α−オレフィンを調製する新規な複分解法を提供するものであり、その方法は、次の工程を含む。
(a)第一の反応域において、第一の複分解触媒の存在下で、α,ω−官能基を有するオレフィン、官能基を有しない内部オレフィン、未転化のα−官能基を有する内部オレフィン、3個以上の炭素原子を有する未転化のα−オレフィン単量体、および所望によりα,ω−二官能内部オレフィン二量体を含む第一の流出物流れを調製するのに十分な反応条件で、α−官能基を有する内部オレフィンと3個以上の炭素原子を有するα−オレフィン単量体とを接触させること、
(b)工程(a)からの第一の流出物流れを第一の分離域に導入し、そしてそれからα,ω−官能基を有するオレフィン流れ、官能基を有しない内部オレフィン流れ、未転化のα−官能基を有する内部オレフィン流れ、第一の製品α−オレフィン単量体流れ、3個以上の炭素原子を有する単量体、および所望によりα,ω−二官能内部オレフィン二量体流れを回収すること、
(c)第二の反応域において、第二の複分解触媒の存在下で、3個以上の炭素原子を有するα−オレフィン単量体、未転化の官能基を有しない内部オレフィンおよび未転化のエチレンを含む第二の流出物流れを調製するのに十分な反応条件で、官能基を有しない内部オレフィン流れの一部をエチレンと接触させること、
(d)第二の製品α−オレフィン単量体流れ、3個以上の炭素原子を有する単量体、未転化のエチレン流れおよび未転化の官能基を有しない内部オレフィン流れを得るのに十分な条件で、工程(c)からの第二の流出物流れを第二の分離域に導入すること、および
(e)製品として第一および/または第二の製品α−オレフィン単量体流れの一部を取り出し、そして第一および第二の製品α−オレフィン単量体流れの残りを工程(a)の第一の反応域に循環すること。
この方法で生成された官能基を有しない内部オレフィンは、鎖の内部位置(すなわち末端炭素原子でない。)に二重結合(C=C)を有する炭素原子の鎖を含む。用語「官能基を有しない」とは、α,ω−端末位置がいかなるさらなる官能基によっても置換されていないメチル基からなることを意味する。官能基を有しない内部オレフィンは、さらに、対称または非対称であるものとして特徴づけられてもよい。対称な形では、二重結合のいずれの側の炭素鎖も長さが等しい。対称な形は、ここでは「官能基を有しない内部オレフィン二量体」という。非対称の形では、二重結合の両側の炭素鎖の長さが等しくない。反応原系のα−官能基を有する内部オレフィンおよび反応原系の3個以上の炭素原子を有するα−オレフィン中の特定の炭素鎖長さに依存して、生成物混合物は1つまたは2つ以上の官能基を有しない内部オレフィンを含有するかもしれない。典型的には、たった1つの官能基を有しない内部オレフィンが生成される場合は、形は対称である。他方、官能基を有しない内部オレフィンの混合物が生成される場合は、混合物は典型的には1つの対称な内部オレフィンと少なくとも1つの非対称な内部オレフィンを含有する。
好ましい実施態様においては、本発明は、α,ω−官能基を有するオレフィンと3個以上の炭素原子を有する副生成物α−オレフィンを調製する方法を提供し、その方法は次の工程を含む。
(a)第一の反応域で、式
CH−(R)−CH=CH−(R′)w′−X (1)
(ここで、R、R′、w、w′およびXは後述するとおりのものである。)
によって表わされるα−官能基を有する内部オレフィンを、式
CH=CH−(R)−CH (2)
によって表わされる3個以上の炭素原子を有するα−オレフィン単量体と、第一の複分解触媒の存在下で、式
CH=CH−(R′)w′−X (3)
によって表わされるα,ω−官能基を有するオレフィン、式
CH−(R)−CH=CH−(R)−CH (4)
によって表わされる官能基を有しない内部オレフィン二量体、未転化の式(1)のα−官能基を有する内部オレフィン、未転化の式(2)の3個以上の炭素原子を有するα−オレフィン単量体、および、所望により、式
X−(R′)w′−CH=CH−(R′)w′−X (5)
によって表わされるα,ω−二官能内部オレフィン二量体を含む第一の流出物流れを調製するのに十分な反応条件で、接触させること、
(b)工程(a)からの流出物流れを第一の分離域に導入し、そしてα,ω−官能基を有するオレフィン流れ、官能基を有しない内部オレフィン二量体流れ、未転化のα−官能基を有する内部オレフィン流れ、第一の製品α−オレフィン単量体流れ、3個以上の炭素原子を有する単量体、および、所望により、α,ω−二官能内部オレフィン二量体流れを回収すること(ただし、各流れは工程(a)で示した各式によって表わされる。)、
(c)第二の反応域において、第二の複分解触媒の存在下で、式(2)で表わされる3個以上の炭素原子を有するα−オレフィン単量体、未転化の式(4)の官能基を有しない内部オレフィン二量体、および未転化のエチレンを含む第二の流出物流れを調製するのに十分な反応条件で、式(4)で表わされる官能基を有しない内部オレフィン二量体流れの一部をエチレンと接触させること、
(d)工程(c)からの第二の流出物流れを、式(2)で表わされる第二の製品α−オレフィン単量体流れ、未転化の式(4)の官能基を有しない内部オレフィン二量体流れ、および未転化のエチレン流れを得るのに十分な条件下で、第二の分離域に導入すること、および
(e)第一および/または第二の製品α−オレフィン単量体流れの一部を製品として取り出し、そして第一および第二の製品α−オレフィン単量体流れの残りを工程(a)の第一の反応域に循環させること。
上記の式(1)において、RおよびR′は、各々独立して、置換されたまたは未置換のヒドロカルビル二端遊離基(diradicals)、好ましくは置換されたまたは未置換の脂肪族ヒドロカルビル二端遊離基、より好ましくはアルキレンまたはアルキリデン二端遊離基、最も好ましくはメチレン(例えば−CH−)から選ばれ、wおよびw′は各々独立して0〜約20、好ましくは約3〜約12の整数であり、そして、Xは極性官能基であり、好ましくはカルボン酸、エステル、ホルミルおよびジアルキルアミド基から選ばれる極性官能基であり、より好ましくはC1−8エステル基である。同様に、式(2)、(3)、(4)および(5)において、R、R′、w、w′およびXの各々は、式(1)に述べた各々の定義と同様に定義される。ただし、式(2)、(3)、(4)および(5)中の各R、R′、w、w′、およびXはまた式(1)について選ばれた対応する基または数と同一である。
より好ましい実施態様においては、本発明は、9−デセン酸メチルと1−デセンを調製する連続法を提供し、その方法は次の工程を含む。
(a)第一の反応域において、9−オクタデセン酸メチル(オレイン酸メチル)と1−デセンとを、ルテニウム複分解触媒の存在下で、9−デセン酸メチル、9−オクタデセン、未転化の9−オクタデセン酸メチル、未転化の1−デセン、および所望により9−オクタデセン−1,18−二酸ジメチルを含む第一の流出物流れを調製するのに十分な反応条件で、接触させること、
(b)工程(a)からの第一の流出物流れを第一の分離域に導入し、そしてそれから9−デセン酸メチル流れ、9−オクタデセン流れ、未転化の9−オクタデセン酸メチル流れ、第一の製品1−デセン流れ、および、所望により、9−オクタデセン−1,18−二酸ジメチル流れを回収すること、
(c)第二の反応域において、不均一系複分解触媒の存在下で、1−デセン、未転化の9−オクタデセンおよび未転化のエチレンを含む第二の流出物流れを調製するのに十分な反応条件で、9−オクタデセン流れの一部をエチレンと接触させること、
(d)第二の製品1−デセン流れ、未転化のエチレン流れおよび未転化のオクタデセン流れを得るのに十分な条件で、工程(c)からの第二の流出物流れを第二の分離域に導入すること、および
(e)第一および/または第二の製品1−デセン流れの一部を製品として取り出し、そして第一および第二の製品1−デセン流れの残りを工程(a)の第一の反応域に循環させること。
別の好ましい実施態様においては、本発明は、9−デセン酸メチルと1−オクテンを調製する連続法を提供し、その方法は次の工程を含む。
(a)第一の反応域において、9−ヘキサデセン酸メチル(パルミトレイン酸メチル)と1−オクテンとを、ルテニウム複分解触媒の存在下で、9−デセン酸メチル、7−テトラデセン、未転化の9−ヘキサデセン酸メチル、未転化の1−オクテン、および、所望により、9−オクタデセン−1,18−二酸ジメチルを含む第一の流出物流れを調製するのに十分な反応条件で、接触させること、
(b)工程(a)からの第一の流出物流れを第一の分離域に導入し、そしてそれから9−デセン酸メチル流れ、7−テトラデセン流れ、未転化の9−ヘキサデセン酸メチル流れ、第一の製品1−オクテン流れ、および、所望により、9−オクタデセン−1,18−二酸ジメチル流れを回収すること、
(c)第二の反応域において、7−テトラデセン流れの一部をエチレンと、不均一系複分解触媒の存在下で、1−オクテン、未転化の7−テトラデセンおよび未転化のエチレンを含む第二の流出物流れを調製するのに十分な反応条件で、接触させること、
(d)第二の製品1−オクテン流れ、未転化のエチレン流れおよび未転化の7−テトラデセン流れを得るのに十分な条件で、工程(c)からの第二の流出物流れを第二の分離域に導入すること、および
(e)第一および/または第二の製品1−オクテン流れの一部を製品として取り出し、そして第一および第二の製品1−オクテン流れの残りを工程(a)の第一の反応域に循環させること。
本発明の好ましい実施態様を、図1を参照しながら説明する。この好ましい実施態様において、α−官能基を有する内部オレフィンを含む供給原料は、供給管路(1)を通して第一の複分解反応器(3)に導入される。同時に、3個以上の炭素原子を有するα−オレフィンを含む供給原料は、供給管路(2)を通して第一の複分解反応器(3)に導入される。供給管路(2)における当該供給原料は、商用の当該α−オレフィンの操業開始量、または当該第一の複分解反応器において未転化であった当該α−オレフィンの再循環量、またはこの方法発明の第二の複分解工程から製品として引き出された当該α−オレフィンのある量、またはそれらの組合わせを含むことができる。第一の複分解反応器(3)からの流出物流れは、流出物管路(4)を通して第一の分離域(5)に運ばれる。第一の分離域(5)において、α,ω−官能基を有するオレフィンを含む製品流れは、製品管路(6)として得られる。また、第一の分離域(5)から、製品管路(7)において、3個以上の炭素原子を有する未転化のα−オレフィンを含む流れ(第一の製品)が得られる。流出物管路(7)における3個以上の炭素原子を有する未転化のα−オレフィンの一部は、第一の複分解反応器(3)に再循環するために、管路(23)経由で管路(20)にそして管路(2)に再循環させることができる。再循環させるα−オレフィンの割合は、第一の複分解反応器(3)における化学量論条件に依存するであろう。流出物管路(7)における3個以上の炭素原子を有するα−オレフィンの残りは、抜取管路(21)経由でを抜き取ることができる。
さらに図1について言及すると、第一の分離域(5)から、流出物管路(8)において未転化のα−官能基を有する内部オレフィン流れが得られ、そして、所望により、流出物管路(9)においてα,ω−二官能内部オレフィン二量体流れが得られる。流出物管路(8)における未転化のα−官能基を有する内部オレフィンは、第一の複分解反応器(3)に再循環させるために再循環管路(10)に運ばれる。α,ω−二官能内部オレフィン二量体が生成される場合は、流出物管路(9)におけるα,ω−二官能内部オレフィン二量体の一部は、第一の複分解反応器(3)に再循環するために再循環管路(10)に供給することができる。α,ω−二官能内部オレフィン二量体の残りは、もしあれば、流出物管路(9)から管路(11)経由で廃棄物として抜き取ることができる。再度、再循環の割合は、生成される当該生成物の量および第一の複分解反応器(3)における化学量論条件に依存する。
さらに図1について言及すると、第一の分離域(5)から官能基を有しない内部オレフィンが得られ、流出物管路(12)経由で第二の複分解反応器(13)に運ばれる。官能基を有しない内部オレフィンの一部は、第二の複分解反応器において適正な化学量論を維持するために、輸送管路(12)から抜取管路(14)を通って抜き取ることができる。エチレンは、第二の複分解触媒による反応のために、供給管路(15)経由で、第二の複分解反応器(13)に供給される。3個以上の炭素原子を有するα−オレフィン単量体、未転化の官能基を有しないオレフィンおよび未転化のエチレンを含む流出物流れは、第二の複分解反応器(13)からの流出物管路(16)において得られ、そして第二の分離域(17)に供給される。未反応のエチレンを含む頂部流れは、第二の分離域(17)からの流出物管路(18)において得られ、そしてエチレン供給管路(15)経由で第二の複分解反応器(13)に再循環させられる。未転化の官能基を有しない内部オレフィンを含む底部(bottoms)流れは、底部流れ(22)経由で得られ、さらなるエテノリシスのために第二の複分解反応器(13)に再循環させられる。3個以上の炭素原子を有するα−オレフィン単量体を含む流れ(第二の製品流れ)は、第二の分離域(17)から流出物管路(20)を通って得られ、その流れの一部は管路(2)経由で第一の複分解域(3)に供給原料として再循環させられる。α−オレフィン単量体流れの残りは、典型的には、下流で用いるためにおよび第一の複分解域(3)において化学量論を維持するために、製品として抜取管路(19)経由で第二の分離域(17)から抜き取られる。
α,ω−官能基を有するオレフィン生成物を生成するために3個以上の炭素原子を有するα−オレフィンと交差複分解することができるいかなるα−官能基を有する内部オレフィンも、本発明の方法において用いることができる。ここで用いるときは、用語「α−官能基を有する内部オレフィン」とは、内部の炭素−炭素二重結合(C=C)を有しかつ末端炭素原子の1つにカルボン酸またはエステル基のような官能置換基を有する炭素原子の鎖を含む有機化合物を指すものとする。好ましいα−官能基を有する内部オレフィンは、以下に再現する上記の式(1)で表わすことができる。
CH−(R)−CH=CH−(R′)w′−X (1)
ここで、RおよびR′は、各々独立して、置換されたまたは未置換のヒドロカルビル二端遊離基、好ましくは置換されたまたは未置換の脂肪族ヒドロカルビル二端遊離基、より好ましくはアルキレンまたはアルキリデン二端遊離基、最も好ましくはメチレン(−CH−)から選ばれ、wおよびw′は、各々独立して、0〜約20、好ましくは約3〜約12の整数であり、そしてXは極性官能基であり、好ましくはカルボン酸、エステル、ホルミルおよびジアルキルアミド基から選ばれる極性官能基である。典型的には、RまたはR′は各々少なくとも約1個または2個の炭素原子を含有する。RまたはR′が置換されている場合、その置換基は複分解法において実質的に反応しない任意の基を1つまたは2つ以上含むことができる。適切な置換基としては、限定するものではないが、C1−20アルキル、C2−20アルケニル、C2−25アルキニル、C5−20シクロアルキル、C5−20アリール、C6−20アルキルアリール、C6−20アリールアルキル、ヒドロキシ、ハロ、エステル、ケト、エーテル、アミドおよびカーボネート基が挙げられる。より好ましくは、Xはカルボン酸またはエステル官能基であり、そしてα−官能基を有する内部オレフィンは不飽和脂肪酸または不飽和脂肪酸エステルを含む。
本発明の方法において用いることができる適切な不飽和脂肪酸の具体例としては、限定するものではないが、3−ヘキセン酸(ヒドロソルビン酸)、トランス−2−ヘプテン酸、2−オクテン酸、2−ノネン酸、シス−およびトランス−4−デセン酸、9−デセン酸(caproleic acid)、10−ウンデセン酸(ウンデシレン酸)、トランス−3−ドデセン酸(リンデル酸)、トリデセン酸、シス−9−テトラデセン酸(ミリストレイン酸)、ペンタデセン酸、シス−9−ヘキサデセン酸(パルミトレイン酸)、トランス−9−ヘキサデセン酸(トランス−9−パルミトレイン酸)、9−ヘプタデセン酸、シス−6−オクタデセン酸(ペトロセリン酸)、トランス−6−オクタデセン酸(ペトロセライジン酸)、シス−9−オクタデセン酸(オレイン酸)、トランス−9−オクタデセン酸(エライジン酸)、シス−11−オクタデセン酸、トランス−11−オクタデセン酸(バクセン酸)、シス−5−エイコセン酸、シス−9−エイコセン酸(godoleic acid)、シス−11−ドコセン酸(セトレイン酸)、シス−13−ドコセン酸(エルカ酸)、トランス−13−ドコセン酸(ブラシジン酸)、シス−15−テトラコセン酸(セラコレイン酸)、シス−17−ヘキサコセン酸(キシメン酸)、およびシス−21−トリアコンテン酸(ルメクェン酸)、ならびに2,4−ヘキサジエン酸(ソルビン酸)、シス−9−シス−12−オクタデカジエン酸(リノール酸)、シス−9−シス−12−シス−15−オクタデカトリエン酸(リノレン酸)、シス−9−トランス−11−トランス−13−エレオステアリン酸、12−ヒドロキシ−シス−9−オクタデセン酸(リシノール酸)、4−オキソ−トランス−9−トランス−11−トランス−13−リカン酸などが挙げられる。オレイン酸またはパルミトレイン酸が最も好ましい。不飽和脂肪酸は、商業上得ることもできるし、または脂肪酸エステルの鹸化によって合成することもでき、鹸化は当業者に知られている。
本発明の目的のためには、不飽和脂肪酸エステルは、不飽和脂肪酸とアルコールのエステル生成物である。アルコールは、不飽和脂肪酸と縮合し、対応する不飽和脂肪酸エステルを生成することができる、いかなる一価、二価または多価アルコールであってもよい。典型的には、アルコールは、1〜約20個の炭素原子(C1−20)、好ましくは1〜約12個の炭素原子(C1−12)、そしてより好ましくは1〜約8個の炭素原子(C1−8)を含有する。好ましくは、アルコールはC1−12モノアルカノールである。好ましいエステルはメチルエステルである。
適切な不飽和脂肪酸エステルは、植物油および野菜油(たとえばヒマシ油、オリーブ油、ピーナッツ油、菜種油、トウモロコシ油、ごま油、綿実油、大豆油、ヒマワリ油、紅花油、アマニ油、カノーラ油、ヤシ油などの種子油)および動物脂肪(たとえば鯨油)のエステル交換反応によって得ることができる。油は脂肪酸のトリグリセリドエステルとして自然界に存在する。本発明の目的のためには、「油のエステル交換反応」は、トリグリセリドのグリセリンが異なるアルコール、好ましくは低級モノアルカノール、すなわちC1−12モノアルカノールと交換される方法と定義される。油のエステル交換反応のための工程条件および触媒は当技術分野においてよく知られている。より好ましくは、脂肪酸エステルは、C8−25不飽和脂肪酸およびC1−8モノアルコールから誘導される。さらに好ましくは、脂肪酸エステルは、C8−25不飽和脂肪酸メチルエステル、より好ましくはオレイン酸メチルである。
この方法発明の第一の工程についてさらに言及すると、3個以上の炭素原子を有するα−オレフィン単量体が必要とされる。ここで用いるときは、用語「α−オレフィン」とは、末端の炭素−炭素二重結合(C=C)を有する炭素原子鎖を含む有機化合物をいうものとする。用語「単量体」とは、単一のα−オレフィンの分子、すなわち最も小さい分子量の形をいうものとし、それは、例えば、単量体の2つが結合し、単量体の分子量の2倍(または約2倍)の分子になった「二量体」と対比される。一般に、α−オレフィン単量体は、極性の官能基を有しないが、炭素鎖に沿ってアルキルまたは他の無極性の置換基を含有してもよい。適切なα−オレフィン単量体の具体例としては、限定するものではないが、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセンなどが挙げられる。好ましいα−オレフィン単量体は、上記に示され、かつ以下に繰り返される式(2)によって表わすことができる。
CH=CH−(R)−CH (2)
ここで、Rおよびwは、式(1)に関して前に定義したとおりであるが、式(2)におけるRおよびwのそれぞれは式(1)について選ばれたRおよびwと同一である。好ましくは、3個以上の炭素原子を有するα−オレフィン単量体はC3−15α−オレフィンである。より好ましくは、3個以上の炭素原子を有するα−オレフィン単量体はC6−12α−オレフィンであり、そして最も好ましくは1−オクテンまたは1−デセンである。式(2)におけるRおよびwが式(1)におけるRおよびwと同一でない場合、本発明の方法はなお有効であり操作可能であるが、その方法は追加のオレフィン生成物および追加の分離条件に至ることが当業者によって認識されるべきである。
α−官能基を有する内部オレフィンおよび3個以上の炭素原子を有するα−オレフィン単量体は、操作可能な複分解法を提供するいかなる量で第一の反応域に供給してもよい。典型的には、α−官能基を有する内部オレフィンと3個以上の炭素原子を有するα−オレフィンのモル比は、約0.05/1.0よりも大きく、好ましくは約0.3/1.0よりも大きい。典型的には、α−官能基を有する内部オレフィンと3個以上の炭素原子を有するα−オレフィンのモル比は、約2.0/1.0未満であり、好ましくは約1.3/1.0未満であり、そしてより好ましくは、約1.0/1.0未満である。
第一の反応域における工程(a)の第一の複分解は、α−官能基を有する内部オレフィンおよび3個以上の炭素原子を有するα−オレフィン単量体の商用供給原料で開始することができる。α−官能基を有する内部オレフィンは必要とされる供給原料であるが、本発明の全工程が他の生成物に混じって3個以上の炭素原子を有するα−オレフィン単量体を発生させるという理由から、3個以上の炭素原子を有するα−オレフィン単量体は操業開始量だけが必要とされる。このα−オレフィン単量体生成物の一部は、下流で用いるために、取り出すことができるが、α−オレフィン単量体生成物の残りは、この方法の工程(a)への供給原料として使用するために、第一の反応域に循環される。したがって、α−官能基を有する内部オレフィンは供給原料として連続的に消費されるが、商用α−オレフィン単量体の操業開始量だけが必要とされ、工程(a)のためのα−オレフィン単量体の大部分は本発明の方法の間中ずっと生成する。適切な操業開始量のα−オレフィン単量体は、前述したα−官能基を有する内部オレフィンと3個以上の炭素原子を有するα−オレフィンのモル比の範囲を満たすいかなる量であってもよい。
出発反応原系が上記の式(1)および(2)である特別の状況における代替操業開始手順として、第一の反応域における第一の複分解は、3個以上の炭素原子を有するα−オレフィン単量体なしで、α−官能基を有する内部オレフィンの商用供給原料で操業開始することができる。α−官能基を有する内部オレフィンの単独複分解は官能基を有しない内部オレフィンを生成し、それは第二の反応域において製品として3個以上の炭素原子を有するα−オレフィン単量体を生成する。この代替実施態様においては、その方法は、工程(a)の第一の反応域における方法を持続するために、3個以上の炭素原子を有するα−オレフィンの供給原料が有用な量にまで増えるまで、一時的に、α−官能基を有する内部オレフィンだけを工程(a)に供給して実行することができる。
場合によっては、液体の希釈剤は再循環条件および経費を増加させる傾向があるが、望ましくは、液体の希釈剤を工程(a)への反応原系供給原料に添加することができる。しかしながら、α−官能基を有する内部オレフィンと3個以上の炭素原子を有するα−オレフィンが完全に混和しないときは、すなわちそれらが本質的に単一相溶液として存在しないときは、液体の希釈剤は望ましいかもしれない。液体の希釈剤は、反応原系オレフィンとも混和する、いかなる熱的に安定でありかつ化学的に安定な液体であってもよい。用語「熱的に安定」とは、液体の希釈剤が工程温度で実質的に分解しないことを意味する。用語「化学的に安定」とは、液体の希釈剤がオレフィン反応原系および生成物と本質的に反応しないことを意味し、そして、また、実質的に、液体の希釈剤が触媒性能を悪影響を与えるような態様で複分解触媒に配位したり結合したりしないことも意味する。用語「混和する」とは、液体の希釈剤とオレフィン反応原系が本質的に相分離せずに均一な溶液を形成することを意味する。適切な液体の希釈剤の具体例としては、限定するものではないが、芳香族炭化水素、たとえばベンゼン、トルエン、キシレンなど;塩素化芳香族炭化水素、好ましくは塩素化ベンゼン、たとえばクロロベンゼンおよびジクロロベンゼン;アルカン、たとえばペンタン、ヘキサン、シクロヘキサンなど;ならびに塩素化アルカン、たとえば塩化メチレンおよびクロロホルムが挙げられる。用いられる液体の希釈剤の量は、特定のオレフィン反応原系および触媒に依存するであろう。当業者は、容易に適切な希釈剤の量を決定することができる。指針として、α−官能基を有する内部オレフィンの質量を基準に、約10質量%〜約100質量%の量の液体の希釈剤が適切に用いられることができる。
α−官能基を有する内部オレフィンは、通常、純粋な液体としてまたは液体の希釈剤の溶液で、反応器に供給される。3個以上の炭素原子を有するα−オレフィンは、α−オレフィンの沸騰特性および反応器の操作条件に依存して、気相または液相で反応器に供給することができる。第一の反応域における複分解工程は、酸素による妨害を最小限にするために、不活性気体雰囲気で行うことができる。適切な不活性雰囲気としては、限定するものではないが、ヘリウム、ネオン、アルゴン、窒素およびそれらの混合物が挙げられる。より好ましくは、第一の反応域における複分解工程は、本質的にいかなる反応原系および生成物の気体も溶液中に保持するために十分な静水圧で、単一の液相において行われる。
さらなる選択肢として、安定化配位子を、第一の反応域における複分解触媒および/または工程に添加してもよい。安定化配位子は、同一の工程条件で、同一の反応原系および同一の触媒であるが、安定化配位子の不在下での工程運転と比較して、例えば活性の向上または触媒寿命の延長によって測定されるような、複分解工程における触媒安定性を促進するいかなる分子またはイオンであってもよい。安定化配位子の具体例としては、限定するものではないが、トリシクロヘキシルホスフィン、トリシクロペンチルホスフィンおよびトリブチルホスフィンのようなトリ(アルキル)ホスフィン;トリ(フェニル)ホスフィン、トリ(メチルフェニル)ホスフィン(オルト、メタおよびパラ置換異性体)およびトリ(p−フルオロフェニル)ホスフィンのようなトリ(アリール)ホスフィン;ジアリールアルキルホスフィン、例えばジフェニルシクロヘキシルホスフィン;ジシクロヘキシルフェニルホスフィンのようなジアルキルアリールホスフィン;アニソールのようなエーテル;2,6−ジメチルピリジン、2−t−ブチルピリジン、2,6−ジフルオロピリジンおよび2−メチルピリジンのようなピリジン類;トリフェニルホスフィンオキシドのようなホスフィンオキシド;ならびにホスフィン酸エステル(phosphinites)、ホスホン酸エステル(phosphonites)、アミドリン酸エステル(phorphoramidites)、ならびに前述の配位子のいずれかの混合物が挙げられる。好ましくは、安定化配位子は、トリ(アルキル)ホスフィンであり、より好ましくはトリ(シクロヘキシル)ホスフィンである。しかしながら、安定化配位子の量は、用いる特定の触媒およびその特定の配位子成分に依存して変えることができる。典型的には、安定化配位子と触媒のモル比は、約0.05/1よりも大きく、好ましくは約0.5/1よりも大きい。典型的には、安定化配位子と触媒のモル比は、約2.0/1未満であり、好ましくは約1.5/1未満である。
第一の複分解触媒は、α,ω−官能基を有するオレフィンを形成するために、3個以上の炭素原子を有するα−オレフィンとα−官能基を有する内部オレフィンの交差複分解反応を促進することができるいかなる化合物または錯体であってもよい。触媒は、後述するように、未置換の内部オレフィン二量体を形成する、3個以上の炭素原子を有するα−オレフィンの単独複分解をも促進するかもしれない。適切な触媒は、カルボン酸、エステル、ホルミル、アルコールおよびジアルキルアミド基のような官能基に対する耐性を示す。適切な触媒の具体例としては、限定するものではないが、ルテニウムおよびオスミウム錯体を含む第一世代および第二世代グラブス触媒、ルテニウムおよびオスミウム錯体を含むホベイダ(Hoveyda)触媒、モリブデン錯体を含むシュロック(Schrock)触媒が挙げられ、それらは当技術分野において知られており、次の文献(すべて引用によってここに組込まれる。)に開示されている。エム・エム・ショル(M. Sholl, M.),エス・ディング(S. Ding),シー・ダブリュー・リー(C. W. Lee)およびアール・エッチ・グラブス(R. H. Grubbs),「オーガニック・レターズ(Organic Letters)」,1999年,第I巻,p.953;ジェー・キングズベリー(Kingsbury, J.)ら、「アメリカ化学会誌(Journal of the American Chemical Society)」,1999年,第121巻,p.791−799;ダブリュー・エー・ヘルマン(W. A. Herrmann)ら,「応用化学(Angewandte Chemie)」,国際版(International Edition),1995年,第21巻,p.2371−2374;アール・アール・シュロック(R. R. Schrock)ら,「アメリカ化学会誌」,1990年,第112巻,p.3875−3886;国際公開第93/20111号パンフレット、米国特許第5,312,940号明細書、国際公開第96/04289号パンフレット;国際公開第00/43343号パンフレット;および国際公開第02/076920号パンフレット。好ましい複分解触媒は、ルテニウムまたはオスミウム複分解錯体、より好ましくは第一世代または第二世代グラブスルテニウム錯体を含む。グラブス触媒の好ましい形は、次式(6)によって表わすことができる。
Figure 0005437628
ここで、Mはルテニウムまたはオスミウムであり、RおよびRは、独立して、水素またはC2−20アルケニル、C2−20アルキニル、C1−20アルキル、アリール、C1−20カルボキシレート、C2−20アルコキシ、C2−20アルケニルオキシ、C2−20アルキニルオキシ、アリールオキシ、C2−20アルコキシカルボニル、C1−20アルキルチオ、C1−20アルキルスルホニル、およびC1−20アルキルスルフィニルからなる群から選ばれる炭化水素から選ばれ、XおよびXは、独立して、任意の陰イオン配位子から選ばれ、そして、LおよびLは、独立して、任意の中性の電子供与体から選ばれ、好ましくは、ホスフィン、スルホン化ホスフィン、亜リン酸エステル、ホスフィン酸エステル(phosphinite)、ホスホン酸エステル(phosphonite)、アルシン、スチビン、エーテル、アミン、アミド、スルホキシド、カルボキシル、ニトロシル、ピリジンおよびチオエーテルから選ばれ、最も好ましくは、アルキル基の少なくとも1つが第二級アルキルまたはシクロアルキル基であるトリアルキルホスフィン配位子である。第二世代グラブス触媒の好ましい具体例としては、トリシクロヘキシルホスフィン[1,3−ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)−4,5−ジヒドロイミダゾール−2−イリデン][ベンジリデン]ルテニウム二塩化物;トリシクロヘキシルホスフィン[1,3−ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)−4,5−ジヒドロイミダゾール−2−イリデン][ベンジリデン]ルテニウム二臭化物;トリシクロヘキシルホスフィン[1,3−ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)−4,5−ジヒドロイミダゾール−2−イリデン][ベンジリデン]ルテニウム二沃化物が挙げられる。
他の好ましい触媒は、式(7)によって表わされるルテニウム錯体を含む。
Figure 0005437628
式(7)中、MはRuであり;Lは、それぞれ独立して、Mの結合および荷電の条件の平衡を保つ任意の組合わせの中性および陰イオンの配位子から選ばれ;aは整数、好ましくは1〜約4の整数であって、配位子Lの総数を表わし;Rは、水素、直鎖または分岐のアルキル、シクロアルキル、アリールおよび置換されたアリール基から選ばれ;Yは、(IUPACによって、「無機化学命名法:1990年勧告(Nomenclature of Inorganic Chemistry: Recommendations 1990)」,ジー・ジェー・リー(G. J. Leigh)編,ブラックウェル科学出版(Blackwell Scientific Publications),1990年に載せられているような)周期表第15族または第16族からの元素の電子供与体基であり、Yはより好ましくはO、S、NまたはPであり;各R4は、独立して、好ましくはYが形式的に中性になるように、Yの価数を満足させるのに十分な、水素、アルキル、シクロアルキル、アリールおよび置換されたアリール基から選ばれ;bは、整数であり、好ましくは0〜約2の整数であって、R基の総数を表わし;そして、Zは、M原子と連結して約4〜約8個の原子の環を形成する二座配位子を形成するために、Yとカルベン炭素(C)の両方に結合した有機二端遊離基である。より好ましくは、式(7)中の各Lは、独立して、ハロゲン化物(フッ化物、塩化物、臭化物および沃化物)、シアン化物、チオシアン酸エステル、式PR のホスフィン、式NR のアミン、式RORの水およびエーテル、式SR のチオエーテル、ならびに以下の式(8)および(9)を有する配位子からなる群から選ばれる。
Figure 0005437628
ここで、前述の式のいずれの中の各Rも、独立して、水素、アルキル、好ましくはC1−15アルキル;シクロアルキル、好ましくはC3−8シクロアルキル;アリール、好ましくはC6−15アリール、および置換アリール、好ましくはC6−15置換アリール基からなる群から選ばれる。前述の配位子Lのいずれかの混合が、式(7)のいずれの種においても用いることができる。より好ましくは、Rは、水素、C1−15アルキル、C3−8シクロアルキルおよびC6−15アリール基からなる群から選ばれる。より好ましくは、各Rは、独立して、C1−15アルキル、C3−8シクロアルキルおよびC6−15アリール基からなる群から選ばれる。好ましくは、Zは次の二端遊離基から選ばれる。エチレン(10)、ビニレン(11)、フェニレン(12)、置換されたビニレン(13)、置換されたフェニレン(14)、ナフチレン(15)、置換されたナフチレン(16)、ピペラジンジイル(17)、ピペリジイル(18)。
Figure 0005437628
ここで、各Rは、上述のとおり、水素、アルキル、好ましくはC1−15アルキル;シクロアルキル、好ましくはC3−8シクロアルキル;およびアリール、好ましくはC6−15アリール基から選ばれ;そして、各nは1〜約4の整数である。
より好ましい式(7)の実施態様は、式(19)によって表わすことができる。
Figure 0005437628
ここで、各Tは、独立して、ClおよびBrから選ばれ、そしてPCyはトリシクロヘキシルホスフィンである。
製造工程(a)のための第一の複分解触媒は、好ましくは、均一系触媒(すなわち、液体の反応混合物の中に溶解された触媒)を含むが、触媒は、代わりに、シリカ、アルミナ、シリカアルミナ、アルミノケイ酸塩、チタニア、チタノケイ酸塩、炭素、網状架橋ポリスチレンなどのような任意の慣用の触媒担体に結合または担持されていてもよい。触媒担体が用いられる場合は、一般に、触媒は、触媒と担体の合計質量を基準として、触媒金属が約0.01質量%よりも大きな量で、好ましくは約0.05質量%よりも大きな量で、担体の上に載せられる。一般に、触媒は、触媒と担体の合計質量を基準として、触媒金属が約20質量%未満の量で、好ましくは約10質量%未満の量で、担体の上に載せられる。
第一の反応域における複分解工程は、そのような工程に適応するように適切に設計された任意の慣用の反応器で行うことができる。好ましくは、第一の反応域は、前述のとおり、液相のみで実行される。典型的には、工程温度は、約−10℃よりも高く、好ましくは約0℃よりも高い。典型的には、工程温度は、約150℃よりも低く、好ましくは約120℃よりも低い。典型的には、反応器中の全圧は、実質的に泡立ちなしで液相の中にエチレンを保持するのに十分なものである。好ましくは、全圧は、約5psig(34.5kPa)よりも大きく、より好ましくは約100psig(689kPa)よりも大きく、最も好ましくは約200psig(1,379kPa)よりも大きい。好ましくは、全圧は、設計の検討のためには、約1,000psig(6,895kPa)未満である。
上述のように、第一の反応域における工程が行われると、2つ以上の複分解生成物が生成され、それらの生成物にはα,ω−官能基を有するオレフィン、1つ以上の対称または非対称形の官能基を有しない内部オレフィン、および所望によりα,ω−二官能オレフィン二量体が含まれる。本発明の目的のためには、用語「α,ω−官能基を有するオレフィン」とは、末端炭素原子に炭素−炭素二重結合(C=C)を有する炭素原子鎖を含みかつ鎖の反対の端の末端炭素にエステルまたはカルボン酸基のような官能置換基を有する有機化合物と定義される。本発明の目的のためには、用語「官能基を有しない内部オレフィン」とは、鎖の内部の位置に炭素−炭素二重結合(C=C)を有する炭素原子鎖を含み、鎖の端に官能基を有しない有機化合物と定義される。本発明の目的のためには、用語「α,ω−二官能オレフィン二量体」とは、内部炭素−炭素二重(C=C)結合を有し、鎖の両端の末端炭素原子の各々にエステルまたはカルボン酸基のような置換基を有する炭素原子鎖を含む有機化合物と定義される。さらに、2つの官能置換基は同一である。好ましい具体例として、オレイン酸メチルの1−デセンとの複分解は、交差複分解生成物9−デセン酸メチルおよび複分解生成物9−オクタデセン、および所望により9−オクタデセン−1,18−二酸ジメチルを生じる。これらの工程は平衡反応なので、生成物混合物は、通常、さらに、未転化のα−官能基を有する内部オレフィンおよび未転化の3個以上の炭素原子を有するα−オレフィンを含む。
好ましくは、α,ω−官能基を有するオレフィンは、以下に再現する、上記の式(3)によって表わすことができる。
CH=CH−(R′)w′−X (3)
式(3)中、R′は置換されたまたは未置換のヒドロカルビル二端遊離基、好ましくは置換されたまたは未置換の脂肪族ヒドロカルビル二端遊離基、より好ましくはアルキレンまたはアルキリデン二端遊離基、最も好ましくはメチレン(−CH−)であり;w′は、0〜約20、好ましくは約3〜約12の整数であり;そして、Xは、極性官能基であり、好ましくはカルボン酸、エステル、ホルミルおよびジアルキルアミド基から選ばれる極性官能基である。ただし、式(3)中のR′、w′およびXは、それぞれ、式(1)において選ばれたそれらのそれぞれの対応するものと同一である。
好ましくは、官能基を有しない内部オレフィンは、以下に再現する、上記の式(4)によって表わされる官能基を有しない内部オレフィン二量体である。
CH−(R)−CH=CH−(R)−CH (4)
式(4)中、各Rは、同一であって、置換されたまたは未置換のヒドロカルビル二端遊離基、好ましくは置換されたまたは未置換の脂肪族ヒドロカルビル二端遊離基、より好ましくはアルキレンまたはアルキリデン二端遊離基、最も好ましくはメチレン(−CH−)であり;各wは、同一であって、0〜約20、好ましくは約3〜約12の整数である。ただし、式(4)中のRおよびwは、それぞれ、式(1)において選ばれたそれらのそれぞれの対応するものと同一である。本発明の目的のためには、用語「官能基を有しない」とは、官能基を有しない内部オレフィンのα,ω−端末位置がそれ以上の官能基で置換されていないメチル基からなることを意味する。対照的に、例えば式(4)中のRによって表わされる官能基を有しない内部オレフィンの内部炭素位置は、前述したような様々な置換基で置換されることを許される。
好ましくは、α,ω−二官能内部オレフィン二量体は、以下に再現する、上記の式(5)によって表わすことができる。
X−(R′)−CH=CH−(R′)−X (5)
式(5)中、各R′は、同一であって、置換されたまたは未置換のヒドロカルビル二端遊離基、好ましくは置換されたまたは未置換の脂肪族ヒドロカルビル二端遊離基、より好ましくはアルキレンまたはアルキリデン二端遊離基、最も好ましくはメチレン(−CH−)である。各w′は、同一であって、0〜約20、好ましくは約3〜約12の整数である。各Xは、同一であって、極性官能基であり、好ましくは、カルボン酸、エステル、ホルミルおよびジアルキルアミド基から選ばれる極性官能基である。ただし、式(5)中の各R′、w′およびXは、また、式(1)において選ばれたそれらのそれぞれの対応するものと同一である。より好ましくは、式中のXは、カルボン酸またはエステル官能基である。
所望により、第一の複分解工程(a)の終結において、そのような金属除去のための当技術分野において既知の任意の方法によって、生じた生成物流出物から複分解触媒を取り除くことができる。好ましい方法は、国際公開第2004/037754号パンフレット(引用によってここに組み入れられる。)に記述されており、それは、流出物を炭素のような吸着剤と接触させることによって、またはその代わりに短いパスのワイプトフィルム蒸発器において生成物流出物を蒸留し触媒金属を本質的に含まない留出物を得ることによって、複分解生成物流出物から、複分解触媒、好ましくはルテニウムを除去することを教示している。吸着剤法および蒸留法の条件は国際公開第2004/037754号パンフレットに示されている。
本発明の方法の第二の工程においては、α,ω−官能基を有するオレフィン、官能基を有しない内部オレフィン、未転化のα−官能基を有する内部オレフィン、未転化の3個以上の炭素原子を有するα−オレフィン、および随意のα,ω−二官能内部オレフィンを含む第一の反応器からの流出物流れは、流出物中に存在する各構成成分の実質的に純粋な流れに分離するために第一の分離域に導入される。第一の分離域は、設計において従来のものであり、分離される有機化合物に適用可能な、蒸留、抽出、抽出蒸留、結晶化および/またはクロマトグラフ法を含むことができる。当業者は、そのような特定の流出物を分離するための分離手段を設計する方法を知っているであろう。
第一の分離域の好ましい実施態様は蒸留系列を含む。第一の蒸留塔における第一の反応域からの複分解生成物流れの蒸留は、α,ω−官能基を有するオレフィンおよび3個以上の炭素原子を有する未反応のα−オレフィン単量体を含む頂部流れ、ならびに未反応のα−官能基を有する内部オレフィン、官能基を有しない内部オレフィン、および所望によりα,ω−二官能内部オレフィン二量体を含む底部流れを生成する。頂部流れは、好ましくは、所望のα,ω−官能基を有するオレフィン生成物流れ、および3個以上の炭素原子を有する未転化のα−オレフィンの第一の製品流れを回収するために、第二の蒸留塔において処理され、それらの後者は、典型的には、少なくとも一部、第一の複分解反応域へ再循環させられる。第一の蒸留塔からの底部流れは、未転化のα−官能基を有する内部オレフィン流れ、官能基を有しない内部オレフィン流れ、およびもしあればα,ω−二官能内部オレフィン二量体流れを回収するために、第三の蒸留塔において蒸留される。未転化のα−官能基を有する内部オレフィン流れの一部およびもしあればα,ω−二官能内部オレフィン二量体流れの一部は、工程(a)の第一の複分解反応器に再循環させることができる。再循環させる物質の量は、工程(a)の第一の複分解反応の複分解工程の物質収支および化学量論条件に依存する。
第一の反応域における複分解反応原系が9−オクタデセン酸メチルおよび1−デセンである、さらに好ましい実施態様においては、第一の蒸留塔における複分解生成物流れの蒸留は、所望の生成物9−デセン酸メチルおよび未反応の1−デセンを含む頂部流れおよび9−オクタデセン酸メチル、9−オクタデセン、およびもしあれば、9−オクタデセン−1,18−二酸ジメチルを含む底部流れを生成する。第一の蒸留塔は、約150℃(423K)よりも高く、約252℃(525K)よりも低い底部温度および約0.13KPaよりも高く、約6.6kPaよりも低い頭部圧力で適切に操作することができる。頂部流れは、第二の塔に導入され、9−デセン酸メチルの生成物流れおよび第一の製品1−デセン流れを回収するために蒸留され、それらの後者は、少なくとも一部、第一の反応域へ再循環させられる。第二の蒸留塔は、約75℃(348K)よりも高く約177℃(450K)よりも低い温度および約0.13kPaよりも高く約6.6kPaよりも低い頭部圧力で適切に操作することができる。第一の塔からの底部流れは、未転化のオレイン酸メチル流れ、9−オクタデセン流れおよびもしあれば9−オクタデセン−1,18−二酸ジメチル流れを回収するために、第三の蒸留塔に導入される。第三の蒸留塔は、約150℃(423K)よりも高く約252℃(525K)よりも低い温度および約0.13kPaよりも高く約6.6kPaよりも低い圧力で適切に操作することができる。未転化のオレイン酸メチルおよびもしあれば9−オクタデセン−1,18−二酸ジメチル流れの一部は、両方とも、工程(a)の第一の複分解反応器に再循環することができる。再循環の量は、反応スキームの化学量論に依存するであろう。
この方法発明の第三の工程においては、好ましくは9−オクタデセンを含む官能基を有しない内部オレフィンは、エチレン供給原料とともに、第二の複分解反応域に導入され、そこで、生成物として3個以上の炭素原子を有するα−オレフィン単量体、好ましくは1−デセンを生成するのに十分な反応条件で、前述のオレフィン反応原系は第二の複分解触媒と接触させられる。第二の複分解工程に適した触媒および工程条件は、例えば米国特許第3,647,906号明細書および米国特許第3,261,879号明細書(フィリップス・トリオレフィン法)(引用によってここに組み入れられる。)に記述されているような、オレフィン不均化またはエテノリシスのために従来技術において用いられているものと同様である。より最近の方法、すなわち「欧州化学ニュース(European Chemical News)」,2002年3月25−31日の週号,pp.20−21に開示されているような、当業者に既知の、エービービー・ルーマス・グローバル(ABB Lummus Global)オレフィン転化技術(Olefin Conversion Technology)(OCT)についてもまた言及する。
一般に、エテノリシスのための触媒は、所望の3個以上の炭素原子を有するα−オレフィン単量体の生成を促進するいかなる慣用の不均一系または均一系の複分解触媒であってもよい。望ましくは、触媒は、官能基を有しない内部オレフィンのエチレンオリゴマー化および単独複分解を最小限にする。適切な触媒としては、限定するものではないが、アルミナに担持された酸化レニウム(所望によりアルカリまたはアルカリ土類金属化合物で前処理されたもの)、アルミナに担持された酸化モリブデンおよび/または酸化コバルト、ならびにシリカに担持された酸化タングステンが挙げられ、それらは、例えば、米国特許第3,261,879号明細書および米国特許第3,647,906号明細書(引用によってここに組み入れられる。)に開示されている。本発明の目的のためには、国際公開第96/04289号パンフレットおよび国際公開第02/083742号パンフレットに開示されたもののようなグラブス触媒は、典型的には、エテノリシス工程においては用いられない。エテノリシスに適切な工程条件も、従来技術に開示されている。特に、エチレンと官能基を有しない内部オレフィンのモル比は、典型的には、約0.4:1〜約10:1の範囲にある。エテノリシスの工程温度は、典型的には、約120℃よりも高い。典型的には、工程温度は約210℃未満である。工程圧力は、典型的には、約300psig(2,068kPa)よりも高い。工程圧力は、典型的には、約525(3,619kPa)未満である。
この方法発明の第四の工程においては、第二の反応域(エテノリシス)からの流出物が、3個以上の炭素原子を有するα−オレフィン単量体、未転化のエチレンおよび未転化の官能基を有しない内部オレフィンを含む流出物流れを分離するための通常設計の第二の分離域に供給される。典型的には、第二の分離域は、少なくとも1つの蒸留塔を含み、そこから未転化のエチレンの頂部流れが得られ、それは、典型的には、エテノリシス反応の供給原料として第二の複分解反応器に再循環させられる。典型的には、蒸留は、第二の製品α−オレフィン単量体流れ、3個以上の炭素原子を有する単量体を含む画分を産出し、一方、官能基を有しない内部オレフィンを含む底部画分が回収され、官能基を有しない内部オレフィンは典型的にはさらなるエテノリシスのために第二の反応域に再循環させられる。所望により、3個以上の炭素原子を有するα−オレフィン単量体を含む第二の製品流れの一部を、生成物として取り出すことができ、残りは第一の複分解反応域に循環することができ、循環される割合は第一の複分解反応域における工程化学量論に依存する。好ましい実施態様においては、第二の分離域への供給原料は、1−デセン、未転化のエチレンおよび未転化の9−オクタデセンを含む。エチレンの標準沸点(1気圧、101kPa)は−104℃であり、1−デセンの標準沸点は229℃であり、そしてオクタデセンの標準沸点は約313℃であると推定される。したがって、それらの混合物の分留は、設計技師によく熟知されている。
次の実施例は、本発明の方法の例証として、提供されるが、いかなる方法によっても、本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。ここの開示を考慮して、当業者は、本発明の範囲内に入る方法の変形を認識するであろう。
実施例1
オレイン酸メチルを1−デセンと交差複分解させる実施可能性を評価するために、次の手順を用いた。オレイン酸メチル(オールドリッチ社(Aldrich))をガス抜きし、アルミナカラムで精製した。オレイン酸メチルの質量の50%に等しい量のアルミナを用いた。乾燥箱の中で、精製されガス抜きされたオレイン酸メチル(6.0147g、20.1mmol)および1−デセン(6.2770g、40.3mmol)を、テトラデカン(1.0549g、内部標準)と混合し、ゴム隔壁で蓋締めされた重壁ガラス反応器(Ace #8648−135)中で撹拌棒で混合した。トリシクロヘキシルホスフィン[1,3−ビス−(2,4,6−トリメチルフェニル)−2−イミダゾリジニリデン]ベンジリデンルテニウム(IV)二塩化物(1.16mg、0.00125mmol)(グラブス触媒)を、トルエン(2.50mL)に溶解し、得られた触媒溶液(0.25mL;0.000116mmol触媒)を気密の注射器に充填し蓋締めした。オレイン酸メチル/1−デセンのモル比は1/2であった。反応器および注射器の両方を、グローブボックスから実験台に移した。触媒溶液は、一部分、隔壁を通して反応器へ添加した。蓋を取り除き、反応器をエチレン/窒素二重多岐管に素早く接続し、窒素(55psig、379kPa)で3度洗い流し、その後、窒素動圧下で30psig(207kPa)に加圧した。その後、反応器を、磁気撹拌機の上に置き、60℃に加熱した。反応は、反応器に挿入された0.01″内径の管を通して全開全閉用バルブ経由で反応圧力で試料採取することによって監視した。33時間の反応時間における一つの試料(〜100μL)を、過剰ブチルビニルエーテルを含むバイアルの中に圧力下で急冷した。転化率および選択率は、ガスクロマトグラフィー分析を用いて決定した。この試料については、ジエステル生成物の濃度は、検査法の検出限界以下であった。結果を実施例1bとして表1に示す。表中の記載はすべてモル百分率で与えられている。オレイン酸メチルの転化率(CONV)および特定の生成物への選択率(SEL)は、以下のように計算され、すべての化合物はモルで表わされる。
オレイン酸メチル転化率=100×[(オレイン酸メチル初期−オレイン酸メチル最終)÷(オレイン酸メチル初期)]
化合物A選択率=100×[(化合物A)÷(同じ官能基を含有するすべての化合物の合計)]
MDEC選択率=100×((MDEC+isoMDEC)÷(MDEC+isoMDEC+2*(c−DIESTER+t−DIESTER)))
ジエステル選択率=100×((c−DIESTER+t−DIESTER)÷(c−DIESTER+t−DIESTER+0.5*(MDEC+isoMDEC)))
オクタデセン選択率=100×((t−OCTA+c−OCTA)÷(t−OCTA+c−OCTA+iso−OCTA+0.5*((DEC−DEC)+(isoDEC−isoDEC)))
ここで、
MDECは9−デセン酸メチルであり、
isoMDECは異性化された9−デセン酸メチル、すなわち8−デセン酸メチルであり、
c−DIESTERはシス−ジエステルであり、
t−DIESTERはトランス−ジエステルであり、
c−OCTAはシス−オクタデセンであり、
t−OCTAはトランス−オクタデセンであり、
iso−OCTAはGCにおいて見つかった未同定のオクタデセンの異性体であり、
DECはデセンの初期のモルであり、
DECはデセンの最終のモルであり、
isoDECはイソデセンまたは2−デセンの初期のモルであり、
isoDECはイソデセンまたは2−デセンの最終のモルである。
Figure 0005437628
1/1のオレイン酸メチル/1−デセンのモル比(実施例1a)、そして次に2/1のモル比(実施例1c)を用いて、前述の実施例を2度繰り返した。結果を同じく表1に示す。
表1から、オレイン酸メチル/1−デセンのモル比が変わると選択率も変わることがわかる。オレイン酸メチル/1−デセンのモル比が1/1のときは、オクタデセンおよびデセン酸メチルと比較して、ジエステルはずっと少ない量で生成される。オレイン酸メチル/1−デセンのモル比が1/2のときは、工程は、デセン酸メチルに対してずっと選択的である。オレイン酸メチル/1−デセンのモル比が2/1のときは、著しい量のオレイン酸メチル単独複分解生成物(オクタデセンおよびジエステルを含む。)が生成される。
この実験は、本発明の工程(a)を説明し、そして改善された触媒回転数でα,ω−官能基を有するオレフィンを調製するために、均一系ルテニウム複分解触媒、特にグラブス触媒の存在下に、α−官能基を有する内部オレフィンを、3個以上の炭素原子を有するα−オレフィンと交差複分解させる実施可能性を説明する。比較すると、α−官能基を有する内部オレフィン(オレイン酸メチル)を、同一の工程条件で、同一の触媒の存在下に、エチレンと直接複分解させたならば、触媒回転数は約10,000より少なかったであろう。
実施例2
表2および図2について言及すると、ASPEN(登録商標)ソフトウェア・プログラム(アスペン・テクノロジー社(Aspen Technology, Inc.)、アメリカ合衆国02141マサチューセッツ州ケンブリッジ、キャナルパーク10)を用いて、本発明の方法を、次の好ましい実施態様でシミュレートした。
工程(a) オレイン酸メチルと1−デセンの交差複分解;
工程(b) デセン酸メチルを含む流れ、9−オクタデセンを含む流れ、未転化のオレイン酸メチルを含む流れ、および未転化の1−デセンを含む流れへの工程(a)からの製品流れの分離;
工程(c) エチレンとの9−オクタデセンの交差複分解;
工程(d) 1−デセンを含む流れ、未転化のエチレンを含む流れ、および未転化の9−オクタデセンを含む流れへの工程(c)からの製品流れの分離。
エチレン、1−デセンおよびオレイン酸メチルの物性は、ASPEN(登録商標)データベースから得た。しかしながら、ASPEN(登録商標)データベースは、デセン酸メチル、9−オクタデセンおよび9−オクタデセン−1,18−二酸ジメチルについての情報を含んでいない。結果的に、次の仮定を置いた。デセン酸メチルの代わりに、アクリル酸2−エチルヘキシルを用いた。9−オクタデセンの代わりに、1−オクタデセンを用いた。これらの代用は、同様の官能基(すなわちエステル)、同一の分子量および同一の二重結合の数を有する代用物に基づいた。ASPEN(登録商標)データベースの中には、9−オクタデセン−1,18−二酸ジメチルとぴったり合う成分はなかった。そこで、ジエステルの構造を、その物性の見積りの照会とともに、ASPEN(登録商標)プログラムに提供した。
上記に加えて、我々は、複分解法が平衡にあると仮定した。したがって、上記の仮定は、本質的に、複分解反応器出口組成に影響を及ぼさない。上記の仮定は蒸留条件に影響する。各蒸留については、20理論段を有する蒸留塔を仮定した。我々のシミュレーションによれば、1気圧(101kPa)において得られた標準沸点は次のとおりであった。エチレン、−104℃;1−デセン、171℃;デセン酸メチル、216℃;オクタデセン、313℃(代用物から仮定);オレイン酸メチル、344℃(代用物から仮定);9−オクタデセン−1,18−二酸ジメチル、387℃(ASPEN(登録商標)ソフトウェア・プログラムによる見積り)。入出力流れの組成とともに、温度、圧力および質量流量を含む工程条件を、図2中の対応する図解とともに、表2に示す。図2において、単位装置B1は第一の複分解域を表わし、単位装置B6は第二の複分解域を表わし、単位装置B2、B3、B4、B7およびB8は、蒸留塔を表わし、ならびに単位装置B5およびB9は、抜き取りバルブを表わす。表2に図示されたシミュレーションから、我々は、2つの複分解工程および2つの分離工程を含む全工程を実証した。
Figure 0005437628
Figure 0005437628
α,ω−官能基を有するオレフィン(例えば9−デセン酸メチル)と副生成物の3個以上の炭素原子を有するα−オレフィン(例えば1−デセン)を調製するための本発明の好ましい実施態様を示す。
表2に記述した入出力流れについて説明する、9−デセン酸メチルと副生成物1−デセンを調製するための本発明の好ましい実施態様を示す。

Claims (14)

  1. α,ω−官能基を有するオレフィンおよび副生成物α−オレフィンを調製する方法であって、該方法は、
    (a)第一の反応域において、第一の複分解触媒の存在下で、α,ω−官能基を有するオレフィン、官能基を有しない内部オレフィン、未転化のα−官能基を有する内部オレフィン、および未転化の3個以上の炭素原子を有するα−オレフィン単量体、ならびに所望によりα,ω−二官能内部オレフィン二量体を含む第一の流出物流れを調製するのに十分な反応条件の下で、α−官能基を有する内部オレフィンと3個以上の炭素原子を有するα−オレフィン単量体とを接触させること、
    (b)工程(a)からの第一の流出物流れを第一の分離域へ導入し、そしてそれからα,ω−官能基を有するオレフィン流れ、官能基を有しない内部オレフィン流れ、未転化のα−官能基を有する内部オレフィン流れ、第一の製品α−オレフィン単量体流れ、3個以上の炭素原子を有する単量体、および所望によりα,ω−二官能内部オレフィン二量体を回収すること、
    (c)第二の反応域において、第二の複分解触媒の存在下で、3個以上の炭素原子を有するα−オレフィン単量体、未転化の官能基を有しない内部オレフィンおよび未転化のエチレンを含む第二の流出物流れを調製するのに十分な反応条件の下で、官能基を有しない内部オレフィン流れの一部をエチレンと接触させること、
    (d)工程(c)からの第二の流出物流れを、第二の製品α−オレフィン単量体流れ、3個以上の炭素原子を有する単量体、未転化のエチレン流れおよび未転化の官能基を有しない内部オレフィン流れを得るのに十分な条件の下で、第二の分離域へ導入すること、および
    (e)製品として第一および/または第二の製品α−オレフィン単量体流れの一部を取り出し、そして第一および第二の製品α−オレフィン単量体流れの残りを工程(a)の第一の反応域へ循環すること
    を含み、
    α−官能基を有する内部オレフィンが9−オクタデセン酸メチルであり、3個以上の炭素原子を有するα−オレフィンが1−デセンであり、α,ω−官能基を有するオレフィンが9−デセン酸メチルであり、そして官能基を有しない内部オレフィンが9−オクタデセンである、または
    α−官能基を有する内部オレフィンが9−ヘキサデセン酸メチルであり、3個以上の炭素原子を有するα−オレフィンが1−オクテンであり、α,ω−官能基を有するオレフィンが9−デセン酸メチルであり、そして官能基を有しない内部オレフィンが7−テトラデセンであることを特徴とする方法。
  2. 工程(a)の第一の反応域における複分解工程が、−10℃より高く150℃より低い温度および5psig(34.5kPa)より高く1,000psig(6,895kPa)より低い全圧において行われることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 工程(a)の第一の反応域における複分解工程が、液相において行われることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
  4. 第一の反応域における複分解工程が、トリシクロヘキシルホスフィン[1,3−ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)−4,5−ジヒドロイミダゾール−2−イリデン][ベンジリデン]ルテニウム二塩化物、トリシクロヘキシルホスフィン[1,3−ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)−4,5−ジヒドロイミダゾール−2−イリデン][ベンジリデン]ルテニウム二臭化物、およびトリシクロヘキシルホスフィン[1,3−ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)−4,5−ジヒドロイミダゾール−2−イリデン][ベンジリデン]ルテニウム二沃化物からなる群から選ばれる触媒を用いることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
  5. 工程(c)の第二の反応域における複分解工程が、120℃より高く210℃より低い温度および300psia(2,068kPa)より高く523psig(3,606kPa)より低い全圧で行われることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
  6. 工程(c)の第二の反応域における複分解工程が、アルミナに担持された酸化レニウム、アルミナに担持された酸化モリブデン;アルミナに担持された酸化コバルト;およびシリカに担持された酸化タングステンから選ばれる不均一触媒を用いることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
  7. アルミナに担持された酸化レニウムがアルカリまたはアルカリ土類金属化合物で処理されたアルミナに担持された酸化レニウムであることを特徴とする請求項6に記載の方法。
  8. 第一の分離域から得られた未転化のα−官能基を有する内部オレフィンを、工程(a)の第一の反応域に再循環させることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 第一の分離域から得られた未転化のα−官能基を有する内部オレフィン、およびα,ω−二官能内部オレフィン二量体の一部を、工程(a)の第一の反応域に再循環させることを特徴とする請求項8に記載の方法。
  10. 第一の分離域から得られた未転化の3個以上の炭素原子を有するα−オレフィン単量体を、工程(a)の第一の反応域に再循環させることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 第二の分離域から得られた未転化のエチレンを、工程(c)の第二の反応域に再循環させることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 第二の分離域から得られた未転化の官能基を有しない内部オレフィンの一部を、工程(c)の第二の反応域に再循環させることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 9−デセン酸メチルおよび1−デセンを調製する方法であって、
    (a)第一の反応域において、ルテニウム複分解触媒の存在下で、9−デセン酸メチル、9−オクタデセン、未転化の9−オクタデセン酸メチル、および未転化の1−デセンを含む第一の流出物流れを調製するのに十分な反応条件の下で、9−オクタデセン酸メチルと1−デセンを接触させること、
    (b)工程(a)からの第一の流出物流れを第一の分離域へ導入し、そして、それから、9−デセン酸メチル流れ、9−オクタデセン流れ、未転化の9−オクタデセン酸メチル流れ、および第一の製品1−デセン流れを回収すること、
    (c)第二の反応域において、アルミナに担持された酸化レニウム、アルミナに担持された酸化モリブデン、アルミナに担持された酸化コバルト、およびシリカに担持された酸化タングステンから選ばれる第二の複分解触媒の存在下に、1−デセン、未転化の9−オクタデセンおよび未転化のエチレンを含む第二の流出物流れを調製するのに十分な反応条件の下で、9−オクタデセン流れの一部をエチレンと接触させること、
    (d)第二の製品1−デセン流れ、未転化のエチレン流れおよび未転化の官能基を有しない内部オレフィン流れを得るのに十分な条件の下で、工程(c)からの第二の流出物流れを第二の分離域へ導入すること、および
    (e)製品として第一および/または第二の製品1−デセン流れの一部を取り出し、そして第一および第二の1−デセン流れの残りを工程(a)の第一の反応域へ循環すること
    を含む、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 9−デセン酸メチルおよび1−デセンを調製する方法であって、
    (a)第一の反応域において、ルテニウム複分解触媒の存在下で、9−デセン酸メチル、9−オクタデセン、未転化の9−オクタデセン酸メチル、未転化の1−デセン、および9−オクタデセン−1,18−二酸ジメチルを含む第一の流出物流れを調製するのに十分な反応条件の下で、9−オクタデセン酸メチルと1−デセンを接触させること、
    (b)工程(a)からの第一の流出物流れを第一の分離域へ導入し、そして、それから、9−デセン酸メチル流れ、9−オクタデセン流れ、未転化の9−オクタデセン酸メチル流れ、第一の製品1−デセン流れ、および9−オクタデセン−1,18−二酸ジメチル流れを回収すること、
    (c)第二の反応域において、アルカリまたはアルカリ土類金属化合物で処理されたアルミナに担持された酸化レニウム、アルミナに担持された酸化モリブデン、アルミナに担持された酸化コバルト、およびシリカに担持された酸化タングステンから選ばれる第二の複分解触媒の存在下に、1−デセン、未転化の9−オクタデセンおよび未転化のエチレンを含む第二の流出物流れを調製するのに十分な反応条件の下で、9−オクタデセン流れの一部をエチレンと接触させること、
    (d)第二の製品1−デセン流れ、未転化のエチレン流れおよび未転化の官能基を有しない内部オレフィン流れを得るのに十分な条件の下で、工程(c)からの第二の流出物流れを第二の分離域へ導入すること、および
    (e)製品として第一および/または第二の製品1−デセン流れの一部を取り出し、そして第一および第二の1−デセン流れの残りを工程(a)の第一の反応域へ循環すること
    を含む、請求項13に記載の方法。
JP2008515764A 2005-06-06 2006-06-02 α,ω−官能基を有するオレフィンを調製する複分解法 Expired - Fee Related JP5437628B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US68784305P 2005-06-06 2005-06-06
US60/687,843 2005-06-06
PCT/US2006/021232 WO2006132902A2 (en) 2005-06-06 2006-06-02 METATHESIS PROCESS FOR PREPARING AN α, ω-FUNCTIONALIZED OLEFIN

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2008542441A JP2008542441A (ja) 2008-11-27
JP2008542441A5 JP2008542441A5 (ja) 2009-07-16
JP5437628B2 true JP5437628B2 (ja) 2014-03-12

Family

ID=37311379

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008515764A Expired - Fee Related JP5437628B2 (ja) 2005-06-06 2006-06-02 α,ω−官能基を有するオレフィンを調製する複分解法

Country Status (7)

Country Link
US (1) US7812185B2 (ja)
EP (1) EP1896385B1 (ja)
JP (1) JP5437628B2 (ja)
CN (1) CN101193840B (ja)
BR (1) BRPI0613242A2 (ja)
CA (1) CA2610571C (ja)
WO (1) WO2006132902A2 (ja)

Families Citing this family (63)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100898876B1 (ko) 2001-03-26 2009-05-25 다우 글로벌 테크놀로지스 인크. 불균질 촉매 조성물
AU2003241300B2 (en) 2002-04-29 2008-10-16 Dow Global Technologies Inc. Integrated chemical processes for industrial utilization of seed oils
BRPI0406756A (pt) * 2003-01-13 2005-12-20 Cargill Inc Método para fabricação de agentes quìmicos industriais
JP2008527110A (ja) 2005-01-10 2008-07-24 カーギル,インコーポレイティド メタセシス及びメタセシス様生成物を含有するロウソク及びロウソク用ロウ
WO2007081987A2 (en) * 2006-01-10 2007-07-19 Elevance Renewable Sciences, Inc. Method of making hydrogenated metathesis products
WO2007103398A1 (en) * 2006-03-07 2007-09-13 Elevance Renewable Sciences, Inc. Compositions comprising metathesized unsaturated polyol esters
WO2007103460A2 (en) * 2006-03-07 2007-09-13 Elevance Renewable Sciences, Inc. Colorant compositions comprising metathesized unsaturated polyol esters
WO2008008440A2 (en) 2006-07-12 2008-01-17 Elevance Renewable Sciences, Inc. Ring opening cross-metathesis reaction of cyclic olefins with seed oils and the like
CN101563434B (zh) 2006-07-12 2012-01-25 埃莱文斯可更新科学公司 包含复分解不饱和多元醇酯蜡的热熔性胶粘剂组合物
WO2008010961A2 (en) 2006-07-13 2008-01-24 Elevance Renewable Sciences, Inc. Synthesis of terminal alkenes from internal alkenes and ethylene via olefin metathesis
ATE519725T1 (de) * 2006-10-13 2011-08-15 Elevance Renewable Sciences Metatheseverfahren mit hydrierung, und damit in zusammenhang stehende zusammensetzungen
EP2076484B1 (en) 2006-10-13 2020-01-08 Elevance Renewable Sciences, Inc. Synthesis of terminal alkenes from internal alkenes via olefin metathesis
CN101627001A (zh) 2006-10-13 2010-01-13 埃莱文斯可更新科学公司 通过复分解反应和氢氰化反应制备有机化合物的方法
CN101558027B (zh) 2006-10-13 2013-10-16 埃莱文斯可更新科学公司 通过复分解反应制备α,ω-二羧酸烯烃衍生物的方法
US8283419B2 (en) 2008-06-20 2012-10-09 Exxonmobil Chemical Patents Inc. Olefin functionalization by metathesis reaction
US8802797B2 (en) 2008-06-20 2014-08-12 Exxonmobil Chemical Patents Inc. Vinyl-terminated macromonomer oligomerization
US8372930B2 (en) 2008-06-20 2013-02-12 Exxonmobil Chemical Patents Inc. High vinyl terminated propylene based oligomers
US8283428B2 (en) 2008-06-20 2012-10-09 Exxonmobil Chemical Patents Inc. Polymacromonomer and process for production thereof
US8399725B2 (en) 2008-06-20 2013-03-19 Exxonmobil Chemical Patents Inc. Functionalized high vinyl terminated propylene based oligomers
US8889932B2 (en) 2008-11-26 2014-11-18 Elevance Renewable Sciences, Inc. Methods of producing jet fuel from natural oil feedstocks through oxygen-cleaved reactions
MY156576A (en) 2008-11-26 2016-03-15 Elevance Renewable Sciences Methods of producing jet fuel from natural oil feedstocks through metathesis reactions
AP2011006003A0 (en) 2009-05-05 2011-12-31 Stepan Co Sulfonated internal olefin surfactant for enhancedoil recovery.
US9175231B2 (en) 2009-10-12 2015-11-03 Elevance Renewable Sciences, Inc. Methods of refining natural oils and methods of producing fuel compositions
US9382502B2 (en) 2009-10-12 2016-07-05 Elevance Renewable Sciences, Inc. Methods of refining and producing isomerized fatty acid esters and fatty acids from natural oil feedstocks
US9365487B2 (en) 2009-10-12 2016-06-14 Elevance Renewable Sciences, Inc. Methods of refining and producing dibasic esters and acids from natural oil feedstocks
US8735640B2 (en) * 2009-10-12 2014-05-27 Elevance Renewable Sciences, Inc. Methods of refining and producing fuel and specialty chemicals from natural oil feedstocks
EP2488474B1 (en) 2009-10-12 2017-01-25 Elevance Renewable Sciences, Inc. Methods of refining and producing fuel from natural oil feedstocks
US9000246B2 (en) 2009-10-12 2015-04-07 Elevance Renewable Sciences, Inc. Methods of refining and producing dibasic esters and acids from natural oil feedstocks
US9169447B2 (en) 2009-10-12 2015-10-27 Elevance Renewable Sciences, Inc. Methods of refining natural oils, and methods of producing fuel compositions
US9222056B2 (en) 2009-10-12 2015-12-29 Elevance Renewable Sciences, Inc. Methods of refining natural oils, and methods of producing fuel compositions
US9051519B2 (en) 2009-10-12 2015-06-09 Elevance Renewable Sciences, Inc. Diene-selective hydrogenation of metathesis derived olefins and unsaturated esters
US8846587B2 (en) 2011-03-24 2014-09-30 Elevance Renewable Sciences, Inc. Functionalized monomers and polymers
US8841397B2 (en) 2011-03-25 2014-09-23 Exxonmobil Chemical Patents Inc. Vinyl terminated higher olefin polymers and methods to produce thereof
US8940839B2 (en) 2011-03-25 2015-01-27 Exxonmobil Chemical Patents Inc. Diblock copolymers prepared by cross metathesis
US8399724B2 (en) 2011-03-25 2013-03-19 Exxonmobil Chemical Patents Inc. Vinyl terminated higher olefin copolymers and methods to produce thereof
US8669330B2 (en) 2011-03-25 2014-03-11 Exxonmobil Chemical Patents Inc. Olefin triblock polymers via ring-opening metathesis polymerization
US8455597B2 (en) 2011-03-25 2013-06-04 Exxonmobil Chemical Patents Inc. Catalysts and methods of use thereof to produce vinyl terminated polymers
WO2012134722A2 (en) * 2011-03-25 2012-10-04 Exxonmobil Chemical Patents Inc. Diblock copolymers prepared by cross metathesis
US8785562B2 (en) 2011-03-25 2014-07-22 Exxonmobil Chemical Patents Inc. Amphiphilic block polymers prepared by alkene metathesis
US8623974B2 (en) 2011-03-25 2014-01-07 Exxonmobil Chemical Patents Inc. Branched vinyl terminated polymers and methods for production thereof
US8501894B2 (en) 2011-03-25 2013-08-06 Exxonmobil Chemical Patents Inc. Hydrosilyation of vinyl macromers with metallocenes
US8835563B2 (en) 2011-03-25 2014-09-16 Exxonmobil Chemical Patents Inc. Block copolymers from silylated vinyl terminated macromers
US8669326B2 (en) 2011-03-25 2014-03-11 Exxonmobil Chemical Patents Inc. Amine functionalized polyolefin and methods for preparation thereof
US8426659B2 (en) 2011-03-25 2013-04-23 Exxonmobil Chemical Patents Inc. Vinyl terminated higher olefin polymers and methods to produce thereof
US9315748B2 (en) 2011-04-07 2016-04-19 Elevance Renewable Sciences, Inc. Cold flow additives
US8604148B2 (en) 2011-11-29 2013-12-10 Exxonmobil Chemical Patents Inc. Functionalization of vinyl terminated polymers by ring opening cross metathesis
US9169174B2 (en) 2011-12-22 2015-10-27 Elevance Renewable Sciences, Inc. Methods for suppressing isomerization of olefin metathesis products
US9133416B2 (en) 2011-12-22 2015-09-15 Elevance Renewable Sciences, Inc. Methods for suppressing isomerization of olefin metathesis products
US9139493B2 (en) 2011-12-22 2015-09-22 Elevance Renewable Sciences, Inc. Methods for suppressing isomerization of olefin metathesis products
US9290719B2 (en) 2012-01-10 2016-03-22 Elevance Renewable Sciences, Inc. Renewable fatty acid waxes and methods of making
US9012385B2 (en) 2012-02-29 2015-04-21 Elevance Renewable Sciences, Inc. Terpene derived compounds
US8796376B2 (en) 2012-03-26 2014-08-05 Exxonmobil Chemical Patents Inc. Functionalized polymers and oligomers
WO2013175894A1 (ja) * 2012-05-21 2013-11-28 日本ゼオン株式会社 架橋環状オレフィン樹脂フィルム、積層体及びそれらの製造方法
KR102093707B1 (ko) 2012-06-20 2020-03-26 엘레반스 리뉴어블 사이언시즈, 인코포레이티드 천연 오일 복분해 조성물
US8642814B1 (en) * 2012-07-24 2014-02-04 Heliae Development, Llc Methods of converting mixtures of palmitoleic and oleic acid esters to high value products
US9388098B2 (en) 2012-10-09 2016-07-12 Elevance Renewable Sciences, Inc. Methods of making high-weight esters, acids, and derivatives thereof
US20150057204A1 (en) 2013-03-12 2015-02-26 Elevance Renewable Sciences, Inc. Maleanized Ester Derivatives
US20140274832A1 (en) 2013-03-12 2014-09-18 Elevance Renewable Sciences, Inc. Maleinized ester derivatives
CN104926656A (zh) * 2015-04-28 2015-09-23 武汉理工大学 一种钌希夫碱茚基叶立德催化剂用于顺式油酸甲酯的自我复分解反应的方法
FR3039546B1 (fr) * 2015-07-31 2017-08-11 Ifp Energies Now Procede de metathese des olefines utilisant un catalyseur contenant du silicium et du molybdene
US10633306B2 (en) 2017-06-06 2020-04-28 Liquidpower Specialty Products Inc. Method of increasing alpha-olefin content
CN110818564A (zh) * 2019-11-21 2020-02-21 石河子大学 一种利用不饱和脂肪酸酯制备高碳二元酸酯的方法
EP3974499A1 (en) 2020-09-28 2022-03-30 Indian Oil Corporation Limited Production of linear alpha olefins

Family Cites Families (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3261879A (en) 1963-09-27 1966-07-19 Phillips Petroleum Co Olefin disproportionation
US3647906A (en) 1970-05-11 1972-03-07 Shell Oil Co Alpha-olefin production
JPS5830293B2 (ja) * 1975-03-31 1983-06-28 ジェイエスアール株式会社 フホウワノカルボンサンエステルルイノ テンカンホウ
JPS56123923A (en) * 1980-06-21 1981-09-29 Japan Synthetic Rubber Co Ltd Conversion of unsaturated compound having functional group
DE3229419A1 (de) * 1982-08-06 1984-02-09 Consortium für elektrochemische Industrie GmbH, 8000 München Verfahren zur durchfuehrung der heterogen-katalysierten olefin-metathese
JPH0776184B2 (ja) * 1990-03-28 1995-08-16 ヘキスト・アクチェンゲゼルシャフト レニウムオキサイドの有機誘導体よりなるオレフィン性化合物のエテンノーリシス的メタセシスのための触媒およびこれらの触媒を使用するオレフィン性化合物のエテンノーリシス的メタセシスの方法
EP1253156A3 (en) 1992-04-03 2004-01-07 California Institute Of Technology High activity ruthenium or osmium metal carbene complexes for olefin metathesis reactions and synthesis and application thereof
US5710298A (en) 1992-04-03 1998-01-20 California Institute Of Technology Method of preparing ruthenium and osmium carbene complexes
US5312940A (en) 1992-04-03 1994-05-17 California Institute Of Technology Ruthenium and osmium metal carbene complexes for olefin metathesis polymerization
DE19813720A1 (de) * 1998-03-27 1999-09-30 Basf Ag Verfahren zur Herstellung von Olefinen
EP1248764B1 (en) 1999-01-26 2012-08-01 California Institute Of Technology Novel method for cross-metathesis of terminal olefins
KR100898876B1 (ko) * 2001-03-26 2009-05-25 다우 글로벌 테크놀로지스 인크. 불균질 촉매 조성물
AU2002307384A1 (en) 2001-04-16 2002-10-28 California Institute Of Technology Group 8 transition metal carbene complexes as enantioselective olefin metathesis catalysts
AU2003241300B2 (en) 2002-04-29 2008-10-16 Dow Global Technologies Inc. Integrated chemical processes for industrial utilization of seed oils
AU2003283972B2 (en) 2002-10-24 2010-03-04 Dow Global Technologies Inc. Stabilization of olefin metathesis product mixtures
EP1673328B1 (en) 2003-10-09 2008-07-09 Dow Global Technologies Inc. An improved process for the synthesis of unsaturated alcohols
US20080103346A1 (en) 2004-10-21 2008-05-01 Dow Global Technologies, Inc. Membrane Separation Of A Metathesis Reaction Mixture

Also Published As

Publication number Publication date
CA2610571C (en) 2014-01-28
CN101193840A (zh) 2008-06-04
JP2008542441A (ja) 2008-11-27
WO2006132902A3 (en) 2007-03-08
BRPI0613242A2 (pt) 2010-12-28
US7812185B2 (en) 2010-10-12
US20080228017A1 (en) 2008-09-18
CN101193840B (zh) 2012-01-25
WO2006132902A2 (en) 2006-12-14
EP1896385B1 (en) 2013-08-28
EP1896385A2 (en) 2008-03-12
CA2610571A1 (en) 2006-12-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5437628B2 (ja) α,ω−官能基を有するオレフィンを調製する複分解法
US7119216B2 (en) Metathesis of unsaturated fatty acid esters or unsaturated fatty acids with lower olefins
US7176336B2 (en) Process for the synthesis of unsaturated alcohols
US8227371B2 (en) Class of olefin metathesis catalysts, methods of preparation, and processes for the use thereof
JP4490278B2 (ja) オレフィン複分解生成混合物の安定化
Miao et al. Ruthenium–alkylidene catalysed cross-metathesis of fatty acid derivatives with acrylonitrile and methyl acrylate: a key step toward long-chain bifunctional and amino acid compounds
CA2573648C (fr) Procede de co-production d`olefines et de diesters ou de diacides par homometathese de corps gras insatures dans des liquides ioniques non-aqueux
AU2002252124A1 (en) Metathesis of unsaturated fatty acid esters or unsaturated fatty acids with lower olefins
US8524930B2 (en) Class of olefin metathesis catalysts, methods of preparation, and processes for the use thereof
US9120736B2 (en) Method for producing unsaturated compounds
WO2012040088A2 (en) A novel class of olefin metathesis catalysts, methods of preparation, and processes for the use thereof
WO2012166259A2 (en) A novel class of olefin metathesis catalysts, methods of preparation, and processes for the use thereof
WO2002094748A1 (en) Impurity inhibition in olefin metathesis reactions
KR20150024396A (ko) 불포화 화합물의 제조 방법
US20130340327A1 (en) Process For Preparing Unsaturated Compounds

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090601

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090601

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120322

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120403

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120703

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130416

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20130712

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20130722

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20131016

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20131112

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20131212

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees