JP5437188B2 - 研磨装置 - Google Patents
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Description
このような吸着面の湾曲変形に伴って該吸着面に保持されるウエハなどの板状ワークは、研磨パッドなどの加工面に対して傾斜し、該板状ワークの表面を設定通り均一に研磨することができないという問題があった。
特に、研磨する板状ワークが半導体シリコンウエハのように、ミクロン単位の平坦度が必要なものでは要求を満たせなかった。
その結果、温度変化により金属リングとの熱膨張率の違いで吸着面が湾曲変形しウエハが研磨パッドに対して傾斜する従来のものに比べ、板状ワークの平坦度を向上させてミクロン単位の平坦度を達成することができる。
その結果、板状ワークWの平坦度を更に向上できる。
その結果、板状ワークWの平坦度を更に向上できる。
本発明の実施形態に係る研磨装置Aは、図1及び図2に示すように、主要部がセラミックスで形成されて例えば半導体シリコンウエハなどの板状ワークWの一面(保持面)W1を着脱自在に保持する保持部材1と、この保持部材1に設けられる金属部材2と、板状ワークWの他面W2と対向するように加工面3aが設けられる定盤3とを備え、保持部材1と定盤3とを相対的に移動させることにより、板状ワークWの他面(加工面)W2を加工面3aに押し付けて鏡面研磨(ポリッシング)加工や平面研削などの加工が行われるものである。
すなわち、本発明の実施形態に係る研磨装置Aは、板状ワークWの他面(加工面)W2を鏡面研磨(ポリッシング)加工するためのいわゆる研磨装置に限らず、板状ワークWの他面(加工面)W2を平面研削加工するためのいわゆる研削装置も含まれる。
板状ワークWの保持手段1bとしては、例えば真空ポンプなど真空源(図示しない)に通じる吸引機構や粘着による保持機構や静電吸着による保持機構などが用いられ、保持部材1の一方面1aに対して板状ワークWを着脱自在で且つ移動不能に保持する。
さらに、保持部材1において板状ワークWの保持手段が設けられる一方面1aとは反対側の他方面1cには、後述する金属部材2が付設される。
さらに、金属部材2は、図2に示すように、温度変化に伴って最も膨張・収縮変形する方向へ複数に分割され、これら複数の分割片2aの間に隙間Sを空けて、各分割片2aをそれぞれの温度変化に伴う伸縮変形量が隙間S内で収まるように配置している。
すなわち、各分割片2a間の隙間Sは、保持部材1の他方面1cに沿って、各分割片2aが温度変化に伴い膨張変形又は収縮変形しても、それぞれの伸縮変形量よりも長くなるように設定される。
各分割片2aは、保持部材1の他方面1cに対し隙間Sを挟んで、それぞれ温度変化に伴い膨張・収縮変形可能に取り付けられている。
詳しくは、複数の分割片2aを、温度変化に伴って最も膨張・収縮変形する長手方向の一端部が、保持部材1の他方面1cに対して移動不能に固定されるとともに、長手方向の他端部が保持部材1の他方面1cに対して長手方向へ伸縮移動可能に取り付けられるように配置することが好ましい。
また、その他の例として、金属部材2を例えば直線方向へ延びる帯状、円形状、矩形状、多角形状に形成することも可能である。
さらに、各分割片2aをボルトなどの固着手段4で取り付ける際には、分割片2aの周方向一端部を保持部材1の他方面1cに対して移動不能に固定し、分割片2aの周方向他端部を保持部材1の他方面1cに対して少なくとも周方向へ伸長移動可能に取り付けることが好ましい。
そして、研磨装置Aが配備される場所の室内温度が設定温度よりも高くなった時には、セラミックス製の保持部材1と金属部材2が共に伸長変形するが、セラミックスと金属との熱膨張率の違いにより、分割片2aにおける単位面積当たりの伸長量が、保持部材1における単位面積当たりの伸長量よりも大きくなっても、各分割片2aの伸長量はそれぞれ隙間S内に収まるため、分割片2aの伸長変形に連動して保持部材1が伸長変形することはない。
また、研磨装置Aが配備される場所の室内温度が設定温度よりも低くなった時には、セラミックス製の保持部材1と金属部材2が共に収縮変形するが、セラミックスと金属との熱膨張率の違いにより、分割片2aにおける単位面積当たりの収縮量が、保持部材1における単位面積当たりの収縮量よりも大きくなっても、各分割片2a間の隙間Sがそれぞれ広がるだけで、分割片2aの収縮変形に連動して保持部材1が収縮変形することはない。
それにより、温度変化しても保持部材1の一方面1aが変形せず、この一方面1aに保持される板状ワークWの他面(加工面)W2全体が、定盤3の加工面3aに対して傾斜することなく圧接され、温度変化に関係なく板状ワークWを均一に鏡面研磨加工や研削加工することができ、板状ワークWの平坦度を向上できる。
それにより、温度変化に関係なく板状ワークWを更に均一に鏡面研磨加工や研削加工することができ、板状ワークWの平坦度を更に向上できる。
次に、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
また、その他の例として図示しないが、板状ワークWの保持手段1bとして、真空ポンプなど真空源に通じる吸引孔に代え、粘着による保持機構や静電吸着による保持機構などを設けることも可能である。
図1及び図2に示される例では、これら伝動リングの分割片2aにおいてその周方向一端に、固定孔2bがそれぞれ開穿され、この固定孔2bを挿通するボルトなどの固着手段4により、各分割片2aの周方向一端部を保持部材1となるトップリングの他方面(上面)1cに対して移動不能に取り付けている。
伝動リングの分割片2aにおいてその周方向他端には、少なくとも周方向へ固着手段4の長さ寸法よりも大きな長孔2cがそれぞれ開穿され、この長孔2cを挿通するボルトなどの固着手段4で、各分割片2aの周方向他端部を各分割片2aの温度変化に伴って周方向へ伸縮移動可能に取り付けている。
また、その他の例として図示しないが、固定孔2bを開穿せずに、分割片2aの周方向両端又は所定位置に、固着手段4の長さ寸法よりも大きな長孔2cのみを開穿することも可能である。
図1及び図2に示される例では、駆動体5の外周端に対し、駆動ギャ5aが刻設されたリング部材5bを、例えばボルトなどの固着手段5cによって着脱自在に取り付けている。
また、その他の例として図示しないが、分割片2aの外周面に、駆動体5の駆動ギャ5aと係合する従動ギャ2dを形成したり、駆動体5に駆動ギャ5aを一体形成することも可能である。
この金属部材2の取付部品は、保持部材1となるトップリングの他方面(上面)1cに対して金属部材2の伝動リングを挟むように付設される押えリングであり、この押えリングが伝動リングと同様に例えばステンレスなどで形成される場合には、押えリングを伝動リングの分割片2aと同様にその周方向へ複数に分割し、これら押えリングの分割片2eの間に隙間Sを空けて、各分割片2eをそれぞれの温度変化に伴う伸縮変形量が隙間S内で収まるように配置している。
詳しくは、押えリングの分割片2eにおいてその周方向一端には、固定孔2fがそれぞれ開穿され、この固定孔2fを挿通するボルトなどの固着手段4により、各分割片2eの周方向一端部を分割片2aの上面に対して移動不能に取り付けている。
押えリングの分割片2eにおいてその周方向他端には、長孔2gがそれぞれ開穿され、この長孔2gを挿通するボルトなどの固着手段4により、各分割片2eの周方向他端部を各分割片2eの温度変化に伴って伸縮移動可能に取り付けている。
また、その他の例として図示しないが、取付部品の押えリング(分割片2e)を付設せずに、金属部材2の伝動部品(伝動リング)を保持部材(トップリング)1に対して直接取り付けることも可能である。
それにより、簡単な構造でありながら温度変化に関係なく板状ワークWを更に均一に鏡面研磨加工や研削加工することができ、板状ワークWの平坦度を更に向上できるという利点がある。
この実験とは、図1及び図2に示される研磨装置A(以下「実施装置」という)と、これと同サイズで保持部材(トップリング)1に対し分割されない伝動部品(伝動リング)及び取付部品(押えリング)が取り付けられた比較用の研磨装置(以下「比較装置」という)とを用意し、これら両装置の保持部材(トップリング)1の板状ワークWと対向する一方面1aや一方面1aと平行な面などの基準面を加熱又は冷却してその表面温度を変化させながら、この基準面において複数個所の変形量を、それぞれ測定機で測定したところ、図3(a)(b),図4(a)(b)に示すグラフのようになった。
詳しくは、これら実施装置と比較装置の保持部材(トップリング)1として、アルミナセラミックス100%で外径が約500mm、厚みが約50mmの円板状に形成されたものを用意し、それぞれの基準面の表面温度を、所定温度範囲(約20〜35℃)内で約5℃ずつ変化させ、この基準面の中心を通るX方向直線と、それに対し90度で交差するY軸方向直線において所定間隔毎に配置される各測定ポイントの凹凸を、それぞれダイヤルゲージで測定した。
図3(b)は、実施装置のY方向直線上で7〜10個所を測定している。
図4(a)は、比較装置のX方向直線上で7〜10個所を測定している。
図4(b)は、比較装置のY方向直線上で7〜10個所を測定している。
その結果、図3(a)(b)に示される実施装置の温度変化に伴う基準面の凹凸変形量(μm)が、図4(a)(b)に示される比較装置の温度変化に伴う基準面の凹凸変形量(μm)よりも遙かに小さくなることが解る。
それにより、基準面となる一方面1a又は基準面と平行な一方面1aに保持される板状ワークWの他面W2は、温度変化しても定盤3の加工面3aに対して傾斜し難くなることが容易に推測できる。
これらの場合も、前述した実施例と同様な作用効果が得られる。
また、図示例では、各分割片2aの内周面に駆動体5に設けられた駆動ギャ5aと係合する従動ギャ2dを形成したが、これに限定されず、各分割片2aの外周面に駆動体5に設けられた駆動ギャ5aと係合する従動ギャ2dを形成しても良い。
2a 分割片 2b 固定孔
2c 長孔 2d 従動ギャ
3 定盤 3a 加工面
4 固着手段 5 駆動体
5a 駆動ギャ S 隙間
W 板状ワーク W1 一面
W2 他面
Claims (4)
- セラミックスで形成されて板状ワークの一面を保持する保持部材と、
前記保持部材に設けられるリング状の金属部材と、
前記板状ワークの他面と対向する加工面が設けられて前記保持部材との相対移動により前記板状ワークの前記他面を加工する定盤とを備え、
前記金属部材をその温度変化に伴って最も伸縮する方向へ複数に分割し、これら複数の分割片の間に隙間を空けて、前記分割片をそれぞれの温度変化に伴う伸縮変形量が該隙間内で収まるように配置し、
前記分割片に、固着手段によって移動不能に取り付けられる固定孔と、前記固着手段によって前記分割片の温度変化に伴い伸縮する方向へ移動可能に取り付けられる長孔をそれぞれ形成したことを特徴とする研磨装置。 - 前記分割片を、温度変化に伴って最も膨張・収縮変形する長手方向の一端部が、前記保持部材に対して移動不能に固定されるとともに、長手方向の他端部が前記保持部材に対して長手方向へ伸縮移動可能に取り付けられるように配置したことを特徴とする請求項1記載の研磨装置。
- 前記金属部材が、前記保持部材の周方向に沿ってリング状に形成される伝動リングを有し、該伝動リングの前記分割片の周面に沿って、駆動体と連動する駆動ギャと係合する従動ギャを形成したことを特徴とする請求項1又は2記載の研磨装置。
- 前記金属部材が、駆動体からの動力を前記保持部材へ伝えるように構成される伝動リングと、前記保持部材に対して前記伝動リングを挟むように付設される押えリングと、を有し、前記伝動リングの前記分割片及び前記押えリングの前記分割片に、前記固着手段が貫通する固定孔と長孔をそれぞれ開穿したことを特徴とする請求項1又は2記載の研磨装置。
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