JP5436766B2 - 核酸固定用基材、核酸固定用基材の製造方法、核酸検査用デバイス、核酸検査用デバイスの製造方法、並びに核酸検査方法 - Google Patents
核酸固定用基材、核酸固定用基材の製造方法、核酸検査用デバイス、核酸検査用デバイスの製造方法、並びに核酸検査方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5436766B2 JP5436766B2 JP2007265530A JP2007265530A JP5436766B2 JP 5436766 B2 JP5436766 B2 JP 5436766B2 JP 2007265530 A JP2007265530 A JP 2007265530A JP 2007265530 A JP2007265530 A JP 2007265530A JP 5436766 B2 JP5436766 B2 JP 5436766B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- nucleic acid
- immobilization
- mass
- layer
- acid probe
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)
- Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
- Investigating Or Analysing Materials By The Use Of Chemical Reactions (AREA)
Description
(1)検体DNAを採取するステップ、
(2)前記検体DNAを前記核酸プローブにハイブリダイズするステップ、及び
(3)前記ハイブリダイズしたDNAを検出するステップ、
を含むことを特徴とする核酸検査方法に関する。
〔1〕基材と、該基材上の核酸固定層を含んでなる核酸固定用基材であって、該核酸固定層は、ノニオン系またはアニオン系の非吸水性樹脂と粒子を含有する組成物からなり、該核酸固定層の水との接触角は3°以上80°以下であることを特徴とする核酸固定用基材。
〔2〕前記粒子は多孔質であることを特徴とする〔1〕に記載の核酸固定用基材。
〔3〕前記粒子はシリカであることを特徴とする〔1〕〜〔2〕のいずれかに記載の核酸固定用基材。
〔4〕基材の表面に、ノニオン系またはアニオン系の非吸水性樹脂と粒子を含有する塗布液を塗布および乾燥するステップを含む、〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の核酸固定用基材の製造方法。
〔5〕〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の核酸固定用基材に核酸プローブが固定された核酸検査用デバイスであって、核酸プローブは核酸固定層に固定されていることを特徴とする核酸検査用デバイス。
〔6〕前記核酸プローブは、その3’末端にポリチミンが付加されている、〔5〕に記載の核酸検査用デバイス。
〔7〕〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の核酸固定用基材に核酸プローブが固定された核酸検査用デバイスの製造方法であって、
前記核酸固定層上に核酸プローブの水溶液を滴下し、次いで紫外線を照射するステップを含む、核酸検査用デバイスの製造方法。
〔8〕前記核酸プローブは、その3’末端にポリチミンが付加されている、〔7〕に記載の核酸検査用デバイスの製造方法。
〔9〕〔5〕に記載の核酸検査用デバイスを用いた核酸検査方法であって、
(1)検体DNAを採取するステップ、
(2)前記検体DNAを前記核酸プローブにハイブリダイズするステップ、及び
(3)前記ハイブリダイズしたDNAを検出するステップ、
を含むことを特徴とする核酸検査方法。
〔10〕ハイブリダイズしたDNAを検出するステップ(3)は、発色反応に基づくことを特徴とする〔9〕に記載の核酸検査方法。
本発明における基材は、核酸固定用基材の用途において、主に機械的特性を保持するための支持体である。当該基材の表面の一部又は全部に、後述する核酸固定層が形成される。
本発明においては、このような樹脂フィルムの片面に核酸固定層を形成し、核酸固定用基材を製造することができる。さらに、核酸固定層と樹脂フィルムとの密着性の向上や、耐水性の向上を目的として、アンカーコート層を設けることが好ましい。
本発明において、核酸固定層はノニオン系またはアニオン系の非吸水性樹脂と粒子を含有する組成物からなる。
(ii)そのため、核酸プローブ固定部の単位面積あたりの固定量が低下し、発色性が低下する。
(iii)その結果、核酸プローブ洗浄時に残った核酸プローブが固定部以外(バックグランド)に固定され、核酸プローブ固定部以外で着色が発生する。
無機粒子としては、例えば、炭酸カルシウム、非晶質ゼオライト粒子、アナターゼ型の二酸化チタン、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、シリカ、アルミナ、カオリン、タルク、クレーなどが挙げられる。
また、シリカ・アクリル複合化合物などの有機・無機複合粒子も用いることができる。これらの粒子はアンカーコート層に含有させる粒子として用いてもよい。
溶媒として、ノニオン系またはアニオン系の非吸水性樹脂への粒子の分散性の点から、水とイソプロピルアルコール(IPA)の混合液が好ましい。水とIPAとの混合比率は、質量比(水/IPA)で10/90〜90/10の範囲が好ましく、30/70〜70/30の範囲がより好ましい。水/IPAの混合比率を、質量比(水/IPA)で90/10以下とすることにより、樹脂中の粒子の分散性が良好になる。一方、水/IPAの混合比率を、質量比(水/IPA)で10/90以上とすることにより、核酸固定層の膜強度の低下を抑制することができる。
(1)検体DNAを採取するステップ;
(2)該検体DNAを前記核酸プローブにハイブリダイズするステップ;及び
(3)該ハイブリダイズしたDNAを検出するステップ
を含む。以下、各工程について順次説明する。
まず、目的の検体DNAを調製する。動物の生体試料から検体DNAを抽出する。生体試料とは、血液、唾液または毛髪などが挙げられる。好ましくは、血球細胞、表皮細胞および粘膜細胞などの各種ヒト細胞である。生体試料から検体DNAを抽出する方法は、公知の方法で行うことができ、例えばフェノール抽出法、グアニジンチオシナネート抽出法およびバナジルリボヌクレオシド複合抽出法などが挙げられる。
(I)2本鎖の検体DNAを92〜95℃、30秒〜1分間の反応条件で熱処理することにより1本鎖にする変性工程、
(II)前記1本鎖の検体DNAのそれぞれに50〜65℃を20秒〜1分間の反応条件で、少なくとも2種類の増幅プライマーを結合させることによりPCRの反応開始点となる2本鎖部分を作製するアニール工程、及び
(III)70〜75℃を20秒〜5分間の反応条件で、DNAポリメラーゼを用いて核酸伸張反応を行う鎖伸張工程
からなる。この(I)〜(III)の工程を20〜40回繰り返すことで、核酸を増幅する。
次に、増幅された検体DNAを、本発明の核酸検出用デバイスと接触させ、ハイブリダイズ反応を行う。ハイブリダイズ反応の条件は、核酸固定用デバイスに存在する核酸プローブの熱変性温度による。例えば、当該核酸プローブの熱変性温度が、55.0〜75.0℃程度である場合、61.5〜62.5℃が一般的である。
そして、核酸固定用デバイスに存在する核酸プローブとハイブリダイズ反応を検出する。例えば、上記プライマーの末端にRI標識をした場合は、オートラジオグラフィーにより検出することができる。可視光を発光する蛍光物質を修飾した場合は、それぞれの蛍光標識に適した励起波長の光を照射し、その発光(可視光)を目視で確認することができる。さらに、発色反応を可能とする酵素標識の場合、各酵素の基質を添加して発色させることにより目視で確認することができる。上記検出方法の中でも、測定が容易である点から、酵素を用いた発色(酵素発色法)が好ましい。
JIS−B0601に準じ、表面粗度計(東京精密製、SURFCOM304−B)を用いて、カットオフ値を0.08mmとして、二次元平均表面粗さ(Ra;単位μm)を評価長さ0.4mmで5回測定し、その平均から求めた。
水の接触角は、温度20℃、相対湿度50%の雰囲気下で試料を24時間放置後、FACE接触角計(協和界面化学株式会社製、CA−X型)を用いて、滴下1分後における蒸留水との接触角を測定した。なお、各試料につき5回測定を行い、測定値の最大値、最小値を除いた3つの測定値の平均値を接触角とした。また、測定時に滴下した蒸留水が核酸固定用基材に吸水、または、広がりすぎて測定不能になった場合は、接触角0.0°とする。
核酸検査完了直後の核酸プローブ固定部の発色強度を、マクベス濃度計(マクベス社製、TR−927)を用いて測定した。なお、各試料につき3点測定を行い、その平均値を発色強度とした。ここで得られた測定値は、目視による核酸プローブ固定部の発色有無の評価から、0.27以上であれば核酸プローブ固定部が十分な発色していると判断する。
核酸プローブ固定部の発色外観を目視で観察し、下記の判断基準でランク付けを行った。
○:核酸プローブ固定部全体で均一な発色が見られる。
△:核酸プローブ固定部の一部で発色不良が見られる。
×:核酸プローブ固定部の半分以上で発色不良が見られる。
核酸プローブ固定部以外の着色を目視で観察し、下記の判断基準でランク付けを行った。
○:着色が見られない。
×:着色が見られる。
学振式堅牢度試験機(RT−200、大栄化学精器製作所製)にて、核酸固定用基材と黒台紙を用いて、核酸固定層面が黒台紙に向き合うように設置し、100gの荷重を掛けながら3往復させて、核酸固定層と黒台紙を擦りあわせた。その後、黒台紙を目視で観察し、擦った部分に白いものが観察された場合、粒子の脱落があると判断し、下記の判断基準でランク付けを行った。
○:粒子の脱落は無く、膜強度は強くて良好である。
△:粒子の脱落が若干あるものの、本発明では十分な膜強度は満たしている。
×:粒子の脱落があり、膜強度は弱くて不良である。
(核酸固定用基材)
空洞含有白色ポリエステルフィルム(東洋紡績製、K1212;厚さ75μm、全光線透過率8.0%)の片面に、下記の塗布液A(固形分濃度:3質量%)を乾燥後の塗布量が0.3g/m2 になるようにマイクログラビア方式で連続的に塗布し、100℃で10m/秒の熱風下を10秒間、次いで150℃で15m/秒の熱風下で20秒間通過させて、核酸固定層を積層させた核酸固定用基材を得た。
(核酸固定層用の塗布液A)
・イオン交換水 57.78質量%
・イソプロピルアルコール 38.52質量%
・ノニオン系性樹脂 1.00質量%
(三井化学ポリウレタン製、タケラックW635、固形分濃度35質量%;1液型ポリウレタンディスパージョン)
・シリカ粒子 1.50質量%
(富士シリシア製、サイリシア450:粒径8.1μm、細孔容積1.26ml/g)
・シリコン系界面活性剤 1.20質量%
(ダウコーニング社製、FSアンチフォーム82:HLB2.9)
上記で製造した核酸固定用基材の核酸固定層上における核酸の固定量を評価した。固定に用いた核酸(以下、固定確認用核酸と称する)は、20量体のポリアデニンであって、3’末端にポリチミンを、5’末端にビオチンを結合させた核酸である。
実施例1において、核酸固定層を形成する塗液を塗布液Bにしたこと以外は実施例1と同様にして核酸固定用基材を得た。(核酸固定層用の塗布液B)
・イオン交換水 57.78質量%
・イソプロピルアルコール 38.52質量%
・ノニオン系樹脂 1.00質量%
(三井化学ポリウレタン製、タケラックW635、固形分濃度35質量%;1液型ポリウレタンディスパージョン)
・シリカ粒子 1.50質量%
(富士シリシア製、サイリシア450:粒径8.1μm、細孔容積1.26ml/g)
・シリコン系界面活性剤 1.20質量%
(ダウコーニング社製、DC57:HLB6.7)
実施例1において、核酸固定層を形成する塗液を塗布液Cにしたこと以外は実施例1と同様にして核酸固定用基材を得た。
(核酸固定層用の塗布液C)
・イオン交換水 57.78質量%
・イソプロピルアルコール 38.52質量%
・ノニオン系樹脂 1.00質量%
(三井化学ポリウレタン製、タケラックW635、固形分濃度35質量%;1液型ポリウレタンディスパージョン)
・シリカ粒子 1.50質量%
(富士シリシア製、サイリシア450:粒径8.1μm、細孔容積1.26ml/g)
・シリコン系界面活性剤 1.20質量%
(ダウコーニング社製、ペインタッド54:HLB1.0)
実施例1において、核酸固定層を形成する塗液を塗布液Dにしたこと以外は実施例1と同様にして核酸固定用基材を得た。
(核酸固定層用の塗布液D)
・イオン交換水 57.57質量%
・イソプロピルアルコール 38.38質量%
・ノニオン系樹脂 1.50質量%
(三井化学ポリウレタン製、タケラックW635、固形分濃度35質量%;1液型ポリウレタンディスパージョン)
・シリカ粒子 0.75質量%
(富士シリシア製、サイリシア450:粒径8.1μm、細孔容積1.26ml/g)
・シリコン系界面活性剤 1.80質量%
(ダウコーニング社製、FSアンチフォーム82:HLB2.9)
実施例1において、核酸固定層を形成する塗液を塗布液Eにしたこと以外は実施例1と同様にして核酸固定用基材を得た。
(核酸固定層用の塗布液E)
・イオン交換水 58.03質量%
・イソプロピルアルコール 38.69質量%
・ノニオン系樹脂 0.40質量%
(三井化学ポリウレタン製、タケラックW635、固形分濃度35質量%;1液型ポリウレタンディスパージョン)
・シリカ粒子 2.40質量%
(富士シリシア製、サイリシア450:粒径8.1μm、細孔容積1.26ml/g)
・シリコン系界面活性剤 0.48質量%
(ダウコーニング社製、FSアンチフォーム82:HLB2.9)
実施例1において、核酸固定層を形成する塗液を塗布液Fにしたこと以外は実施例1と同様にして核酸固定用基材を得た。
(核酸固定層用の塗布液F)
・イオン交換水 58.07質量%
・イソプロピルアルコール 38.72質量%
・ノニオン系樹脂 0.30質量%
(三井化学ポリウレタン製、タケラックW635、固形分濃度35質量%;1液型ポリウレタンディスパージョン)
・シリカ粒子 2.55質量%
(富士シリシア製、サイリシア450:粒径8.1μm、細孔容積1.26ml/g)
・シリコン系界面活性剤 0.36質量%
(ダウコーニング社製、FSアンチフォーム82:HLB2.9)
実施例1において、核酸固定層を形成する塗液を塗布液Gにしたこと以外は実施例1と同様にして核酸固定用基材を得た。
(核酸固定層用の塗布液G)
・イオン交換水 57.78質量%
・イソプロピルアルコール 38.52質量%
・ノニオン系樹脂 1.00質量%
(三井化学ポリウレタン製、タケラックW635、固形分濃度35質量%;1液型ポリウレタンディスパージョン)
・シリカ粒子 1.50質量%
(富士シリシア製、サイリシア420:粒径2.9μm、細孔容積1.25ml/g)
・シリコン系界面活性剤 1.20質量%
(ダウコーニング社製、FSアンチフォーム82:HLB2.9)
実施例1において、核酸固定層を形成する塗液を塗布液Hにしたこと以外は実施例1と同様にして核酸固定用基材を得た。
(核酸固定層用の塗布液H)
・イオン交換水 57.78質量%
・イソプロピルアルコール 38.52質量%
・ノニオン系樹脂 1.00質量%
(三井化学ポリウレタン製、タケラックW635、固形分濃度35質量%;1液型ポリウレタンディスパージョン)
・シリカ粒子 1.50質量%
(富士シリシア製、サイリシア470:粒径13.9μm、細孔容積1.25ml/g)
・シリコン系界面活性剤 1.20質量%
(ダウコーニング社製、FSアンチフォーム82:HLB2.9)
実施例1において、核酸固定層を形成する塗液を塗布液Iにしたこと以外は実施例1と同様にして核酸固定用基材を得た。
(核酸固定層用の塗布液I)
・イオン交換水 57.78質量%
・イソプロピルアルコール 38.52質量%
・アニオン系樹脂 1.00質量%
(東洋紡績製、MD−1250;スルホン酸基含有共重合ポリエステル)
・シリカ粒子 1.50質量%
(富士シリシア製、サイリシア450:粒径8.1μm、細孔容積1.26ml/g)
・シリコン系界面活性剤 1.20質量%
(ダウコーニング社製、FSアンチフォーム82:HLB2.9)
実施例1において、核酸固定層を形成する塗液を塗布液Jにしたこと以外は実施例1と同様にして核酸固定用基材を得た。
(核酸固定層用の塗布液J)
・イオン交換水 57.78質量%
・イソプロピルアルコール 38.52質量%
・ノニオン系樹脂 0.50質量%
(三井化学ポリウレタン製、タケラックW635、固形分濃度35質量%;1液型ポリウレタンディスパージョン)
・アニオン系樹脂 0.50質量%
(東洋紡績製、MD−1250;スルホン酸基含有共重合ポリエステル)
・シリカ粒子 1.50質量%
(富士シリシア製、サイリシア450:粒径8.1μm、細孔容積1.26ml/g)
・シリコン系界面活性剤 1.20質量%
(ダウコーニング社製、FSアンチフォーム82:HLB2.9)
実施例1において、核酸固定層を形成する塗液を塗布液Kにしたこと以外は実施例1と同様にして核酸固定用基材を得た。
(核酸固定層用の塗布液K)
・イオン交換水 57.78質量%
・イソプロピルアルコール 38.52質量%
・ノニオン系樹脂 1.00質量%
(三井化学ポリウレタン製、タケラックW635、固形分濃度35質量%;1液型ポリウレタンディスパージョン)
・アクリル粒子 1.50質量%
(日本触媒製、エポスターMA1006:粒径6.3μm)
・シリコン系界面活性剤 1.20質量%
(ダウコーニング社製、FSアンチフォーム82:HLB2.9)
核酸固定層を形成していない空洞含有白色ポリエステルフィルム(東洋紡績製、K1212、厚さ75μm、全光線透過率8.0%)に実施例1と同様に評価した結果、核酸プローブ固定部の発色強度は弱く、核酸検査用デバイスとしては不適であった。核酸プローブ固定部の発色外観は良好で、核酸プローブ固定部以外の着色は見られなかった。具体的な物性を表1に示す。
実施例1において、核酸固定層を形成する塗液を塗布液Lにしたこと以外は実施例1と同様にして核酸固定用基材を得た。
(核酸固定層用の塗布液L)
・イオン交換水 57.78質量%
・イソプロピルアルコール 38.52質量%
・ノニオン系樹脂 1.00質量%
(三井化学ポリウレタン製、タケラックW635、固形分濃度35質量%;1液型ポリウレタンディスパージョン)
・シリカ粒子 1.50質量%
(富士シリシア製、サイリシア450)
・シリコン系界面活性剤 1.20質量%
(ダウコーニング社製、ペインタッド32:HLB12.1)
実施例1において、核酸固定層を形成する塗液を塗布液Mにしたこと以外は実施例1と同様にして核酸固定用基材を得た。
(核酸固定層用の塗布液M)
・イオン交換水 56.79質量%
・イソプロピルアルコール 37.86質量%
・ノニオン系樹脂 1.00質量%
(三井化学ポリウレタン製、タケラックW635、固形分濃度35質量%;1液型ポリウレタンディスパージョン)
・シリカ粒子 1.50質量%
(富士シリシア製、サイリシア450:粒径8.1μm、細孔容積1.26ml/g)
・シリコン系界面活性剤 1.20質量%
(ダウコーニング社製、DC56:HLB0.0)
実施例1において、核酸固定層を形成する塗液を塗布液Nにしたこと以外は実施例1と同様にして核酸固定用基材を得た。
(核酸固定層用の塗布液N)
・イオン交換水 57.36質量%
・イソプロピルアルコール 38.24質量%
・ノニオン系樹脂 2.00質量%
(三井化学ポリウレタン製、タケラックW635、固形分濃度35質量%;1液型ポリウレタンディスパージョン)
・シリコン系界面活性剤 2.40質量%
(ダウコーニング社製、FSアンチフォーム82:HLB2.9)
実施例1において、核酸固定層を形成する塗液を塗布液Oにしたこと以外は実施例1と同様にして核酸固定用基材を得た。
(核酸固定層用の塗布液O)
・イオン交換水 57.78質量%
・イソプロピルアルコール 38.52質量%
・カチオン系樹脂 1.00質量%
(センカ製、CP103;ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロライド))
・シリカ粒子 1.50質量%
(富士シリシア製、サイリシア450:粒径8.1μm、細孔容積1.26ml/g)
・シリコン系界面活性剤 1.20質量%
(ダウコーニング社製、FSアンチフォーム82:HLB2.9)
実施例1において、核酸固定層を形成する塗液を塗布液Pにしたこと以外は実施例1と同様にして核酸固定用基材を得た。
(核酸固定層用の塗布液P)
・イオン交換水 57.78質量%
・イソプロピルアルコール 38.52質量%
・ノニオン系樹脂 0.50質量%
(三井化学ポリウレタン製、タケラックW635、固形分濃度35質量%;1液型ポリウレタンディスパージョン)
・カチオン系樹脂 0.50質量%
(センカ製、CP103;ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロライド))
・シリカ粒子 1.50質量%
(富士シリシア製、サイリシア450:粒径8.1μm、細孔容積1.26ml/g)
・シリコン系界面活性剤 1.20質量%
(ダウコーニング社製、FSアンチフォーム82:HLB2.9)
実施例1において、核酸固定層を形成する塗液を塗布液Qにしたこと以外は実施例1と同様にして核酸固定用基材を得た。
(核酸固定層用の塗布液Q)
・イオン交換水 57.78質量%
・イソプロピルアルコール 38.52質量%
・吸水性樹脂(PVA) 1.00質量%
(日本合成化学製、GH−17R)
・シリカ粒子 1.50質量%
(富士シリシア製、サイリシア450:粒径8.1μm、細孔容積1.26ml/g)
・シリコン系界面活性剤 1.20質量%
(ダウコーニング社製、FSアンチフォーム82:HLB2.9)
核酸ブロッティング用メンブレン(GEヘルスケアバイオサイエンス社製、Hybond−N+)に実施例1と同様に評価した結果、核酸プローブ固定部の発色強度は強く、発色外観も良好であった。しかし、核酸プローブ固定部以外の着色が見られ、核酸検査用デバイスとしては不適であった。このようになった原因は核酸ブロッティング用メンブレンに吸水性があることが挙げられる。また、核酸ブロッティング用メンブレンのカタログにはメンブレン表面にポジティブチャージ処理がなされていることが記載されており、おそらくメンブレン表面にカチオン性基が付与されているものと推測される。具体的な物性を表1に示す。
(核酸検査用デバイス)
実施例9で製造した核酸固定用基材の核酸固定層上に核酸プローブを固定することにより、核酸検査用デバイスを製造した。核酸プローブは、下記配列番号1に示された塩基配列を有し、3’末端にポリチミンを結合させた核酸と、下記配列番号2に示された塩基配列を有し、3’末端にポリチミンを結合させた核酸である。下記配列番号2に示された塩基配列は、ヒトゲノムDNAの第1エクソンと第2エクソンの間のイントロン領域内に存在するエストロゲン受容体対立遺伝子(XbaI多型)のうち、制限酵素XbaIにより切断される配列(X型)を検出することができる配列である。一方、下記配列番号3に示された塩基配列は、XbaI多型のうち、制限酵素XbaIにより切断されない配列(x型)を検出することができる配列である。
配列番号2:gtggtctaga gttggg 16
XX型、Xx型並びにxx型の検体のゲノムDNAを配列番号3に示された塩基配列を有するフォワードプライマーおよび配列番号4に示された塩基配列を有し、かつ5’末端にビオチンを結合させたリバースプライマー、およびTaq DNAポリメラーゼ(東洋紡社製)を用いたPCR法により、XbaI多型を含む塩基配列の増幅をそれぞれ行った。PCRの反応条件は、変性過程を94℃、5分、その後、変性過程を94℃、30秒、アニール過程を55℃、20秒、鎖伸長過程を72℃、20秒とし、この工程を30サイクルおこない、その後、伸長過程を72℃、10分間行い増幅した。
配列番号4:cctgcaccag aatatgttac c 21
上記で増幅したそれぞれのDNA溶液10μlに、水酸化ナトリウム(5M)、エチレンジアミン四酢酸(0.05M)の溶液(10μl)を加えてよく攪拌し、5分間放置して、増幅したそれぞれのDNAを1本鎖に変性した。次に、この溶液及び本実施例で製造した核酸検査用デバイスを、液温45℃のハイブリダイズ液に添加し、30分間振とうさせた。ハイブリダイズ液は、ラウリル硫酸ナトリウム(0.01w/v%)、塩化ナトリウム(1.8w/v%)及びクエン酸ナトリウム(1.0w/v%)からなる溶液(1ml)である。その後、液温45℃のハイブリダイズ液で洗浄し、液温45℃のハイブリダイズ液を加え、10分間振とうした。その後、液温20℃のリンス液で洗浄し、液温20℃のアルカリホスファターゼ標識ストレプトアビジン溶液を加え、30分間振とうさせることにより、核酸固定用基材の核酸固定層上に固定した各核酸プローブのビオチンにアルカリホスファターゼ修飾ストレプトアビジンを反応させた。その後、液温20℃のリンス液で洗浄し、液温20℃の基質液希釈液で前処理した後、液温20℃の基質液で30分間振とうさせ、上記工程で反応させたアルカリホスファターゼ修飾ストレプトアビジンと発色反応をさせた。
(核酸検査用デバイス)
実施例1で製造した核酸固定用基材の核酸固定層上に核酸プローブを固定することにより、核酸検査用デバイスを製造した。核酸プローブは、下記配列番号5に示された塩基配列を有し、3’末端にポリチミンを結合させた核酸と、下記配列番号6に示された塩基配列を有し、3’末端にポリチミンを結合させた核酸である。下記配列番号5に示された塩基配列は、ヒトゲノムDNAのMTHFR遺伝子第5エクソン領域内に存在する多型(HinfI多型)のうち、制限酵素HinfIにより切断される配列(V型)を検出することができる配列である。一方、下記配列番号6に示された塩基配列は、HinfI多型のうち、制限酵素HinfIにより切断されない配列(A型)を検出することができる配列である。
配列番号6:cgggagccga tttcat 16
AA型、AV型並びにVV型の検体のゲノムDNAを配列番号7に示された塩基配列を有するフォワードプライマーおよび配列番号8に示された塩基配列を有し、かつ5’末端にビオチンを結合させたリバースプライマー、およびTaq DNAポリメラーゼ(東洋紡社製)を用いたPCR法により、HinfI多型を含む塩基配列の増幅をそれぞれ行った。PCRの反応条件は、変性過程を94℃、5分、その後、変性過程を94℃、30秒、アニール過程を55℃、20秒、鎖伸長過程を72℃、20秒とし、この工程を30サイクルおこない、その後、伸長過程を72℃、10分間行い増幅した。
配列番号8:tcacaaagcg gaagaatgtg 20
核酸の検出は、実施例12と同様に行った。
Claims (8)
- 基材と、該基材上の核酸固定層を含んでなる核酸固定用基材であって、該核酸固定層は、ノニオン系またはアニオン系の非吸水性樹脂と多孔質シリカ粒子と界面活性剤を含有する組成物からなり、該核酸固定層の水との接触角は3°以上80°以下であることを特徴とする核酸固定用基材。
- 基材の表面に、ノニオン系またはアニオン系の非吸水性樹脂と多孔質シリカ粒子と界面活性剤を含有する塗布液を塗布および乾燥するステップを含む、請求項1に記載の核酸固定用基材の製造方法。
- 請求項1〜2のいずれかに記載の核酸固定用基材に核酸プローブが固定された核酸検査用デバイスであって、核酸プローブは核酸固定層に固定されていることを特徴とする核酸検査用デバイス。
- 前記核酸プローブは、その3’末端にポリチミンが付加されている、請求項3に記載の核酸検査用デバイス。
- 請求項1〜2のいずれかに記載の核酸固定用基材に核酸プローブが固定された核酸検査用デバイスの製造方法であって、
前記核酸固定層上に核酸プローブの水溶液を滴下し、次いで紫外線を照射するステップを含む、核酸検査用デバイスの製造方法。 - 前記核酸プローブは、その3’末端にポリチミンが付加されている、請求項5に記載の核酸検査用デバイスの製造方法。
- 請求項3に記載の核酸検査用デバイスを用いた核酸検査方法であって、
(1)検体DNAを採取するステップ、
(2)前記検体DNAを前記核酸プローブにハイブリダイズするステップ、及び
(3)前記ハイブリダイズしたDNAを検出するステップ、
を含むことを特徴とする核酸検査方法。 - ハイブリダイズしたDNAを検出するステップ(3)は、発色反応に基づくことを特徴とする請求項7に記載の核酸検査方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007265530A JP5436766B2 (ja) | 2007-10-11 | 2007-10-11 | 核酸固定用基材、核酸固定用基材の製造方法、核酸検査用デバイス、核酸検査用デバイスの製造方法、並びに核酸検査方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007265530A JP5436766B2 (ja) | 2007-10-11 | 2007-10-11 | 核酸固定用基材、核酸固定用基材の製造方法、核酸検査用デバイス、核酸検査用デバイスの製造方法、並びに核酸検査方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009092592A JP2009092592A (ja) | 2009-04-30 |
JP5436766B2 true JP5436766B2 (ja) | 2014-03-05 |
Family
ID=40664710
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007265530A Expired - Fee Related JP5436766B2 (ja) | 2007-10-11 | 2007-10-11 | 核酸固定用基材、核酸固定用基材の製造方法、核酸検査用デバイス、核酸検査用デバイスの製造方法、並びに核酸検査方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5436766B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013055898A (ja) * | 2011-09-07 | 2013-03-28 | Dainippon Printing Co Ltd | ディスペンス液 |
WO2019035335A1 (ja) * | 2017-08-18 | 2019-02-21 | Agc株式会社 | 核酸の回収方法、核酸結合用担体および核酸回収キット |
US20240011013A1 (en) * | 2020-09-15 | 2024-01-11 | Sekisui Medical Co., Ltd. | Nucleic acid purification method, nucleic acid extraction liquid, and nucleic acid purification kit |
Family Cites Families (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001183378A (ja) * | 1999-12-27 | 2001-07-06 | Fuji Photo Film Co Ltd | 固相担体表面へのdna断片の固定方法及びdnaチップ |
JP2002060671A (ja) * | 2000-08-11 | 2002-02-26 | Mitsubishi Chemicals Corp | 新規コーティング樹脂板 |
JP2003194811A (ja) * | 2001-12-26 | 2003-07-09 | Hitachi Ltd | Dna固定化基板及びその製造方法 |
JP4691383B2 (ja) * | 2005-03-31 | 2011-06-01 | 国立大学法人名古屋大学 | 核酸マイクロアレイおよびその製造方法 |
JP2006322709A (ja) * | 2005-05-17 | 2006-11-30 | Institute Of Physical & Chemical Research | 物質固定化基板 |
JP2007178208A (ja) * | 2005-12-27 | 2007-07-12 | Lintec Corp | 生体物質固定用担体 |
JP4689475B2 (ja) * | 2006-01-11 | 2011-05-25 | ニプロ株式会社 | 核酸固定用成形体および核酸固定化方法 |
JP4882408B2 (ja) * | 2006-02-20 | 2012-02-22 | 住友ベークライト株式会社 | バイオアッセイ用基材 |
-
2007
- 2007-10-11 JP JP2007265530A patent/JP5436766B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2009092592A (ja) | 2009-04-30 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US20210402749A1 (en) | Polymer sheets for sequencing applications | |
JP4777563B2 (ja) | マスク層を有するアレイおよびその製造方法 | |
JP2002511586A (ja) | 高密度小型化アレイおよびその製造方法 | |
US20070148698A1 (en) | Composite microarray slides | |
JP6593506B2 (ja) | セラミックグリーンシート製造用離型フィルム | |
JP7417878B2 (ja) | 離型フィルム | |
US10788414B2 (en) | Cover film for testing, testing member including cover film, and method of manufacturing cover film for testing | |
TW202033350A (zh) | 離型膜、離型膜之製造方法、陶瓷生坯之製造方法、以及陶瓷電容器之製造方法 | |
JP5436766B2 (ja) | 核酸固定用基材、核酸固定用基材の製造方法、核酸検査用デバイス、核酸検査用デバイスの製造方法、並びに核酸検査方法 | |
US20200347443A1 (en) | Nucleic acid hybridization methods | |
US20050048554A1 (en) | Method of making and using hybrid polymeric thin films for bio-microarray applications | |
Dufva et al. | Characterization of an inexpensive, nontoxic, and highly sensitive microarray substrate | |
JP2002060671A (ja) | 新規コーティング樹脂板 | |
JP3954522B2 (ja) | 生物学的活性物質を固定化した素子 | |
US20240011975A1 (en) | Nanopatterned Films with Patterned Surface Chemistry | |
WO2008028011A2 (en) | Compositions and methods for preserving permeation layers for use on active electronic matrix devices | |
JP5985563B2 (ja) | 積層ポリエステルフィルム | |
WO2007140294A2 (en) | Analysis device | |
JP2007178208A (ja) | 生体物質固定用担体 | |
JP5157382B2 (ja) | Rna配列の検出方法 | |
JP7327602B2 (ja) | 離型フィルム | |
JP2001349860A (ja) | 液体展開用シート | |
JP2007064963A (ja) | 生体物質固定用担体 | |
JP2004239642A (ja) | Dnaまたはプロテイン固定用ガラス基板ならびにそれを用いたdnaおよびプロテインチップ |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20100930 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20130219 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20130416 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20131126 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20131211 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Ref document number: 5436766 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |