JP2004239642A - Dnaまたはプロテイン固定用ガラス基板ならびにそれを用いたdnaおよびプロテインチップ - Google Patents

Dnaまたはプロテイン固定用ガラス基板ならびにそれを用いたdnaおよびプロテインチップ Download PDF

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Yasuhiro Hashimoto
安弘 橋本
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靖典 小林
Shunichi Yatsuyama
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Abstract

【課題】金表面に安定に固定された区画を有するガラス基板、ならびにそのガラス基板上にDNAまたはプロテインが固定されているDNAチップまたはプロテインチップを提供すること
【解決手段】本発明は、ガラス基材上に金表面を有し、かつ該金表面上に区画を有する、ガラス基板を提供し、該区画は、エポキシ樹脂を主成分とする熱硬化性樹脂に有機粉末を含有させて、弾性率を0.1〜3GPaとした樹脂によって形成されている。本発明はさらに、上記ガラス基板の金表面上に、ジスルフィド基またはSH基を有するDNAあるいはジスルフィド基またはSH基を有するスペーサー分子を介してDNAまたはプロテインが固定されている、DNAチップまたはプロテインチップも提供する。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、DNAまたはプロテインチップに関する。より詳細には、DNAまたはプロテインが金表面に固定されているDNAまたはプロテインチップに関する。
【0002】
【従来の技術】
ポストゲノム時代を迎え、遺伝子およびプロテインの機能解析、これらによる病気の診断などの目的で、DNAチップおよびプロテインチップが非常に注目されている。現在市販されているDNAチップは、ガラスやシリコン基板上にDNA断片が固定されている。このDNA断片の基板への固定は、主として、DNA断片と基板表面との静電結合によるか、あるいは、DNA末端のアミノ基と基板表面上に付加した該アミノ基と連結可能な基との共有結合による。しかし、これらの方法による固定はあまり安定ではないため、操作中にDNAが脱離しやすく、定量性がよくないという問題がある。例えば、ポリL−リジンを基板上にコーティングしてDNA断片と静電結合させる方法は、作製に手間がかかるだけでなく、安定な固定化ができず、夾雑物が付着しやすいという問題もある。DNA断片を基板上に安定に固定するために、基板表面に対して化学修飾(例えば、アミノ基と連結可能な官能基の導入)を施した後、該表面にDNA断片を共有結合させたDNAチップもあるが、作製に手間やコストがかかる。
【0003】
アルカンチオールなどSH基を有する化合物が、金表面に自己単分子膜の様式で結合することが広く知られており(例えば、特許文献1参照)、この原理を利用して金電極などにDNAを固定することが可能である。しかし、スライドガラスに均一な金薄膜を作製する工程は高価であることが、特に実用上の障害となっている。スライドガラス表面上に金薄膜を形成した後に、スクリーン印刷などの技術を利用して区画を設けることができれば、1枚の基板上で複数の試験を実施することができることから、試薬の削減に加え、1検査あたりの費用の削減につながる。しかし、これまで、DNAやプロテインの試験に使用する条件、例えば、緩衝液、ホルムアミドのような溶媒、100℃の温度などに耐え得るような金表面との接着強度を保った樹脂の加工は困難であった。
【0004】
【特許文献1】
特表2001−503760号公報
【特許文献2】
特開2002−353352号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、金表面に安定に固定された区画を有するガラス基板、ならびにそのガラス基板上にDNAまたはプロテインが固定されているDNAチップまたはプロテインチップを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、区画を形成するための樹脂について種々検討を行い、その物理的性質をある範囲内にすることによって、金表面上に安定な区画を形成し得ることを見出して完成されたものである。
【0007】
本発明は、ガラス基材上に金表面を有し、かつ該金表面上に区画を有する、ガラス基板を提供し、該区画は、エポキシ樹脂を主成分とする熱硬化性樹脂に有機粉末を含有させて、弾性率を0.1〜3GPaとした樹脂によって形成されている。
【0008】
好適な実施態様では、上記区画は、上記樹脂を170〜180℃の温度で5〜10分間加圧加熱することによって形成されている。
【0009】
好適な実施態様では、上記金表面上に、アルカンチオールの単分子膜が形成されている。
【0010】
本発明はまた、上記ガラス基板の金表面上に、ジスルフィド基またはSH基を有するDNAあるいはジスルフィド基またはSH基を有するスペーサー分子を介してDNAが固定されている、DNAチップを提供する。
【0011】
本発明はさらに、上記ガラス基板の金表面上に、ジスルフィド基またはSH基を有するプロテインあるいはジスルフィド基またはSH基を有するスペーサー分子を介してプロテインが固定されている、プロテインチップを提供する。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明において、「DNAチップ」とは、基板上にプローブとして種々のDNA断片を固定したものをいう。一般に、DNAマイクロアレイなどと呼ばれているものも含む。「プロテインチップ」とは、基板上にプローブとして種々のプロテイン(タンパク質、ペプチド)を固定したものをいう。「ガラス基板」とは、プローブが固定されていない基板をいう。「ガラス基材」とは、金表面および区画を有していないガラス板をいう。また、「区画」とは、基板上の金表面を、検出すべき試料が混ざり合ったりあるいは流出しないように、いくつかに区分けするための隔壁(仕切り)をいい、金表面上に形成される。なお、区画は、その一部分が開放されていてもよい。
【0013】
本発明のガラス基板は、ガラス基材上に金表面を有し、かつ該表面上に区画を有するガラス基板であって、該区画が、エポキシ樹脂を主成分とする熱硬化性樹脂に有機粉末を含有させて、弾性率を0.1〜3GPaとした樹脂によって形成されている。
【0014】
本発明のガラス基板は、ガラス基材上に金表面を有する。この金表面は、金とDNAに付加されたまたはプロテインに存在するSH基との間で結合を形成し、それによってDNAまたはプロテインをガラス基材上に固定する目的で、ガラス基材表面上に形成されている。ガラス基材は、平坦であることが好ましい。
【0015】
ガラス基材表面に金表面を形成する方法は、表面処理の分野で通常用いられる方法であれば、特に限定されない。例えば、物理蒸着(真空蒸着、イオンプレーティング、スパッタリングなど)、化学蒸着、電気めっき、化学めっき、箔の塗布などが挙げられる。金表面の厚さは、DNAまたはプロテインの固定強度および安定性には無関係であるため、任意の厚さである。例えば、数オングストローム〜数μmであってもよい。通常、金表面を安定にガラス基材上に形成するために、予めガラス基材上にクロム、チタンなどを蒸着または塗布した後、金を蒸着または塗布することが好ましい。具体的には、ガラス基材上に、0.1〜0.5μmの厚さのチタン薄膜を形成し、次いでその上に0.5〜1.0μmの金薄膜を形成することがより好ましい。
【0016】
本発明のガラス基板は、上記表面上に区画を有する。この区画は、エポキシ樹脂を主成分とする熱硬化性樹脂に有機粉末を含有させて、弾性率を0.1〜3GPaとした樹脂によって形成されている。
【0017】
エポキシ樹脂を主成分とする熱硬化性樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールA変性エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、特殊ノボラック型エポキシ樹脂、フェノール誘導体エポキシ樹脂、ビフェノール骨格型エポキシ樹脂などのエポキシ樹脂に、イミダゾール系、アミン系、リン系、ヒドラジン系、イミダゾールアダクト系、アミンアダクト系、カチオン重合系、ジシアンジアミド系などの硬化剤を添加したものが挙げられる。なお、2種類以上のエポキシ樹脂を混合して用いてもよい。ここで、主成分のエポキシ樹脂は、熱硬化性樹脂中に70重量%以上、好ましくは80重量%以上の割合で含まれる。
【0018】
上記熱硬化性樹脂に含有される有機粉末は、上記熱硬化性樹脂よりも弾性率が低いものが用いられる。このような有機粉末としては、シリコーンゴム、シリコーンレジン、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリメタクリル酸メチル、架橋ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン、架橋ポリスチレン、エチレン−アクリル共重合体、ポリメタクリル酸エチル、ブチルアクリレート、ウレタンなどの軟質微粒子が好ましい。
【0019】
上記熱硬化性樹脂に上記有機粉末を、弾性率が0.1〜3GPaになるように含有させる。含有させる割合は、選択された樹脂および粉末に応じて適宜決定される。弾性率をこの範囲にすることにより、樹脂を熱硬化させて金表面に接着させる際に発生する残留応力を低減できる。弾性率が0.1GPa未満であると、所定の位置に樹脂を配置して区画を形成することが困難となる傾向がある。弾性率が3GPaを超えると、熱負荷がかかった場合に、樹脂とガラス基材との弾性率(ヤング率)の差のため、熱応力歪が大きくなり、樹脂にクラックが生じやすくなる傾向がある。なお、ここでいう弾性率とは、JIS動的弾性率試験法(曲げ共振法)に従って測定した値である。
【0020】
金表面上の区画は、金表面上の所定の位置に上記有機粉末を含有する熱硬化性樹脂を配置し、これを熱硬化させることによって形成される。樹脂を配置する方法は、特に限定されず、例えば、通常用いられるプリンティングなどによって行われる。このように配置された熱硬化性樹脂の硬化は、通常、約150℃の温度で30分間程度行われる。樹脂と金表面との接着強度をより強くするために、170〜180℃の温度で5〜10分間加圧加熱することが好ましい。
【0021】
この区画は、硬化後に、幅0.3〜1.0mmおよび高さ0.05〜0.2mmのサイズの隔壁によって形成されることが好ましい。隔壁の幅が狭すぎると、樹脂と金表面との接着力が低下し、隔壁の幅が広すぎると、隔壁の高さが低くなり、区画としての機能を果たさなくなる。
【0022】
上記のようにして、本発明のガラス基板が得られる。この基板は、以下に詳述するように、プローブとして所望のDNAまたはプロテインを、安定に固定することができるため、DNAチップおよびプロテインチップ用の基板として有用である。
【0023】
本発明のDNAチップに固定されるべきDNAは、特に限定されない。例えば、cDNA、合成オリゴDNAなどが挙げられ、目的に応じて一本鎖または二本鎖のDNAのいずれであってもよい。
【0024】
このようなDNAを、上記ガラス基板の金表面に固定させるためには、DNAの末端にSH基を導入する必要がある。後の検出にDNAの伸長反応を利用する場合などは、SH基をDNAの5’末端側に導入することが好ましい。SH基の導入は、上記特許文献1に記載されるような通常用いられる方法で行われ、例えば、市販のSH基修飾試薬が用いられ得る。
【0025】
本発明のプロテインチップに固定されるべきプロテイン(タンパク質、ペプチド)は、特に限定されず、例えば、酵素、抗体、それらのフラグメント、生理活性ペプチド、糖ペプチド、レセプター、合成オリゴペプチドなどが挙げられる。
【0026】
このようなプロテインを、上記ガラス基板の金表面に固定させるためには、プロテイン中に存在するジスルフィド基またはSH基を利用し得る。あるいは、プロテインの場合は、上記DNAの場合と同様に化学反応によってSH基を導入することもできる。
【0027】
DNAおよびプロテインは、ジスルフィド基またはSH基を有するスペーサー分子を介して金表面に固定してもよい。例えば、DNAを固定するためには、スペーサー分子として、アルカンチオールを用いることができる。例えば、DNAまたはプロテインの固定のためには、スペーサー分子として、4,4’−ジチオジ酪酸と水溶性カルボジイミド(EDC)/N−ヒドロキシコハク酸イミド(NHS)との組み合わせが好適に用いられる。あるいは、3,3’−ジチオジプロピオン酸ビス−(N−ヒドロキシスクシンイミド)も用いられる。
【0028】
ジスルフィド基または遊離のSH基を有するDNAまたはプロテインを、ガラス基板の区画内の金表面の所定の位置に配置することによって、S−Au結合が形成される。すなわち、単にDNAまたはプロテインを配置するだけで固定化を行い得る点で、操作性に非常に優れている。所定の位置への配置は、どのような手段で行ってもよく、例えば、マイクロピペット、インクジェット、細い筒状のピンなどが用いられ得る。
【0029】
上記のように固定することによって、DNAは、その鎖長によっても異なるが、例えば、約20pmol/mm以上の密度で固定され得る。プロテインも、分子量や立体構造によって固定され得る密度は大きく異なるが、比較的高密度で固定することが可能である。そのため、高感度の検出が可能である。
【0030】
本発明のDNAチップまたはプロテインチップは、DNAまたはプロテインと金表面との間の結合が比較的安定であるため、反応や検出の操作中に、DNAまたはプロテインが脱離しにくい。さらに、金表面のバックグラウンドレベルはガラスと同程度に低いため、検出に非常に好適である。したがって、本発明のDNAチップまたはプロテインチップは、検出感度や定量性が良好である。DNAチップの場合は、例えば、アルカリ(例えば、0.1N NaOH)で洗浄することによって、固定されているDNAと結合した試料を除去できるため、繰り返して使用することも可能である。
【0031】
上記のようにして、プローブとしてDNAまたはプロテインが金表面に固定されている、本発明のDNAチップまたはプロテインチップが得られる。これらのチップは、通常用いられているDNAチップまたはプロテインチップと同様に、これらのチップの各区画内で種々の反応を行うことが可能であり、通常用いられる種々の検出方法が適用できる。例えば、本発明のDNAチップまたはプロテインチップを用いて、バインディングアッセイ(レセプター/リガンドアッセイ、抗原抗体反応、ハイブリダイゼーションなど)、カイネティクス解析などを行い得る。検出方法としては、特に限定されず、検出すべき物質に応じて適宜選択される。例えば、蛍光物質または蛍光標識した物質を直接的または間接的にDNAまたはプロテインあるいは反応生成物に結合させて蛍光を検出する方法;DNAの伸長反応を利用する検出方法;表面プラズモン共鳴現象(SPR)を応用した検出方法;電気化学的検出法などが挙げられる。
【0032】
【実施例】
(実施例1:DNAチップの製造)
顕微鏡用スライドガラスに、チタン、次いで金を蒸着させた。次いで、アミン系の硬化剤を約5重量%の割合で含有する熱硬化性樹脂(約20重量%以上のビスフェノールA型エポキシ樹脂および約20重量%以上のビスフェノールA変性エポキシ樹脂)と有機粉末(シリコーン系)とを混合して、弾性率2GPaの樹脂を得た。この樹脂を、上記の金蒸着させたスライドガラス上にスクリーン印刷し、180℃にて5分間焼成して、3区画を有するガラス基板を製造した。このガラス基板の金表面を、蛍光検出装置(FUJI FLA−8000)を用いてスキャンし、樹脂材料による金表面の汚染による蛍光強度の増加がないことを確認した。
【0033】
次いで、Mycobacterium tuberculosis、M. intracellulare、およびM. aviumにそれぞれ特異的な5’末端チオール修飾DNA(それぞれ配列番号1、配列番号2、および配列番号3)を、0.1M MgCl−2×SSC溶液で10μg/mlになるように調製し、DNAマイクロアレイヤー(マイクロシステム5100システム、Cartesian Technologies製)を使用して、ガラス基板の金表面の3区画に別々に固定化した。未固定のDNAを2×SSC溶液で洗浄した後、ガラス基板を乾燥して、3種類のDNAを固定したDNAチップを製造した。
【0034】
(実施例2:DNAチップによる特異的プローブの検出)
2種類のプライマー(配列番号4および配列番号5)を用いて、M. tuberculosisのcDNAをテンプレートとしてPCRを行い、約500bpのDNA断片を増幅した。得られたPCR溶液を0.1×SSC溶液で10倍に希釈した後、100℃にて5分間加熱し、氷中で急冷して、プローブDNAを調製した。このプローブDNAに等容量の4×SSC−60%v/vホルムアミド溶液を加えて、30μlを上記得られたDNAチップの3区画に載せた。M. intracellulareおよびM. aviumのcDNAからも、配列番号4および配列番号5の2種類のプライマーを用いて、上記と同様にそれぞれのプローブDNAを調製し、それぞれ別のDNAチップの3区画に載せた。3種類のプローブDNAを載せたDNAチップについて、上記3種類のDNAをターゲットとして用いて、45℃にて3時間ハイブリダイゼーションを行った。DNAチップを60℃に加温した2×SSC溶液で3回(各15分間振盪)洗浄した。次いで、20μg/mlのヘキスト33258溶液(0.8M NaCl水溶液)を各区画に加えて5分間放置し、洗浄した後、各区画の蛍光強度を測定した。その結果、各DNAチップの3区画において、各ターゲットに対応するプローブの区画が最も強く反応していた。すなわち、固定したプローブDNAに相補的なターゲットDNAを加えた場合に、最も高い蛍光強度が得られた。また、区画の隔壁を形成している樹脂の剥離、樹脂の溶解、蛍光物質の溶出などは検出されなかった。
【0035】
(実施例3:プロテインチップの製造)
顕微鏡用スライドガラスに、クロム、次いで金をスパッタリングにより蒸着させた。次いで、アミン系の硬化剤を約5重量%の割合で含有する熱硬化性樹脂(約20重量%以上のビスフェノールA型エポキシ樹脂および約20重量%以上のビスフェノールA変性エポキシ樹脂)と有機粉末(シリコーン系)とを混合して、弾性率2GPaの樹脂を得た。この樹脂を、上記の金蒸着させたスライドガラス上にスクリーン印刷し、180℃にて5分間焼成して、4区画を有するガラス基板を製造した。次いで、このガラス基板を濃硝酸で洗浄した後、1mMジチオプロピオン酸−エタノール溶液に2時間浸漬し、蒸留水で洗浄した。20mg/ml 1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド・HCl水溶液と20mg/ml N−ヒドロキシスクシンイミド水溶液とを等量混合した溶液に、ガラス基板を1分間浸漬した。蒸留水で洗浄後、10mg/ml、1mg/ml、0.1mg/ml、および0.01mg/mlのペルオキシダーゼを、ガラス基板上のそれぞれ別の区画に50μlずつ加え、1時間放置することによって固定化した。固定化したペルオキシダーゼの酵素活性を、H−ジアミノベンジジン系での発色を測定した。
【0036】
ペルオキシダーゼを10mg/ml加えたときの420nmでの吸光度を1とした場合、1mg/ml、0.1mg/ml、および0.01mg/mlの相対的吸光度は、それぞれ0.42、0.022、および0.001であった。このように、固定化した酵素の濃度に比例した酵素活性を検出できた。
【0037】
【発明の効果】
本発明のガラス基板は、表面上に区画を有するため、1枚の基板上に数種類または数濃度の所望のDNAまたはプロテインを、特別な操作を行うことなく容易に固定することができる。したがって、オーダーメイドのDNAまたはプロテインチップを容易かつ安価に作製することができる。
【0038】
本発明のDNAチップまたはプロテインチップは、DNAまたはプロテインと基板との間の結合が比較的安定であるため、検出操作中に、DNAまたはプロテインが脱離しにくく、検出感度や定量性が良好である。1枚のチップ上に数区画を設けることが可能であるため、一度に多種の物質についてスクリーニングすることが可能である。さらに、DNAチップの場合、例えば、0.1N NaOHで洗浄することによって、固定されているDNAと反応して結合した試料をはずすことができ、繰り返して使用することも可能である。
【0039】
【配列表】
Figure 2004239642
Figure 2004239642

Claims (5)

  1. ガラス基材上に金表面を有し、かつ該金表面上に区画を有する、ガラス基板であって、該区画が、エポキシ樹脂を主成分とする熱硬化性樹脂に有機粉末を含有させて、弾性率を0.1〜3GPaとした樹脂によって形成されている、ガラス基板。
  2. 前記区画が、前記樹脂を170〜180℃の温度で5〜10分間加圧加熱することによって形成されている、請求項1に記載のガラス基板。
  3. 前記金表面上に、アルカンチオールの単分子膜が形成されている、請求項1または2に記載のガラス基板。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載のガラス基板の金表面上に、ジスルフィド基またはSH基を有するDNAあるいはジスルフィド基またはSH基を有するスペーサー分子を介してDNAが固定されている、DNAチップ。
  5. 請求項1から3のいずれかに記載のガラス基板の金表面上に、ジスルフィド基またはSH基を有するプロテインあるいはジスルフィド基またはSH基を有するスペーサー分子を介してプロテインが固定されている、プロテインチップ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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