JP5436645B1 - 冷凍サイクル装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】通常時とは異なる油量調整時用の運転条件を満足するように冷媒回路を運転することで、圧縮機内の冷凍機油の油量を調整する油量調整運転を行い、その後、冷媒回路の冷媒状態が油量調整時用の目標冷媒状態となるように冷媒回路、熱源側ファン及び負荷側ファンを制御する冷媒状態制御運転を行い、冷媒状態制御運転中に得られる運転状態量(判定指標)に基づいて圧縮機の劣化を判定する。
【選択図】図4
Description
《機器構成》
本発明の実施の形態1に係る冷凍サイクル装置100の構成を図1及び図2に基づいて説明する。
冷凍サイクル装置100は、熱源側ユニットAと、複数の負荷側ユニットB1、B2とを有し、冷媒配管により接続されている。熱源側ユニットAは、圧縮機1、四方弁2及び熱源側熱交換器3を備えている。負荷側ユニットB1、B2は、負荷側熱交換器5a、5bと、開度可変の絞り装置である膨張弁4a、4bとを有している。そして、圧縮機1、四方弁2、熱源側熱交換器3、膨張弁4a、4b、負荷側熱交換器5a、5bにより冷媒を循環させる冷媒回路が形成されている。
熱源側ユニットAは、運転状態量検出装置として、吐出温度センサ41、吸入温度センサ42、吸込空気温度センサ40c、吐出圧力センサ31及び吸入圧力センサ32を備えている。
図2には、本実施の形態1に係る冷凍サイクル装置100の計測制御を行う制御部30及びこれに接続されるセンサ類、アクチュエータ類の接続構成を表している。
続いて、実施の形態1に係る冷凍サイクル装置100における代表的な運転モードであり、後に説明する圧縮機劣化判定モードと同じ冷媒の流れとなる冷房モードの運転動作について図1に基づき説明する。
本実施の形態1の圧縮機劣化判定方法では、据付当初(基準時)の所定の冷媒条件における運転状態量(判定閾値)と、据付から所定期間が経過した時に基準時と同一の冷媒条件における運転状態量(判定指標)とを比較して圧縮機1の劣化を判定する。この圧縮機劣化判定の原理について図3に基づいて説明する。
本実施の形態1に係る冷凍サイクル装置100の動作原理である蒸気圧縮式の冷凍サイクルでは、図3に示したモリエル線図(P−h線図)のように、冷媒は圧縮行程においてA点からB点まで圧縮された後、凝縮行程においてC点まで冷却される。C点まで冷却された冷媒は、膨張行程においてD点まで減圧され、蒸発行程においてA点まで加熱される作用を受けて、冷媒回路を循環する。
図4は、本発明の実施の形態1に係る冷凍サイクル装置100における圧縮機劣化判定の流れを示すフローチャートである。以下、圧縮機劣化判定における処理の流れについて説明する。各ステップでの詳細な動作説明は、以降で改めて説明する。なお、圧縮機劣化判定モードでは、四方弁2が図1の実線側に切り換えられ、冷媒回路を冷房運転の冷媒流れにして圧縮機劣化判定を行う。
図6は、本発明の実施の形態1に係る冷凍サイクル装置100の圧縮機劣化判定における油量調整運転の流れを示すフローチャートである。以下、油量調整運転の具体的動作について図6のフローチャートに基づいて説明する。
冷媒回路のガス冷媒部においては、冷媒と油は気液二相流での流動様相を示し、特に上昇流においては気体流速により液体(油)の流動状態が変化する。気体流速が増加すると液体も気体流中に同伴されて上昇し、気体流速が減少すると液体は管壁に沿って下降する現象が生じる。気体流速が増加し下降液膜が減少した状態をゼロペネトレーションと呼び、その時の流速をゼロペネトレーション速度(以下、ゼロペネ速度)という。
図7は、本発明の実施の形態1に係る冷凍サイクル装置100の圧縮機劣化判定における冷媒状態制御運転の流れを示すフローチャートである。以下、冷媒状態制御運転の具体的動作について図7のフローチャートに基づいて説明する。冷媒状態制御運転モードでは、各アクチュエータは以下のように動作する。
以上説明したように、本実施の形態1によれば、油量調整運転によって圧縮機1内の冷凍機油の油量を調整した上で取得した判定指標を用いて圧縮効率低下を判定することで、圧縮機劣化に起因する圧縮効率低下に伴う状態量変化を正確に検出することが可能となる。よって、高精度な圧縮機劣化判定を実現できる。
本実施の形態1では、油量調整運転モードにおける負荷側熱交出口過熱度SHの目標値SHmを1℃としたが、1℃に限られたものではなく、通常時の2℃よりも高い例えば15℃としてもよい。つまり、上記では、油量調整運転モードを、油量調整用の所定運転容量+低SH運転としたが、油量調整用の所定運転容量+高SH運転としてもよい。
実施の形態2は、圧縮機1の吸入側にアキュムレータを設けた冷媒回路における圧縮機劣化判定に関する。
本発明の実施の形態2に係る冷凍サイクル装置200の構成を図8に基づいて説明する。なお、この実施の形態2では実施の形態1との相違点を中心に説明する。
冷凍サイクル装置200は、圧縮機1、四方弁2、熱源側熱交換器3に加え、圧縮機1の吸入側と四方弁2との間にアキュムレータ8を設けて熱源側ユニットAの冷媒回路を構成する。そして、圧縮機1、四方弁2、熱源側熱交換器3、膨張弁4a、4b、負荷側熱交換器5a、5b及びアキュムレータ8により冷媒を循環させる冷媒回路が形成されている。
図9は、本発明の実施の形態2に係る冷凍サイクル装置200の圧縮機劣化判定における油量調整運転の流れを示すフローチャートである。以下、油量調整運転の具体的動作について図9のフローチャートに基づいて説明する。なお、図9のステップS31〜ステップS35は実施の形態1における図6のステップS11〜ステップS15とそれぞれ同様である。なお、以下の説明では、油量調整時用の出口過熱度の目標値SHmは、実施の形態1と同様に1℃であるものとする。
以上説明したように、本実施の形態2に係る冷凍サイクル装置200によれば、油量調整運転モード時に油量調整用の所定運転容量+低SH運転をした後に更に第2の油量調整用の所定運転容量運転をする。これにより、例えば冷凍サイクル装置200のように圧縮機1の吸入側にアキュムレータ8を設けた冷媒回路において、アキュムレータ内に留まっている冷凍機油を圧縮機1へ移動させるとともに、圧縮機1に貯留した冷凍機油が圧縮機1から流出させないようにできる。このため、圧縮機劣化判定時毎に圧縮機1内の油量状態を同一とする精度を高めることができる。したがって、本実施の形態2では、高精度な圧縮機劣化判定を実現できる。
本発明の特徴事項を各実施の形態において説明したが、例えば、冷媒の流路構成(配管接続)、圧縮機・熱交換器・膨張弁等の冷媒回路要素の構成、等の内容は、各実施の形態で説明した内容に限定されるものではなく、本発明の技術の範囲内で適宜変更が可能である。
上記各実施の形態では、四方弁2により冷暖切換可能な冷媒回路の例を挙げたため、暖房運転時に余剰冷媒が発生する関係上、圧縮機劣化判定モードを、冷房運転の冷媒流れで行うとした。しかし、四方弁2を備えず暖房運転のみを行う冷媒回路にも本発明は適用可能であり、この場合、暖房運転の冷媒流れで圧縮機劣化判定モードを行ってもよい。
Claims (13)
- 運転容量を可変できる圧縮機、凝縮器、絞り装置及び蒸発器を有し、冷媒が循環するように構成された冷媒回路と、
前記凝縮器に送風する回転数可変な凝縮器側送風装置と、
前記蒸発器に送風する回転数可変な蒸発器側送風装置と、
前記冷媒回路の運転状態量を検出する運転状態量検出装置と、
前記運転状態量検出装置で検出した前記運転状態量又は前記運転状態量から演算される演算値を判定指標として前記圧縮機の劣化を判定する判定部とを備え、
前記判定部は、
通常時とは異なる油量調整時用の運転条件を満足するように前記冷媒回路を制御することで、前記圧縮機内の冷凍機油の油量を調整する油量調整運転を行い、
その後、前記冷媒回路の冷媒状態が、前記通常時とは異なる判定指標取得時用の冷媒条件を満足するように、前記圧縮機の運転容量、前記凝縮器側送風装置の回転数、前記蒸発器側送風装置の回転数及び前記絞り装置の開度を制御する冷媒状態制御運転を行い、
前記冷媒状態制御運転中に取得した前記判定指標に基づいて前記圧縮機の劣化を判定する
ことを特徴とする冷凍サイクル装置。 - 前記油量調整時用の運転条件は、
圧縮機運転容量と、前記蒸発器の出口過熱度とである
ことを特徴とする請求項1記載の冷凍サイクル装置。 - 前記運転条件の前記圧縮機運転容量は、
前記冷媒回路を流れるガス冷媒の流速が、ゼロペネトレーション速度よりも速くなる運転容量であり、
前記運転条件の前記出口過熱度は、前記通常時よりも低い過熱度である
ことを特徴とする請求項2記載の冷凍サイクル装置。 - 前記運転条件の前記圧縮機運転容量は、
前記冷媒回路を流れるガス冷媒の流速が、ゼロペネトレーション速度よりも速くなる高運転容量であり、
前記運転条件の前記出口過熱度は、
前記通常時よりも高い過熱度である
ことを特徴とする請求項2記載の冷凍サイクル装置。 - 前記冷媒回路は、
前記圧縮機の吸入側にアキュムレータを備え、
前記油量調整運転では、
前記油量調整時用の運転条件を満たす運転を行って前記圧縮機内の冷凍機油の油量を調整する第1調整を行った後、
更に、前記冷媒回路を流れるガス冷媒の流速が、ゼロペネトレーション速度以下となる低運転容量に、前記圧縮機の運転容量を変更して前記圧縮機内の冷凍機油の油量を調整する第2調整を行う
ことを特徴とする請求項2乃至請求項4の何れか一項に記載の冷凍サイクル装置。 - 前記判定指標取得時用の冷媒条件は、
前記冷媒回路における冷媒の蒸発温度と、凝縮温度と、前記蒸発器の出口過熱度とである
ことを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか一項に記載の冷凍サイクル装置。 - 前記判定指標取得時用の冷媒条件における前記凝縮温度及び前記蒸発温度は、
前記蒸発温度と前記凝縮温度との差が通常時よりも大きくなる値に設定され、
また、前記判定指標取得時用の冷媒条件における前記出口過熱度は、
通常時よりも大きくなるように設定される
ことを特徴とする請求項6記載の冷凍サイクル装置。 - 前記判定部は、
前記圧縮機の運転容量とその運転容量で前記圧縮機が運転している時の前記圧縮機の劣化判定に用いる判定閾値との関係を予め記憶しており、前記冷媒状態制御運転時に、前記予め記憶されている関係に基づいて前記圧縮機の現在の運転容量に対応した判定閾値を決定し、その判定閾値と前記判定指標とを比較して前記圧縮機の劣化を判定する
ことを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れか一項に記載の冷凍サイクル装置。 - 前記判定指標は、
前記運転状態量検出装置により検出した前記圧縮機の吐出冷媒温度と前記圧縮機の吸入冷媒温度との差である
ことを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れか一項に記載の冷凍サイクル装置。 - 前記判定指標は、
前記運転状態量検出装置により検出した前記圧縮機の吐出冷媒温度と前記圧縮機の吸入冷媒温度との差であり、
前記判定部は、
前記差が前記判定閾値よりも大きい場合、劣化していると判定し、前記差が前記判定閾値以下の場合、劣化していないと判定することを特徴とする請求項8記載の冷凍サイクル装置。 - 前記判定指標は、
前記運転状態量検出装置により検出した前記圧縮機の圧縮機入力である
ことを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れか一項に記載の冷凍サイクル装置。 - 前記判定指標は、
前記運転状態量検出装置により検出した、前記圧縮機の吐出冷媒温度、吐出冷媒圧力、吸入冷媒温度及び吸入冷媒圧力を用いて演算された演算値である
ことを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れか一項に記載の冷凍サイクル装置。 - 前記判定部は、
前記油量調整運転、前記冷媒状態制御運転及び圧縮機劣化判定の一連の処理を、繰り返し実施する
ことを特徴とする請求項1乃至請求項12の何れか一項に記載の冷凍サイクル装置。
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