JP5436645B1 - 冷凍サイクル装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】圧縮機の劣化を高精度に判定することが可能な冷凍サイクル装置を得る。
【解決手段】通常時とは異なる油量調整時用の運転条件を満足するように冷媒回路を運転することで、圧縮機内の冷凍機油の油量を調整する油量調整運転を行い、その後、冷媒回路の冷媒状態が油量調整時用の目標冷媒状態となるように冷媒回路、熱源側ファン及び負荷側ファンを制御する冷媒状態制御運転を行い、冷媒状態制御運転中に得られる運転状態量(判定指標)に基づいて圧縮機の劣化を判定する。
【選択図】図4

Description

本発明は、冷媒を循環させる冷媒回路を有する冷凍サイクル装置に関する。
冷凍サイクルを行う冷凍装置において、装置を据え付けてから稼働期間が長期間経過すると、圧縮機自体が劣化する。具体的には、圧縮機構部の摩耗により圧縮機内部での高圧側から低圧側への冷媒漏れ等が生じることで、圧縮効率が低下して冷凍サイクルのCOP(成績係数)が低下する。従来は、このように圧縮機が劣化してもそれを直接知る方法はなく、明らかに異常とわかる事態が生じるまで、若しくは圧縮機が完全に故障するまで、更新されることなく放置されているケースが多かった。そこで従来、冷媒回路を有する冷凍サイクル装置において、冷媒回路における圧縮機の劣化検知技術がいくつか提案されている。
従来技術として、蒸気圧縮式の冷凍サイクルを行う冷凍装置において、圧縮機吸入温度と、圧縮機吸入圧力と、圧縮機吐出温度と、圧縮機吐出圧力とに基づいて算出されるポリトロープ指数などの値を算出し、この算出値を用いて圧縮機の劣化を検知する冷凍装置が提案されている(例えば特許文献1参照)。この冷凍装置では、算出値の経時変化などから圧縮機の劣化を検知し、更新時期の判断を可能としている。
別の従来技術として、蒸気圧縮式の冷凍サイクルを行う冷凍装置において、所定の時期毎に少なくとも低圧側の冷媒の状態値を同じにする運転を行い、ポリトロープ指数又はポリトロープ効率を求め、圧縮機の劣化を判定する冷凍装置が提案されている(例えば特許文献2参照)。
特開2002−147905号公報(要約) 特開2003−214735号公報(要約)
このような従来技術は、ポリトロープ指数が圧縮行程の前後の冷媒状態が一定である限りは変化しない値であるため、この値が変化していてその変化が所定の範囲を超えていると圧縮機が劣化していると判定するものである。しかしながら、このような従来技術においては、所定の時期毎に冷媒状態をある程度同一にすることはできるが、圧縮機内に貯留する冷凍機油の油量は必ずしも同じにはならない。
このように油量が違っていると、圧縮機入力も異なったものとなり、圧縮機吐出側の冷媒状態値が変化して正確な劣化判定ができないといった問題があった。例えば、油量が多くなると、圧縮機入力が増えて吐出温度が高くなる傾向があるため、圧縮機が劣化していなくても劣化していると判定される等の誤判定が生じる可能性があった。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、圧縮機の劣化を高精度に判定することが可能な冷凍サイクル装置を得ることを目的とする。
本発明に係る冷凍サイクル装置は、運転容量を可変できる圧縮機、凝縮器、絞り装置及び蒸発器を有し、冷媒が循環するように構成された冷媒回路と、凝縮器に送風する回転数可変な凝縮器側送風装置と、蒸発器に送風する回転数可変な蒸発器側送風装置と、冷媒回路の運転状態量を検出する運転状態量検出装置と、運転状態量検出装置で検出した運転状態量又は運転状態量から演算される演算値を判定指標として圧縮機の劣化を判定する判定部とを備え、判定部は、通常時とは異なる油量調整時用の運転条件を満足するように冷媒回路を制御することで、圧縮機内の冷凍機油の油量を調整する油量調整運転を行い、その後、冷媒回路の冷媒状態が、通常時とは異なる判定指標取得時用の冷媒条件を満足するように、圧縮機の運転容量、凝縮器側送風装置の回転数、蒸発器側送風装置の回転数及び絞り装置の開度を制御する冷媒状態制御運転を行い、冷媒状態制御運転中に取得した判定指標に基づいて圧縮機の劣化を判定するものである。
本発明によれば、油量調整運転によって圧縮機内の冷凍機油の油量を調整した上で運転状態量を取得し、その運転状態量又は運転状態量から演算される演算値を判定指標として圧縮機の劣化を判定するようにしたので、圧縮機劣化に起因する圧縮効率低下に伴う状態量変化を正確に検出することが可能となる。よって、高精度な圧縮機劣化判定を実現できる。
本発明の実施の形態1に係る冷凍サイクル装置100の冷媒回路図である。 本発明の実施の形態1に係る冷凍サイクル装置100の制御ブロック図である。 本発明の実施の形態1に係る冷凍サイクル装置100の冷媒の状態遷移を示すP−h線図である。 本発明の実施の形態1に係る冷凍サイクル装置100における圧縮機劣化判定の流れを示すフローチャートである。 本発明の実施の形態1に係る冷凍サイクル装置100における圧縮効率ηと判定指標δとの関係を表した図である。 本発明の実施の形態1に係る冷凍サイクル装置100の圧縮機劣化判定における油量調整運転の流れを示すフローチャートである。 本発明の実施の形態1に係る冷凍サイクル装置100の圧縮機劣化判定における冷媒状態制御運転の流れを示すフローチャートである。 本発明の実施の形態2に係る冷凍サイクル装置200の冷媒回路図である。 本発明の実施の形態2に係る冷凍サイクル装置200の圧縮機劣化判定における油量調整運転の流れを示すフローチャートである。
実施の形態1.
《機器構成》
本発明の実施の形態1に係る冷凍サイクル装置100の構成を図1及び図2に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施の形態1に係る冷凍サイクル装置100の冷媒回路図である。
冷凍サイクル装置100は、熱源側ユニットAと、複数の負荷側ユニットB1、B2とを有し、冷媒配管により接続されている。熱源側ユニットAは、圧縮機1、四方弁2及び熱源側熱交換器3を備えている。負荷側ユニットB1、B2は、負荷側熱交換器5a、5bと、開度可変の絞り装置である膨張弁4a、4bとを有している。そして、圧縮機1、四方弁2、熱源側熱交換器3、膨張弁4a、4b、負荷側熱交換器5a、5bにより冷媒を循環させる冷媒回路が形成されている。
熱源側熱交換器3には空気を送風する熱源側送風装置6が設けられている。また、負荷側熱交換器5a、5bにも同様に空気を送風する負荷側送風装置7a、7bが設けられている。これらの送風装置は空気を送風するファンであり、DCモータ(図示せず)によって駆動される遠心ファン又は多翼ファン等から構成されており、送風量を調整することが可能になっている。
圧縮機1は、運転容量(周波数)を可変させることが可能な容積式圧縮機である。運転容量を可変させる制御方法は、例えば、インバータにより制御されるモータの駆動による方法又はスライドバルブを用いた方法がある。
熱源側ユニットAの配管出口に設けられたバルブ11a、11bは、例えばボールバルブ又は開閉弁、操作弁などの開閉動作が可能な弁により構成されている。
なお、本実施の形態1では、負荷側ユニットが2台(B1、B2)の場合の構成を例に説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、負荷側ユニットが1台若しくは3台以上の複数でも良い。また、複数の負荷側ユニットのそれぞれの容量が大から小まで異なっても、全てが同一容量でも良い。
なお、本実施の形態1における冷凍サイクル装置100の冷媒回路を循環する冷媒の種類は、特に限定は無く、任意の冷媒を用いることができる。例えば、二酸化炭素(CO)、炭化水素、ヘリウム等のような自然冷媒の他、R410Aはもちろん、R407C、R404A等の代替冷媒等の塩素を含まない冷媒を採用してもよい。
なお、本実施の形態1では、四方弁2を設けて暖房運転と冷房運転とを切り換え可能な冷媒回路を構成する場合を説明するが、本発明はこれに限るものではない。例えば、四方弁2を設けずに、冷房運転又は暖房運転のどちらか一方のみを行うようにしてもよい。
続いて、センサ類と制御部について説明する。
熱源側ユニットAは、運転状態量検出装置として、吐出温度センサ41、吸入温度センサ42、吸込空気温度センサ40c、吐出圧力センサ31及び吸入圧力センサ32を備えている。
吐出温度センサ41は、圧縮機1の吐出側に設置され、圧縮機1より吐出した冷媒の温度を検出する。吸入温度センサ42は、圧縮機1の吸入側に設置され、圧縮機1に吸入される冷媒の温度を検出する。吐出温度センサ41及び吸入温度センサ42は、冷媒配管に接するかあるいは挿入するように設けられ、冷媒温度を検出するようになっている。
吸込空気温度センサ40cは、熱源側熱交換器3が設置される熱源側ユニットAの周囲空気温度(例えば、室外に設置されていれば室外の周囲空気温度)を検出する。
吐出圧力センサ31は、圧縮機1の吐出側に設置され、圧縮機1から吐出された冷媒の圧力を検出する。吸入圧力センサ32は、圧縮機1の吸入側に設置され、圧縮機1に吸入される冷媒の圧力を検出する。吐出圧力センサ31の検出値の圧力を飽和温度に換算することにより、冷凍サイクルの凝縮温度CTを求めることができ、吸入圧力センサ32の検出値の圧力を飽和温度に換算することにより、冷凍サイクルの蒸発温度ETを求めることができる。
なお、吐出圧力センサ31及び吐出温度センサ41の設置位置については図示位置に限られたものではなく、圧縮機1の吐出側から四方弁2に至るまでの区間であれば、何処の場所に設けられていてもよい。また、吸入圧力センサ32及び吸入温度センサ42の設置位置についても図示位置に限られたものではなく、四方弁2から圧縮機1の吸入側に至るまでの区間であれば、何処の場所に設けられていてもよい。
また、負荷側ユニットB1、B2は、運転状態量検出装置として、熱交出口温度センサ43a、43bと、負荷側熱交換器5a、5bとを備えている。
熱交出口温度センサ43a、43bは、負荷側熱交換器5a、5bの冷房運転時の冷媒出口温度を検出する。
吸入空気温度センサ40a、40bは、負荷側熱交換器5a、5bが設置される負荷側ユニットB1、B2の周囲空気温度(例えば、室内に設置されていれば室内の周囲空気温度)を検出する。
図2は、本発明の実施の形態1に係る冷凍サイクル装置100の制御ブロック図である。
図2には、本実施の形態1に係る冷凍サイクル装置100の計測制御を行う制御部30及びこれに接続されるセンサ類、アクチュエータ類の接続構成を表している。
制御部30は、例えば熱源側ユニットAに内蔵されており、測定部30aと、演算部30bと、駆動部30cと、記憶部30dと、判定部30eとを備えている。
測定部30aには、各種センサ類(圧力センサ及び温度センサ)により検出された運転状態量が入力され、圧力及び温度の測定を行う。また、測定部30aは、圧縮機1の運転容量及び圧縮機入力といった運転状態量の測定も行う。測定部30aで測定された運転状態量は演算部30bに入力される。
演算部30bは、測定部30aで測定された運転状態量に基づき、予め与えられた式等を用いて例えば冷媒物性値(飽和圧力、飽和温度、エンタルピなど)を演算する。また、演算部30bは、測定部30aで測定された運転状態量に基づき、圧縮機1の劣化判定を行うための判定指標を演算する等の演算処理を行う。
駆動部30cは、演算部30bの演算結果に基づき、圧縮機1、膨張弁4a、4b、熱源側ファン6、負荷側ファン7a、7b等を駆動する。
記憶部30dは、演算部30bによって得られた結果、予め定められた定数、冷媒の物性値(飽和圧力、飽和温度)を計算する近似式又はテーブル等を記憶する。記憶部30d内のこれらの記憶内容は、必要に応じて書き換えることが可能である。記憶部30dには更に、制御プログラム及び後述のフローチャートに対応したプログラムが記憶されており、記憶部30d内のプログラムに従って制御部30が冷凍サイクル装置100全体を制御する。
判定部30eは、演算部30bによって得られた結果に基づいて比較、判定などの処理を行う。判定部30eは、各種センサ類(圧力センサ及び温度センサ)により検出された運転状態量を判定指標とし、閾値判定することで圧縮機1の劣化を判定する圧縮機劣化判定を行う。圧縮機劣化判定の詳細については改めて説明する。
測定部30a、演算部30b、駆動部30c及び判定部30eは例えばマイコンにより構成され、記憶部30dは半導体メモリ等によって構成される。
また、制御部30には、マイコンでの処理結果をLED又はモニタ等により表示出力したり、電話回線、LAN回線、無線等の通信手段(図示せず)により遠隔地へ情報を出力したりする出力部30gが接続されている。制御部30には更に、リモコン又は基板上のスイッチ類からの操作入力、電話回線、LAN回線、無線等の通信手段(図示せず)から通信データ情報を入力する入力部30fが接続されている。
なお、本実施の形態の構成例では制御部30を熱源側ユニットAに内蔵する構成としたが、本発明はこれに限るものではない。熱源側ユニットAにメイン制御部を、負荷側ユニットB1、B2に制御部の機能の一部を持つサブ制御部を設けて、メイン制御部とサブ制御部との間でデータ通信を行うことにより連携処理を行う構成としてもよい。その他、負荷側ユニットB1、B2に全ての機能を持つ制御部を設置する構成、あるいはこれらの外部に制御部を別置する形態等としてもよい。
《運転動作(冷房モード)》
続いて、実施の形態1に係る冷凍サイクル装置100における代表的な運転モードであり、後に説明する圧縮機劣化判定モードと同じ冷媒の流れとなる冷房モードの運転動作について図1に基づき説明する。
圧縮機1から吐出した高温高圧のガス冷媒は、四方弁2を経て凝縮器である熱源側熱交換器3へ流入する。熱源側熱交換器3に流入した冷媒は、熱源側ファン6の送風作用により凝縮液化し、高圧低温の冷媒となる。凝縮液化した高圧低温の冷媒は、膨張弁4a、4bで減圧されて二相冷媒となり、蒸発器である負荷側熱交換器5a、5bへ送られる。負荷側熱交換器5a、5bへ送られた冷媒は、負荷側ファン7a、7bの送風作用により蒸発し、低圧のガス冷媒となる。そして、低圧ガス冷媒は四方弁2を経て圧縮機1へ吸入される。
《圧縮機劣化判定方法》
本実施の形態1の圧縮機劣化判定方法では、据付当初(基準時)の所定の冷媒条件における運転状態量(判定閾値)と、据付から所定期間が経過した時に基準時と同一の冷媒条件における運転状態量(判定指標)とを比較して圧縮機1の劣化を判定する。この圧縮機劣化判定の原理について図3に基づいて説明する。
図3は、本発明の実施の形態1に係る冷凍サイクル装置100の冷媒の状態遷移を示すP−h線図である。
本実施の形態1に係る冷凍サイクル装置100の動作原理である蒸気圧縮式の冷凍サイクルでは、図3に示したモリエル線図(P−h線図)のように、冷媒は圧縮行程においてA点からB点まで圧縮された後、凝縮行程においてC点まで冷却される。C点まで冷却された冷媒は、膨張行程においてD点まで減圧され、蒸発行程においてA点まで加熱される作用を受けて、冷媒回路を循環する。
一方で、据付から長期間(例えば数年)が経過して圧縮機1が劣化すると、圧縮機1の吸入側冷媒状態(A点)が同じでも、圧縮行程のカーブが変化して吐出側冷媒状態が変化し、B点がB’点に移動する。この場合、圧縮機入力に相当する圧縮機1でのエンタルピ差が設置当初はΔh1だったのに対し、Δh2に増加し、圧縮効率が低下する。
このような冷凍サイクルにおいては、上記のような圧縮効率低下時の圧縮行程のカーブ変化に伴う運転状態量の変化に基づいて圧縮機劣化有無の判定をすることができる。つまり、圧縮機1の圧縮効率が低下するにつれて、運転状態量のうち圧縮機1の吐出冷媒温度、圧縮機1の入力といった運転状態量が、おおよそ単調に上昇若しくは増加するという現象が現れる。よって、このような圧縮効率に対する運転状態量の変化特性に基づいて圧縮機劣化判定を行う。
つまり、冷媒回路の冷媒状態を、圧縮機劣化判定時毎に同一の冷媒条件(以下、判定指標取得時用の冷媒条件という)にして運転状態量(判定指標)を取得し、閾値判定することで圧縮機劣化判定する。判定指標取得時用の冷媒条件は、冷媒回路における冷媒の蒸発温度ETと、凝縮温度CTと、蒸発器として機能する負荷側熱交換器5a、5bの出口過熱度SHとである。なお、圧縮機劣化判定のタイミングは、冷凍サイクル装置100の据付時以後から常時行ってもよいし、据付時以後から所定の時期毎に行うこととしてもよい。
《圧縮機劣化判定モード》
図4は、本発明の実施の形態1に係る冷凍サイクル装置100における圧縮機劣化判定の流れを示すフローチャートである。以下、圧縮機劣化判定における処理の流れについて説明する。各ステップでの詳細な動作説明は、以降で改めて説明する。なお、圧縮機劣化判定モードでは、四方弁2が図1の実線側に切り換えられ、冷媒回路を冷房運転の冷媒流れにして圧縮機劣化判定を行う。
圧縮機劣化判定フロー開始後、まず制御部30は、油量調整運転モードとして圧縮機1内に貯留する冷凍機油の油量の調整をする油量調整運転を行う(ステップS1)。油量調整運転の詳細については後述するが、油量調整運転を行う意図は以下の通りである。すなわち、圧縮機1内に貯留する冷凍機油の油量は圧縮機性能に大きく寄与する。このため、圧縮機劣化判定時の圧縮機1内の油量が、基準時と異なり、圧縮機劣化判定を行う度に圧縮機1内の油量がばらついていると、圧縮機性能を正確に比較できない。
したがって、油量調整運転を行い、圧縮機劣化判定時の圧縮機1内の油量を基準時と同じにし、その上で運転状態量を取得して判定閾値と比較することで、圧縮機劣化判定を行う。具体的には、油量調整運転では、通常時とは異なる油量調整時用の運転条件を満足するように冷媒回路を制御することで、圧縮機劣化判定時の圧縮機1内の油量が基準時と同じになるように圧縮機1内の冷凍機油の油量を調整する。油量調整時用の運転条件の詳細については改めて説明する。
制御部30は、油量調整運転終了後、冷媒状態制御運転モードを行う(ステップS2)。冷媒状態制御運転モードは、冷媒回路の冷媒状態が、通常時とは異なる判定指標取得時用の冷媒条件を満足するように、圧縮機1の運転容量、熱源側ファン6の回転数、負荷側ファン7a、7bの回転数及び膨張弁4a、4bの開度を制御する。判定指標取得時用の冷媒条件は、上述した据付当初(基準時)の所定の冷媒条件と同一であり、その詳細については改めて説明する。
そして、ステップS2の冷媒状態制御運転を行って冷媒回路の冷媒状態が、通常時とは異なる判定指標取得時用の冷媒条件を満足し、安定状態となった後に、測定部30aにてその時の冷凍サイクル装置100における運転状態量を検出する。
また、演算部30bは、検出した運転状態量を用いて圧縮機劣化判定の判定指標δを演算する(ステップS3)。判定指標δとしては、例えば圧縮機1の吐出温度Tdから吸入温度Tsを減算した値を用いるとよい。吐出温度Tdは吐出温度センサ41の検出値、吸入温度Tsは吸入温度センサ42の検出値である。この場合の判定指標δ(=吐出温度Td−吸入温度Ts)は、圧縮機1の圧縮効率低下に対して図5に示すような、おおよそ単調増加となる特性を示す。
次に、圧縮機1の劣化判定の基準となる判定閾値δ0を設定する(ステップS4)。判定指標δは、圧縮機1の運転容量により値域が変動するため、判定閾値δ0には、現在の圧縮機1の運転容量に応じた値を用いる。すなわち、圧縮機1の運転容量毎(例えば、運転容量5%刻み)に判定閾値を求めておき、テーブル形式等のデータベースとして記憶部30dに予め記憶させておく。そして、制御部30は、現在の圧縮機1の運転容量に対応した判定閾値δ0を設定する。
その後、判定部30eは、判定指標δを判定閾値δ0と比較して圧縮機1が劣化しているか否かを判定する(ステップS5)。判定部30eは、δ>δ0であれば圧縮機1が劣化していると判定し(ステップS5;YES)、出力部30gにて「圧縮機の劣化異常」を出力し(ステップS6)、圧縮機劣化判定モードを終了する。判定部30eは、δ≦δ0であれば圧縮機1は劣化していないと判定し(ステップS5;NO)、そのまま圧縮機劣化判定モードを終了する。
なお、本実施の形態1においては判定指標δとして圧縮機1の吐出温度Td−吸入温度Tsを用いた場合として説明したが、判定指標δはこれに限定されるものではない。圧縮機1の圧縮効率低下に伴い変化する運転状態量であればよい。例えば、圧縮機1吐出側冷媒の状態量(圧力、温度)及び吸入側冷媒の状態量(圧力、温度)を用いて演算された演算値を判定指標δとして用いてもよい。他には、圧縮機1の入力を判定指標δとして用いてもよい。
《油量調整運転モード》
図6は、本発明の実施の形態1に係る冷凍サイクル装置100の圧縮機劣化判定における油量調整運転の流れを示すフローチャートである。以下、油量調整運転の具体的動作について図6のフローチャートに基づいて説明する。
油量調整運転モード開始後、まず制御部30は、通常時とは異なる油量調整時用の運転条件を満足するように冷媒回路を制御する。油量調整用の運転条件は、圧縮機1の運転容量と、蒸発器として機能する負荷側熱交換器5a、5bの出口過熱度(以下、負荷側熱交出口過熱度という)である。よって、まず制御部30は、圧縮機1の運転容量を、油量調整時用の運転容量に設定し(ステップS11)、その設定された運転容量で圧縮機1を運転する。
ここで、油量調整時用の運転容量には、冷媒回路内の各要素に滞留している冷凍機油を、滞留箇所から動かして冷媒回路内で流通させることが可能な運転容量が設定される。例えば、冷媒回路のガス配管径を考慮し、冷媒の流速が、いわゆる後述のゼロペネトレーション速度以上となるように運転容量を設定するとよい。ここで、この油量調整時用の運転容量の設定値は、冷凍サイクル装置100の仕様を基に予め求めておき、記憶部30dに記憶させておく。
ここで、ゼロペネトレーション速度について説明する。
冷媒回路のガス冷媒部においては、冷媒と油は気液二相流での流動様相を示し、特に上昇流においては気体流速により液体(油)の流動状態が変化する。気体流速が増加すると液体も気体流中に同伴されて上昇し、気体流速が減少すると液体は管壁に沿って下降する現象が生じる。気体流速が増加し下降液膜が減少した状態をゼロペネトレーションと呼び、その時の流速をゼロペネトレーション速度(以下、ゼロペネ速度)という。
一般的にゼロペネ速度Vは下式で表す。
Figure 0005436645
ここで、
V:ゼロペネ速度 [m/s]
φD:管内径 [m]
ρoil:油密度 [kg/m]
ρgas:ガス密度 [kg/m]
したがって、上式で求められるゼロペネ速度が、実際の冷媒流速>ゼロペネ速度となれば冷凍機油が配管内で滞留することなくスムーズに冷媒回路内を循環し、圧縮機1に返油される。なお、以下では、油量調整運転モードにおける圧縮機制御を、「油量調整時用の所定容量運転」ということがある。
次に、制御部30は、負荷側熱交換器5a、5bの出口過熱度SHが、油量調整時用の目標値SHmとなるように膨張弁4a、4bの開度を駆動部30cに指示して制御する(ステップS12、S13)。すなわち、負荷側熱交出口過熱度SHが目標値SHmよりも大きい場合、制御部30は、負荷側熱交換器5a、5bにそれぞれ対応する膨張弁4a、4bの開度を駆動部30cに指示して増加させる。一方、負荷側熱交出口過熱度SHが目標値SHmよりも小さい場合、制御部30は、膨張弁4a、4bの開度を駆動部30cに指示して減少させ(ステップS12;NO、ステップS13)、ステップS12に戻る。
ここで、負荷側熱交換器5a出口冷媒過熱度SHは、熱交出口温度センサ43aの検出値である熱交出口温度から蒸発温度ETを引くことによって求められる。また、負荷側熱交換器5b出口冷媒過熱度SHは、同様に熱交出口温度センサ43bの検出値である熱交出口温度から蒸発温度ETを引くことによって求められる。なお、蒸発温度ETは、吸入温度センサ42の検出値を飽和温度換算することで求められる。
以上の処理により負荷側熱交出口過熱度SHが目標値SHmに一致すると(ステップS12;YES)、制御部30は、膨張弁4a、4bの開度をそのまま維持し、制御部30に内蔵のタイマーにより時間カウントを開始する(ステップS14)。
目標値SHmは、通常時の負荷側熱交出口過熱度SHの目標値よりも低く設定すると良い。例えば、通常時の目標値が2℃であるとすると、油量調整時の目標値は1℃とするとよい。油量調整時に通常時よりも目標値を低く設定することで、油量調整時の膨張弁4a、4bの開度は通常時の膨張弁4a、4bの開度よりも大きくなり、圧縮機1に冷凍機油が流入しやすくなるため、圧縮機1に冷凍機油が回収される。つまり、実施の形態1の油量調整運転モードでは、圧縮機1の運転容量を油量調整時用の運転容量にすると共に、通常時よりも膨張弁4a、4bの開度が大きくなるように負荷側熱交出口過熱度SHの目標値を低くする「低SH運転」をすることで、冷媒回路内の各要素に滞留している冷凍機油を滞留箇所から動かして圧縮機1内に回収する。
そして、制御部30は、ステップS14において開始したタイマーを基に、所定時間経過したかどうか判定する(ステップS15)。この所定時間は、冷媒回路内の各要素に滞留している冷凍機油を滞留箇所から動かして圧縮機1内に回収するのに要する時間であり、例えば5分から10分程度である。制御部30は、所定時間経過していないと判定した場合には(ステップS15;NO)、そのままの状態を維持し、ステップS15を繰り返す。制御部30は、所定時間経過したと判定した場合には(ステップS15;YES)、油量調整運転を終了する。
《冷媒状態制御運転モード》
図7は、本発明の実施の形態1に係る冷凍サイクル装置100の圧縮機劣化判定における冷媒状態制御運転の流れを示すフローチャートである。以下、冷媒状態制御運転の具体的動作について図7のフローチャートに基づいて説明する。冷媒状態制御運転モードでは、各アクチュエータは以下のように動作する。
制御部30は、吸入圧力センサ32の検出値の圧力を飽和温度換算した蒸発温度ETが、予め設定された判定指標取得時用の目標値ETmになるように圧縮機1の運転容量を制御する。すなわち、制御部30は、蒸発温度ETと目標値ETmとを比較し(ステップS21)、蒸発温度ETが目標値ETmと等しい場合、圧縮機1の運転容量をそのまま維持し(ステップS21;YES)、次のステップに進む。
一方、蒸発温度ETが目標値ETmよりも大きい場合(ET>ETm)、制御部30は、圧縮機1の運転容量を増加させ、蒸発温度ETが目標値ETmよりも低下している場合(ET<ETm)、圧縮機1の運転容量を低下させる(ステップS21;NO、ステップS22)。
また、制御部30は、吐出圧力センサ31の検出値の圧力を飽和温度換算した凝縮温度CTが、予め設定された判定指標取得時用の目標値CTmになるように熱源側ファン6の回転数を制御する。すなわち、制御部30は、凝縮温度CTと目標値CTmを比較し(ステップS23)、凝縮温度CTが目標値CTmと等しい場合には、熱源側ファン6の回転数、つまりファン風量はそのまま維持し(ステップS23;YES)、次のステップに進む。
一方、凝縮温度CTが目標値CTmよりも上昇している場合(CT>CTm)、制御部30は、熱源側ファン6の回転数を増加し、風量を増加させ、凝縮温度CTが目標値CTmよりも低下している場合(CT<CTm)、熱源側ファン6の回転数を減少させ、風量を減少させる(ステップS23;NO、ステップS24)。なお、負荷側ファン7a、7bは、ここでは予め決まった回転数で運転しているが、負荷側ファン7a、7bの回転数も制御するようにしてもよい。
また、制御部30は、熱交出口温度センサ43a、43bの検出値から蒸発温度ETの差によりそれぞれ求められる負荷側熱交出口過熱度SHが、予め設定された判定指標取得時用の目標値SHm1になるように膨張弁4a、4bの開度を制御する。すなわち、制御部30は、負荷側熱交出口過熱度SHと目標値SHm1とを比較し(ステップS25)、負荷側熱交出口過熱度SHが目標値SHm1と等しい場合には、膨張弁4a、4bの開度はそのまま維持し(ステップS25;YES)、次のステップに進む。
一方、負荷側熱交出口過熱度SHが目標値SHm1よりも上昇している場合(SH>SHm1)、制御部30は、膨張弁4a、4bの開度を増加させ、負荷側熱交出口過熱度SHが目標値SHm1よりも低下している場合(SH<SHm1)、膨張弁4a、4bの開度を減少させる(ステップS25;NO、ステップS26)。
その後、制御部30は、蒸発温度ET、凝縮温度CT、負荷側熱交出口過熱度SHが全て、目標値になったか否か判断する(ステップS27)。蒸発温度ET、凝縮温度CT、負荷側熱交出口過熱度SHの何れか1つでも目標値になっていなければ(ステップS27;NO)、ステップS21に戻る。制御部30は、蒸発温度ET、凝縮温度CT及び負荷側熱交出口過熱度SHが全て、目標値になっていれば(ステップS27;YES)、冷媒状態制御運転モードを終了する。
なお、ステップS21では、蒸発温度ETが目標値ETmと等しいか否かを判断しているが、蒸発温度ETが目標値ETmを含む所定範囲(例えば、目標値ETm±1℃)内であるか否かを判断するようにしてもよい。すなわち、蒸発温度ETが目標値ETmを含む所定範囲内であればステップS23に移行し、蒸発温度ETが目標値ETmを含む所定範囲から逸脱していれば、ステップS22の処理に移行する。このように目標値に範囲を持たせてもよい点は、ステップS23の凝縮温度CTと、ステップS25の負荷側熱交出口過熱度SHとにおいても同様である。
なお、判定指標取得時用の冷媒条件である、蒸発温度ETの目標値ETm、凝縮温度CTの目標値CTm、負荷側熱交出口過熱度SHの目標値SHm1は、予め記憶部30dに記憶させておく。
また、蒸発温度ETの目標値ETm、凝縮温度CTの目標値CTm、負荷側熱交出口過熱度SHの目標値SHm1は、基本的に任意の値を設定してよい。しかし、冷凍サイクル装置100の機器仕様及び機器上の動作可能範囲において許す限り、通常時の冷媒条件よりも高低圧力差、つまり蒸発温度ETと凝縮温度CTとの差が大きく、且つ、高SH条件とするのが望ましい。例えば、冷媒回路の標準的な冷媒条件がCT45℃/ET5℃/SH2℃であったとすると、冷媒状態制御運転モードの冷媒条件は、CT60℃/ET5℃/SH10℃とするとよい。つまり、冷媒状態制御運転モードでは、高圧力差+高SH運転とするとよい。
このように、高圧力差+高SH運転とすることで、圧縮機1の圧縮効率低下に伴う状態量の変化が顕著になる。このため、圧縮機劣化判定の判定指標δの変化幅が標準運転条件よりも相対的に大きくなり、圧縮機劣化判定の精度を上げることができる。
《作用効果》
以上説明したように、本実施の形態1によれば、油量調整運転によって圧縮機1内の冷凍機油の油量を調整した上で取得した判定指標を用いて圧縮効率低下を判定することで、圧縮機劣化に起因する圧縮効率低下に伴う状態量変化を正確に検出することが可能となる。よって、高精度な圧縮機劣化判定を実現できる。
油量調整運転モードにおいては油量調整用の所定運転容量+低SH運転とし、冷凍サイクル装置100における冷媒回路の各要素内に貯留している冷凍機油を圧縮機1へ回収することで、圧縮機1内の油量を調整することができる。
冷媒状態制御運転モードにおいては高圧力差+高SH運転とすることで、圧縮機1の圧縮効率低下に伴う状態量の変化幅が相対的に大きくなり変化が顕著になるため、圧縮機劣化判定精度を向上することができる。
《油量調整運転モードの変形例》
本実施の形態1では、油量調整運転モードにおける負荷側熱交出口過熱度SHの目標値SHmを1℃としたが、1℃に限られたものではなく、通常時の2℃よりも高い例えば15℃としてもよい。つまり、上記では、油量調整運転モードを、油量調整用の所定運転容量+低SH運転としたが、油量調整用の所定運転容量+高SH運転としてもよい。
上記の油量調整用の所定運転容量+低SH運転では、圧縮機1内に冷凍機油が回収される運転となるが、油量調整用の所定運転容量+高SH運転では、圧縮機1内から冷凍機油が流出して圧縮機1内の油量が低減される運転となる。これにより、圧縮機1内の油量をできるだけ減らした状態で圧縮機劣化判定時毎の油量状態を略同一にすることができる。よって、油量調整運転モードを油量調整用の所定運転容量+高SH運転とした場合も、油量調整用の所定運転容量+低SH運転とした場合と同様、高精度な圧縮機劣化判定を実現することが可能となる。
なお、図6に示した油量調整運転のステップS12では、負荷側熱交出口過熱度SHが目標値SHmと等しいか否かを判定しているが、負荷側熱交出口過熱度SHを例えば15℃とした場合には、目標値SHmを含む所定範囲(例えば、目標値SHm±1℃)内であるか否かを判定するようにしてもよい。すなわち、負荷側熱交出口過熱度SHが目標値SHmを含む所定範囲内であればステップS14に移行し、負荷側熱交出口過熱度SHが目標値SHmを含む所定範囲から逸脱していれば、ステップS13の処理を行う。
また、負荷側熱交出口過熱度SHの目標値SHmは、上記1℃又は15℃に限定されるわけではなく、圧縮機劣化判定時毎に同一の油量状態を実現できる範囲で適宜変更が可能である。
実施の形態2.
実施の形態2は、圧縮機1の吸入側にアキュムレータを設けた冷媒回路における圧縮機劣化判定に関する。
《機器構成》
本発明の実施の形態2に係る冷凍サイクル装置200の構成を図8に基づいて説明する。なお、この実施の形態2では実施の形態1との相違点を中心に説明する。
図8は、本発明の実施の形態2に係る冷凍サイクル装置200の冷媒回路図である。
冷凍サイクル装置200は、圧縮機1、四方弁2、熱源側熱交換器3に加え、圧縮機1の吸入側と四方弁2との間にアキュムレータ8を設けて熱源側ユニットAの冷媒回路を構成する。そして、圧縮機1、四方弁2、熱源側熱交換器3、膨張弁4a、4b、負荷側熱交換器5a、5b及びアキュムレータ8により冷媒を循環させる冷媒回路が形成されている。
《油量調整運転モード》
図9は、本発明の実施の形態2に係る冷凍サイクル装置200の圧縮機劣化判定における油量調整運転の流れを示すフローチャートである。以下、油量調整運転の具体的動作について図9のフローチャートに基づいて説明する。なお、図9のステップS31〜ステップS35は実施の形態1における図6のステップS11〜ステップS15とそれぞれ同様である。なお、以下の説明では、油量調整時用の出口過熱度の目標値SHmは、実施の形態1と同様に1℃であるものとする。
アキュムレータ8内に液冷媒が貯留して冷凍機油が溜まっていると、圧縮機1内の油量状態を基準時と同一とすることができない。このため、実施の形態2の油量調整運転モードでは、油量調整用の所定運転容量+低SH運転を行う第1調整を行った後、アキュムレータ8内に留まっている冷凍機油を圧縮機1へ回収する第2調整を行う。
すなわち、第1調整において所定時間t1経過後(ステップS35;YES)、第2調整として、圧縮機1の運転容量を第2の油量調整用の所定運転容量に変更する(ステップS36)。ここで、圧縮機1の運転容量は、圧縮機1に貯留させた冷凍機油を流出させず、アキュムレータ8内に留まっている冷凍機油を圧縮機1へ移動させることが可能な運転容量に設定する。具体的には、圧縮機1の運転容量は、冷媒回路の配管径を考慮して、冷媒の流速が、いわゆるゼロペネ速度以下となるように設定する。例えば、冷凍サイクル装置200における圧縮機運転制御範囲の最低容量を設定するとよい。
その後、圧縮機1の運転容量はそのまま維持し、タイマーにより時間カウントを開始する(ステップS37)。ステップS37において開始したタイマーを基に所定時間経過したかどうか判定する(ステップS38)。所定時間経過していなければ(ステップS38;NO)、そのままの状態を維持し、ステップS38を繰り返す。所定時間経過していれば(ステップS38;YES)、油量調整運転を終了する。
《作用効果》
以上説明したように、本実施の形態2に係る冷凍サイクル装置200によれば、油量調整運転モード時に油量調整用の所定運転容量+低SH運転をした後に更に第2の油量調整用の所定運転容量運転をする。これにより、例えば冷凍サイクル装置200のように圧縮機1の吸入側にアキュムレータ8を設けた冷媒回路において、アキュムレータ内に留まっている冷凍機油を圧縮機1へ移動させるとともに、圧縮機1に貯留した冷凍機油が圧縮機1から流出させないようにできる。このため、圧縮機劣化判定時毎に圧縮機1内の油量状態を同一とする精度を高めることができる。したがって、本実施の形態2では、高精度な圧縮機劣化判定を実現できる。
《冷媒回路の変形例》
本発明の特徴事項を各実施の形態において説明したが、例えば、冷媒の流路構成(配管接続)、圧縮機・熱交換器・膨張弁等の冷媒回路要素の構成、等の内容は、各実施の形態で説明した内容に限定されるものではなく、本発明の技術の範囲内で適宜変更が可能である。
《圧縮機劣化判定モードの冷媒流れの変形例》
上記各実施の形態では、四方弁2により冷暖切換可能な冷媒回路の例を挙げたため、暖房運転時に余剰冷媒が発生する関係上、圧縮機劣化判定モードを、冷房運転の冷媒流れで行うとした。しかし、四方弁2を備えず暖房運転のみを行う冷媒回路にも本発明は適用可能であり、この場合、暖房運転の冷媒流れで圧縮機劣化判定モードを行ってもよい。
1 圧縮機、2 四方弁、3 熱源側熱交換器、4a、4b 膨張弁、5a、5b 負荷側熱交換器、6 熱源側送風装置(熱源側ファン)、7a、7b 負荷側送風装置(負荷側ファン)、8 アキュムレータ、11a バルブ、11b バルブ、30 制御部、30a 測定部、30b 演算部、30c 駆動部、30d 記憶部、30e 判定部、30f 入力部、30g 出力部、31 吐出圧力センサ、32 吸入圧力センサ、40a、40b、40c 吸込空気温度センサ、41 吐出温度センサ、42 吸入温度センサ、43a、43b 熱交出口温度センサ、100 冷凍サイクル装置、200 冷凍サイクル装置、A 熱源側ユニット、B1、B2 負荷側ユニット。

Claims (13)

  1. 運転容量を可変できる圧縮機、凝縮器、絞り装置及び蒸発器を有し、冷媒が循環するように構成された冷媒回路と、
    前記凝縮器に送風する回転数可変な凝縮器側送風装置と、
    前記蒸発器に送風する回転数可変な蒸発器側送風装置と、
    前記冷媒回路の運転状態量を検出する運転状態量検出装置と、
    前記運転状態量検出装置で検出した前記運転状態量又は前記運転状態量から演算される演算値を判定指標として前記圧縮機の劣化を判定する判定部とを備え、
    前記判定部は、
    通常時とは異なる油量調整時用の運転条件を満足するように前記冷媒回路を制御することで、前記圧縮機内の冷凍機油の油量を調整する油量調整運転を行い、
    その後、前記冷媒回路の冷媒状態が、前記通常時とは異なる判定指標取得時用の冷媒条件を満足するように、前記圧縮機の運転容量、前記凝縮器側送風装置の回転数、前記蒸発器側送風装置の回転数及び前記絞り装置の開度を制御する冷媒状態制御運転を行い、
    前記冷媒状態制御運転中に取得した前記判定指標に基づいて前記圧縮機の劣化を判定する
    ことを特徴とする冷凍サイクル装置。
  2. 前記油量調整時用の運転条件は、
    圧縮機運転容量と、前記蒸発器の出口過熱度とである
    ことを特徴とする請求項1記載の冷凍サイクル装置。
  3. 前記運転条件の前記圧縮機運転容量は、
    前記冷媒回路を流れるガス冷媒の流速が、ゼロペネトレーション速度よりも速くなる運転容量であり、
    前記運転条件の前記出口過熱度は、前記通常時よりも低い過熱度である
    ことを特徴とする請求項2記載の冷凍サイクル装置。
  4. 前記運転条件の前記圧縮機運転容量は、
    前記冷媒回路を流れるガス冷媒の流速が、ゼロペネトレーション速度よりも速くなる高運転容量であり、
    前記運転条件の前記出口過熱度は、
    前記通常時よりも高い過熱度である
    ことを特徴とする請求項2記載の冷凍サイクル装置。
  5. 前記冷媒回路は、
    前記圧縮機の吸入側にアキュムレータを備え、
    前記油量調整運転では、
    前記油量調整時用の運転条件を満たす運転を行って前記圧縮機内の冷凍機油の油量を調整する第1調整を行った後、
    更に、前記冷媒回路を流れるガス冷媒の流速が、ゼロペネトレーション速度以下となる低運転容量に、前記圧縮機の運転容量を変更して前記圧縮機内の冷凍機油の油量を調整する第2調整を行う
    ことを特徴とする請求項2乃至請求項4の何れか一項に記載の冷凍サイクル装置。
  6. 前記判定指標取得時用の冷媒条件は、
    前記冷媒回路における冷媒の蒸発温度と、凝縮温度と、前記蒸発器の出口過熱度とである
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか一項に記載の冷凍サイクル装置。
  7. 前記判定指標取得時用の冷媒条件における前記凝縮温度及び前記蒸発温度は、
    前記蒸発温度と前記凝縮温度との差が通常時よりも大きくなる値に設定され、
    また、前記判定指標取得時用の冷媒条件における前記出口過熱度は、
    通常時よりも大きくなるように設定される
    ことを特徴とする請求項6記載の冷凍サイクル装置。
  8. 前記判定部は、
    前記圧縮機の運転容量とその運転容量で前記圧縮機が運転している時の前記圧縮機の劣化判定に用いる判定閾値との関係を予め記憶しており、前記冷媒状態制御運転時に、前記予め記憶されている関係に基づいて前記圧縮機の現在の運転容量に対応した判定閾値を決定し、その判定閾値と前記判定指標とを比較して前記圧縮機の劣化を判定する
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れか一項に記載の冷凍サイクル装置。
  9. 前記判定指標は、
    前記運転状態量検出装置により検出した前記圧縮機の吐出冷媒温度と前記圧縮機の吸入冷媒温度との差である
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れか一項に記載の冷凍サイクル装置。
  10. 前記判定指標は、
    前記運転状態量検出装置により検出した前記圧縮機の吐出冷媒温度と前記圧縮機の吸入冷媒温度との差であり、
    前記判定部は、
    前記差が前記判定閾値よりも大きい場合、劣化していると判定し、前記差が前記判定閾値以下の場合、劣化していないと判定することを特徴とする請求項8記載の冷凍サイクル装置。
  11. 前記判定指標は、
    前記運転状態量検出装置により検出した前記圧縮機の圧縮機入力である
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れか一項に記載の冷凍サイクル装置。
  12. 前記判定指標は、
    前記運転状態量検出装置により検出した、前記圧縮機の吐出冷媒温度、吐出冷媒圧力、吸入冷媒温度及び吸入冷媒圧力を用いて演算された演算値である
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れか一項に記載の冷凍サイクル装置。
  13. 前記判定部は、
    前記油量調整運転、前記冷媒状態制御運転及び圧縮機劣化判定の一連の処理を、繰り返し実施する
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項12の何れか一項に記載の冷凍サイクル装置。
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