JP5435850B2 - 吸湿性薬液による浸漬処理方法 - Google Patents

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本発明は、吸湿性薬液(処理液)の浸漬処理方法及び浸漬処理装置に関する。ここでは、吸湿性薬剤であるメタノールを溶剤とするハードコート液により、眼鏡用のプラスチックレンズ(被処理物)を浸漬コート処理する場合を、主として例に採り説明する。
本発明の適用分野は、当該コート処理に限定されるものではない。
メタノール等の吸湿性薬剤を希釈剤(分散媒)とする懸濁液や乳濁液とするコート液による浸漬コート処理、更には、メタノール等の有機溶剤のみを浸漬液とする浸漬洗浄処理等にも適用できる。
また、適用被処理物も上記プラスチックレンズに限られず、他の無機・有機ガラス光学部品、プリント基板、液晶基板、ウェハー等の電気・電子部品を挙げることができる。
ここで光学部品としては、眼鏡レンズ、カメラ用レンズ、反射鏡、プリズム、フィルター、等を含む概念である。
ここで、「湿り空気」及び「乾燥空気(除湿空気)」とは、相対的な用語で、絶対湿度(大気圧下(0.1013 MPa)、常温の含水率(g/m3):以下同じ。)が低いものをいう。
本明細書では、特にことわらない限り、「湿り空気」とは、絶対湿度が6g/m3以上のものをいい、「乾燥空気」とは、絶対湿度が6g/m3未満のものをいう。
上記ハードコート液で使用する溶剤は、通常、メタノール等の低級一価アルコールを使用する。
低級一価アルコールは、表1に示す如く、沸点が低くて(蒸気圧が高くて)揮発し易いためである。すなわち、浸漬処理後のレンズ(被処理物)上の溶剤が素早く揮散して、後加工(塗膜硬化乃至反射防止膜形成等の仕上げ加工)に円滑に移行できるためである。
Figure 0005435850
しかし、低級一価アルコールは、水親和性が高くて、吸水(吸湿)し易い。吸水して水分が上昇すると、レンズ上に形成されたハードコート(処理膜)に種々の不具合が発生し易くなる。ここで、種々の不具合とは、いわゆる「液だれ」、「はじき」、「水やけ」、「水しみ」と称されるものである。
これらの不具合を解消するために、コート液の吸水により水分が上昇して、所定値以上となる前に新品のコート液に取り替えることが考えられる。しかし、新品に取り替える方法は、取替え工数が嵩むとともに、再生できない場合、多量の廃液の発生につながる。
なお、本発明の特許性に影響を与えるものではないが、洗浄ユニット(浸漬処理ステーション)内を、循環型除湿器を用いて乾燥空気で満たし、浸漬槽から引き上げた被処理物に水滴が付着せず、いわゆる「水しみ」を発生させない技術が記載されている(段落0021・0022及び図1・2参照)。
特開平7−124531号公報
本発明は、上記にかんがみて、新品の処理液に交換せずに、吸湿性薬液の水分上昇率を抑制することができる吸湿性薬液による浸漬処理方法及び浸漬処理装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために、浸漬処理ステーション内を除湿雰囲気にして、処理液の水分上昇を抑制すればよいことを知見した。
浸漬処理ステーション内を除湿雰囲気にするには、前述のように、浸漬処理ステーション内を乾燥空気で満たすことが考えられる。
そこで、本発明者らは、既設の浸漬処理ステーション内の通年の絶対湿度と、水分上昇率との各月平均を調査した。
その結果を図1及び表2に示す。そして、絶対湿度が最大値(9 g/m3)となる7月において、循環型除湿器を用いて浸漬処理ステーション(180L)内を除湿したところ、7.5 g/m3が限度であった。そして、そのような絶対湿度では、通年平均より高く、コート膜(処理膜)に水分上昇に伴う不具合を解消するには不十分であることが分かった。
Figure 0005435850
なお、そのとき使用した循環型除湿器は、後述の実施例の欄における表3に示すものを使用した。
他方、絶対湿度が最低値(4g/m3)となる1月度においては、コート液の水分上昇率は低く、コート(処理膜)に水分上昇に伴う不具合が発生し難いことが分かった。
そこで、本発明者らは、鋭意開発に努力をした結果、下記構成とすれば、浸漬処理ステーション内を、絶対湿度を大幅に低くすることが容易になることを知見して、下記構成の吸湿性薬液による浸漬処理方法1)及び浸漬処理装置2)に想到した。
1)本発明に係る吸湿性薬液による浸漬処理方法は、浸漬槽が配された浸漬処理ステーションに被処理物を搬入し、前記浸漬槽に貯留された吸湿性薬液を用いて被処理物の浸漬処理をして、前記浸漬処理ステーションから被処理物を搬出する浸漬処理方法であって、
前記吸湿性薬液の上面空気層の湿り空気を、前記浸漬処理ステーションの外の大気を除湿処理して調製した乾燥空気に置換して、前記吸湿性薬液の上面空気層を設定湿度に維持する方法において、
前記吸湿性薬液の上面空気層が、前記吸湿性薬液の上面および乾燥空気導入口を除いて、かつ、浸漬作業時を除いて実質的に密閉系とされるとともに、該密閉系は、前記吸湿性薬液の上面の延長上に空気漏出隙間が形成され、加圧雰囲気下において前記空気漏出隙間から空気逃げが可能とされている、ことを特徴とする。
2)本発明に係る吸湿性薬液用の浸漬処理装置は、吸湿性薬液が貯留される浸漬槽と、該浸漬槽の上面空気層へ乾燥空気(除湿空気)を導入する空気導入手段とを備え、該上面空気層の空気が大気中に逃げ可能な構成を有しているとともに、前記空気導入手段は、更に、大気導入側に空気除湿手段を備えている吸湿性薬液用の浸漬処理装置であって、
前記浸漬槽の上面空気層を形成する上面空気層カバーを備え、
該上面空気層カバー体は、上側に前記被処理物を出し入れ可能な開閉蓋を備えるとともに、前記吸湿性薬液の上面の延長上に空気漏出隙間を備えて、
前記吸湿性薬液の上面および乾燥空気導入口を除いて、かつ、浸漬作業時を除いて、実質的な密閉空間を形成するものである、ことを特徴とする。
浸漬薬液の上面空気層が、該上面空気層の湿り空気より絶対湿度が低い乾燥空気で置換される。このため、循環型除湿器で室全体の湿り空気を、除湿しながら吸引移動させる場合に比して、低動力(少ないエネルギー)で、浸漬薬液(吸湿性薬液)の上面空気層の絶対湿度を低くできる。
以下、本発明の望ましい形態について、説明をする。
本発明の吸湿性薬液用の浸漬処理装置を、図2・3に示す。
基本的には、吸湿性薬液が貯留される浸漬槽(浸漬処理槽)12と、該浸漬槽12の上面空気層Aへ除湿空気を導入する空気導入手段14とを備えている。そして、該上面空気層Aの空気が大気中に逃げ可能な構成を有しているとともに、空気導入手段14は、更に、大気導入側に空気除湿手段16を備えている。
より具体的には、浸漬槽12は、可動台車に載置された箱型の浸漬処理ユニット18にセットされている。該浸漬処理ユニット18は、図示しないが、内部に浸漬処理槽への処理液供給ポンプ、供給ホース、液抜き装置、等が設けられている。
本実施形態では、浸漬槽12の上面空気層Aが、吸湿性薬液の上面及び空気導入手段14のための空気導入孔20を除いて、かつ、浸漬作業時を除いて、実質的な密閉空間を形成する上面空気層カバー体24を備えている。
より具体的には、矩形箱型のフレームの前・後面に剛性シート24a、24aを、両側面にビニル等の可撓性シート24b、24bを、上面にシャッター(開閉蓋)25をそれぞれ取り付け、浸漬槽12の上面空気層Aの周囲を略密閉的に覆って、上面空気層カバー体24が形成されている。この場合、両側面の可撓性シート24b、24bの下端の空気漏出隙間22から上面空気層カバー体24内の空気が漏出する。なお、フレームの周囲は、全面的に可撓性シートで覆ってもよい。この場合は、可撓性シートの下端全周の空気漏出隙間22から上面空気層カバー体24内の空気が漏出する。
そして、浸漬槽12の上面空気層Aへ乾燥空気(除湿空気)を導入する空気導入手段14は、上面空気層の外の大気を吸引するコンプレッサ(圧縮器)26、該コンプレッサ26からの導入圧縮空気を導入し低温露結により除湿をする冷凍式除湿器16、及び該冷凍式除湿器16からの圧縮乾燥空気を、大気圧以上の設定圧力にして上面空気層Aへ導入する調圧器(レギュレータ)30を備えたものとなる。なお、空気供給パイプ14Aの吐出口には、図示しないが、汎用の拡散ノズル(サイレンサー)を取り付けることができる。
より具体的には、圧縮器(コンプレッサ)26の能力は、上面空気層カバー体24で形成される上面空気層Aの体積の、1〜3倍、より普通には1.5〜2倍とする。例えば、体積が180L(1000(W) mm×300(H) mm×600(D) mm)の場合、吸引量180〜540L/min、より普通には、270〜360L/minのものを使用可能である。なお、圧縮器26は回転式・往復式を問わない。圧縮機としては、例えば、大気圧の約7倍(0.69MPa)の圧縮空気を出す能力を有するものを使用する。
また、冷凍式除湿器16は、露点温度(0.69MPa)5〜15℃(より普通には8〜12℃)で、絶対湿度0.99〜1.8g/m3(より普通には1.17〜1.48g/m3)となる圧縮乾燥空気を導入可能な能力を有するものを使用できる。なお、除湿器は、シリカゲル、活性炭等の吸湿剤で除湿する吸着式除湿器でもよく、併用も可能である。
しかし、本実施形態では、吸着式除湿器を併用するほどの低湿度は要求されないため、吸着式除湿器は併用しない。
調圧器30は、上記圧縮乾燥空気を、上面空気層へ、大気圧の約1倍(より普通には1.5倍)を超える圧約0.1MPa(より普通には0.15MPa)を超えて調圧出来、且つ、上面空気層の体積を180Lとした場合、流量が50〜300L/min(より普通には90〜270L/min)であるものを使用できる。尚、上面空気層の圧の上限は特に限定されないが、通常、大気圧の2〜3倍(0.2〜0.3MPa)とする。
次に、上記吸湿性薬液用の浸漬処理装置を用いての本発明の吸湿性薬液による浸漬処理方法について説明をする。
ここでは、被処理物として、プラスチックレンズを、吸湿性薬液として、メタノールを溶媒とするハードコート液を例に採る。なお、吸湿性薬液を構成する液体としては、メタノールの他にエタノール、イソプロピルアルコール等の低級一価アルコール以外に、EGモノメチルエーテル、EGモノエチルエーテル、EGモノブチルエーテル等のエチレングリコールモノアルキルエーテルを挙げることができる。これらの溶剤は、単独で又は併用して洗浄剤とすることもできる。
以下に、ハードコート液の一例を幅を持って示す。
塗膜成分(固形分) 30〜38%
メタノール 4〜47%
水分 3〜8%
非吸湿性溶剤* 16〜56%
*EGモノエチルエーテル/EGモノブチルエーテル
予め、浸漬槽12にハードコート液を貯留(充填)しておく。
そして、圧縮器26及び除湿器16を起動させ、絶対湿度(大気圧換算)1.5g/m3以下の除湿空気(乾燥空気)を調製する。
該除湿空気を一箇所又は複数個所から空気供給パイプ14aで上面空気層カバー体24内に除湿空気(乾燥空気)を導入する。このときの、導入(供給)圧は、大気圧の約2倍前後(1.5〜2.5倍)が望ましい。
導入圧が低いと、上面空気層カバー体内の空気(エア)の排出が十分に行えず、空気(エア)置換効率を得難い。すなわち、上面空気層Aを所定湿度(例えば、絶対湿度で6g/m3未満、より普通には5 g/m3以下、より望ましくは4 g/m3以下)の絶対湿度以下に円滑に達し難い。
逆に圧が高いと、塗布後の未硬化のハードコート膜が吹き飛ばされて、安定した膜厚(ハードコート膜)を得難い。
尚、被処理物(ワーク)を洗浄処理する場合で、洗浄液が被処理物上に可及的に残存しないことが要求される場合は、除湿空気の導入圧が上記より高くてもよい。すなわち、エネルギー効率とのバランスから適宜設定できる。
上記供給の態様は、通常連続とするが、間欠的でもよい。間欠的とすると、上面空気層カバー体24内の絶対湿度が変動しやすい。このため、通常、内部湿度を測定して、フィードバックしながら乾燥空気の間欠供給を行う。
そして、浸漬槽処理室への被処理物の搬入・搬出は、例えば、本実施形態では、下記の如く行う。
例えば、浸漬カゴ32に被処理物であるプラスチックレンズ34を整列した後、ハンガーで吊り下げてチェーンコンベヤ(図示せず)で、浸漬槽12のある塗布(コート)ステーションまで搬送する。
そして、上面空気層カバー体24の上面シャッター25を開け、浸漬カゴ32を下げ、ハンガーチャックをはずしてプラスチックレンズ(被処理物)34を浸漬槽12に浸漬させ、ハンガーを上昇させて、上面シャッターを閉じ、ハンガーを待機させる。
所定時間浸漬後、上面のシャッター25を開け、ハンガーを下降してチャックで浸漬カゴをチャックして、浸漬処理後のプラスチックレンズが入った浸漬カゴを上昇させる。ここで所定時間(浸漬時間)は、例えば、ハードコート液の場合、20〜120sとする。
そして、搬送チェーンを駆動して、次の被処理物が入った浸漬カゴ32を処理ステーションまで搬送して、ハンガーを下降させ、上記と同様に浸漬処理を繰り返す。
こうして、浸漬処理を順次繰り返しても、浸漬処理槽に充填された吸湿性薬液であるハードコート液は、上面が常時乾燥空気で覆われているため、ハードコート液が吸湿を起因とする品質低下が促進されない。
したがって、ハードコート液(吸湿性薬液)の置換スパン(時間幅)が長くなり、省資源、乃至、産業廃棄物発生量の低減に寄与する。
以下、本発明の効果を確認するために行った、試験例について説明をする。
ハードコート液は、組成が固形分:35%、メタノール:34%、水分:6%、非吸湿性溶剤(EGモノエチルエーテル/EGモノブチルエーテル混合溶剤):25%を用いた。
実験に用いた装置は図1に示すモデル図において、上面空気層カバー体が、全周をビニールシートで覆い(上面はシャッター)、1000(W) mm×300(H) mm×600(D) mmで180Lの内容積を有するものを使用した。
そして、空気導入手段における圧縮器(コンプレッサ)、冷凍式除湿器(又は循環型除湿器)及び調圧器の仕様及び各運転条件を表3に示す。
Figure 0005435850
そして、雰囲気条件は、夏季(7月)に同時に4つについて行った。なお、冬季も参照例をして示す。
1) 対照例・・・夏季(除湿なし開放)
2) 比較例・・・カバー体内を循環式除湿器で循環除湿を行った。
3) 実施例1・・・カバー体なしで乾燥空気を浸漬処理槽の上へ導入した。
4) 実施例2・・・カバー体内へ乾燥空気を導入排出した。
5) 参照例・・・冬季(除湿なし開放)
各試験例におけるハードコート液の水分含有率の変化(累積)を、図4及び表4に示す、そして、各試験例における11日間の、浸漬槽(吸湿薬液)の上面空気層の絶対湿度平均値を表5に示す。
上記各結果から、上面空気層の空気置換を行うと、密閉式(上面空気層カバー体を用いて)で循環式除湿器を用いた場合より、より湿度の低い雰囲気を得易いことが確認できた(比較例と実施例1)。
吸湿性薬液(メタノール含有率30〜50%)の上面空気層を6g/m3未満とすることにより、水分吸収性を冬季並み以上に抑制することができることが確認できた(実施例2と参照例)。
Figure 0005435850
Figure 0005435850
通年各月における吸湿性薬液(ハードコート液)の上面空気層の平均絶対湿度とハードコート液の水分上昇率を示すグラフ図である。 本発明の浸漬処理方法に使用する浸漬処理装置のモデル正面図である。 同じくモデル要部斜視図である。 各試験例におけるハードコート液の水分含有率の日数経過変化量を示すグラフ図である。
符号の説明
12 浸漬槽(浸漬処理槽)
14 空気導入手段(エア導入手段)
16 空気除湿手段(冷凍式除湿器)
20 空気導入孔(エア導入口)
22 空気漏出隙間
24 上面空気層カバー体
A 上面空気層

Claims (6)

  1. 浸漬槽が配された浸漬処理ステーションに被処理物を搬入し、前記浸漬槽に貯留された吸湿性薬液を用いて被処理物の浸漬処理をして、前記浸漬処理ステーションから被処理物を搬出する浸漬処理方法であって、
    前記吸湿性薬液の上面空気層の湿り空気を、前記浸漬処理ステーションの外の大気を除湿処理して調製した乾燥空気に置換して、前記吸湿性薬液の上面空気層を設定湿度に維持する方法において、
    前記吸湿性薬液の上面空気層が、前記吸湿性薬液の上面および乾燥空気導入口を除いて、かつ、浸漬作業時を除いて実質的に密閉系とされるとともに、該密閉系は、前記吸湿性薬液の上面の延長上に空気漏出隙間が形成され、加圧雰囲気下において前記空気漏出隙間から空気逃げが可能とされている、
    ことを特徴とする吸湿性薬液による浸漬処理方法。
  2. 前記吸湿性薬液がコート液である場合において、前記加圧雰囲気下における内圧が大気圧1.5倍以上であることを特徴とする請求項1記載の吸湿性薬液による浸漬処理方法。
  3. 大気を圧縮状態で低温露結して得た圧縮空気を大気圧より高い所定圧に減圧して前記乾燥空気として前記上面空気層に導入することを特徴とする請求項1又は2記載の吸湿性薬液による浸漬処理方法。
  4. 前記吸湿性薬液がメタノール含有率30〜50%のコート液である場合において、前記上面空気層の設定絶対湿度(大気圧下、常温) 6g/m3未満とすることを特徴とする請求項1、2又は3記載の吸湿性薬液による浸漬処理方法。
  5. 吸湿性薬液が貯留される浸漬槽と、該浸漬槽の上面空気層へ乾燥空気(除湿空気)を導入する空気導入手段とを備え、該上面空気層の空気が大気中に逃げ可能な構成を有しているとともに、前記空気導入手段は、更に、大気導入側に空気除湿手段を備えている吸湿性薬液用の浸漬処理装置であって、
    前記浸漬槽の上面空気層を形成する上面空気層カバー体を備え、
    該上面空気層カバー体は、上側に被処理物を出し入れ可能な開閉蓋を備えるとともに、前記吸湿性薬液の上面の延長上に空気漏出隙間を備えて、
    前記吸湿性薬液の上面および乾燥空気導入口を除いて、かつ、浸漬作業時を除いて、実質的な密閉空間を形成するものである
    ことを特徴とする吸湿性薬液用の浸漬処理装置。
  6. 前記空気除湿手段が、上面空気層の外の大気を吸引する圧縮器(コンプレッサ)、該圧縮器からの導入圧縮空気を導入し低温露結により除湿をする冷凍式除湿器、及び該冷凍式除湿器からの圧縮乾燥空気を、大気圧以上の設定圧力にして前記上面空気層へ導入する調圧器(レギュレータ)を備えたものであることを特徴とする請求項5記載の吸湿性薬液用の浸漬処理装置。
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