JP5435102B2 - 車輪用軸受装置 - Google Patents

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Description

本発明は車輪用軸受装置(以下、単に「軸受装置」ともいう)に関する。さらに詳しくは、内輪部材を構成する内軸の外周面に車輪取付用フランジが形成され、且つ、前記内軸の外径に、当該内軸とともに内輪部材を構成する内輪構成部材が嵌合されている軸受装置に関する。
2WD(2輪駆動)と4WD(4輪駆動)との切換えが可能なパートタイム4WD車用の車輪支持装置として、駆動力を断続する切換えが可能なものがある。
具体的には、例えば図3に示されるように、車輪が取り付けられる内軸1に対して駆動力を断続する切換え機構として、当該内軸1の車両インナ側(車輪が装着される側の反対側)端部に外嵌固定され外周面にスプライン部2aを有するカプラーリング2と、このカプラーリング2に隣接した駆動軸側の外周面に設けられ前記カプラーリング2と同径のスプライン部3と、隣接するこれら両スプライン部2a、3上を軸方向に摺動可能なギアリング4と、を備えるものがある。この場合、両方のスプライン部2a、3と係合する位置にギアリング4を移動させることにより、内軸1に駆動力を伝達することができ、また、駆動軸側のスプライン部3のみと係合する位置にギアリング4を移動させることにより、内軸1への駆動力伝達を解除することができる。
図3に示される車輪支持装置に用いられる軸受装置は、車体側に固定される外輪部材5と、この外輪部材5に複列の転動体である円すいころ6を介して当該外輪部材5と同心に配置されるとともに軸心廻りに回転可能な内輪部材7とを備えている。この内輪部材7は、略筒状を呈する内軸1と、この内軸1の外径に嵌合される内輪構成部材8とで構成されており、また内軸1の車両アウタ側(図3において左側)の端部付近の外周面には、車輪取付用フランジ9が外方に突出して形成されている。
ところで、軸受装置では、表面硬さを高めて耐磨耗性を向上させたり、また疲労破壊が発生するのを抑制したりするために、部材表面に高周波焼き入れ等の熱処理を施すことが行われている。例えば、特許文献1記載の軸受装置では、車輪取付用フランジの根元から車輪インナ側端部に至る、内軸外周面の略全体に亘って高周波焼き入れをし、ついで当該内軸外周面に研磨仕上を施している。一方、図3に示される軸受装置の場合は、カプラーリング2が外嵌挿入される内軸1のスプライン部としてのホブ加工部10にまで熱処理を施すと、このホブ加工部10にひずみが生じてカプラーリング2をねじ込めなくなることがあるため、内軸外周面の略全体に亘って熱処理を施すことができず、現実には、車輪取付用フランジ9の根元からホブ加工部10への熱処理影響がない範囲まで熱処理を施し、ついで内軸1の外周面に研磨仕上を施すことが行われている。
特開2004−278673号公報
しかしながら、研磨による仕上加工は、研磨機の設備費が高くつき、製品のコストダウンを阻害する要因となっている。これに関し、製品の表面仕上を旋削で行うことも考えられるが、内軸の外周面を同じチップ速度で旋削すると、熱処理を施していない生(なま)の部分の方が熱処理を施した部分よりも旋削量が多くなるため、両部分の境界で段差が生じてしまう。その結果、熱処理が施されていない内軸部分の外径に嵌合される内輪構成部材の締め代を確保することが難しくなり、当該内輪構成部材を強固に内軸に固定することが難しくなるおそれがあるという問題や、内軸との接触幅(接触部分の軸方向に沿った長さのこと)が小さいことに起因して内輪構成部材にクリープが生じるおそれがあるという問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、内輪構成部材の内軸外径への嵌合力を確保しつつ、仕上加工のための設備費を低減させることができる軸受装置を提供することを目的としている。
本発明の第1の観点に係る車輪用軸受装置は、内軸及びこの内軸の外径に嵌合された内輪構成部材とで構成された内輪部材と、この内輪部材の外径側において当該内輪部材と同心に配置された外輪部材と、前記内輪部材と外輪部材との間に転動自在に配設された転動体とを備えており、前記内軸の車両アウタ側端部付近の外周面に、車輪取付用フランジが外方に突出して形成されている車輪用軸受装置であって、
前記内軸が機械構造用炭素鋼で作製されており、
前記車輪取付用フランジの根元の車両インナ側部分から、内軸の車両インナ側端部に向けて軸方向に所定長さの内軸外周面に熱処理が施されており、
前記所定長さの内軸外周面が、前記車輪用軸受装置の使用時において240MPaを超える応力が集中する部分であり、且つ
前記内軸の外周面の仕上加工は旋削によって行われるものであって、旋削前においては、前記熱処理が施された内軸部分の外径が熱処理が施されていない内軸部分の外径よりも小さくされ、内軸部分全体を同一の旋削条件で旋削しても両内軸部分間に段差が生じないように構成されていることを特徴としている(請求項1)。
本発明の第1の観点に係る車輪用軸受装置では、内軸の外周面に内輪構成部材が嵌め込まれるが、この内軸のうち熱処理が施される部分の外径を、熱処理が施されない部分の外径よりも小さくなるように設定している。また、熱処理を施す部分を、必要最小限の範囲、すなわち機械構造用炭素鋼からなる内軸において240MPaを超える応力が集中する部分に限定している。したがって、内軸に高周波焼き入れ等の熱処理を施した後に当該内軸の外周面を仕上加工するに際し、従来の研磨仕上に代えて、設備費を低減させることができる旋削仕上を採用しても、熱処理を施さない生(なま)の部分の外径が、熱処理を施す部分の外径よりも大きくなるように設定しているので、旋削仕上の公差により熱処理を施さない部分の外径が設定値より多少小さくなっても、従来のような段差が、熱処理部分と非熱処理部分との境界に生じることがない。また、熱処理を施す部分を必要最小限の範囲に限定しているので、熱処理が施される車輪取付用フランジの根元付近に嵌め込まれる内輪構成部材の、内軸との接触幅が小さくなることはほとんどなく、当該内輪構成部材の嵌合力を確保することができる。また、この内輪構成部材にクリープが生じる惧れもない。そして、旋削により仕上加工をすることができるので、仕上加工のための設備費を小さくすることができ、その結果製品のコストダウンを図ることができる。
本発明の第2の観点に係る車輪用軸受装置は、内軸及びこの内軸の外径に嵌合された内輪構成部材とで構成された内輪部材と、この内輪部材の外径側において当該内輪部材と同心に配置された外輪部材と、前記内輪部材と外輪部材との間に転動自在に配設された転動体とを備えており、前記内軸の車両アウタ側端部付近の外周面に、車輪取付用フランジが外方に突出して形成されている車輪用軸受装置であって、
前記内軸が機械構造用炭素鋼で作製されており、
前記車輪取付用フランジの根元の車両インナ側部分から、内軸の車両インナ側端部に向けて軸方向に所定長さの内軸外周面に熱処理が施されており、
前記所定長さの内軸外周面が、前記車輪用軸受装置の使用時において240MPaを超える応力が集中する部分であり、且つ
前記内軸の外周面の仕上加工は旋削によって行われるものであって、旋削前においては、前記熱処理が施された内軸部分の外径が、熱処理が施されていない内軸部分のうち前記熱処理が施された内軸部分に隣接する所定幅の境界部分の外径よりも小さくされ、内軸全体を同一の旋削条件で旋削しても前記両部分間に段差が生じないように構成されていることを特徴としている(請求項2)。
本発明の第1の観点の車輪用軸受装置の製造方法は、内軸及びこの内軸の外径に嵌合された内輪構成部材とで構成された内輪部材と、この内輪部材の外径側において当該内輪部材と同心に配置された外輪部材と、前記内輪部材と外輪部材との間に転動自在に配設された転動体とを備えており、前記内軸の車両アウタ側端部付近の外周面に、車輪取付用フランジが外方に突出して形成されている車輪用軸受装置の製造方法であって、
前記車輪取付用フランジの根元の車両インナ側部分から、内軸の車両インナ側端部に向けて軸方向に所定長さの部分の外径を、前記所定長さを超える部分の外径よりも小さく形成する工程と、
前記内軸の外径が小さく形成された部分の外周面に熱処理を施す工程と、
前記熱処理後に、内軸全体を同一の旋削条件で旋削する工程とよりなり、
前記旋削工程において、前記内軸の外径が異なる部分間に段差が生じないように旋削することを特徴とする車輪用軸受装置の製造方法(請求項4)。
本発明の第2の観点の車輪用軸受装置の製造方法は、内軸及びこの内軸の外径に嵌合された内輪構成部材とで構成された内輪部材と、この内輪部材の外径側において当該内輪部材と同心に配置された外輪部材と、前記内輪部材と外輪部材との間に転動自在に配設された転動体とを備えており、前記内軸の車両アウタ側端部付近の外周面に、車輪取付用フランジが外方に突出して形成されている車輪用軸受装置の製造方法であって、
前記車輪取付用フランジの根元の車両インナ側部分から、内軸の車両インナ側端部に向けて軸方向に所定長さの部分の外径を、前記所定長さを超える部分の外径よりも小さく形成する工程と、
前記内軸の、外径が小さく形成された部分とそうでない部分の境界部分から所定幅だけフランジ側に寄った部分の外周面に熱処理を施す工程と、
前記熱処理後に、内軸全体を同一の旋削条件で旋削する工程とよりなり、
前記旋削工程において、前記内軸の外径が異なる部分間に段差が生じないように旋削することを特徴とする車輪用軸受装置の製造方法(請求項5)。
熱処理が施された内軸部分とともに、熱処理が施されていない内軸部分のうち前記熱処理が施された内軸部分に隣接する所定幅の境界部分の外径を、この境界部分を除く熱処理が施されていない内軸部分の外径よりも小さくすることで、旋削加工した場合に、熱処理が施された部分(熱処理部)と熱処理が施されていない部分(非熱処理部)の境界部に段差ができてしまうことを回避できる。
前記熱処理が施されていない内軸部分の外径と、熱処理が施された内軸部分の外径との差を、0.2〜0.4mmの範囲内とするのが好ましい。外径の差をこの範囲内に設定すると、曲げモーメントに対する軸強度が確保できる。
本発明の車輪用軸受装置によれば、内輪構成部材の内軸外径への嵌合力を確保しつつ、前記内軸外周面を仕上加工するための設備費を低減させることができる。
本発明の軸受装置の一実施の形態を含む車輪支持装置の断面説明図である。 内軸の車輪取付用フランジの根元付近の説明図である。 従来の軸受装置の断面説明図である。
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の車輪用軸受装置(以下、単に「軸受装置」ともいう)の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る軸受装置Hを含む車輪支持装置の断面説明図である。なお、図3に示される車輪支持装置と共通する構成又は要素には、同じ参照符号を付している。
軸受装置Hは、車体側に固定される外輪部材5と、この外輪部材5に複列の転動体(円すいころ)6を介して当該外輪部材5と同心に配置されるとともに軸心廻りに回転可能な内輪部材7とを備えている。内輪部材7は、略筒状を呈する内軸1と、この内軸1の外径に嵌合される一対の内輪構成部材8とで構成されており、内軸1の車両アウタ側(図1において左側)の端部付近の外周面には、車輪取付用フランジ9が外方に突出して形成されている。車輪のホイール(図示しない)はボルト11により車輪取付用フランジ9と締結される。また、内軸1の軸方向他端部(車両アウタ側端部)の外周面には、内軸1に駆動力を伝達するためのスプライン部としてのホブ加工部10が設けられている。そして、内軸1のホブ加工部10よりも軸方向他端側の端部は、径方向外方に塑性変形されてなるかしめ部12とされている。
内輪構成部材8は、互いに分割された第一の内輪構成部材8aと第二の内輪構成部材8bとからなる。第一の内輪構成部材8aは、第一列の円すいころ6aの軌道面である第一の内輪軌道13aを有しており、第二の内輪構成部材8bは、第二列の円すいころ6bの軌道面である第二の内輪軌道13bを有している。
一方、外輪部材5は、第一の内輪軌道13aに対向する第一の外輪軌道14aと、第二の内輪軌道13bに対向する第二の外輪軌道14bとを有する。また、外輪部材5の外周面には、径方向外側に延びるフランジ部15が設けられている。このフランジ部15は、車体の懸架装置(図示しない)に取り付けられる。
内軸1と車軸16との間には、玉軸受17及び針状ころ軸受18が介装されており、内軸1を車軸16に対して回動自在に支持している。玉軸受17は深溝玉軸受とされ、内軸1の車輪取付用フランジ9とほぼ同じ軸方向位置に配置されている。また、針状ころ軸受18は、玉軸受17よりも車両インナ側に配置され、その軸方向位置は、内軸1の外周面に設けられた第一の内輪構成部材8aとほぼ同じとされている。2つの軸受17、18を設けることで、内軸1と車軸16とが互いに同軸状態で強固に支持され、車輪支持装置の剛性が高まる。また車両インナ側の軸受を針状ころ軸受18とすることで、当該軸受18を取り付けた部分における内軸1の肉厚を確保しやすくしている。
第一の内輪構成部材8aと、内軸1のかしめ部12との間には、リング状部材であるカプラーリング2が設けられている。カプラーリング2は、第一の内輪構成部材8aの車両インナ側端面に当接して設けられている。カプラーリング2の内周面及び外周面にはいずれもスプライン部が設けられており、このうち内周スプライン部2bは、前述した内軸1のホブ加工部10と噛み合っている。
カプラーリング2の近傍における車軸16の外周面には、カプラーリング2の外周スプライン部2aと同径かつ同形状の車軸側スプライン部3が設けられている。これら外周スプライン部2aと車軸側スプライン部3とは、互いに同軸の関係にある。そして、車軸側スプライン部3には、軸方向に摺動可能なギアリング4の内周スプライン部4aが噛み合わされている。ギアリング4が車両アウタ側に移動すると、車軸側スプライン部3と外周スプライン部2aとの両者に噛み合った状態(図1に示される状態)となり、これにより車軸16の駆動力が内軸1に伝達される。一方、ギアリング4が車両インナ側に移動すると、ギアリング4は、車軸側スプライン部3とは噛み合っているが外周スプライン部2aには噛み合っていない状態(図示省略)となる。このように、ギアリング4を軸方向に摺動させることにより、内軸1への駆動力を断続する切換えを可能としている。なお、特に図示しないが、ギアリング4の摺動は、エアや油圧など適宜の動力手段を用いた摺動機構によりなされる。
内軸1のうち車輪取付用フランジ9の根元付近は、使用時に応力が集中し、ひび割れや破損が生じやすい部分であるため、通常、この部分に熱処理を施して表面硬さを高めることが行われている。
本発明の第1の観点に係る発明の特徴は、この熱処理を施す範囲を可能なかぎり車両インナ側端部にまで延ばしたことである。具体的には、車輪取付用フランジ9の根元の車両インナ側部分9aから、ホブ加工が施されているホブ加工部10の車両アウタ側端縁10aから所定の距離tだけ車両アウタ側に寄った位置であって当該ホブ加工部10に熱処理の影響を及ぼさない位置までの範囲の内軸1外表面に熱処理(図1において、熱処理が施された範囲を2点鎖線で示している)が施されている。
内軸1外表面において熱処理を施す部分を、ホブ加工を施した部分に熱処理の影響を与えない範囲内で、従来の範囲よりも大幅に車両インナ側に伸ばすことで、内軸1に高周波焼き入れ等の熱処理を施した後に当該内軸1の外周面を仕上加工するに際し、従来の研磨仕上に代えて、旋削仕上を採用することができる。旋削仕上の場合、前述したように、熱処理を施さない生(なま)の部分の旋削量が熱処理部分よりも多くなるため、当該非熱処理部分が熱処理部分よりも小径になるが、熱処理部を車両インナ側に極力伸ばすことで、この小径の部分を少なくすることができる。その結果、車両インナ側に嵌め込まれる第一の内輪構成部材8aに対しても充分な接触幅を確保することができ、当該第一の内輪構成部材8aを強固に内軸1に嵌合させることができる。また、第一の内輪構成部材8aに、少ない接触幅に起因するクリープが発生するのを防止することができる。
所定の距離tは、軸受装置のサイズ、熱処理の方法や時間等により異なり、本発明において特に限定されるものではないが、概ね3〜10mm、特に3〜4mm程度が目安である。この範囲内の距離であれば、ホブ加工した部分への熱処理の影響を防ぐとともに、旋削仕上による小径部分の発生を極力少なくして、車両インナ側に嵌め込まれる内輪構成部材に対し充分な接触幅を確保することができる。
本発明の第2の観点に係る発明の特徴は、前述した熱処理を施す内軸部分の外径が、熱処理を施さない内軸部分の外径よりも小さくなるように設定するとともに、熱処理を施す範囲を必要最小限の範囲にとどめたことである。すなわち、内軸1の外周面を仕上加工するに際し、従来では、熱処理を施す部分と熱処理を施さない部分の外径を同じ設定値にしていたため、当該内軸1の外周面に旋削加工を施すと、前述したように、熱処理を施す部分と熱処理を施さない部分の境界に段差が生じていた。これに対し、熱処理を施す部分の外径が、熱処理を施さない部分の外径よりも小さくなるように設定すると、従来の研磨仕上に代えて旋削仕上を採用しても、旋削仕上の公差により熱処理を施さない部分の外径が設定値より多少小さくなっても、従来のような段差が、熱処理部分と非熱処理部分との境界に生じることがない。
なお、図2に模式的に示されるように、熱処理が施された内軸部分(図2において、熱処理が施された範囲を2点鎖線で示している)とともに、熱処理が施されていない内軸部分のうち熱処理が施された内軸部分に隣接する所定幅W(内軸の軸方向に沿った所定の長さ)の境界部分の外径を、この境界部分を除く熱処理が施されていない内軸部分の外径よりも小さくなるように設定してもよい(第3の観点に係る発明)。前記境界部分は、直接には熱処理を施さないが、当該熱処理の影響を受ける部分であり、この境界部分も熱処理部分と同様に小径にすることにより、旋削加工した場合に、熱処理が施された部分(熱処理部)と熱処理が施されていない部分(非熱処理部)の境界部に段差ができてしまうことを回避できる。所定幅Wは、熱処理の種類や時間等により異なるが、通常、3〜4mm程度である。
前記熱処理が施されていない内軸部分の外径と、熱処理が施された内軸部分の外径との差Xは、内軸1の材質や旋削加工の公差等により異なるが、通常、直径で0.2〜0.4mm(半径で0.1〜0.2mm)の範囲内である。外径の差Xをこの範囲内に設定すると、曲げモーメントに対する軸強度が確保できる。
内軸外周面において熱処理をする範囲は、必要最小限の範囲にとどめられている。具体的に、第2〜3の観点に係る発明における内軸1は機械構造用炭素鋼で作製されているが、当該内軸1において240MPaを超える応力が集中する部分に限定して熱処理を施している。この240MPaという値は、内軸を構成する材料の疲労破壊の応力限界を考慮して選定された値であり、この値未満の応力しか作用しない部分については、熱処理を施さなくてもひび割れ等の不具合は生じない。このように、第2〜3の観点に係る発明では、熱処理を施す部分を必要最小限の範囲に限定しているので、熱処理が施される車輪取付用フランジの根元付近に嵌め込まれる第二の内輪構成部材8bの、内軸1との接触幅が小さくなることはほとんどなく、当該第二の内輪構成部材8bの嵌合力を確保することができる。また、この第二の内輪構成部材8bにクリープが生じる惧れもない。
第2〜3の観点に係る発明では、熱処理範囲を限定するとともに、熱処理部分の外径を非熱処理部分の外径よりも小さく設定しているので、内軸外表面の仕上を旋削により行うことができる。その結果、仕上加工のための設備費を小さくすることができ、ひいては製品のコストダウンを図ることができる。
なお、本発明において、熱処理の方法は特に限定されず、高周波焼き入れ、レーザ焼き入れ、浸炭焼き入れなど、軸受装置の部品の熱処理に用いられている方法を広く採用することができる。
1 内軸、2 カプラーリング、3 スプライン部、5 外輪部材、6 円すいころ(転動体)、7 内輪部材、8 内輪構成部材、9 車輪取付用フランジ、10 ホブ加工部、H 軸受装置

Claims (6)

  1. 内軸及びこの内軸の外径に嵌合された内輪構成部材とで構成された内輪部材と、この内輪部材の外径側において当該内輪部材と同心に配置された外輪部材と、前記内輪部材と外輪部材との間に転動自在に配設された転動体とを備えており、前記内軸の車両アウタ側端部付近の外周面に、車輪取付用フランジが外方に突出して形成されている車輪用軸受装置であって、
    前記内軸が機械構造用炭素鋼で作製されており、
    前記車輪取付用フランジの根元の車両インナ側部分から、内軸の車両インナ側端部に向けて軸方向に所定長さの内軸外周面に熱処理が施されており、
    前記所定長さの内軸外周面が、前記車輪用軸受装置の使用時において240MPaを超える応力が集中する部分であり、且つ
    前記内軸の外周面の仕上加工は旋削によって行われるものであって、旋削前においては、前記熱処理が施された内軸部分の外径が熱処理が施されていない内軸部分の外径よりも小さくされ、内軸部分全体を同一の旋削条件で旋削しても両内軸部分間に段差が生じないように構成されていることを特徴とする車輪用軸受装置。
  2. 内軸及びこの内軸の外径に嵌合された内輪構成部材とで構成された内輪部材と、この内輪部材の外径側において当該内輪部材と同心に配置された外輪部材と、前記内輪部材と外輪部材との間に転動自在に配設された転動体とを備えており、前記内軸の車両アウタ側端部付近の外周面に、車輪取付用フランジが外方に突出して形成されている車輪用軸受装置であって、
    前記内軸が機械構造用炭素鋼で作製されており、
    前記車輪取付用フランジの根元の車両インナ側部分から、内軸の車両インナ側端部に向けて軸方向に所定長さの内軸外周面に熱処理が施されており、
    前記所定長さの内軸外周面が、前記車輪用軸受装置の使用時において240MPaを超える応力が集中する部分であり、且つ
    前記内軸の外周面の仕上加工は旋削によって行われるものであって、旋削前においては、前記熱処理が施された内軸部分の外径が、熱処理が施されていない内軸部分のうち前記熱処理が施された内軸部分に隣接する所定幅の境界部分の外径よりも小さくされ、内軸全体を同一の旋削条件で旋削しても前記両部分間に段差が生じないように構成されていることを特徴とする車輪用軸受装置。
  3. 前記熱処理が施されていない内軸部分の外径と、熱処理が施された内軸部分の外径との差が、0.2〜0.4mmの範囲内である請求項1もしくは2に記載の車輪用軸受装置。
  4. 内軸及びこの内軸の外径に嵌合された内輪構成部材とで構成された内輪部材と、この内輪部材の外径側において当該内輪部材と同心に配置された外輪部材と、前記内輪部材と外輪部材との間に転動自在に配設された転動体とを備えており、前記内軸の車両アウタ側端部付近の外周面に、車輪取付用フランジが外方に突出して形成されている車輪用軸受装置の製造方法であって、
    前記車輪取付用フランジの根元の車両インナ側部分から、内軸の車両インナ側端部に向けて軸方向に所定長さの部分の外径を、前記所定長さを超える部分の外径よりも小さく形成する工程と、
    前記内軸の外径が小さく形成された部分の外周面に熱処理を施す工程と、
    前記熱処理後に、内軸全体を同一の旋削条件で旋削する工程とよりなり、
    前記旋削工程において、前記内軸の外径が異なる部分間に段差が生じないように旋削することを特徴とする車輪用軸受装置の製造方法。
  5. 内軸及びこの内軸の外径に嵌合された内輪構成部材とで構成された内輪部材と、この内輪部材の外径側において当該内輪部材と同心に配置された外輪部材と、前記内輪部材と外輪部材との間に転動自在に配設された転動体とを備えており、前記内軸の車両アウタ側端部付近の外周面に、車輪取付用フランジが外方に突出して形成されている車輪用軸受装置の製造方法であって、
    前記車輪取付用フランジの根元の車両インナ側部分から、内軸の車両インナ側端部に向けて軸方向に所定長さの部分の外径を、前記所定長さを超える部分の外径よりも小さく形成する工程と、
    前記内軸の、外径が小さく形成された部分とそうでない部分の境界部分から所定幅だけフランジ側に寄った部分の外周面に熱処理を施す工程と、
    前記熱処理後に、内軸全体を同一の旋削条件で旋削する工程とよりなり、
    前記旋削工程において、前記内軸の外径が異なる部分間に段差が生じないように旋削することを特徴とする車輪用軸受装置の製造方法。
  6. 内軸部分の小さく形成された外径と、そうでない部分の外径との差が、0.2〜0.4mmの範囲内である請求項4もしくは5に記載の車輪用軸受装置の製造方法。
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