JP5434733B2 - 静電気保護材料用複合粉末 - Google Patents
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図1は、本発明による静電気保護材料用複合粒子を用いて機能層(静電気保護材料層)を形成した静電気対策素子の好ましい実施形態を概略的に示す模式断面図である。この静電気対策素子1は、絶縁性表面2aを有する基体2と、この絶縁性表面2a上に配設された一対の電極3a,3bと、これら電極3a,3bの間に配設された機能層4と、電極3a,3bと電気的に接続された端子電極(図示せず)と、を備える。後述するように、機能層4は、複合粒子5を含有するものであって、この静電気対策素子1において低電圧放電タイプの静電気保護材料として機能し、静電気などの過電圧が印加された際に、この機能層4を介して電極3a,3b間で初期放電が確保されるように設計されている。
複合粒子5は、表面が導電性の導電性無機粒子6と、この導電性無機粒子6の外周の少なくとも一部に形成された絶縁性無機材料からなる被膜7とを有する。
<導電性無機粒子の作製>
まず、平均粒径が2μmのアルミナ粉末を10g準備し(絶縁性コア)、これをCVD装置の反応室に供給した。この反応室は、石英製のガラス管をヒーターで加熱する管状炉であり、その反応室は、回転装置により回転できるようになっている。加熱温度は900℃に設定し、回転数は0.1rpmとした。
次に、粉末状の銀化合物Ag(C11H19O2)を準備し(導電性シェルを構成する導電性無機材料の前駆体)、それぞれ表1に示す量の銀化合物を250℃に加熱したCVD装置の気化室に粉末供給装置を用いて毎時2gの速度で供給した。気化室で気化した銀化合物の蒸気を毎分1リットルの窒素ガスにて反応室に導入した。30時間の反応後、反応室から粉末を回収した。
得られた粉末(導電性無機粒子)についてX線回折測定(株式会社リガク社製、RINT2000)を用いて測定したところ、銀でコーティングされたAl2O3であることが確認された。
上記の手順にて得られた粉末(導電性無機粒子)に、以下に示すゾルゲル法でTiO2膜(被膜)を作製した。まず、ビーカーに無水エタノール150mlを入れ、得られた粉末(導電性無機粒子)をエタノール中でスターラーを用いて攪拌した。次に、チタンイソプロポキシド:Ti(O−i−C3H7)4を7g加え、10分間攪拌を行った。さらに無水エタノール100mlで希釈した純水1.6gを加え、反応系を60℃に昇温して12時間攪拌しながら加水分解を進行させ、反応液を静置して粒子を沈降させた後、デカンテーションにより上澄み液を取り除いた。その後、沈降とデカンテーションにより分散液を純水からメタノールに置換し、メタノールを蒸発させた。その後、メタノールで1回、純水で3回デカンテーションを繰り返し、粒子を純水に分散させ、得られた分散液を70℃に昇温し、1時間保持して加水分解を完結させることにより、未反応物のない酸化チタン膜を持った2重コーティング粉(複合粒子)を得た。
得られた実施例1〜3及び比較例1の2重コーティング粉(複合粒子)は、ゾルゲル法で作製したTiO2がアモルファスとなるためXRDではそのピークを検知できなかったが、TiO2の存在は、EDS(Energy Dispersive Spectroscopy)で確認された。
まず、誘電率εが7.3となる素地材料(SiO2−B2O3−Al2O3−MgO−CaO−SrO)を調整し、無機絶縁性バインダーと有機溶剤を添加してスラリーを形成した後、ドクターブレード法にてグリーンシート(絶縁性表面を有する基体)を準備した。
次に、エチルセルロースとターピネオールとを混合して樹脂溶解物を調製し、この樹脂溶解物と1μmのAg粉末とをロールミルに3回通して混練し、電極用ペーストを作製した。
また、エチルセルロースとターピネオールとを混合して樹脂溶解物を調製し、この樹脂溶解物と実施例1〜3及び比較例1の2重コーティング粉(複合粒子)とをスターラーにて混練し、実施例1〜3及び比較例1の機能層用ペーストを作製した。
そして、グリーンシート上に実施例1〜3及び比較例1の電極用ペーストをそれぞれ印刷し乾燥を行い、それらの上に重なるように機能層用ペーストを印刷し乾燥を行い、再度その上に電極用ペーストを印刷し乾燥を行った後、この印刷されたグリーンシートと、印刷していない他のグリーンシートとを積層し、所定の大きさに切断及び焼成することにより、図3と同等の構造を有する実施例1〜3及び比較例1のセラミック体を得た。
その後、実施例1〜3及び比較例1のセラミック体に、Agを主成分とする端子電極を形成することにより、実施例1〜3及び比較例1の静電気対策素子を得た。これら実施例1〜3及び比較例1の静電気対策素子において、機能層の厚みは、最大厚みが12μmであり、最小厚みが8μmであり、また、ギャップ距離ΔGは50μmであった。
<複合粒子の作製>
実施例1の粉末(導電性無機粒子)を用い、チタンイソプロポキシド:Ti(O−i−C3H7)4の量と反応時に添加する純水を実施例4では14g及び3.2gに、比較例2では21g及び4.8gに変更すること以外は、実施例1と同様に処理して、実施例4及び比較例2の2重コーティング粉(複合粒子)を得た。
得られた実施例4及び比較例2の2重コーティング粉(複合粒子)は、ゾルゲル法で作製したTiO2がアモルファスとなるためXRDではそのピークを検知できなかったが、TiO2の存在は、EDS(Energy Dispersive Spectroscopy)で確認された。
実施例4及び比較例2の2重コーティング粉(複合粒子)を用いること以外は、実施例1と同様に処理して、実施例4及び比較例2の静電気対策素子を得た。
<複合粒子の作製>
まず、ビーカーに1%酢酸水250mlを入れ、スターラーを用いて攪拌した。次に、3−(2−アミノエチルアミノ)プロピルジメトキシメチルシランを5g加え、30分間攪拌を行った。その後、実施例1の粉末(導電性無機粒子)をビーカーに加え、さらに6時間攪拌を行った。このようにして得られた水溶液をろ過し、得られた粉末を恒温槽にて120℃に昇温し、30分間保持して乾燥を行った。その後、さらにBOX炉を用いて550℃まで昇温し、熱処理を行うことにより、実施例5の2重コーティング粉(複合粒子)を得た。
得られた実施例5の2重コーティング粉(複合粒子)は、ゾルゲル法で作製したSiO2がアモルファスとなるためXRDではそのピークを検知できなかったが、SiO2の存在はEDS(Energy Dispersive Spectroscopy)で確認された。
実施例5の2重コーティング粉(複合粒子)を用いること以外は、実施例1と同様に処理して、実施例5の静電気対策素子を得た。
上記のようにして得られた実施例1〜5及び比較例1〜2の静電気対策素子について、図4に示す静電気試験回路を用いて、静電気放電試験を実施した。表1〜表3に、評価結果を示す。
この静電気放電試験は、国際規格IEC61000−4−2の静電気放電イミュニティ試験及びノイズ試験に基づき、人体モデルに準拠(放電抵抗330Ω、放電容量150pF、印加電圧8kV、接触放電)して行った。具体的には、図4の静電気試験回路に示すように、評価対象の静電気対策素子の一方の端子電極をグランドに接地するとともに、他方の端子電極に静電気パルス印加部を接続した後、静電気パルス印加部に放電ガンを接触させて静電気パルスを印加した。なお、放電開始電圧は、静電気試験を0.4kVから0.2kV間隔で増加させながら行なった際に観測される静電気吸収波形において、静電気吸収効果が現れた電圧とし、静電気吸収波形の最も高い電圧をピーク電圧とする。
Claims (6)
- 絶縁性無機材料からなる絶縁性コア、及び、該絶縁性コアの外周の少なくとも一部に形成された導電性無機材料からなる導電性シェルを有し、表面が導電性のコアシェル構造の導電性無機粒子と、
前記導電性無機粒子の外周の少なくとも一部に形成された絶縁性無機材料からなる被膜と、を備え、
前記導電性無機粒子は、前記導電性無機材料を1〜90vol%の体積比率で含む、
静電気保護材料用複合粉末。 - 前記導電性シェルを構成する前記導電性無機材料は、C、Ni、Cu、Au、Ag、Pd、Ti、Cr及びPtよりなる群から選択される少なくとも1種の金属又はこれらの金属化合物である、
請求項1に記載の静電気保護材料用複合粉末。 - 前記絶縁性コアを構成する前記絶縁性無機材料は、Al2O3、TiO2、SiO2、ZnO、In2O3、SnO2、NiO、CoO、V2O5、CuO、MgO、ZrO2、AlN、BN及びSiCよりなる群から選択される少なくとも1種である、
請求項1又は2に記載の静電気保護材料用複合粉末。 - 前記被膜を構成する前記絶縁性無機材料は、Al2O3、TiO2、SiO2、ZnO、In2O3、SnO2、NiO、CoO、V2O5、CuO、MgO、ZrO2、AlN、BN及びSiCよりなる群から選択される少なくとも1種である、
請求項1〜3のいずれか一項に記載の静電気保護材料用複合粉末。 - 前記導電性シェルは、0.1〜1μmの厚みを有する、
請求項1〜4のいずれか一項に記載の静電気保護材料用複合粉末。 - 前記被膜は、0.01〜0.1μmの厚みを有する、
請求項1〜5のいずれか一項に記載の静電気保護材料用複合粉末。
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