JP5434733B2 - 静電気保護材料用複合粉末 - Google Patents

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本発明は、静電気保護材料用複合粉末に関し、特に、高速伝送系での使用、積層コモンモードフィルタとの複合化、低温同時焼成セラミック(LTCC)等のセラミックス多層基板との一体化において有用な静電気対策素子を実現可能な静電気保護材料用複合粉末に関する。
近年、電子機器の小型化及び高性能化が急速に進展している。また、USB2.0やS−ATA2、HDMI等の高速伝送系に代表されるように、伝送速度の高速化(1GHzを超える高周波数化)並びに低駆動電圧化の進展が著しい。その反面、電子機器の小型化や低駆動電圧化にともなって、電子機器に用いられる電子部品の耐電圧は低下する。したがって、人体と電子機器の端子が接触した際に発生する静電気パルスに代表される過電圧からの電子部品の保護が、重要な技術課題となっている。
従来、このような過電圧から電子部品を保護するために、一般に、過電圧が入るラインとグランドとの間にバリスタ等を設ける方法が採られている。また、電極を長寿命化したサージアブソーバを採用する方法も提案されている。しかしながら、高速伝送系にこれらの静電容量が大きなバリスタ等を用いると、放電開始電圧が高くなるのみならず、信号品質を低下させる要因となる。そのため、低静電容量の静電気対策素子(過電圧対策素子)が望まれている。
例えば、特許文献1には、導電粒子を含有するポリマー材料を電極間のギャップ領域にステンシル印刷で塗布し、これを熱処理して固化させることにより、電極間に電圧可変ポリマー材料を配設した電気回路保護デバイス(静電気対策素子)が開示されている。
また、特許文献2には、静電気の抑制効果を高めるために、表面に不動態層を形成した金属粒子とシリコーン系樹脂と有機溶剤とを混練した静電気保護材料ペースト、及び、これを対向する電極の間にスクリーン印刷で塗布した後に乾燥させることにより、一対の電極間に静電気保護材料層を形成した静電気対策部品(静電気対策素子)が開示されている。
さらに、特許文献3には、金属酸化物と樹脂成分及び溶剤成分とを含有するセラミックペースト、及び、これを電極ペースト膜の間を埋めるようにスクリーン印刷した後に高温焼成することにより、酸化亜鉛を主成分とする電圧依存性抵抗体層を形成した電気回路保護デバイス(静電気対策素子)が開示されている。
特開2002−538601号公報 特開2007−265713号公報 特開2004−006594号公報
しかしながら、上記特許文献1及び2の静電気対策素子は、静電気パルス等の過電圧が印加された際に絶縁破壊が生じて金属粒子(導電粒子)同士が溶融/結合する等のショート破壊を生じ易く、そのため耐久性に劣り、繰り返し使用できる回数が少なく、十分な信頼性を有するものではなかった。また、LTCCなどのセラミックス多層基板との一体化が困難であり、且つ、高コスト化を招くという欠点があった。
一方、上記特許文献3の静電気対策素子においては、酸化亜鉛を主成分とする電圧依存性抵抗体層を形成しているので、本来的に静電容量が大きいという問題があり、高速伝送系に用いることが出来るほどの低容量素子は得られていない。
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、静電容量が小さく、放電特性に優れ、且つ、繰り返し使用の耐久性が高められた静電気対策素子を実現可能な静電気保護材料用複合粉末を提供することにある。また、本発明の他の目的は、生産性及び経済性に優れる静電気対策素子を実現可能な静電気保護材料用複合粉末を提供することにある。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、静電気保護部材を構成する材料として、絶縁性コアの外周に導電性シェル及び絶縁性の被膜を2重コートした複合粒子を採用することにより、上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の静電気保護材料用複合粉末は、絶縁性無機材料からなる絶縁性コア、及び、該絶縁性コアの外周の少なくとも一部に形成された導電性無機材料からなる導電性シェルを有し、表面が導電性のコアシェル構造の導電性無機粒子と、前記導電性無機粒子の外周の少なくとも一部に形成された絶縁性無機材料からなる被膜と、を備え、前記導電性無機粒子は、前記導電性無機材料を1〜90vol%の体積比率で含むものである。
なお、本明細書において、「絶縁性」とは、0.1Ωcm以上を、「導電性」とは、0.1Ωcm未満を意味し、所謂「半導電性」は、その比抵抗が0.1Ωcm以上である限り、前者の絶縁性に含まれる。また、「耐久性」とは、後述する実施例における静電気放電試験を行った後の絶縁抵抗(IR)によって判別される性能を意味する。この絶縁抵抗の値が大きいもの程、放電による絶縁破壊の程度が小さいことを意味し、繰り返し使用してもショート破壊が生じ難い。
本発明者らが、対向配置された電極間に配置する機能層(静電気保護層)を上記構成の静電気保護材料用複合粉末を用いて作製したところ、その静電気対策素子は、上記従来のものに比して、繰り返し使用の耐久性が高められているのみならず、低静電容量化を容易に実現可能であり、その上さらに、生産性及び経済性の向上、並びに、複合機能化をも実現可能であることが判明した。かかる効果が奏される作用機構の詳細は、未だ明らかではないものの、例えば、以下のとおり推定される。
この種のギャップ型静電気対策素子において過電圧が印加された場合、通常、対向配置された電極間の最も抵抗値が低い導電経路で放電が発生する。このような放電が生じた場合、特に高電圧放電の際には、機能層の一部が(導電性粒子/絶縁材料共に)破壊することがある。これに対し、上記構成の静電気対策素子においては、導電性無機粒子において導電性無機材料が占める体積比率を低減することができるので、放電特性を大きく損なうことなく低静電容量化を図ることができ、放電後の絶縁抵抗の低下が抑制される。そのため、従来に比して、より多くの回数の静電気吸収が可能となり、繰り返し使用の耐久性が飛躍的に高められる。また、上記構成の静電気対策素子においては、静電容量が本来的に大きな酸化亜鉛粉末を必須としないので、低静電容量化を容易に実現し得る。その上さらに、LTCCや積層インダクタ等と同時に焼成する製法を採用することができるので、生産性及び経済性の向上が図られる。但し、作用は、これに限定されない。
ここで、導電性シェルを構成する導電性無機材料は、C、Ni、Cu、Au、Ag、Pd、Ti、Cr及びPtよりなる群から選択される少なくとも1種の金属又はこれらの金属化合物であることが好ましい。これらは導電性シェルの素材として有効に機能するので、高性能な静電気対策素子を実現することができる。
また、絶縁性コアを構成する絶縁性無機材料は、Al23、TiO2、SiO2、ZnO、In23、SnO2、NiO、CoO、V25、CuO、MgO、ZrO2、AlN、BN及びSiCよりなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい、これらの金属酸化物は、絶縁性に優れ、絶縁性コアの素材として有効に機能するので、高性能な静電気対策素子を実現することができる。その上さらに、これらの金属酸化物は、低コストで入手可能なので、生産性及び経済性も高められる。
さらに、被膜を構成する絶縁性無機材料は、Al23、TiO2、SiO2、ZnO、In23、SnO2、NiO、CoO、V25、CuO、MgO、ZrO2、AlN、BN及びSiCよりなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。これらの金属酸化物は、絶縁性に優れ、絶縁性被膜の素材として有効に機能するので、高性能な静電気対策素子を実現することができる。その上さらに、これらの金属酸化物は、低コストで入手可能であり、しかも、従来公知の種々の製法で製膜することができるので、生産性及び経済性も高められる。
上記において、前記導電性シェルは、0.1〜1μmの厚みを有することが好ましい。
また、上記において、前記被膜は、0.01〜0.1μmの厚みを有することが好ましい。
本発明によれば、静電容量が小さく、放電特性に優れ、且つ、繰り返し使用の耐久性が高められた静電気対策素子を実現可能な静電気保護材料用複合粉末が提供される。そして、本発明の静電気保護材料用複合粉末を用いれば、従来に比して、生産性及び経済性をも高めることができる。
静電気対策素子1を概略的に示す模式平面図である。 複合粒子5を概略的に示す模式断面図である。 静電気放電試験における回路図である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。さらに、図面の寸法比率は、図示の比率に限定されるものではない。また、以下の実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明はその実施の形態のみに限定されるものではない。
(第1実施形態)
図1は、本発明による静電気保護材料用複合粒子を用いて機能層(静電気保護材料層)を形成した静電気対策素子の好ましい実施形態を概略的に示す模式断面図である。この静電気対策素子1は、絶縁性表面2aを有する基体2と、この絶縁性表面2a上に配設された一対の電極3a,3bと、これら電極3a,3bの間に配設された機能層4と、電極3a,3bと電気的に接続された端子電極(図示せず)と、を備える。後述するように、機能層4は、複合粒子5を含有するものであって、この静電気対策素子1において低電圧放電タイプの静電気保護材料として機能し、静電気などの過電圧が印加された際に、この機能層4を介して電極3a,3b間で初期放電が確保されるように設計されている。
基体2は、絶縁性表面2aを有する。ここで、絶縁性表面2aを有する基体2とは、絶縁性材料からなる基板の他、基板上の一部に又は全面に絶縁膜が製膜されたものを含む概念である。なお、基体2は、少なくとも電極3a,3b及び機能層4を支持可能なものであれば、その寸法形状は特に制限されない。
基体2の具体例としては、例えば、NiZnフェライトやアルミナ、シリカ、マグネシア、窒化アルミ等の誘電率が50以下、好ましくは20以下の低誘電率材料を用いたセラミック基板や単結晶基板等が挙げられる。また、各種公知の基板の表面に、NiZnフェライトやアルミナ、シリカ、マグネシア、窒化アルミ等の誘電率が50以下、好ましくは20以下の低誘電率材料からなる絶縁膜を形成したものも、好適に用いることができる。なお、絶縁膜の形成方法は、特に限定されず、真空蒸着法、反応性蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、CVDやPVD等の気相法等の公知の手法を適用できる。また、基板及び絶縁膜の膜厚は、適宜設定可能である。
基体2の絶縁性表面2a上には、一対の電極3a,3bが相互に離間して配設されている。ここで、基体2の絶縁性表面2a上に電極3a,3bが配置されているとは、基体2の絶縁性表面2aに接するように電極3a,3bが配置された構成のみならず、基体2の絶縁性表面2aとは離間して電極3a,3bが配置された構成(具体的には、絶縁性表面2aと電極3a,3bとが他の任意の層を介して離間した状態)を包含する概念である。そして、本実施形態では、一対の電極3a,3bは、基体2の平面略中央位置にギャップ距離ΔGを置いて、対向配置されている。
電極3a,3bを構成する素材としては、例えば、Ni、Cr、Al、Pd、Ti、Cu、Ag、Au及びPtなどから選ばれる少なくとも一種類の金属、或いはこれらの合金等が挙げられるが、これらに特に限定されない。なお、本実施形態では、電極3a,3bは、平面視で矩形状に形成されているが、その形状は特に制限されず、例えば、櫛歯状、或いは、鋸状に形成されていてもよい。また、電極3a,3bの形成方法(電極3a,3b間のギャップの形成方法)は、特に限定されず、公知の手法を適宜選択することができる。その具体例としては、例えば、印刷法、レーザ或いはイオンビームによるパターン形成方法や、フォトリソグラフィーを利用したパターン形成方法等が挙げられる。
電極3a,3b間のギャップ距離ΔGは、低電圧初期放電を確保するとともに、ギャップ形成時の加工容易性を保ちつつ電極3a,3b間の短絡を抑制する観点から、1〜200μmの範囲内で設定することが好ましく、より好ましくは5〜100μmであり、さらに好ましくは10〜80μmである。一方、電極3a,3bの厚みΔTは、放電後の電極3a,3bの破損及び電極間のギャップ距離ΔGの変動を抑制して耐久性を高める観点から、1〜30μmの範囲内で設定することが好ましい。なお、本明細書において、「ギャップ距離ΔG」とは、対向位置された電極3a,3b間の最短距離を意味する。
上記の電極3a,3b間には、機能層4が配設されている。本実施形態では、上述した基体2の絶縁性表面2a上及び電極3a,3b上に、機能層4が積層された構成となっている。機能層4の寸法形状及びその配設位置は、過電圧が印加された際に自身を介して電極3a,3b間で初期放電が確保されるように設計されている限り、特に限定されない。なお、機能層4の厚みは、一般的には、電極3a,3bの厚みΔTより同等以上の厚みであることが好ましい。
図2は、複合粒子5を概略的に示す模式断面図である。
複合粒子5は、表面が導電性の導電性無機粒子6と、この導電性無機粒子6の外周の少なくとも一部に形成された絶縁性無機材料からなる被膜7とを有する。
本実施形態の導電性無機粒子6は、絶縁性無機材料からなる絶縁性コア6aと、この絶縁性コア6aの外周に形成された導電性無機材料からなる導電性シェル6bと、を有する表面が導電性のコアシェル構造の粒子である。そのため、本実施形態の複合粒子5は、絶縁性コア6aが導電性シェル6bと被膜7とによって2重に被覆された、ダブルコート粒子となっている(図2参照)。
絶縁性コア6aを構成する絶縁性無機材料の具体例としては、例えば、金属酸化物、金属窒化物等が挙げられるが、これらに特に限定されない。絶縁性やコスト面等を考慮すると、Al23、TiO2、SiO2、ZnO、In23、SnO2、NiO、CoO、V25、CuO、MgO、ZrO2、AlN、BN及びSiCが好ましい。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。なお、絶縁性コア6aは、複数の部材(コア片)が凝集或いは結合したものであっても構わない。
絶縁性コア6aの形状は、例えば、球状、角柱状、多角柱状、円錐状、角錐状、扁平状、不定形状等が挙げられるが、これらに特に限定されない。絶縁性コア6aの外径(球状のものについては平均粒径D50とし、他の形態では最大長さと最小長さの相加平均とする。)は、特に限定されないが、通常、1〜3μm程度であることが好ましい。絶縁性コア6aの大きさ(平均粒径D50)が1μm未満であると、導電性シェル6bの形成制御が難しく、絶縁性コア6aの大きさ(平均粒径D50)が3μmを超えると、電極間のギャップに充填される粒子数が減り、放電開始電圧のばらつきが大きくなる。
絶縁性コア6aの外周には、導電性無機材料からなる導電性シェル6bが形成されている。導電性シェル6bは、単一の部材(シェル片)から構成されていても、複数の部材(シェル片)から構成されていてもよい。放電開始電圧のばらつき抑制の観点から、導電性シェル6bは、絶縁性コア6aの外周に均一に形成されていることが好ましく、この場合、絶縁性コア6aは、単一のものであっても、複数の部材(コア片)が凝集或いは結合したものであっても構わない。
導電性シェル6bを構成する導電性無機材料の具体例としては、例えば、金属、合金、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、金属ホウ化物等が挙げられるが、これらに特に限定されない。各種公知の金属が挙げられるが、特に限定されない。導電性やコスト面等を考慮すると、C、Ni、Cu、Au、Ag、Pd、Ti、Cr及びPt、或いは、これらの合金が好ましい。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
導電性シェル6bの厚みは、特に限定されないが、通常、0.01〜1μm程度であることが好ましい。導電性シェル6bの厚みが0.01μm未満であると、静電気保護効果が低下し、導電性シェル6bの厚みが1μmを超えると、放電後の絶縁抵抗低下を抑制することができなくなる。
導電性シェル6bの形成方法は、特に限定されない。例えば、ゾルゲル法、浸漬塗布法、スプレー塗布法、印刷法、無電解メッキ法、スパッタリング法、蒸着法、イオンプレーティング法、CVD法等の各種公知の手法を適宜採用して、導電性シェル6bを構成する導電性無機材料又はその前駆体を絶縁性コア6aの外周に付与することにより導電性シェル6bを得ることができる。また、上記のコアシェル構造を有する導電性無機粒子6は、市販品としても入手可能である。
一方、放電特性を大きく損なうことなく低静電容量化を図り、放電後の機能層の絶縁破壊を抑制する観点から、導電性無機粒子6は、導電性無機材料の含有割合が比較的に少ないことが要求される。かかる観点から、導電性無機粒子6は、上述したコアシェル構造を有することが好ましい。より具体的には、導電性無機粒子6は、導電性無機材料を1〜90vol%の体積比率で含むことが必要であり、10〜80vol%であることが好ましく、30〜70vol%であることがより好ましい。導電性無機材料の含有割合が大きいと静電気保護効果が高められる傾向にある一方、電極3a,3b間での短絡が生じ易くなる傾向にある。
導電性無機粒子6の外周には、絶縁性無機材料からなる被膜7が形成されている。被膜7は、絶縁性コア6aの外周の少なくとも一部に形成されていればよい。したがって、被膜7は、導電性無機粒子6の外周のすべてを覆うように形成されていても、導電性無機粒子6の外周に部分的に形成されていてもよい。また、被膜7は、単一の部材(被膜片)から構成されていても、複数の部材(被膜片)から構成されていてもよい。
被膜7を構成する絶縁性無機材料の具体例としては、例えば、金属酸化物、金属窒化物等が挙げられるが、これらに特に限定されない。絶縁性やコスト面等を考慮すると、Al23、TiO2、SiO2、ZnO、In23、SnO2、NiO、CoO、V25、CuO、MgO、ZrO2、AlN、BN及びSiCが好ましい。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、被膜7に高度の絶縁性を付与する観点からは、Al23やSiO2等を用いることがより好ましい。なお、被膜7は、導電性シェル6bを構成する導電性無機材料(好ましくは金属又は合金)に対応する、金属酸化物であってもよい。
被膜7の厚みは、特に限定されないが、通常、0.01〜0.1μm程度であることが好ましい。被膜7の厚みが0.01μm未満であると、被膜7の欠陥が生じやすくなり、電極3a,3b間での短絡が生じ易くなる傾向にある。被膜7の厚みが1μmを超えると、放電開始電圧が高くなり、静電気保護効果が低下する。
被膜7の形成方法は、特に限定されない。例えば、メカノケミカル法、ゾルゲル法、浸漬塗布法、スプレー塗布法、印刷法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、CVD法等の各種公知の手法を適宜採用して、被膜7を構成する絶縁性無機材料又はその前駆体(例えば、ペルヒドロポリシラザン等)を導電性無機粒子6の外周に付与することにより本実施形態の複合粒子5を得ることができる。なお、導電性シェル6bを構成する導電性無機材料の一部を酸化させて被膜7を形成してもよい。
被膜7を構成する絶縁性無機材料と導電性シェル6bを構成する導電性無機材料との好ましい組み合わせとしては、特に限定されないが、例えば、CuとSiO2の組み合わせ、AuとSiO2の組み合わせ、AgとTiO2の組み合わせが挙げられる。これらの材料で構成された静電気対策素子は、電気的特性に優れ、また、加工性やコスト面に優れる傾向にある。
本実施形態では、上述した複合粒子5を電極3a,3b間のギャップに配置(充填)することにより、機能層4が形成されている。機能層4の形成方法は、特に限定されず、各種公知の手法を適宜採用することができる。例えば、複合粒子5と溶媒を含有する調整物を電極3a,3b間のギャップに塗布法又は印刷法にて付与した後に焼成又は乾燥することにより、機能層4を形成することができる。塗布法又は印刷法を採用することにより、再現性良く安定して機能層4を形成することができ、放電特性のばらつきを低減することができ、生産性及び経済性が高められる。
機能層4の厚みΔTは、特に限定されるものではなく、適宜設定することができるが、電極3a,3bの厚みΔTより同等以上の厚みであることが好ましい。
なお、機能層4は、上記の複合粒子5以外に、他の成分を含んでいてもよい。例えば、共材として導電性無機材料や絶縁性無機材料を含んでいてもよい。共材として導電性無機粒子を用いた場合、放電開始電圧を低くすることができ静電気保護効果を上げることができる。また共材として絶縁性無機材料を用いた場合、放電開始電圧が高くなるが、放電後の絶縁抵抗低下を抑制することができる。
本実施形態の静電気対策素子1においては、複合粒子5を含む機能層4が、低電圧放電タイプの静電気保護材料として機能する。すなわち、一対の電極3a,3b間に静電気による電圧が印加されたとき、複合粒子5によって構成される任意の経路、つまり電極3a,3b間においてエネルギー集中が大きい地点間で放電が発生して(アーク放電が発生)、静電気の放電エネルギーが吸収される。
ここで、本実施形態の静電気対策素子1においては、複合粒子5を充填することにより形成された機能層4が、電極3a,3b間のギャップ内において微小なマイクロギャップを形成している。そのため、放電特性を大きく損なうことなく低静電容量化を図ることができ、放電後の絶縁破壊を抑制することができる。
また、本実施形態の静電気対策素子1は、無機材料から構成される複合粒子5を用いており、LTCCや積層インダクタ等と同時に焼成する製法を採用することができるので、生産性及び経済性の向上が図られる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1〜3及び比較例1)
<導電性無機粒子の作製>
まず、平均粒径が2μmのアルミナ粉末を10g準備し(絶縁性コア)、これをCVD装置の反応室に供給した。この反応室は、石英製のガラス管をヒーターで加熱する管状炉であり、その反応室は、回転装置により回転できるようになっている。加熱温度は900℃に設定し、回転数は0.1rpmとした。
次に、粉末状の銀化合物Ag(C11192)を準備し(導電性シェルを構成する導電性無機材料の前駆体)、それぞれ表1に示す量の銀化合物を250℃に加熱したCVD装置の気化室に粉末供給装置を用いて毎時2gの速度で供給した。気化室で気化した銀化合物の蒸気を毎分1リットルの窒素ガスにて反応室に導入した。30時間の反応後、反応室から粉末を回収した。
得られた粉末(導電性無機粒子)についてX線回折測定(株式会社リガク社製、RINT2000)を用いて測定したところ、銀でコーティングされたAl23であることが確認された。
<複合粒子の作製>
上記の手順にて得られた粉末(導電性無機粒子)に、以下に示すゾルゲル法でTiO2膜(被膜)を作製した。まず、ビーカーに無水エタノール150mlを入れ、得られた粉末(導電性無機粒子)をエタノール中でスターラーを用いて攪拌した。次に、チタンイソプロポキシド:Ti(O−i−C374を7g加え、10分間攪拌を行った。さらに無水エタノール100mlで希釈した純水1.6gを加え、反応系を60℃に昇温して12時間攪拌しながら加水分解を進行させ、反応液を静置して粒子を沈降させた後、デカンテーションにより上澄み液を取り除いた。その後、沈降とデカンテーションにより分散液を純水からメタノールに置換し、メタノールを蒸発させた。その後、メタノールで1回、純水で3回デカンテーションを繰り返し、粒子を純水に分散させ、得られた分散液を70℃に昇温し、1時間保持して加水分解を完結させることにより、未反応物のない酸化チタン膜を持った2重コーティング粉(複合粒子)を得た。
得られた実施例1〜3及び比較例1の2重コーティング粉(複合粒子)は、ゾルゲル法で作製したTiO2がアモルファスとなるためXRDではそのピークを検知できなかったが、TiO2の存在は、EDS(Energy Dispersive Spectroscopy)で確認された。
<静電気対策素子の作製>
まず、誘電率εが7.3となる素地材料(SiO2−B23−Al23−MgO−CaO−SrO)を調整し、無機絶縁性バインダーと有機溶剤を添加してスラリーを形成した後、ドクターブレード法にてグリーンシート(絶縁性表面を有する基体)を準備した。
次に、エチルセルロースとターピネオールとを混合して樹脂溶解物を調製し、この樹脂溶解物と1μmのAg粉末とをロールミルに3回通して混練し、電極用ペーストを作製した。
また、エチルセルロースとターピネオールとを混合して樹脂溶解物を調製し、この樹脂溶解物と実施例1〜3及び比較例1の2重コーティング粉(複合粒子)とをスターラーにて混練し、実施例1〜3及び比較例1の機能層用ペーストを作製した。
そして、グリーンシート上に実施例1〜3及び比較例1の電極用ペーストをそれぞれ印刷し乾燥を行い、それらの上に重なるように機能層用ペーストを印刷し乾燥を行い、再度その上に電極用ペーストを印刷し乾燥を行った後、この印刷されたグリーンシートと、印刷していない他のグリーンシートとを積層し、所定の大きさに切断及び焼成することにより、図3と同等の構造を有する実施例1〜3及び比較例1のセラミック体を得た。
その後、実施例1〜3及び比較例1のセラミック体に、Agを主成分とする端子電極を形成することにより、実施例1〜3及び比較例1の静電気対策素子を得た。これら実施例1〜3及び比較例1の静電気対策素子において、機能層の厚みは、最大厚みが12μmであり、最小厚みが8μmであり、また、ギャップ距離ΔGは50μmであった。
(実施例4及び比較例2)
<複合粒子の作製>
実施例1の粉末(導電性無機粒子)を用い、チタンイソプロポキシド:Ti(O−i−C374の量と反応時に添加する純水を実施例4では14g及び3.2gに、比較例2では21g及び4.8gに変更すること以外は、実施例1と同様に処理して、実施例4及び比較例2の2重コーティング粉(複合粒子)を得た。
得られた実施例4及び比較例2の2重コーティング粉(複合粒子)は、ゾルゲル法で作製したTiO2がアモルファスとなるためXRDではそのピークを検知できなかったが、TiO2の存在は、EDS(Energy Dispersive Spectroscopy)で確認された。
<静電気対策素子の作製>
実施例4及び比較例2の2重コーティング粉(複合粒子)を用いること以外は、実施例1と同様に処理して、実施例4及び比較例2の静電気対策素子を得た。
(実施例5)
<複合粒子の作製>
まず、ビーカーに1%酢酸水250mlを入れ、スターラーを用いて攪拌した。次に、3−(2−アミノエチルアミノ)プロピルジメトキシメチルシランを5g加え、30分間攪拌を行った。その後、実施例1の粉末(導電性無機粒子)をビーカーに加え、さらに6時間攪拌を行った。このようにして得られた水溶液をろ過し、得られた粉末を恒温槽にて120℃に昇温し、30分間保持して乾燥を行った。その後、さらにBOX炉を用いて550℃まで昇温し、熱処理を行うことにより、実施例5の2重コーティング粉(複合粒子)を得た。
得られた実施例5の2重コーティング粉(複合粒子)は、ゾルゲル法で作製したSiO2がアモルファスとなるためXRDではそのピークを検知できなかったが、SiO2の存在はEDS(Energy Dispersive Spectroscopy)で確認された。
<静電気対策素子の作製>
実施例5の2重コーティング粉(複合粒子)を用いること以外は、実施例1と同様に処理して、実施例5の静電気対策素子を得た。
<静電気放電試験>
上記のようにして得られた実施例1〜5及び比較例1〜2の静電気対策素子について、図4に示す静電気試験回路を用いて、静電気放電試験を実施した。表1〜表3に、評価結果を示す。
この静電気放電試験は、国際規格IEC61000−4−2の静電気放電イミュニティ試験及びノイズ試験に基づき、人体モデルに準拠(放電抵抗330Ω、放電容量150pF、印加電圧8kV、接触放電)して行った。具体的には、図4の静電気試験回路に示すように、評価対象の静電気対策素子の一方の端子電極をグランドに接地するとともに、他方の端子電極に静電気パルス印加部を接続した後、静電気パルス印加部に放電ガンを接触させて静電気パルスを印加した。なお、放電開始電圧は、静電気試験を0.4kVから0.2kV間隔で増加させながら行なった際に観測される静電気吸収波形において、静電気吸収効果が現れた電圧とし、静電気吸収波形の最も高い電圧をピーク電圧とする。
以上説明した通り、本発明の静電気保護材料用複合粉末は、静電容量が小さく、放電開始電圧が低く、且つ、繰り返し使用の耐久性が高められた静電気対策素子を実現可能であり、その上さらに、生産性及び経済性の向上が可能なので、各種電子・電気デバイス及びそれらを備える各種機器、設備、システム等に広く且つ有効に利用可能であり、とりわけ、高速差動伝送ライン信号ラインや映像信号ラインにおけるノイズ対策として広く且つ有効に利用可能である。
1…静電気対策素子、2…基体、2a…絶縁性表面、3a,3b…電極、4…機能層、5…複合粒子、6…導電性無機粒子、6a…絶縁性コア、6b…導電性シェル、7…被膜、10…静電気対策素子、ΔG…ギャップ距離、ΔT…電極の厚み。

Claims (6)

  1. 絶縁性無機材料からなる絶縁性コア、及び、該絶縁性コアの外周の少なくとも一部に形成された導電性無機材料からなる導電性シェルを有し、表面が導電性のコアシェル構造の導電性無機粒子と、
    前記導電性無機粒子の外周の少なくとも一部に形成された絶縁性無機材料からなる被膜と、を備え、
    前記導電性無機粒子は、前記導電性無機材料を1〜90vol%の体積比率で含む、
    静電気保護材料用複合粉末。
  2. 前記導電性シェルを構成する前記導電性無機材料は、C、Ni、Cu、Au、Ag、Pd、Ti、Cr及びPtよりなる群から選択される少なくとも1種の金属又はこれらの金属化合物である、
    請求項1に記載の静電気保護材料用複合粉末。
  3. 前記絶縁性コアを構成する前記絶縁性無機材料は、Al23、TiO2、SiO2、ZnO、In23、SnO2、NiO、CoO、V25、CuO、MgO、ZrO2、AlN、BN及びSiCよりなる群から選択される少なくとも1種である、
    請求項1又は2に記載の静電気保護材料用複合粉末。
  4. 前記被膜を構成する前記絶縁性無機材料は、Al23、TiO2、SiO2、ZnO、In23、SnO2、NiO、CoO、V25、CuO、MgO、ZrO2、AlN、BN及びSiCよりなる群から選択される少なくとも1種である、
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の静電気保護材料用複合粉末。
  5. 前記導電性シェルは、0.1〜1μmの厚みを有する、
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の静電気保護材料用複合粉末。
  6. 前記被膜は、0.01〜0.1μmの厚みを有する、
    請求項1〜5のいずれか一項に記載の静電気保護材料用複合粉末。
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