JP5434241B2 - 光学装置 - Google Patents

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本発明は、光学装置に関する。
カメラに備えられるレンズ鏡筒等の光学装置は、太陽光のような赤外線を含む光線を多量に照射される環境下で使用される場合がある。従来技術に係る光学装置では、太陽光が多量に照射される環境下で用いられた場合、照射熱によって光学装置の温度が上昇するという問題が発生している。
レンズ鏡筒等の温度上昇を防止するための従来技術としては、例えば筐体の表面に可逆感温変色層を備えた光学装置が知られている(特許文献1等参照)。しかし、従来技術に係る光学装置は、照射熱による光学装置の温度上昇を十分に抑制することができず、また、温度上昇を防止するために、外装の色が大きく変化してしまうという問題を有している。
特開2007−49370号公報
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、その目的は、好適な特性を有する光学装置を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明に係る光学装置は、
光が通過可能な光通過領域の外側(15)に備えられ、波長400nm以上700nm未満の光の反射率が60%以上80%以下であり、波長1000nm以上1700nm未満の光の反射率が80%以上である反射面(24,54)が、少なくとも一部に備えられた筒状部(12,53)を含む。
また、例えば、本発明の第2の観点に係る光学装置において、前記反射面は、波長800nm以上900nm未満の光の平均反射率が、波長700nmの光の反射率より高くてもよい。
また、例えば、前記反射面は、前記光通過領域の外側に備えられた基材(36)の外側に形成される塗膜(32,46)を有してもよい。
また、例えば、前記塗膜は、Al,Au,Ag,Ni,Cuのうちから選択された少なくとも1つの元素を含有してもよい。
また、例えば、前記塗膜は、板状もしくは箱形状の外形状の金属粉を有してもよい。
また、例えば、前記基材は、ポリカーボネート、マグネシウム系合金、アルミニウム系合金、マグネシウム、アルミニウム、カーボン・樹脂複合材から選択された少なくとも1つを有していても良い。
また、例えば、前記塗膜は、Si,Al,Ti,Fe,Zn,Co,Mg,Ca,Sr,Ba,Cuのうちから選択された少なくとも1つの元素を含有してもよい。
なお上述の説明では、本発明をわかりやすく説明するために実施形態を示す図面の符号に対応づけて説明したが、本発明は、これに限定されるものでない。後述の実施形態の構成を適宜改良してもよく、また、少なくとも一部を他の構成物に代替させてもよい。さらに、その配置について特に限定のない構成要件は、実施形態で開示した配置に限らず、その機能を達成できる位置に配置することができる。
図1は、本発明の第1実施形態に係るレンズ鏡筒の全体図である。 図2(A)は、図1に示すレンズ鏡筒の断面図であり、図2(B)は、図2(A)に示す反射面の拡大模式図である。 図3は、図2に示す反射面と、図5に示す第1参考例に係るレンズ鏡筒に備えられる外装面の分光反射率を表すグラフである。 図4(A)は、本発明の第2実施形態に係るレンズ鏡筒の断面図であり、図4(B)は、図4(A)に示す反射面の拡大模式図である。 図5は、図4に示す反射面と、図5に示す第2参考例に係るレンズ鏡筒に備えられる外装面の分光反射率を表すグラフである。 図6は、本発明の一実施形態に係るレンズフードおよび当該レンズフードが取り付けられるレンズ鏡筒の全体図である。 図7(A)は、本発明の第1参考例に係るレンズ鏡筒の断面図であり、図7(B)は、図7(A)に示す外装面の拡大模式図である。 図8(A)は、本発明の第2参考例に係るレンズ鏡筒の断面図であり、図8(B)は、図8(A)に示す外装面の拡大模式図である。
第1実施形態
図1は、本発明の第1実施形態に係るレンズ鏡筒10の全体図である。レンズ鏡筒10は、レンズ鏡筒10の外周を構成する筒状部12を有している。筒状部12は、無底の略円筒形状を有しており、略円筒形状の筒状部12の中心軸Lに沿う方向に、光が通過可能な光通過領域15が形成されている。
筒状部12の内部に形成されている光通過領域15には、光学レンズ群13が備えられている。光学レンズ群13は、レンズ鏡筒10の一方の端部である被写体側の端部12aから入射した光を、レンズ鏡筒10の他方の端部である撮像面側の端部12bに、出射することができる。また、本実施形態に係るレンズ鏡筒10は、被写体側から入射した光の像を、当該光を撮像面側に出射した後の所定の位置で、形成することができる。
レンズ鏡筒10の外周を形成する筒状部12の撮像面側の端部12bには、不図示のカメラ本体部が取り付けられる。カメラ本体部は、レンズ鏡筒10に備えられる光学レンズ群13によって形成される光の像を記録する記録媒体等を有する。また、筒状部12の被写体側の端部12aには、レンズ鏡筒10の光通過領域15に不要な光が入射することを防止するために、図6に示すようなレンズフード50が取り付けられても良い。
なお、実施形態では主としてレンズ鏡筒10を例に挙げて説明を行うが、本発明に係る光学装置としてはこれに限定されない。本発明に係る光学装置としては、レンズ鏡筒10の他に、例えばレンズフード、カメラボディおよびカメラ(レンズ鏡筒とカメラとが一体化したもの)等が挙げられる。また、本発明に係る光学装置はスチルカメラや、スチルカメラに備えられるレンズ鏡筒に限定されるものではなく、ビデオカメラ、テレコンバータ、望遠鏡、双眼鏡、単眼鏡を含む。
図1に示すレンズ鏡筒10は、筒状部12を支持する支持台を取付け可能な支持台取付部16を有する。支持台取付部16は、レンズ鏡筒10の筒状部12を挿通させるリング部17と、三脚等の支持台を取付けるための支持台固定孔28が形成されている座部18とを有する。また、支持台取付部16のリング部17には、筒状部12に対して支持台取付部16を固定するための取付ねじ19が備えられている。また、筒状部12には、焦点距離等の情報を表示するための距離目盛り20が備えられている。距離目盛り20は、例えば、撮影者がカメラを正位置に構えたとき、筒状部12の上方に位置するように配置されている。
また、レンズ鏡筒10には、レンズ鏡筒10に備えられる光学レンズ群13の焦点調整を行うための回転環14が取り付けられている。回転環14は、光学レンズ群13を構成する焦点調整レンズの移動を操作するための操作部材である。レンズ鏡筒10およびカメラ等を使用する撮影者は、回転環14を回転させることによって、光学レンズ群13の一部である焦点調整レンズの移動を操作し、レンズ鏡筒10の焦点調整を行うことができる。
なお、レンズ鏡筒10に取り付けられる回転環14は、本実施形態のように光学レンズ群13の焦点調整を行ういわゆるフォーカス環に限られない。例えば、光学レンズ群13と撮像面の焦点距離を調整するズーム環や、光学レンズ群13を透過する光の量を調整する絞り環等であってもよい。
本実施形態に係る筒状部12は、日射反射率を高めた反射面24を備えている。反射面24は、図1において斜線ハッチングされた部分に備えられており、回転環14や距離目盛り20等が配置される部分を除き、筒状部12の略全体に備えられている。
図3は、図2に示す反射面24と、図7に示す第1参考例に係るレンズ鏡筒に備えられる外装面80の分光反射率を表すグラフである。図3では、第1実施形態に係る反射面24の概算データを実線33で示し、第1参考例に係る外装面80の概算データを、点線81で示す。
図3において実線33で示すように、反射面24は、波長400nm以上700nm未満の光の反射率が60%以上80%以下であり、波長1000nm以上1700nm未満の光の反射率が80%以上である。ここで、波長400nm以上700nm未満の光は、人間が視認できる可視光領域に含まれる波長の光である。また、波長1000nm以上1700nm未満の光は、人間はほとんど視認できないが、物体に熱エネルギーを与える赤外領域に含まれる波長の光である。
すなわち、反射面24は、赤外領域に含まれる波長1000nm以上1700nm未満の光を反射する反射率が、可視光領域に含まれる波長400nm以上700nm未満の光の反射率より高い。したがって、反射面24を備える筒状部12は、当該反射面24と可視光反射率が同等である従来技術にかかる外装面を備えるレンズ鏡筒と比較して、日射等によってレンズ鏡筒10の温度が上昇することをより効果的に防止できる。
図2(A)は、図1に示すレンズ鏡筒10の断面図であり、図2(B)は、図2(A)に示す反射面の拡大模式図である。図2(A)に示すように、本実施形態に係る筒状部12に備えられる反射面24は、光通過領域15の外側に備えられた基材36の外側に形成されるメタリック遮熱塗膜32を有している。
光通過領域15の外側に備えられる基材36は、筒状部12の内部に備えられる光学レンズ群13等の光学部品や、筒状部12の外部に備えられる回転環14等の部品を支持するために、適切な剛性を有する材料によって構成される。基材36は、軽量であって剛性の高い材料を用いて構成されることが好ましく、例えば、ポリカーボネート、マグネシウム合金、アルミニウム合金、マグネシウム、アルミニウム等の材料を用いて構成することができる。
基材36の外側に形成されるメタリック遮熱塗膜32は、基材36の表面に、たとえばスプレー塗布等によって形成される塗膜によって構成される。図2(B)に示すように、本実施形態に係るメタリック遮熱塗膜32には、反射面24の反射率を向上させるために、金属粒子38と赤外線反射顔料40が含まれる。
メタリック遮熱塗膜32に含まれる金属粒子38としては、Al,Au,Ag,Ni,Cuのうちから選択された元素を含有することが好ましく、AlもしくはAl系合金を含むことが特に好ましい。これらの元素を含有する金属粒子38は、広い波長領域において光の反射率が高いため、反射面24の反射率を、全体的に高めることができる。
メタリック遮熱塗膜32に含まれる金属粒子38の形状は、特に限定されないが、金属粒子38が板状もしくは箱形状の外形状を有することが、反射面24の反射率を向上させる観点から好ましい。
メタリック遮熱塗膜32には、Si,Al,Ti,Fe,Zn,Co,Mg,Ca,Sr,Ba,Cuのうちから選択された少なくとも1つの元素を含有する赤外線反射顔料40が含まれることが好ましい。本実施形態に係るメタリック遮熱塗膜32は、酸化珪素またはTiOを主成分とする赤外線反射顔料40を含んでいることが好ましく、赤外領域の光の反射率が高い。ただし、メタリック遮熱塗膜32に含まれる赤外線反射顔料40としては、酸化珪素やTiOを主成分とするものに限定されず、Si,Al,Ti,Fe,Zn,Co,Mg,Ca,Sr,Ba,Cuの酸化物等を、メタリック遮熱塗膜32に含まれる樹脂や着色料等に合わせて用いることができる。
本実施形態に係るメタリック遮熱塗膜32は、金属粒子38および赤外線反射顔料40の他に、金属粒子38および赤外線反射顔料40を取り囲むように層を形成している樹脂を有する。すなわち、メタリック遮熱塗膜32は、樹脂のモノマーの中に、金属粒子38および赤外線反射顔料40を分散させた塗料を、基材36の表面に塗布等することによって、形成することができる。
ここで、従来技術に係るレンズ鏡筒に用いられる外装面のうち、可視領域に含まれる波長400nm以上700nm未満の光の反射率が60%以上80%以下となる外装面としては、外装面の表面に形成される塗膜に金属粒子を含むものが知られている。図7(A)は、本発明の第1参考例に係るレンズ鏡筒の断面図であり、図7(B)は、図7(A)に示す外装面80の拡大模式図である。図7(A)に示すように、外装面80は、基材84と、基材84の表面に形成されたメタリック塗膜82によって構成される。
図7(B)に示すように、メタリック塗膜82は、基材84の外側表面に形成された塗膜であり、金属粒子38を含んでおり、可視光の反射率についてはメタリック遮熱塗膜32と同等である。金属粒子38を含むメタリック塗膜82は、塗膜等を構成する他の材料である樹脂等と比較して、可視領域の光の反射率も、赤外領域の光の反射率も高い傾向にある。したがって、メタリック塗膜82を有する外装面80は、図3において点線81で示す分光反射率が、概ね60%以上であり、高い反射率を有する。しかし、メタリック塗膜82を有する外装面80は、金属元素の電子状態等に起因して、図3において点線81で示すように、波長800nm〜900nm程度の光の反射率が、その周辺の領域より低くなるという問題を有している。
本実施形態に係る反射面24は、図3おいて実線33で示すように、波長800nm以上900nm未満の光の反射率が、波長700nmの光の反射率より高く、従来技術に係る外装面80が有する問題が解決されている。すなわち、メタリック遮熱塗膜32を有する反射面24は、金属粒子38に加えて赤外線反射顔料40を有するため、波長800nm〜900nm程度の光の反射率がその周辺の領域より低くなるという問題を解決している。また、メタリック遮熱塗膜32を有する反射面24は、その他の赤外領域である波長1000nm以上1700nm未満の光の反射率についても、メタリック塗膜82を備える外装面80より高い。
したがって、本実施形態に係るレンズ鏡筒10は、野外イベント等のように、強い日射を受ける環境で使用された場合でも、レンズ鏡筒10の温度上昇を効果的に防止できる。また、温度上昇を防止することによって、レンズ鏡筒10の表面が熱せられて撮影者が素手で振れることが難しくなったり、レンズ鏡筒10の内部に備えられる光学部品が、熱により悪影響を受ける現象を、防止することができる。
反射面24に備えられるメタリック遮熱塗膜32は、図2(B)に示すように、基材36の外側に形成されており金属粒子38と、酸化物等からなる赤外線反射顔料40とを含むことが好ましい。金属粒子38は、広い波長領域において光の反射率を向上させ、赤外線反射顔料40は赤外領域の光の反射率を選択的に向上させるため、メタリック遮熱塗膜32は、波長1000nm以上1700nm未満の光の反射率が80%以上であり、赤外領域の光の反射率が非常に高い外装面を実現できる。
反射面24に含まれるメタリック遮熱塗膜32は、塗布により形成された塗膜であるため、このような反射面24は、基材36の表面に塗料を塗布することによって容易に形成することができる。したがって、塗膜によって構成される反射面24を備えるレンズ鏡筒10は、製造が容易であり、生産性に優れている。ただし、反射面24の製造方法としては、塗膜形成を行うものに限定されない。
第2実施形態
図4(A)は、本発明の第2実施形態に係るレンズ鏡筒の断面図であり、図4(B)は、図4(A)に示す反射面44の拡大模式図である。第2実施形態に係るレンズ鏡筒は、反射面44がメタリック遮熱塗膜32の代わりにクリーム色遮熱塗膜46を有する点で、第1実施形態に係るレンズ鏡筒10と異なるが、その他の構成は、レンズ鏡筒10と同様である。
図4(A)に示すように、本実施形態に係る反射面44は、光通過領域15の外側に備えられた基材36の外側に形成されるクリーム色遮熱塗膜46を有している。基材36の外側に形成されるクリーム色遮熱塗膜46は、基材36の表面に、たとえばスプレー塗布等によって形成される塗膜によって構成される。図4(B)に示すように、本実施形態に係るクリーム色遮熱塗膜46には、反射面44の反射率を向上させる赤外線反射顔料40が含まれる。
本実施形態に係るクリーム色遮熱塗膜46は、酸化珪素またはTiOを主成分とする赤外線反射顔料40を含んでいることが好ましく、赤外領域の光の反射率が高い。ただし、クリーム色遮熱塗膜46に含まれる赤外線反射顔料40としては、酸化珪素やTiOを主成分とするものに限定されず、Si,Al,Ti,Fe,Zn,Co,Mg,Ca,Sr,Ba,Cuの酸化物等を、クリーム色遮熱塗膜46に含まれる樹脂や他の顔料等に合わせて用いることができる。
本実施形態に係るクリーム色遮熱塗膜46は、赤外線反射顔料40の他に、赤外線反射顔料40を取り囲むように層を形成している樹脂や、反射面の色をクリーム色にするための顔料を有する。すなわち、クリーム色遮熱塗膜46は、樹脂のモノマーの中に、赤外線反射顔料40および他の顔料を分散させた塗料を、基材36の表面に塗布等することによって、形成することができる。
図5は、図4に示す反射面44と、図8に示す第2参考例に係るレンズ鏡筒に備えられる外装面90の分光反射率を表すグラフである。図5では、第2実施形態に係る反射面44の概算データを実線45で示し、第2参考例に係る外装面90の概算データを、点線91で示す。
図5において実線45で示すように、反射面44は、波長400nm以上700nm未満の光の反射率が20%以上60%以下であり、波長1000nm以上1700nm未満の光の反射率が60%以上である。
反射面44は、赤外領域に含まれる波長1000nm以上1700nm未満の光を反射する反射率が、可視光領域に含まれる波長400nm以上700nm未満の光の反射率より高い。したがって、反射面44を備える筒状部は、当該反射面44と可視光反射率が同等である従来技術にかかる外装面90を備えるレンズ鏡筒と比較して、日射等によってレンズ鏡筒の温度が上昇することをより効果的に防止できる。
図8(A)は、本発明の第2参考例に係るレンズ鏡筒の断面図であり、図8(B)は、図8(A)に示す外装面90の拡大模式図である。図7(A)に示すように、外装面90は、基材94と、基材94の表面に形成されたクリーム色塗膜92によって構成される。
図8(B)に示すように、クリーム色塗膜92は、基材94の外側表面に形成された塗膜であり、可視光の反射率についてはクリーム色遮熱塗膜46と同等である。しかし、クリーム色塗膜92を有する外装面80は、図5において点線91で示すように、赤外領域に含まれる波長1000nm以上1700nm未満の光を反射する反射率が、可視光領域に含まれる波長400nm以上700nm未満の光の反射率より低い。そのため、このような外装面80を備えるレンズ鏡筒は、日射による温度上昇を十分に抑制できないという問題を有している。
本実施形態に係る反射面44は、図5おいて実線45で示すように、赤外領域に含まれる波長1000nm以上1700nm未満の光を反射する反射率が、可視光領域に含まれる波長400nm以上700nm未満の光の反射率より高く、従来技術に係る外装面90が有する問題が解決されている。すなわち、クリーム色遮熱塗膜46を有する反射面44は、赤外線遮熱顔料40を有するため、赤外領域に含まれる波長1000nm以上1700nm未満の光の反射率が、クリーム色塗膜92を備える外装面90より高い。
このように、第2実施形態に係るレンズ鏡筒は、図2に示す反射面44を備える筒状部を含むため、第1実施形態に係るレンズ鏡筒10と同様に、日射等によるレンズ鏡筒10の温度上昇を、効果的に防止できる。また、第2実施形態に係るレンズ鏡筒は、第1実施形態に係るレンズ鏡筒10と同様の効果を有する。なお、図4(B)に示すクリーム色遮熱塗膜46には、赤外領域の光の反射率を高めるために、図2(B)に示す金属粒子38が含まれてもよい。
第3実施形態
図6は、本発明の第3実施形態に係るレンズフード50および当該レンズフード50が取り付けられるレンズ鏡筒52の全体図である。レンズフード50は、レンズ鏡筒52の光通過領域に不要な光が入射することを防止するものであり、レンズ鏡筒52における被写体側の端部52aに取り付けられる。
レンズフード50は、第1実施形態における反射面24と同様に、波長400nm以上700nm未満の光の反射率が15%以下であり、波長1000nm以上1700nm未満の光の反射率が50%以上である反射面54が全体に備えられた筒状部53を有する。
反射面54を備える筒状部53を有するため、レンズフード50は、第1実施形態に係るレンズ鏡筒10と同様に、日射等によるレンズフード50の温度上昇を抑制することが可能である。したがって、野外イベントの撮影時のように、レンズフード50が多量の日射を受ける環境で使用された場合であっても、撮影者は、レンズフード50を素手で触れながら、レンズ鏡筒52の向きを変えたり、保持したりすることができる。
レンズフード50の筒状部53に備えられる反射面54は、第1実施形態に係る反射面24と同様に、基材の外側に形成されるメタリック遮熱塗膜を有していても良い。この場合、レンズフード50の基材は、カーボン・樹脂複合材料(CFRP)等によって構成することが、剛性確保および軽量化等の観点から好ましい。第3実施形態に係るメタリック遮熱塗膜は、第1実施形態におけるメタリック遮熱塗膜32(図2(B)等参照)と同様とすることができる。また、第3実施形態に係るレンズフード50は、第1実施形態に係るレンズ鏡筒10と同様の効果を有する。
なお、レンズフード50の筒状部53に備えられる反射面54は、第2実施形態に係る反射面44と同様に、基材の外側に形成されるクリーム色遮熱塗膜を有していても良い。この場合、レンズフード50の筒状部53に備えられるクリーム色遮熱塗膜は、第2実施形態におけるクリーム色遮熱塗膜46(図4(B)等参照)と同様とすることができる。
その他の実施形態
図1に示すレンズ鏡筒10において、反射面24,44は、筒状部12だけでなく、支持台取付部16におけるリング部17および座部18等に備えられていても良い。リング部17および座部18等も、レンズフード50と同様に、撮影者が手で触れやすい位置に配置されている。そのため、リング部17や座部18等に反射面24が備えられるレンズ鏡筒10は、野外イベント等で使用された場合であっても、反射面24が備えられる部材の温度上昇が防止されるため、撮影者が快適に操作を行うことができる。
10… レンズ鏡筒
12,53… 筒状部
15… 光通過領域
24,44,54… 反射面
32… メタリック遮熱塗膜
36… 基材
38… 金属粒子
40… 赤外線反射顔料
46… クリーム色遮熱塗膜
50… レンズフード

Claims (3)

  1. 光が通過可能な光通過領域の外側に備えられ、波長400nm以上700nm未満の光の反射率が60%以上80%以下であり、波長1000nm以上1700nm未満の光の反射率が80%以上であり、波長800nm以上900nm未満の光の平均反射率が、波長700nmの光の反射率より高い反射面が、少なくとも一部に備えられた筒状部を含み、
    前記反射面は、前記光通過領域の外側に備えられた基材の外側に形成される塗膜を有し、
    前記塗膜は、板状又は箱形状の外形状を有しAl,Au,Ag,Ni,Cuのうちから選択された少なくとも1つの元素を含有する金属粒子を含み、
    前記基材は、ポリカーボネート、マグネシウム系合金、アルミニウム系合金、マグネシウム、アルミニウム、カーボン・樹脂複合材から選択された少なくとも1つの材料を用いて構成されていることを特徴とする光学装置。
  2. 請求項1に記載された光学装置であって、
    前記塗膜は、Si,Al,Ti,Fe,Zn,Co,Mg,Ca,Sr,Ba,Cuのうちから選択された少なくとも1つの元素を含有する赤外線反射顔料を含むことを特徴とする光学装置。
  3. 請求項2に記載された光学装置であって、
    前記赤外線反射顔料は、酸化珪素又はTiO を主成分とすることを特徴とする光学装置。
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