JP5433325B2 - 繊維強化複合材料成形品の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は繊維強化複合材料成形品の製造方法に関する。
繊維強化複合材料成形品(以下、FRPということがある。)は、軽量かつ高強度の特徴を生かし、スポーツ、レジャー用途から、自動車や航空機等の産業用途まで、幅広く用いられている。
FRPは、強化繊維に熱硬化性樹脂組成物を含浸した繊維強化複合材料(プリプレグ)や、通常12〜50mmに切断した強化繊維に熱硬化性樹脂組成物を含浸したシートモールディングコンパウンド(以下、SMCという場合もある。)等の成形材料を用いて成形されることが多い。特にFRPの製造において、実質的に連続した強化繊維を一方向に引き揃えたプリプレグ(以下、UDプリプレグという場合もある。)や、強化繊維を製織した織物プリプレグ等を用いると、SMCを用いる場合よりも強度に優れたFRPを得ることができる。
成形材料からFRPを得る方法としては、プリプレグを型に積層しオートクレーブで硬化する製造方法や、真空バックフィルムに覆い真空引きしながら加熱硬化する製造方法、プリプレグを成形型内で圧縮成形する製造方法等が知られている。中でも圧縮成形によるFRPの製造方法は、オートクレーブを用いた製造方法や、真空バックフィルムを用いた製造方法と同等の外観および強度のFRPを得られることに加え、成形時間が比較的短時間であるため、大量生産に好適である。また、成形型を加工することも容易であるから、複雑な形状のFRPの製造も容易であるという利点がある。
圧縮成形によるFRPの製造方法としては、気密構造を有する型を予め加熱した後、型内の片面表面積とプリプレグの片面表面積との比率を一定の範囲となるように圧縮成形することで、FRPの目曲がりを抑制するFRPの製造方法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
一方、軽量で剛性の高いFRPを製造することを目的として、プリプレグの内部に発泡体やハニカム構造体からなるコア材を配置し、サンドイッチ構造のFRPを得る技術も知られている。
国際公開第2004/048435号パンフレット
しかしながら、連続した強化繊維を強化材とするプリプレグの内部に、従来の発泡体やハニカム構造体からなるコア材を配置して、圧縮成形した場合には、圧縮成形時にコア材が潰れてFRP表面にクラックが発生してしまい、良好な外観や所望の剛性を有するFRPが製造できないという問題があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、クラックがなく、そのために良好な外観、高剛性を備えたFRPを圧縮成形により短時間で製造することを目的とする。
本発明の繊維強化複合材料成形品の製造方法は、実質的に連続した強化繊維に熱硬化性樹脂組成物を含浸したプリプレグを有する繊維強化複合材料と、該繊維強化複合材料の内部に配置されたコア材とを具備する成形材料を成形型で圧縮成形する成形工程を有する繊維強化複合材料成形品の製造方法であって、前記コア材は、軽量化充填剤を配合した熱硬化性樹脂組成物を成形した軽量コアである。
前記軽量化充填剤は、ガラス微小中空球および/または発泡プラスチックビーズであることが好ましい。
前記成形材料の片面表面積(S1)と前記成形型の内面の片面表面積(S2)との比S1/S2は、0.8〜1.0であることが好ましい。
本発明によれば、クラックがなく、そのために良好な外観、高剛性を備えたFRPを圧縮成形により短時間で製造できる。
本発明で使用される成形型の一例について、成形型を締める前の状態を成形材とともに示す断面図である。 図1の成形型を締めた状態を示す断面図である。 図2の要部を拡大した拡大部分断面図である。 本発明で使用される成形型の他の一例を示す断面図である。
本発明のFRPの製造方法は、繊維強化複合材料と、該繊維強化複合材料の内部に配置されたコア材とを具備する成形材料を成形型で圧縮成形する成形工程を有するものである。
以下、本発明について詳細に説明する。
[成形材料]
(繊維強化複合材料)
本発明では、成形材料を構成する繊維強化複合材料として、実質的に連続した強化繊維に熱硬化性樹脂組成物を含浸したシート状のプリプレグを有するものを使用する。
実質的に連続した強化繊維に熱硬化性樹脂組成物を含浸したプリプレグとしては、例えば、強化繊維が一方向に引き揃えられたUDプリプレグ、強化繊維が製織された織物プリプレグ等が挙げられ、プリプレグ内部において強化繊維が分断されておらず連続し、そのためプリプレグ内部において強化繊維の端部が存在しないプリプレグである。なお、プリプレグの端部には、強化繊維の端部が存在していてもよい。
また、例えばFRPの意匠性を高めるために、FRPの表面には織物プリプレグが配置され、FRPの内部にはUDプリプレグが配置されるように、複数の強化形態のプリプレグを組み合わせたものを繊維強化複合材料として使用してもよい。
繊維強化複合材料としては、実質的に連続した強化繊維に熱硬化性樹脂組成物を含浸した上述のプリプレグのみからなるものを使用してもよいし、このようなプリプレグの少なくとも片面に、短繊維状の強化繊維に熱硬化性樹脂組成物を含浸したものが重ね合わされた複合成形材料を使用してもよい。
短繊維状の強化繊維に熱硬化性樹脂組成物を含浸したものとしては、SMC等を挙げることができる。SMCは、通常12〜50mmに切断した強化繊維を含むものであるため、実質的に連続した強化繊維で構成されるプリプレグに比べ、FRPのリブ構造やボス構造を有する複雑な形状に沿いやすい利点を有する一方で、機械物性が劣る。そこで、実質的に連続した強化繊維に熱硬化性樹脂組成物を含浸したプリプレグと、短繊維状の強化繊維に熱硬化性樹脂組成物を含浸したものとを重ね合わせた複合成形材料を繊維強化複合材料として使用することによって、両者の長所を合わせ持つFRPを製造することができる。
繊維強化複合材料を構成する強化繊維としては、例えば、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、高強度ポリエステル繊維、ボロン繊維、アルミナ繊維、窒化珪素繊維、ナイロン繊維などが挙げられ、1種以上を使用できる。これらの中でも、航空機や自動車等の部材としては、比強度および比弾性に優れる炭素繊維が好ましい。
繊維強化複合材料を構成する熱硬化性樹脂組成物としては、例えば、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノール樹脂、ベンゾオキサジン樹脂などの熱硬化性樹脂の1種以上を主成分とする樹脂組成物が挙げられる。これらの中でも、硬化後の強度を高くできることから、エポキシ樹脂を主成分とするエポキシ樹脂組成物が好ましい。
なお、本明細書において、主成分とは、50質量%以上含まれる成分のことを言う。
なお、繊維強化複合材料として、上述の複合成形材料を使用する場合においては、実質的に連続した強化繊維に含浸する熱硬化性樹脂組成物と、短繊維状の強化繊維に含浸する熱硬化性樹脂組成物とは、同じであっても異なっていてもよい。また、使用する強化繊維の種類も、同じであっても異なっていてもよい。
(コア材(軽量コア))
本発明では、成形材料を構成するコア材として、軽量化充填剤を配合した熱硬化性樹脂組成物を予め成形して得られた軽量コアを使用する。このような軽量コアは、繊維強化複合材料と一体に圧縮成形された場合でも潰れにくく、クラックを発生しない。よって、軽量コアを使用した圧縮成形によれば、高剛性のFRPを短時間に製造することができる。
軽量コアに使用される熱硬化性樹脂組成物としては、例えば、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノール樹脂、ベンゾオキサジン樹脂などの熱硬化性樹脂の1種以上を主成分とする樹脂組成物が挙げられる。これら中でも、硬化後の軽量コアの強度を高くできることから、エポキシ樹脂を主成分とするエポキシ樹脂組成物が好ましい。また、上述の繊維強化複合材料に用いられる熱硬化性樹脂組成物と軽量コアに使用される熱硬化性樹脂組成物とは、同じであっでも異なっていても良い。
軽量化充填剤としては、無機系や有機系の粒状の充填剤が使用でき、好ましくは無機系のガラス微小中空球や有機系の発泡プラスチックビーズなどが挙げられ、1種以上を使用できる。これらの中でも、FRPの圧縮強度を高くできることから、ガラス微小中空球が好ましい。ガラス微小中空球の粒径は5〜150μmが好ましく、より好ましくは30〜70μmである。また、ガラス微小中空球の嵩密度は、0.075〜0.4g/cmが好ましい。粒径が上記範囲未満であると、ガラス微小中空球を配合した熱硬化性樹脂組成物のハンドリング性が劣る可能性があり、上記範囲を超えると所望の形状とするための切削加工性が劣る可能性がある。また、嵩密度が上記範囲未満であると、所望の圧縮強度を得ることができない可能性があり、上記範囲を超えると、ガラス微小中空球を含む軽量コアを用いたFRPを軽量化することができない可能性がある。
軽量化充填剤の配合比率は、軽量コア100質量%中、60〜90質量%となる範囲が好ましく、70〜80質量%がより好ましい。このような範囲未満では、軽量化充填剤を配合した熱硬化性樹脂組成物のハンドリング性が十分ではなく、軽量コアを成形しにくい場合があり、かつ、所望の圧縮強度を有する軽量コアが得られない可能性がある。一方、上記範囲を超えると、軽量化充填剤を含有する熱硬化性樹脂組成物の賦形性が著しく損なわれるため、所望の形状を有する軽量コアが得られない可能性がある。
軽量コアの製造において、軽量化充填剤を熱硬化性樹脂組成物に配合する方法としては特に限定されず、例えば双腕ニーダーに熱硬化性樹脂組成物を投入し、続いて軽量化充填剤を加え、常圧下で混合する方法が挙げられる。
また、軽量コアの成形方法としては、特に限定されず、例えば所望の形状を有した金型に、軽量化充填剤を配合した熱硬化性樹脂組成物を投入し、加熱下でプレス成形して軽量コアを得る方法が挙げられる。
なお、成形後に、所望の形状とするための切削作業等を行って、軽量コアを得てもよい。
[FRPの製造方法]
(成形材料の製造)
本発明では、成形材料として、実質的に連続した強化繊維に熱硬化性樹脂組成物を含浸したプリプレグを備えた繊維強化複合材料と、この繊維強化複合材料の内部に配置された軽量コアとを具備するものを使用する。
このような成形材料を製造する方法としては、繊維強化複合材料と繊維強化複合材料とで軽量コアを挟持するように、これらを積層して、繊維強化複合材料と軽量コアとを重ね合わせる方法などが挙げられる。具体例としては、シート状の繊維強化複合材料および板状の軽量コアとして、同一サイズ(面積)、同一形状のものを選択し、これらを積層する形態が挙げられる。また、繊維強化複合材料よりも小さなサイズ(面積)の軽量コアを選択し、繊維強化複合材料と繊維強化複合材料とでこれを挟み込む形態も挙げられる。
(成形型)
本発明において、成形材料を圧縮成形する成形工程で使用される成形型としては、成形型を締めた際、すなわち、雌型20と雄型30とを嵌合させた際に、成形型の内部を気密に保つ構造を有するものが好ましく、例えば、図1〜3に示す成形型を好適な一例として挙げることができる。
図1は、雌型20と雄型30とを備えた成形型を締める前に、成形型の内部に繊維強化複合材料40aとその内部に配置された軽量コア40bとからなる成形材料40を設置した状態を示すものである。成形室10は、成形型を締めることにより、雌型20と雄型30とで囲まれて形成される空間である。
図2は、図1の成形型を締めた際の成形室10と、成形室10内における成形材料40の状態とを示すものである。
この例の成形型では、雌型20と雄型30との接触部50は、図3に拡大して示すようにシェアエッジ構造となっており、そのため、雌型20と雄型30とを嵌合させ成形型を締めた際には、成形室10内を気密に保てるようになっている。
シェアエッジ構造は、雌型20と雄型30との間に形成されている間隔βよりも、間隔αが狭くなるように、雌型20の開口部にテーパーが設けられた構造である。そして、雄型30を雌型20に嵌合させ、これらの内部に成形室10を形成し、雌型20と雄型30とを接触部50で摺動させることにより、成形室10の容積を変化させ得る構造である。
なお、本発明において「気密」とは、図2のように成形型を締め、成形材料40が圧縮された際に、成形材料40が成形室10を満たし、かつ、成形材料40を構成する熱硬化性樹脂組成物が成形室10から実質的に流出しない状態をいう。
このように成形型の内部を気密に保つ構造を有するものを使用して成形工程を行うと、熱硬化性樹脂組成物が成形室10から実質的には流出しないため、成形時に圧力を安定的に加えることができ、内部にボイド等が無く、外観良好のFRPとすることができ好適である。
成形室10内を気密に保つ構造としては、図3のシェアエッジ構造に限定されず、例えば、成形型を締めた際における雌型20と雄型30との接触部50をゴムシール構造等としてもよい。
また、成形型を締めた際には、成形室10内に空気が残存する場合がある。この空気を取り除くために、成形型は脱気機構を備えていることが好ましい。脱気機構としては、雌型20または雄型30の成形室10を形成する面に、図示略の開閉可能な孔を設け、成形室10内の空気を成形型の外部に放出する機構や、成形室10内の空気をポンプにより脱気する機構を挙げることができる。
さらに、成形工程後のFRPの取り出しを容易にするために、成形型は、脱型する機構を備えていても良い。脱型する機構は特に限定されないが、イジェクタピンやエアブロー弁等が挙げられる。このような脱型する機構を備えることで、成形型を冷却することなく、容易にFRPを成形型から取り出すことができるため、大量生産に好適である。
上述したエアブロー弁の機構とは、具体的には図4に示す機構を例示することができる。図中上部に示す符号Mの部分が成形室である。
図4に示す通り、エアブロー機構70は、雄型71内にエアブロー装置72を有するものである。雄型71の成形室M側の面71aには孔73が形成されている。孔73内には、孔73内で上下に摺動可能な開閉部材74が備えられ、開閉部材74は支持体75と接続されている。エアブロー装置本体部76とエアブロー装置底部77とは、パッキン78を介して接続され、エアブロー装置本体部76とエアブロー装置底部77とで、空間79が形成されている。支持体75と空間79を形成するエアブロー装置本体部76の内壁の間には、パッキン80が備えられている。エアブロー装置本体部76の成形室M側には空気口81が設けられ、エアブロー装置本体部76のエアブロー装置底部77側には空気口82が設けられている。
本エアブロー機構70は、空気口81から加圧空気Aを導入することで、開閉部材74をエアブロー装置底部77側に摺動させ、孔73から開閉部材74を抜くことで、成形室Mと空間79が連通する。こうして、孔73を通じて、成形室Mへ空気を送り、成形室MのFRPを脱型することができる。また、成形時は、空気口81からの加圧空気Aの導入を停止し、空気口82から加圧空気Bを導入することで、開閉部材74を成形室M側に摺動させ、孔73を閉じることができる。
(調温工程)
本発明においては、成形工程の前に、調温工程を行うことが好ましい。調温工程は、成形型内に成形材料40を配置する前に、成形型の雌型20と雄型30とを成形材料40を構成する熱硬化性樹脂組成物の硬化温度以上に、温度調整する工程である。この工程を行うことによって、成形材料40の硬化時間を短縮することができるので、成形サイクルを高めることができる。また、連続での成形を考えた場合では、成形型を昇降温する必要が無くなり、成形サイクルを高めることができるので、生産性を向上することができる。
調温工程で調整する成形型の温度範囲は、成形材料40を構成する熱硬化性樹脂組成物の種類を勘案して決定することが好ましい。例えば、熱硬化性樹脂組成物の硬化温度から、該硬化温度よりも30℃高い温度までの範囲であることが好ましく、熱硬化性樹脂組成物の硬化温度から、該硬化温度よりも20℃高い温度までの範囲であることがより好ましい。このような範囲を超えた温度に調温すると、得られるFRPが、過加熱により強度劣化するおそれがある。熱硬化性樹脂組成物としてエポキシ樹脂組成物を使用する場合は、成形型を120〜160℃に調温することが好ましい。
なお、成形材料40に上述の複合成形材料を用いた場合、その複合成形材料は、異なる2種以上の熱硬化性樹脂組成物を含有することもある。その場合には、最も高い硬化温度の熱硬化性樹脂組成物の硬化温度を基準とし、好ましくは該硬化温度よりも30℃高い温度までの範囲、より好ましくは20℃高い温度までの範囲内で、調温することが好適である。
(成形工程)
本発明においては、好適には上述の調温工程を行った後、例えば次のようにして成形工程を行う。
まず、図1のように、調温工程で調温された雌型20と雄型30とを備えた成形型内に、繊維強化複合材料40aの内部に軽量コア40aを備えた成形材料40を配置する。
次いで、成形型を締め、図2のように雌型20と雄型30とで成形材料40を挟み込み、成形室10が成形材料40で満たされるように圧縮する。その後、成形型を開けて、成形されたFRPを取り出す。
雌型20と雄型30とを嵌合させ、成形型を締める際の圧縮の程度は特に限定されないが、成形型を締める前(図1)の成形材料40の体積が、成形型を締めた後(図2)の成形材料40の体積の100〜120%となるように圧縮することが好ましい。この範囲未満であると、成形材料40に充分な圧力が加わらず、得られるFRPの形状が不安定となるおそれがある。この範囲を超えると、成形型の気密性が保てなくなるおそれがある。
また、成形型を締める前の成形材料40の厚さ(図1中、D1で示す。)が、成形型を締めた後の成形材料40の厚さ(図2中、D2で示す。)の100〜150%となるように圧縮することが好ましい。この範囲であれば、成形材料40の全面を均等に加圧することができ、得られるFRPの形状が安定する。
さらに、成形材料40の片面表面積S1と成形型の内面の片面表面積S2との比S1/S2が、0.8〜1.0であることが好ましい。
ここで成形材料40の片面表面積S1とは、圧縮成形前の成形材料40の片面の表面積である。一方、成形型の内面の片面表面積S2とは、成形型を締めて形成される成形室10の内表面のうち、雌型20により構成される面の表面積であると同時に、雄型30により構成される面の全表面積から雄型周縁部(得られるFRPの厚みD3に対応する部分)の表面積を引いた表面積でもある。また、この片面表面積S2は、厚みを有するFRPの二面(二面の表面積は同じ面積である。)のうちの片面の表面積にも相当する。
S1/S2で表される値が0.8以上であれば、成形室10内での熱硬化性樹脂組成物の流動を適正化できることで、目曲がりの発生を抑制することができる。1.0以下であれば、繊維強化複合材料の周縁部が成形型からはみ出すことが無いため、安定して成形型を締めることができる。また、繊維強化複合材料が折り畳まれることも無いため、強化繊維の配向の乱れによる外観不良や強度低下を抑制できる。よって、成形材料40のサイズと、これを圧縮成形する成形型のサイズとを調整して、S1/S2を0.8〜1.0の範囲内とすることによって、圧縮成形時の目曲がりを抑制でき、FRPの外観、強度の安定化も図ることができる。
上述した通り、コア材として、軽量化充填剤を配合した熱硬化性樹脂組成物を成形した軽量コアを採用し、実質的に連続した強化繊維に熱硬化性樹脂組成物を含浸したプリプレグを有する繊維強化複合材料の内部にこの軽量コアを配置した成形材料40を用いることによって、高剛性のFRPを短時間に製造することができる。
その際、成形材料40の片面表面積(S1)と成形型の内面の片面表面積(S2)との比S1/S2が0.8〜1.0となるように、成形材料のサイズと成形型のサイズとを決定することによって、圧縮成形時の目曲がりを抑制でき、FRPの外観、強度の安定化も図ることができる。
以下、本発明について実施例を挙げて具体的に説明するが、実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
成形型の内部を気密に保つ構造として、成形型を締めた時の雌型と雄型との接触部に、シェアエッジ構造を採用した成形型を用意し、これに対して調温工程を行い、雌型・雄型共に140℃に加熱した。
なお、この成形型において、雄型周縁部以外の雄型の表面積、すなわちS2は、900cmであった。
一方、繊維強化複合材料として、一方向に引き揃えた炭素繊維にエポキシ樹脂組成物を含浸したプリプレグシートTR391E125S(熱硬化樹脂組成物の硬化温度:130℃、三菱レイヨン株式会社製)を285mm×285mmに切断し、このプリプレグシートを炭素繊維の配向方向が0°と90°に交互になるように2枚積層した。この積層されたプリプレグシート(以下、積層シートという。)を20枚用意した。
なお、この積層シートの片面表面積(成形材料の片面表面積)S1は、285mm×285mm=812cmであった。よって、S1/S2は、812/900=0.9である。
また、60℃に設定された双腕ニーダーに、熱硬化性樹脂組成物として、上述のプリプレグシートに使用されたものと同じエポキシ樹脂組成物(#391樹脂)95gを投入し、軽量化充填剤として、ガラス微小中空球(平均粒径:50μm、嵩密度:0.370g/cm)であるグラスバブルズS60(3M社製)290gを加え、常圧下で約30分間混練して混合物とし、これを取り出した。ついで、この混合物を所定の形状の金型に投入しプレスして、140℃×5分で硬化させた後取り出した。そして、この硬化物を削り出し、285mm×285mm×8mmtの軽量コアを用意した。
上述の積層シート10枚を積層した後、その上に上述の軽量コアを配置し、さらにその上に積層シート10枚を積層して成形材料を得た。
雄型上に上述の成形材料を置き、直ちに雌型を降ろして型を締めた。ついで、0.8Mpaの圧力で5分間の圧縮成形をした後、成形型のクリアランスからわずかに流出した樹脂組成物を除去し、型開きを行い、成形型の温度を140℃に保ったまま、成形型に添えつけられたイジェクタピンにより、FRPを取り出した。
得られたFRPは、軽量であるうえ、表面、裏面、端面のいずれにも、ピンホール、ボイド及びクラックがなく、外観に優れ、高い剛性を有するものであった。
また、圧縮成形による目曲がりも認められなかった。
(比較例1)
実施例1の軽量コアに代えて、コア材として公知のアルミハニカムを用いた以外は実施例1と同様にしてFRPを成形した。
得られたFRPはコア材が潰れており、表面、裏面共に大きなクラックが発生していた。
40a 繊維強化複合材料
40b 軽量コア
40 成形材料

Claims (2)

  1. 一方向に引き揃えられた強化繊維または製織された強化繊維に熱硬化性樹脂組成物を含浸したプリプレグを有する繊維強化複合材料と、該繊維強化複合材料の内部に配置されたコア材とを具備する成形材料を成形型で圧縮成形する成形工程を有する繊維強化複合材料成形品の製造方法であって、
    前記コア材は、ガラス微小中空球および/または発泡プラスチックビーズを配合した熱硬化性樹脂組成物を成形した軽量コアである繊維強化複合材料成形品の製造方法。
  2. 前記成形材料の片面表面積(S1)と前記成形型の内面の片面表面積(S2)との比S1/S2は、0.8〜1.0である請求項1に記載の繊維強化複合材料成形品の製造方法。
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