JP5433189B2 - Mpo−anca関連血管炎の被験者に対する治療の効果を予測する材料を提供する方法 - Google Patents

Mpo−anca関連血管炎の被験者に対する治療の効果を予測する材料を提供する方法 Download PDF

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Description

本発明は、MPO−ANCA関連血管炎の被験者に対する治療効果予測する材料を提供する法に関する。
自己免疫疾患は、免疫系が自己の正常な細胞や組織を標的として攻撃してしまうことで症状をきたす疾患の総称であり、血管炎症候群などの様々な疾患が自己免疫疾患として報告されている。自己免疫疾患の治療方法は疾患により異なるが、免疫系の異常が疾患の原因となっていることから、多くの疾患では免疫抑制剤やステロイド系薬剤などが治療に用いられている。例えば、血管炎症候群の一つであるMPO−ANCA関連血管炎(顕微鏡的多発血管炎)の場合は、免疫抑制剤であるシクロホスファミドの投与とステロイド系薬剤であるメチルプレドニゾロン(またはプレドニゾロン)の投与との併用療法により、3〜6ヶ月かけて治療を行う方法が標準的な治療方法となっている(非特許文献1)。
「MPO−ANCA関連血管炎に対する標準的治療プロトコールの有用性を明らかにする前向き臨床試験」厚生労働科学研究費補助金・難治性疾患克服研究事業:難治性血管炎に関する調査研究、平成16年度総括・分担研究報告書:p.224〜226、2007年。
しかしながら、従来、免疫抑制剤の投与などにより自己免疫疾患の治療を試みても、その治療効果が判明するのは治療開始後数週間以上経過してからという問題があった。
すなわち、自己免疫疾患に有効と思われている薬剤を患者に投与しても、すべての患者にその薬剤が効くわけではなく、一部の患者では治療開始後数週間経過してから初めてその薬剤が効かないことが判明することがあった。例えば、免疫抑制剤の投与は感染のリスクを高めるという副作用があるが、免疫抑制剤がその患者において有効であるかどうかは治療開始後数週間以上経過して初めて判明するため、患者によってはまったく治療効果がない上に、感染症に罹患してしまうという事態になることもあった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、自己免疫疾患の患者に対して薬剤の投与を行った際に、当該薬剤が当該患者に対して有効であるか否かを早期に予測することができる、治療効果の予測方法を提供することを第一の目的とする。
また、本発明は、自己免疫疾患に対して治療効果を有する物質をスクリーニングすることができる、自己免疫疾患に対して治療効果を有する物質のスクリーニング方法を提供することを第二の目的とする。
さらに、本発明は、上記予測方法およびスクリーニング方法に利用することができる、オリゴ/ポリヌクレオチドアレイを提供することを第三の目的とする。
本発明者は、鋭意研究を行った結果、自己免疫疾患に対する治療効果と遺伝子の発現量が相関する74の遺伝子を見出し、さらに検討を加えて本発明を完成させた。
すなわち、本発明の第一は、以下の治療効果の予測方法に関する。
[1]治療を受けた自己免疫疾患の被験者から採取された血液における遺伝子の発現量を指標として、前記被験者に対する前記治療の効果を予測する方法であって、前記遺伝子は、以下の(a−1)〜(a−59)および(b−1)〜(b−15)からなる群から選択される1種類または2種類以上の遺伝子である、予測方法。
(a−1)CLCをコードする遺伝子
(a−2)IFIT1をコードする遺伝子
(a−3)IFIT3をコードする遺伝子
(a−4)CCR3をコードする遺伝子
(a−5)HERC5をコードする遺伝子
(a−6)NGFRAP1をコードする遺伝子
(a−7)TNFSF10をコードする遺伝子
(a−8)FGL2をコードする遺伝子
(a−9)MX1をコードする遺伝子
(a−10)CCR1をコードする遺伝子
(a−11)EMR1をコードする遺伝子
(a−12)XIAP関連因子−1をコードする遺伝子
(a−13)OASLをコードする遺伝子
(a−14)OAS1をコードする遺伝子
(a−15)IFIT5をコードする遺伝子
(a−16)WSB2をコードする遺伝子
(a−17)FFAR2をコードする遺伝子
(a−18)ISG15をコードする遺伝子
(a−19)HIST1H3Hをコードする遺伝子
(a−20)IFI6をコードする遺伝子
(a−21)CTSL1をコードする遺伝子
(a−22)GBP1をコードする遺伝子
(a−23)IRF7をコードする遺伝子
(a−24)HIST2H2BEをコードする遺伝子
(a−25)IFIH1をコードする遺伝子
(a−26)MMDをコードする遺伝子
(a−27)CD36をコードする遺伝子
(a−28)MT2Aをコードする遺伝子
(a−29)PSMB9をコードする遺伝子
(a−30)PLSCR1をコードする遺伝子
(a−31)OAS2をコードする遺伝子
(a−32)EIF2AK2をコードする遺伝子
(a−33)LTBをコードする遺伝子
(a−34)MS4A4Aをコードする遺伝子
(a−35)ADMをコードする遺伝子
(a−36)OAS3をコードする遺伝子
(a−37)SLAMF7をコードする遺伝子
(a−38)DDX58をコードする遺伝子
(a−39)GNG11をコードする遺伝子
(a−40)TSC22D1をコードする遺伝子
(a−41)HIST1H2BDをコードする遺伝子
(a−42)IFITM3をコードする遺伝子
(a−43)UBE2L6をコードする遺伝子
(a−44)H2BFSをコードする遺伝子
(a−45)CATをコードする遺伝子
(a−46)SCO2をコードする遺伝子
(a−47)PSME2をコードする遺伝子
(a−48)STAT1をコードする遺伝子
(a−49)MTHFD2をコードする遺伝子
(a−50)MT1Xをコードする遺伝子
(a−51)TGFAをコードする遺伝子
(a−52)GPR109Bをコードする遺伝子
(a−53)HIST1H3Dをコードする遺伝子
(a−54)IFI44Lをコードする遺伝子
(a−55)F13A1をコードする遺伝子
(a−56)CX3CR1をコードする遺伝子
(a−57)FCGR1Aをコードする遺伝子
(a−58)IL1Bをコードする遺伝子
(a−59)ARRB1をコードする遺伝子
(b−1)ADAM28をコードする遺伝子
(b−2)CEACAM8をコードする遺伝子
(b−3)COL9A2をコードする遺伝子
(b−4)DEFA4をコードする遺伝子
(b−5)LTFをコードする遺伝子
(b−6)SEC23Bをコードする遺伝子
(b−7)VSIG4をコードする遺伝子
(b−8)DEFA1をコードする遺伝子
(b−9)CD163をコードする遺伝子
(b−10)RUNDC3Aをコードする遺伝子
(b−11)CAMPをコードする遺伝子
(b−12)LCN2をコードする遺伝子
(b−13)HDAC9をコードする遺伝子
(b−14)CD24をコードする遺伝子
(b−15)IL1R2をコードする遺伝子
[2]前記(a−1)〜(a−59)から選択された1種類または2種類以上の遺伝子の発現量を指標とする方法であって、前記治療を受けてから所定の時間が経過した時の遺伝子の発現量が、その時より前の所定の時の遺伝子の発現量に比べて減少しているときに、前記治療が前記被験者に対して有効であると予測する、[1]に記載の予測方法。
[3]前記(b−1)〜(b−15)から選択された1種類または2種類以上の遺伝子の発現量を指標とする方法であって、前記治療を受けてから所定の時間が経過した時の遺伝子の発現量が、その時より前の所定の時の遺伝子の発現量に比べて増加しているときに、前記治療が前記被験者に対して有効であると予測する、[1]または[2]に記載の予測方法。
[4]前記自己免疫疾患は、血管炎症候群である、[1]〜[3]のいずれかに記載の予測方法。
[5]前記血管炎症候群は、MPO−ANCA関連血管炎である、[4]に記載の予測方法。
[6]前記治療は、薬剤の投与である、[1]〜[5]のいずれかに記載の予測方法。
[7]前記薬剤は、免疫抑制剤、ステロイド系薬剤または生物学的製剤である、[6]に記載の予測方法。
[8]前記薬剤の投与は、免疫抑制剤の投与およびステロイド系薬剤の投与の組み合わせであり、前記免疫抑制剤は、シクロホスファミドであり、前記ステロイド系薬剤は、メチルプレドニゾロンまたはプレドニゾロンである、[6]に記載の予測方法。
また、本発明の第二は、以下のスクリーニング方法に関する。
[9]自己免疫疾患の非ヒトモデル動物に試験物質を投与するステップと、前記モデル動物の血液における遺伝子の発現量を指標として、前記試験物質の前記自己免疫疾患に対する治療効果を判定するステップと、を含む、自己免疫疾患に対して治療効果を有する物質のスクリーニング方法であって、前記遺伝子は、以下の(a−1)〜(a−59)および(b−1)〜(b−15)からなる群から選択される1種類または2種類以上の遺伝子である、スクリーニング方法。
(a−1)CLCをコードする遺伝子
(a−2)IFIT1をコードする遺伝子
(a−3)IFIT3をコードする遺伝子
(a−4)CCR3をコードする遺伝子
(a−5)HERC5をコードする遺伝子
(a−6)NGFRAP1をコードする遺伝子
(a−7)TNFSF10をコードする遺伝子
(a−8)FGL2をコードする遺伝子
(a−9)MX1をコードする遺伝子
(a−10)CCR1をコードする遺伝子
(a−11)EMR1をコードする遺伝子
(a−12)XIAP関連因子−1をコードする遺伝子
(a−13)OASLをコードする遺伝子
(a−14)OAS1をコードする遺伝子
(a−15)IFIT5をコードする遺伝子
(a−16)WSB2をコードする遺伝子
(a−17)FFAR2をコードする遺伝子
(a−18)ISG15をコードする遺伝子
(a−19)HIST1H3Hをコードする遺伝子
(a−20)IFI6をコードする遺伝子
(a−21)CTSL1をコードする遺伝子
(a−22)GBP1をコードする遺伝子
(a−23)IRF7をコードする遺伝子
(a−24)HIST2H2BEをコードする遺伝子
(a−25)IFIH1をコードする遺伝子
(a−26)MMDをコードする遺伝子
(a−27)CD36をコードする遺伝子
(a−28)MT2Aをコードする遺伝子
(a−29)PSMB9をコードする遺伝子
(a−30)PLSCR1をコードする遺伝子
(a−31)OAS2をコードする遺伝子
(a−32)EIF2AK2をコードする遺伝子
(a−33)LTBをコードする遺伝子
(a−34)MS4A4Aをコードする遺伝子
(a−35)ADMをコードする遺伝子
(a−36)OAS3をコードする遺伝子
(a−37)SLAMF7をコードする遺伝子
(a−38)DDX58をコードする遺伝子
(a−39)GNG11をコードする遺伝子
(a−40)TSC22D1をコードする遺伝子
(a−41)HIST1H2BDをコードする遺伝子
(a−42)IFITM3をコードする遺伝子
(a−43)UBE2L6をコードする遺伝子
(a−44)H2BFSをコードする遺伝子
(a−45)CATをコードする遺伝子
(a−46)SCO2をコードする遺伝子
(a−47)PSME2をコードする遺伝子
(a−48)STAT1をコードする遺伝子
(a−49)MTHFD2をコードする遺伝子
(a−50)MT1Xをコードする遺伝子
(a−51)TGFAをコードする遺伝子
(a−52)GPR109Bをコードする遺伝子
(a−53)HIST1H3Dをコードする遺伝子
(a−54)IFI44Lをコードする遺伝子
(a−55)F13A1をコードする遺伝子
(a−56)CX3CR1をコードする遺伝子
(a−57)FCGR1Aをコードする遺伝子
(a−58)IL1Bをコードする遺伝子
(a−59)ARRB1をコードする遺伝子
(b−1)ADAM28をコードする遺伝子
(b−2)CEACAM8をコードする遺伝子
(b−3)COL9A2をコードする遺伝子
(b−4)DEFA4をコードする遺伝子
(b−5)LTFをコードする遺伝子
(b−6)SEC23Bをコードする遺伝子
(b−7)VSIG4をコードする遺伝子
(b−8)DEFA1をコードする遺伝子
(b−9)CD163をコードする遺伝子
(b−10)RUNDC3Aをコードする遺伝子
(b−11)CAMPをコードする遺伝子
(b−12)LCN2をコードする遺伝子
(b−13)HDAC9をコードする遺伝子
(b−14)CD24をコードする遺伝子
(b−15)IL1R2をコードする遺伝子
[10]前記(a−1)〜(a−59)から選択された1種類または2種類以上の遺伝子の発現量を指標とする方法であって、前記試験物質を投与してから所定の時間が経過した時の遺伝子の発現量が、その時より前の所定の時の遺伝子の発現量に比べて減少しているときに、前記試験物質が前記自己免疫疾患に対して治療効果があると判定する、[9]に記載のスクリーニング方法。
[11]前記(b−1)〜(b−15)から選択された1種類または2種類以上の遺伝子の発現量を指標とする方法であって、前記試験物質を投与してから所定の時間が経過した時の遺伝子の発現量が、その時より前の所定の時の遺伝子の発現量に比べて増加しているときに、前記試験物質が前記自己免疫疾患に対して治療効果があると判定する、[9]または[10]に記載のスクリーニング方法。
[12]前記自己免疫疾患は、血管炎症候群である、[9]〜[11]のいずれかに記載のスクリーニング方法。
[13]前記血管炎症候群は、MPO−ANCA関連血管炎である、[12]に記載のスクリーニング方法。
また、本発明の第三は、以下のオリゴ/ポリヌクレオチドアレイに関する。
[14]自己免疫疾患を治療するための医薬物または候補医薬物の効果を判定するためのオリゴ/ポリヌクレオチドアレイであって、支持体と、前記支持体に固定された2種類以上のオリゴ/ポリヌクレオチドとを有し、前記2種類以上のオリゴ/ポリヌクレオチドは、以下の(c−1)〜(c−74)からなる群から選択される、オリゴ/ポリヌクレオチドアレイ。
(c−1)CLCをコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−2)IFIT1をコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−3)IFIT3をコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−4)CCR3をコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−5)HERC5をコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−6)NGFRAP1をコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−7)TNFSF10をコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−8)FGL2をコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−9)MX1をコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−10)CCR1をコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−11)EMR1をコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−12)XIAP関連因子−1をコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−13)OASLをコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−14)OAS1をコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−15)IFIT5をコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−16)WSB2をコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−17)FFAR2をコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−18)ISG15をコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−19)HIST1H3Hをコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−20)IFI6をコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−21)CTSL1をコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−22)GBP1をコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−23)IRF7をコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−24)HIST2H2BEをコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−25)IFIH1をコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−26)MMDをコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−27)CD36をコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−28)MT2Aをコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−29)PSMB9をコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−30)PLSCR1をコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−31)OAS2をコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−32)EIF2AK2をコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−33)LTBをコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−34)MS4A4Aをコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−35)ADMをコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−36)OAS3をコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−37)SLAMF7をコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−38)DDX58をコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−39)GNG11をコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−40)TSC22D1をコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−41)HIST1H2BDをコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−42)IFITM3をコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−43)UBE2L6をコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−44)H2BFSをコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−45)CATをコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−46)SCO2をコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−47)PSME2をコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−48)STAT1をコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−49)MTHFD2をコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−50)MT1Xをコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−51)TGFAをコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−52)GPR109Bをコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−53)HIST1H3Dをコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−54)IFI44Lをコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−55)F13A1をコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−56)CX3CR1をコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−57)FCGR1Aをコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−58)IL1Bをコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−59)ARRB1をコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−60)ADAM28をコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−61)CEACAM8をコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−62)COL9A2をコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−63)DEFA4をコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−64)LTFをコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−65)SEC23Bをコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−66)VSIG4をコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−67)DEFA1をコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−68)CD163をコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−69)RUNDC3Aをコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−70)CAMPをコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−71)LCN2をコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−72)HDAC9をコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−73)CD24をコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−74)IL1R2をコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
本発明の治療効果の予測方法によれば、自己免疫疾患の被験者に対して薬剤を投与した際に、当該薬剤が当該被験者に対して有効であるか否かを早期に予測することができる。したがって、医師は、この予測結果に基づいて、当該薬剤を当該被験者に使用するか否かを早い段階で適切に判断することができる。
本発明のスクリーニング方法によれば、自己免疫疾患に対して治療効果を有する物質を迅速にスクリーニングすることができる。
本発明のオリゴ/ポリヌクレオチドアレイによれば、2種類以上の遺伝子について発現解析を同時に並行して行うことができるため、上記治療効果の予測方法およびスクリーニング方法を迅速に行うことができる。
1.本発明の治療効果の予測方法
本発明の予測方法は、自己免疫疾患の被験者に対して治療を行うときに、その治療がその被験者に有効であるかどうかを予測するための方法であって、その被験者の血液における以下のa群およびb群からなる群から選択される1種類または2種類以上の遺伝子の発現量を指標として予測することを特徴とする。
[a群]
(a−1)CLC(Charcot-Leyden crystal protein)をコードする遺伝子
(a−2)IFIT1(interferon-induced protein with tetratricopeptide repeats 1)をコードする遺伝子
(a−3)IFIT3(interferon-induced protein with tetratricopeptide repeats 3)をコードする遺伝子
(a−4)CCR3(chemokine (C-C motif) receptor 3)をコードする遺伝子
(a−5)HERC5(hect domain and RLD 5)をコードする遺伝子
(a−6)NGFRAP1(nerve growth factor receptor (TNFRSF16) associated protein 1)をコードする遺伝子
(a−7)TNFSF10(tumor necrosis factor (ligand) superfamily, member 10)をコードする遺伝子
(a−8)FGL2(fibrinogen-like 2)をコードする遺伝子
(a−9)MX1(myxovirus (influenza virus) resistance 1, interferon-inducible protein p78 (mouse))をコードする遺伝子
(a−10)CCR1(chemokine (C-C motif) receptor 1)をコードする遺伝子
(a−11)EMR1(egf-like module containing, mucin-like, hormone receptor-like 1)をコードする遺伝子
(a−12)XIAP関連因子−1(XIAP associated factor-1)をコードする遺伝子
(a−13)OASL(2'-5'-oligoadenylate synthetase-like)をコードする遺伝子
(a−14)OAS1(2',5'-oligoadenylate synthetase 1, 40/46kDa)をコードする遺伝子
(a−15)IFIT5(interferon-induced protein with tetratricopeptide repeats 5)をコードする遺伝子
(a−16)WSB2(WD repeat and SOCS box-containing 2)をコードする遺伝子
(a−17)FFAR2(free fatty acid receptor 2)をコードする遺伝子
(a−18)ISG15(ISG15 ubiquitin-like modifier)をコードする遺伝子
(a−19)HIST1H3H(histone cluster 1, H3h)をコードする遺伝子
(a−20)IFI6(interferon, alpha-inducible protein 6)をコードする遺伝子
(a−21)CTSL1(cathepsin L1)をコードする遺伝子
(a−22)GBP1(guanylate binding protein 1, interferon-inducible, 67kDa)をコードする遺伝子
(a−23)IRF7(interferon regulatory factor 7)をコードする遺伝子
(a−24)HIST2H2BE(histone cluster 2, H2be)をコードする遺伝子
(a−25)IFIH1(interferon induced with helicase C domain 1)をコードする遺伝子
(a−26)MMD(monocyte to macrophage differentiation-associated)をコードする遺伝子
(a−27)CD36(CD36 molecule (thrombospondin receptor))をコードする遺伝子
(a−28)MT2A(metallothionein 2A)をコードする遺伝子
(a−29)PSMB9(proteasome (prosome, macropain) subunit, beta type, 9 (large multifunctional peptidase 2))をコードする遺伝子
(a−30)PLSCR1(phospholipid scramblase 1)をコードする遺伝子
(a−31)OAS2(2'-5'-oligoadenylate synthetase 2, 69/71kDa)をコードする遺伝子
(a−32)EIF2AK2(eukaryotic translation initiation factor 2-alpha kinase 2)をコードする遺伝子
(a−33)LTB(lymphotoxin beta (TNF superfamily, member 3))をコードする遺伝子
(a−34)MS4A4A(membrane-spanning 4-domains, subfamily A, member 4)をコードする遺伝子
(a−35)ADM(adrenomedullin)をコードする遺伝子
(a−36)OAS3(2'-5'-oligoadenylate synthetase 3, 100kDa)をコードする遺伝子
(a−37)SLAMF7(SLAM family member 7)をコードする遺伝子
(a−38)DDX58(DEAD (Asp-Glu-Ala-Asp) box polypeptide 58)をコードする遺伝子
(a−39)GNG11(guanine nucleotide binding protein (G protein), gamma 11)をコードする遺伝子
(a−40)TSC22D1(TSC22 domain family, member 1)をコードする遺伝子
(a−41)HIST1H2BD(histone cluster 1, H2bd)をコードする遺伝子
(a−42)IFITM3(interferon induced transmembrane protein 3 (1-8U))をコードする遺伝子
(a−43)UBE2L6(ubiquitin-conjugating enzyme E2L 6)をコードする遺伝子
(a−44)H2BFS(H2B histone family, member S)をコードする遺伝子
(a−45)CAT(catalase)をコードする遺伝子
(a−46)SCO2(SCO cytochrome oxidase deficient homolog 2 (yeast))をコードする遺伝子
(a−47)PSME2(proteasome (prosome, macropain) activator subunit 2 (PA28 beta))をコードする遺伝子
(a−48)STAT1(signal transducer and activator of transcription 1, 91kDa)をコードする遺伝子
(a−49)MTHFD2(methylenetetrahydrofolate dehydrogenase (NADP+ dependent) 2, methenyltetrahydrofolate cyclohydrolase)をコードする遺伝子
(a−50)MT1X(metallothionein 1X)をコードする遺伝子
(a−51)TGFA(transforming growth factor, alpha)をコードする遺伝子
(a−52)GPR109B(G protein-coupled receptor 109B)をコードする遺伝子
(a−53)HIST1H3D(histone cluster 1, H3d)をコードする遺伝子
(a−54)IFI44L(interferon-induced protein 44-like)をコードする遺伝子
(a−55)F13A1(coagulation factor XIII, A1 polypeptide)をコードする遺伝子
(a−56)CX3CR1(chemokine (C-X3-C motif) receptor 1)をコードする遺伝子
(a−57)FCGR1A(Fc fragment of IgG, high affinity Ia, receptor (CD64))をコードする遺伝子
(a−58)IL1B(interleukin 1, beta)をコードする遺伝子
(a−59)ARRB1(arrestin, beta 1)をコードする遺伝子
[b群]
(b−1)ADAM28(ADAM metallopeptidase domain 28)をコードする遺伝子
(b−2)CEACAM8(carcinoembryonic antigen-related cell adhesion molecule 8)をコードする遺伝子
(b−3)COL9A2(collagen, type IX, alpha 2)をコードする遺伝子
(b−4)DEFA4(defensin, alpha 4, corticostatin)をコードする遺伝子
(b−5)LTF(lactotransferrin)をコードする遺伝子
(b−6)SEC23B(Sec23 homolog B (S. cerevisiae))をコードする遺伝子
(b−7)VSIG4(V-set and immunoglobulin domain containing 4)をコードする遺伝子
(b−8)DEFA1(defensin, alpha 1)をコードする遺伝子
(b−9)CD163(CD163 molecule)をコードする遺伝子
(b−10)RUNDC3A(RUN domain containing 3A (also known as RPIP8))をコードする遺伝子
(b−11)CAMP(cathelicidin antimicrobial peptide)をコードする遺伝子
(b−12)LCN2(lipocalin 2 (oncogene 24p3))をコードする遺伝子
(b−13)HDAC9(histone deacetylase 9)をコードする遺伝子
(b−14)CD24(CD24 molecule)をコードする遺伝子
(b−15)IL1R2(interleukin 1 receptor, type II)をコードする遺伝子
これらの遺伝子は、自己免疫疾患(MPO−ANCA関連血管炎)の患者を対象として、患者の予後と治療(免疫抑制療法)開始後の遺伝子発現量の変化との間に有意な相関が見られた遺伝子である。これらの遺伝子を抽出した手順を以下に説明する。
[網羅的遺伝子発現解析]
血管炎症候群(MPO−ANCA関連血管炎)の重症患者20症例について、MPO−ANCA関連血管炎の標準的治療を開始する前と、治療を開始してから1週間後に各患者から採血して検体(末梢血10ml)を得た。ここで「MPO−ANCA関連血管炎の標準的治療」とは、メチルプレドニゾロンパルス療法(0.5〜1.0g/日、静注療法、3日間)またはプレドニゾロン経口投与(0.6〜1.0mg/kg/日または40〜60mg/日)と、シクロホスファミドパルス療法(0.5〜0.75/m、静注療法、1回/月)またはシクロホスファミド経口投与(0.5〜2.0mg/kg/日または50〜100mg/日)との併用療法を意味し(非特許文献1参照)、メチルプレドニゾロンパルス療法またはプレドニゾロン経口投与の初日を「治療開始日」とした。
これら40検体のそれぞれからPAXgene Blood RNA system(日本ベクトン・ディッキンソン株式会社)を用いてRNAを抽出した。40検体のそれぞれについてGeneChip(登録商標)Human Genome Focus Array(8797遺伝子搭載:アフィメトリクス・ジャパン株式会社)を用いて網羅的な遺伝子発現解析を行った。このチップでは、1つの遺伝子に対してパーフェクトマッチおよびミスマッチのプローブが少なくとも11対設計されている。そこで、これらのプローブに対するシグナル強度の差(「パーフェクトマッチのプローブに対するシグナル強度」−「ミスマッチプローブに対するシグナル強度」)を各遺伝子の発現値とした。このとき、0.01以下の発現値は、便宜的に0.01とした。次いで、各チップに搭載されたすべての遺伝子の発現値の中央値(メディアン)を算出し、得られた中央値で当該チップにおける各遺伝子の発現値を割ることでチップ間の標準化を図った。さらに、全サンプルの標準化後の発現値から遺伝子ごとに中央値を算出し、得られた中央値で各サンプルの当該遺伝子の発現値を割ることで遺伝子間の標準化を図った。このようにすることで、チップ間(検体間)での各遺伝子の発現を比較可能とした。これらの実験方法は、すべて推奨されるプロトコールに従って行った。
[発現変動遺伝子の抽出]
サンプルを得た20症例それぞれについて予後を調べたところ、図1に示すように、寛解が10例、軽快(改善)が3例、死亡が3例、その他が4例であった。そこで、寛解または軽快(改善)した13症例(26検体)において治療前後で1.5倍以上の有意(p<0.05)な発現変動を示した遺伝子を抽出した。その結果、8797遺伝子の中から、治療後に発現量が減少する59遺伝子(a群)と発現量が増加する15遺伝子(b群)の合計74遺伝子が抽出された(図2参照)。抽出された74遺伝子について遺伝子のクラスタリングを行ったところ、図3に示すように、治療後に発現量が減少する遺伝子(a群)と発現量が増加する遺伝子(b群)が明確に分かれた。抽出された74遺伝子の名称、発現変化(減少または増加)、発現変動量および有意確率(p値)を図4〜図6に示す。
以上のように、本発明の予測方法において指標とする遺伝子のうち、a群の遺伝子は、寛解または軽快した患者において治療開始後に遺伝子発現量が減少した遺伝子であり、b群の遺伝子は、寛解または軽快した患者において遺伝子発現量が増加した遺伝子である。これらの遺伝子の塩基配列はすべて公知であり、上記各遺伝子の名称、GenBankアクセッション番号およびGenBank RefSeqを図7〜図11に示す。なお、上記各遺伝子の塩基配列は、図7〜図11に示すアクセッション番号またはRefSeqで示される塩基配列に限定されるわけではなく、それぞれのタンパク質をコードするものであれば特に限定されない。
本発明の予測方法において指標とする遺伝子は、a群およびb群からなる群から選択される1種類または2種類以上の遺伝子であれば特に限定されないが、上記抽出過程において算出された統計学的優位性(p値:図4〜図6参照)に基づいて指標とする遺伝子を選択してもよい。この場合、本発明の予測方法において指標とする遺伝子は、p値が小さいものを選択することが好ましく、例えばp<0.03の遺伝子を選択してもよいし、p<0.01の遺伝子を選択してもよい。
例えば、p値が小さい(p<0.032)以下の16遺伝子の発現量を指標とすることで、実施例に示すように非常に高い精度で予後を予測することができる。
(a−1)CLCをコードする遺伝子
(a−2)IFIT1をコードする遺伝子
(a−4)CCR3をコードする遺伝子
(a−11)EMR1をコードする遺伝子
(a−13)OASLをコードする遺伝子
(a−15)IFIT5をコードする遺伝子
(a−17)FFAR2をコードする遺伝子
(a−19)HIST1H3Hをコードする遺伝子
(a−21)CTSL1をコードする遺伝子
(a−24)HIST2H2BEをコードする遺伝子
(a−31)OAS2をコードする遺伝子
(a−33)LTBをコードする遺伝子
(a−35)ADMをコードする遺伝子
(b−1)ADAM28をコードする遺伝子
(b−2)CEACAM8をコードする遺伝子
(b−3)COL9A2をコードする遺伝子
本発明の予測方法が対象とする疾患は、自己免疫疾患であれば特に限定されない。自己免疫疾患の例には血管炎症候群が含まれ、血管炎症候群の例にはMPO−ANCA関連血管炎が含まれる。
本発明の予測方法が対象とする治療は、特に限定されず、例えば薬剤の投与(複数種類の薬剤の併用投与を含む)や血漿交換療法などである。薬剤の例には、シクロホスファミドなどの免疫抑制剤や、メチルプレドニゾロンまたはプレドニゾロンなどのステロイド系薬剤、生物学的製剤などが含まれる。
上記各遺伝子の発現量を調べるサンプル(検体)は、特に限定されないが、血液(末梢血)が好ましい。血液は、患者に負担をかけることなく容易に採取可能であるからである。血液における遺伝子の発現量を調べる際には、採取した血液から白血球(好中球、好酸球、好塩基球、リンパ球および単球)を分離してもよいが、採取した血液をそのまま発現量の解析に用いてもよい。血液を採取する量は、後述する遺伝子の発現量の変化を調べる方法に応じて適宜設定すればよい。
上記各遺伝子の発現量を指標として被験者に対する治療の効果を予測するには、例えば、治療を受けてから所定の時間(例えば、1週間)が経過した時の遺伝子の発現量と、その時より前の所定の時(例えば、治療開始直前)の遺伝子の発現量とを比較すればよい。上記a群に含まれる遺伝子は、自己免疫疾患の症状が改善すると発現量が減少する遺伝子であり、上記b群に含まれる遺伝子は、自己免疫疾患の症状が改善すると発現量が増加する遺伝子である。したがって、上記a群に含まれる遺伝子について、治療を受けてから所定の時間が経過した時の遺伝子の発現量が、その時より前の所定の時の遺伝子の発現量に比べて減少しているときは、当該治療がその患者に対して効果があると予測する。同様に、上記b群に含まれる遺伝子について、治療を受けてから所定の時間が経過した時の遺伝子の発現量が、その時より前の所定の時の遺伝子の発現量に比べて増加しているときは、当該治療がその患者に対して効果があると予測する。また、実施例に示すように、各遺伝子の発現量の変化が予後の予測に及ぼす影響に着目して予測式を求め、当該予測式を用いて治療の効果を予測してもよい。
上記各遺伝子の発現量の変化を調べるには、被験者から採取したサンプル中の転写産物(mRNA)または翻訳産物(タンパク質、ポリペプチドまたはこれらの断片)の量を測定すればよい。
サンプル中の転写産物(mRNA)の量を測定するには、上記各遺伝子のプローブを用いたハイブリダイゼーション技術や上記各遺伝子のプライマーを用いた遺伝子増幅技術などの公知の遺伝子解析技術を用いて測定すればよい。ハイブリダイゼーション技術の例には、ノーザンハイブリダイゼーション法、ドットブロット法、DNAマイクロアレイ(DNAチップ)法などが含まれる。遺伝子増幅技術の例には、RT−PCR法やリアルタイムPCR法(検量線法、比較Ct法)などが含まれる。ハイブリダイゼーション技術または遺伝子増幅技術を用いて上記各遺伝子の発現量を測定する場合、上記(a−1)〜(a−59)の遺伝子に対しては以下の(c−1)〜(c−59)のオリゴ/ポリヌクレオチドを、上記(b−1)〜(b−15)の遺伝子に対しては以下の(c−60)〜(c−74)のオリゴ/ポリヌクレオチドをプローブまたはプライマーとして用いることができる。
[c群]
(c−1)CLCをコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−2)IFIT1をコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−3)IFIT3をコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−4)CCR3をコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−5)HERC5をコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−6)NGFRAP1をコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−7)TNFSF10をコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−8)FGL2をコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−9)MX1をコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−10)CCR1をコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−11)EMR1をコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−12)XIAP関連因子−1をコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−13)OASLをコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−14)OAS1をコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−15)IFIT5をコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−16)WSB2をコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−17)FFAR2をコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−18)ISG15をコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−19)HIST1H3Hをコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−20)IFI6をコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−21)CTSL1をコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−22)GBP1をコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−23)IRF7をコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−24)HIST2H2BEをコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−25)IFIH1をコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−26)MMDをコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−27)CD36をコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−28)MT2Aをコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−29)PSMB9をコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−30)PLSCR1をコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−31)OAS2をコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−32)EIF2AK2をコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−33)LTBをコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−34)MS4A4Aをコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−35)ADMをコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−36)OAS3をコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−37)SLAMF7をコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−38)DDX58をコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−39)GNG11をコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−40)TSC22D1をコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−41)HIST1H2BDをコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−42)IFITM3をコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−43)UBE2L6をコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−44)H2BFSをコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−45)CATをコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−46)SCO2をコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−47)PSME2をコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−48)STAT1をコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−49)MTHFD2をコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−50)MT1Xをコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−51)TGFAをコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−52)GPR109Bをコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−53)HIST1H3Dをコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−54)IFI44Lをコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−55)F13A1をコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−56)CX3CR1をコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−57)FCGR1Aをコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−58)IL1Bをコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−59)ARRB1をコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−60)ADAM28をコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−61)CEACAM8をコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−62)COL9A2をコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−63)DEFA4をコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−64)LTFをコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−65)SEC23Bをコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−66)VSIG4をコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−67)DEFA1をコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−68)CD163をコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−69)RUNDC3Aをコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−70)CAMPをコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−71)LCN2をコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−72)HDAC9をコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−73)CD24をコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
(c−74)IL1R2をコードする核酸にハイブリダイズしうるオリゴ/ポリヌクレオチド
上記(c−1)〜(c−74)において、タンパク質をコードする核酸の例には、mRNA、cDNA、cRNAなどが含まれる。オリゴ/ポリヌクレオチドを構成するヌクレオチドは、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチドおよび非天然型ヌクレオチドのいずれであってもよい。オリゴ/ポリヌクレオチドの塩基長は、特に限定されず、転写産物の量を測定する方法に応じて適宜設定すればよい。
上記各オリゴ/ポリヌクレオチドの塩基配列は、各オリゴ/ポリヌクレオチドがハイブリダイズしうる核酸の塩基配列に基づいて設計すればよい。例えば、上記a群およびb群に属する各遺伝子からコード領域(CDS)を選択し、当該領域にハイブリダイズするようにオリゴ/ポリヌクレオチドの塩基配列を設計すればよい。また、コード領域の5'末端側または3'末端側に隣接する領域にハイブリダイズしうるように、あるいはコード領域からその5'末端側または3'末端側に隣接する領域にわたる領域にハイブリダイズしうるように設計してもよい。設計したオリゴ/ポリヌクレオチドについては、実際にプライマーやプローブとして利用して、目的とする核酸にハイブリダイズするか否かを確認することが好ましい。上記各オリゴ/ポリヌクレオチドには、制限酵素認識配列、タグ、蛍光色素、ラジオアイソトープなどの標識を付加してもよい。
サンプル中の翻訳産物(タンパク質、ポリペプチドまたはこれらの断片)の量を測定するには、抗体またはその断片を用いたウェスタンブロッティング法や免疫沈降法、ELISA法などの公知のタンパク質解析技術を用いて測定すればよい。タンパク質解析技術を用いて上記各遺伝子の発現量を測定する場合、上記(a−1)〜(a−59)の遺伝子に対しては以下の(d−1)〜(d−59)の抗体またはその断片を、上記(b−1)〜(b−15)の遺伝子に対しては以下の(d−60)〜(d−74)の抗体またはその断片を用いることができる。
[d群]
(d−1)CLCに反応しうる抗体またはその断片
(d−2)IFIT1に反応しうる抗体またはその断片
(d−3)IFIT3に反応しうる抗体またはその断片
(d−4)CCR3に反応しうる抗体またはその断片
(d−5)HERC5に反応しうる抗体またはその断片
(d−6)NGFRAP1に反応しうる抗体またはその断片
(d−7)TNFSF10に反応しうる抗体またはその断片
(d−8)FGL2に反応しうる抗体またはその断片
(d−9)MX1に反応しうる抗体またはその断片
(d−10)CCR1に反応しうる抗体またはその断片
(d−11)EMR1に反応しうる抗体またはその断片
(d−12)XIAP関連因子−1に反応しうる抗体またはその断片
(d−13)OASLに反応しうる抗体またはその断片
(d−14)OAS1に反応しうる抗体またはその断片
(d−15)IFIT5に反応しうる抗体またはその断片
(d−16)WSB2に反応しうる抗体またはその断片
(d−17)FFAR2に反応しうる抗体またはその断片
(d−18)ISG15に反応しうる抗体またはその断片
(d−19)HIST1H3Hに反応しうる抗体またはその断片
(d−20)IFI6に反応しうる抗体またはその断片
(d−21)CTSL1に反応しうる抗体またはその断片
(d−22)GBP1に反応しうる抗体またはその断片
(d−23)IRF7に反応しうる抗体またはその断片
(d−24)HIST2H2BEに反応しうる抗体またはその断片
(d−25)IFIH1に反応しうる抗体またはその断片
(d−26)MMDに反応しうる抗体またはその断片
(d−27)CD36に反応しうる抗体またはその断片
(d−28)MT2Aに反応しうる抗体またはその断片
(d−29)PSMB9に反応しうる抗体またはその断片
(d−30)PLSCR1に反応しうる抗体またはその断片
(d−31)OAS2に反応しうる抗体またはその断片
(d−32)EIF2AK2に反応しうる抗体またはその断片
(d−33)LTBに反応しうる抗体またはその断片
(d−34)MS4A4Aに反応しうる抗体またはその断片
(d−35)ADMに反応しうる抗体またはその断片
(d−36)OAS3に反応しうる抗体またはその断片
(d−37)SLAMF7に反応しうる抗体またはその断片
(d−38)DDX58に反応しうる抗体またはその断片
(d−39)GNG11に反応しうる抗体またはその断片
(d−40)TSC22D1に反応しうる抗体またはその断片
(d−41)HIST1H2BDに反応しうる抗体またはその断片
(d−42)IFITM3に反応しうる抗体またはその断片
(d−43)UBE2L6に反応しうる抗体またはその断片
(d−44)H2BFSに反応しうる抗体またはその断片
(d−45)CATに反応しうる抗体またはその断片
(d−46)SCO2に反応しうる抗体またはその断片
(d−47)PSME2に反応しうる抗体またはその断片
(d−48)STAT1に反応しうる抗体またはその断片
(d−49)MTHFD2に反応しうる抗体またはその断片
(d−50)MT1Xに反応しうる抗体またはその断片
(d−51)TGFAに反応しうる抗体またはその断片
(d−52)GPR109Bに反応しうる抗体またはその断片
(d−53)HIST1H3Dに反応しうる抗体またはその断片
(d−54)IFI44Lに反応しうる抗体またはその断片
(d−55)F13A1に反応しうる抗体またはその断片
(d−56)CX3CR1に反応しうる抗体またはその断片
(d−57)FCGR1Aに反応しうる抗体またはその断片
(d−58)IL1Bに反応しうる抗体またはその断片
(d−59)ARRB1に反応しうる抗体またはその断片
(d−60)ADAM28に反応しうる抗体またはその断片
(d−61)CEACAM8に反応しうる抗体またはその断片
(d−62)COL9A2に反応しうる抗体またはその断片
(d−63)DEFA4に反応しうる抗体またはその断片
(d−64)LTFに反応しうる抗体またはその断片
(d−65)SEC23Bに反応しうる抗体またはその断片
(d−66)VSIG4に反応しうる抗体またはその断片
(d−67)DEFA1に反応しうる抗体またはその断片
(d−68)CD163に反応しうる抗体またはその断片
(d−69)RUNDC3Aに反応しうる抗体またはその断片
(d−70)CAMPに反応しうる抗体またはその断片
(d−71)LCN2に反応しうる抗体またはその断片
(d−72)HDAC9に反応しうる抗体またはその断片
(d−73)CD24に反応しうる抗体またはその断片
(d−74)IL1R2に反応しうる抗体またはその断片
上記(d−1)〜(d−74)において、抗体の例には、モノクローナル抗体およびポリクローナル抗体が含まれる。また、抗体の断片の例には、Fab断片、F(ab)’断片、単鎖抗体(scFv)などが含まれる。各抗体(またはその断片)は、目的のタンパク質には反応するが、血液に含まれる他のタンパク質には反応しないことが好ましい。上記(d−1)〜(d−74)の抗体を調製する方法は、特に限定されず、当業者に公知の方法を用いて調製すればよい。
抗体またはその断片を用いて翻訳産物の量を測定する際には、例えば、放射能免疫測定法(RIA)、酵素免疫測定法(EIA)、化学発光測定法(CLIA)、蛍光免疫測定法(FIA)などを利用すればよい。具体的には、物理吸着や化学結合などにより抗体を結合させた固相担体(例えば、イムノプレートやラテックス粒子など)を用いてサンプル中の目的とする翻訳産物を捕捉した後、固相担体に固定化した抗体とは抗原認識部位が異なる標識化抗体(酵素や蛍光物質などで標識した抗体)を用いて捕捉された翻訳産物を定量すればよい。
また、翻訳産物の活性を測定することによって翻訳産物の量を測定してもよい。翻訳産物の活性は、例えば、当該翻訳産物に反応し得る抗体またはその断片を利用したウェスタンブロッティング法、ELISA法などの公知の方法によって測定することができる。
以下、本発明の治療効果の予測方法の一実施の形態(DNAマイクロアレイを用いた方法)について説明するが、本発明の治療効果の予測方法はこの実施の形態に限定されるわけではない。例えば、実施例に示すようにリアルタイムPCR法を用いても本発明の治療効果の予測方法を実施することが可能である。
以下の説明では、上記c群に含まれるオリゴ/ポリヌクレオチドから選択される2種類以上のオリゴ/ポリヌクレオチドが固定されたDNAマイクロアレイがあらかじめ準備されているものとする。
まず、治療を開始する前に、自己免疫疾患に罹患している被験者から血液を採取する。なお、一回目の採血を行うタイミングは、治療開始前に行うのが好ましいが、治療の効果が現れる前であれば特に限定されず、治療開始後(例えば、治療開始直後)であってもよい。以下、このときに採取した血液を「第一のサンプル」という。
次いで、当該被験者に対し治療を開始する。例えば、被験者がMPO−ANCA関連血管炎(顕微鏡的多発血管炎)に罹患している場合は、シクロホスファミドとメチルプレドニゾロン(またはプレドニゾロン)の併用投与を開始する(非特許文献1参照)。
次いで、治療を開始してから1週間後に、被験者から再び血液を採取する。なお、二回目の採血を行うタイミングは、治療の効果が現れた後であれば特に限定されず、例えば治療を開始してから3日後であってもよい。以下、このときに採取した血液を「第二のサンプル」という。
次いで、第一のサンプル(治療開始前の血液)からmRNAを抽出し、抽出したmRNAを鋳型としてcDNAを調製し、調製したcDNAを蛍光標識する。DNAマイクロアレイ上に蛍光標識されたcDNAを含む溶液を提供して、DNAマイクロアレイ上のプローブ(オリゴ/ポリヌクレオチド)とcDNAとをハイブリダイズさせる。ハイブリダイゼーション終了後、DNAマイクロアレイの各スポットにおける蛍光強度をスキャナを用いて測定し、第一のサンプルにおける各遺伝子(上記a群およびb群に含まれる遺伝子)の発現量を測定する。
同様に、第二のサンプル(治療開始後の血液)から蛍光標識されたcDNAを調製し、DNAマイクロアレイ上のプローブ(オリゴ/ポリヌクレオチド)とcDNAとをハイブリダイズさせ、第二のサンプルにおける各遺伝子(上記a群およびb群に含まれる遺伝子)の発現量を測定する。
次いで、各遺伝子の発現量を第一のサンプルと第二のサンプルとで比較する。その結果、上記a群に含まれる遺伝子のそれぞれについて、第二のサンプルにおける発現量が第一のサンプルにおける発現量に比べて減少しているときは、被験者に対して行った治療がその被験者に対して効果があると予測する。同様に、上記b群に含まれる遺伝子について、第二のサンプルにおける発現量が第一のサンプルにおける発現量に比べて増加しているときは、当該治療がその被験者に対して効果があると予測する。
以上のように、本発明の治療効果の予測方法は、被験者の血液における上記a群およびb群からなる群から選択される1種類または2種類以上の遺伝子の発現量を指標とすることで、自己免疫疾患の被験者に対して薬剤を投与した際に、当該薬剤が当該被験者に対して有効であるか否かを早期に予測することができる。これにより、当該被験者の治療にあたる医師は、この予測結果に基づいて、当該薬剤を当該被験者に使用するか否かを早期に適切に判断することができる。
2.本発明のスクリーニング方法
本発明のスクリーニング方法は、自己免疫疾患のモデル動物に試験物質を投与するステップと、前記試験物質の前記自己免疫疾患に対する治療効果を判定するステップとを含む、自己免疫疾患に対して治療効果を有する物質のスクリーニング方法であって、前記モデル動物から採取したサンプルにおける上記a群およびb群からなる群から選択される1種類または2種類以上の遺伝子の発現量を指標として前記試験物質の治療効果を判定することを特徴とする。
本発明のスクリーニング方法において指標とする遺伝子は、a群およびb群からなる群から選択される1種類または2種類以上の遺伝子であれば特に限定されないが、前述の統計学的優位性に基づいて指標とする遺伝子を選択してもよい。この場合、本発明のスクリーニング方法において指標とする遺伝子は、p値が小さいものを選択することが好ましく、例えばp<0.03の遺伝子を選択してもよいし、p<0.01の遺伝子を選択してもよい。例えば、p値が小さい(p<0.032)以下の16遺伝子の発現量を指標としてもよい。
(a−1)CLCをコードする遺伝子
(a−2)IFIT1をコードする遺伝子
(a−4)CCR3をコードする遺伝子
(a−11)EMR1をコードする遺伝子
(a−13)OASLをコードする遺伝子
(a−15)IFIT5をコードする遺伝子
(a−17)FFAR2をコードする遺伝子
(a−19)HIST1H3Hをコードする遺伝子
(a−21)CTSL1をコードする遺伝子
(a−24)HIST2H2BEをコードする遺伝子
(a−31)OAS2をコードする遺伝子
(a−33)LTBをコードする遺伝子
(a−35)ADMをコードする遺伝子
(b−1)ADAM28をコードする遺伝子
(b−2)CEACAM8をコードする遺伝子
(b−3)COL9A2をコードする遺伝子
試験物質を投与する自己免疫疾患のモデル動物は、特に限定されず、公知の自己免疫疾患のモデル動物を用いることができる。対象とする疾患は、自己免疫疾患であれば特に限定されない。自己免疫疾患の例には血管炎症候群が含まれ、血管炎症候群の例にはMPO−ANCA関連血管炎が含まれる。モデル動物の種は、ヒト以外であれば特に限定されず、ラット、マウス、モルモット、ウサギなどを用いることができる。
試験物質の種類は、特に限定されず、例えば、高分子化合物、低分子化合物、抗体、タンパク質、ペプチド、核酸、糖質、無機塩類、金属錯体、これらの複合体などであればよい。
上記各遺伝子の発現量を調べるサンプル(検体)は、特に限定されないが、血液(末梢血)が好ましい。血液は、モデル動物に負担をかけることなく容易に採取可能であるからである。血液における遺伝子の発現量を調べる際には、採取した血液から白血球(好中球、好酸球、好塩基球、リンパ球および単球)を分離してもよいが、採取した血液をそのまま発現量の解析に用いてもよい。
上記各遺伝子の発現量を指標として試験物質の自己免疫疾患に対する治療の効果を判定するには、例えば、試験物質を投与してから所定の時間(例えば、1週間)が経過した時の遺伝子の発現量と、その時より前の所定の時(例えば、投与開始直前)の遺伝子の発現量とを比較すればよい。上記a群に含まれる遺伝子は、自己免疫疾患の症状が改善すると発現量が減少する遺伝子であり、上記b群に含まれる遺伝子は、自己免疫疾患の症状が改善すると発現量が増加する遺伝子である。したがって、上記a群に含まれる遺伝子について、試験物質を投与してから所定の時間が経過した時の遺伝子の発現量が、その時より前の所定の時の遺伝子の発現量に比べて減少しているときは、当該試験物質が自己免疫疾患に対して効果があると判定する。同様に、上記b群に含まれる遺伝子について、試験物質を投与してから所定の時間が経過した時の遺伝子の発現量が、その時より前の所定の時の遺伝子の発現量に比べて増加しているときは、当該試験物質が自己免疫疾患に対して効果があると判定する。また、各遺伝子の発現量の変化が治療効果の判定に及ぼす影響に着目して判定式を求め、当該判定式を用いて治療の効果を判定してもよい。
上記各遺伝子の発現量の変化を調べるには、前述の通り、モデル動物から採取したサンプル中の転写産物(mRNA)または翻訳産物(タンパク質、ポリペプチドまたはこれらの断片)の量を測定すればよい。
以下、本発明のスクリーニング方法の一実施の形態(DNAマイクロアレイを用いた方法)について説明するが、本発明のスクリーニング方法はこの実施の形態に限定されるわけではない。例えば、リアルタイムPCR法を用いても本発明のスクリーニング方法を実施することが可能である。
以下の説明では、上記c群に含まれるオリゴ/ポリヌクレオチドから選択される2種類以上のオリゴ/ポリヌクレオチドが固定されたDNAマイクロアレイがあらかじめ準備されているものとする。
まず、試験物質を投与する前に、自己免疫疾患のモデル動物から血液を採取する。なお、一回目の採血を行うタイミングは、試験物質を投与する前に行うのが好ましいが、試験物質の効果が現れる前であれば特に限定されず、試験物質を投与した後(例えば、試験物質の投与直後)であってもよい。以下、このときに採取した血液を「第一のサンプル」という。
次いで、当該モデル動物に対し試験物質を投与する。試験物質を投与してから1週間後に、モデル動物から再び血液を採取する。なお、二回目の採血を行うタイミングは、試験物質の効果が現れた後であれば特に限定されず、例えば2週間後であってもよい。以下、このときに採取した血液を「第二のサンプル」という。
次いで、第一のサンプル(試験物質を投与する前の血液)から蛍光標識されたcDNAを調製し、DNAマイクロアレイ上のプローブ(オリゴ/ポリヌクレオチド)とcDNAとをハイブリダイズさせ、第一のサンプルにおける各遺伝子の発現量を測定する。同様に、第二のサンプル(試験物質を投与した後の血液)から蛍光標識されたcDNAを調製し、DNAマイクロアレイ上のプローブ(オリゴ/ポリヌクレオチド)とcDNAとをハイブリダイズさせ、第二のサンプルにおける各遺伝子の発現量を測定する。
次いで、各遺伝子の発現量を第一のサンプルと第二のサンプルとで比較する。その結果、上記a群に含まれる遺伝子のそれぞれについて、第二のサンプルにおける発現量が第一のサンプルにおける発現量に比べて減少しているときは、モデル動物に投与した試験物質が当該自己免疫疾患に対して効果があると判定する。同様に、上記b群に含まれる遺伝子について、第二のサンプルにおける発現量が第一のサンプルにおける発現量に比べて増加しているときは、モデル動物に投与した試験物質が当該自己免疫疾患に対して効果があると判定する。
以上のように、本発明のスクリーニング方法は、モデル動物の血液における上記a群およびb群からなる群から選択される1種類または2種類以上の遺伝子の発現量を指標とすることで、自己免疫疾患に対して治療効果を有する物質を迅速にスクリーニングすることができる。
3.本発明のオリゴ/ポリヌクレオチドアレイ
本発明のオリゴ/ポリヌクレオチドアレイは、支持体と、前記支持体に固定された2種類以上のオリゴ/ポリヌクレオチドとを有するオリゴ/ポリヌクレオチドアレイであって、前記オリゴ/ポリヌクレオチドは、上記c群から選択されることを特徴とする。
本発明のオリゴ/ポリヌクレオチドアレイは、c群から選択される2種類以上のオリゴ/ポリヌクレオチドであれば特に限定されないが、対応する遺伝子の統計学的優位性(図4〜図6参照)に基づいて選択してもよい。この場合、支持体に固定されるオリゴ/ポリヌクレオチドは、対応する遺伝子のp値が小さいものを選択することが好ましく、例えばp<0.03の遺伝子に対応するオリゴ/ポリヌクレオチドを選択してもよいし、p<0.01の遺伝子に対応するオリゴ/ポリヌクレオチドを選択してもよい。
支持体の材質は、上記治療効果の予測方法およびスクリーニング方法において使用される各種液体に対して不溶性であれば特に限定されず、例えば、ガラスやプラスチック、金属、セラミックス、これらの複合材料などであればよい。支持体の形状は、特に限定されず、例えば、平板状であればよい。
上記c群に含まれるオリゴ/ポリヌクレオチドは、その種類((c−1)〜(c−74)のいずれであるか)を支持体上の位置に基づいて識別できるように支持体上に固定されることが好ましい。支持体に固定されるオリゴ/ポリヌクレオチドの量は、目的とする遺伝子の発現量を測定できれば特に限定されない。オリゴ/ポリヌクレオチドを支持体上に固定する方法は、特に限定されず、当業者に公知の技術を用いればよい。例えば、オリゴ/ポリヌクレオチドは、例えば、静電結合、共有結合、タンパク質−タンパク質相互作用、タンパク質−低分子相互作用等を利用して支持体の表面に固定すればよい。
以上のように、本発明のオリゴ/ポリヌクレオチドアレイは、上記c群に含まれるオリゴ/ポリヌクレオチドを2種類以上固定しており、上記a群およびb群に含まれる複数種類の遺伝子について発現量の解析を同時に並行して行うことができるため、上記治療効果の予測方法およびスクリーニング方法を迅速に行うことができる。
以下、本発明を実施例を参照して詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されない。
本実施例では、74遺伝子の中から予後を予測するのに最適と思われる遺伝子(群)を抽出し、当該遺伝子(群)を指標として血管炎症候群の患者の予後を予測した例を示す。
1.検体の調製
血管炎症候群(MPO−ANCA関連血管炎)の患者25症例について、MPO−ANCA関連血管炎の標準的治療(前述)を開始する前と、治療を開始してから1週間後に各患者から採血して検体(末梢血10ml)を得た。これら50検体のそれぞれからPAXgene Blood RNA system(日本ベクトン・ディッキンソン株式会社)を用いてRNAを抽出した。
2.最適遺伝子の抽出および予測式の決定
(LDA解析)
a群およびb群の74遺伝子のうちp値が小さい44遺伝子(a−1〜a−36、b−1〜b−8:ターゲット遺伝子)および精度管理のための4遺伝子(内在性コントロール遺伝子)のプライマー/プローブセットを充填した384ウェルプレート(TaqMan Low Density Arrays:アプライドバイオシステムズ社)を準備した。用いた内在性コントロール遺伝子は、以下の4遺伝子である。
・ACTB(Actin, beta)遺伝子
・GAPDH(Glyceraldehyde-3-phosphate dehydrogenase)遺伝子
・18S(Ribosomal RNA 18S)をコードする遺伝子
・HPRT1(Hypoxanthine phosphoribosyltransferase)遺伝子
このプレートを用いて、50サンプルのそれぞれについて各遺伝子のCt(Threshold Cycle)値をリアルタイムPCR法により測定した。これらの実験方法は、すべて推奨されるプロトコールに従って行った。
各サンプルについて、ターゲット遺伝子(44遺伝子)のCt値から内在性コントロール遺伝子のCt値を引いて、ターゲット遺伝子それぞれのΔCt値を算出した。今回は、最もサンプル間で変動が少なかったACTB遺伝子を内在性コントロール遺伝子として選択した。さらに、各症例について、治療後のサンプル(ターゲットサンプル)のΔCt値から治療前のサンプル(基準サンプル)のΔCt値を引いて、各ターゲット遺伝子のΔΔCt値を算出した。得られたΔΔCt値を以下の式に代入して、各ターゲット遺伝子のシグナル値(相対的発現量)を算出した(比較Ct法)。このシグナル値は、治療前のサンプル(基準サンプル)における発現量を「1」としたときの、治療後のサンプル(ターゲットサンプル)における相対的な発現量を意味する。

シグナル値(相対的発現量)=2−ΔΔCt
(重回帰分析)
48遺伝子のうち内在性コントロール遺伝子として用いたACTB遺伝子を除く47遺伝子から16遺伝子を無作為に選択し、選択した遺伝子のシグナル値(2−ΔΔCt)を説明変数とし、同一症例の予後を目的変数として重回帰分析(最小二乗法)を実施した。このとき、予後を表す「寛解」を「0」、「非寛解」を「1」と設定したダミー変数を目的変数とした。
選択した16遺伝子のそれぞれについて予後(目的変数)に与える影響度を算出した。選択した16遺伝子から影響度が最小の遺伝子を除き、解析に加えなかった他の任意の遺伝子を加えて(置換し)、再度重回帰分析を実施した。この操作を置換する遺伝子が無くなるまで繰り返し実施した。置換する遺伝子が無くなった後は、影響度が最小の遺伝子を除いた上で再度重回帰分析を繰り返し、最終的に説明変数が1つになるまで重回帰分析を行った(変数増減法)。
得られた46の回帰式(回帰式1〜46)のそれぞれについてRu(説明変数選択基準)およびAIC(赤池の情報量基準)を算出し、最適な回帰式(予測精度の最も高い予測式)を決定した。最適な(Ruが最大かつAICが最小である)回帰式を以下に示す。予後を予測したい患者の各遺伝子のシグナル値(2−ΔΔCt)を以下の予測式(回帰式25)に代入することで、予後の予測値を算出することができる。この予測値は、0に近いときは寛解の可能性が高いことを意味し、1に近いときは非寛解の可能性が高いことを意味する。
[回帰式25]
予後=0.146798412
+(−0.051782469)×(ADAM28遺伝子の2−ΔΔCt
+(1.256153098)×(ADM遺伝子の2−ΔΔCt
+(0.231899078)×(CCR3遺伝子の2−ΔΔCt
+(0.639838691)×(CLC遺伝子の2−ΔΔCt
+(0.078500847)×(COL9A2遺伝子の2−ΔΔCt
+(1.294981065)×(CTSL1遺伝子の2−ΔΔCt
+(−0.886331118)×(EMR1遺伝子の2−ΔΔCt
+(−0.440652266)×(FFAR2遺伝子の2−ΔΔCt
+(−0.839871298)×(HIST1H3H遺伝子の2−ΔΔCt
+(−0.666723272)×(HIST2H2BE遺伝子の2−ΔΔCt
+(−0.9782333)×(IFIT1遺伝子の2−ΔΔCt
+(0.656838725)×(IFIT5遺伝子の2−ΔΔCt
+(−0.40414372)×(LTB遺伝子の2−ΔΔCt
+(−0.015477967)×(CEACAM8遺伝子の2−ΔΔCt
+(0.390821135)×(OAS2遺伝子の2−ΔΔCt
+(0.555560415)×(OASL遺伝子の2−ΔΔCt
3.予後の予測
16遺伝子の発現量を指標とする上記予測式を用いて、前述の25症例について予後を予測した。各遺伝子のΔΔCt値を算出する際には、ACTB遺伝子を内在性コントロール遺伝子とし、同一症例の治療前の全血RNAを基準サンプルとした。
図12は、25症例について算出された予後の予測値(横軸)と、実際の予後(寛解0/非寛解1:縦軸)との関係を示すグラフである。このグラフから、R(重決定)=0.977と非常に高い相関を持って予後を予測できることがわかる。
本発明は、例えばDNAマイクロアレイ(DNAチップ)やその関連機器の製造業に有用である。
サンプルを得た血管炎症候群の重症患者20症例の予後を示す表 抽出した74遺伝子の治療前後の発現量の変化を示すグラフ 抽出した74遺伝子のクラスタリングの結果を示す図 抽出した74遺伝子のうちの30遺伝子(a−1〜a−30)の名称、発現変化、変動量およびp値を示す表 抽出した74遺伝子のうちの29遺伝子(a−31〜a−59)の名称、発現変化、変動量およびp値を示す表 抽出した74遺伝子のうちの15遺伝子(b−1〜b−15)の名称、発現変化、変動量およびp値を示す表 本発明の治療効果の予測方法およびスクリーニング方法において指標としうる74遺伝子のうちの15遺伝子(a−1〜a−15)の名称、アクセッション番号およびRefSeqを示す表 本発明の治療効果の予測方法およびスクリーニング方法において指標としうる74遺伝子のうちの15遺伝子(a−16〜a−30)の名称、アクセッション番号およびRefSeqを示す表 本発明の治療効果の予測方法およびスクリーニング方法において指標としうる74遺伝子のうちの15遺伝子(a−31〜a−45)の名称、アクセッション番号およびRefSeqを示す表 本発明の治療効果の予測方法およびスクリーニング方法において指標としうる74遺伝子のうちの14遺伝子(a−46〜a−59)の名称、アクセッション番号およびRefSeqを示す表 本発明の治療効果の予測方法およびスクリーニング方法において指標とする遺伝子(b−1〜a−15)の名称、アクセッション番号およびRefSeqを示す表 実施例の結果を示すグラフ

Claims (7)

  1. 治療を受けたMPO−ANCA関連血管炎の被験者から採取された血液における遺伝子の発現量を指標として、前記被験者に対する前記治療の効果を予測する材料を提供する方法であって、
    前記遺伝子は、以下の(a−1)〜(a−35)および(b−1)〜(b−)からなる群から選択される1種類または2種類以上の遺伝子である、
    治療の効果を予測する材料を提供する方法。
    (a−1)CLCをコードする遺伝子
    (a−2)IFIT1をコードする遺伝
    (a−4)CCR3をコードする遺伝
    (a−11)EMR1をコードする遺伝
    (a−13)OASLをコードする遺伝
    (a−15)IFIT5をコードする遺伝
    (a−17)FFAR2をコードする遺伝
    (a−19)HIST1H3Hをコードする遺伝
    (a−21)CTSL1をコードする遺伝
    (a−24)HIST2H2BEをコードする遺伝
    (a−31)OAS2をコードする遺伝
    (a−33)LTBをコードする遺伝
    (a−35)ADMをコードする遺伝
    (b−1)ADAM28をコードする遺伝子
    (b−2)CEACAM8をコードする遺伝子
    (b−3)COL9A2をコードする遺伝
  2. 前記(a−1)〜(a−35)から選択された1種類または2種類以上の遺伝子の発現量を指標とする方法であって、前記治療を受けてから所定の時間が経過した時の遺伝子の発現量が、その時より前の所定の時の遺伝子の発現量に比べて減少しているときに、前記治療が前記被験者に対して有効であると予測する材料を提供する、請求項1に記載の治療の効果を予測する材料を提供する方法。
  3. 前記(b−1)〜(b−)から選択された1種類または2種類以上の遺伝子の発現量を指標とする方法であって、前記治療を受けてから所定の時間が経過した時の遺伝子の発現量が、その時より前の所定の時の遺伝子の発現量に比べて増加しているときに、前記治療が前記被験者に対して有効であると予測する材料を提供する、請求項1に記載の治療の効果を予測する材料を提供する方法。
  4. 前記(a−1)〜(a−35)および(b−1)〜(b−3)からなる群の16種類すべての遺伝子の発現量を指標とする、請求項1に記載の治療の効果を予測する材料を提供する方法。
  5. 前記治療は、薬剤の投与である、請求項1に記載の治療の効果を予測する材料を提供する方法。
  6. 前記薬剤は、免疫抑制剤、ステロイド系薬剤または生物学的製剤である、請求項に記載の治療の効果を予測する材料を提供する方法。
  7. 前記薬剤の投与は、免疫抑制剤の投与およびステロイド系薬剤の投与の組み合わせであり、
    前記免疫抑制剤は、シクロホスファミドであり、
    前記ステロイド系薬剤は、メチルプレドニゾロンまたはプレドニゾロンである、
    請求項に記載の治療の効果を予測する材料を提供する方法。
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