JP5432634B2 - シール装置用の試験装置 - Google Patents

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Description

本発明は、回転軸に用いるシール装置の性能試験を行う試験装置に関する。
回転軸に用いるシール装置(回転軸に取り付けるシールライナと、その外周に位置する静止体に取り付けるシールリングとからなるシール装置)は様々な機械に使用されており、船舶の旋回式スラスタ(以下、「アジマススラスタ」という)への使用はその一例である。図1は、アジマススラスタ1にシール装置2を組み込んだ構造図である。アジマススラスタ1は、推進力を発生するプロペラ3を支持する装置であって、船底に設けられている。また、アジマススラスタ1は旋回モータ4によって360度にわたって正逆両回転方向に旋回(回転)できるように構成されており、アジマススラスタ1を回転することにより船舶の進行方向を変更することができる。そして、アジマススラスタ1を支持する旋回輪軸受5やこれを旋回させる旋回モータ4の一部は、磨耗による破損を防止するため、オイルが充填されたオイルケース6内に収容されている。
以上のようなアジマススラスタ1に用いるシール装置は、シールライナ7とシールリング8からなる。このうちシールライナ7はアジマススラスタ1と結合する回転軸9に設けられており、シールリング8はオイルケース6に設けられている。また、シールリングは3つのリップシール10を有しており、これらのリップシール10がシールライナ7に接触することで、回転軸9とオイルケース6の隙間をシールしている。これにより、オイルケース6内のオイルが外部に漏れるのを防止することができ、また、海水がオイルケース6の内部に浸入するのを防止することができる。
特許文献1には、このような回転軸に用いるシール装置用の試験装置が記載されている。特許文献1に記載のシール装置は図1に図示するものとは同一ではないが、回転軸に用いるシール装置用の試験装置は、特許文献1に示すように、回転中心を一定にしたまま回転軸を回転させ、シール装置によってシールする箇所からの漏れ量を検出するように構成されているのが一般的である。
特開2005−315736号公報
回転軸に用いるシール装置は、長期間にわたって安定した品質が維持できること、シールの耐圧性能が優れていることが要求される。そして、シール装置が図1のように使用される場合は、上記の要求に加え、回転軸の傾きの許容角度や偏心幅の許容量が大きいことが要求される。これは、海象条件によって回転軸(シールライナ)はシール装置(シールリング)に対して大きく偏心するからであり、さらに、回転軸は直径が1000ミリメートル以上にもなる大直径であることから、回転軸の傾き角度や偏心量がわずかであっても、回転軸とオイルケースの間には大きな隙間が生じるからである。また、各部品を組み立てる際にも組立誤差が生じる可能性もあり、その場合にも回転軸はシール装置に対して偏心する。以上の点をふまえると、回転軸の回転中心が変化しない従来の試験装置では、図1に示すようなアジマススラスタに用いるシール装置の漏れ試験やシール装置に使用されているリップシールの変形・疲労・強度試験などの性能試験を行う試験装置としては不十分である。
本発明は上記のような課題を解決するためになされたものであって、シール装置の実際の使用条件に合わせて性能試験を行うことができるシール装置用の試験装置を提供することを目的とする。
本発明は上記のような課題を解決するためになされたものであって、本発明に係るシール装置用の試験装置は、内側に位置するシールライナと外側に位置するシールリングからなるシール装置を被試験体とする試験装置であって、前記シールライナの中心が回転中心に一致するよう前記シールライナを固定する回転軸と、前記回転軸が貫通する可動開口部が形成され、前記可動開口部に前記シールリングが固定される可動部材と、前記可動部材を回転可能に保持する静止部材と、を備え、前記可動部材の回転中心が前記可動開口部の中心から離れるように構成されている。
かかる構成によれば、可動部材の回転中心は可動開口部の中心から離れているため、可動部材を回転させると、可動開口部の中心は可動部材の回転中心を中心とする弧を描いて移動する。そのため、可動部材を回転させることにより、可動開口部を貫通する回転軸の回転中心から可動開口部の中心を離しながら性能試験を行うことができる。つまり、シールライナとシールリングとの相対位置を変化させつつ性能試験を行うことができる。
また、上記のシール装置用の試験装置において、前記可動部材には回転中心を中心とする同一円上に複数の長孔が形成されており、前記静止部材は前記長孔を貫通する係止部材を複数有し、前記係止部材は前記可動部材の前記長孔周辺に係止するように構成してもよい。かかる構成によれば、係止部材が可動部材の長孔周辺に係止しているため、可動部材を静止部材から取り外すことなく、可動部材を静止部材に対して回転させることができる。
また、上記のシール装置用の試験装置において、前記係止部材は雄ねじが形成された取付ボルトであって、前記静止部材には前記取付ボルトに対応して雌ねじが形成されており、前記取付ボルトの雄ねじを前記雌ねじにねじ込むことで、前記可動部材を前記静止部材に固定できるようにしてもよい。かかる構成によれば、係止部材であるボルトを緩めることにより単に可動部材の長孔周辺に係止する状態をとることもでき、また、締めることにより可動部材を静止部材に固定する固定状態をとることもできる。
上記のシール装置用の試験装置において、ジャッキプレートと、ジャッキボルト取付座と、ジャッキボルトとを有する位置決め装置をさらに備え、前記可動部材及び前記静止部材のうち一方には前記ジャッキプレートが設けられるとともに、他方には前記ジャッキボルト取付座が設けられており、前記ジャッキボルトを前記ジャッキボルト取付座にねじ込むと、前記ジャッキボルトの先端が前記ジャッキプレートに当接し、前記可動部材が前記静止部材に対して回転するようにしてもよい。かかる構成によれば、ジャッキボルトの軸方向への移動量は精度よく調整することができるため、回転部材の回転方向における位置決めを正確に行うことができる。
上記のシール装置用の試験装置において、本体と該本体に対して進退可能なピストンを有するアクチュエータをさらに備え、前記アクチュエータの本体は前記静止部材又は前記静止部材に対して変位しない静止体に固定されており、前記アクチュエータのピストンは前記可動部材に連結されるようにしてもよい。かかる構成によれば、可動部材の正逆いずれの回転方向にも回転させることができる。
上記のシール装置用の試験装置において、前記回転軸を支持する旋回輪軸受と、前記旋回輪軸受を介して前記回転軸を回転する回転モータと、前記回転軸に取り付けられたラジアル軸受と、前記ラジアル軸受を介して前記回転軸に半径方向の負荷を加えるラジアル負荷装置と、をさらに備えるようにしてもよい。かかる構成によれば、上記のように回転軸の回転中心から可動開口部の中心が離れるように設定するだけでなく、回転軸を回転させ、かつ、回転軸を傾斜させながら性能試験を行うことができる。
上記のシール装置用の試験装置において、前記回転軸に取付けられたスラスト軸受と、前記スラスト軸受を介して前記回転軸に軸方向の負荷を加えるスラスト負荷装置と、をさらに備えるようにしてもよい。かかる構成によれば、さらに回転軸を上下方向に移動させながら性能試験を行うことができる。
本発明に係るシール装置用の試験装置によれば、シールライナとシールリングとの相対位置を変化させつつ性能試験を行うことができる。そのため、シール装置の実際の使用条件に合わせて性能試験を行うことができる。
アジマススラスタにシール装置を組み込んだ構造図である。 本発明の第1実施形態に係る試験装置の縦断面図である。 本発明の第1実施形態に係る静止部材及び可動部材の底面図であって、図2のIII−III矢視図である。 本発明の第1実施形態に係る静止部材及び可動部材の底面図であって、可動部材を10度回転させた状態の図である。 本発明の第1実施形態に係る静止部材及び可動部材の底面図であって、可動部材を20度回転させた状態の図である。 本発明の第1実施形態に係るシール装置付近を拡大した正面図であり、(a)は図3に示す状態の図であり、(b)は図5に示す状態の図である。 本発明の第2実施形態に係る静止部材及び可動部材の底面図であって、(a)は図3に相当する図であり、(b)は図5に相当する図である。 本発明の第3実施形態に係る静止部材及び可動部材の底面図であって、図4に相当する図である。
以下、本発明に係るシール装置用の試験装置の実施形態について図を参照しながら説明する。以下では、全ての図面を通じて同一又は相当する要素には同じ符号を付して、重複する説明は省略する。
(第1実施形態)
まず、図2乃至図6を参照しながら、本発明の第1実施形態に係るシール装置用の試験装置100について説明する。なお、図2中、紙面上下方向が鉛直方向であり、紙面左右方向が水平方向である。また、以下で単に「中心」というときは平面視における図形上の中心を意味し、「回転軸」というときは回転する物体そのものを意味し、また「回転中心」というときは回転体の回転の中心を意味するものとする。
図2に示すように、本実施形態に係る試験装置100は、架台21と、旋回輪軸受22と、回転軸23と、旋回モータ24と、スラスト負荷装置25と、ラジアル負荷装置26と、静止部材27と、可動部材28と、位置決め装置29と、を備えている。以下、これらの構成について順に説明する。
架台21は、試験装置100の各構成品を固定する部材である。架台21は、水平に広がる上板部31と、上板部31から鉛直下方に伸びる筒状の側壁部32と、上板部31及び側壁部32を支える複数の脚部33とから構成されている。上板部31の下面には旋回輪軸受22がボルト49によって固定され、中央にはスラスト負荷装置25を取り付けるためのスラスト負荷装置用取付孔35が形成されている。また、上板部31の側壁部32よりもわずかに内側にあたる位置には旋回モータ24を取り付けるための旋回モータ用取付孔36が形成されている。
旋回輪軸受22は、回転軸23を保持する部材である。旋回輪軸受22は、内輪41、外輪42、及びこれらの間に挿入された3列のころ列43によって構成されており、スラスト荷重、ラジアル荷重、及びモーメント荷重の各荷重を同時に受けることができる軸受である。本実施形態に係る旋回輪軸受22は、内輪41がボルト49によって架台21に固定されており、外輪42が内輪41の周りを旋回する外輪旋回型の旋回輪軸受である。また、外輪42の外周面にはギアが形成されており、旋回モータ24の駆動軸端に設けられた歯車44と噛み合うように配設されている。
回転軸23は、実機の回転軸を模擬した部材である。本実施形態に係る回転軸23は上から下に向かって順に、上軸部45、中央部46、及び下軸部47の3つの部分から構成されている。上軸部45は、円柱状の形状を有し、その上面には収容部48が形成されている。この収容部48は、後述するスラスト軸受53を収容するとともに、グリースが溜められてスラスト軸受53用のグリース溜めとして機能する。中央部46は、上側がベルマウス状に形成されてボルト34によって旋回輪軸受22の外輪42に連結しており、また、下側が円盤状(円柱状)に形成されて外周にはシール装置2を構成するシールライナ7が固定される。なお、回転軸23の回転中心とシールライナ7の中心は一致している。下軸部47は、上側が円錐状に形成されるとともに下側が円柱状に形成され、円柱状の部分には後述するラジアル軸受60が固定されている。
旋回モータ24は、旋回輪軸受22の外輪42を旋回駆動させる装置である。本実施形態に係る旋回モータ24は、いわゆる電気モータであるが、油圧モータ等他のモータを使用してもよい。旋回モータ24は、架台21の上板部31に形成された旋回モータ用取付孔36に挿入されて、その外周部分に固定されている。上記のように、旋回モータ24の駆動軸端に設けられた歯車44が外輪42のギアと噛み合っているため、旋回モータ24が回転することにより、外輪42が旋回し、ひいてはシールライナ7が取り付けられた回転軸23が回転する。つまり、シールライナ7は静止状態だけでなく旋回モータ24によって360度にわたって正逆両回転方向に連続的に任意に回転させることができる。
スラスト負荷装置25は、回転軸23に軸方向の力を加える装置である。スラスト負荷装置25は、架台21の上板部31に形成されたスラスト負荷装置用取付孔35に挿入され、その周辺部分に固定されている。スラスト負荷装置25は、シリンダーケース51内に油圧をかけてピストン52を作動させる油圧シリンダである。シリンダーケース51の基端側に油圧をかけることにより、シリンダーケース51内のピストン52は鉛直方向に移動し(図2では紙面下側に移動し)、回転軸23に軸方向の力をかけることができる。この力の大きさは油圧シリンダの油圧を変更することにより、任意に変更することができる。なお、スラスト負荷装置25は、スラスト軸受53及び押さえ部54を介して回転軸23に力を加えている。スラスト負荷装置25と回転軸23との間にスラスト軸受53を介在させるのは、回転軸23が回転している状態であっても、回転軸23に鉛直方向の力を加えるためであり、押さえ部54を介在させるのは、スラスト負荷装置25からの力がスラスト軸受53の一部に集中してスラスト軸受53の機能に悪影響を与えるのを防止するためである。なお、本実施形態に係るスラスト軸受53は自動調心機能を有しており、回転軸23が傾いても鉛直方向の力を加えることができる。
ラジアル負荷装置26は、回転軸23に半径方向(軸方向に垂直な方向)の力を加える装置である。ラジアル負荷装置26は、連結治具56に連結されており、連結治具56は架台21の脚部33に固定されている。ラジアル負荷装置26は、スラスト負荷装置25と同様、シリンダーケース57内に油圧をかけてピストン58を作動させる油圧シリンダである。シリンダーケース57の基端側に油圧をかけることにより、シリンダーケース57内のピストン58は水平方向に移動し(図2では紙面右側に移動し)、軸受ハウジング59及びラジアル軸受60を介して回転軸23に水平方向の力を加えることができる。また、この力の大きさは油圧シリンダの油圧を変更することにより、任意に変更することができる。これにより回転軸23にモーメントをかけ、回転軸23を鉛直方向に対して任意の角度に傾斜させることができる。なお、ラジアル負荷装置26と回転軸23との間にラジアル軸受60を介在させたのは、回転軸23が回転している状態であっても、回転軸23に水平方向の力を加えるためであり、軸受ハウジング59を介在させたのは、ラジアル負荷装置26からの力がラジアル軸受60の一部に集中してラジアル軸受60の機能に悪影響を与えるのを防止するためであり、また、軸受ハウジング59にグリースを溜めてラジアル軸受60用のグリース溜めとして機能させるためである。
静止部材27は、可動部材28を回転可能に保持する部材である。図2及び図3に示すように、静止部材27は円盤状の形状を有するとともに、内側には円状の開口部61が形成されている。ただし、静止部材27の中心と開口部61の中心は一致していない。より具体的には、静止部材27の中心は回転軸23の回転中心Cに一致するが、開口部61の中心は可動部材28の回転中心Aに一致する。また、静止部材27は複数のボルト62によって架台21の側壁部32の下端に固定されている。さらに、静止部材27には、開口部61の外周に沿って等間隔に複数の雌ねじが(図示せず)形成されており、その雌ねじにそれぞれ取付ボルト63(係止部材)が挿入されている。
可動部材28は、静止部材27に対して回転可能な部材である。図2及び図3に示すように、可動部材28は円盤状の形状を有するとともに、内側には円状の可動開口部64が形成されている。ただし、可動部材28の回転中心Aと可動開口部64の中心Bは一致していない。より具体的には、可動部材28の回転中心Aは回転軸23の回転中心Cから所定距離δだけ離れた位置にあり、その同じ距離だけ可動部材28の回転中心Aと可動開口部64の中心Bは離れている。可動開口部64には回転軸23が貫通しており、また、可動開口部64の内周にはシール装置2を構成するシールリング8が取り付けられている。図3に示すように、試験前の初期状態では、可動開口部64の中心Bは回転軸23の回転中心Cに一致する。つまり、試験前の初期状態では、シールライナ7とシールリング8は同心円状に位置している。また、図2に示すように、可動部材28には上面の外周部分に段部66が形成されており、この段部66が静止部材27の外縁に沿うようにして可動部材28は回転する。そのため、可動部材28を静止部材27に対して安定して回転させることができる。さらに、可動部材28には静止部材27の取付ボルト63に対応するようにして、可動部材28の回転中心Aを中心とする円上に複数の長孔65が形成されている。取付ボルト63は可動部材28の下面からこの長孔65を貫通して静止部材27に固定されている。これにより、取付ボルト63を緩めても取付ボルト63のヘッドが可動部材28の長孔65周辺に係止した状態となるため、シール装置2を組込んだまま、すなわちシール装置2をその都度分解し、再組立てすることがなく、可動部材28を回転させることができる。なお、長孔65の位置、数、及び長さを変更すれば、調整可能な回転角度範囲を変更することができる。
位置決め装置29は、可動部材28の位置決めを行う装置である。位置決め装置29は、ジャッキプレート71と、ジャッキボルト取付座72と、ジャッキボルト73とを有している。このうちジャッキプレート71は、可動部材28の外縁の2箇所に設けられており、半径方向外側に突出している。2つのジャッキプレート71は、可動部材28の回転中心Aを基準として点対称となるように配設されている。また、ジャッキボルト取付座72は、ジャッキプレート71に対応するようにして静止部材27の2箇所に設けられている。すなわち、ジャッキボルト取付座72は、可動部材28の回転中心Aを基準として点対称となるように配設されている。そして、両ジャッキボルト取付座72には、互いに平行で、かつ反対方向に伸びるようジャッキボルト73がねじ込まれている。ジャッキボルト73の先端方向にはジャッキプレート71が位置しており、ジャッキボルト73をジャッキボルト取付座72にねじ込むとジャッキボルト73はジャッキプレート71の方向へ前進する。これにより、ジャッキボルト73をジャッキボルト取付座72にねじ込むと、ジャッキボルト73がジャッキプレート71を押し、可動部材28を静止部材27に対して回転させることができる。
ここで、図2に示すように、上述した上板部31、側壁部32、静止部材27、及び可動部材28によって空間が形成されており、その空間にはオイルが充填されている。つまり、上板部31、側壁部32、静止部材27、及び可動部材28によってオイルケース80を形成している。このうち、上板部31にはオイルポート81が設けられており、このオイルポート81には高さ位置の調整が可能な重力タンク82が接続されている。重力タンク82ではオイルが確保されており、重力タンク82の高さを変化させることによりオイルケース80内の圧力を調整し、ひいてはシール装置2に任意の油圧を加えることができる。当然ながら、シール装置2には設計圧力以上の過大圧力を加えるようにしてもよい。なお、重力タンク82の代わりにオイルポンプ(図示せず)を用いて、その吐出圧力を調整し、シール装置2に任意の油圧を加えるようにしてもよい。
本実施形態に係る試験装置100は以上のように構成されているため、次のような試験(オイル漏れ試験)を行うことができる。まず、図2に示すように、オイルケース80にオイルを充填し、重力タンク82の高さ位置を調整してオイルケース80内の圧力を設定する。試験を始める前には図3に示すように、回転軸23の回転中心Cと可動開口部64の中心Bを一致させ、シールライナ7とシールリング8が同心円状に位置するように設定する。この状態ではシールリング8のリップシール10が全周にわたって同じような条件でシールライナ7に当接している。以上の準備を行ったうえで、旋回モータ24を回転させる。これにより、旋回輪軸受22の外輪42が旋回し、この外輪42に連結されている回転軸23が回転する。つまり、シールライナ7はシールリング8のリップシール10に接しながら回転する。この回転軸23が回転している状態で、スラスト負荷装置25が回転軸23に軸方向の力を加えて回転軸23を下方向に変位させるとともに、ラジアル負荷装置26が回転軸23に半径方向の力を加えて回転軸23を傾斜させる。このように、回転軸23(シールライナ7)に変化を加えながら、オイルケース80からのオイル漏れを確認する。
以上では、回転軸23(シールライナ7)に変化を加えたが、さらに、オイルケース80(シールリング8)にも変化を加える。具体的には、ジャッキボルト73をジャッキボルト取付座72にねじ込むことにより、可動部材28を回転させる。図4及び図5に示すように、可動部材28の回転中心Aと可動開口部64の中心Bとは所定距離δだけ離れているため、可動部材28を回転させると可動開口部64の中心Bは可動部材28の回転中心Aを中心とする円弧を描いて移動する。そのため、可動部材28を回転させることにより、シールリング8はシールライナ7に対して変位することになる。図6(a)に示すように、シールライナ7の中心とシールリング8の中心が一致している場合(回転軸23の回転中心Cと可動開口部64の中心Bとが一致している場合)は、シールライナ7とシールリング8の距離が一定であるため、リップシール10は全周にわたって同じような条件でシールを行うことができる。一方、図6(b)に示すように、シールライナ7の中心とシールリング8の中心が一致していない場合(回転軸23の回転中心Cと可動開口部64の中心Bとが一致していない場合)は、シールライナ7とシールリング8の間の隙間が異なる(図6(b)ではシールライナ7とシールリング8の間の隙間が左右で異なる)ため、リップシール10は全周に渡って同じような条件でシールを行うことはできない。つまり、回転軸23と被試験体であるシール装置2との相対位置を変化させること、厳密にはシールライナ7とシールリング8の相対位置を変化させることにより、より過酷な条件でシール装置2の性能試験を行うことができるのである。
以上のように、本実施形態に係る試験装置100によれば、回転軸23を回転させながら鉛直方向に移動させ、傾斜させ、そしてシールライナ7とシールリング8の相対位置を変化させることができる。これにより、シール装置2に対して例えば図1に示すような実際の機械の使用条件に合わせて試験条件を変化させながらシール装置2のオイル漏れや、リップシール10の変形・疲労・強度などを確認することができる。
(第2実施形態)
次に、図7を参照しながら、本発明の第2実施形態に係る試験装置200について説明する。図7(a)に示すように、本実施形態に係る試験装置200は、位置決め装置29のジャッキプレート71が静止部材27に設けられており、ジャッキボルト取付座72が可動部材28に設けられている点で、ジャッキプレート71が可動部材28に設けられ、ジャッキボルト取付座72が静止部材27に設けられている第1実施形態に係る試験装置100と構成が異なる。つまり、本実施形態に係る試験装置200は、ジャッキプレート71とジャッキボルト取付座72の位置が第1実施形態の場合とは反対になっている。
より具体的には、可動部材28の外縁には、回転中心Aを基準として点対称となる2箇所において半径方向外側に突出するジャッキボルト取付座72が設けられている。両ジャッキボルト取付座72には、互いに平行で、かつ反対方向に伸びるようジャッキボルト73がジャッキボルト取付座72にねじ込まれている。静止部材27のうち可動部材28の半径方向外側にあたる2箇所にジャッキプレート71が設けられている。両ジャッキプレート71は、可動部材28の回転中心Aを基準とする点対称となるように、かつ、ジャッキボルト73の先端に当接するように位置している。
以上のように、ジャッキプレート71とジャッキボルト取付座72の位置が第1実施形態の場合とは反対の位置に設けられていても、可動部材28を静止部材27に対して回転させることは可能であって、第1実施形態に係る試験装置100と同様の作用効果を奏することができる。
(第3実施形態)
次に、図8を参照しながら、本発明の第3実施形態に係る試験装置300について説明する。図8に示すように、本実施形態に係る試験装置300は、ジャッキプレート71、ジャッキボルト取付座72、およびジャッキボルト73を有する位置決め装置29に代えてアクチュエータ86を備えている点で第1実施形態に係る試験装置100と構成が異なる。
具体的には、本実施形態に係る試験装置300はアクチュエータ86を2箇所に備えており、これらのアクチュエータ86は、シリンダーケース87(本体)とこのシリンダーケース87に対して進退可能なピストン88とを有するいわゆるエアーシリンダーである。そして、シリンダーケースの基端部分は、静止部材又は静止部材に対して変位しない架台21の脚部33などの静止体に取り付けられており、取り付けはヒンジ部89を介して行われている。ピストン88の先端は可動部材28の外縁部分に取り付けられており、ここでも取り付けはヒンジ部90を介して行われている。シリンダーケース87には基端側と先端側にそれぞれエアーポート91、92が設けられており、これらのエアーポート91、92を介してシリンダーケース87に圧縮空気を供給することで、ピストン88を進退自在に作動させることができる。本実施形態では、2つのシリンダーケース87の基端側のエアーポート91同士が連結されるとともに先端側のエアーポート92同士が連結され、切替弁93を切り替えることによってエアーポート91、92へ圧縮空気を供給し、またエアーポート91、92から圧縮空気を排出している。以上のように、ピストン88を進退させることで、可動部材28の正逆両回転方向にも回転させることができる。さらに、制御装置(図示せず)によって切替弁93を制御すれば、可動部材28の回転角度や回転サイクルを自動で制御でき、正確な試験結果を得ることができる。なお、以上ではアクチュエータ86としてエアーシリンダーを用いているが、モータを利用したねじ式のアクチュエータや油圧シリンダーを用いていてもよい。
以上、本発明に係る第1実施形態乃至第3実施形態について図を参照して説明したが、具体的な構成はこれらの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。例えば、以上では舶用のシール装置の性能試験を行うことを想定した試験装置について説明したが、この実施形態に限られず陸上機械用のシール装置の性能試験を行うことを想定した試験装置であっても本発明に含まれる。
本発明によれば、シール装置の実際の使用条件に合わせて性能試験を行うことができるシール装置用の試験装置を提供することができる。よって、本発明は、シール装置用の試験装置の技術分野において有益である。
100、200、300 試験装置
2 シール装置
7 シールライナ
8 シールリング
10 リップシール
21 架台
22 旋回輪軸受
23 回転軸
24 旋回モータ
25 スラスト負荷装置
26 ラジアル負荷装置
27 静止部材
28 可動部材
29 位置決め装置
63 取付ボルト
64 可動開口部
65 長孔
71 ジャッキプレート
72 ジャッキボルト取付座
73 ジャッキボルト
80 オイルケース
86 アクチュエータ
87 シリンダーケース(本体)
88 ピストン
A 可動部材の回転中心
B 可動開口部の中心
C 回転軸の回転中心
δ 所定距離

Claims (7)

  1. 内側に位置するシールライナと外側に位置するシールリングからなるシール装置を被試験体とする試験装置であって、
    前記シールライナの中心が回転中心に一致するよう前記シールライナを固定する回転軸と、
    前記回転軸が貫通する可動開口部が形成され、前記可動開口部に前記シールリングが固定される可動部材と、
    前記可動部材を回転可能に保持する静止部材と、を備え、
    前記可動部材の回転中心が前記可動開口部の中心から離れるように構成されている、シール装置用の試験装置。
  2. 前記可動部材には回転中心を中心とする同一円上に複数の長孔が形成されており、
    前記静止部材は前記長孔を貫通する係止部材を複数有し、
    前記係止部材は前記可動部材の前記長孔周辺に係止する、請求項1に記載のシール装置用の試験装置。
  3. 前記係止部材は雄ねじが形成された取付ボルトであって、
    前記静止部材には前記取付ボルトに対応して雌ねじが形成されており、
    前記取付ボルトの雄ねじを前記雌ねじにねじ込むことで、前記可動部材を前記静止部材に固定できる、請求項2に記載のシール装置用の試験装置。
  4. ジャッキプレートと、ジャッキボルト取付座と、ジャッキボルトとを有する位置決め装置をさらに備え、
    前記可動部材及び前記静止部材のうち一方には前記ジャッキプレートが設けられるとともに、他方には前記ジャッキボルト取付座が設けられており、
    前記ジャッキボルトを前記ジャッキボルト取付座にねじ込むと、前記ジャッキボルトの先端が前記ジャッキプレートに当接し、前記可動部材が前記静止部材に対して回転する、請求項1乃至3のうちいずれか一の項に記載のシール装置用の試験装置。
  5. 本体と該本体に対して進退可能なピストンを有するアクチュエータをさらに備え、
    前記アクチュエータの本体は前記静止部材又は前記静止部材に対して変位しない静止体に固定されており、
    前記アクチュエータのピストンは前記可動部材に連結されている、
    請求項1乃至3のうちいずれか一の項に記載のシール装置用の試験装置。
  6. 前記回転軸を支持する旋回輪軸受と、
    前記旋回輪軸受を介して前記回転軸を回転する回転モータと、
    前記回転軸に取り付けられたラジアル軸受と、
    前記ラジアル軸受を介して前記回転軸に半径方向の負荷を加えるラジアル負荷装置と、をさらに備えた、請求項1乃至5のうちいずれか一の項に記載の試験装置。
  7. 前記回転軸に取り付けられたスラスト軸受と、
    前記スラスト軸受を介して前記回転軸に軸方向の負荷を加えるスラスト負荷装置と、をさらに備えた請求項6に記載の試験装置。
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