JP5431860B2 - 無段変速機油組成物 - Google Patents
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本発明に用いる潤滑油基油としては、通常の潤滑油の基油として用いられている鉱油系及び/又は合成油系を用いることができる。潤滑油基油は、組成物(すなわち無段変速機油組成物)全量基準で通常多くとも98質量%、好ましくは98〜62質量%が配合される。これら潤滑油基油の動粘度は、無段変速機の種類に合わせて適宜選定すればよい。また、潤滑油基油として、以下に説明する鉱油及び合成油をそれぞれ単独で用いてもよいし、両者を適宜な割合で混合した混合物のかたちで用いてもよいことは、断るまでもない。
本発明の無段変速機油組成物は、下記一般式(1)に示したリン系化合物を少なくとも1種類含有する。該リン系化合物は現在潤滑油に主に摩耗防止剤として配合されるリン酸エステル化合物を同一分子内に複数個有する化合物である。一般式(1)中、R1、R2、R3及びR4の官能基はヒドロカルビル基、又は水素原子である。ただし、R1、R2、R3及びR4が全て水素であることはない。ヒドロカルビル基としてはアルキル基、アリール基、アルキルアリール基等が例として挙げられ、炭素数は1〜30、好ましくは1〜20、特に好ましくは3〜9である。R1、R2、R3及びR4は同一であってもよいし、各々が異なっていてもよい。またR5はヒドロカルビレン基を示す。ヒドロカルビレン基としてはアルキレン基、アリーレン基、アルキルアリーレン基等が例として挙げられ、炭素数は1〜30、好ましくは1〜20、特に好ましくは3〜9である。X1及びX2は酸素原子、又は硫黄原子を示す。nは繰り返し数を表し、1〜10の整数、好ましくは1〜5の整数、特に好ましくは1〜3である。なお本発明においては、一般式(1)で表せるリン系化合物を少なくとも1種類含有していればよく、これ以外のリン系化合物、たとえば分子内に一つのリン元素を含むリン酸エステル、亜リン酸エステル、酸性リン酸エステル、酸性亜リン酸エステル、及びこれらのアミン塩等、または分子内に硫黄元素を含むチオリン酸エステル等の一般の潤滑油で摩耗防止剤として使用されているものを混合して用いることもできる。
該リン化合物由来のリン元素重量として、組成物全量基準で0.005〜0.15質量%、特には0.005〜0.10質量%配合することが好ましい。また組成物全体のリン元素重量としては、組成物全量基準で0.01〜0.15質量%、特には0.01〜0.10質量%であることが好ましく、この範囲より少ないと金属間摩擦係数の向上作用が小さく、摩耗防止性も不十分である。一方、この範囲を超えると材料適合性が悪化する。
本発明は、ポリカルボキシレート化合物を少なくとも1種類含有する。本発明のポリカルボキシレート化合物は、高分子構成ユニット中にカルボキシル基及び/又はその塩を有する重量平均分子量が1000〜6000の高分子化合物で、多価アルコールと多価カルボン酸とをエステル化し、エステル化されずに残った官能基(カルボキシル基、水酸基)をモノアルコール、モノカルボン酸で全てエステル化し、官能基をヒドロカルビル基で封鎖して安定性を確保することが好ましい。さらには多価カルボン酸の全てのカルボキシル基を多価アルコールでエステル化した後、エステル化されずに残った多価アルコールのヒドロキシル基をモノカルボン酸でエステル化したものがより好ましい。
本発明に用いるコハク酸イミド系分散剤は、コハク酸イミド化合物を主成分とするものであり、このようなコハク酸イミド化合物は、イミド化に際してポリアミンの一端に無水コハク酸が付加した下記一般式(3)のような、いわゆるモノタイプのコハク酸イミドと、ポリアミンの両端に無水コハク酸イミドが付加した下記一般式(4)のような、いわゆるビスタイプのコハク酸イミドがあり、更にそれぞれにホウ素を含有しているものがある。本発明においては、これらの中から選ばれる分散剤のうちいずれも使用可能で、ギヤ油、金属加工油、作動油、自動変速機油などの各種潤滑油に使用されている無灰分散剤として市販されているものから選定すればよく、それぞれ単独で使用することも2種以上を混合して使用することもできる。
本発明に用いるアルカリ土類金属系清浄剤は、潤滑油劣化時の無段変速機におけるベルト又はチェーンとプーリー間の摩擦係数の滑り速度依存性を低減し、金属間摩擦特性を向上させることを可能する。このアルカリ土類金属系清浄剤は、マグネシウム、カルシウム、バリウム等のアルカリ土類金属を含有するスルフォネート、フェネート、サリシレートを用いる。またそれぞれに高い塩基価(BN)を有する、いわゆる過塩基性の金属系清浄剤、もある。本発明においては、これらの中から選ばれる1種又は2種以上のアルカリ土類金属系清浄剤等、一般の潤滑油で金属系清浄剤として使用されているものを用いることができる。
本発明においては、ジアルキルジチオリン酸亜鉛を実質的に配合しないものである。なお、ここで、実質的に含有しないとは、ジアルキルジチオリン酸亜鉛を全く含有しないか、又は含有しても、潤滑油劣化時にクラッチ板の目詰まりを引き起こし、その機能を損なわせることがない量以下、具体的には組成物全量基準で亜鉛元素量として0.001質量%以下であることを意味しているが、全く含有しないことがより好ましい。
本発明の無段変速機油組成物には、上記添加剤以外に、更に酸化防止剤、流動点降下剤等を配合することができる。
下記の潤滑油基油及び添加剤を用いて、実施例1、2及び比較例1〜6の無段変速機油組成物を、表1の上部に示す配合割合(添加量は組成物全量基準での質量%)でそれぞれ混合して調製した。
また、参考例1〜3として市販の無段変速機油(市販品1〜3)も調達し、その性能を、実施例及び比較例と同様に後述の試験を行い、評価した。
O−1;水素化精製基油(100℃の動粘度:4.3mm2/s、粘度指数:124)
(i)一般式(1)に示したリン系化合物
P−1;テトラフェニル(m−フェニレン)ビスホスフェート
(一般式(1)において、R1=R2=R3=R4=フェニル基,R5=フェニレン基,X1=X2=O,n=1の化合物)
(ii)本発明品以外のリン系化合物
P−2;トリクレジルホスフェート
I−1;ホウ素非含有コハク酸イミド(モノタイプ)
C−1;過塩基性Caスルフォネート(TBN:300)
F−1;一般式(2)において、R6=n−ブチレン基,Y1=Y2=−CH2−O−C(=O)−R7,R7=n−ドデシル基,m=6,分子量:約4000の化合物
(vi)本発明品以外の摩擦調整剤
F−2;ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル
F−3;オレイン酸
F−4;グリセロールモノオレエート
酸化防止剤、腐食防止剤、流動点降下剤、粘度指数向上剤からなる群のうち1種又は2種以上選択して組み合わせたもので、全実施例及び比較例にて共通の組成である。
ASTM D2174に記載のブロックオンリング試験機(LFW−1)を用いて、無段変速機油の摩擦係数(μ60)を測定した。測定結果を表1に示す。試験条件は、以下の通りである。この試験における摩擦係数が大きいものほど、無段変速機において伝達効率が高く、無段変速機油として優れている。
リング:Falex S-10 Test Ring (SAE4620 Steel)
ブロック:Falex H-60 Test Block (SAE01 Steel)
温度:80℃
荷重:445N
滑り速度:0.33m/s
試験時間:60分間
摩擦係数:開始から60分後(試験終了直前)に測定
摩耗痕幅:試験終了後にブロックの摩耗痕幅を測定
シャダー防止耐久性を付与させるためには摩擦調整剤の配合が必須であるが、本発明で用いるもの以外の摩擦調整剤を配合した場合、比較例4のように摩擦調整剤としての効果が全く見られないか、比較例5、6のようにシャダー防止耐久性が付与されても著しくμ60を低下させてしまう。
一方、参考例1〜3として示したのは市販されている無段変速機油である。参考例1は現在の市販油の中でも高いμ60を有するが、比較例2、3に比べるとμ60は低く、また亜鉛が配合されており、シャダー防止寿命を有さない。これに対し参考例1及び2はシャダー防止耐久性を付与させたものであるが、μ60は比較例6にも及ばない。
これらに対し、本発明品である一般式(1)と一般式(2)の化合物を両方含む実施例1、2の無段変速機油は、比較例2と比べるとμ60は低いものの、参考例1よりも高いμ60を有し、かつ十分なシャダー防止耐久性も有していることが分かる。言い換えると、シャダー防止耐久性を有する無段変速機油の中で、本発明である実施例1及び2の無段変速機油は、格段に優れた摩擦係数(μ60)を有している。
Claims (3)
- 更に、
(C)コハク酸イミド系分散剤を組成物全量基準で0.5〜10.0質量%、及び
(D)アルカリ土類金属系清浄剤を組成物全量基準で0.05〜1.0質量%
含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の無段変速機油組成物。
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