JP5431483B2 - 高出力熱機関において使用される燃料注入システムによりもたらされる段階的な注入速度を分析するための方法 - Google Patents

高出力熱機関において使用される燃料注入システムによりもたらされる段階的な注入速度を分析するための方法 Download PDF

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Description

本発明は、熱機関において使用される燃料注入システムによりもたらされる段階的な注入速度(the step-by-step injection rate)を分析することを可能にする方法に係る。関係する注入システムは、特に、ディーゼル・エンジンを備えたシステムである。ここに記載された本発明は、特に、高出力エンジンにおいて使用される注入システムに、従って、高い燃料流量を備えた注入システムに適用可能である。
注入システム及び熱機関の製造者が、インジェクタを開発することを可能にするため、並びに、製造の間、及びそれらの最終的な使用のためのシステムの取り付けの間に、調整及びコンプライアンスの評価を実施することを可能にするための測定装置が、既に知られている。これらの測定装置は、特定のテスト・ブロックと共に使用され、このテスト・ブロックの役割は、第一に、テストの間、注入ポンプの回転を駆動すること、及び注入システムの様々な要素を支持することである。これらのタイプの装置を用いて行われる測定は、注入された燃料の体積の値及び注入時間または角度の両者を正確に知ることを可能にしなければならない。
その目的のために、本願出願人の名前による、仏国特許 FR 2795139 A、またはその対応特許、欧州特許 EP 1187987 B1 から、熱機関において使用される注入システムによりもたらされる段階的な注入速度を即時に分析することを可能にする装置が、既に知られている。この装置は、本質的に、二つの測定チャンバの組み合わせにより特徴付けられる。
このようにして、ここで言及されている装置は、燃料がその中に注入される一定の容積のチャンバを測定するための第一のチャンバ、並びに、この第一の測定チャンバを少なくとも部分的に排出することを可能にする手段を含んでいて、上記第一のチャンバに圧力センサー及び温度センサーが関係付けられ、それらが、当該チャンバの中で支配的な圧力及び温度をそれぞれ測定する。
この装置はまた、第一の測定チャンバの下流に、第一の測定チャンバから排出された燃料がその中に送られる第二の測定チャンバを含んでいて、第二の測定チャンバの容積は、ピストンの動きに依存して変化し、その動きが、動きセンサーを使用して測定される。
電子的部分が装置アセンブリをコントロールし、この部分はまた、異なるセンサーから受け取られた情報を分析する。
この装置の動作原理は、以下の通りである:
装置で測定を実施する準備が整ったとき、即ち、燃料が二つの測定チャンバの中に存在し、且つ予め設定された圧力が第一の測定チャンバの中で支配的であるときに、注入が行われる。これが、第一の測定チャンバの中での圧力の増加を引き起こし、それは、注入された燃料の量、燃料の特徴、環境的な条件、特に温度及び当初の圧力、及びチャンバの容積に関係している。注入の最後に、第一の測定チャンバの中に含まれる燃料が第二の測定チャンバの中に部分的に排出され、第一の測定チャンバの中での圧力が、このようにして、その当初の設定値に戻され、そして、この第一の測定チャンバは、そのとき、新たな注入を受け取る準備が整う。第二の測定チャンバの中に到達した燃料は、ピストンを押すことにより、この第二の測定チャンバの中で容積を増大させる。ピストンの動きが測定され、そして、ピストンの直径に基づいて、電子的部分の一部が燃料の正確な容積を計算する。この第二の測定は、電子的部分が、第一の測定チャンバにより行われる測定を、何時でも且つ非常に正確に補償することを可能にする。
上述の特許文献の中に記載された、装置の一つの好ましい実施形態において、上記電子的部分の一部によりコントロールされる急速電磁弁及び排出装置が、二つの測定チャンバの間に配置され、注入の後に、第一の測定チャンバが、当該注入の前にその中を支配していた圧力に戻るまで、第一の測定チャンバを部分的に排出する。この場合には、電子的部分はまた、好ましくは、二つの連続する排出の後で、第一の測定チャンバの中での潜在的な圧力の相違を考慮に入れることを可能にする補償機能を含んでいる。
“燃料”と言う用語は、ここで、装置において使用されている流体、特に、二つの測定チャンバを満たす流体、及び注入された流体、を意味するために使用されていて、現実の燃料、または、好ましくは、燃料の水力学的特徴に近い水力学的特徴を有しているが、火災及び爆発の危険を最小にするために、燃料の引火点温度より遥かに高い引火点温度を備えた流体を意味している。
全体として、第一の測定チャンバは、一定の容積を備えていて、注入の“形態”を正確にもたらすことを可能にし、これに対して、第二の測定チャンバは、可変の容積を備えていて、注入された燃料の量を測定することを可能にする。電子的部分の中で行われる処理は、それぞれの測定の欠陥を、他の質により、修復することを可能にする。
以上で想起された、既存の装置は、特に、低いまたは平均的な量の燃料を、典型的に時間当たり100リットルまでの燃料を、送り出すインジェクタに適用される。
船を推進するためまたは大きな発電機を駆動するために使用されるもののような、高い出力インジェクタ及びエンジンを開発するために、より大きな速度に対して、段階的な、即時の注入速度の測定を実施することが可能であることが必要である。
その目的のための、より大きな測定装置を製造する場合に、以上で想起された既知の装置の単純な相似拡大は、第二の測定チャンバを作る際に、即ち、ピストンの動きを介して体積測定を実施するために使用される可変容積のチャンバを作る際に、困難に遭遇する。
一定の容積を有し、既に流体で満たされたこの容積の中へ注入の間、圧力増加の即時の測定を実施するために使用される第一の測定チャンバに対しては、寸法を単純に増大させて、それをより高い速度に適合させることに、技術的な困難性は無い。これまでの実施形態に特有の、典型的に1リットルより小さい容積の代わりに、テストの中で見出された注入ポンプおよび/またはインジェクタに適合され、より高い値を備えた容積を設けることは、容易である。この容積の値は、単一の注入の間に、第一の測定チャンバの中で、数バール(数10Pa)または数十バール(数10Pa)の典型的な圧力増加が得られるように決定されなければならず、この値は、このチャンバに対して数リットルまたは数十リットルの典型的な容積をもたらすが、これらの値に限定されることはない。
このようにして、原則として、更に遥かに大きな容積を使用すること、必要な場合には、非常に大きな即時の速度を測定することに、不都合は無いであろう。そのような容積を製造することは、事実、シンプルなままでとどまり、特別な技術的問題を生じさせることがない。それが、典型的に200バール(2x10Pa)までに高まることがある内部圧力に耐えなければならないと言う事実のために、それは、比較的厚い、従って重い部材を作ることを潜在的に含むことがあるが、これらの条件または要求は、ここで関係するタイプの機器に対して、異常なものではない。更にまた、可動部品または他のデリケートな要素の無い一定容積のチャンバを作ることを含んでいるので、この部分が、高価になることはなく、また、その内容積に拘わらず、特に頑丈であろう。
しかしながら、内側のピストンを備えた第二の可変容積の測定チャンバに関しては、困難が生ずる。その理由は、このチャンバが非常に厳しい技術的な要請に適合しなければならないからである。主なる要請は、以下の通りである。
− ピストンは、測定チャンバの境界を定めるシリンダの中で、ロックされまたは漏洩すること無く、完全に摺動しなければならない。ここで、このチャンバの全体として温度は、一般的に比較的低く、典型的に40℃と70℃の間で維持されるが、インジェクタのノーズでの瞬間的な温度は高く、典型的に2000バール(2x10Pa)より高い、非常に高い圧力を備えた現代の注入システムに対して、200℃を超えることがある。
− ピストンは、測定チャンバ内への燃料の排出からもたらされる容積変動に迅速に反応するために、可能な限り軽量でなければならず、それが、中空形状及び非常に薄い壁厚さを備えたピストンを作ることをもたらす。
− 測定チャンバの境界を定めるシリンダ、及びそのシリンダの中に摺動可能に取り付けられるピストンにより、形成されるアセンブリは、しかしながら、多数の燃料注入サイクルに耐えるために、従って、損傷を生ずること無く、ピストンの動きで前記測定チャンバを充填/排出するために、非常に頑丈でなければならない。
ピストンは、その直径が10mmと35mmの間で、通常作られ、それは、1mmと10mmの間の行程を意味していて、それは、80mmと10,000mの間の合体された測定容積に対応する。共通の経験によれば、10mmより小さい直径を備えたピストンを製造しようとする際、及び、35mmより大きい直径を備えたピストンを製造しようとする際の双方で、製造上の困難性が増加する。特に、装置を特にその第二の測定チャンバを高い速度または容積に適合させるための、ピストンの直径の増加は、従って、満足なソリューションではないであろう。
仏国特許出願公開第 FR 2795139 A 号明細書 欧州特許第 EP 1187987 B1 号明細書
本発明は、これらの困難を回避することを目指していて、従って、ここで考慮されるタイプのソリューションを提供することを目指していて、それは、大きな注入速度に、典型的に毎分100リットルより大きな注入速度に適合され、しかも経済性が維持されるものである。
その目的のために、本発明は、熱機関において使用される燃料注入システムによりもたらされる段階的な注入速度を分析することを可能にする方法に係る。この方法は、既知のやり方で、下記の工程を有している。
− 一定容積の第一の測定チャンバの中へ燃料を注入する;
− 第一の測定チャンバの中で支配的な圧力及び温度を測定する;
− 前記第一の測定チャンバを第二の測定チャンバの方へ少なくとも部分的に排出し、第二の測定チャンバの中に、第一の測定チャンバから排出された燃料が送られ、ここで、第二の測定チャンバは、この測定チャンバの内側でのピストンの動きに依存して変化する容積を有している;
− 第二の測定チャンバの中でのピストンの動きを測定する;
− 第一の測定チャンバの中での圧力及び温度の測定、及び第二の測定チャンバの中でのピストンの動きを分析する。
注入の後に、第二の測定チャンバの中への第一の測定チャンバの部分的な排出が、注入の前にその中で支配的な圧力が回復されるまで、行われる。
この本発明に基づく方法は、本質的に、以下の事実により特徴付けられる。各注入の後に、第二の測定チャンバの中への第一の測定チャンバの部分的な排出が、連続的に、数段階で行われ、第二の測定チャンバ自体は、毎回排出され、そして、前記測定チャンバのそれぞれ充填/排出に対する、第二の測定チャンバの中でのピストンの動きによる体積の測定値が加算され、それによって、注入ステップの間にインジェクタにより送り込まれた燃料の量に対応する全体積が得られる。
このようにして、ここで提案されたソリューションによれば、装置の構造は、特に第二の測定チャンバに関して、事実上、変更されないが、この第二の測定チャンバの使い方が異なり、並びに、センサーによりもたらされる情報のための処理方法が異なる。
− 既知の装置の操作(既に以上で想起された)においては、各注入ステップの後で、第一の測定チャンバが、部分的に、しかし同時に、第二の測定チャンバの中に排出され、その後、電子的システムが、第一の測定チャンバの中での圧力及び温度の測定及び第二の測定チャンバの中でのピストンの動きを終了すると(非常に短い時間で行われる)、第二の測定チャンバが、次に、部分的に、しかしここでもまた同時に、排出される。注入された燃料の量の測定(考慮対象の注入ステップに対する)が、その後、利用のために利用可能になり、装置が、以後の注入ステップを受け取る準備が整う。
− 本発明の方法によれば、第一の測定チャンバは、各注入ステップの後で、数回の連続する段階で、排出される。排出された体積が、このようにして分割され、電子的システムが、注入された燃料の体積を、部分的な測定の合計として特徴付けることが可能になり、これらの部分的な測定のそれぞれは、第二の測定チャンバの各充填/排出サイクルの間のピストンの動きに対応する。換言すると、第二の測定チャンバの“小さな”容量が、第一の測定チャンバの中へ注入された燃料の“大きな”量を測定するために数回使用される。
このようにして、本発明は、第二の測定チャンバの比例的な拡大を避けることにより、大きな注入速度への適合を可能にし、逆に、その測定チャンバに対して、特に、そのピストンに対して、小さなまたは中程度の量の燃料を測定するため通常の寸法を維持させる。ここで提案されたソリューションは、事実上、装置のコンポーネントのための更なるコストを発生させることがなく、操作及び情報処理方法(本質的にソフトウエアによりコントロールされる)のみが異なっている。
例として、第二の測定チャンバの中へ第一の測定チャンバの部分的な排出が、第二の測定チャンバの約10回連続する充填/排出サイクルに分割されることが可能である。このようにして、3000mmの容量を備えた第二の測定チャンバは、10回の連続する部分的な充填/排出サイクルを実施することにより、第一の測定チャンバの容量に対応する30,000mmの体積を測定することが容易に可能である。
本発明に基づく方法は、特に、高い速度であるが低い注入頻度を備えた燃料注入システムに対して適切であり、即ち、低い回転速度を備えた熱機関に適合される。既知の装置は、典型的に注入ステップ当り200mmの燃料を送り出し、典型的に1秒当たり60ステップまで動作することが可能である注入システムに対して、即ち、回転の速度が、毎分7200回転に到達することが可能である4サイクルエンジンに対して、意図されている。本発明の方法は、典型的に、注入ステップ当り20,000mmの燃料を送り出し、1秒当たり二つのセットまで動作することが可能である注入システムに適用されることが可能である。ここで言及された値は、現実且つ現在の状況及びニーズに対応する強度のオーダーを示すためのみに使用され、それらは、当然ながら、限定的なものではない。
図1は、その二つの測定チャンバとともに使用される、装置の単純化された図を示す。 図2は、図1の装置の操作、従って、本発明に基づく方法の進行を示す図である。
本発明は、添付された概略図面を参照しながら、以下の説明を使用して、より良く理解されるであろう。この図面は、本発明に基づく注入速度分析方法の実施形態を例として示している。
図1は、インジェクタ1を示し、その注入ノズル2は、一定容積のチャンバであるところの第一の測定チャンバ3の中にある。第一の測定チャンバ3は、使用中に、燃料の水力学的特徴に近い水力学的特徴を有しているが、火災及び爆発の危険を最小にするために、その引火点温度が燃料の引火点温度と比べて遥かに高い流体で満たされている。この流体はまた、インジェクタ1において使用される流体である。この流体の貯槽4が装置の中に設けられる。
示された例において、第一の測定チャンバ3は、好ましくは、圧力センサーとして動圧コンバータ5a及び静圧コンバータ5bを含んでいる。動圧コンバータ5aは、圧電性のコンバータの形態で作られることが可能であって、力の成分を測定するための役割を担い、そのために、高い分解能−典型的に0.001バール(100Pa)−及び迅速な応答を目指している。静圧コンバータ5bは、圧電性のコンバータの形態で作られることが可能であって、静的成分を測定するための役割を担い、そのために、典型的に1から250バール(1〜250x10Pa)までの大きな力を本質的に目指している。
第一の測定チャンバ3もまた、迅速な応答の温度センサー6を備えている。
第一の測定チャンバ3は、第二の測定チャンバ8の方へ向けられた出口7を含み、このようにして、(流体の循環の方向に関して)第一の測定チャンバ3の下流に配置されている。電磁弁9は、第一の測定チャンバ3と第二の測定チャンバ8との間に配置されている。
第二の測定チャンバ8は、可変の容積チャンバである。このチャンバは、シリンダ10として作られ、このシリンダの中にピストン11が摺動可能に取り付けられ、スプリング12のスラストを受ける。ピストン11の動きは、動きセンサー13により検出され、例えば、誘導センサーの形態で作られている。温度コンバータ14もまた、第二の測定チャンバ8に関係付けられている。
この第二の測定チャンバ8から出発して、排出チャネル15があり、その開放及び閉鎖は、排出電磁弁16によりコントロールされ、この排出電磁弁の下流にチェック・バルブ17が配置されている。排出チャネル15は、流体を既に述べた貯槽4に戻す。
この装置はまた、示されていないやり方で、電子的部分を有していて、この電子的部分は、装置アセンブリをコントロールし、異なるセンサーから受け取られた情報を分析する。
特に、電子的部分は:
− 電磁弁9をコントロールして、第一の測定チャンバ3の出口7から来る流体を第二の測定チャンバ8の方へ送り出し;
− 第二の測定チャンバ8を排出するために排出電磁弁16をコントロールして、流体を貯槽4へ戻し;
− センサー6またはコンバータ5a,5bにより供給され、第一の測定チャンバ3に関係付けられている、圧力及び温度の測定信号を受けてそれを処理し;
− 対応する動きセンサー13により供給される、第二の測定チャンバ8のピストン11の動きの信号を受けてそれを処理する。
装置の使用の間に、第一の測定チャンバ3を満たすために、ポンプ(図示せず)を使用して、流体が貯槽4の中へ送られる。この第一の測定チャンバ3を満たす流体は、当初、予め定められた設定値に等しい圧力Poを有している。測定は、厳密に言うと、以下に記載されたプロセスに基づき、その後で開始される。
インジェクタ1が、そのノズル2により、第一の測定チャンバ3の中への流体の注入を実施する。コンバータ5a及び5bのために、圧力P、特に、第一の測定チャンバ3の中の圧力の増加が測定され、それは、注入された流体速度の曲線を、時間の関数として決定することを可能にし、また、補正を、センサー6により検出された温度Tの関数として行う。この第一の測定チャンバ3の中の圧力が、最早、増加しなくなったときに、注入が終了したと推定される。
電磁弁9が、そのとき、始めて開放され、或る量の流体を第一の測定チャンバ3から第二の測定チャンバ8の方へ移送する。このようにして、第一の測定チャンバ3が部分的に排出され、それと共に、第二の測定チャンバ8の容積が増加し、その増加の後に、ピストン11の動きが続き、それが動きセンサー13により測定される。
次いで、電磁弁9が一時的に閉じられ、それと共に、電磁弁16が開けられて、第二の測定チャンバ8を排出し、このようにして、前記チャンバ8に含まれている流体を貯槽4の中に送り込む。
次いで、電磁弁9が再び開けられ、第一の測定チャンバ3の新たな部分的な排出、及び第二の測定チャンバ8の新たな充填を実施し、その後に、新たなピストン11の動きが続き、それもまた、センサー13により測定され、その後で、電磁弁16を開けることにより、第二の測定チャンバ8が再び排出される。
第二の測定チャンバ8の同一の充填/排出サイクルは、第一の測定チャンバの中の圧力3がその当初の設定値Poに戻るまで、更に数回、繰り返される。
各ピストン11の動きは、測定チャンバ8の対応する容積変動を伴う。電子的部分は、この容積変動を決定し、それを、温度センサー(コンバータ14)により供給される信号の関数として補正する。更にまた、電子的部分は、ピストン11の連続する動きに対して決定された、流体の部分的な体積V1,V2, ... Vnを加算し、それによって、第一の測定チャンバ3の中に注入された流体の量に対応する全体積が得られることになる。
この操作フェーズの最後で、第一の測定チャンバ3は、その当初の圧力に戻っていて、この第一の測定チャンバ3の中へ新たな注入が可能になり、それもまた、第二の測定チャンバ8の中へ幾つかの段階で部分的に排出され、それが繰り返されることになる。
この操作は、図2のグラフにより示されている。その連続線は、注入ステップに対して、以下を示している(上から下へ):
− 第一の測定チャンバ3の中での圧力Pの変動;
− 電磁弁9の開放時間T1;
− 第二の測定チャンバ8の容積Vの変動;
− 排出電磁弁16の開放時間T2。
図示されていない一つの代替形態において、全体として同様な操作で、二つの測定チャンバ3と8の間に配置された電磁弁9が、静圧コンバータ6に従属する静圧調整器で置き換えられ、この静圧調整器は、装置の製造において、ある程度のコスト削減をもたらすことが可能である。
ここで留意すべきことは、温度が、他の様々な場所で測定されて、考慮に入れられることが可能であると言うことである。特に、第一の測定チャンバ3の直ぐ上流で、更なる温度センサー18により測定され、注入された流体が、既に前記第一の測定チャンバ3の中に含まれているかなりの量の流体と混合されて、それによって温度が均等化される前に、注入された流体の迅速な温度変動を評価することが可能である。
この方法を実施するために、または、その操作を適合させることにより、特に、第一の測定チャンバの各排出に対して、従って、各注入ステップで、第二の測定チャンバの連続する充填/排出ステップを、任意の数、設けることにより、装置の構造的な詳細を変更することは、添付された請求項で規定される本発明の範囲の外ではない。

Claims (2)

  1. 熱機関において使用される燃料注入システムによりもたらされる段階的な注入速度を分析することを可能にする方法であって、
    当該方法は:
    − 一定容積の第一の測定チャンバ(3)の中へ燃料を注入し、
    − 第一の測定チャンバ(3)の中で支配的な圧力(P)及び温度(T)を測定し、
    − 前記第一の測定チャンバ(3)中の燃料を第二の測定チャンバ(8)の方へ少なくとも部分的に排出し、第二の測定チャンバの中に、第一の測定チャンバ(3)から排出された燃料が送られ、ここで、第二の測定チャンバ(8)は、この測定チャンバ(8)の内側でのピストン(11)の動きに依存して変化する容積(V)を有していて、
    − 第二の測定チャンバ(8)の中での前記ピストン(11)の動きを測定し、
    − 第一の測定チャンバ(3)の中の圧力(P)及び温度(T)の測定値、及び第二の測定チャンバ(8)の中での前記ピストン(11)の動きを分析し、
    前記注入が行われた後に、第二の測定チャンバ(8)の中への第一の測定チャンバ(3)中の燃料の部分的な排出が、注入の前の第一の測定チャンバ(3)中で支配的な圧力(P0)が回復されるまで行われる、方法において、
    各注入の後に、第二の測定チャンバ(8)の中への第一の測定チャンバ(3)中の燃料の部分的な排出が、連続的に、数段階で行われ、第二の測定チャンバ(8)中の燃料は毎回排出されること、
    前記第二の測定チャンバ(8)の各充填/排出に対する、第二の測定チャンバ(8)の中での前記ピストン(11)の動きによる体積の測定値が加算され、それにより、注入ステップの間にインジェクタ(1)により送り込まれた燃料の量に対応する合計体積を得ること、
    を特徴とする方法。
  2. 下記特徴を有する請求項1に記載の方法:
    第二の測定チャンバ(8)の中への、第一の測定チャンバ(3)中の燃料の部分的な排出は、第二の測定チャンバ(8)中の燃料の、約10回連続する充填/排出サイクルに分割される。
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