JP2012502218A - 高出力熱機関において使用される燃料注入システムによりもたらされる段階的な注入速度を分析するための装置 - Google Patents

高出力熱機関において使用される燃料注入システムによりもたらされる段階的な注入速度を分析するための装置 Download PDF

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Abstract

本発明は、一定の容積を測定するための、且つ、その中に燃料が注入される第一の測定チャンバ(3)と;前記第一の測定チャンバ(3)に関係付けられている圧力センサー(5a,5b)及び温度センサー(6)と;第一の測定チャンバの下流に位置し、且つ、その中へ、第一の測定チャンバから排出された燃料が送られる第二の測定チャンバ(8)と;を含む装置に係る。第二の測定チャンバ(8)の容積は、ピストン(11)の動きにより変化し、そのピストン動きは、センサー(13)により測定される。一つまたはそれ以上の更なる、可変容積の測定チャンバ(8a,8b, ... 8n)が、第二の測定チャンバ(8)に対して並列に接続され、第一の測定チャンバ(3)から排出された燃料を受け取る。前記異なるチャンバの中に受け取られた体積は、加算され、単一の注入ステップの間に供給された合計の体積が得られる。この装置は、高い注入速度に対して使用されることが可能である。
【選択図】図1

Description

本発明は、熱機関において使用される燃料注入システムによりもたらされる段階的な注入速度(step-by-step injection rate)を分析することを可能にする装置に係る。関係する注入システムは、特に、ディーゼル・エンジンを備えた注入システムである。ここに記載された本発明は、特に、高出力エンジンにおいて使用される注入システムに、従って、高い燃料流量を備えた注入システムに適用可能である。
注入システム及び熱機関の製造者が、インジェクタを開発することを可能にするため、並びに、製造の間、及びそれらの最終的な使用のためのシステムの取り付けの間に、調整及びコンプライアンスの評価を実施することを可能にするための測定装置が、既に知られている。これらの測定装置は、特定のテスト・ブロックと共に使用され、このテスト・ブロックの役割は、第一に、テストの間、注入ポンプの回転を駆動すること、及び注入システムの様々な要素を支持することである。これらのタイプの装置により行われる測定は、注入された燃料の体積の値及び注入時間または角度の両者を正確に知ることを可能にしなければならない。
その目的のために、本願出願人の名前による、仏国特許 FR 2795139 A、またはその対応特許、欧州特許 EP 1187987 B1 から、熱機関において使用される注入システムによりもたらされる段階的な注入速度を即時に分析することを可能にする装置が、既に知られている。この装置は、本質的に、二つの測定チャンバの組み合わせにより特徴付けられる。
このようにして、ここで言及されている装置は、燃料がその中に注入される一定の容積のチャンバを測定するための第一のチャンバ、並びに、前記第一の測定チャンバを少なくとも部分的に排出することを可能にする手段を含んでいて、上記第一のチャンバに圧力センサー及び温度センサーが関係付けられ、それらが、当該チャンバの中で支配的な圧力及び温度をそれぞれ測定する。
この装置はまた、第一の測定チャンバの下流に、第一の測定チャンバから排出された燃料がその中に送られる第二の測定チャンバを含んでいて、第二の測定チャンバの容積は、ピストンの動きに依存して変化し、その動きが、動きセンサーを使用して測定される。
電子的部分が装置アセンブリをコントロールし、この部分はまた、異なるセンサーから受け取られた情報を分析する。
この装置の動作原理は、以下の通りである:
装置で測定を実施する準備が整ったとき、即ち、燃料が二つの測定チャンバの中に存在し、且つ、予め設定された圧力が第一の測定チャンバの中で支配的であるときに、注入が行われる。これが、第一の測定チャンバの中での圧力の増加を引き起こし、それは、注入された燃料の量、燃料の特徴、環境的な条件、特に温度及び当初の圧力、及びチャンバの容積に関係している。注入の最後に、第一の測定チャンバの中に含まれる燃料が、第二の測定チャンバの中へ部分的に排出され、第一の測定チャンバの中の圧力が、このようにして、その当初の設定値に戻され、そして、この第一の測定チャンバは、そのとき、新たな注入を受け取る準備が整う。第二の測定チャンバの中に到達した燃料は、ピストンを押すことにより、この第二の測定チャンバの中の体積を増大させる。ピストンの動きが測定され、そして、ピストンの直径に基づいて、電子的部分の一部が燃料の正確な体積を計算する。この第二の測定は、電子的部分が、第一の測定チャンバにより行われる測定を、何時でも且つ非常に正確に補償することを可能にする。
上述の特許文献の中に記載された、装置の一つの好ましい実施形態において、上記電子的部分の一部によりコントロールされる急速電磁弁及び排出装置が、二つの測定チャンバの間に配置され、注入の後、第一の測定チャンバが、当該注入の前にその中を支配していた圧力に戻るまで、第一の測定チャンバを部分的に排出する。この場合には、電子的部分はまた、好ましくは、二つの連続する排出の後で、第一の測定チャンバの中での潜在的な圧力の相違を考慮に入れることを可能にする補償機能を含んでいる。
“燃料”と言う用語は、ここで、装置において使用される流体、特に、二つの測定チャンバを満たす流体、及び注入された流体、を意味するために使用されていて、現実の燃料、または、好ましくは、燃料の水力学的特徴に近い水力学的特徴を有しているが、火災及び爆発の危険を最小にするために、燃料の引火点温度より遥かに高い引火点温度を備えた流体を意味している。
全体として、一定の容積を備えた第一の測定チャンバは、注入の“形態”を正確にもたらすことを可能にし、これに対して、可変の容積を備えた第二の測定チャンバは、注入された燃料の量を測定することを可能にする。電子的部分の中で行われる処理は、他の質により、それぞれの測定の欠陥を修復することを可能にする。
以上で想起された既存の装置は、特に、低いまたは平均的な量の燃料を、典型的に時間当たり100リットルまでの燃料を、送り出すインジェクタに適用される。
船を推進するためまたは大きな発電機を駆動するために使用されるもののような、高い出力インジェクタ及びエンジンを開発するために、より大きな速度に対して、段階的な、即時の注入速度の測定を実施することが可能であることが必要である。
その目的のための、より大きな測定装置を製造する場合に、以上で想起された既知の装置の単純に相似拡大は、第二の測定チャンバを作る際に、即ち、ピストンの動きを介して体積測定を実施するために使用される可変容積のチャンバを作る際に、困難に遭遇する。
一定の容積を有し、既に流体で満たされたこの容積の中へ注入の間、圧力増加の即時の測定を実施するために使用される第一の測定チャンバに対しては、寸法を単純に増大させて、それをより高い速度に適合させることに、技術的な困難性はない。これまでの実施形態の特有の、典型的に1リットルより小さい容積の代わりに、テストの中で見出された注入ポンプおよび/またはインジェクタに適合され、より高い値を備えた容積を設けることは、容易である。この容積の値は、単一の注入の間に、第一の測定チャンバの中で数バール(10Pa)または数十バール(10Pa)の圧力の典型的な増加が得られるように決定されなければならず、この値は、このチャンバに対して、数リットルまたは数十リットルの典型的な体積をもたらすが、これらの値が限定されることは無い。
このようにして、原則として、遥かに大きな容積を使用すること、必要な場合には、非常に大きな即時の速度測定することに、不都合は無いであろう。そのような容積の製造は、事実、シンプルなままでとどまり、特別な技術的問題を生じさせることがない。それが、典型的に200バール(2x10Pa)までに達することがある内部圧力に耐えなければならないと言う事実のために、それは、比較的厚い、従って重い部材を作ることを潜在的に含むことがあるが、これらの条件または要求は、ここで関係するタイプの機器に対して異常なものではない。更にまた、それは、可動部品または他のデリケートな要素の無い一定容積のチャンバを作ることを含んでいるので、この部分が、高価になることがなく、また、その内側の容積に拘わらず、特に頑丈であろう。
しかしながら、内側のピストンを備えた第二の、可変容積の測定チャンバに関して、困難が生ずる、その理由は、このチャンバが非常に厳しい技術的な要請に適合しなければならないからである。主なる要請は、以下の通りである。
− ピストンは、測定チャンバの境界を定めるシリンダの中で、ロックされまたは漏洩すること無く、完全に摺動しなければならない。ここで、このチャンバの全体としての温度は、一般的に比較的低く、典型的に40℃と70℃の間で維持されるが、インジェクタのノーズでの瞬間的な温度は高く、典型的に2000バール(2x10Pa)より高い、非常に高い圧力を備えた現代の注入システムに対して200℃を超えることがある。
− ピストンは、測定チャンバ内の燃料の排出からもたらされる容積変動に迅速に反応するために、可能な限り軽量でなければならず、それが、中空形状且つ非常に薄い壁厚を備えたピストンを作ることをもたらす。
− 測定チャンバの境界を定めるシリンダ、及びシリンダの中に摺動可能に取り付けられたピストンにより、形成されるアセンブリは、しかしながら、多数の燃料注入サイクルに耐えるため、従って、損傷無く、ピストンの動きにより前記測定チャンバを充填/排出するために、非常に頑丈でなければならない。
ピストンは、その直径が10mmと35mmの間で、通常作られ、それは、1mmと10mmの間の行程を意味していて、それは、80mm3と10,000m3の間の合体された測定容積に対応している。共通の経験によれば、10mmより小さい直径を備えたピストンを製造しようとする際、及び35mmより大きい直径を備えたピストンを製造しようとする際の双方で、製造上の困難性が増加する。特に、装置を適合させるための、特に、その第二の測定チャンバを高い速度または容積に適合させるための、ピストンの直径の増加は、従って、満足なソリューションではないであろう。
仏国特許出願公開第 FR 2795139 A 号明細書 欧州特許 EP 1187987 B1 号明細書
本発明は、これらの困難を回避することを目指していて、従って、ここで考察されるタイプのソリューションを提供することを目指していて、それは、大きな注入速度に、典型的に毎分100リットルより大きい注入速度に適合され、しかも経済性が維持されるものである。
その目的のために、本発明は、熱機関において使用される燃料注入システムによりもたらされる段階的な注入速度を分析することを可能にする装置に係る。この装置は、既知のやり方で、下記の構成を有している。
− 一定の容積を測定するための第一の測定チャンバ、この第一の測定チャンバの中に燃料が注入され、それぞれ、前記第一の測定チャンバの中で支配的な圧力及び温度を測定するために、圧力センサー及び温度センサーが、前記第一の測定チャンバに関係付けられている;
− 第一の測定チャンバを少なくとも部分的に排出するための手段;
− 第一の測定チャンバの下流の、第一の測定チャンバから排出された燃料がその中に送られる第二の測定チャンバ、第二の測定チャンバの容積は、ピストンの動きに依存して変化し、その動きが動きセンサーを使用して測定される;
− 装置をコントロールし、且つセンサーから受け取った情報を分析する電子的部分、それによって、注入が行われた後に、第一の測定チャンバの部分的な排出が、前記第一の測定チャンバの中で支配的な圧力がその中で注入の前の値に回復されるまで、行われることになる。
この装置は、本発明によれば、以下の事実により本質的に特徴付けられる。少なくとも一つの更なる測定チャンバが、第二の測定チャンバに対して並列に、第一の測定チャンバの下流に取り付けられ、それにより、第一の測定チャンバから排出された燃料が、第二の測定チャンバの中に、および/または各更なる測定チャンバの中に、受け取られる。この更なる測定チャンバの容積は、ピストンの動きにより変化し、その動きが、動きセンサーを使用して測定される。電子的部分は、各注入の間、第二の測定チャンバにより、及び前記更なる測定チャンバにより、受け取られた体積測定して加算するように構成され、それによって、注入ステップの間に送り込まれた燃料の量に対応する全体積が得られることになる。
このようにして、本発明のアイデアは、単一の可変容積の第二の測定チャンバの代わりに、並列に取り付けられた、二つまたは数個の、可変容積の測定チャンバを設けることからなる。第一の測定チャンバから排出された燃料の全体積燃料は、従って、二つまたは数個の他の測定チャンバの中へ送り出されることが可能であり、それらのチャンバのそれぞれが、そのピストンの動きにより、部分的な容積を受け取って測定し、測定された部分的な容積の全ての加算値が、各ステップで注入された全体積をもたらす。
結果として、高い注入速度に対しても、並列に取り付けられた可変容積の測定チャンバを増すことにより、これらのチャンバの全てが、限定された寸法を維持することが可能になり、特に、ピストンが、その直径が所望の最大値を超えることがない。
本発明に基づく装置の一つの実施形態によれば、電子的部分は、第二の測定チャンバの中への及び前記更なる測定チャンバの中への、換言すれば、全ての可変容積の測定チャンバの中への、第一の測定チャンバの排出を、同時にコントロールするように構成されている。これらの測定チャンバの全ての方への燃料の移送、並びに、部分的な容積の測定は、従って、同時であって、それらの容積の合計は、注入ステップに対する全体積に対応する。この実施形態は、装置のコントロールの観点から、その単純さによる優位性を有している。
本発明に基づく装置の他の実施形態によれば、電子的部分は、第二の測定チャンバの中への及び前記更なる測定チャンバの中への、換言すれば、異なる可変容積の測定チャンバの中への、第一の測定チャンバの排出を、別個に、特に連続的に、コントロールするように構成されている。この他のコントロール・モードは、各可変容積のチャンバが別個にコントロールされる必要があるので、装置のコントロールを僅かに複雑にする。しかしながら、それは、第一の測定チャンバから出る流れを調整することによる優位性を有していて、可変容積の測定チャンバの一部が流体を受け取り、それに対して、他のチャンバは、既に排出プロセスにある。
装置の最も単純なデザインにおいて、第二の測定チャンバ及び前記更なる測定チャンバは、全て同一であって、特に、同一の最大容量及び同一の断面積を有し、その断面積はまた、ピストンの断面積に対応している。
しかしながら、第二の測定チャンバ及び前記更なる測定チャンバの中に、他と比べてより大きな容量を備えた少なくとも一つの測定チャンバ、及び他と比べてより小さい容量を備えた少なくとも一つの測定チャンバが有ることが、従って、異なる容量及び特に異なる断面積を備えた少なくとも二つの測定チャンバが有ることが好ましく、電子的部分は、各ステップで注入された合体した量の燃料の関数として、これらの測定チャンバの一方および/または他方をコントロールするように構成されている。
理解されるように、より大きな容量、特により大きな断面積を備えた測定チャンバは、かなり限定された絶対測定精度を有し、これに対して、より小さな容量、特により小さな断面積を備えた測定チャンバは、高い絶対測定精度を有している。このようにして、この装置は、大きな注入量を測定する可能性を維持しながら、注入された量が小さいときに、大きな絶対測定精度を有している。この装置は、従って、その相対的な精度が実質的に一定に維持される測定を実現することに役立ち、それは、高い測定力を備えた測定装置にとって望ましい優位性であって、即ち、小さな量及び大きな量の両方を正確に測定することを可能にする。この場合に、注入ステップ当り100mmと100,000mmの間の注入された量で、非常に正確に測定すること、即ち、最大スケールの千分の一の近傍の絶対精度で測定することが可能になる。
ここで留意すべきことは、数個の可変容積の測定チャンバと結合されると言う、その使用原理のために、本発明の装置は、可変容積の単一のチャンバ装置と比べてより高い注入速度を測定することを可能にすることのみではなく、設けられた測定チャンバの数に比例して、より高い注入頻度に対して、注入速度を測定することをも可能にすると言うことである。
換言すれば、本発明に基づく形状は、制御ソフトウエアのパラメータのシンプルな適合により、装置の構造的な変更無しで、より高い注入頻度でより高い速度を測定することが可能になると言うことから、非常に好ましい。これは、本発明の主題であるところの装置を、現実の注入システムに、特により良く適合させる。このシステムは、事実、エンジンの低い回転状況では、段階的に、より大きな合体した量を注入し、そして、エンジンの回転状況が増加するに伴い、より頻繁な注入で、より低い合体した量を注入する。
図1は、本発明に基づく、注入された燃料の量を測定するため装置の機械的な部分を、非常に概略的に示す図である。
本発明は、添付された概略図面を参照しながら、以下の説明により良く理解されるであろう。この図面は、燃料注入システムによりもたらされる段階的な注入速度を分析するためのこの装置の実施形態を、例として示している。
図1は、インジェクタ1を示していて、このインジェクタの注入ノズル2は、第一の測定チャンバ3の中にあり、この第一の測定チャンバは、一定容積のチャンバである。第一の測定チャンバ3は、使用中に、燃料の水力学的特徴に近い水力学的特徴を有しているが、火災及び爆発の危険を最小にするために、燃料の引火点温度と比べて遥かにより高い引火点温度を有する流体で満たされる。この流体はまた、インジェクタ1において使用される流体である。この流体の貯槽4は、装置の中に設けられている。
ここに示された例において、第一の測定チャンバ3は、好ましくは、圧力センサーとして、動圧コンバータ5a及び静圧コンバータ5bを含んでいる。動圧コンバータ5aは、圧電性のコンバータの形態で作られることが可能であって、力の成分を測定するための役割を担い、それに対して、高い分解能−典型的に0.001バール(10Pa)−及び迅速な応答が求められる。静圧コンバータ5bは、圧電性のコンバータの形態で作られることが可能であって、静的成分を測定するための役割を担い、それに対して、本質的に、大きな力、典型的に1から250バール(1〜250x10Pa)が求められる。
第一の測定チャンバ3はまた、迅速な応答の温度センサー6を備えている。
第一の測定チャンバ3は、第二の測定チャンバ8の方へ向けられ、従って、第一の測定チャンバ3の下流(流体の循環の方向に基づく)に配置された出口7を含んでいる。電磁弁9が、第一の測定チャンバ3と第二の測定チャンバ8との間に配置されている。
第二の測定チャンバ8は、可変の容積チャンバである。この第二の測定チャンバは、シリンダ10として作られ、このシリンダの中にピストン11が、摺動可能に取り付けられ、スプリング12のスラストを受ける。ピストン11の動きは、例えば、誘導センサーの形態で作られた、動きセンサー13により検出される。温度コンバータ14もまた、第二の測定チャンバ8に関係付けられている。
この第二の測定チャンバ8から出発して、排出チャネル15があり、その開放及び閉鎖は、排出電磁弁16によりコントロールされ、この電磁弁の下流に、チェック・バルブ17が配置されている。排出チャネル15は、流体を既に述べた貯槽4に戻す。
本発明によれば、前記更なる測定チャンバ8a,8b, ... 8nは、第二の測定チャンバ8を含む回路分岐に対して並列の流れの回路分岐の中で、第一の測定チャンバ3の下流に取り付けられる。各更なる測定チャンバ8a,8b, ... 8nもまた、可変の容積チャンバであって、シリンダ10a,10b, ... 10nとして作られ、それらの中に、ピストン11a,11b, ... 11nが摺動可能に取り付けられ、その動きが、動きセンサー13a,13b, ... 13nにより検出される。
回路のこれらの分岐のそれぞれに、第一の測定チャンバ3の出力7と対応する更なる測定チャンバ8a,8b, ... 8nとの間に、電磁弁9a,9b, ... 9nが配置される。回路分岐の全てのそれぞれの排出チャネル15a,15b, ... 15nは、それぞれ、排出電磁弁16a,16b, ... 16nを含んでいて、これらの排出チャネル15a,15b, ... 15nは、互いに合流し、排出チャネル15が流体を貯槽4に戻す。
装置はまた、図示されていないやり方で、装置のアセンブリをコントロールして、異なるセンサーから受け取られた情報を分析する電子的部分を含んでいる。
特に、この電子的部分は:
− 第一の測定チャンバ3の出口7から来る流体を、他の測定チャンバ8,8a,8b, ... 8nの何れかの方へ送り出す電磁弁9,9a,9b, ... 9nをコントロールする;
− 他の測定チャンバを排出するため、及び流体を貯槽4に戻すため、これらの他の測定チャンバ8,8a,8b, ... 8nに関係付けられている、排出電磁弁16,16a,16b, ... 16nをコントロールする;
− 第一の測定チャンバ3に関係付けられているセンサー6またはコンバータ5a,5bにより供給される圧力及び温度の測定信号を受けて処理する;
− 対応する動きセンサー13、13a,13b, ... 13nにより供給される、他の測定チャンバ8,8a,8b, ... 8nのピストン11、11a,11b, ... 11nの動き信号を受けて処理する。
装置の使用の間に、第一の測定チャンバ3を満たすために、流体がポンプ(図示せず)を使用して貯槽4の中へ送られる。この第一の測定チャンバ3を満たす流体は、当初、予め定められた設定値に等しい圧力を有している。測定は、厳密に言えば、その後、以下に記載されたプロセスに基づいて開始されることが可能である。
インジェクタ1は、ノズル2による第一の測定チャンバ3の中への流体の注入を実施する。コンバータ5a及び5bのために、圧力、特に、第一の測定チャンバ3の中での圧力の増加が測定され、それは、注入された流体速度の曲線を時間の関数として決定することを可能にし、また補正を、センサー6により検出された温度Tの関数として行う。この第一の測定チャンバ3の中の圧力が、最早、増加することが無くなったときに、注入が終了したと推定される。
電磁弁9,9a,9b, ... 9nが、次いで、開放され、同時に、または別個に、特に連続的に、第一の測定チャンバ3から、他の測定チャンバ8,8a,8b, ... 8nの方へ、流体を移送する。これらの測定チャンバ8,8a,8b, ... 8nの容積は、それ故に増加し、それは、対応するピストン11、11a,11b, ... 11nの動きを伴う。動きセンサー13、13a,13b, ... 13nは、ピストン11、11a,11b, ... 11nのそれぞれの動きを測定する。
ピストン11,11a,11b, ... 11nの各動きは、対応する測定チャンバ8,8a,8b, ... 8nの対応する容積変動を有している。電子的部分は、この容積変動を決定して、それを、コンバータ14などの、温度センサーにより供給される信号の関数として補正する。更にまた、電子的部分は、異なる測定チャンバ8,8a,8b, ... 8nに対して決定された部分的な流体の体積を加算し、それにより、第一の測定チャンバ3の中へ注入された流体の量に対応する全体積を得る。
電子的部分はまた、異なる排出電磁弁16,16a,16b, ... 16nをコントロールして、流体を貯槽4の中へ戻し、ピストン11、11a,11b, ... 11nが、それらの当初の位置に戻ることを可能にし、それと共に、第一の測定チャンバの中の圧力3がその当初の設定値に戻る。新たな注入がこの第一の測定チャンバ3の中で可能になり、それが繰り返される。
注入速度の機能として、且つ、電磁弁9,9a,9b, ... 9nの適合されたコントロールにより、装置は、可変容積の測定チャンバ8,8a,8b, ... 8nの全てを使用することにより、または、これらの測定チャンバの一部のみを使用することにより、動作することができる。
ここで留意すべきことは、温度が他の様々な場所で測定されて、考慮に入れられることが可能であることである。特に、第一の測定チャンバ3の直ぐ上流で、更なる温度センサー18により測定され、注入された流体が、既に前記第一の測定チャンバ3の中に含まれるかなりの量の流体と混合されて、それにより温度が均等化される前に、注入された流体の迅速な温度変動を評価することが可能である。
以下は、本発明の範囲の外側ではない:
− 装置の構造的な詳細を変更すること;
− 並列に取り付けられた、任意の数の可変容積の測定チャンバを設けること;
− 前記測定チャンバが全てが同一である代わりに、互いに異なる容量を有していて、少なくとも一つのより大きい容量の測定チャンバ、及び少なくとも一つのより小さい容量の測定チャンバを備えていること;
− 特に、一つまたは数個の可変容積の測定チャンバに対して、各注入ステップで注入された燃料の量を測定するための、二つまたは数個の部分的な充填/排出サイクルで、僅かに異なる操作をもたらすこと、そして、このようにして行われた部分的な体積測定を加算することにより、可変容積の測定チャンバで、装置のサイズを増大させること無く、装置を更により高い注入速度に適合することを可能にする。

Claims (6)

  1. 熱機関において使用される燃料注入システムによりもたらされる段階的な注入速度を分析することを可能にする装置であって、
    当該装置は:
    − 一定の容積を測定するための第一の測定チャンバ(3)を有し、その中に燃料が注入され、圧力センサー(5a,5b)及び温度センサー(6)が、前記第一の測定チャンバ(3)の中で支配的な圧力及び温度をそれぞれ測定するために、前記第一の測定チャンバ(3)に関係付けられ、
    − 第一の測定チャンバ(3)を少なくとも部分的に排出するための手段(7,9)を有し、
    − 第一の測定チャンバ(3)の下流に、第一の測定チャンバ(3)から排出された燃料がその中に送られる第二の測定チャンバ(8)を有し、第二の測定チャンバ(8)の容積は、ピストン(11)の動きに依存して変化し、このピストンの動きは、動きセンサー(13)を使用して測定され、
    − 電子的部分を有し、この部分は、当該装置をコントロールし、前記センサーから受け取った情報を分析し、それによって、注入が行われた後に、第一の測定チャンバ(3)の部分的な排出が、前記第一の測定チャンバ(3)の中で支配的な圧力が注入の前の値にその中で回復されるまで、行われる、
    装置において、
    少なくとも一つの更なる測定チャンバ(8a,8b, ... 8n)を有し、その容積は、ピストン(11a,11b, ... 11n)の動きにより変化し、その動きは、動きセンサー(13a,13b, ... 13n)を使用して測定され、この更なる測定チャンバは、第二の測定チャンバ(8)に対して並列に、第一の測定チャンバ(3)の下流に取り付けられ、それによって、第一の測定チャンバ(3)から排出された燃料が、第二の測定チャンバ(8)の中に、および/または、各更なる測定チャンバ(8a,8b, ... 8n)の中に、受け取られるように構成されていること、
    前記電子的部分は、各注入の間に、第二の測定チャンバ(8)により、及び前記更なる測定チャンバ(8a,8b, ... 8n)により、受け取られた体積を、測定して加算するように構成され、それによって、注入ステップの間に送り込まれた燃料の量に対応する合計の体積を得るようになっていること、
    を特徴とする装置。
  2. 下記特徴を有する請求項1に記載の装置:
    前記電子的部分は、第二の測定チャンバ(8)の中への、及び前記更なる測定チャンバ(8a,8b, ... 8n)の中への、第一の測定チャンバの排出(3)を、換言すれば、全ての可変容積の測定チャンバの中への第一の測定チャンバの排出(3)を、同時にコントロールするように構成されている。
  3. 下記特徴を有する請求項1に記載の装置:
    前記電子的部分は、第二の測定チャンバ(8)の中への、及び前記更なる測定チャンバ(8a,8b, ... 8n)の中への、第一の測定チャンバの排出(3)を、換言すれば、前記異なる可変容積の測定チャンバの中への第一の測定チャンバの排出(3)を、別個に、特に、連続的にコントロールするように構成されている。
  4. 下記特徴を有する請求項1から3のいずれか1項に記載の装置:
    第二の測定チャンバ(8)及び前記更なる測定チャンバ(8a,8b, ... 8n)は、全て同一であり、特に、同一の最大容量、及びピストン(11,11a,11b, ... 11n)の断面積に対応する同一の断面積を有している。
  5. 下記特徴を有する請求項1から3のいずれか1項に記載の装置:
    第二の測定チャンバ(8)及び前記更なる測定チャンバ(8a,8b, ... 8n)の中に、他と比べてより大きい容量を備えた少なくとも一つの測定チャンバ、及び他と比べてより小さい容量を備えた少なくとも一つの測定チャンバがあり、従って、異なる容量、特に異なる断面積を備えた少なくとも二つの測定チャンバがあり、
    前記電子的部分は、各ステップで注入された燃料の合体した量の関数として、これらの測定チャンバの内の一つおよび/またはそれ以外をコントロールするように構成されている。
  6. 下記特徴を有する請求項1から5のいずれか1項に記載の装置:
    前記一定容積の第一の測定チャンバ(3)に関係付けられている、前記圧力センサーは、動圧コンバータ(5a)及び静圧コンバータ(5b)を含んでいる。
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