JP5430912B2 - コンクリートブロック積み擁壁 - Google Patents

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Description

この発明はコンクリートブロック積み擁壁に関し、特に、山間部等に道路の拡幅を形成する際、前壁の法勾配が略垂直のコンクリート擁壁上部へ、道路の拡幅施工を同時且つ容易に、しかも、経済的に出来るコンクリートブロック積み擁壁に関するものである。
山間部等において道路の拡幅施工を行う際、一般的には所定の勾配、例えば5分(縦1:横0.5の比率)程度の勾配面を有する前壁を備えた通常形状のコンクリートブロックを積み上げて擁壁を形成し、その上部に道路を施工していた。しかしながら、全ての前壁が所定の勾配を有しているため、最下段の前面と最上段の前面との水平方向の間隔が大きなものとなっており、有効にスペースを活用することが出来なかった。
そこで、最下段の前面と最上段の前面との水平方向の間隔を小さなものにするコンクリートブロック積み擁壁が種々提案されている。これらの中で、上段部のコンクリートブロックの前壁が急な勾配面を有しているコンクリートブロック積み擁壁について、以下に説明する。
図14は特許文献1で開示されたコンクリートブロック積み擁壁の施工断面図であり、図15は図14で示した擁壁の一部の概略構造を示した斜視図であり、図16は図14で示した擁壁に用いられているコンクリートブロックの一部の概略構造を示した斜視図である。
これらの図を参照して、擁壁70は、基礎コンクリート6の上部に4段設置された通常形状の第1コンクリートブロック71a〜71dと、第1コンクリートブロック71dの上部に、道路拡幅用の第2コンクリートブロック72a〜72cが3段積まれた状態で構成されている。
第1コンクリートブロック71a〜71dは、その前面及び後面の法勾配が5分程度となるような形状を有しており、他の形状は基本的には後述する第2コンクリートブロック72a〜72cと同一形状となっている。そして、第2コンクリートブロック72a〜72cは、図16に示されているように、矩形平板状でその前面の法勾配が略垂直の前壁77と、その内側の中央に接続された控壁78と、控壁78に接続され、前壁77と略平行に接続される平板状の後壁79とから構成されている。又、第1コンクリートブロック71a〜71d及び第2コンクリートブロック72a〜72cの各々の前壁と後壁との間のスペースには、上下方向に延びる鉄筋76が配置されていると共に、現場打コンクリート75が打設されている。従って、第1コンクリートブロック71a〜71d及び第2コンクリートブロック72a〜72cは上下、左右に強固に連結されている。
そして、擁壁70の上部に基礎ブロック11が設置されると共に、歩道面14及び車道面15が形成され、道路が拡幅される。
擁壁70はこのように構成されているため、第2コンクリートブロック72a〜72cの前壁77が鉛直方向に整列する。従って、前壁77の勾配面の勾配が略垂直となる。前壁77の勾配面の勾配が略垂直となることで、例えば通常形状の第1コンクリートブロック71のみを積み上げた擁壁と比較すると、擁壁の最下段の前面と最上段の前面との水平方向の間隔が減少することになる。即ち、道路拡幅用のスペースが拡大する。
特開2008−144585号公報
上記のような従来のコンクリートブロック積み擁壁では、その前面の法勾配が5分程度である通常形状のコンクリートブロックを積み上げた擁壁と比較すると、道路拡幅用のスペースが拡大する。しかしながら、図14で示したように、擁壁70の最下段の前面と最上段の前面との間には、水平方向の間隔に距離Lが発生している。即ち、この距離Lのスペースが道路拡幅用として十分活用されているとは言えない。
ここで、上述した課題を解決するため、例えば、図14で示した第1コンクリートブロック71a〜71dの前壁の勾配面の勾配を略垂直に形成し、第1コンクリートブロック71a〜71d及び第2コンクリートブロック72a〜72cの各々の前壁を鉛直方向に整列させる。すると、第1コンクリートブロック71a〜71d及び第2コンクリートブロック72a〜72cの各々のスペースに打設する現場打コンクリートの打設量が大きく増加してしまう。
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、最下段の前面と最上段の前面との水平方向の無駄なスペースを無くすと共に、各々のコンクリートブロックを一体化させるための現場打コンクリートの打設量を抑制することが出来るコンクリートブロック積み擁壁を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、請求項1記載の発明は、複数のコンクリートブロックを上下に積み重ねることによって形成されるコンクリートブロック積み擁壁であって、コンクリートブロックに少なくとも含まれ、前壁を上下に整列させた状態で設置される複数の第1コンクリートブロックの各々は、鉛直の勾配を有する第1勾配面よりなる第1前壁と、第1前壁に対向すると共に、後方側に傾斜する第2勾配面よりなる第1後壁とを備え、第1コンクリートブロックの各々の第1後壁の第2勾配面は連続した傾斜面を形成し、更に、第1コンクリートブロックの各々の第1後壁の後方側に形成され、第1後壁の各々を上下に一体化する一体化手段を備え、第1コンクリートブロックの各々には、第1前壁と第1後壁とを平面視矩形枠状に接続する第1側壁及び第2側壁が形成され、第1側壁には、上下方向に延びる凹部が形成され、第2側壁には、上下方向に延びると共に、隣接する同一段の第1コンクリートブロックの凹部に水平方向において係合できる凸部が形成され、凸部の水平方向の高さは凹部の水平方向の深さより低く、隣接する第1コンクリートブロック同士における第1側壁と第2側壁との間にコンクリートが充填され硬化されるものである。
このように構成すると、第1コンクリートブロックにおける最下段の第1前壁と最上段の第1前壁との水平距離の差が無くなる。又、第1コンクリートブロックの第1後壁の各々は上下に一体化する。更に、水平方向に隣接する第1コンクリートブロック同士が、凹部と凸部とで係合すると共にコンクリートで一体化される。
請求項2記載の発明は、複数のコンクリートブロックを上下に積み重ねることによって形成されるコンクリートブロック積み擁壁であって、コンクリートブロックに少なくとも含まれ、前壁を上下に整列させた状態で設置される複数の第1コンクリートブロックの各々は、鉛直の勾配を有する第1勾配面よりなる第1前壁と、第1前壁に対向すると共に、鉛直の勾配を有する第2勾配面よりなる第1後壁とを備え、第1コンクリートブロックの各々は、上方に行くに従って第1前壁と第1後壁との水平距離が増加し、更に、第1コンクリートブロックの各々の第1後壁の後方側に形成され、第1後壁の各々を上下に一体化する一体化手段を備え、第1コンクリートブロックの各々には、第1前壁と第1後壁とを平面視矩形枠状に接続する第1側壁及び第2側壁が形成され、第1側壁には、上下方向に延びる凹部が形成され、第2側壁には、上下方向に延びると共に、隣接する同一段の第1コンクリートブロックの凹部に水平方向において係合できる凸部が形成され、凸部の水平方向の高さは凹部の水平方向の深さより低く、隣接する第1コンクリートブロック同士における第1側壁と第2側壁との間にコンクリートが充填され硬化されるものである。
このように構成すると、第1コンクリートブロックにおける最下段の第1前壁と最上段の第1前壁との水平距離の差が無くなる。又、第1コンクリートブロックの第1後壁の各々は上下に一体化する。更に、水平方向に隣接する第1コンクリートブロック同士が、凹部と凸部とで係合すると共にコンクリートで一体化される。
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の発明の構成において、第2側壁の凸部は、その中央部に形成された凹み部を有するものである。
このように構成すると、コンクリートは凹み部にも充填される。
請求項4記載の発明は、複数のコンクリートブロックを上下に積み重ねることによって形成されるコンクリートブロック積み擁壁であって、コンクリートブロックに少なくとも含まれ、前壁を上下に整列させた状態で設置される複数の第1コンクリートブロックの各々は、鉛直の勾配を有する第1勾配面よりなる第1前壁と、第1前壁に対向すると共に、後方側に傾斜する第2勾配面よりなる第1後壁とを備え、第1コンクリートブロックの各々の第1後壁の第2勾配面は連続した傾斜面を形成し、更に、第1コンクリートブロックの各々の第1後壁の後方側に形成され、第1後壁の各々を上下に一体化する一体化手段を備え、更に、第1コンクリートブロックの最下段ブロックの下に設置された第3コンクリートブロックを備え、第3コンクリートブロックは、最下段ブロックと同一形状を有すると共に、その第3後壁は最下段ブロックの第1後壁に整列するように設置されるものである。
このように構成すると、第1コンクリートブロックにおける最下段の第1前壁と最上段の第1前壁との水平距離の差が無くなる。又、第1コンクリートブロックの第1後壁の各々は上下に一体化する。更に、第3コンクリートブロックの前壁は第1コンクリートブロックの第1前壁より前方に位置する。
請求項5記載の発明は、請求項1又は請求項4記載の発明の構成において、一体化手段は、第1コンクリートブロックの各々に対して形成され、第1後壁の後方に同一距離で対向すると共に、第2勾配面と平行な勾配を有する第3勾配面よりなる控え後壁と、第1コンクリートブロックの各々において、第1後壁の各々と控え後壁の各々との間の空間に形成されたコンクリート体とを含むものである。
このように構成すると、第1コンクリートブロックにおける第1後壁の各々と控え後壁の各々との間に形成されたコンクリート体によって、上下の第1コンクリートブロックの第1後壁は一体化する。
請求項6記載の発明は、複数のコンクリートブロックを上下に積み重ねることによって形成されるコンクリートブロック積み擁壁であって、コンクリートブロックに少なくとも含まれ、前壁を上下に整列させた状態で設置される複数の第1コンクリートブロックの各々は、鉛直の勾配を有する第1勾配面よりなる第1前壁と、第1前壁に対向すると共に、鉛直の勾配を有する第2勾配面よりなる第1後壁とを備え、第1コンクリートブロックの各々は、上方に行くに従って第1前壁と第1後壁との水平距離が増加し、更に、第1コンクリートブロックの各々の第1後壁の後方側に形成され、第1後壁の各々を上下に一体化する一体化手段を備え、更に、第1コンクリートブロックの最下段ブロックの下に設置された第3コンクリートブロックを備え、第3コンクリートブロックは、最下段ブロックと同一形状を有すると共に、その第3後壁は最下段ブロックの第1後壁に整列するように設置されるものである。
このように構成すると、第1コンクリートブロックにおける最下段の第1前壁と最上段の第1前壁との水平距離の差が無くなる。又、第1コンクリートブロックの第1後壁の各々は上下に一体化する。更に、第3コンクリートブロックの前壁は第1コンクリートブロックの第1前壁より前方に位置する。
請求項7記載の発明は、請求項1から請求項6のいずれかに記載の発明の構成において、一体化手段は、第1コンクリートブロックの各々の第1後壁の後方面に取り付けられたアンカー筋と、アンカー筋を覆うように第1後壁の各々に沿って上下に連続して形成されたコンクリート体とを含むものである。
このように構成すると、上下の第1コンクリートブロックの第1後壁は、アンカー筋を介してコンクリート体によって一体化する。
請求項8記載の発明は、請求項1から請求項7のいずれかに記載の発明の構成において、第1コンクリートブロックの各々の形状は、設置位置において後方面に加わる土圧に対して安定する条件で設定され、更に、第1コンクリートブロックの上に第2コンクリートブロックが設置され、第2コンクリートブロックは、鉛直の勾配を有する第4勾配面よりなると共に、第1コンクリートブロックの第1前壁の上に設置される第2前壁と、第2前壁に対向する第2後壁とを備え、第2後壁は、第1コンクリートブロックの最上段の第1後壁の上方位置より第2前壁側に位置するものである。
このように構成すると、第2コンクリートブロックは、少なくとも最上段の第1コンクリートブロックに対してコンパクトになる。
以上説明したように、請求項1記載の発明は、第1コンクリートブロックにおける最下段の第1前壁と最上段の第1前壁との水平距離の差が無くなるため、効率的なコンクリートブロック積み擁壁となる。又、第1コンクリートブロックの第1後壁の各々は上下に一体化するため、コンクリート打設量を抑制出来ると共に、上下の第1コンクリートブロックの水平方向のずれを防止出来る。更に、水平方向に隣接する第1コンクリートブロック同士が、凹部と凸部とで係合すると共にコンクリートで一体化されるため、これらの水平方向のずれを防止すると共に、充填するコンクリートの使用量が削減出来る。
請求項2記載の発明は、第1コンクリートブロックにおける最下段の第1前壁と最上段の第1前壁との水平距離の差が無くなるため、効率的なコンクリートブロック積み擁壁となる。又、第1コンクリートブロックの第1後壁の各々は上下に一体化するため、コンクリート打設量を抑制出来ると共に、上下の第1コンクリートブロックの水平方向のずれを防止出来る。更に、水平方向に隣接する第1コンクリートブロック同士が、凹部と凸部とで係合すると共にコンクリートで一体化されるため、これらの水平方向のずれを防止すると共に、充填するコンクリートの使用量が削減出来る。
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の発明の効果に加えて、コンクリートは凹み部にも充填されるため、水平方向に隣接する第1コンクリートブロック同士の水平方向及び垂直方向のずれの防止効果が更に向上する。
請求項4記載の発明は、第1コンクリートブロックにおける最下段の第1前壁と最上段の第1前壁との水平距離の差が無くなるため、効率的なコンクリートブロック積み擁壁となる。又、第1コンクリートブロックの第1後壁の各々は上下に一体化するため、コンクリート打設量を抑制出来ると共に、上下の第1コンクリートブロックの水平方向のずれを防止出来る。更に、第3コンクリートブロックの前壁は第1コンクリートブロックの第1前壁より前方に位置するため、擁壁の底板面積が増加し、地盤反力を低減する。
請求項5記載の発明は、請求項1又は請求項4記載の発明の効果に加えて、第1コンクリートブロックにおける第1後壁の各々と控え後壁の各々との間に形成されたコンクリート体によって、上下の第1コンクリートブロックの第1後壁は一体化するため、一体化状態の信頼性が向上する。
請求項6記載の発明は、第1コンクリートブロックにおける最下段の第1前壁と最上段の第1前壁との水平距離の差が無くなるため、効率的なコンクリートブロック積み擁壁となる。又、第1コンクリートブロックの第1後壁の各々は上下に一体化するため、コンクリート打設量を抑制出来ると共に、上下の第1コンクリートブロックの水平方向のずれを防止出来る。更に、第3コンクリートブロックの前壁は第1コンクリートブロックの第1前壁より前方に位置するため、擁壁の底板面積が増加し、地盤反力を低減する。
請求項7記載の発明は、請求項1から請求項6のいずれかに記載の発明の効果に加えて、上下の第1コンクリートブロックの第1後壁は、アンカー筋を介してコンクリート体によって一体化するため、一体化状態の信頼性が向上する。
請求項8記載の発明は、請求項1から請求項7のいずれかに記載の発明の効果に加えて、第2コンクリートブロックは、少なくとも最上段の第1コンクリートブロックに対してコンパクトになるため、強度面に問題無く、工事面及び経済面で有利な擁壁となる。
図1はこの発明の第1の実施の形態によるコンクリートブロック積み擁壁の施工断面図であり、図2は図1で示した擁壁の一部の概略構造を示した斜視図であり、図3は図1で示した擁壁に用いられているコンクリートブロックの一部の概略構造を示した斜視図であり、図4は図1で示したIV−IVラインの拡大断面図である。
これらの図を参照して、擁壁1は、基礎コンクリート6の上に4段設置された第1コンクリートブロック2a〜2dと、最上段の第1コンクリートブロック2dの上部に、2段設置された第2コンクリートブロック3a、3bとを備えている。そして、最上段に位置する第2コンクリートブロック3bの上部に、手摺13の設置用の基礎ブロック11が設置されており、これに手摺13が固定されると共に、縁石12を介して歩道面14及び車道面15が形成されている。
まず、第1コンクリートブロック2a〜2dの形状等について、以下に説明する。
第1コンクリートブロック2a〜2dは、図3に示されているように、矩形平板状でその前面が鉛直の勾配を有する第1勾配面よりなる第1前壁21と、第1前壁21に対向すると共に、後方側に傾斜する5分程度の勾配を有する第2勾配面よりなる第1後壁22とを備えている。更に、第1前壁21と第1後壁22とを平面視矩形枠状に接続する、平板状の第1側壁23a及び第2側壁23bと、第1後壁22の下方側に、第1前壁21に向かう方向に延びる矩形平板状の底板24とを備えている。尚、底板24には、略中央部に上下方向に貫通する排水孔33が形成されており、排水孔33によって下方への排水が可能となっている。
又、第1コンクリートブロック2a〜2dの一体化手段の一方として、第1コンクリートブロック2a〜2dの第1後壁22の各々の後方面には、アンカー筋31、32が取り付けられている。そして、これらの第1後壁22の後方側には、各々のアンカー筋31、32を覆うように、第1後壁22の各々に沿って上下に連続したコンクリート体8が一体化手段の他方として打設されている。従って、第1コンクリート体2a〜2dは上下に一体化されることになる。第1コンクリート2a〜2dの一体化手段についての詳細は後述する。
更に、第1側壁23aには上下方向に延びる凹部25が形成されると共に、第2側壁23bには上下方向に延びる凸部26が形成されている。凹部25及び凸部26の詳細な形状や効果については後述する。
そして、図1等に示されているように、上下に4段設置された第1コンクリートブロック2a〜2dは、各々の第1前壁21が上下に整列した状態で設置されている。更に、4段設置された第1コンクリートブロック2a〜2dは、各々の第1後壁22の第2勾配面が、連続した傾斜面となるように形成されている。
次に、第2コンクリートブロック3a、3bの形状等について、以下に説明する。
第2コンクリートブロック3a、3bは、図3で示した第1コンクリートブロック2におけるアンカー筋31、32を除いたものと類似形状である。そして、矩形平板状でその前面が鉛直の勾配を有する第4勾配面よりなる第2前壁51が、その下方に位置する第1コンクリートブロック2dの第1前壁21の上になるように設置されている。
又、第2コンクリートブロック3a、3bの各々の第2後壁52は、第1コンクリートブロック2a〜2dの最上段に位置する第1コンクリートブロック2dの第1後壁22の上方位置より第2前壁51側に位置するように形成されている。即ち、第2コンクリートブロック3a、3bは、少なくとも最上段の第1コンクリートブロック2dに対してコンパクトになる。従って、第2コンクリートブロック3a、3bの製造や、これらの設置に関する掘削等の観点から、後述する強度面に問題が無い状態で、工事面及び経済面で有利な擁壁1となる。
尚、第1コンクリートブロック2a〜2dの第1後壁22が有する第1勾配面の勾配は5分程度としているが、3分(1:0.3)勾配から6分(1:0.6)勾配であれば、同様に適用出来る。
又、第2コンクリートブロック3a、3bの第2後壁52が有する勾配面の勾配は5分程度としているが、5分勾配から垂直勾配であれば、同様に適用出来る。
又、第1コンクリートブロック2a〜2d及び第2コンクリートブロック3a、3bは、いずれもプレキャスト製品であり、工場にて製造されるものである。従って、各構成部分は一体となって製造されるため、強度上の信頼性が高い。
次に、第1コンクリートブロック2a〜2dの一体化手段の詳細及び効果について、以下に説明する。
まず、第1コンクリートブロック2a〜2dは、各々の第1前壁21が上下に整列した状態で設置されている。従って、第1コンクリートブロック2a〜2dにおける最下段の前壁と最上段の前壁との水平距離の差が無くなることになる。従って、道路拡幅用スペースを十分活用することが可能となり、効率的な擁壁1となる。
又、上述した通り、第1コンクリートブロック2a〜2dの各々の第1後壁22の後方面には、アンカー筋31、32が取り付けられている。そして、アンカー筋31、32を覆うように、第1後壁22の各々に沿って上下に連続してコンクリート体8が打設されている。このコンクリート体8によって、上下の第1コンクリートブロック2a〜2dの各々の第1後壁22は、アンカー筋31、32を介して一体化する。即ち、上下の第1コンクリートブロック2a〜2dは一体化し、一体化状態の信頼性が向上する。従って、上下の第1コンクリートブロック2a〜2dの水平方向のずれを防止することが可能となる。又、上下の第1コンクリートブロック2a〜2dの内部スペースへのコンクリート充填による一体化等の必要が無くなるため、コンクリート打設量を抑制することが可能となる。
次に、第1側壁23aの凹部25及び第2側壁23bの凸部26の詳細な形状等について、以下に説明する。
上述した通り、第1コンクリートブロック2には、第1側壁23aに上下方向に延びる凹部25が形成されており、第2側壁23bに上下方向に延びる凸部26が形成されている。
ここで、図4を参照して、隣接する同一段の第1コンクリートブロック2b−1、2b−2においては、図における下方側に位置する第1コンクリートブロック2b−1の凸部26は、図における上方側に位置する第1コンクリートブロック2b−2の凹部25に水平方向に係合出来るように形成されている。更に、凸部26の水平方向の高さは、凹部25の水平方向の深さよりも低く形成されている。従って、凹部25と凸部26とを係合させると、これらの間には若干の隙間が発生することになる。そして、この隙間にコンクリート9を充填し、硬化させることで、隣接する同一段の第1コンクリートブロック2b−1、2b−2が一体化される。従って、これらの水平方向のずれを防止すると共に、凸部26の突出している分だけ、これらの一体化に必要な充填するコンクリートの使用量を削減することが出来る。
又、凸部26には、その中央部に平面視矩形状の凹み部41が形成されている。従って、上述したコンクリート9は、この凹み部41にも充填されることになる。そのため、隣接する同一段の第1コンクリートブロック2b−1、2b−2同士の水平方向及び垂直方向のずれの防止効果が更に向上する。
次に、擁壁1の施工順序について説明する。
まず、擁壁1を形成する山の斜面を所定量掘削した後、水平に形成された地盤面の上に擁壁1の基礎となる基礎コンクリート6を打設する。その上に、第1コンクリートブロック2aを設置し、コンクリート体8の打設、図4で示したコンクリート9の充填及び第1コンクリートブロック2aの内部スペースに土砂27の充填をおこなう。そして、コンクリート体8の後方側には、排水用の裏込砕石19をコンクリート体8に沿って設置する。このように第1コンクリートブロック2aを設置した後、同様に第1コンクリートブロック2b〜2dを下方側から順次設置し、同様にコンクリート体8の打設等をおこなう。この時、各々の第1前壁21が上下に整列する状態となるように設置する。
次に、最上段の第1コンクリートブロック2dの上部に、第2コンクリートブロック3aを、第2前壁51が第1コンクリートブロック2dの第1前壁21の上に位置するように設置する。更に、第2コンクリートブロック3aの第2後壁52の後方側に、排水用の裏込砕石を第2後壁52に沿って設置する。このように、第2コンクリートブロック3aを設置した後、同様に第2コンクリートブロック3bを設置する。
次に、最上段の第2コンクリートブロック3bの上部に、上述した歩道面14や車道面15を形成すると、擁壁1が完成する。
尚、一体化された第1コンクリートブロック2a〜2bは、これらの設置位置において、後方側から加わる土圧に対して安定する条件(ずれと転倒との防止)で設定されている。即ち、後方側からの土圧によって第1コンクリートブロック2a〜2dの各々、特に最も大きな土圧がかかる第1コンクリートブロック2aが横滑りして水平方向にずれたり、第1コンクリートブロック2a〜2dが前方に転倒したりすることの無いよう、第1コンクリートブロック2a〜2dを一体化させ、重量を増加させている。具体的には、水平方向のずれと転倒とを防止することが出来る重量となるまで、第1コンクリートブロック2a〜2dを積み上げると共に、これらをコンクリート体8で一体化させている。
このように第1コンクリートブロック2a〜2dを設定することで、擁壁1の安定条件は確保されることになる。そのため、コンクリートブロック2dの上方部分は、コンクリートブロック2a〜2dの転倒計算時の自重として加えることが出来る。そこで、第2コンクリートブロック3a、3bは、各々の深さに対する土圧に抵抗するだけの摩擦抵抗を得るために第2前壁51から第2後壁52までの長さ(控え長さ)を確保すれば良いことになる。即ち、第2コンクリートブロック3a、3bの重量を軽くすることが可能となる。従って、上述した通り、第2コンクリートブロック3a、3bは必要最低限の大きさで良いため、強度面に問題無く、工事面及び経済面で有利な擁壁1となる。
又、上述した通り、第1コンクリートブロック2a〜2dの各々の第1後壁22の第2勾配面は、後方側に傾斜する連続した傾斜面を形成している。従って、垂直面のものに比べて背面に受ける土圧が減少するため、基礎コンクリート6のつま先を中心とした擁壁1の転倒防止の観点からは有利となる。
図5は図1で示した擁壁の施工効果を説明するための概略側面図である。
図5の(1)は、従来の擁壁70を形成した状態を示している。第1コンクリートブロック71a〜71d及び第2コンクリートブロック72a、72bの形状等については上述したため、ここではあえて繰り返さない。この場合、道路幅をWだけ確保するには、山の斜面10の道路施工位置より上方の部分61を掘削する必要がある。
一方、図5の(2)に示すこの発明の第1の実施の形態による擁壁1であれば、第1コンクリートブロック2a〜2d及び第2コンクリートブロック3a、3bの鉛直の勾配を有する勾配面よりなる前壁の各々が、上下に整列された状態で設置されている。従って、擁壁1の最上部における道路として使用出来る幅は、破線で示した図5の(1)に対応した位置からWだけ拡大する。そのため、斜面10はWだけ掘削する必要が無くなることになる。即ち、道路幅Wを確保するには、上述した部分61より少ない、山の斜面10の道路施工位置より上方の部分62を掘削すれば良い。従って、掘削に要する時間とコストとを削減することが可能となる。
図6はこの発明の第2の実施の形態によるコンクリートブロック積み擁壁の施工断面図であり、図7は図6で示した擁壁に用いられているコンクリートブロックの一部の概略構造を示した斜視図である。
これらの図を参照して、擁壁20は、基礎コンクリート6の上に4段設置された第1コンクリートブロック2a〜2dと、最上段の第1コンクリートブロック2dの上部に、2段設置された第2コンクリートブロック3a、3bとを備えている。そして、最上段に位置する第2コンクリートブロック3bの上部に、歩道面14及び車道面15等の道路施設が形成されている。
第1コンクリートブロック2a〜2dは、図7で示したように、第1の実施の形態による第1コンクリートブロック2a〜2dと略同一形状であり、第1後壁22及び底板24の形状のみが異なっている。即ち、第1後壁22は、第1前壁21に対向すると共に、鉛直の勾配を有する第2勾配面よりなると共に、底板24には排水孔が形成されていない。従って、コンクリートブロック2a〜2dの背面には、第1の実施の形態による第1コンクリートブロック2a〜2dの各々の第1後壁22のように、連続した傾斜面が形成されることが無い。この実施の形態にあっては、第1コンクリートブロック2a〜2dの各々は、上方に行くに従って第1前壁21と第1後壁22との水平距離が増加するように形成されている。そして、第1コンクリートブロック2a〜2dの各々の底板24の水平距離は、上述した第1前壁21と第1後壁22との水平距離の増加よりも長くなるように形成されている。従って、第1コンクリートブロック2a〜2dの第1後壁22及び底板24の各々は、連続した階段状に形成される。
そして、第1の実施の形態と同様に、これらの第1後壁22の後方側には、各々のアンカー筋31、32を覆うように、第1後壁22の各々に沿って上下に連続したコンクリート体8が打設されて、第1コンクリートブロック2a〜2dは上下に一体化される。
又、第2コンクリートブロック3a、3bは、図7で示した第1コンクリートブロック2のアンカー筋31、32を除いたものと類似形状である。
第1コンクリートブロック2a〜2d及び第2コンクリートブロック3a、3bは、上記の様に形成されており、強度上の種々の設定条件については第1の実施の形態と同様であるため、その説明は繰り返さない。従って、第1の実施の形態と同様の効果を奏する擁壁20となる。
尚、この擁壁20の施工順序は、第1の実施の形態によるものと基本的に同一であるので、ここでの説明は繰り返さない。
図8はこの発明の第3の実施の形態によるコンクリートブロック積み擁壁の施工断面図であり、図9は図8で示した擁壁の一部の概略構造を示した斜視図であり、図10は図8で示した擁壁に用いられているコンクリートブロックの一部の概略構造を示した斜視図である。
これらの図を参照して、擁壁30は、基礎コンクリート6の上に4段設置された第1コンクリートブロック2a〜2dと、最上段の第1コンクリートブロック2dの上部に、2段設置された第2コンクリートブロック3a、3bとを備えている。そして、最上段に位置する第2コンクリートブロック3bの上部に、歩道面14及び車道面15等の道路施設が形成されている。
第1コンクリートブロック2a〜2dは、図10に示されているように、矩形平板状でその前面が鉛直の勾配を有する第1勾配面よりなる第1前壁21と、第1前壁21に対向すると共に、後方側に傾斜する5分程度の勾配を有する第2勾配面よりなる第1後壁22とを備えている。更に、第1前壁21と後述する控え後壁29とを平面視矩形枠状に接続する、平板状の第1側壁23a及び第2側壁23bと、第1後壁22の下方側に、第1前壁21に向かう方向に延びる矩形平板状の底板24とを備えている。尚、底板24には、略中央部に上下方向に貫通する排水孔33が形成されており、排水孔33によって下方への排水が可能となっている。
又、第1コンクリートブロック2a〜2dの一体化手段の一方として、第1後壁22の後方側に対向すると共に、第1後壁22が有する第2勾配面と平行な勾配を有する第3勾配面よりなる控え後壁29を備えている。上述した通り、第1側壁23a及び第2側壁23bは、第1前壁21及び第1控え壁29を平面視矩形状枠に接続するように形成されている。従って、第1後壁22、第1側壁23aの一部、第2側壁23bの一部及び第1控え壁29の間に空間46が形成される。
第1コンクリートブロック2a〜2dの各々は上記の様な形状を有すると共に、第1コンクリートブロック2a〜2dの各々の第1後壁22と第1控え壁29との距離は同一となるように形成される。そして、図8等に示されているように、上下に4段設置された第1コンクリートブロック2a〜2dは、各々の第1前壁21が上下に整列した状態で設置されている。更に、4段設置された第1コンクリートブロック2a〜2dは、各々の第1後壁22の第2勾配面が、連続した傾斜面となるように形成されている。従って、各々の第1控え壁29の第3勾配面においても連続した傾斜面を形成する。即ち、各々の空間46は上下斜め方向に連通することになる。そして、この空間46に、コンクリート体8を第1コンクリートブロック2a〜2dの一体化手段の他方として打設することによって、上下の第1コンクリートブロック2a〜2dの各々は一体化する。従って、一体化状態の信頼性が向上する。
又、第2コンクリートブロック3a、3bは、第1の実施の形態による第2コンクリートブロック3a、3bと同一形状である。
第1コンクリートブロック2a〜2d及び第2コンクリートブロック3a、3bは、上記の様に形成されており、強度上の種々の設定条件については第1の実施の形態と同様であるため、その説明は繰り返さない。従って、第1の実施の形態と同様の効果を奏する擁壁30となる。
尚、この擁壁30の施工順序は、コンクリート体8の打設のための材料の準備が不要となる点を除いて、第1の実施の形態によるものと基本的に同一であるので、ここでの説明は繰り返さない。
図11はこの発明の第4の実施の形態によるコンクリートブロック積み擁壁の施工断面図である。
これらの図を参照して、擁壁40は、3段設置された第1コンクリートブロック2a〜2cと、最上段の第1コンクリートブロック2cの上部に、2段設置された第2コンクリートブロック3a、3bと、最下段の第1コンクリートブロック2aと基礎コンクリート6との間に1段設置された第3コンクリートブロック4とを備えている。そして、最上段に位置する第2コンクリートブロック3bの上部に、歩道面14及び車道面15等の道路施設が形成されている。
第1コンクリートブロック2a〜2cは、第1の実施の形態による第1コンクリートブロック2b〜2dと同一形状である。又、第2コンクリートブロック3a、3bは、第1の実施の形態による第2コンクリートブロック3a、3bと同一形状である。
第3コンクリートブロック4は、第1コンクリートブロック2a〜2cの最下段に位置する第1コンクリートブロック2aと同一形状を有している。そして、第3コンクリートブロック4の第3後壁55は、第1コンクリートブロック2aの第1後壁22に整列するように配置されている。更に、第1コンクリートブロック2a〜2c及び第3コンクリートブロック4は、第1の実施の形態の第1コンクリートブロック2a〜2dと同様のアンカー筋31、32(図示せず)とコンクリート体8とからなる一体化手段で一体化されている。
第3コンクリートブロック4は上記の様に構成されているため、第3コンクリートブロック4の第3前壁54は、第1コンクリートブロック2aの第1前壁21より距離Xだけ前方に位置することになる。従って、第1の実施の形態による最下段がコンクリートブロック2aのものに比べて擁壁40の底板面積が増加するため、擁壁40に作用する地盤反力が低下する。尚、この実施の形態による擁壁40は、擁壁40の前方に土地の余裕がある場合に施工することが望ましい。
第1コンクリートブロック2a〜2c、第2コンクリートブロック3a、3b及び第3コンクリートブロック4は、上記の様に形成されており、強度上の種々の設定条件については第1の実施の形態と同様であるが、最下段が前方に突出した第3コンクリートブロック4となるため、より経済的な擁壁40となる。
尚、この擁壁40の施工順序は、第1の実施の形態によるものと基本的に同一であるので、ここでの説明は繰り返さない。
図12はこの発明の第5の実施の形態によるコンクリートブロック積み擁壁の施工断面図である。
これらの図を参照して、擁壁50は、3段設置された第1コンクリートブロック2a〜2cと、最上段の第1コンクリートブロック2cの上部に、2段設置された第2コンクリートブロック3a、3bと、最下段の第1コンクリートブロック2aと基礎コンクリート6との間に1段設置された第3コンクリートブロック4とを備えている。そして、最上段に位置する第2コンクリートブロック3bの上部に、歩道面14及び車道面15等の道路施設が形成されている。
第1コンクリートブロック2a〜2cは、第2の実施の形態による第1コンクリートブロック2b〜2dと同一形状である。又、第2コンクリートブロック3a、3bは、先の第2の実施の形態による第2コンクリートブロック3a、3bと同一形状である。
第3コンクリートブロック4は、第1コンクリートブロック2a〜2cの最下段に位置する第1コンクリートブロック2aと同一形状を有している。そして、第3コンクリートブロック4の第3後壁55と、第1コンクリートブロック2a〜2cの第1後壁22の各々とは、第2の実施の形態と同様に階段状に形成されている。更に、第1コンクリートブロック2a〜2c及び第3コンクリートブロック4は、第2の実施の形態の第1コンクリートブロック2a〜2dと同様のアンカー筋31、32(図示せず)とコンクリート体8とからなる一体化手段で一体化されている。
第3コンクリートブロック4は上記の様に構成されているため、第3コンクリートブロック4の第3前壁54は、第1コンクリートブロック2aの第1前壁21より距離Xだけ前方に位置することになる。従って、第2の実施の形態による最下段がコンクリートブロック2aのものに比べて擁壁50の底板面積が増加するため、擁壁50に作用する地盤反力が低下する。尚、この実施の形態による擁壁50は、擁壁50の前方に土地の余裕がある場合に施工することが望ましい。
第1コンクリートブロック2a〜2c、第2コンクリートブロック3a、3b及び第3コンクリートブロック4は、上記の様に形成されており、強度上の種々の設定条件については第2の実施の形態と同様であるが、最下段が前方に突出した第3コンクリートブロック4となるため、より経済的な擁壁50となる。
尚、この擁壁50の施工順序は、第2の実施の形態によるものと基本的に同一であるので、ここでの説明は繰り返さない。
図13はこの発明の第6の実施の形態によるコンクリートブロック積み擁壁の施工断面図である。
これらの図を参照して、擁壁60は、3段設置された第1コンクリートブロック2a〜2cと、最上段の第1コンクリートブロック2cの上部に、2段設置された第2コンクリートブロック3a、3bと、最下段の第1コンクリートブロック2aと基礎コンクリート6との間に1段設置された第3コンクリートブロック4とを備えている。そして、最上段に位置する第2コンクリートブロック3bの上部に、歩道面14及び車道面15等の道路施設が形成されている。
第1コンクリートブロック2a〜2cは、第3の実施の形態による第1コンクリートブロック2a〜2cと同一形状である。又、第2コンクリートブロック3a、3bは、第3の実施の形態による第2コンクリートブロック3a、3bと同一形状である。
第3コンクリートブロック4は、第1コンクリートブロック2a〜2cの最下段に位置する第1コンクリートブロック2aと同一形状を有している。そして、第3コンクリートブロック4の第3後壁55は、第1コンクリートブロック2aの第1後壁22に整列するように配置されている。更に、第1コンクリートブロック2a〜2c及び第3コンクリートブロック4は、第3の実施の形態の第1コンクリートブロック2a〜2dと同様の空間46とコンクリート体8とからなる一体化手段で一体化されている。
第3コンクリートブロック4は上記の様に構成されているため、第3コンクリートブロック4の第3前壁54は、第1コンクリートブロック2aの第1前壁21より距離Xだけ前方に位置することになる。従って、第3の実施の形態による最下段がコンクリートブロック2aのものに比べて擁壁60の底板面積が増加するため、擁壁60に作用する地盤反力が低下する。尚、この実施の形態による擁壁60は、擁壁60の前方に土地の余裕がある場合に施工することが望ましい。
第1コンクリートブロック2a〜2c、第2コンクリートブロック3a、3b及び第3コンクリートブロック4は、上記の様に形成されており、強度上の種々の設定条件については第3の実施の形態と同様であるが、最下段が前方に突出した第3コンクリートブロック4となるため、より経済的な擁壁60となる。
尚、この擁壁60の施工順序は、第3の実施の形態によるものと基本的に同一であるので、ここでの説明は繰り返さない。
尚、上記の第1、第2、第4及び第5の実施の形態では、各第1コンクリートブロックの第1後壁の後方面に特定形状のアンカー筋がブロック毎に2本取り付けられているが、アンカー筋は他の形状であっても良い。又、アンカー筋の本数は少なくとも1本あれば良い。
又、上記の第3及び第6の実施の形態では、第1後壁と第1控え壁とは第1側壁及び第2側壁によって接続されているが、第1後壁と第1控え壁とを接続出来るものであれば、他のものであっても良い。
更に、上記の各実施の形態では、擁壁を構成する各コンクリートブロックの積み段数を特定しているが、段数は擁壁の高さや土圧に対する設定等に応じて任意に決めれば良いことは言うまでもない。
更に、上記の各実施の形態では、上下の第1コンクリートブロックを一体化させる一体化手段が特定されているが、上下の第1コンクリートブロックの各々の第1後壁の後方側に形成され、第1後壁の各々を上下に一体化させるものであれば、他の一体化手段であっても良い。
更に、上記の各実施の形態では、一体化手段としてコンクリート体を含むものであるが、コンクリート体の内部に、例えば、鉄筋やPC鋼棒を配置させ、上下の第1コンクリート体の一体化を促進させても良い。
更に、上記の各実施の形態では、第1コンクリートブロックの上部に第2コンクリートブロックが設置されているが、第2コンクリートブロックは無くても良く、第1コンクリートブロックの上部に直接道路施設として歩道面や車道面を形成しても良い。
更に、上記の各実施の形態では、各コンクリートブロックに底板が形成されているが、底板は無くても良い。
更に、上記の各実施の形態では、第2側壁の凸部に特定形状の凹み部が形成されているが、凸部の中央部に形成された凹み部であれば、平面視丸形状等、他の形状であっても良い。又は、凹み部は無くても良い。
更に、上記の各実施の形態では、凹部及び凸部は特定形状に形成されているが、凹部は上下方向に延び、凸部は上下方向に延びると共に、凹部の水平方向において係合出来ると共に、凸部の水平方向の高さが凹部の水平方向の深さより低く形成されていれば、他の形状であっても良い。
更に、上記の各実施の形態では、隣接する同一段のコンクリートブロックにおいては、一方の第1側壁の凹部と他方の第2側壁の凸部とが係合すると共に、一方の第1側壁と他方の第2側壁との間にコンクリートが充填されて一体化されているが、例えば、一方の第1側壁と他方の第2側壁とに凹部を形成し、一方の凹部と他方の凹部との間にコンクリートを充填する等、第1側壁及び第2側壁を他の形状に形成して一体化しても良い。
この発明の第1の実施の形態によるコンクリートブロック積み擁壁の施工断面図である。 図1で示した擁壁の一部の概略構造を示した斜視図である。 図1で示した擁壁に用いられているコンクリートブロックの一部の概略構造を示した斜視図である。 図1で示したIV−IVラインの拡大断面図である。 図1で示した擁壁の施工効果を説明するための概略側面図である。 この発明の第2の実施の形態によるコンクリートブロック積み擁壁の施工断面図である。 図6で示した擁壁に用いられているコンクリートブロックの一部の概略構造を示した斜視図である。 この発明の第3の実施の形態によるコンクリートブロック積み擁壁の施工断面図である。 図8で示した擁壁の一部の概略構造を示した斜視図である。 図8で示した擁壁に用いられているコンクリートブロックの一部の概略構造を示した斜視図である。 この発明の第4の実施の形態によるコンクリートブロック積み擁壁の施工断面図である。 この発明の第5の実施の形態によるコンクリートブロック積み擁壁の施工断面図である。 この発明の第6の実施の形態によるコンクリートブロック積み擁壁の施工断面図である。 従来のコンクリートブロック積み擁壁の施工断面図である。 図14で示した擁壁の一部の概略構造を示した斜視図である。 図14で示した擁壁に用いられているコンクリートブロックの一部の概略構造を示した斜視図である。
符号の説明
1、20、30、40、50、60…擁壁
2、3、4…コンクリートブロック
8…コンクリート体
9…コンクリート
21、51、54…前壁
22、52、55…後壁
23…側壁
25…凹部
26…凸部
29…控え後壁
31、32…アンカー筋
41…凹み部
46…空間
尚、各図中同一符号は同一又は相当部分を示す。

Claims (8)

  1. 複数のコンクリートブロックを上下に積み重ねることによって形成されるコンクリートブロック積み擁壁であって、
    前記コンクリートブロックに少なくとも含まれ、前壁を上下に整列させた状態で設置される複数の第1コンクリートブロックの各々は、鉛直の勾配を有する第1勾配面よりなる第1前壁と、前記第1前壁に対向すると共に、後方側に傾斜する第2勾配面よりなる第1後壁とを備え、
    前記第1コンクリートブロックの各々の前記第1後壁の前記第2勾配面は連続した傾斜面を形成し、
    更に、前記第1コンクリートブロックの各々の前記第1後壁の後方側に形成され、前記第1後壁の各々を上下に一体化する一体化手段を備え、
    前記第1コンクリートブロックの各々には、前記第1前壁と前記第1後壁とを平面視矩形枠状に接続する第1側壁及び第2側壁が形成され、
    前記第1側壁には、上下方向に延びる凹部が形成され、
    前記第2側壁には、上下方向に延びると共に、隣接する同一段の前記第1コンクリートブロックの前記凹部に水平方向において係合できる凸部が形成され、
    前記凸部の水平方向の高さは前記凹部の水平方向の深さより低く、
    隣接する前記第1コンクリートブロック同士における前記第1側壁と前記第2側壁との間にコンクリートが充填され硬化される、コンクリートブロック積み擁壁。
  2. 複数のコンクリートブロックを上下に積み重ねることによって形成されるコンクリートブロック積み擁壁であって、
    前記コンクリートブロックに少なくとも含まれ、前壁を上下に整列させた状態で設置される複数の第1コンクリートブロックの各々は、鉛直の勾配を有する第1勾配面よりなる第1前壁と、前記第1前壁に対向すると共に、鉛直の勾配を有する第2勾配面よりなる第1後壁とを備え、
    前記第1コンクリートブロックの各々は、上方に行くに従って前記第1前壁と前記第1後壁との水平距離が増加し、
    更に、前記第1コンクリートブロックの各々の前記第1後壁の後方側に形成され、前記第1後壁の各々を上下に一体化する一体化手段を備え、
    前記第1コンクリートブロックの各々には、前記第1前壁と前記第1後壁とを平面視矩形枠状に接続する第1側壁及び第2側壁が形成され、
    前記第1側壁には、上下方向に延びる凹部が形成され、
    前記第2側壁には、上下方向に延びると共に、隣接する同一段の前記第1コンクリートブロックの前記凹部に水平方向において係合できる凸部が形成され、
    前記凸部の水平方向の高さは前記凹部の水平方向の深さより低く、
    隣接する前記第1コンクリートブロック同士における前記第1側壁と前記第2側壁との間にコンクリートが充填され硬化される、コンクリートブロック積み擁壁。
  3. 前記第2側壁の前記凸部は、その中央部に形成された凹み部を有する、請求項1又は請求項2記載のコンクリートブロック積み擁壁。
  4. 複数のコンクリートブロックを上下に積み重ねることによって形成されるコンクリートブロック積み擁壁であって、
    前記コンクリートブロックに少なくとも含まれ、前壁を上下に整列させた状態で設置される複数の第1コンクリートブロックの各々は、鉛直の勾配を有する第1勾配面よりなる第1前壁と、前記第1前壁に対向すると共に、後方側に傾斜する第2勾配面よりなる第1後壁とを備え、
    前記第1コンクリートブロックの各々の前記第1後壁の前記第2勾配面は連続した傾斜面を形成し、
    更に、前記第1コンクリートブロックの各々の前記第1後壁の後方側に形成され、前記第1後壁の各々を上下に一体化する一体化手段を備え、
    更に、前記第1コンクリートブロックの最下段ブロックの下に設置された第3コンクリートブロックを備え、
    前記第3コンクリートブロックは、前記最下段ブロックと同一形状を有すると共に、その第3後壁は前記最下段ブロックの前記第1後壁に整列するように設置される、コンクリートブロック積み擁壁。
  5. 前記一体化手段は、
    前記第1コンクリートブロックの各々に対して形成され、前記第1後壁の後方に同一距離で対向すると共に、前記第2勾配面と平行な勾配を有する第3勾配面よりなる控え後壁と、
    前記第1コンクリートブロックの各々において、前記第1後壁の各々と前記控え後壁の各々との間の空間に形成されたコンクリート体とを含む、請求項1又は請求項4記載のコンクリートブロック積み擁壁。
  6. 複数のコンクリートブロックを上下に積み重ねることによって形成されるコンクリートブロック積み擁壁であって、
    前記コンクリートブロックに少なくとも含まれ、前壁を上下に整列させた状態で設置される複数の第1コンクリートブロックの各々は、鉛直の勾配を有する第1勾配面よりなる第1前壁と、前記第1前壁に対向すると共に、鉛直の勾配を有する第2勾配面よりなる第1後壁とを備え、
    前記第1コンクリートブロックの各々は、上方に行くに従って前記第1前壁と前記第1後壁との水平距離が増加し、
    更に、前記第1コンクリートブロックの各々の前記第1後壁の後方側に形成され、前記第1後壁の各々を上下に一体化する一体化手段を備え、
    更に、前記第1コンクリートブロックの最下段ブロックの下に設置された第3コンクリートブロックを備え、
    前記第3コンクリートブロックは、前記最下段ブロックと同一形状を有すると共に、その第3後壁は前記最下段ブロックの前記第1後壁に整列するように設置される、コンクリートブロック積み擁壁。
  7. 前記一体化手段は、
    前記第1コンクリートブロックの各々の前記第1後壁の後方面に取り付けられたアンカー筋と、
    前記アンカー筋を覆うように前記第1後壁の各々に沿って上下に連続して形成されたコンクリート体とを含む、請求項1から請求項6のいずれかに記載のコンクリートブロック積み擁壁。
  8. 前記第1コンクリートブロックの各々の形状は、設置位置において後方面に加わる土圧に対して安定する条件で設定され、
    更に、前記第1コンクリートブロックの上に第2コンクリートブロックが設置され、
    前記第2コンクリートブロックは、
    鉛直の勾配を有する第4勾配面よりなると共に、前記第1コンクリートブロックの前記第1前壁の上に設置される第2前壁と、前記第2前壁に対向する第2後壁とを備え、
    前記第2後壁は、前記第1コンクリートブロックの最上段の前記第1後壁の上方位置より前記第2前壁側に位置する、請求項1から請求項7のいずれかに記載のコンクリートブロック積み擁壁。
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