JP5428569B2 - 硬質被覆層がすぐれた耐チッピング性を発揮する表面被覆切削工具 - Google Patents

硬質被覆層がすぐれた耐チッピング性を発揮する表面被覆切削工具 Download PDF

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Description

この発明は、例えば、合金工具鋼や軸受鋼の焼入れ材などの高硬度鋼の切削加工を、高い発熱を伴うとともに、切刃に対して断続的かつ衝撃的負荷が繰り返し作用する高速断続切削条件で行った場合でも、硬質被覆層がチッピングを発生することなく、長期の使用に亘ってすぐれた切削性能を発揮する表面被覆切削工具(以下、被覆工具という)に関するものである。
特許文献1に示すように、従来、炭化タングステン(以下、WCで示す)基超硬合金または炭窒化チタン(以下、TiCNで示す)基サーメットで構成された基体(以下、これらを総称して工具基体という)の表面に、
(a)下部層が、TiC層、TiN層、TiCN層、TiCO層およびTiCNO層のうちの1層または2層以上からなり、かつ3〜20μmの全体平均層厚を有するTi化合物層、
(b)上部層が、1〜15μmの平均層厚を有し、かつ化学蒸着した状態でα型の結晶構造を有すると共に、電界放出型走査電子顕微鏡を用い、表面研磨面の測定範囲内に存在する六方晶結晶格子を有する結晶粒個々に電子線を照射して、前記表面研磨面の法線に対して、前記結晶粒の結晶面である(0001)面および(10-10)面の法線がなす傾斜角を測定し、この場合前記結晶粒は、格子点にAlおよび酸素からなる構成原子がそれぞれ存在するコランダム型六方最密晶の結晶構造を有し、この結果得られた測定傾斜角に基づいて、相互に隣接する結晶粒の界面で、前記構成原子のそれぞれが前記結晶粒相互間で1つの構成原子を共有する格子点(構成原子共有格子点)の分布を算出し、前記構成原子共有格子点間に構成原子を共有しない格子点がN個(ただし、Nはコランダム型六方最密晶の結晶構造上2以上の偶数となるが、分布頻度の点からNの上限を28とした場合、4、8、14、24、および26の偶数は存在せず)存在する構成原子共有格子点形態をΣN+1で現した場合、個々のΣN+1がΣN+1全体に占める分布割合を示す構成原子共有格子点分布グラフにおいて、Σ3に最高ピークが存在し、かつ前記Σ3のΣN+1全体に占める分布割合が60〜80%である構成原子共有格子点分布グラフを示すα型Al23層(従来α型Al23層という)、
以上(a)および(b)で構成された硬質被覆層を蒸着形成してなる被覆工具(従来被覆工具1という)が知られており、この従来被覆工具1は、α型Al23層がすぐれた高温強度を有することから、高速断続切削加工ですぐれた耐チッピング性を発揮することが知られている。
また、特許文献2に示すように、上記従来被覆工具1の上部層(b)の代わりに、Y(イットリウム)を少量含有するα型(Al,Y)23層(以下、従来AlYO層という)で構成した被覆工具(以下、従来被覆工具2という)も知られており、そして、この従来被覆工具2では、α型Al23の結晶粒の脱落が防止されるとともに、連続切削加工ですぐれた切削耐久性を示すことが知られている。
特開2006−198735号公報 特開2004−1154号公報
近年の切削装置の高性能化はめざましく、一方で切削加工に対する省力化および省エネ化、さらに低コスト化の要求は強く、これに伴い、切削加工は一段と高速化、高能率化する傾向にあるが、上記従来被覆工具1,2においては、これを低合金鋼や炭素鋼などの一般鋼、さらにねずみ鋳鉄などの普通鋳鉄の高速切削加工、高速断続切削加工に用いた場合には特に問題はないが、特にこれを、合金工具鋼や軸受鋼の焼入れ材などの高硬度鋼の高速断続切削加工に用いた場合には、前記従来α型Al23層、前記従来AlYO層は、高温強度および表面性状が満足できるものでないため、チッピングを発生しやすく、これを原因として、比較的短時間で使用寿命に至るのが現状である。
そこで、本発明者等は、上述のような観点から、高熱発生を伴い、かつ、切刃に対して、断続的かつ衝撃的負荷が繰り返し作用する高硬度鋼の高速断続切削加工に用いた場合にも、すぐれた耐チッピング性を備え、長期の使用に亘ってすぐれた切削性能を発揮する被覆工具を開発すべく、鋭意研究を行った結果、以下の知見を得た。
(a)上記の従来被覆工具1における従来α型Al23層は、
例えば、通常の化学蒸着装置にて、
反応ガス組成:容量%で、AlCl3:6〜10%、CO2:10〜15%、HCl:3〜5%、H2S:0.05〜0.2%、H2:残り、
反応雰囲気温度:1020〜1050℃、
反応雰囲気圧力:3〜5kPa、
の条件で蒸着形成することができるが、
同じく通常の化学蒸着装置を用い、
反応ガス組成:容量%で、AlCl3:3〜10%、CO2:0.5〜3%、C24:0.01〜0.3%、H2:残り、
反応雰囲気温度:750〜900℃、
反応雰囲気圧力:3〜13kPa、
の低温条件で、下部層であるTi化合物層の表面にAl23核を形成し、この場合前記Al23核は20〜200nmの平均層厚を有するAl23核薄膜であるのが望ましく、引き続いて、反応雰囲気を圧力:3〜13kPaの水素雰囲気に変え、反応雰囲気温度を1100〜1200℃に昇温した条件で前記Al23核薄膜に加熱処理を施した状態で、硬質被覆層としてのα型Al23層を通常の条件で形成すると、この結果の前記加熱処理Al23核薄膜上に蒸着形成されたα型Al23層(以下、改質α型Al23層という)について、電界放出型走査電子顕微鏡を用い、図1(a),(b)に示される通り、表面研磨面の測定範囲内に存在する六方晶結晶格子を有する結晶粒個々に電子線を照射して、前記表面研磨面の法線に対して、前記結晶粒の結晶面である(0001)面の法線がなす傾斜角を測定し、前記測定傾斜角のうち、0〜45度の範囲内にある測定傾斜角を0.25度のピッチ毎に区分すると共に、各区分内に存在する度数を集計してなる傾斜角度数分布グラフで表した場合、図2に例示される通り、傾斜角区分の特定位置にシャープな最高ピークが現れ、試験結果によれば、化学蒸着装置における反応雰囲気圧力を、上記の通り5〜8kPaの範囲内で変化させると、上記シャープな最高ピークの現れる位置が傾斜角区分の0〜10度の範囲内で変化すると共に、前記0〜10度の範囲内に存在する度数の合計は、傾斜角度数分布グラフにおける度数全体の45%以上の割合を占める((0001)面配向率が高い)ようになり、この結果の傾斜角度数分布グラフにおいて0〜10度の範囲内に傾斜角区分の最高ピークが現れる改質α型Al23層は、従来被覆工具1の従来α型Al23層が具備するすぐれた高温硬さと耐熱性に加えて、一段とすぐれた高温強度を有する。
(b)さらに、上記(a)のような条件で蒸着形成した改質α型Al23層を中間層として、その上に、上部層として、化学蒸着した状態でα型の結晶構造を有するY含有酸化アルミニウム層を更に蒸着形成することにより硬質被覆層を構成したところ、工具基体表面に、Ti化合物層からなる下部層、改質α型Al23層からなる中間層およびY含有酸化アルミニウム層からなる上部層を硬質被覆層として蒸着形成した被覆工具は、高熱発生を伴い、かつ、切刃に対して高切込み、高送りの高負荷が作用する高速重切削条件下においても、一段とすぐれた高温強度と表面性状を有することにより、すぐれた耐チッピング性を発揮することを見出した。
(c)上記Y含有酸化アルミニウム層は、中間層である上記改質α型Al23層の上に、例えば、
まず、第1段階として、
(イ)反応ガス組成(容量%):
AlCl: 1〜5 %、
YCl: 0.05〜0.1 %、
CO2: 2〜6 %、
HCl: 1〜5 %、
S: 0.25〜0.75 %、
2:残り、
(ロ)反応雰囲気温度; 1020〜1050 ℃、
(ハ)反応雰囲気圧力; 3〜5 kPa、
の条件で第1段階の蒸着を1時間行った後、
次に、第2段階として、
(イ)反応ガス組成(容量%):
AlCl: 6〜10 %、
YCl: 0.4〜1.0 %、
CO2: 4〜8 %、
HCl: 3〜5 %、
S: 0.25〜0.6 %、
2:残り、
(ロ)反応雰囲気温度; 920〜1000 ℃、
(ハ)反応雰囲気圧力; 6〜10 kPa、
の条件で蒸着を行うことにより、1〜15μmの平均層厚を有し、かつ、Al成分との合量に占めるY成分の含有割合が0.0005〜0.01(但し、原子比)を満足し、化学蒸着した状態でα型の結晶構造を有するY含有酸化アルミニウム層(以下、改質AlYO層という)を形成することができる。
(d)そして、上記改質AlYO層を、電界放出型走査電子顕微鏡で組織観察すると、図3(a)に示されるように、層厚方向に垂直な面内で見た場合に、大粒径の平板多角形状であり、また、図3(b)に示されるように、層厚方向に平行な面内で見た場合に、層表面はほぼ平坦であり、層厚方向にたて長形状(以下、「平板多角形たて長形状」という)を有する結晶粒からなる組織構造を有する。
なお、前記改質AlYO層の蒸着形成に際して、より限定した蒸着条件(例えば、第1段階における反応ガス中のHSを0.50〜0.75容量%、反応雰囲気温度を1020〜1030℃とし、さらに、第2段階における反応ガス中のYClを0.6〜0.8容量%、HSを0.25〜0.4容量%、反応雰囲気温度を960〜980℃とした条件)で蒸着を行うと、図3(c)に示されるように、層厚方向に垂直な面内で見た場合に、大粒径の平坦六角形状であり、かつ、層厚方向に平行な面内で見た場合に、図3(b)に示されるのと同様、層表面はほぼ平坦であり、層厚方向にたて長形状を有する結晶粒が、層厚方向に垂直な面内において全体の35%以上の面積割合を占める組織構造が形成される。
(e)また、上記改質α型Al23層の場合と同様に、上記改質AlYO層について、電界放出型走査電子顕微鏡を用い、表面研磨面の測定範囲内に存在する六方晶結晶格子を有する結晶粒個々に電子線を照射して、前記表面研磨面の法線に対して、前記結晶粒の結晶面である(0001)面の法線がなす傾斜角を測定し、前記測定傾斜角のうち、0〜45度の範囲内にある測定傾斜角を0.25度のピッチ毎に区分すると共に、各区分内に存在する度数を集計してなる傾斜角度数分布グラフを作成したところ、傾斜角区分の特定位置にシャープな最高ピークが現れ、傾斜角区分0〜10度の範囲内に存在する度数の合計は、傾斜角度数分布グラフにおける度数全体の60%以上の割合を占め、即ち、(0001)面配向率が高い改質AlYO層が形成され、この改質AlYO層は、従来被覆工具の従来AlYO層に比して、(0001)面配向率が高められると同時に一段とすぐれた高温強度を有する。
(f)更に、上記改質AlYO層について、電界放出型走査電子顕微鏡と電子後方散乱回折像装置を用い、表面研磨面の測定範囲内に存在する結晶粒個々に電子線を照射して、六方晶結晶格子からなる結晶格子面のそれぞれの法線が基体表面の法線と交わる角度を測定し、
この測定結果から、隣接する結晶格子相互の結晶方位関係を算出し、結晶格子界面を構成する構成原子のそれぞれが前記結晶格子相互間で1つの構成原子を共有する格子点(構成原子共有格子点)の分布を算出し、前記構成原子共有格子点間に構成原子を共有しない格子点がN個(但し、Nはコランダム型六方最密晶の結晶構造上2以上の偶数となるが、分布頻度の点からNの上限を28とした場合、4、8、14、24および26の偶数は存在せず)存在する構成原子共有格子点形態をΣN+1で表した場合に、
図4に示されるように、電界放出型走査電子顕微鏡で観察される改質AlYO層を構成する平板多角形たて長形状の結晶粒の内、面積比率で60%以上の上記結晶粒の内部は、少なくとも一つ以上の、Σ3で表される構成原子共有格子点形態からなる結晶格子界面(以下、Σ3対応界面という)で分断されている組織を示すようになる。
(h)上記のとおり、改質AlYO層からなる上部層は、(0001)面配向率が高められ、その表面の結晶面が、該層の層厚方向に垂直な面内における結晶面(例えば、(0001))と同配向を有するため、(層厚方向に平行な面内で見た場合、)層表面はほぼ平坦な平板状に形成され、その表面性状の故にすぐれた耐チッピング性を示し、さらに、平板多角形たて長形状の結晶粒内部にΣ3対応界面が存在することによって結晶粒内強度が高められるため、従来AlYO層に比して、一段とすぐれた高温硬さ、高温強度を備え、すぐれた耐チッピング性を示す。
(i)したがって、硬質被覆層として、(0001)面配向率が高く、すぐれた高温強度を有する改質α型Al23層を中間層として備え、更に、すぐれた高温硬さ、高温強度、表面性状を有する改質AlYO層を上部層として備えるこの発明の被覆工具は、従来被覆工具1,2に比して、一段とすぐれた高温硬さ、耐熱性、高温強度を具備し、その結果として、高熱発生を伴い、かつ、切刃に対して、断続的かつ衝撃的負荷が繰り返し作用する高速断続切削に用いた場合にも、長期の使用に亘ってすぐれた耐チッピング性を発揮するのである。
この発明は、上記知見に基づいてなされたものであって、
「(1) 炭化タングステン基超硬合金または炭窒化チタン基サーメットで構成された工具基体の表面に、
(a)下部層が、いずれも化学蒸着形成された、Tiの炭化物層、窒化物層、炭窒化物層、炭酸化物層および炭窒酸化物層のうちの1層または2層以上からなり、かつ、3〜20μmの合計平均層厚を有するTi化合物層、
(b)中間層が、1〜5μmの平均層厚を有し、化学蒸着した状態でα型の結晶構造を有する酸化アルミニウム層、
(c)上部層が、2〜15μmの平均層厚を有し、化学蒸着した状態でα型の結晶構造を有するY含有酸化アルミニウム層、
上記(a)〜(c)からなる硬質被覆層を蒸着形成した表面被覆切削工具において、
上記(b)の中間層は、電界放出型走査電子顕微鏡を用い、上記工具基体の表面研磨面の測定範囲内に存在する六方晶結晶格子を有する結晶粒個々に電子線を照射して、前記表面研磨面の法線に対して、前記結晶粒の結晶面である(0001)面の法線がなす傾斜角を測定し、前記測定傾斜角のうちの0〜45度の範囲内にある測定傾斜角を0.25度のピッチ毎に区分すると共に、各区分内に存在する度数を集計してなる傾斜角度数分布グラフで現した場合、0〜10度の範囲内の傾斜角区分に最高ピークが存在すると共に、前記0〜10度の範囲内に存在する度数の合計が、傾斜角度数分布グラフにおける度数全体の45%以上の割合を占める傾斜角度数分布グラフを示し、
上記(c)の上部層は、電界放出型走査電子顕微鏡で組織観察した場合に、層厚方向に垂直な面内で平板多角形状、また、層厚方向に平行な面内で層厚方向にたて長形状を有する結晶粒からなる組織構造を有するY含有酸化アルミニウム層であり、
また、上記(c)の上部層について、電界放出型走査電子顕微鏡を用い、上記工具基体の表面研磨面の測定範囲内に存在する六方晶結晶格子を有する結晶粒個々に電子線を照射して、前記表面研磨面の法線に対して、前記結晶粒の結晶面である(0001)面の法線がなす傾斜角を測定し、前記測定傾斜角のうちの0〜45度の範囲内にある測定傾斜角を0.25度のピッチ毎に区分すると共に、各区分内に存在する度数を集計してなる傾斜角度数分布グラフで現した場合、0〜10度の範囲内の傾斜角区分に最高ピークが存在すると共に、前記0〜10度の範囲内に存在する度数の合計が、傾斜角度数分布グラフにおける度数全体の60%以上の割合を占める傾斜角度数分布グラフを示し、
さらに、上記(c)の上部層について、電界放出型走査電子顕微鏡と電子後方散乱回折像装置を用い、表面研磨面の測定範囲内に存在する結晶粒個々に電子線を照射して、六方晶結晶格子からなる結晶格子面のそれぞれの法線が基体表面の法線と交わる角度を測定し、この測定結果から、隣接する結晶格子相互の結晶方位関係を算出し、結晶格子界面を構成する構成原子のそれぞれが前記結晶格子相互間で1つの構成原子を共有する格子点(構成原子共有格子点)の分布を算出し、前記構成原子共有格子点間に構成原子を共有しない格子点がN個(但し、Nはコランダム型六方最密晶の結晶構造上2以上の偶数となるが、分布頻度の点からNの上限を28とした場合、4、8、14、24および26の偶数は存在せず)存在する構成原子共有格子点形態をΣN+1で表した場合に、上記(c)の上部層を構成する結晶粒の内、面積比率で60%以上の結晶粒の内部は、少なくとも一つ以上のΣ3で表される構成原子共有格子点形態からなる結晶格子界面により分断されているY含有酸化アルミニウム層である、
ことを特徴とする表面被覆切削工具。
(2) 前記(c)の上部層を電界放出型走査電子顕微鏡で組織観察した場合に、層厚方向に垂直な面内で平坦六角形状、また、層厚方向に平行な面内で層厚方向にたて長形状を有する結晶粒が、層厚方向に垂直な面内において全体の35%以上の面積割合を占める前記(1)に記載の表面被覆切削工具。
(3) 前記(c)の上部層は、0.05〜0.3μmの範囲内の表面粗さ(Ra)を有する前記(1)、(2)のいずれかに記載の表面被覆切削工具。」
に特徴を有するものである。
以下に、この発明の被覆工具の硬質被覆層の構成層について、より詳細に説明する。
(a)Ti化合物層(下部層)
Tiの炭化物(以下、TiCで示す)層、窒化物(以下、同じくTiNで示す)層、炭窒化物(以下、TiCNで示す)層、炭酸化物(以下、TiCOで示す)層および炭窒酸化物(以下、TiCNOで示す)層のうちの1層または2層以上からなるTi化合物層は、基本的には中間層である改質α型Al23層の下部層として存在し、自身の具備するすぐれた靭性及び耐摩耗性によって硬質被覆層の高温強度向上に寄与するほか、工具基体と改質α型Al23層のいずれにも強固に密着し、よって硬質被覆層の工具基体に対する密着性向上にも寄与する作用を有するが、その合計平均層厚が3μm未満では、前記作用を十分に発揮させることができず、一方その合計平均層厚が20μmを越えると、特に高熱発生下で断続的な負荷が作用する高速断続切削条件ではチッピングを起し易くなり、これが異常摩耗の原因となることから、その合計平均層厚を3〜20μmと定めた。
(b)改質α型Al23層(中間層)
中間層を構成する改質α型Al23層は、既に述べたように、
通常の化学蒸着装置を用い、
反応ガス組成:容量%で、AlCl3:3〜10%、CO2:0.5〜3%、C24:0.01〜0.3%、H2:残り、
反応雰囲気温度:750〜900℃、
反応雰囲気圧力:3〜13kPa、
の低温条件で、下部層であるTi化合物層の表面にAl23核を形成し、この場合前記Al23核は20〜200nmの平均層厚を有するAl23核薄膜であるのが望ましく、引き続いて、反応雰囲気を圧力:3〜13kPaの水素雰囲気に変え、反応雰囲気温度を1100〜1200℃に昇温した条件で前記Al23核薄膜に加熱処理を施した状態で、硬質被覆層としてのα型Al23層を通常の条件で形成し、前記加熱処理Al23核薄膜上にα型Al23層を蒸着することによって形成することができる。
そして、下部層の上に化学蒸着された改質α型Al23層について、電界放出型走査電子顕微鏡を用い、図1(a),(b)に示される通り、表面研磨面の測定範囲内に存在する六方晶結晶格子を有する結晶粒個々に電子線を照射して、前記表面研磨面の法線に対して、前記結晶粒の結晶面である(0001)面の法線がなす傾斜角を測定し、前記測定傾斜角のうち、0〜45度の範囲内にある測定傾斜角を0.25度のピッチ毎に区分すると共に、各区分内に存在する度数を集計してなる傾斜角度数分布グラフで表した場合、図2に例示される通り、傾斜角区分0〜10度の範囲内にシャープな最高ピークが現れる。
そして、改質α型Al23層の傾斜角度数分布グラフにおける測定傾斜角の最高ピーク位置は、所定層厚のAl23核(薄膜)形成後に加熱処理を施すことによって変化させることができ、それと同時に、傾斜角区分0〜10度の範囲内に存在する度数の合計が、傾斜角度数分布グラフにおける度数全体の45%以上の割合を占める傾斜角度数分布グラフを示す((0001)面配向率が高い)ようになるものであり、したがって、上記Al23核(薄膜)の層厚が小さい方に外れても、また大きい方に外れても、測定傾斜角の最高ピーク位置は0〜10度の範囲から外れてしまうと共に、これに対応して傾斜角度数分布グラフにおける前記0〜10度の範囲内に存在する度数の割合も度数全体の45%未満となってしまい、すぐれた高温強度を確保することができない。
改質α型Al23層は、従来被覆工具の従来α型Al23層のもつすぐれた高温硬さと耐熱性に加えて、さらに一段とすぐれた高温強度を有するが、改質α型Al23層を、(0001)面配向率の高い中間層として構成しておくことにより、この上に蒸着形成される改質AlYO層の(0001)面配向率を高めることができ、その結果として、改質AlYO層からなる上部層の表面性状の改善を図るとともに高温強度の向上を図ることができる。
ただ、改質α型Al23層からなる中間層の平均層厚が1μm未満では改質α型Al23層の有する前記の特性を硬質被覆層に十分に具備せしめることができず、一方、その平均層厚が5μmを越えると、切削時に発生する高熱と切刃への断続的衝撃の負荷によって、異常摩耗の原因となるチッピングが発生し易くなり、摩耗が加速するようになることから、その平均層厚は1〜5μmと定めた。
(c)改質AlYO層(上部層)
中間層の上に化学蒸着された改質AlYO層からなる上部層は、その構成成分であるAl成分が、層の高温硬さおよび耐熱性を向上させ、また、層中に微量(Alとの合量に占める割合で、Y/(Al+Y)が0.0005〜0.01(但し、原子比))含有されたY成分が、改質AlYO層の結晶粒界面強度を向上させ、高温強度の向上に寄与するが、Y成分の含有割合が0.0005未満では、上記作用を期待することはできず、一方、Y成分の含有割合が0.01を超えた場合には、層中にY粒子が析出することによって粒界面強度が低下するため、Al成分との合量に占めるY成分の含有割合(Y/(Al+Y)の比の値)は0.0005〜0.01(但し、原子比)であることが望ましい。
上記改質AlYO層は、蒸着時の反応ガス組成、反応雰囲気温度および反応雰囲気圧力の各化学蒸着条件を、例えば、以下のとおり調整することによって蒸着形成することができる。
即ち、まず、
(イ)反応ガス組成(容量%):
AlCl: 1〜5 %、
YCl: 0.05〜0.1 %、
CO2: 2〜6 %、
HCl: 1〜5 %、
S: 0.25〜0.75 %、
2:残り、
(ロ)反応雰囲気温度; 1020〜1050 ℃、
(ハ)反応雰囲気圧力; 3〜5 kPa、
の条件で第1段階の蒸着を約1時間行った後、
次に、
(イ)反応ガス組成(容量%):
AlCl: 6〜10 %、
YCl: 0.4〜1.0 %、
CO2: 4〜8 %、
HCl: 3〜5 %、
S: 0.25〜0.6 %、
2:残り、
(ロ)反応雰囲気温度; 920〜1000 ℃、
(ハ)反応雰囲気圧力; 6〜10 kPa、
の条件で第2段階の蒸着を行うことによって、1〜15μmの平均層厚の蒸着層を成膜すると、Y/(Al+Y)の比の値が原子比で0.0005〜0.01である改質AlYO層を形成することができる。
そして、上記改質AlYO層について、電界放出型走査電子顕微鏡で組織観察すると、図3(a)に示されるように、層厚方向に垂直な面内で見た場合に、結晶粒径の大きい平板多角形状であり、また、図3(b)に示されるように、層厚方向に平行な面内で見た場合に、層表面はほぼ平坦であって、しかも、層厚方向にたて長形状を有する結晶粒(平板多角形たて長形状結晶粒)からなる組織構造が形成される。
上記改質AlYO層について、中間層を構成する改質α型Al23層の場合と同様に、その表面研磨面の法線に対して、(0001)面の法線がなす傾斜角を測定することにより傾斜角度数分布グラフを作成すると、傾斜角区分0〜10度の範囲内にピーク存在するとともに、0〜10度の範囲内の度数の合計が、傾斜角度数分布グラフにおける度数全体の60%以上の割合を占める傾斜角度数分布グラフを示し、上部層を構成する改質AlYO層の(0001)面配向率が高いことがわかる。
即ち、改質AlYO層は、中間層である改質α型Al23層の(0001)面配向率が45%以上のものとして形成されていることから、改質AlYO層も(0001)面配向率の高い層((0001)面配向率は60%以上)として形成される。
そして、上記上部層を層厚方向に平行な面内で見た場合、層表面はほぼ平坦な平板状に形成され、すぐれた表面性状を呈し、その結果として、従来AlYO層に比して、一段とすぐれた耐チッピング性を示す。
また、上記改質AlYO層の蒸着において、より限定した条件(例えば、第1段階における反応ガス中のHSを0.50〜0.75容量%、反応雰囲気温度を1020〜1030℃とし、さらに、第2段階における反応ガス中のYClを0.6〜0.8容量%、HSを0.25〜0.4容量%、反応雰囲気温度を960〜980℃とした条件)で蒸着を行うと、図3(c)に示されるように、層厚方向に垂直な面内で見た場合に、大粒径の平坦六角形状であり、かつ、層厚方向に平行な面内で見た場合に、図3(b)に示されるのと同様、層表面はほぼ平坦であり、層厚方向にたて長形状を有する結晶粒が、層厚方向に垂直な面内において全体の35%以上の面積割合を占める組織構造が形成される。
さらに、上記改質AlYO層について、電界放出型走査電子顕微鏡と電子後方散乱回折像装置を用い、表面研磨面の測定範囲内に存在する結晶粒個々に電子線を照射して、六方晶結晶格子からなる結晶格子面のそれぞれの法線が前記表面研磨面の法線と交わる角度を測定し、
この測定結果から、隣接する結晶格子相互の結晶方位関係を算出し、結晶格子界面を構成する構成原子のそれぞれが前記結晶格子相互間で1つの構成原子を共有する格子点(構成原子共有格子点)の分布を算出し、前記構成原子共有格子点間に構成原子を共有しない格子点がN個(但し、Nはコランダム型六方最密晶の結晶構造上2以上の偶数となるが、分布頻度の点からNの上限を28とした場合、4、8、14、24および26の偶数は存在せず)存在する構成原子共有格子点形態をΣN+1で表すと、
図4に示すように、電界放出型走査電子顕微鏡で観察される改質AlYO層を構成する平板多角形たて長形状の結晶粒の内、上記平板多角形(平坦六角形を含む)たて長形状結晶粒の内、面積比率で60%以上の結晶粒の内部は、少なくとも一つ以上の、Σ3対応界面で分断されていることがわかる。
そして、改質AlYO層の平板多角形(平坦六角形を含む)たて長形状結晶粒の内部に、上記のΣ3対応界面が存在することによって、結晶粒内強度の向上が図られ、その結果として、高負荷が作用する高速断続切削加工時に、改質AlYO層中にクラックが発生することが抑えられ、また、仮にクラックが発生したとしても、クラックの成長・伝播が妨げられ、耐チッピング性、耐欠損性、耐剥離性の向上が図られる。
したがって、(0001)面配向率が高く表面平坦な表面性状を備え、かつ、平板多角形(平坦六角形を含む)たて長形状の結晶粒の内部にΣ3対応界面が存在する改質AlYO層からなる本発明の上部層は、高熱発生を伴うとともに、切刃に対して断続的な負荷が作用する高速断続切削加工においても、チッピング、欠損、剥離等を発生することなく、また、偏摩耗等の発生もなく、すぐれた耐チッピング性及び耐摩耗性を長期に亘って発揮する。
ただ、改質AlYO層からなる上部層の層厚が2μm未満では、上記上部層のすぐれた特性を十分に発揮することができず、一方、上部層の層厚が15μmを超えると偏摩耗の原因となるチッピングが発生しやすくなることから、上部層の平均層厚を2〜15μmと定めた。
参考のため、従来AlYO層(前記特許文献2に記載のもの)について、電界放出型走査電子顕微鏡、電子後方散乱回折像装置を用い、上部層の結晶粒の組織構造および構成原子共有格子点形態を調べたところ、結晶粒の組織構造については、図5(a)、(b)に示されるような角錐状の凹凸を有し、多角形たて長形状の結晶粒からなる組織構造を有しているため、改質AlYO層に比して、耐摩耗性は不十分であった。
また、結晶粒の構成原子共有格子点形態については、従来AlYO層を構成する凹凸多角形たて長形状の結晶粒の内部にΣ3対応界面が存在する結晶粒の面積比率は40%以下と少なく、結晶粒内強度の向上が図られているとはいえなかった。
したがって、硬質被覆層の上部層が従来AlYO層で構成された従来被覆工具2は、高熱発生を伴うとともに、切刃に対して断続的な衝撃が繰り返し作用する高速断続切削加工において、チッピング、欠損、剥離等の発生を防止することはできず、また、偏摩耗等も発生し、工具性能は劣るものであった。
また、本発明の被覆工具においては、上部層の改質AlYO層を形成した後、その表面に対して、砥石による研磨処理あるいはウエットブラストによる研磨処理等を施し、改質AlYO層の表面粗さをさらに調整することができる。例えば、改質AlYO層の表面粗さを、Ra0.05〜0.3μmに調整することにより、切削時の表面被覆工具への溶着発生を抑制することができる。
なお、本発明でいう表面粗さRaとは、JIS B0601(1994)で規定される算術平均粗さRaの値をいい、また、その測定法については特段限定されるものではない。
上記のとおり、この発明の被覆工具は、(0001)面配向率が高く、すぐれた高温硬さ、耐熱性に加えて、すぐれた高温強度を有する改質α型Al23層を中間層とするとともに、上部層を構成する改質AlYO層の(0001)面配向率を高くすることにより、表面平坦性を備えた平板多角形(平坦六角形を含む)たて長形状の結晶粒からなる組織構造とし、さらに、上記結晶粒の内部にΣ3対応界面を形成し、結晶粒内強度を強化したことにより、凹凸多角形たて長形状の結晶粒からなり、結晶粒内に、Σ3対応界面の少ない従来AlYO層に比して、一段とすぐれた表面性状、高温強度を具備し、その結果、高熱発生を伴い、切刃に対して断続的な衝撃が繰り返し作用する高速断続切削加工においても、硬質被覆層がすぐれた耐チッピング性、耐欠損性、耐剥離性とすぐれた耐摩耗性を発揮し、使用寿命の一層の延命化が可能となる。
硬質被覆層を構成するα型Al23層の結晶粒の(0001)面を測定する場合の傾斜角の測定範囲を示す概略説明図である。 本発明被覆工具1の硬質被覆層の中間層を構成する改質α型Al23層の(0001)面の傾斜角度数分布グラフである。 (a)は、本発明被覆工具1〜9の改質AlYO層からなる上部層について、層厚方向に垂直な面内での電界放出型走査電子顕微鏡による観察で得られた、平板多角形状の結晶粒組織構造を示す模式図であり、(b)は、同じく、層厚方向に平行な面内での電界放出型走査電子顕微鏡による観察で得られた、層表面がほぼ平坦であり、層厚方向にたて長形状を有する結晶粒組織構造を示す模式図であり、(c)は、本発明被覆工具10〜15の改質AlYO層からなる上部層について、層厚方向に垂直な面内での電界放出型走査電子顕微鏡による観察で得られた、平坦六角形状の結晶粒組織構造を示す模式図である。 本発明被覆工具1〜9の改質AlYO層からなる上部層について、電界放出型走査電子顕微鏡および電子後方散乱回折像装置を用いて測定した、層厚方向に垂直な面における粒界解析図であり、実線は、電界放出型走査電子顕微鏡で観察される平板多角形状の結晶粒界を示し、破線は、電子後方散乱回折像装置により測定された結晶粒内のΣ3対応界面を示す。 (a)は、比較被覆工具1〜15の従来AlYO層からなる上部層について、層厚方向に垂直な面内での電界放出型走査電子顕微鏡による観察で得られた、多角形状の結晶粒組織構造を示す模式図であり、(b)は、同じく、層厚方向に平行な面内での電界放出型走査電子顕微鏡による観察で得られた、層表面で角錐状の凹凸を有し、層厚方向にたて長形状を有する結晶粒組織構造を示す模式図である。
つぎに、この発明の被覆工具を実施例により具体的に説明する。
原料粉末として、いずれも2〜4μmの平均粒径を有するWC粉末、TiC粉末、ZrC粉末、VC粉末、TaC粉末、NbC粉末、Cr32粉末、TiN粉末、TaN粉末、およびCo粉末を用意し、これら原料粉末を、表1に示される配合組成に配合し、さらにワックスを加えてアセトン中で24時間ボールミル混合し、減圧乾燥した後、98MPaの圧力で所定形状の圧粉体にプレス成形し、この圧粉体を5Paの真空中、1370〜1470℃の範囲内の所定の温度に1時間保持の条件で真空焼結し、焼結後、切刃部にR:0.07mmのホーニング加工を施すことによりISO・CNMG120408MAに規定するスローアウエイチップ形状をもったWC基超硬合金製の工具基体A〜Eをそれぞれ製造した。
また、原料粉末として、いずれも0.5〜2μmの平均粒径を有するTiCN(質量比でTiC/TiN=50/50)粉末、Mo2C粉末、ZrC粉末、NbC粉末、TaC粉末、WC粉末、Co粉末、およびNi粉末を用意し、これら原料粉末を、表2に示される配合組成に配合し、ボールミルで24時間湿式混合し、乾燥した後、98MPaの圧力で圧粉体にプレス成形し、この圧粉体を1.3kPaの窒素雰囲気中、温度:1540℃に1時間保持の条件で焼結し、焼結後、切刃部分にR:0.07mmのホーニング加工を施すことによりISO規格・CNMG120408MAのチップ形状をもったTiCN基サーメット製の工具基体a〜eを形成した。
ついで、これらの工具基体A〜Eおよび工具基体a〜eのそれぞれを、通常の化学蒸着装置に装入し、
(a)まず、表3(表3中のl−TiCNは特開平6−8010号公報に記載される縦長成長結晶組織をもつTiCN層の形成条件を示すものであり、これ以外は通常の粒状結晶組織の形成条件を示すものである)に示される条件にて、表7に示される目標層厚のTi化合物層を硬質被覆層の下部層として蒸着形成し、
(b)ついで、表4に示される条件にて、表8に示される目標層厚の改質α型Al23層を硬質被覆層の中間層として蒸着形成し、
(c)次に、表5に示される蒸着条件により、同じく表8に示される目標層厚の改質AlYO層を硬質被覆層の上部層として蒸着形成することにより本発明被覆工具1〜15をそれぞれ製造した。
また、比較の目的で、硬質被覆層の下部層を表3に示される条件にて形成し、上部層を表6に示される条件(特許文献2に開示された従来AlYO層の蒸着条件に相当)にて形成することにより、表9に示される目標層厚のTi化合物層と従来AlYO層からなる硬質被覆層を設けた比較被覆工具1〜10(従来被覆工具2に相当)をそれぞれ製造した。
なお、比較被覆工具1〜10の工具基体種別、下部層種別及び下部層厚は、それぞれ、本発明被覆工具1〜10のそれと同じである。
さらに、参考のために、硬質被覆層の下部層を表3に示される条件にて形成し、α型Al23層を表6に示される条件(特許文献1に開示された従来α型Al23層の蒸着条件に相当)にて形成することにより、表9に示される目標層厚のTi化合物層と従来α型Al23層からなる硬質被覆層を設けた参考被覆工具11〜15(従来被覆工具1に相当)をそれぞれ製造した。
なお、参考被覆工具11〜15の工具基体種別、下部層種別及び下部層厚は、それぞれ、本発明被覆工具11〜15のそれと同じである。
また、本発明被覆工具のうちのいくつかの改質AlYO層、比較被覆工具のうちのいくつかの従来AlYO層の表面には、投射圧0.15MPa,200メッシュのAl23粒子でウエットブラスト処理からなる後処理を施した。なお、後処理としては、弾性砥石による研磨処理でも構わない。
表8、表9には、後処理を施した上記本発明被覆工具の改質AlYO層(表8中で、*印を付したもの)、比較被覆工具の従来AlYO層(表9中で、*印を付したもの)の表面粗さ(Ra(μm))の値を示す。
(参考のために、後処理を施していない本発明被覆工具、比較被覆工具についてのRaの値も表8、表9に示す。)
ついで、上記の本発明被覆工具1〜15の硬質被覆層の中間層を構成する改質α型Al23層、同上部層を構成する改質AlYO層、および、比較被覆工具1〜10の従来AlYO層、参考被覆工具11〜15の従来α型Al23層について、電界放出型走査電子顕微鏡を用いて、傾斜角度数分布グラフをそれぞれ作成した。
すなわち、上記傾斜角度数分布グラフは、上記の本発明被覆工具1〜15、比較被覆工具1〜10、参考被覆工具11〜15の各層について、それぞれの表面を研磨面とした状態で、電界放出型走査電子顕微鏡の鏡筒内にセットし、前記研磨面に70度の入射角度で15kVの加速電圧の電子線を1nAの照射電流で、それぞれの前記表面研磨面の測定範囲内に存在する六方晶結晶格子を有する結晶粒個々に照射して、電子後方散乱回折像装置を用い、30×50μmの領域を0.1μm/stepの間隔で、前記研磨面の法線に対して、前記結晶粒の結晶面である(0001)面の法線がなす傾斜角を測定し、この測定結果に基づいて、前記測定傾斜角のうちの0〜45度の範囲内にある測定傾斜角を0.25度のピッチ毎に区分すると共に、各区分内に存在する度数を集計することにより、傾斜角度数分布グラフ作成した。
傾斜角度数分布グラフの一例として、図2に、本発明被覆工具1の硬質被覆層の中間層を構成する改質α型Al23層について作成した(0001)面の傾斜角度数分布グラフを示す。
なお、この発明でいう“表面”とは、基体表面に平行な面ばかりでなく、基体表面に対して傾斜する面、例えば、層の切断面、をも含む。
この結果得られた本発明被覆工具の改質α型Al23層、改質AlYO層、および、比較被覆工具1〜10の従来AlYO層、参考被覆工具11〜15の従来α型Al23層の傾斜角度数分布グラフにおいて、表8、表9にそれぞれ示される通り、本発明被覆工具の改質α型Al23層、改質AlYO層は、(0001)面の測定傾斜角の分布が、それぞれ0〜10度の範囲内の傾斜角区分に最高ピークが現れる傾斜角度数分布グラフを示すのに対して、比較被覆工具1〜10の従来AlYO層、参考被覆工具11〜15の従来α型Al23層は、(0001)面の測定傾斜角の分布が0〜45度の範囲内で不偏的で、最高ピークが存在しない傾斜角度数分布グラフを示すものであった。
また、表8、表9には、0〜10度の範囲内の傾斜角区分に存在する度数の、傾斜角度数分布グラフ全体に占める割合を示した。
ついで、上記の本発明被覆工具1〜15の上部層を構成する改質AlYO層および比較被覆工具1〜10の従来AlYO層について、電界放出型走査電子顕微鏡、電子後方散乱回折像装置を用いて、結晶粒組織構造および構成原子共有格子点形態を調査した。
すなわち、まず、上記の本発明被覆工具1〜15の改質AlYO層および比較被覆工具1〜10の従来AlYO層について、電界放出型走査電子顕微鏡を用いて観察したところ、本発明被覆工具1〜15では、図3(a)、(b)で代表的に示される平板多角形(平坦六角形を含む)状かつたて長形状の大きな粒径の結晶粒組織構造が観察された(なお、図3(a)は、層厚方向に垂直な面内で見た本発明被覆工具1〜9の組織構造模式図、また、図3(c)は、層厚方向に垂直な面内で見た本発明被覆工具10〜15の、平坦六角形状かつたて長形状の大きな粒径の結晶粒からなる組織構造模式図)。
一方、比較被覆工具1〜10では、図5(a)、(b)で代表的に示されるように、多角形状かつたて長形状の結晶粒組織が観察されたが、各結晶粒の粒径は本発明のものに比して小さく、かつ、図5(b)からも明らかなように、層表面には角錐状の凹凸が形成されていた(なお、図5(a)、(b)は、比較被覆工具1〜15の組織構造模式図)。
つぎに、上記の本発明被覆工具1〜15の改質AlYO層、比較被覆工具1〜10の従来AlYO層について、それぞれの層を構成する結晶粒の内部にΣ3対応界面が存在する結晶粒の面積割合を測定した。
まず、上記の本発明被覆工具1〜15の改質AlYO層について、その表面を研磨面とした状態で、電界放出型走査電子顕微鏡の鏡筒内にセットし、前記表面研磨面に70度の入射角度で15kVの加速電圧の電子線を1nAの照射電流で、それぞれの前記表面研磨面の測定範囲内に存在する六方晶結晶格子を有する結晶粒個々に電子線を照射して、電子後方散乱回折像装置を用い、30×50μmの領域を0.1μm/stepの間隔で、前記結晶粒の各結晶格子面のそれぞれの法線が基体表面の法線と交わる角度を測定し、この測定結果から、隣接する結晶格子相互の結晶方位関係を算出し、結晶格子界面を構成する構成原子のそれぞれが前記結晶格子相互間で1つの構成原子を共有する格子点(構成原子共有格子点)の分布を算出し、前記構成原子共有格子点間に構成原子を共有しない格子点がN個(但し、Nはコランダム型六方最密晶の結晶構造上2以上の偶数となるが、分布頻度の点からNの上限を28とした場合、4、8、14、24および26の偶数は存在せず)存在する構成原子共有格子点形態をΣN+1で表した場合に、改質AlYO層の測定範囲内に存在する全結晶粒のうちで、結晶粒の内部に、少なくとも一つ以上のΣ3対応界面が存在する結晶粒の面積比率を求め、その値を、Σ3対応界面割合(%)として表8に示した。
次に、比較被覆工具1〜10の従来AlYO層についても、本発明被覆工具の場合と同様な方法により、従来AlYO層の測定範囲内に存在する全結晶粒のうちで、結晶粒の内部に、少なくとも一つ以上のΣ3対応界面が存在する結晶粒の面積比率を求め、その値を、Σ3対応界面割合(%)として表9に示した。
表8、9に示される通り、本発明被覆工具1〜15の改質AlYO層において、結晶粒の内部に少なくとも一つ以上のΣ3対応界面が存在する結晶粒の面積比率は60%以上であるのに対して、比較被覆工具1〜10の従来AlYO層において、結晶粒の内部に少なくとも一つ以上のΣ3対応界面が存在する結晶粒の面積比率は40%以下であって、結晶粒の内部にΣ3対応界面が存在する率は非常に小さいことがわかる。
また、本発明被覆工具1〜15の改質AlYO層および比較被覆工具1〜10の従来AlYO層について、電界放出型走査電子顕微鏡を用いて、層厚方向に垂直な面内に存在する、大粒径の平坦六角形状の結晶粒の面積割合を求めた。この値を表8、表9に示す。
なお、ここで言う「大粒径の平坦六角形状」の結晶粒とは、
「電界放出型走査電子顕微鏡により観察される層厚方向に垂直な面内に存在する粒子の直径を計測し、10粒子の平均値が3〜8μmであり、頂点の角度が100〜140°である頂角を6個有する多角形状である。」
と定義する。
ついで、本発明被覆工具1〜15、比較被覆工具1〜10および参考被覆工具11〜15の硬質被覆層の各構成層の厚さを、走査型電子顕微鏡を用いて測定(縦断面測定)したが、いずれもの場合も、目標層厚と実質的に同じ平均層厚(5点測定の平均値)を示した。
つぎに、上記の本発明被覆工具1〜15、比較被覆工具1〜10および参考被覆工具11〜15について、いずれも工具鋼製バイトの先端部に固定治具にてネジ止めした状態で、
被削材:JIS・SUJ2(HRC62)の長さ方向等間隔4本縦溝入り丸棒、
切削速度:250 m/min.、
切り込み:1.5 mm、
送り:0.15 mm/rev.、
切削時間:5 分、
の条件(切削条件Aという)での軸受鋼の乾式高速断続切削試験(通常の切削速度は、200m/min.)、
被削材:JIS・SKD11(HRC58)の長さ方向等間隔4本縦溝入り丸棒、
切削速度:300 m/min.、
切り込み:1.5 mm、
送り:0.15 mm/rev.、
切削時間:5 分、
の条件(切削条件Bという)での合金工具鋼の乾式高速断続切削試験(通常の切削速度は、200m/min.)、
被削材:JIS・SK3(HRC61)の長さ方向等間隔4本縦溝入り丸棒、
切削速度:250 m/min.、
切り込み:1.5 mm、
送り:0.15 mm/rev.、
切削時間:5 分、
の条件(切削条件Cという)での炭素工具鋼の乾式高速断続切削試験(通常の切削速度は、150m/min.)、
を行い、いずれの切削試験でも切刃の逃げ面摩耗幅を測定した。この測定結果を表10に示した。
Figure 0005428569
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表8〜10に示される結果から、本発明被覆工具1〜15は、硬質被覆層の中間層である改質α型Al23層の(0001)面配向率が45%以上の高い比率を示し、すぐれた高温強度を有することに加えて、上部層を構成する改質AlYO層が、平板多角形(平坦六角形)たて長形状の結晶粒の組織構造を有し、(0001)面配向率が60%以上の高い比率を示し、また、結晶粒の内部に少なくとも一つ以上のΣ3対応界面が存在する結晶粒の面積比率が60%以上と高いことによって、あるいは、さらに、改質AlYO層に後処理が施され、その表面平滑性が向上されていることによって、改質AlYO層が一段とすぐれた高温強度と結晶粒内強度を有し、また、一段とすぐれた表面平坦性とを兼備する結果、高熱発生を伴い、かつ、切刃に対して断続的に衝撃的負荷が作用する高速断続切削加工で、硬質被覆層が一段とすぐれた耐チッピング性を発揮するとともに、長期の使用にわたってすぐれた切削性能を示し、使用寿命の一層の延命化を可能とするものである。
これに対して、硬質被覆層がTi化合物層と従来AlYO層からなる比較被覆工具1〜10、および、硬質被覆層がTi化合物層と従来α型Al23層からなる参考被覆工具11〜15においては、チッピング発生、摩耗促進等によって、比較的短時間で使用寿命に至ることが明らかである。
上述のように、この発明の被覆工具は、各種の鋼や鋳鉄などの通常条件の切削加工は勿論のこと、高熱発生を伴うとともに切刃に対して断続的に衝撃的負荷が作用する高速断続切削加工でも、チッピングの発生を抑えることができ、長期に亘ってすぐれた切削性能を発揮するものであるから、切削装置の高性能化並びに切削加工の省力化および省エネ化、さらに低コスト化に十分満足に対応できるものである。

Claims (3)

  1. 炭化タングステン基超硬合金または炭窒化チタン基サーメットで構成された工具基体の表面に、
    (a)下部層が、いずれも化学蒸着形成された、Tiの炭化物層、窒化物層、炭窒化物層、炭酸化物層および炭窒酸化物層のうちの1層または2層以上からなり、かつ、3〜20μmの合計平均層厚を有するTi化合物層、
    (b)中間層が、1〜5μmの平均層厚を有し、化学蒸着した状態でα型の結晶構造を有する酸化アルミニウム層、
    (c)上部層が、2〜15μmの平均層厚を有し、化学蒸着した状態でα型の結晶構造を有するY含有酸化アルミニウム層、
    上記(a)〜(c)からなる硬質被覆層を蒸着形成した表面被覆切削工具において、
    上記(b)の中間層は、電界放出型走査電子顕微鏡を用い、上記工具基体の表面研磨面の測定範囲内に存在する六方晶結晶格子を有する結晶粒個々に電子線を照射して、前記表面研磨面の法線に対して、前記結晶粒の結晶面である(0001)面の法線がなす傾斜角を測定し、前記測定傾斜角のうちの0〜45度の範囲内にある測定傾斜角を0.25度のピッチ毎に区分すると共に、各区分内に存在する度数を集計してなる傾斜角度数分布グラフで現した場合、0〜10度の範囲内の傾斜角区分に最高ピークが存在すると共に、前記0〜10度の範囲内に存在する度数の合計が、傾斜角度数分布グラフにおける度数全体の45%以上の割合を占める傾斜角度数分布グラフを示し、
    上記(c)の上部層は、電界放出型走査電子顕微鏡で組織観察した場合に、層厚方向に垂直な面内で平板多角形状、また、層厚方向に平行な面内で層厚方向にたて長形状を有する結晶粒からなる組織構造を有するY含有酸化アルミニウム層であり、
    また、上記(c)の上部層について、電界放出型走査電子顕微鏡を用い、上記工具基体の表面研磨面の測定範囲内に存在する六方晶結晶格子を有する結晶粒個々に電子線を照射して、前記表面研磨面の法線に対して、前記結晶粒の結晶面である(0001)面の法線がなす傾斜角を測定し、前記測定傾斜角のうちの0〜45度の範囲内にある測定傾斜角を0.25度のピッチ毎に区分すると共に、各区分内に存在する度数を集計してなる傾斜角度数分布グラフで現した場合、0〜10度の範囲内の傾斜角区分に最高ピークが存在すると共に、前記0〜10度の範囲内に存在する度数の合計が、傾斜角度数分布グラフにおける度数全体の60%以上の割合を占める傾斜角度数分布グラフを示し、
    さらに、上記(c)の上部層について、電界放出型走査電子顕微鏡と電子後方散乱回折像装置を用い、表面研磨面の測定範囲内に存在する結晶粒個々に電子線を照射して、六方晶結晶格子からなる結晶格子面のそれぞれの法線が基体表面の法線と交わる角度を測定し、この測定結果から、隣接する結晶格子相互の結晶方位関係を算出し、結晶格子界面を構成する構成原子のそれぞれが前記結晶格子相互間で1つの構成原子を共有する格子点(構成原子共有格子点)の分布を算出し、前記構成原子共有格子点間に構成原子を共有しない格子点がN個(但し、Nはコランダム型六方最密晶の結晶構造上2以上の偶数となるが、分布頻度の点からNの上限を28とした場合、4、8、14、24および26の偶数は存在せず)存在する構成原子共有格子点形態をΣN+1で表した場合に、上記(c)の上部層を構成する結晶粒の内、面積比率で60%以上の結晶粒の内部は、少なくとも一つ以上のΣ3で表される構成原子共有格子点形態からなる結晶格子界面により分断されているY含有酸化アルミニウム層である、
    ことを特徴とする表面被覆切削工具。
  2. 前記(c)の上部層を電界放出型走査電子顕微鏡で組織観察した場合に、層厚方向に垂直な面内で平坦六角形状、また、層厚方向に平行な面内で層厚方向にたて長形状を有する結晶粒が、層厚方向に垂直な面内において全体の35%以上の面積割合を占める請求項1に記載の表面被覆切削工具。
  3. 前記(c)の上部層は、0.05〜0.3μmの範囲内の表面粗さ(Ra)を有する請求項1又は2のいずれか一項に記載の表面被覆切削工具。
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