JP5428507B2 - 可変油圧システム - Google Patents

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Description

本発明は、切り替え弁によって開弁圧が変更されるリリーフ弁を備えた可変油圧システムに関する。
内燃機関に供給されるオイルの圧力を可変とする可変油圧システムとしては、例えば特許文献1のように開弁圧を2段階に制御するリリーフ弁を備えた可変油圧システムが知られている。こうしたリリーフ弁が搭載された可変油圧システムにおいては、高い供給圧が必要とされない機関運転時、例えば機関始動時にリリーフ弁の開弁圧が低圧段に設定され、これによりオイルポンプの負荷が低減されて燃費の向上が実現可能となる。近年では、こうした可変油圧システムの1つとして、オイルの流通経路を切り替える切り替え弁を通じてリリーフ弁の開弁圧を低圧段と低圧段よりも高い高圧段との2段階に切り替える可変油圧システムが開発されるに至っている。
このような可変油圧システムの一例を以下に説明する。図10は、こうした可変油圧システムの概略構成をリリーフ弁の断面構造とともに示したものである。なお、図10は、開弁圧が高圧段に選択された開弁時の状態を示したものである。
図10に示されるように、可変油圧システム50には、オイルの供給対象としての内燃機関の各部位とオイルパン51との間を連結する主供給通路52の途中に、オイルを吸引して吐出する機関駆動式のポンプ53と、該ポンプ53の吸入側でオイルに含まれる比較的大きな異物を取り除くオイルストレーナ54とが設けられている。この主供給通路52の途中には、ポンプ53の吐出側と吸入側とに接続されるリリーフ通路55が設けられており、そのリリーフ通路55の途中には、ポンプ53から吐出されたオイルの圧力が所定の開弁圧以上になるとオイルの一部をポンプ53の吸入側に逃がすリリーフ弁60が設けられている。
リリーフ弁60を構成する弁本体61には、一方向に延びる円形孔であるボア61aが、その一端がリリーフ通路55の吸入側に接続されて、またその他端が閉止部材62により閉口されるかたちに設けられている。ボア61aは、リリーフ通路55に接続された入口通路64から閉止部材62に向けてその内径が大きくなる多段状をなしており、このボア61aの底部を塞ぐ閉止部材62は、入口通路64に延びる円柱状の閉止部62aがボア61aの周面から離間するかたちをなしている。そしてこれら入口通路64、閉止部材62及びボア61aに囲まれるかたちで収容室63が構成されている。
上記ボア61aの長手方向の中央付近には、その長手方向と交差した方向に延びる出口通路65が、その一端が上記収容室63に接続されて、またその他端がリリーフ通路55の吸入側に接続されるかたちに設けられている。このボア61aの内部には、閉止部62aが嵌入される円筒形状のスリーブ66が入口通路64と閉止部材62との間で摺動可能に内装されている。このスリーブ66がボア61a内を摺動する間、閉止部62aはスリーブ66内に嵌入され続けて、スリーブ66と閉止部材62との間にこれらとボア61aとに囲まれるかたちで背圧室68が形成され続ける。
こうした構成からなる背圧室68は、背圧通路71とその接続先である切り替え弁70とを介し、ポンプ53の吐出側及びポンプ53の吸入側に接続されている。そして背圧室68の接続先が切り替え弁70によりポンプ53の吐出側に切り替えられると、ポンプ53の吐出側からのオイルが導入通路72を通じて背圧室68に供給されて背圧室68にお
ける油圧が昇圧される。これにより、スリーブ66の長手方向の一端が収容室63の入口通路64側の端に当接する位置である低圧段制御位置へ変位する。これに対して背圧室68の接続先が切り替え弁70によりポンプ53の吸入側に切り替えられると、背圧室68のオイルの一部が排出通路73を通じてポンプ53の吸入側へ排出されて背圧室68における油圧が降圧される。これにより、スリーブ66の長手方向の他端が収容室63の閉止部材62側の端に当接する位置である高圧段制御位置へ移動する。
上記スリーブ66の内部には、その入口通路64側から閉止部62a側に広がるかたちの多段円形孔である弁体摺動孔78が設けられ、この弁体摺動孔78の内部には、有蓋円筒状の弁体79が弁体摺動孔78の中心軸方向に摺動可能に内装されている。この弁体79と閉止部62aとの間には、弁体79を入口通路64の側へ付勢するコイルばね80が設けられている。またスリーブ66の周壁における長手方向の中央付近には、前記出口通路65と連通するリリーフ孔82が設けられている。そして入口通路64からのオイルの圧力が弁体摺動孔78を通じて弁体79に作用すると、この弁体79は、弁体摺動孔78内の油圧に基づく力とこれに抗したコイルばね80の復元力とに応じてリリーフ孔82を横切る範囲で弁体摺動孔78の軸方向に沿って変位する。
こうした構成からなるリリーフ弁60によれば、弁体79がリリーフ孔82を開通するか否か、つまりオイルがリリーフされるか否かが、上記弁体79の位置とリリーフ孔82(スリーブ66)の位置とにより規定されることとなる。言い換えれば、上記弁体79の位置を規定する油圧が開弁圧であるか否かに応じて、オイルがリリーフされるか否かが切り替わり、さらに上記スリーブ66の位置を規定する背圧室68の油圧の印加状態が2段階であることから、上述の開弁圧が2段階に切り替えられることとなる。
特開平5−26024号公報
ここで、油圧によってスリーブ66に作用する力についてさらに詳しく説明する。図11は、油圧によってスリーブ66に作用する力の方向を当該スリーブ66の断面構造とともに示した図である。図11に示されるように、スリーブ66の頂部を構成する頂面83、上記背圧室68を構成する背圧面67、及び上記弁体摺動孔78を構成する段差面81には、それぞれに作用する油圧によって下記(a)〜(c)に示す力が作用する。
(a)頂面83に作用する力:頂面83の面積A11と入口通路64の油圧P11との乗算値に相当する大きさの力F11が、低圧段制御位置から高圧段制御位置へスリーブ66を押し下げる力として作用する。
(b)背圧面67に作用する力:背圧面67の面積A12と背圧室68の油圧P12との乗算値に相当する大きさの力F12が、高圧段制御位置から低圧段制御位置へスリーブ66を押し上げる力として作用する。
(c)段差面81に作用する力:段差面81の面積A13と当該段差面81が面している領域の油圧P13との乗算値に相当する大きさの力F13が、高圧段制御位置から低圧段制御位置へスリーブ66を押し上げる力として作用する。
そして、これらの力F11,F12,F13の合力に基づいてスリーブ66が軸方向に沿って変位することにより、リリーフ弁60の開弁圧が低圧段あるいは高圧段に制御され
ることになる。つまり、(a)頂面83、(b)背圧面67、及び(c)段差面81の各々が面する領域の油圧に応じて、開弁圧の切替えが制御されることになる。
一方、上述のようにして構成されるスリーブ66の内部では、オイルをリリーフしている期間(リリーフ期間)にオイルが流れ続け、オイルをリリーフしていない期間(非リリーフ期間)にオイルの流れが止まることになる。そして、これらリリーフ期間と非リリーフ期間との間では、こうしたオイルの流れの違いにより、上記(a)〜(c)のうちで、特に、(c)段差面81に作用する外力が異なることになる。
例えば、非リリーフ期間におけるスリーブ66の内部では、スリーブ66を構成する各部がオイルの流れの中に置かれることはなく、ましてオイルの流れる方向がスリーブ66内で変動することもない。これに対して、リリーフ期間におけるスリーブ66の内部では、スリーブ66を構成する各部がオイルの流れの中に置かれることになる。一般に、オイルの流れの中に置かれた各部の背後には渦流が発生することになり、こうした渦流の発生によって、スリーブ66の各部に作用する油圧が異なることになる。
図12は、こうしたリリーフ期間にスリーブ66内に流れるオイルの流れを模式的に示した図である。同図に示されるように、リリーフ期間のスリーブ66内においては、流入孔76の内周面に沿ったオイルの流れが、リリーフ孔82の内周面に沿った流れへと、弁体摺動孔78内で変更される。そして、オイルの流れの変動に伴う渦流が弁体摺動孔78内で発生し、特に、流路の断面積が急激に拡大される上記段差面81の付近では激しい渦流が発生することになる。こうした渦流が発生した領域にあっては、その周辺の領域と比較してオイルの圧力が低下してしまうため、スリーブ66の段差面81に作用する油圧P13も低下することになる。すなわち、スリーブ66を軸方向上方に押し上げようとする力である力F13が低下することになる。
このため、リリーフ期間にスリーブ66を高圧段制御位置から低圧段制御位置に変位させる場合には、非リリーフ期間にこうした変位をさせる場合と比較して、その分だけスリーブ66の変位する速度が低下したり、スリーブ66の変位量が減少したりすることになる。また、スリーブ66を低圧段制御位置から高圧段制御位置に変位させる場合には、非リリーフ期間にこうした変位をさせる場合と比較して、その分だけスリーブ66の変位する速度が増加したり、スリーブ66の変位量が増大したりすることになる。
この結果、リリーフ期間と非リリーフ期間との間で開弁圧の切り替え特性が大きく異なることになり、開弁圧の切り替えに際して所望する切り替え特性を得る上では、非リリーフ期間で開弁圧を切り替える際のポンプの吐出圧やリリーフ期間における開弁圧、切り替え動作が許容される切り替え時間等の制御範囲に大きな制約を受けることになってしまう。
本発明は、上記実状を鑑みてなされたものであり、その目的は、背圧室からの油圧の印加態様に応じて変位する筒体により開弁圧を切り替えるリリーフ弁を備えた可変油圧システムにおいて、当該開弁圧を切替える制御性を向上させた可変油圧システムを提供することである。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、背圧室から印加される油圧に応じた軸方向への変位により開弁圧を変更する筒体を有してポンプの吐出側に接続されたリリーフ弁と、前記背圧室における油圧の印加態様を切り替える切り替え弁とを備えて、前記背圧室における油圧の印加態様の切替えに応じた前記筒体の変位により前記リリーフ弁の開弁圧を変更する可変油圧システムであって、前記ポンプの吐出側と連通する小径孔と、前記ポンプの吸入側と連通する大径孔とからなるリリーフ流路としての多段孔を、前記軸方向に延びるかたちで前記筒体内に備え、さらに前記小径孔を有した小径孔部の内周面と前記大径孔を有した大径孔部の内周面との段差を前記小径孔部と前記大径孔部との境界で緩和する凹部を前記小径孔部の内周面に備え、前記大径孔部は、当該大径孔部の内周面に開口して前記ポンプの吸入側と連通するリリーフ孔を当該大径孔部の周壁に有し、前記凹部は、前記小径孔における前記ポンプの吐出側から前記リリーフ孔の開口に向け、前記リリーフ孔に対応するように前記軸方向に沿って前記小径孔部の内周面に延設された溝であり、該溝の溝幅は、前記小径孔部の内周面側よりも外周側が周方向に拡幅するように形成され、前記大径孔内には、前記軸方向に摺動可能な弁体が内装され、前記弁体は、前記段差における前記溝を除いた部分によって、前記小径孔側への変位が規制されることを要旨とする。
請求項1に記載の発明によれば、背圧室から印加される油圧に応じて筒体が軸方向へ変位することにより、リリーフ弁の開弁圧が切替えられる。オイルがリリーフされる状態でこうした開弁圧の切替えが実施されると、筒体の小径孔部から大径孔部へとオイルが流れ続ける状態で、つまり筒体内を軸方向に沿ってオイルが流れる状態で、同筒体が軸方向へ変位することになる。この際、オイルの流れの中に置かれた小径孔部の背後(下流側)には、小径孔部の内周面と大径孔部の内周面との段差に応じた流れ、例えば渦流等が発生することになる。そして、小径孔部の内周面と大径孔部の内周面との段差が緩和されていない構成では、上述するようなオイルの流れによって、周辺よりも負圧となる空間が小径孔部の背後に形成されることになる。このような負圧が小径孔部の背後に作用したとあっては、こうした負圧が作用しない場合、すなわちオイルがリリーフされていない場合と比較して、筒体が軸方向へ変位する速度や変位量にずれが発生することになる。この点、上述する構成であれば、小径孔部の内周面と大径孔部の内周面との段差を緩和する凹部がオイルの流れる方向に延びるかたちで小径孔部の内周面に設けられているため、上述する渦流等の流れによる負圧の発生を抑制することが可能になる。それゆえ、可変油圧システムにおける開弁圧の切替えの制御性を向上させることが可能になる。
また、オイルがリリーフされる状態のリリーフ弁にあっては、小径孔から流入してきたオイルがリリーフ孔へ向かって流れるため、特にリリーフ孔の開口に近い位置にある段差付近ほど激しい渦流等が発生して、オイルの圧力が大きく低下する傾向にある。この点、上記構成によれば、このようにして圧力が大きく低下し得る部位に対し、そこでの段差が予め凹部により緩和されることになる。このため、可変油圧システムにおける開弁圧の切替えの制御性をより効果的に向上させることが可能になる。
請求項に記載の発明は、前記軸方向から見た前記溝の溝幅が同軸方向から見た前記リリーフ孔の開口径よりも大きいことを要旨とする。
オイルがリリーフされる状態のリリーフ弁にあっては、小径孔から流入してきたオイルがリリーフ孔に向かって流れるため、軸方向から見れば、リリーフ孔の開口径よりも広い範囲においてオイルの圧力が低下する傾向にある。請求項に記載の発明によれば、軸方向から見たリリーフ孔の開口径よりも大きい溝幅を有した溝が同リリーフ孔の開口に向けて凹設されているため、オイルの渦流等によって段差に作用する油圧の低下が、それが生じやすい部位を含んでより広い範囲にわたり抑制されることになる。
請求項に記載の発明は、前記凹部が、前記小径孔部の内周面の前記軸方向の全幅にわたり凹設された溝であることを要旨とする。
筒体内を軸方向に沿ってオイルが流れる状態では、小径孔部の内周面が有する凹部も、同オイルの流れに置かれた部分となる。小径孔部の軸方向における途中部分から大径孔部に向けてこうした凹部が設けられる場合には、小径孔部の内周面と凹部の底面との段差が小径孔部の途中部分に生じることになる。小径孔部の途中部分では凹部の周囲が小径孔部の内周面で囲まれるため、小径孔部と大径孔部との境界と比較すれば、こうした途中部分での流れの変動は小さいものとなる。ただし、このような小さな流れであれ、上述するような負圧を形成する流れに違いはなく、その程度こそ小さいものの、筒体が軸方向へ変位する速度や変位量にずれが発生する要因の一つになる。この点、請求項に記載の発明によれば、小径孔部におけるオイルの入口から出口までの全体にわたり凹部が構成されるため、同凹部におけるオイルの流れの方向、ひいては小径孔部内におけるオイルの流れの方向が軸方向に沿って安定することになる。それゆえ、こうした凹部が構成されることによるオイルの流れの変動、ひいては小径孔部内における圧力の変動が抑えられることになり、小径孔部と大径孔部との境界のみならず、小径孔部の全体にわたり負圧の発生を抑制することが可能になる。
請求項に記載の発明は、前記凹部を構成する溝底面が前記大径孔部の内周面と面一であることを要旨とする。
請求項に記載の発明によれば、凹部である溝の底面が大径孔部の内周面と面一であることから、小径孔部と大径孔部との境界における同溝の開口では、オイルの流れがより軸方向に沿うかたちになる。それゆえ、可変油圧システムにおける開弁圧の切替えの制御性をより向上させることが可能になる。
本発明にかかる可変油圧システムの構成をリリーフ弁の断面構造を中心に示した構成図。 軸方向に沿って頂部側からみたスリーブを示す図。 リリーフ状態にあるリリーフ弁のスリーブ内におけるオイルの流れの一部を示す図。 リリーフ弁の開弁圧が低圧段に選択されている場合であって、(a)閉弁状態にあるリリーフ弁の断面構造を中心にオイルの流れを示した図、(b)開弁状態にあるリリーフ弁の断面構造を中心にオイルの流れを示した図。 リリーフ弁の開弁圧が高圧段に選択されている場合であって、(a)閉弁状態にあるリリーフ弁の断面構造を中心にオイルの流れを示した図、(b)開弁状態にあるリリーフ弁の断面構造を中心にオイルの流れを示した図。 溝部の変更例を示す図。 溝部の変更例を示す図。 溝部の変更例を示す図。 溝部の変更例を示す図。 従来例における可変油圧システムの構成をリリーフ弁の断面構造を中心に示した構成図。 従来例におけるスリーブに作用する力の方向を示す図。 リリーフ状態にある従来例のリリーフ弁にあって、スリーブ内におけるオイルの流れの一部を模式的に示す図。
以下、本発明にかかる可変油圧システムを具体化した一実施形態について図1〜図5を参照して説明する。図1は、可変油圧システムの概略構成をリリーフ弁の断面構造を中心に示した構成図であり、オイルの供給対象である機関が始動前の状態を示している。
図1に示されるように、可変油圧システム10には、オイルパン11に貯留されているオイルを内燃機関の各部位に対して供給する供給通路12が設けられている。供給通路12の途中には、オイルを吸引して吐出する機関駆動式のポンプ13が設けられており、また供給通路12の吸入側の端部には、オイルに含まれる比較的大きな不純物を取り除くオイルストレーナ14が設けられている。そして内燃機関の機関運転にともなってポンプ13が駆動されると、オイルパン11に貯留されたオイルがこのポンプ13により吸い上げ
られて、供給通路12から内燃機関の各部位、例えばオイルの圧力により駆動される油圧駆動式の各種装置にオイルが供給される。さらには機関出力を取り出すためのピストンに対してそのオイルが噴射されて同ピストンを冷却するピストンジェット機構及び機関の被潤滑部等にオイルが供給される。この供給通路12の途中には、ポンプ13の吐出側と吸入側とに接続されたリリーフ通路15が設けられており、同リリーフ通路15の途中には、ポンプ13から吐出されたオイルの圧力が所定の開弁圧以上になるとそのオイルの一部を逃がすリリーフ弁20が設けられている。
リリーフ弁20を構成する弁本体21の一端部(図1における下端部21B)には、同弁本体21の下側面に開口を有した円形孔であるボア23が設けられている。このボア23の開口は閉止部材22によって閉口されており、これによりボア23の内部空間に相当する収容室が弁本体21内に画成されている。この収容室を構成する閉止部材22には、ボア23の径よりも小さい径からなりボア23の内部へ突出する略円柱状の弁体支持部22Aがボア23と同一軸線上に設けられている。そしてこの弁体支持部22Aの外周面とボア23の内面との間には、これらの間の距離が略等しくなるかたちに、ボア23の内面の全周にわたる間隙が形成されている。また弁体支持部22Aの外周面の一部には、その径方向に突出するストッパ22Bが設けられている。以下、上述したボア23の中心軸Cに沿った方向を軸方向という。
弁本体21の他端部(図1における上端部21A)には、上述したボア23の径よりも小さい径からなる入口開口部24がボア23と同一軸線上に設けられている。ポンプ13の吐出側に接続されたリリーフ通路15と上述した収容室とは、この入口開口部24を介して連通している。またボア23における軸方向の中央位置付近には、軸方向に幅広な出口通路25がボア23の内面に開口するかたちに設けられている。ポンプ13の吸入側に接続されたリリーフ通路15と上述した収容室とは、この出口通路25を介して連通している。
このように構成されたボア23の内部には、軸方向に沿って延びる円筒形状の可動部材であるスリーブ26が同じく軸方向に沿って摺動可能に同一軸線上に内装されている。このスリーブ26の軸方向の長さは、収容室の同じく軸方向の長さよりも短く形成されており、またスリーブ26における周壁部26Bの下端部は、上述した弁体支持部22Aの外周面とボア23の内周面との間の間隙に嵌装されている。つまり弁体支持部22Aの外周面とボア23の内周面との間の隙間は、上記スリーブ26の下端面である背圧面27によってその軸方向の領域が区画されている。そして、これら弁体支持部22Aの外周面、ボア23の内周面、及びスリーブ26の背圧面27に囲まれるかたちの背圧室28が、軸方向への拡縮が可能な態様でボア23の全周にわたる上記の隙間に画成されている。
中心軸Cを挟んで前記ストッパ22Bと対向する位置には、ボア23の内周面に開口して上記背圧室28に連通する導出入孔29が弁本体21に内設されている。この導出入孔29には、一端が切り替え弁30に接続された背圧通路31の他端が接続されている。切り替え弁30には、上記背圧通路31の他、ポンプ13の吐出側における供給通路12に接続された導入通路32と、ポンプ13の吸入側に接続された排出通路33とがそれぞれ接続されている。そして切り替え弁30が切り替え動作を実行することによって、背圧通路31(背圧室28)の接続先が導入通路32と排出通路33とに切り替えられる。こうした切り替え弁30の切り替え動作は、切り替え弁30に電気的に接続された電子制御装置35によって内燃機関の機関運転状態に応じて実行される。切り替え弁30は例えば三方電磁弁であって、この切り替え弁30に対して通電がなされると、背圧通路31を通じて背圧室28に連通する通路が導入通路32に選択され、背圧室28における油圧が昇圧することとなる。また切り替え弁30に対する通電が遮断されると、背圧通路31を通じて背圧室28に連通する通路が排出通路33に選択され、背圧室28における油圧が降圧
することとなる。このようにして背圧室28への油圧の印加態様が切り替えられる。
上述したスリーブ26の内部は、入口開口部24側に位置する頂部26A(小径孔部)に軸方向に沿って設けられ入口開口部24の径よりも小さい孔径の流入孔36と、頂部26Aに連なりその外周が閉止部材22側で広がる周壁部26B(大径孔部)に軸方向に沿って設けられた弁体摺動孔38とによって、頂部26A側から周壁部26B側に広がるかたちでリリーフ流路を構成する多段の円形孔状に形成されている。この弁体摺動孔38には、有蓋円筒状をなす弁体39が軸方向に沿って摺動可能に内装されている。この弁体39は、同じくスリーブ26の内部に内装されたコイルばね40を介して弁体支持部22Aに連結されており、このコイルばね40の復元力によって流入孔36側へ付勢されている。また弁体39は、頂部26Aの内周面と周壁部26Bとの内周面との高低差である段差をつなぐ段差面41によって、スリーブ26に対する流入孔36側への変位が規制される。
こうした構成からなる弁体39は、流入孔36における油圧に基づいて同弁体39を押し下げる力を受け、またコイルばね40のストロークに応じた復元力に基づいて同弁体39を押し上げる力を受けることとなる。つまり流入孔36における油圧に基づく力が大きくなるほど弁体39は弁体支持部22Aに近づくこととなり、同油圧に基づく力が小さくなるほど弁体39は弁体支持部22Aから遠ざかることとなる。
また、スリーブ26の周壁部26Bにおいて出口通路25と対向する部分には、出口通路25における軸方向の幅よりも小さい開口径を有するリリーフ孔42が軸方向と交差する方向に向かって周壁部26Bを貫通するかたちに設けられている。このリリーフ孔42は、弁体39の変位に応じて同弁体39の外周面によって開通・閉鎖されるとともに、スリーブ26の変位とともに軸方向に変位する通路であり、スリーブ26の全ての移動範囲において出口通路25と連通する位置に設けられている。そして、弁体39が流入孔36における油圧に基づいて変位してリリーフ孔42を開通させることにより、ポンプ13の吐出側のオイルがスリーブ26の内部を通じて同ポンプ13の吸入側へとリリーフされることになる。
さらに、スリーブ26の頂部26Aには、図1及び図2に示されるように、段差面41と頂部26Aの頂面43との双方に開口するかたちで、軸方向に沿って延びる凹部としての溝部44が頂部26Aの内周面に凹設されている。この溝部44は、頂部26Aと周壁部26Bとの境界において、頂部26Aの内周面と周壁部26Bの内周面との段差(高低差)をスリーブ26の周方向の一部で縮小するかたちに構成されている。つまり、この溝部44は、段差面41における径方向の幅である上記段差が同段差面41の周方向の一部で縮小されるかたちに、すなわち頂部26Aの内周面と周壁部26Bの内周面との段差を緩和するかたちに構成されている。この溝部44を構成する溝底面45は、頂部26Aの内周面と周壁部26Bの内周面との段差をなくすように、弁体摺動孔38の内周面(弁体39の摺動面)と面一となるかたちで構成されている。また溝部44は、図1及び図2に示されるように、リリーフ孔42の開口に向けて軸方向に延びるかたちで頂部26Aの内周面に凹設された溝であり、軸方向から見た溝部44の溝幅が同軸方向から見たリリーフ孔42の開口径よりも大きくなるかたちに構成されている。
こうした構成からなるスリーブ26の頂面43における受圧面積A1は、頂部26Aの外径からなる円の面積から、頂部26Aの内径からなる円の面積、及び、溝部44の頂面43における開口の面積を差し引いた面積である。また背圧室28を構成する背圧面27の受圧面積A2は、周壁部26Bの下端部の外径からなる円から、周壁部26Bの内径からなる円の面積を差し引いた面積である。また段差面41における受圧面積A3は、周壁部26Bの内径からなる円の面積から、頂部26Aの内径からなる円の面積、及び、段差
面41における溝部44の開口の面積を差し引いた面積である。
そして、こうした構成からなるスリーブ26は、図3に示されるように、ポンプ13の吐出側の油圧P1を入口開口部24から頂面43に受けて、自身が下方へ押し下げられる力である力F1(=P1×A1)を受けることとなる。またこの力F1と相反する態様で、背圧室28における油圧P2を背圧面27に受けて、自身が上方へ押し上げられる力である力F2(=P2×A2)を受けることとなる。さらに、同じく力F1と相反する態様で、弁体摺動孔38の段差面41が面する領域の油圧P3を段差面41に受けて、自身が上方へ押し上げられる力である力F3(=P3×A3)を受けることになる。そして、これら力F1と、力F2及び力F3の合力との差に応じて、スリーブ26そのものが軸方向に沿って摺動することとなる。
詳述すると、切り替え弁30の切り替え動作により背圧室28と導入通路32とが連通する場合には、背圧室28における油圧P2が昇圧されて力F1よりも上記力F2及び力F3の合力の方が大きくなり、スリーブ26そのものが軸方向に沿って押し上げられることとなる。このようなスリーブ26そのものの上動は、スリーブ26の頂部26Aが入口開口部24に係止されることで規制されることとなる。以下、スリーブ26の頂部26Aと入口開口部24とが当接するスリーブ26の位置を低圧段制御位置という。そしてスリーブ26が低圧段制御位置に位置するときには、上記リリーフ孔42がその移動範囲において弁体支持部22Aから最も遠ざかることになる。
これに対して、切り替え弁30の切り替え動作により背圧室28と排出通路33とが連通する場合には、背圧室28における油圧P2が降圧されて力F1よりも上記力F2及び力F3の合力の方が小さくなり、スリーブそのものが軸方向に沿って押し下げられることとなる。このようなスリーブ26そのものの下動は、スリーブ26の背圧面27が閉止部材22のストッパ22Bに係止されることで規制されることとなる。その結果、背圧室28におけるオイルが同背圧室28の容積の縮小分だけ導出入孔29を通してポンプ13の吸入側に流れることとなる。以下、背圧面27とストッパ22Bとが当接するスリーブ26の位置を高圧段制御位置という。そしてスリーブ26が高圧段制御位置に位置するときには、上記リリーフ孔42がその移動範囲において弁体支持部22Aに最も近づくことになる。
こうした構成からなる可変油圧システム10においては、弁体39がリリーフ孔42を開通するか否か、つまりオイルがリリーフされるか否かが、弁体39の位置とリリーフ孔42の位置とにより規定されることとなる。つまり弁体39の位置を規定する油圧が開弁圧であるか否かに応じて、オイルがリリーフされるか否かが切り替わり、さらにリリーフ孔42の位置を規定する背圧室28の油圧P2の印加状態が2段階であることから、上述の開弁圧が2段階に切り替えられることとなる。
詳述すると、スリーブ26が低圧段制御位置に位置する場合には、ポンプ13の吐出側における油圧が低圧段の開弁圧に到達するまで弁体39がリリーフ孔42を閉鎖し続けることとなる。そしてポンプ13の吐出側における油圧が低圧段の開弁圧に到達すると、コイルばね40のストロークが相対的に小さい状況で弁体39がリリーフ孔42を開通することとなる。一方、スリーブ26が高圧段制御位置に位置する場合には、ポンプ13の吐出側における油圧が高圧段の開弁圧に到達するまでは、コイルばね40からの復元力を受ける弁体39がリリーフ孔42を閉鎖し続けることとなる。つまりポンプ13の吐出側における油圧がたとえ低圧段の開弁圧になったとしても、コイルばね40のストロークが小さいために、弁体39によりリリーフ孔42が閉鎖されることとなる。そしてポンプ13の吐出側における油圧が高圧段の開弁圧に到達すると、コイルばね40のストロークが相対的に大きい状況で弁体39がリリーフ孔42を開通することとなる。
ところで、リリーフ弁20内をオイルが流れる状態、つまりリリーフ状態であるときには、スリーブ26の内部を構成する各部がオイルの流れの中に置かれることになる。こうした各部の背後(下流側)ではオイルの流れが変わることになり、同背後の周辺と比較して負圧が形成されることになる。具体的には、頂部26Aと周壁部26Bとによって形成される段差面41付近にオイルの渦流等が発生することで、段差面41に作用する油圧P3が、渦流が発生しない場合よりも低下することになる。特に、リリーフ孔42に近い位置にある段差面41付近においては激しい渦流が発生しやすいため、リリーフ孔42に近い位置にある段差面41ほど油圧P3が低下する傾向にある。こうした油圧P3の低下によって段差面41で受ける力F3が小さくなり、その分だけスリーブ26を上方へ押し上げる力が小さくなることになる。
このため、リリーフ弁20がリリーフ状態であるときにスリーブ26を高圧段制御位置から低圧段制御位置に向かって変位させる場合には、リリーフ弁20内をオイルが流れない状態(非リリーフ状態)と比較して、スリーブ26の変位スピードが不十分となり、低圧段制御位置への到達が遅くなったり、低圧段制御位置へ到達しなくなったりしてしまう。また、リリーフ状態であるときにスリーブ26を低圧段制御位置から高圧段制御位置に向かって変位させる場合には、非リリーフ状態と比較して、スリーブ26の変位スピードが過剰に高くなり、高圧段制御位置への到達が早まったり、背圧面27とストッパ22Bとの過度な衝突が発生したりしてしまう。つまり、リリーフ状態と非リリーフ状態との間でスリーブ26の応答性が異なるため、例えばリリーフ状態を基準にして各受圧面積が設計されることになれば、非リリーフ状態における開弁圧の切替えの応答性が損なわれることになる。また非リリーフ状態を基準にして各受圧面積が設計されることになれば、リリーフ状態における開弁圧の切替えの応答性が損なわれることになる。この結果、リリーフ弁20の開弁圧を切替える制御性が損なわれることになる。
これに対し本実施形態では、スリーブ26の頂部26Aには、段差面41及び頂面43に開口するかたちで軸方向に延出形成された溝部44が設けられている。この溝部44は、スリーブ26を軸方向に沿って頂部26A側から見たときに、その溝底面45がリリーフ孔42に臨むとともに、溝底面45の端がリリーフ孔42に対して周方向の外側に位置するかたちで設けられている。つまり、リリーフ孔42の軸方向から段差面41を除くように開口するかたちで溝部44が設けられている。こうした溝部44が設けられることにより、図3に示されるように、弁体摺動孔38に流入してくるオイルの一部は上記溝部44を通じて流入することになり、リリーフ状態のままスリーブ26を変位させたとしても段差面41における溝部44の開口付近ではオイルの渦流が発生し難くなる。そしてこうした溝部44が、頂面43に作用する油圧P1と段差面41に作用する油圧P3との圧力差が最も大きくなる部分、すなわちリリーフ孔42近傍の段差面41の部分に開口するかたちで軸方向に沿って延出形成されることにより、溝部44を設けない場合に比べてスリーブ26を上方に押し上げる力を大きくすることが可能になる。つまり、リリーフ状態においてスリーブ26に作用するオイルからの外力を、非リリーフ状態における同外力に近づけることが可能になる。
詳述すると、頂面43及び段差面41に開口する溝部44を設けることにより、頂面43における受圧面積A1と段差面41における受圧面積A3とがその開口分だけ小さくなる。そのため、スリーブ26を下方へ押し上げる力である力F1(=P1×A1)がその開口分だけ減少するとともに、スリーブ26を上方へ押し上げる力である力F3(=P3×A3)もその開口分だけ減少することになる。ここで、こうした溝部44を設けなかった場合には、段差面41付近ではオイルの渦流が発生して油圧P3が低下することから、段差面41に作用する油圧P3よりも頂面43に作用する油圧P1の方が大きいことになる。このことから、溝部44を設けたことによる力F1の減少分と力F3の減少分とでは
、スリーブ26を押し下げる力である力F1の減少分の方が大きいことになる。つまり、溝部44を設けなかった場合に比べて、上述した力F1の減少分と力F3の減少分との差の分だけスリーブ26を上方に押し上げる力を大きくすることが可能になる。そしてスリーブ26は、その大きくなった力の分だけ低圧段制御位置への変位スピードが高められるとともに、高圧段制御位置への変位スピードが抑えられることになる。
その結果、リリーフ期間における開弁圧の切り替え特性が非リリーフ期間における開弁圧の切り替え特性に近づくことになり、開弁圧の切り替えに際して所望する切り替え特性を得る上で、非リリーフ期間で開弁圧の切り替え際のポンプの吐出圧やリリーフ期間における開弁圧、切り替え時間等の制御範囲が拡張可能になる。すなわちリリーフ弁20の開弁圧を切替える制御性が向上可能になる。しかも、段差面41における溝部44の開口がリリーフ孔42に近い段差面41に形成されることにより、この効果をより効率よく得ることが可能である。
なお、頂部26Aの軸方向における途中部分から周壁部26Bに向けてこうした溝部が設けられる場合には、頂部26Aの内周面と溝部の底面との段差が頂部26Aの途中部分に生じることになる。頂部26Aの途中部分では溝部の周囲が頂部26Aの内周面で囲まれるため、頂部26Aと周壁部26Bとの境界と比較すれば、こうした途中部分での流れの変動は小さいものとなる。ただし、このような小さな流れであれ、上述するような負圧を形成する流れに違いはなく、その程度こそ小さいものの、スリーブ26が軸方向へ変位する速度や変位量にずれが発生する要因の一つになる。
この点、上述するように頂部26Aにおけるオイルの入口から出口までの全体にわたり溝部44が構成されるため、同溝部44におけるオイルの流れの方向、ひいては頂部26A内におけるオイルの流れの方向が軸方向に沿って安定することになる。それゆえ、こうした溝部44が構成されることによるオイルの流れの変動、ひいては頂部26A内における圧力の変動が抑えられることになり、頂部26Aと周壁部26Bとの境界である段差面41のみならず、頂部26Aの全体にわたり負圧の発生を抑制することが可能になる。
また、こうした溝部44をスリーブ26の頂部26Aを貫通するかたちで形成することにより、溝部44を有していないスリーブと比較して、スリーブ26そのものの軽量化が図られることにもなる。軽量化されたスリーブ26は、例えば同じ大きさの力を受けた場合には、その変位スピードが高まることになる。これにより、スリーブ26の応答性を向上させた上で、上述する開弁圧の切替えの制御性を向上させることが可能にもなる。
なお、弁体39が段差面41によってその軸方向上方への変位が規制されている状態では、溝部44を設けない場合に比べて、ポンプの吐出側からにおける油圧を受ける面積が大きくなる。これにより、弁体39の初期応答性を向上させることも可能である。
次に、可変油圧システム10におけるリリーフ弁20の作動態様について説明する。まず、リリーフ弁20の開弁圧が低圧段に選択されている場合について図4を参照して説明する。図4(a)に、閉弁状態(非リリーフ状態)にあるリリーフ弁の断面構造を中心に可変油圧システム10の概略構成を示す。図4(b)に、開弁状態(リリーフ状態)にあるリリーフ弁20の断面構造を中心に可変油圧システム10の概略構成を示す。
図4(a)に示されるように、機関運転状態に基づいて電子制御装置35によって切り替え弁30に対して通電がなされると、導入通路32と背圧通路31とが連通状態になり、ポンプ13から吐出されたオイルの一部が、導入通路32、背圧通路31、及び導出入孔29を通じて背圧室28に供給される。背圧室28にオイルが供給されると背圧室28における油圧P2が昇圧されて、スリーブ26の背圧面27には、背圧室28における油
圧P2に基づく力である力F2が軸方向の上方に向けて作用する。これにより、スリーブ26を軸方向の上方へ押し上げる押上力が同スリーブ26に作用する。こうした押上力をスリーブ26が受けることにより、スリーブ26は軸方向の上方に移動して低圧段制御位置に変位する。
一方、機関回転速度の上昇にともなってポンプ13から吐出されるオイルの圧力が上昇すると、弁体39を軸方向の下方へと押し下げる力が大きくなり、その結果、弁体39が軸方向の下方へ変位することとなる。そして図4(b)に示されるように、ポンプ13の吐出側の油圧が低圧段の開弁圧になると、弁体39は、入口開口部24、流入孔36、リリーフ孔42、及び出口通路25を連通状態とする位置に変位する。これにより、ポンプ13の吐出側における過剰なオイルがリリーフ通路15を通じてポンプ13の吸入側にリリーフされ、ポンプ13から吐出されるオイルの圧力が低圧段の開弁圧に保持されることとなる。こうした状態にあっては、リリーフ孔42の位置がその移動範囲の中で相対的に軸方向の上側にあることから、コイルばね40のストロークが相対的に小さい状況でオイルがリリーフされることとなり、その結果、ポンプ13の吐出側が低圧段に制御されることとなる。
次に、リリーフ弁20の開弁圧が高圧段に選択されている場合について図5を参照して説明する。図5(a)に、閉弁状態(非リリーフ状態)にあるリリーフ弁の断面構造を中心に可変油圧システム10を示す。図5(b)に、開弁状態(リリーフ状態)にあるリリーフ弁20の断面構造を中心に可変油圧システム10の概略構成を示す。
機関運転状態に基づきリリーフ弁20の開弁圧を低圧段から高圧段に切り替える際には、まず電子制御装置35によって切り替え弁30に対する通電が遮断される。切り替え弁30に対する通電が遮断されると、図5(a)に示されるように、背圧通路31と導入通路32とが非連通状態となり背圧室28へのオイルの供給が禁止されるとともに、背圧通路31と排出通路33とが連通状態となる。これにより背圧室28内の油圧P2が降圧されて、軸方向下方に押し下げる押下力がスリーブ26に作用する。こうした押下力をスリーブ26が受けることにより、スリーブ26は低圧段制御位置から軸方向の下方へ変位する。
この際、リリーフ弁20がリリーフ状態であるときにスリーブ26が軸方向の下方に変位する場合には、溝部44を通じて弁体摺動孔38にオイルの一部が流入してくることから、段差面41における溝部44の開口付近ではオイルの渦流が発生し難い。そのため、溝部44を設けない場合に比べて、溝部44を設けたことによる力F1の減少分と力F3の減少分との差の分だけスリーブ26に作用する押下力が小さくなることになる。つまり、スリーブ26の軸方向下方への変位スピードは、溝部44を設けなかった場合に比べて抑えられることになり、また非リリーフ状態であるときの変位スピードに近づけられることになる。
そして、スリーブ26の変位によってリリーフ孔42が弁体39よりも軸方向の下方に移動してリリーフ通路15が遮断されるとともに、こうしたスリーブ26と弁体39との相対的な変位によってスリーブ26の段差面41に弁体39が当接することとなる。
こうしたリリーフ通路15の遮断によってポンプ13の吐出側における油圧が昇圧されると、コイルばね40の復元力に抗して弁体39が軸方向の下方にさらに変位することとなり、これに追従するかたちでスリーブ26も軸方向の下方へとさらに変位して、やがて高圧段制御位置に位置することとなる。こうした低圧段制御位置から高圧段制御位置への変位によって背圧室28の容積が縮小されると、背圧室28及び背圧通路31に内在していたオイルがその縮小された容積の分だけ排出通路33を通じてリリーフ通路15へと排
出されることとなる。
図5(b)に示されるように、スリーブ26が高圧段制御位置に位置するとスリーブ26のリリーフ孔42は、弁本体21の出口通路25の下部分で同出口通路25と連通する。機関回転速度の上昇にともなってポンプ13から吐出されるオイルの圧力が上昇し、やがてポンプ13の吐出側における油圧が高圧段の開弁圧に到達すると、弁体39は入口開口部24、流入孔36、リリーフ孔42、及び出口通路25を連通状態にする位置まで変位する。これにより、ポンプ13の吐出側における過剰なオイルがリリーフ通路15を通じてポンプ13の吸入側にリリーフされ、ポンプ13の吐出側における油圧が高圧段に保持されることとなる。つまり、切り替え弁30に対して通電が遮断されると、スリーブ26が高圧段制御位置に変位してスリーブ26のリリーフ孔42が弁本体21の出口通路25の下部分で連通した状態、すなわちコイルばね40のストロークが相対的に大きい状況でオイルがリリーフされることから、リリーフ弁20の開弁圧が高圧段となる。
そして、この状態からスリーブ26を高圧段制御位置から低圧段制御位置に切り替える際には、切り替え弁30への通電がなされて、背圧室28の油圧P2が昇圧される。これに伴ってスリーブ26を軸方向上方に押し上げる押上力が同スリーブ26に作用し、スリーブ26が低圧段制御位置へ向かって変位する。この際、リリーフ状態を維持したままスリーブ26を低圧段制御位置まで変位させる場合、図3にも示したように、リリーフ孔42の近傍には溝部44を通じてオイルの一部が流入してくることになる。これにより、段差面41における溝部44の開口付近でオイルの渦流が発生し難くなることから、溝部44を設けなかった場合に比べてスリーブ26の軸方向上方への変位スピードが高まることになり、非リリーフ状態であるときの変位スピードに近づけられることになる。
以上説明したように、本実施形態における可変油圧システムによれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)上記実施形態のスリーブ26の頂部26Aには、頂部26Aと周壁部26Bとによって形成される段差面41に開口する溝部44が設けられている。こうした構成によれば、リリーフ状態でスリーブ26を変位させる際に、段差面41における溝部44の開口付近においてオイルの渦流を発生し難くすることが可能になる。それゆえ、溝部44を設けない構成に比べて段差面41の近傍における負圧を小さくすることが可能になり、スリーブ26を低圧段制御位置から軸方向下方に変位させる場合であれ、高圧段制御位置から軸方向上方に変位させる場合であれ、開弁圧を切り替える制御性を向上させることが可能になる。
(2)上記実施形態の溝部44は、リリーフ孔42の開口に向けて軸方向に延びるかたちで頂部26Aの内周面に凹設されている。リリーフ状態では、流入孔36から流入してきたオイルがリリーフ孔42へ向かって流れるため、特にリリーフ孔42の開口に近い位置にある段差面41の付近ほど激しい渦流等が発生して、オイルの圧力が大きく低下する傾向にある。上述した構成によれば、リリーフ孔42に近い段差面41に溝部44がそれの開口を有するため、段差面41に作用する油圧P3の低下を効率よく抑制することが可能となる。
(3)上記実施形態の溝部44は、軸方向から見た溝幅が同軸方向からリリーフ孔42の開口径よりも大きくなるかたちで設けられている。すなわち溝部44は、溝部44を設けなかった場合にオイルの渦流によって圧力が大きく低下する部分の周辺に対しても開口するかたちで形成されている。こうした構成によれば、段差面41に作用する油圧P3の低下をより効率よく抑制することが可能となる。
(4)上記実施形態の溝部44は、段差面41と頂面43とに開口を有し、頂部26A
を軸方向に貫通するかたちに延設されている。こうした構成によれば、溝部44が構成されることによるオイルの流れの変動、ひいては頂部26A内における圧力の変動が抑えられることになり、頂部26Aと周壁部26Bとの境界である段差面41のみならず、頂部26Aの全体にわたり負圧の発生を抑制することが可能になる。またスリーブ26の軽量化が図られ、例えば同じ力を受けた場合にはその変位スピードが高まることから、スリーブ26の応答性を向上させた上で、開弁圧を切り替える制御性を向上させることが可能である。
(5)上記実施形態の溝部44は、その溝底面45が弁体摺動孔38の内面と面一となるかたちで形成した。こうすることにより、溝部44が開口している部分においては、段差面41がなくなることになる。これにより、オイルの渦流を確実に発生し難くすることが可能である。
(6)上記実施形態のように段差面41に開口する溝部44を設けることにより、弁体39が段差面41によってその軸方向上方への変位が規制されている状態では、溝部44を設けない場合に比べて、ポンプの吐出側における弁体39の受圧面積が大きくなる。これにより、弁体39の初期応答性を向上させることも可能である。
尚、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態の溝部44は、その溝底面45が弁体摺動孔38の摺動面と面一となるように構成されているが、こうした構成に限らず、頂部26Aと周壁部26Bとの境界の段差を緩和する構成であれば、例えば図6に示した溝部46のように、その底面が弁体摺動孔38の摺動面と面一でなくてもよい。こうした構成であっても、小径孔部の内周面と大径孔部の内周面との段差(高低差)が周方向において軽減されるため、上述する(1)〜(4)、(6)に類する効果が得られることになる。
・上述する溝部44は、頂面43と段差面41とに開口するかたちで軸方向に沿って延設されているが、こうした構造に限らず、段差面41に開口して、小径孔部としての頂部26Aの内周面と大径孔部としての周壁部26Bの内周面との段差を緩和するかたちに凹部が設けられる溝部であれば、以下のような構造であってもよい。例えば図7に示されるように、段差面41にのみ開口し、段差面41から頂面43にかけてその溝底面48が頂部26Aの内周面に近づくかたちに溝部47が構成されてもよい。こうした構成であっても、リリーフ孔42の軸方向上方にオイルの渦流を発生し難くすることが可能である。
・上述する溝部44は、軸方向から見た溝幅が同軸方向から見たリリーフ孔42の開口径よりも大きくなるように構成されているが、こうした構成に限らず、リリーフ孔42に向けて軸方向に延びるかたちに構成される上では、軸方向から溝幅が同軸方向から見たリリーフ孔42の開口径よりも小さくなるように構成されてもよい。こうした構成であっても、小径孔部の内周面と大径孔部の内周面との段差(高低差)が周方向において軽減されるため、上述する(1)、(2)に類する効果が得られることになる。
・上述する溝部44は、スリーブ26を軸方向に沿って頂部26A側から見たときに、その溝底面45がリリーフ孔42に臨むかたちで構成されている。こうした構成に限らず、段差面41に開口する溝部を設ける上では、スリーブ26を軸方向に沿って頂部26A側から見たときに、その底面がリリーフ孔42に臨まないかたちで溝部が構成されてもよい。こうした構成であっても、小径孔部の内周面と大径孔部の内周面との段差(高低差)が周方向において軽減されるため、上述する(1)に類する効果が得られることになる。
・上述するリリーフ流路は、流入孔36、弁体摺動孔38、及び1つのリリーフ孔42から構成されるが、これに限らず、リリーフ流路は、流入孔36、弁体摺動孔38、及び
複数のリリーフ孔から構成されてもよい。複数のリリーフ孔から構成されるスリーブについて、図8を用いて詳しく説明する。図8は、4つのリリーフ孔が周方向に等配されたスリーブを示す図であって、上記実施形態にて説明した図2及び図3に対応する図である。
図8に示されるように、スリーブ26の周壁部26Bには、4つリリーフ孔42a,42b,42c,42dが、中心軸Cを中心としてそれぞれ90度ずつずれた位置に貫通形成されている。またスリーブ26の頂部26Aには、各リリーフ孔42a〜42dにそれぞれ対応かたちで、段差面41と頂面43とに開口する溝部44a,44b,44c,44dが軸方向に沿って延出形成されている。この溝部44a〜44dは、スリーブ26を軸方向に沿って頂部26A側からみたときに各溝部44a〜44dの溝底面がそれぞれ対応するリリーフ孔42a〜42dに臨むとともに、各溝底面の端が対応するリリーフ孔42a〜42dの周方向の外側に位置するかたちで設けられている。
こうした構成のスリーブ26においては、4つリリーフ孔42a〜42dに近い位置にある段差面41にはそれぞれ溝部44a〜44dが設けられていることから、どのリリーフ孔からオイルがリリーフされている状態であっても、そのリリーフ孔の軸方向上方においてオイルの渦流を発生し難くすることが可能である。こうした構成であれば、複数のリリーフ孔が形成されたスリーブであっても、上述した効果に類する効果を得ることが可能である。
・上述するような流入孔に凹設される溝部は、リリーフ孔42の開口に向けて軸方向に延びる溝であれば、つまりそれを頂面43側から見たときに同溝部の底面がリリーフ孔42に臨むかたちで構成されているならば、例えば図9に示されるように、頂部26Aに段差面81の大部分に開口する溝部49であってもよい。こうした構成であれば、段差面41によって弁体39の軸方向上方への変位が規制され、かつ、スリーブ26内にて圧力変動を来す上述するオイルの流れの変化をスリーブ26の周方向の大部分において抑えることもできる。
・上述するリリーフ弁20は、背圧室28における油圧の降圧(背圧室28の容積の縮小)とともにスリーブ26が高圧段制御位置に変位し、背圧室28における油圧の昇圧(背圧室28の容積の拡大)とともにスリーブ26が低圧段制御位置に変位するかたちに構成されている。これを変更して、例えばスリーブ26の頂部26Aと入口開口部24との間に背圧室が設けられ、この背圧室における油圧の降圧とともにスリーブが上動して低圧段制御位置に変位し、この背圧室における油圧の昇圧とともにスリーブが下動して高圧段制御位置に変位するかたちにリリーフ弁が構成されてもよい。こうした構成であれ、軸方向に変位するスリーブ内の多段孔がリリーフ通路として機能する構成であれば、上記実施形態と同様の効果が得られる。
・上述するリリーフ弁20は、弁体支持部22Aとボア23との間の間隙(ボア23の底部に設けられた段差部)にスリーブ26の下端面である背圧面27が嵌装されるかたちで、その間隙に背圧室28が画成されている。これを変更して、例えばコイルばねを介して弁体39が入口開口部24に連結される構成であれば、弁体支持部22Aを閉止部材22から割愛して有底円筒状のスリーブを採用することが可能にもなり、こうしたスリーブの底面と上記閉止部材との間の間隙そのものによって背圧室28が構成されてもよい。こうした構成であれば、背圧室の形状に関してその簡素化が容易となる。
・上述するリリーフ弁20では、筒体が円筒状のスリーブ26として具体化されているが、これに限らず、こうした筒体の形状は、背圧室における油圧の印加態様に応じて開弁圧が切り替えられるべく変位可能であって、その内部にリリーフ流路を構成する多段孔を有する構成であれば、例えば楕円筒体や矩形筒体にも具体化することが可能である。
C…中心軸、10…可変油圧システム、11…オイルパン、12…供給通路、13…ポンプ、14…オイルストレーナ、15…リリーフ通路、20…リリーフ弁、21…弁本体、22…閉止部材、22A…弁体支持部、22B…ストッパ、23…ボア、24…入口開口部、25…出口通路、26…スリーブ、26A…頂部、26B…周壁部、27…背圧面、28…背圧室、29…導出入孔、30…切り替え弁、31…背圧通路、32…導入通路、33…排出通路、35…電子制御装置、36…流入孔、38…弁体摺動孔、39…弁体、40…コイルばね、41…段差面、42,42a〜42d…リリーフ孔、43…頂面、44,44a〜44d,46,47,49…溝部、45,48…溝底面、50…可変油圧システム、51…オイルパン、52…主供給通路、53…ポンプ、54…オイルストレーナ、55…リリーフ通路、60…リリーフ弁、61…弁本体、61a…ボア、62…閉止部材、62a…閉止部、63…収容室、64…入口通路、65…出口通路、66…スリーブ、67…背圧面、68…背圧室、70…切り替え弁、71…背圧通路、72…導入通路、73…排出通路、76…流入孔、78…弁体摺動孔、79…弁体、80…コイルばね、81…段差面、82…リリーフ孔、83…頂面。

Claims (4)

  1. 背圧室から印加される油圧に応じた軸方向への変位により開弁圧を変更する筒体を有してポンプの吐出側に接続されたリリーフ弁と、前記背圧室における油圧の印加態様を切り替える切り替え弁とを備えて、前記背圧室における油圧の印加態様の切替えに応じた前記筒体の変位により前記リリーフ弁の開弁圧を変更する可変油圧システムであって、
    前記ポンプの吐出側と連通する小径孔と、前記ポンプの吸入側と連通する大径孔とからなるリリーフ流路としての多段孔を、前記軸方向に延びるかたちで前記筒体内に備え、さらに
    前記小径孔を有した小径孔部の内周面と前記大径孔を有した大径孔部の内周面との段差を前記小径孔部と前記大径孔部との境界で緩和する凹部を前記小径孔部の内周面に備え、
    前記大径孔部は、当該大径孔部の内周面に開口して前記ポンプの吸入側と連通するリリーフ孔を当該大径孔部の周壁に有し、
    前記凹部は、前記小径孔における前記ポンプの吐出側から前記リリーフ孔の開口に向け、前記リリーフ孔に対応するように前記軸方向に沿って前記小径孔部の内周面に延設された溝であり、該溝の溝幅は、前記小径孔部の内周面側よりも外周側が周方向に拡幅するように形成され、
    前記大径孔内には、前記軸方向に摺動可能な弁体が内装され、
    前記弁体は、前記段差における前記溝を除いた部分によって、前記小径孔側への変位が規制される
    ことを特徴とする可変油圧システム。
  2. 前記軸方向から見た前記溝の溝幅が同軸方向から見た前記リリーフ孔の開口径よりも大きいこと
    を特徴とする請求項に記載の可変油圧システム。
  3. 前記凹部が、前記小径孔部の内周面の前記軸方向の全幅にわたり凹設された溝である
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の可変油圧システム。
  4. 前記凹部を構成する溝底面が前記大径孔部の内周面と面一である
    ことを特徴とする請求項に記載の可変油圧システム。
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