JP5427758B2 - ブレーキ制御装置 - Google Patents
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Description
[実施例1の構成]
図1は、実施例1のブレーキ制御装置(以下、装置1という。)、及びその液圧ユニットHUの油圧回路構成を示す。車両の4つの車輪FL〜RRには、制動力(ブレーキ力)を発生するためのホイルシリンダ5がそれぞれ設けられている。ブレーキシステムは、運転者のブレーキ操作力を倍力装置2に伝達する操作部材であるブレーキペダルBPと、伝達されたブレーキ操作力(ブレーキペダルBPの踏力)を増幅してマスタシリンダ3に伝達する倍力装置(ブースタ)2と、ブレーキペダルBPの踏み込みに応じて、倍力装置2から加わる力に比例した液圧(マスタシリンダ圧)を発生するマスタシリンダ3と、ブレーキ配管10を介してマスタシリンダ3とホイルシリンダ5とに接続されたアクチュエータである液圧ユニットHUと、各種情報に基づき指令信号を出力して液圧ユニットHUの作動を制御する電子制御ユニットである内部コントロールユニット20と、を有している。内部コントロールユニット20は、CAN通信線22を介して、第2の電子制御ユニットである外部コントロールユニット21と双方向通信可能に接続されている。
ステップS1では、上記演算部B1〜B3により、車間距離制御機能からの基本制動液圧と車線逸脱回避制御機能からの目標ヨーモーメントから、各輪の仮目標液圧を演算する。このとき、目標ヨーモーメント成分から前後制動力配分を決めるための前後配分比を、第1前後配分比に設定する。その後、ステップS2へ移行する。
ステップS2では、上記判断部B4により、車間距離制御機能からの基本制動液圧がゼロか否かを判断する。基本制動液圧がゼロでない場合、すなわち車間距離制御状態である場合、ステップS3へ移行する。一方、基本制動液圧がゼロである場合、すなわち車間距離制御状態ではない場合、制御を終了する。
ステップS3では、上記判断部B4により、車線逸脱回避制御機能からの目標ヨーモーメントがゼロか否かを判断する。目標ヨーモーメントがゼロでない場合、すなわち車間距離制御状態において車線逸脱回避制御状態である場合、ステップS4へ移行する。目標ヨーモーメントがゼロの場合、すなわち車線逸脱回避制御状態ではなく、車間距離制御状態単独である場合、制御を終了する。
ステップS4では、上記演算部B5により、車間距離制御状態において車線逸脱回避制御状態でもある場合に、各輪の仮目標液圧から求めた目標制動力と目標ヨーモーメントに対する、各輪の目標液圧より求めた発生する制動力とヨーモーメントの各差分を演算し、差分をフィードバック目標液圧として反映した各輪の仮目標液圧演算を行う。このとき、目標ヨーモーメント成分から前後制動力配分を決めるための前後配分比は、第2前後配分比に切換える。その後、ステップS5へ移行する。
ステップS5では、上記設定部B6により、フィードバック目標液圧を反映した各輪の仮目標液圧のうち、いずれかの配管系統の低圧輪が減圧指令か否かを判断し、低圧輪が減圧指令の場合、ステップS6へ移行する。低圧輪が減圧指令ではない場合、制御を終了する。
ステップS6では、上記設定部B6により、上記配管系統の低圧輪については仮目標液圧の前回値を保持して目標液圧とする。前回値保持後、その配管系統の高圧輪と同一の場合は、目標液圧を高圧輪と同圧とする。また、別の配管系統の高圧輪は、その配管系統の低圧輪と目標液圧を同圧とする目標液圧設定を行い、制御を終了する。
次に、装置1の作用を説明する。図4は、装置1によるブレーキ制御を実施した場合の、車両のヨーモーメントや各輪の液圧等のタイムチャートを示す。
時刻t1で、外部コントロールユニット21により車間距離制御が開始され、基本制動液圧がゼロから増加し始める。車間距離制御単独が行われている状態であると判断されるため、各輪の仮目標液圧(破線)を目標液圧に設定し、目標液圧に従い液圧制御を行う。具体的には、モータMを増圧制御、ゲートアウト弁8P,8Sを調圧制御する。このように、目標液圧に対してホイルシリンダ圧を追従させて増圧制御する際、ゲートアウト弁8の調圧制御を行うことで、増圧制御の精度と応答性を向上することができる。
時刻t2で、基本制動液圧が保持指令となり、各輪の目標液圧も保持指令となる。このとき、モータMは保持制御、ゲートアウト弁8P,8Sは調圧制御を継続する。具体的には、ポンプ9P,9Sの吐出液量とゲートアウト弁8P,8Sからマスタシリンダ3側へのリーク液量とを夫々釣り合わせる保持制御を行う。
時刻t5で、前右輪FRおよび(目標液圧を前右輪FRと同圧に設定している)後左輪RLの目標液圧がゼロとなる。目標ヨーモーメントと発生する実ヨーモーメントを一致させるため、前左輪FLの目標液圧はフィードバック目標液圧により保持になる。モータMは保持制御、ゲートアウト弁8Sは非制御、ゲートアウト弁8P及び後右輪RRの増圧弁6dは、夫々調圧制御と閉弁を継続する。
時刻t6で、基本制動液圧がゼロとなり、目標ヨーモーメント指令のみの状態となる。制御状態判断は、車間距離制御状態と車線逸脱回避制御の複合制御状態継続と判断する。各輪の目標液圧設定及び第2前後配分比状態は、時刻t5と変わらない。モータMは保持制御、ゲートアウト弁8P及び後右輪RRの増圧弁は夫々調圧制御と閉弁を継続する。
時刻t7で、目標ヨーモーメントが減少し始め、前左輪FLの目標液圧も減少する。モータMは減圧制御、ゲートアウト弁8P及び後右輪RRの増圧弁6dは夫々調圧制御と閉弁を継続する。
時刻t8で、目標ヨーモーメントが減少するのに伴い、減少する前左輪FLの目標液圧が、後右輪RRの保持している目標液圧と同一となる。同一となった後は、後右輪RRの目標液圧を前左輪FLと同圧に設定する。モータMは減圧制御、後右輪RRの増圧弁6dは非制御とし(開弁し)、ゲートアウト弁8Pは調圧制御を継続する。すなわち、P系統で、ゲートアウト弁8Pを調圧制御することで、ホイルシリンダ5a、5dの液圧を同一としつつその大きさを(減少)制御する。これに伴い、発生する実ヨーモーメントがゼロとなる。
時刻t9で、基本制動液圧、目標ヨーモーメント共にゼロとなり、各輪の目標液圧もゼロとなって、液圧制御を終了する。具体的には、モータMとゲートアウト弁8Pを非制御とする。
以下、実施例1の装置1が奏する効果を列挙する。
(1)ポンプ9の吐出側と車両の各輪FL等のホイルシリンダ5との間に設けられた増圧弁6と、開弁することでホイルシリンダ5からブレーキ液を排出可能に設けられた減圧弁7と、ポンプ9、増圧弁6、及び減圧弁7の作動を制御して各ホイルシリンダ5内の液圧を制御する内部コントロールユニット20と、を備えたブレーキ制御装置において、内部コントロールユニット20は、車両の走行状態を制御するための基本制動液圧を各輪FL等のホイルシリンダ5に発生させている状態で、車両の目標ヨーモーメントがゼロから有意値に変化した場合、少なくとも1つの配管系の複数のホイルシリンダ5間で液圧差を生じさせると共に、この配管系の低圧側のホイルシリンダ5に対応する増圧弁6を閉じてこのホイルシリンダ5の液圧を保持する。
よって、アクチュエータ(減圧弁7)の作動頻度を抑制することができる。
よって、上記(1)の効果を向上することができる。
よって、目標ヨーモーメントの実現を容易化できる。
よって、上記(1)の効果を向上することができる。
以上、本発明を実現するための形態を、実施例1に基づいて説明してきたが、本発明の具体的な構成は実施例1に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても、本発明に含まれる。例えば、液圧ユニットHUの構成は本実施例1のものに限られず、ポンプの吐出側と各ホイルシリンダとの間に設けられた増圧弁と、開弁することでホイルシリンダからブレーキ液を排出可能に設けられた減圧弁とを備えたものであれば、任意のブレーキ回路構成を採用してもよい。
5 ホイルシリンダ
6 増圧弁
7 減圧弁
8 ゲートアウト弁
9 ポンプ
20 内部コントロールユニット
HU 液圧ユニット
FL 前左輪(P系統)
FR 前右輪(S系統)
RL 後左輪(S系統)
RR 後右輪(P系統)
Claims (5)
- ポンプの吐出側と車両の各輪のホイルシリンダとの間に設けられた増圧弁と、
開弁することで前記ホイルシリンダからブレーキ液を排出可能に設けられた減圧弁と、
前記ポンプ、前記増圧弁、及び前記減圧弁の作動を制御して前記各ホイルシリンダ内の液圧を制御する内部コントロールユニットと、
を備えたブレーキ制御装置において、
前記内部コントロールユニットは、車両の走行状態を制御するための基本制動液圧を各輪の前記ホイルシリンダに発生させている状態で、車両の目標ヨーモーメントがゼロから有意値に変化した場合、少なくとも1つの配管系の複数の前記ホイルシリンダ間で液圧差を生じさせると共に、前記基本制動液圧を減圧するとき、前記ホイルシリンダ間で液圧差を生じさせる配管系の低圧側の前記ホイルシリンダに対応する前記増圧弁を閉じてこのホイルシリンダの液圧を保持する
ことを特徴とするブレーキ制御装置。 - 請求項1に記載のブレーキ制御装置において、
前記ポンプの吐出側とマスタシリンダとの間に設けられたゲートアウト弁を備え、
前記内部コントロールユニットは、前記基本制動液圧を各輪の前記ホイルシリンダに発生させている状態で、目標ヨーモーメントがゼロから有意値に変化した場合、前記ホイルシリンダ間で液圧差を生じさせる配管系とは別の配管系において、前記ゲートアウト弁の作動を制御することで、この配管系の複数の前記ホイルシリンダの液圧を同一としつつ制御する
ことを特徴とするブレーキ制御装置。 - 請求項1又は請求項2に記載のブレーキ制御装置において、
前記内部コントロールユニットは、前記基本制動液圧を各輪の前記ホイルシリンダに発生させている状態で、目標ヨーモーメントがゼロから有意値に変化した場合であって、前記基本制動液圧を減圧するとき、前記目標ヨーモーメントに対応する制動力を前後輪に配分する際の比率である前後制動力配分比を、前記ホイルシリンダ間で液圧差を生じさせる配管系の高圧側のホイルシリンダ液圧が増大するように、変更する
ことを特徴とするブレーキ制御装置。 - 請求項1に記載のブレーキ制御装置において、
前記ポンプの吐出側とマスタシリンダとの間に設けられたゲートアウト弁を備え、
前記内部コントロールユニットは、目標ヨーモーメントが有意値から減少した場合、前記ホイルシリンダ間で液圧差を生じさせた配管系の高圧側のホイルシリンダ液圧が前記低圧側の保持されたホイルシリンダ液圧まで低下すると、この配管系において、前記ゲートアウト弁の作動を制御することで、この配管系の複数の前記ホイルシリンダの液圧を同一としつつ制御する
ことを特徴とするブレーキ制御装置。 - 請求項1に記載のブレーキ制御装置において、
前記ポンプの吐出側とマスタシリンダとの間に設けられたゲートアウト弁を備え、
前記内部コントロールユニットは、前記基本制動液圧を各輪の前記ホイルシリンダに発生させている状態で、目標ヨーモーメントがゼロから有意値に変化した場合であって、前記基本制動液圧を減圧するとき、前記ホイルシリンダ間で液圧差を生じさせる配管系とは別の配管系において、前記ゲートアウト弁の作動を制御することで、この配管系の複数の前記ホイルシリンダの液圧を同一としつつ減圧制御する
ことを特徴とするブレーキ制御装置。
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