JP5427678B2 - カイロ用部材シート - Google Patents

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Description

本発明は、ソフトな肌触り感と柔軟性に富んだカイロ用部材シートに関し、殊に保温性とその持続力並びにカイロの加工性と美的形態保持性に優れたカイロ用部材シートに関する。
一般的に、使い捨てカイロの発熱体を包み込む内袋材は、合成繊維からなる不織布が多く用いられている(例えば、特許文献1および特許文献2)。
これらに記載された内袋用不織布は、発熱体となる鉄粉、活性炭、保水剤等を充填して包み込まれる。そしてこの物は、空気遮断用の非通気性フイルム外袋体に入れて販売に供せられ、この外袋体の内面にアルミ蒸着することは知られている(例えば、特許文献3及び特許文献4)。
一方、例えば特許文献5では、不織布にステンレス鋼などの金属をスパッタリングして遮蔽層を形成したシートが開示されている。この文献の記載によれば、従来技術に相当するアルミ蒸着シートでは、長期の使用によって表面のアルミニウム層が腐食するおそれがあり耐久性に劣ることが開示されている。
特開2007−105163号公報 特開2004−24749号公報 特開2001−178761号公報 特開2001−238906号公報 特開2001−115252号公報
この様に、従来の使い捨てカイロにおいては、カイロ外袋の空気遮断効果については研究が重ねられているものの、カイロ発熱体自身の熱放散制御については改良未踏の余地がある。特に長時間高い保温性を維持することが難しいといった問題がある。このような技術的な背景の下、使い捨てカイロとして、軽量で、ソフトな肌触り感を有し、且つ、保温力を長時間持続し、しかも安価なカイロの出現が望まれている。
本発明は、かかる事情を背景として鋭意検討した結果、達成されたものであり、軽量で、柔軟性、耐摩耗性、快適性、形態保持性および長時間の保温耐久性に優れた使い捨てカイロを提供することを目的とするものである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、カイロ用部材の基材となる不織布に金属膜を形成し、これをカイロの部材として用いることによって、本発明を完成するに至った。即ち本発明の使い捨てカイロ用部材は、不織布を基材とした使い捨てカイロ用部材シートであり、前記不織布の片面に金属膜が形成されていることを特徴とする。
本発明のカイロ用部材シートの金属膜は、物理蒸着法で形成することにより、金属膜厚非常に薄く確保することができるため、基布本来の通気性、ソフトな風合いを損なわない。
さらに、本発明のカイロ用部材は、保温性が顕著に優れており、カイロの充填剤から放射される赤外線を効率的に反射するので、保温性を高めることができる。また、金属膜上、あるいは、金属膜が形成されていない面に感熱性接着剤層を形成することにより、発熱体粒子の包装袋をカットして製造する際、ほつれの発生がなく容易にシーリングが可能であり、カイロの発熱体粒子の袋詰めと発熱体粒子包装体の形成が容易となる。カイロ使用時の手揉み繰り返しによっても金属膜の剥離はない。
本発明によれば、軽量で、柔軟性、耐摩耗性、快適性、形態保持性、保温性および長時間の保温耐久性に優れた使い捨てカイロを提供することができる。本発明のカイロ用部材シートは、基材である不織布に感熱性接着剤層が形成されているので、シートの裁断加工時にほつれることがない。
また、金属膜が形成されているためか、次の様な各種の効果が現れる。イ、 静電気の発生が抑制され、外観的にも高級感が表われ暖かさを感じる。ロ、 発熱体粒子を袋に包んだ時、袋中の粒子が見えにくなり且つ透け防止性がある。ハ、 使い捨てカイロを製造するに当たり、不織布基材面に直接、自在に印刷が可能である。ニ、 この金属膜形成による透け防止性効果を受けて、基材に印刷した文字や絵柄がくっきり浮かび上がり、印刷が綺麗に見える。さらにまた、ホ、 金属膜の形成により保温性ならびに保温の持続性が向上するので、発熱体の量が少なくて済み、カイロを薄く作り込むことが出来、さらにはカイロの軽量化に繋がる。
本発明のカイロ用部材シートを模式的に例示する断面説明図である。 本発明のカイロ用部材シートを模式的に例示する断面説明図である。
本発明は、不織布を基材とした使い捨てカイロ用部材シートであり、前記不織布の片面に金属膜が形成されていることを特徴とする。本発明の第2の態様は、前記金属膜表面あるいは金属膜が形成されていない表面に感熱性接着剤層が形成されていることを特徴とする。
まず、本発明で使用する基材について具体的に説明する。
前記基材として用いる不織布は、特に限定されるものではないが、スパンボンド不織布、トウ開繊不織布、メルトブロー不織布、抄紙法による不織布、カード機による不織布などが例示できるが、スパンボンド不織布が最も好ましい。スパンボンド法による長繊維不織布は、繊維長が長いので実用上に必要な強度が得られ、短繊維を用いるカード法や抄紙法の場合と比較すると、油剤処理、糊材処理等の工程を経ることなくそのままシート化されるので、繊維自体の蝕感をも生かすことができる。
前記不織布を構成する繊維としては、特に限定されるものではないが、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル繊維、ナイロン6、ナイロン66などのポリアミド繊維、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン繊維を挙げることができる。前記繊維は、単独で使用しても良く、2種以上を組み合わせて使用しても良い。これらの中でも、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリオレフィン繊維が、吸湿性が低いため好ましく、特にポリエステル繊維が好ましい。一方、天然繊維や再生繊維、半合成繊維の場合、素材の持つ吸湿性により物理蒸着工程時に必要となる真空化が難しく、その結果、蒸着が出来なかったり、金属薄膜の接着性が不十分になったりする。しかし真空化を大きく阻害しない程度の混用は可能である。
前記不織布の目付は、特に限定されないが目付けが低すぎると、発熱体のうち、極小のものが洩出する懸念も考えられ、他方、高すぎると不織布が硬くなりゴワゴワ感が顕著になるので適正な範囲を選択することが望ましい。従って、12〜100g/mとするのが好ましく、20〜70g/mがより好ましい。30〜50g/mであると、保温性がより向上するので特に好ましい。
前記不織布を構成する単繊維の繊度は、ポリエステル繊維の場合、特に限定されないが、0.5〜5dtexであることが好ましく、1〜3dtexとすることが特に好ましい。単繊維の繊度が0.5dtexを下回ると発熱体表皮材の形態保持性に影響がでてくるので好ましくない。また、5dtexを上回ると発熱体表皮材のゴワゴワ感が顕著になってくるので好ましくない。
前記不織布の厚みは、特に限定されないが、発熱体を被覆できる厚みの範囲としては、0.1〜0.8mmが好ましく、0.2〜0.4mmとするのが好ましい。
次に、前記不織布の片面に形成する金属膜について説明する。
不織布の少なくとも片面に金属膜を形成することにより、発熱体を被覆した場合、保温性を向上させると同時に長時間に亘って高い保温性を維持することができる。
前記金属膜を形成する金属としては、アルミニウム、ステンレス鋼、チタン、金、銀、銅、スズ、プラチナ、クロム、ニッケル或はこれらの合金などがあげられるが、好ましくは波長1.0μmの赤外線における金属膜の反射率が93%以上の金属が好ましく用いられる。93%未満では十分な保温性を得ることが難しい。金属膜の反射率は、例えば新版物理定数表(朝倉書店、1988年)等に挙げられている。これらの金属は単独使用しても良く、2種以上の組み合わせにより使用することもできる。中でも、コスト、安全性、蒸着加工の安易性等を考えると、アルミニウム単独もしくはアルミニウムとその他の金属を組み合わせた合金が好ましい。尚、合金の場合は金属膜の厚み方向に合金組成比を変更した傾斜組織とすることもできる。
形成する金属膜の厚みは、10nm以上であることが好ましく、30nm以上であることがより好ましく、500nm以下であることが好ましく、200nm以下であることがより好ましい。厚みが薄くなり過ぎると、赤外線の反射性能およびそれによる保温効果、実使用における耐久性が不十分になる場合がある。また、厚みが厚くなり過ぎると、基材不織布の風合いや通気度の悪化につながり、なおかつ金属の変色等の現象も起こりやすくなる。
本発明において、前記金属膜は、物理蒸着法により形成される。物理蒸着法を採用することにより使い捨てカイロの手揉み風合いの低下を起こすことなく、金属膜による保温性を得ることが出来る。前記物理蒸着法としては、真空蒸着、分子線蒸着、イオンプレーティング、イオンビーム蒸着などの蒸発系の方法と、スパッタリング系の方法が挙げられる。これらの中でも、生産効率の良さから、蒸発系の方法が好ましい。
無電解メッキ法などのメッキ処理により、生地全面に金属膜を形成する方法もあるが、これらの場合、不織布の内部にも金属の一部が侵入した厚い金属膜が形成されるため、風合いが硬くなり、特殊用途向けに制約される。
また、前記金属膜に、抗菌性や消臭性などのその他の機能を組み合わせても良い。本発明のカイロ用部材シートは、前記金属膜と不織布との間にさらに樹脂層を有することが好ましい。樹脂層を設けることによって、不織布と金属膜との接着性が向上し、実際の使用時における耐久性が向上する。すなわち、前記金属膜を物理蒸着法により形成する前に、不織布に樹脂層を形成する加工を施すことが好ましい。
不織布上に金属膜を物理蒸着法により形成する場合、原料となる繊維および不織布製造工程における油剤が接着性に対し悪影響を及ぼすため、これらを除去した後、蒸着を行う必要性があるが、スパンボンド不織布の場合にあっては、油剤処理等の工程を経ることなくそのままシート化されるので、さらに接着性が向上することが判明している。
前記接着性を向上させるために用いられる樹脂は、不織布の素材と金属膜との接着性に優れているポリマーを選択すればよい。例えば、ポリエステルを素材とする不織布の場合は、アクリル系樹脂、親水性を高めたエステル系樹脂、およびエステル系ウレタン樹脂などが好ましい。また、ナイロンを素材とする不織布の場合は、ウレタン樹脂やポリアミド樹脂などが好ましい。前記樹脂は、水性媒体に分散または溶解させた水分散液(エマルジョン、ディスパージョン)または水溶液(以下、これらを単に「水性液」という場合がある)、あるいは、有機溶剤に溶解または分散した溶液または分散液として使用することが好ましい態様であり、水性液として使用することがより好ましい態様である。
接着性をより向上する目的で、不織布にプラズマ処理やコロナ処理のような放電照射により、不織布表面を活性化する方法、あるいはスパンボンド不織布の場合エンボスローラーを用いて熱圧着し、丸状、楕円状、菱形状、円柱状、四角状、などの平行均等配置あるいは千鳥状配置などのエンボス模様を形成する方法を採用してもよい。
また、水性液を使用する場合、水性液には界面活性剤が添加されている場合がある。この場合、添加されている界面活性剤は、樹脂層形成後に水洗工程により除去されることが好ましい態様である。界面活性剤を除去することにより、不織布上に金属膜をより均一に形成することができる。
本発明のカイロ用部材シートは、前記金属膜上あるいは金属膜を形成していない不織布表面に感熱接着剤層を形成させることが好ましい。感熱接着剤層を形成しておけば、本来の目的であるヒートシーリング効果以外に、シートの裁断加工時にほつれることがなく、カイロの生産加工工程において、有利な影響を与えることができる。
感熱接着材層を形成する方法としては、コーティング、グラビアロール、ラミネートなどにより樹脂層を形成する方法などがある。
感熱接着剤としては、熱可塑性樹脂が挙げられる。例えば、熱可塑性樹脂フィルムをラミネートする場合、熱可塑性樹脂フィルムとしては、LDPE(低密度ポリエチレン)、LLDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)、HDPE(高密度ポリエチレン)または、メタロセン系触媒PE等の各種ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系、EVAおよびエチレン、プロピレン、ブテン等の各種共重合ポリプロピレン等のポリオレフィン共重合系、ポリアミド系、ポリエステル系などのフィルムが用いられ、透湿性を有した微多孔フィルムであってもよい。柔軟性、シール性、価格の点から、ポリエチレンまたはその共重合系オレフィンフィルムが好ましい。
上記不織布と熱可塑性樹脂フィルムを、ヒートシール、熱接合またはホットメルト接着剤などを用いてラミネートすることにより感熱接着材層が形成される。
上記の如く、形成された感熱接着剤層の厚みは、特に限定されないが、0.5〜100μmであることが好ましく、1〜50μmであることが、カイロの微小発熱物体を袋体に入れ、シールする場合の加工性ならびにカイロ形成後に求められる通気性を調整する上で、特に好ましい。
この様にして形成された本発明のカイロ用部材シートは、感熱接着剤層を形成した後、必要であれば通気度をコントロールする目的で、多孔加工を施してもよい。好ましい通気性度の範囲は、0.05〜10cm/cm/hとするのがよい。孔のサイズは3〜20μmとするのがよく、特に5〜10μmとするのが良い。孔のサイズが大きすぎるとカイロの微小発熱物体が洩出する恐れがあり、小さすぎるとカイロの発熱作用のための空気の取り入れに問題を起こすことになるので好ましくない。
ところで本発明のカイロ用部材シートを用いて使い捨てカイロを製造するに当たっては、金属膜を形成した面を内側にして微小発熱物体を収納する場合と、逆に不織布基材側を内側にして微小発熱物体を収納する場合があり、これらはカイロとしての最終外観に対する好みや商品価値、印刷外観の要請に対応して任意に選択されるが、前者の場合は後述する遠赤外の反射特性や再放射特性を製品評価の判断基準とすることが出来る。具体的には、その遠赤外保温性を確保する観点から、金属膜が形成された面は、遠赤外線をよく反射する特性を有することが望ましい。金属膜面もしくは金属膜の上に形成された感熱接着剤層を通した遠赤外線の反射特性や再放射特性は、例えば45度パラレル再放射法により代用的に評価することができる。45度パラレル再放射法により金属膜形成面の温度を測定して、未加工品(ブランク)との温度差を対比すればよい。評価を行う遠赤外線反射性能としては、金属膜が形成されていないブランクとの温度差(ΔT)として3℃以上であることが好ましく、4℃以上であることがより好ましい。前記45度パラレル再放射法により測定する熱再放射特性が前記下限値以上であれば、保温性を十分に体感できるため、より一層の低温環境下での使い捨てカイロとして用いるのに適する。
因みに、本発明のカイロ用部材シートでは、前記45度パラレル再放射法により測定する再放射表面温度(T)は、金属膜が形成されていない未加工品(ブランク)と比べて大きい値を示しており、且つ実測値として30℃以上、好ましくは35℃以上、更に好ましくは38℃以上とすることにより、保温性の向上に繋がる。ここで、再放射表面温度が30℃を下回る場合にあっては、従来品と比べて保温性の向上が見られなくなるので好ましくない。
また本発明のカイロ用部材シートは、金属膜が形成されているため帯電性の少ないことがひとつの特徴である。一般的にカイロ使用時は、外気温が低く、相対湿度が低くなっているため、疎水性の不織布からなるカイロ部材シートの場合にあっては、静電気が帯びやすい状態となっている。本発明のカイロ部材シートは、金属膜が形成されているので帯電防止性に優れており、使用時に衣服等と擦れあって静電気が起きることよる不快感を防ぐことができる。金属膜が形成されているシート面の帯電性として、半減期を0〜120秒とするのが好ましく、より好ましくは0〜30秒、特に0〜15秒とするのが好ましい。ここで半減期が120秒を超えると、カイロ使用時に静電気が頻発して不快感が増してくるので好ましくない。
本発明のカイロ用部材シートは、不織布の片面に蒸発系物理蒸着法により金属膜を形成し、好ましくは金属膜上あるいは金属膜が形成されていない面に感熱接着材層を形成することを特徴とする。また、不織布を基材としたカイロ用部材シートの製造工程において、前記不織布の少なくとも片面に樹脂層を形成してから、蒸発系物理蒸着法により金属膜を形成することが好ましい。
本発明のカイロ用部材シートは、金属膜が形成されているため遠赤外線透過率が70%以下、好ましくは50%以下、特に30%以下と小さく、カイロにした場合保温性向上に大きく寄与する。ここで遠赤外線透過率が70%を越えると従来品と比べて保温性の向上が見られなくなるので好ましくない。
本発明のカイロ用部材シートは、金属膜形成面を内側にするか外側にするかに係わらず金属膜が形成されているため保温率が12%以上、好ましくは20%以上、特に30%以上と大きく、カイロに用いた場合保温性向上に大きく寄与する。ここで保温率が10%以下になると従来品と比べて保温性の向上が見られなくなるので好ましくない。
以下、本発明を図面に基づいて説明するが、本発明は図面に示された態様に限定されるものではない。
図1〜図2は、本発明のカイロ用部材シートの構成を模式的に例示する断面説明図である。図1におけるカイロ用部材シート4は、不織布1と、不織布1の片面に形成された金属膜2と、金属膜2上に形成された感熱接着剤層3とを有している。図2におけるカイロ用部材シート4は、不織布1と、不織布1の片面に形成された金属膜2と、金属膜2が形成されていない表面に感熱接着剤層を有している。
次に、実施例及び比較例を用いて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではなく、前・後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施をすることは、全て本発明の技術的範囲に含まれる。本発明で用いた測定法は以下の通りである。
〈金属膜の膜厚の測定方法〉
蒸着加工した不織布から、2mm×5mm小片を切り出し、エポキシ樹脂で包埋した。この包埋した試料をウルトラミクロトームにて不織布の厚み方向に断面の超薄切片を作成した。この試料を透過型電子顕微鏡(JEOL社製、JEM2010)を用いて観察し、不織布を形成する繊維上に蒸着されたアルミニウム薄膜について、ほぼ平均的な外観を呈する部位を選び、拡大倍率50000倍にて写真撮影を行い、この写真からアルミニウム薄膜の厚みを求めた。
〈感熱接着剤層の厚みの測定方法〉
感熱接着剤層を形成した不織布から、2mm×5mm小片を切り出し、エポキシ樹脂で包埋した。この包埋した試料をミクロトームにて不織布の厚み方向を断面とするに超薄切片を作成した。この試料を走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察し、不織布を形成する繊維上に形成されたの感熱接着剤層の厚み方向を、拡大倍率5000倍にて写真撮影を行い、この写真から感熱接着剤層の厚みを求めた。
〈熱再放射特性の測定方法〉
熱再放射特性:(社)遠赤外線協会 認定規則 再放射特性 45度パラレル再放射法により測定をした。尚、測定面は不織布に形成された金属膜表面とした。
〈遠赤外透過率の測定方法〉
遠赤外線透過率:分光光度計(島津 UV−3100PC)により、720nm〜2000nmの波長域の透過率を測定した。光度計に取付けた積分球付属装置はISR−3100積分球内径60mmφ、標準白板は硫酸バリウムを使用した。試料を積分球付属のサンプルホルダーに取付けるために、タテ6cm×ヨコ3cmの長方形の中央にタテ2.5cm×ヨコ1cmの長方形スリットを切り抜いた厚紙を2枚用意した。シートサンプルをタテ6cm×ヨコ3cmに切り取って、用意した2枚の厚紙に挟み込んでからサンプルホルダーに取り付けた。そのサンプルホルダーを積分球の入射光側の透過率測定用の取付け位置に、不織布の金属膜形成面を分光光度計の光源側に向けて取付けて測定を行った。尚、このスリットを切り抜いた厚紙を使う目的は、サンプルにシワがよって測定値の精度低下を防ぐためである。同じ試料からサンプルを3個作成し、3個の測定データの平均値で評価した。
<保温率の測定方法>
カトーテック社製のサーモラボIIを用い、20℃、65%RH環境下で、BT−BOXのBT版(熱板)を35℃(人の皮膚温度を想定)に設定し、その熱板の上に試料を置き、熱移動量が平衡になったときの消費電力量Wを測定する。また、試料を置かない条件での消費電力量W0を計測する。これらの消費電力量から以下に示す式により保温率を求めた。
保温率(%)=((W0−W)/W0)×100
BT板は、10cm×10cmのサイズであるが、測定試料は20cm×20cmのサイズとする。測定方法としてドライコンタクト法を用いた。尚、測定試料は不織布の金属蒸着が形成されていない面を熱版側にセットして測定を行った。
<半減期測定法>
JIS L 1094:1997 織物及び編物の帯電性試験方法、5.1 半減期測定方法に従って測定した。
《実施例1〜8》
常法により、ポリエステルを紡糸機に供給し、溶融押し出しした長繊維を、冷却しつつエジェクターにて3500〜4500m/分の速度で引き取り、下方を移動する引取りネット上に均質に開繊振り落として、表1に示すそれぞれの目付けのウェッブを形成してスパンボンド不織布を得た。ウェッブ中の単繊維の繊度は2dtexであった。得られたそれぞれの不織布を、株式会社アルバック製イオンビーム蒸着機にセッティングし、真空環境下(真空度3.0×10−4Torr)アルミニウムの蒸着量をそれぞれ調整して蒸着処理を行い、表1に示すそれぞれの金属膜形成シートを作成した。尚、表1に示すそれぞれの条件でアルミニウム蒸着した不織布は、アルミニウム蒸着前の不織布(熱再放射特性測定のためのブランク)と対にして、測定用試料に供した。
引き続いて、それぞれの金属膜形成シートに感熱接着剤層を形成した。感熱接着剤層の形成は次のように行った。金属膜を有するシートの金属膜が形成されている面あるいは、金属膜が形成されていない面に、ポリエチレン(PE)フィルムをラミネートした。かかるラミネートフィルム部分は、感熱接着剤層となり、その厚みは表1に示すとおりである。実施例1〜4は、不織布の目付量(厚み)を変えた。実施例5〜7は不織布の厚みは一定であるが、金属膜の膜厚を変えた。そのうち、実施例7は、金属膜が形成されていない面に感熱接着剤層を形成した。実施例8は、不織布の素材として、ナイロン6を用いた。
《比較例1》
金属膜を形成する工程を省く以外に、他の工程は実施例1と同様に行い、スパンボンドシートを作製した。実施例1と同様の方法で評価を行った。結果を表1に示す。
実施例1〜8は、保温性が良い。特に、実施例2、3および4は、保温性が大きく優れている。実施例7は感熱接着剤層が金属膜上に無く、不織布上に形成した場合の事例であるが、保温性が良い。また実施例8は、不織布素材としてナイロン6を用いた事例であるがポリエステルと同様の保温性が良い。
比較例1は、金属膜が形成されなかったため、保温性の数値が小さく本発明品に比べて劣る。さらに、帯電性の評価値である半減期の数値が本発明品に比べ、極めて大きく静電気の発生が大きくなっている。
本発明は、低温環境下で防寒用として用いられる、軽量で、柔軟性、耐摩耗性、快適性、形態保持性および長時間の保温耐久性に優れた使い捨てカイロを提供することができる。
1:不織布
2:金属膜
3:感熱性接着剤層
4:カイロ用部材シート

Claims (5)

  1. 不織布を基材としたカイロ用部材シートであり、前記不織布の片面に物理蒸着法による金属膜が形成されており、前記金属膜形成面上または該金属膜が形成されていない不織布の表面に感熱接着剤層が直接接触するように形成されていることを特徴とするカイロ用部材シート。
  2. 45度パラレル再放射法により測定する熱再放射特性が、金属膜が形成されていないブランクとの温度差(Δt)として3℃以上である請求項1に記載のカイロ用部材シート。
  3. 遠赤外線透過率が25%以下である請求項1または2に記載のカイロ用部材シート。
  4. 金属膜がアルミ蒸着である請求項1乃至のいずれかに記載のカイロ用部材シート。
  5. 請求項1乃至のいずれかに記載されたカイロ用部材シートを用いたカイロ。
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