JP5427668B2 - 非接触型データ受送信体の製造方法 - Google Patents
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例えば、接着剤を介して、薄いシート状の回路部を、シリコーン膜でコーティングされたウレタン樹脂からなる表面基材で挟み込んで、これらを一体化してなるシート状のICタグが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
このようなシート状のICタグは、剥離基材の剥離層上に、2液混合型ウレタン樹脂を塗布した後、この樹脂を介して、基材と、その一方の面に設けられたICチップおよびアンテナとからなるインレットを貼り合せ、さらに、このインレット上に2液混合型ウレタン樹脂を塗布するなどの工程を経て、製造される。
シート状のICタグの製造では、搬送されている長尺の剥離基材の表面に、その搬送方向に沿って、2液混合型ウレタン樹脂を線状に塗布した後、この樹脂を介して、インレットを貼り合せる。この後、2液混合型ウレタン樹脂を介して、剥離基材とインレットが重ね合わせられ、これらを、所定の間隔を置いて対向する一対のローラーに挟み込むことにより、剥離基材とインレットの間に、この樹脂を展開させる。ここで、上記のような被膜が形成されていると、剥離基材に塗布した2液混合型ウレタン樹脂において、ローラー同士の間隔よりも剥離基材の表面からの位置が低い部分に形成された被膜は、ローラーによって押し潰されないため、剥離基材とインレットを貼り合せた後も、2液混合型ウレタン樹脂には、剥離基材などの搬送方向に沿って、上記のような被膜からなる2本の線条が生じるという問題があった。
また、本発明の非接触型データ受送信体の製造方法は、前記工程Cまたは前記工程Fの後に、さらに、前記積層体を、前記インレットの形状に合わせて裁断する工程Gと、前記第一の剥離基材および前記第二の剥離基材を剥離する工程Hと、を有し、前記工程Gと前記工程Hを順不同に行うことが好ましい。
なお、この形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
図1は、本発明の非接触型データ受送信体の製造方法によって製造された非接触型データ受送信体の一実施形態を示す概略断面図である。
この実施形態の非接触型データ受送信体10は、インレット11と、インレット11の一方の面11aを被覆する第一の被覆材13と、インレット11の他方の面11bを被覆する第二の被覆材14とから概略構成されている。
なお、第一の被覆材13と第二の被覆材14を総称して、被覆材12ということもある。
アンテナ17は、各種導電体からなり、互いに対向し、その対向する側にそれぞれ給電点(ICチップ16と接続している部分)を有する一対の面状の放射素子18,19からなるダイポールアンテナである。
アンテナ17の長手方向における長さは、非接触ICカードなどの非接触ICモジュールに利用できる極超短波帯〈UHF〉やマイクロ波帯の電波帯の周波数(300MHz〜30GHz)の1/2波長に相当する長さとなっている。すなわち、放射素子18,19の長手方向における長さは、1/4波長に相当する長さとなっている。
ゆえに、インレット11の一方の面11aでは、ICチップ16およびアンテナ17が第一の被覆材13によって被覆されている。
また、第二の被覆材14の厚みは、特に限定されないが、インレット11が外部からの衝撃により破損しない程度であり、例えば、10μm〜2000mmの範囲内である。
この2液混合型ウレタン樹脂は、硬化後にタック性(仮留め可能な性質)を有するものであるので、第一の被覆材13の一方の面13a、すなわち、非接触型データ受送信体10の一方の面10c、および、第二の被覆材14の一方の面14a、すなわち、非接触型データ受送信体10の他方の面10dは、タック性を有している。
この2液混合型ウレタン樹脂では、イソシアネートのイソシアネート基と、ポリオールの水酸基のモル比(−NCO/−OH)が0.8以上、1.1以下となる配合比で、イソシアネートとポリオールが混合されている。また、この2液混合型ウレタン樹脂において、エポキシ基を有するシランカップリング剤の配合量は、0.1質量%以上、2.0質量%以下である。
この2液混合型ウレタン樹脂では、イソシアネートのイソシアネート基と、ポリオールの水酸基のモル比(−NCO/−OH)が0.8以上、1.1以下となる配合比で、イソシアネートとポリオールが混合されている。また、この2液混合型ウレタン樹脂において、アスペクト比が10以上、100以下の無機微粒子の配合量は、5質量%以上、40質量%以下である。
また、本発明におけるポリマー型導電インクとしては、熱硬化型の他にも、光硬化型、浸透乾燥型、溶剤揮発型といった公知のものが用いられる。
さらに、アンテナ17をなす金属メッキとしては、銅メッキ、銀メッキ、金メッキ、白金メッキなどが挙げられる。
次に、図1〜図9を参照して、この実施形態の非接触型データ受送信体の製造方法を説明する。
この実施形態では、図2に示すような、基材15Aと、その一方の面15aに、RFID用のアンテナ17と、このアンテナ17を通じて通信するICチップ16とが等間隔に多数設けられた、長尺のインレットシート22が用いられ、連続的に、上述の非接触型データ受送信体10を製造する。
また、第一の剥離基材21の一方の面21aに第一の接着剤13Aを塗布する幅a、すなわち、第一の剥離基材21の一方の面21aに対する第一の接着剤13Aの塗布量は、特に限定されないが、この第一の接着剤13Aによって被覆される、インレットシート22に設けられたICチップ16およびアンテナ17の大きさや数、第一の接着剤13Aを硬化することにより形成される第一の被覆材13に必要とされる厚みなどに応じて、適宜調整される。
剥離フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)などのプラスチックからなる厚み30μm〜160μmの基材フィルムの一方の面および/または他方に面に、シリコンからなる厚み1μm〜50μmの剥離層が設けられたものが用いられる。すなわち、第一の剥離基材21の一方の面21aは、シリコンからなる剥離層から構成されている。
このような剥離フィルムの具体例としては、例えば、東セロ株式会社製のトーセロセパレータSP−PET−01−BU(商品名)などが挙げられる。
このような剥離紙の具体例としては、例えば、王子タック株式会社製のL11C(商品名)などが挙げられる。
これにより、第一の接着剤13Aが抑制部材32,33に当接する位置にて、第一の接着剤13Aの幅がaからbに狭められるとともに、抑制部材32,33に当接する位置およびその近傍にて、第一の接着剤13Aの流れに乱れが生じる。その結果、第一の接着剤13Aが抑制部材32,33に当接する位置およびその近傍にて、第一の接着剤13Aが攪拌され、その表面に僅かに形成した、その硬化物からなる被膜も同時に粉砕されて、第一の接着剤13A全体に分散する。ゆえに、後述する一対のローラー34,35の間隔よりも第一の剥離基材21の一方の面21aからの位置が低い部分に形成された被膜も、抑制部材に32,33によって粉砕されるので、第一の剥離基材21とインレットシート22を貼り合せた後に、2液混合型ウレタン樹脂には、第一の剥離基材21の搬送方向に沿って、上記のような被膜からなる2本の線条が生じることがない。
なお、ここでいう第一の接着剤13Aの流れとは、第一の剥離基材21の搬送方向に伴って第一の接着剤13Aが移動することによる擬似的な流れのことを言い、第一の接着剤13A自体が実際に流動することを言うのではない。
また、インレットシート22の他方の面22bに第二の接着剤14Aを塗布する幅c、すなわち、基材15Aの他方の面15bに対する第二の接着剤14Aの塗布量は、特に限定されないが、第二の接着剤14Aを硬化することにより形成される第二の被覆材14に必要とされる厚みなどに応じて、適宜調整される。
これにより、第二の接着剤14Aが抑制部材37,38に当接する位置にて、第二の接着剤14Aの幅がcからdに狭められるとともに、抑制部材37,38に当接する位置およびその近傍にて、第二の接着剤14Aの流れに乱れが生じる。その結果、第二の接着剤14Aが抑制部材37,38に当接する位置およびその近傍にて、第二の接着剤14Aが攪拌され、その表面に僅かに形成した、その硬化物からなる被膜も同時に粉砕されて、第二の接着剤14A全体に分散する。ゆえに、後述する一対のローラー39,40の間隔よりもインレットシート22の他方の面22bからの位置が低い部分に形成された被膜も、抑制部材に37,38によって粉砕されるので、インレットシート22と第二の剥離基材23を貼り合せた後に、2液混合型ウレタン樹脂には、第二の剥離基材23の搬送方向に沿って、上記のような被膜からなる2本の線条が生じることがない。
なお、ここでいう第二の接着剤14Aの流れとは、積層体αの搬送方向に伴って第二の接着剤14Aが移動することによる擬似的な流れのことを言い、第二の接着剤14A自体が実際に流動することを言うのではない。
また、この実施形態では、工程Eにおいて、線状に塗布された第二の接着剤14Aに対して直交するように、抑制部材37,38を配置する場合を例示したが、本発明はこれに限定されない。本発明にあっては、工程Eにおいて、線状に塗布された第二の接着剤に対して、インレットの搬送方向側に傾斜するように抑制部材を配置してもよい。
Claims (3)
- インレットと、該インレットの表面を被覆する被覆材と、を備え、前記被覆材は2液混合型ウレタン樹脂からなる非接触型データ受送信体の製造方法であって、 搬送されている第一の剥離基材の一方の面をなす剥離層の上に、2液混合型ウレタン樹脂からなる第一の接着剤を、その搬送方向に沿って幅aの線状に塗布する工程Aと、 前記第一の剥離基材に、その搬送方向に沿ってインレットを重ね合わせる直前に、前記第一の剥離基材に塗布した第一の接着剤に対して、その幅方向の両側から、前記幅aよりも小さい間隔bを隔てて配置された一対の抑制部材を当接させる工程Bと、 前記第一の接着剤に前記抑制部材を当接させた後、前記第一の接着剤を介して、前記第一の剥離基材の一方の面上に前記インレットを重ね合わせて、前記第一の剥離基材に対して前記インレットを押圧することにより、前記第一の剥離基材の一方の面と前記インレットの間に、前記第一の接着剤を展開させる工程Cと、を有することを特徴とする非接触型データ受送信体の製造方法。
- 前記インレットの前記第一の接着剤と接している面とは反対側の面に、2液混合型ウレタン樹脂からなる第二の接着剤を、前記第一の剥離基材および前記インレットの搬送方向に沿って幅cの線状に塗布する工程Dと、 前記インレットに、その搬送方向に沿って第二の剥離基材を重ね合わせる直前に、前記インレットに塗布した第二の接着剤に対して、その幅方向の両側から、前記幅cよりも小さい間隔dを隔てて配置された一対の抑制部材を当接させる工程Eと、 前記第二の接着剤に前記抑制部材を当接させた後、前記第二の接着剤を介して、前記インレット上に前記第二の剥離基材を重ね合わせて、前記インレットに対して前記第二の剥離基材を押圧することにより、前記第二の剥離基材の一方の面と前記インレットの間に、前記第二の接着剤を展開させる工程Fと、を有することを特徴とする請求項1に記載の非接触型データ受送信体の製造方法。
- 前記工程Cまたは前記工程Fの後に、さらに、 前記積層体を、前記インレットの形状に合わせて裁断する工程Gと、 前記第一の剥離基材および前記第二の剥離基材を剥離する工程Hと、を有し、 前記工程Gと前記工程Hを順不同に行うことを特徴とする請求項1または2に記載の非接触型データ受送信体の製造方法。
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